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ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
SFヲタよ、少しは古典に親しみたまえ。
これは俺からの指導(注 中村ではない(w )と理解して頂いて結構である。
心して読め!
ロバート・A・ハインライン「異星の客」 5点
人類初の火星探検隊員の遺児(不倫の子)ヴァレンタイン・マイケル・スミスは、
火星人から身につけた超能力により教祖的存在となるが、民衆の反感も買い
虐殺されてしまう。正直言うてメーンストーリーはこれだけであるが、
ヒッピーの聖典となり、マンソンファミリーのアジトからさえ押収されるという
SF作品、特にこのジャンルのプロパーと言うてよいマエストロの手になるものと
しては稀有な読まれ方をされた書である。
知識人にして資産家のジュバル・ハーショー
(第2部から登場し、以後は主人公ヴァレンタイン(注 マリーンズの監督ではない(w )
以上の存在感でドラマを引っ張る)を中心とした禅問答的会話(メーンテーマは
人類とは何か)が延々と登場し、800頁が費やされる次第。
物語のスケール感も派手なアクションにも乏しいため、読み進めるに当たっては、
007シリーズで知られる井上一夫氏のこなれた日本語訳に随分と救われている感がある。
俺のようにSFは思索小説であるべしと把握する者には適した読物と言えるだろうが、
レイ・ガンやパワード・スーツにうつつを抜かしているSFヲタには、いささか読むのが
きついものがある作かと思う。
ただし、ハインラインのサービス精神は健在であり、ヒロインのナース、ジリアンを
筆頭に女性萌えキャラには事欠かない。
内容をグロク出来ないにもかかわらず、「漏れは抜くために読む」というアホな
SFヲタも多いのではないか。もう氏ねよ。