今日読んだSF/FT/HRの感想 4冊目

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789ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
谷崎潤一郎「人魚の嘆き・魔術師」    1点
ネットゆえはっきりと書かせて頂くが、この板は、偏屈なSFヲタに限らず、
気色悪げなホラーヲタ、頭の中が1年中春のファンタジーヲタが巣食う場ゆえ、
(比較すると、ミスヲタはやはり知的な感がある)
あえて本書を紹介しておくこととする。
うーん、後年の大谷崎が念頭にあるせいか、オチも人生観も無いこの2作は、
いかに文豪の手になるものとはいえ、高い評価を与えることは出来かねるものがある。
「人魚の嘆き」は、人魚を海に逃がしてやって、人魚がお礼のポーズをして終わり。
「魔術師」は、半羊神化した恋人同士の角が絡みあい離れなくなって終わり。
これじゃあねぇ(w
文豪に言わせれば、人魚や魔術師という異者をテーマに、作品中に「美」そのものを
描ければそれで良しとしたのであろうが、今、読むと、さすがにこれのみでは物足りない
ものがある。