今日読んだSF/FT/HRの感想 5冊目

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197ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
金城哲夫「小説 ウルトラマン」     5点
「シュワッチ!」とか雄叫びを上げながら、ハイタッチしている特撮ヲタ兼SFヲタ連中
を見かける事が多くなって来た今日この頃である。
このような輩に対して、「原典に戻れ!」と突き付けて読ませたいのが本書である。
映像化作品とはプロットやストーリーが異なる部分もあるが、基本的には「ウルトラマン」のダイジェスト版ノヴェライズ、「ウルトラセブン」のシナリオ3篇が収録されている。
(後、「円谷英二物語」も有り)
さすがにマンのダイジェストには無理有り過ぎ、映像化作品にはあっても
本文には登場しないエピ等(ピグモンと多々良島の件等)が唐突にストーリーに
絡んで来る等、単独の「読物」として見た場合には問題有りである。
(映像化作品には登場しないウルトラマン攻撃会議のエピは面白いが)
隊員同士の呼称に「さん付け」「君付け」が多いのも、テレビシリーズに親しんだ者
としては違和感大だ。
対して、セブンのシナリオは映像化作品と対比して読むと、非常に興味深いものがある。
特に最終回「史上最大の侵略」で、体力の衰えに苦悩するダンをウオッチしているのが、
アンヌではなくゴース星人であること、秋夫少年からダンが逃亡者として非難される
シーンがあること、この2点は物語の印象そのものを変えてしまうほどの大きな相違点
である。後者は、秋夫がダンを密告したような形に受け取れるのである。