今日読んだSF/FT/HRの感想 5冊目

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12ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
瀬名秀明「BRAIN VALLEY ブレイン・ヴァレー」    4点
脳科学者孝岡護弘は、脳研究の最先端研究施設ブレインテックに赴任以来、
相次いで怪奇現象に見舞われる。
UFO、臨死体験、そして神との邂逅…これらの現象の秘密は「脳」にあったのであった。
97年末とかれこれ8年以上前の刊行であり、現代では、既に一昔前以上の作と
言うても良いであろう。まだ、クオリア等が話題になる随分前の作でもある。
携帯電話が登場しない等、細部にはさすがに時代の流れを感じさせるものがあるが、
今読み直しても、「脳」という「宇宙」「深海」と並ぶ人間にとってのミステリ・ワールド
を描いた作として、一応の読み応えがあるものとなっているものの、
そのレベルは「なんともサード・インパクトみたいな神の降臨キターコレ!」
と絶叫しているアニヲタ同等なSFヲタ好みとは言い得る。
筆者は、本書刊行当時に「インテリゲンチュア・イン・ジャパン」誌上(新春特大号)
において、本作を「日本のマイクル・クライトン現る!独自の日本的暗さが漂うのも魅力」
と評し論じたような記憶もあるので、より詳しくはそちらを参照されたい。
(今思うと、いささか誉め過ぎのきらいがあったか)