ジェイソンvsフレディーやエイリアンvsプレデター
のように、映画キャラ対決で賑わっている洋画界であるが、
日本でも特撮映画史上2大怪獣、ゴジラとガメラを同じスクリーン
の中で共演させることはできないものなのか?
この板住人の力を借りて、SF的シチュエーションのもと、
2匹をクロスさせてみませんか?いろんな飛躍的発想で
意見、議論をやってみてください。
2 :
BLACKBIRD:05/02/11 20:35:15
ゴジラ対ガメラ空中決戦。…えっ、無理?
然し、スレッド立てが難しい中、色んなスレッドがSF板で乱立気味ですな。
4 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/11 21:09:40
ゴジラとラドンを合体させれば可能
ゴジラドン、最強!(°∀° )
6 :
BLACKBIRD ◆J9VTR9kM3Y :05/02/11 22:16:11
すると、キングギドラとゴジラを合成させる事も…。強そうです。
7 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/11 22:36:47
ゴジモスラも捨てがたい
やっぱマグロばっか食ってる奴じゃだめか。
次、行ってみよう。
ゴジラ・ガメラの二つの線を一つにして点にするには、まず時間的な問題
あり。平成になると同時代を生きてるわけだし・・・
メカガメラが出ない限りSF板では同じ土俵には立てないと思う
11 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/12 13:06:44
ガメラは半分メカだろ
12 :
自衛隊:05/02/12 17:16:14
とても身が持ちません・・・
死せるガメラ夢見るままに待ちいたり
ガメラって人工的に作られた生物なんだっけ?よく覚えてないが
15 :
BLACKBIRD ◆J9VTR9kM3Y :05/02/12 23:24:46
新作ガメラってそう言う風な設定だった様に記憶してマスが。小生も曖昧模糊。
16 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 00:58:29
古代人が作った生物兵器だよ。
17 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 15:07:31
age
18 :
sage:05/02/13 15:52:40
2匹の時間的な問題をクリアし、宇宙と古代に視点を当て新たな設定を
加えれば、激突、共闘どちらでも可能だろう。
19 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 15:53:31
ageちゃった(汗…
となると、話はどうなるんだろうな。
平成ガメラシリーズみたいに結構作りこまれるのか、最近のゴジラシリーズのように中身なんてほとんど無いのか。
ガメラシリーズにゴジラ登場でしょう。
というか、平成からのゴジラはシチュエーションばらばらw
ガメラのほうがシリーズとして「線」がしっかりしてる。
22 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 16:31:20
ラドン対ギャオスの空中戦も見てみたい希ガス。
23 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 16:37:20
ゴジガメがぶつかれば、ラドギャオも戦える。
が・・ガメラとギャオスは戦う宿命になってるが、ゴジラとラドンは
仲間じゃね? 3(ゴジラドギャオ)対1(ガメ)になるよ・・
具体的に言うとね。
最初に悪い宇宙人(それ以外に説明する必要一切なし)が現れて
地球侵略を企てるわけです。
で、地球にいる最強の怪獣のゴジラとガメラを潰し合わせようとして互いに誘導電波で
おびき寄せて戦わせるんですよ。
最初は夜の大阪湾に上陸、バトル、ゴジラが少し有利かなっていう感じでお開き。
次は昼の名古屋で名古屋城周辺で2回目のバトル、ガメラが逆襲して有利になったとこでお開き。
2回のバトルで日本は騒然となって自衛隊とかが総攻撃の準備にかかるわけ。
しかし、民間人にそれを不思議に思うものがいた。
日本に海外赴任でやってきたビジネスマンの子供の欧米人の子供(日本語は吹き替えでペラペラ)それと業務先の日本企業の社員の息子の日本人(頭に野球帽をかぶってる)
その子供二人はゴジラはともかく人類の味方のガメラでさえも一緒になって街を破壊してることに疑問をいだくワケ。
で、二人でネットを使って調査してると近くの町の発明家(これも説明いっさいなしで結構)が
同じく疑問に思って調査してることを発見、そこに疑問を問いただしにいくことから三人での独自の調査が始まる。
ゴジラとガメラの現れる直前に強い電波が周辺に張られることを発見する。
荒れ果てた名古屋城の周辺にあった怪しいビルで電波誘導装置を発見する。
発明家がその装置を逆用してゴジラとガメラを再び人類のために動いてもらうようにするわけ。
いよいよ東京までゴジラとガメラは東上してくる。しかし宇宙人が発生させた誘導装置は急に使えなくなる(三人が逆の電波で妨害)
宇宙人側はもう東京もろともゴジラとガメラを倒すために最後の手段にでるワケ。
以前からクローンで作り上げた二大悪役怪獣のキングキドラ&ギャオス(両方とも改造されてパワーUPされてる)
をゴジラ&ガメラ撃滅のために繰り出す。
ゴジラとガメラはさすがに他から自分たちが誘導されてたことに本能で気がつき逆襲にでる。
ラストは東京でゴジラ&ガメラ VS キングキドラ&ギャオスの激突!!
昭和時代の怪獣特撮映画の王道みたいな展開だけど細かい説明一切抜きで突き進んでほしいよ。
近頃はリアル志向で説明調な怪獣映画多すぎるし。
やってくれないかな・・・ゴジラVSガメラ 見たくてたまらんよ。
>地球にいる最強の怪獣のゴジラとガメラを潰し合わせようとして
宇宙人の地球侵略目的なら、最初から共闘させるほうが得策でしょ?
初めっからコントロールできるんだったら・・
クローンも作れるのなら、ゴジラのクローンも作っちゃえばいい。
(ガメラは生物メカだから無理っぽいけど…)
まぁ…そうしたら人類滅亡なんだけどね…w
でも見たいよね。熱意は伝わりました。
27 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 17:19:39
>>26 >宇宙人の地球侵略目的なら、最初から共闘させるほうが得策でしょ?
>初めっからコントロールできるんだったら・・
怪獣大戦争といって見るテスト(w
放射能汚染(まぁこういう言葉が便利だからね)をキーに出来るんじゃないかな。
餌と見てよってくるゴジラと、地球を汚す物として処分しようとするガメラ。
戦う理由は単純な方が子供には受けるよ。
>>21=
>>20 いくらなんでも平成ガメラの秋葉ヲタ臭さは
ゴジラには合わないし、ガメラがリアル路線狙うのは無理がある
初代ゴジラみたいなリアルな世界観じゃまずガメラは場違いだから
普通にゴジラvsモスラみたいな世界観が一番合ってる
善玉のガメラ、悪玉のゴジラになるんじゃないか
今までの映画からしても、ガメラが子供の見方的な設定なのに対して
ゴジラはちゃんと怪獣って感じだから
ゴジラが街で暴れてるところに軍隊が応戦、しかし歯が立たずガメラ登場
ゴジラの強さにガメラが瀕死、しかし人間やマナの助けもあり何とかゴジラと闘える
そして双方激しい戦いを繰り広げながらついにゴジラがガメラを倒す
ゴジラは暴れた後は満足し海に帰り、ガメラは子供の叫び声で復活
そして空に飛んでどこかへ
またゴジラが現れたらガメラに頼もうと子供達は誓う
そして大人たちは放射物質を無くそうと誓う。終わり
で、実際戦ったらどっちが勝つんだ?
世界観の話になっちゃうとね…
つまりガメラはガメラシリーズの中でしか存在できないと思うけど、
ゴジラは昭和29年にリセットされて次々と新しいゴジラを誕生させてる
点において…「ゴジラ」が一人歩きしてる感があるんだよね。
まぁ…ゴジラという俳優が設定を変えて役と演技をやってるみたいな…
そういう意味で、ゴジラをどこかの年代でリセットしちゃえば、
ガメラシリーズへの登場というのもおかしくない・・・かなと。
その逆(ガメラ→ゴジラ映画登場)はどう考えても無理・・・・
それより、ウルトラマンVS.ゴジラはいつですか?
>>34 円谷はネクサス打ち切って中国版ウルトラ作るらしいので今それをやると
中国VS日本になってしまいますよ?
36 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/14 16:42:09
「ファイナルウォーズ」でゴジラも長い休眠期間に入るだろから
次に新しく復活するのがガメラシリーズだったら面白いなw
そこで新怪獣ガジラ登場ですよ。
くぴぽ
40 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/14 18:53:37
イリスの脅威をガメラによって守られた平和な日本・・
異空間へと誘うペンダントを手にした少年が、ゴジラ映画鑑賞中に
スクリーンの中に吸い込まれ、映画のキャストの一人になってしまう・・
映画の中の少年は、魔法のペンダントをエイリアンに奪われ、それを
現実世界への架け橋として使われてしまい・・ついにスクリーンから
ゴジラはガメラのいる現実世界へと飛び出してしまった・・
こうすると時間的な問題はクリアされるよ。
シュワちゃんの「ラストアクションヒーロー」参考w
41 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/14 19:05:36
イリスの脅威をガメラによって守られた平和な日本・・
しかし、○朝鮮の核攻撃により、放射能怪獣ゴジラが目覚める。
ゴジラサウルスは日本海にもいたのだ!
核物質に引かれ、将軍さまのミサイルを襲うゴジラ
しかし、中朝連合軍(ほとんど中国)の人津波攻撃に足場をを崩され
ゴジラは海に叩き落される。
その後、中国の原潜に誘導され、敦賀に上陸するゴジラ。
え〜と、ガメラはどうしよう。
ゴジラとガメラは作品数が違うからなぁ
>>44 作品数が多いから怪獣たちもいろんな役回りを務めさせられたな・・
その一番の被害者はキングギドラかな。。
宇宙人が連れてきた宇宙怪獣から始まり、同じく宇宙人のペットが
被爆して巨大変異化した怪物、あと地球の守り神?・・勝手にメカにも
されたし・・
50 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/15 17:37:53
イリスはいろんな遺伝子を取り込んで自己進化するから
最終進化形をゴジラにしちゃってガメラと戦わせる。
ま ゴジラファンから怒られるけど。
このスレ的にガメラ3のラストはどうよ。
52 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/15 21:59:47
age
>>33 そこをなんとか考えてみた。
自衛隊の援護を受けながらギャオスの群れと戦う傷だらけのガメラ。最後の力を
振り絞ってまだ残っているギャオスめがけてプラズマ火球を放とうとしたその時、
ガメラは強烈な光に包まれ、数匹のギャオスと共にこの世界から消えた ――
別の世界の日本。数年おきにゴジラが襲ってくるこの国に暮らす子供たちの間に、
いつしか一つの物語が広まっていた。それは人間を助ける、正義の怪獣の物語。
そんな世界に出現したギャオスたちはゴジラに襲いかかった。ほとんどは倒されるが、
一匹がゴジラの皮膚を食いちぎり、そのまま逃走した。続いて現れたガメラもゴジラに
戦いを挑んだものの、力及ばず。自衛隊からも攻撃され(おまけに元々いた世界の
自衛隊より強力)、海へ逃れる。
ガメラが残した勾玉を拾った子供はあれが物語に出てくる正義の怪獣だと知り、
少数の大人たちの力を借りて全国の子供たちに訴える。
子供たちの祈りによって本来の力を取り戻したガメラ、ゴジラの遺伝子を取り込んで
より強力な姿に自己進化したギャオス(ブーステッドギャオスとでも呼ぼうか)、
そしてゴジラ、三つ巴の戦いが始まる ――
色々あった末、ガメラとゴジラは一時的に共闘してブーステッドギャオスを倒す。
しかしその直後、両雄はお互いめがけて最大出力の熱線とプラズマを放った。
強烈な光に包まれ、ゴジラもガメラも消える。勾玉を拾った子供の心には、
ガメラからの最後の声が届いていた ――
昭和ゴジラなら辛うじてその世界観についていけるな
55 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/16 12:39:32
>>53 いいっすね・・・ そのシーンが浮かぶな・・なかなかの秀作じゃないかな。
他にもないっすか?もっと書いて〜。
『ゴジラvsモスラ』の
モスラとバトラをガメラとギャオス(それともバトル・ガメラ/バメラ?)にすれば
ノープロブレム
俺もそう思う
『大怪獣 東京に現る』ってのもありましたな
SF的って条件からは外れますが
ギャオスは、実は古代人と宇宙人との合作だったことにすれば?
ガメラでは古代文明については明確にしてないし、そこに新たな
設定を加えやすいと思うけど。
やがてギャオスは暴走・・・古代人は海にガメラを、宇宙人はゴジラ
を残した・・・しかし人類の水爆実験により、ゴジラだけ先に目覚めて
しまった・・・
あと続かん・・・
60 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/17 17:36:49
>>58 怪獣が全く出てこないやつだっけ。
あれはあれで面白かったけど、ガメラやゴジラもニュースで名前だけ出すっいぇ設定にするの?w
古代人と宇宙人が軍事的目的でゴジラを作る。しかしコントロールが効かず、暴走。仕方がない
ので対ゴジラ兵器ギャオスを作る。何とかゴジラには向かっていくけどやっぱり暴走して地球環境
を破壊しながら数を増やしていく。この時点で宇宙人は地球から撤退。古代人は人類を
守る為にガメラを、環境を守る為にモスラを作り、ゴジラvsギャオスvsガメラ、モスラの戦いに突入。
いろいろあってゴジラ、ギャオス、ガメラは倒れついでに古代文明は崩壊。しかしガメラの働きで
人類は何とか絶滅を免れ、モスラの働きで地球環境も壊滅的状況までには至らなかった。
現代、核実験によりゴジラが目を覚まし、そのゴジラを倒すためギャオスも目覚め
人類を守るためガメラも目を覚ました。
SF要素無え
第一期ガメラはエネルギー(画面映えのため専ら熱だったが)を求めて暴れまわっていた
第二期ゴジラは生体核反応炉という設定だった
で
ゴジラは体内の余熱を捨てるために周期的に出現して暴れる、として
そこにエネルギーを求めてガメラ出現、対決するもあっけなくやられる(やられるのはガメラの芸風)
でもやられる度に巨大化、強力化、グロテスク化していく
(第二期シリーズのデザイン変更に対応 最後はガメラ版イリスに)
一方のゴジラも闘うたびに出力を上げ、原形を留めていられなくなる
(『vsデストロイア』のメルトダウン・ゴジラを超える壮絶な姿に)
最後はぐちゃぐちゃガメラがめちゃめちゃゴジラを呑み込んで、恐ろしい閃光が……
って、バルンガじゃん
20××年・・・超古代文明遺跡発見。
ギャオス出生の謎が明らかになる。古代人の高度な遺伝子工学の影には
エイリアンの関与があった・・・。
しかし・・エイリアンの真の目的は、ギャオスを暴走させて人類を滅亡に
追い込むことだった・・ そしてエイリアンの目論見通り、ギャオスは古代文明を破壊する・・・が・・・その後異常な繁殖・・・ ついには制御不能に陥り、
ついにはエイリアンにも牙を剥く・・・。
生き延びた古代人は最後の望みとして、ガメラを海の底に残した。
ギャオスの反乱により、エイリアンも地球を一旦離れることを決意し、
再びギャオスが異常繁殖したときのために
「怪物X」を海の底に沈めておいた・・・
イリスとの戦い後・・・数年後。
再びギャオスの目撃情報が多数報告される。
前回をはるかに超えるその数に、国連での世界規模での軍事作戦
を開らかれた。
ガメラ出現・・・
そして、国連が呼びかけた 「無国籍地球防衛軍」&ガメラ vs ギャオス の
空中戦が各国で繰り広げられた・・・
時を同じくして・・・ギャオスの惨殺体の報告が防衛本部に入る・・・
明らかに防衛軍、ガメラの攻撃力ではない殺され方・・・
・・・エイリアンが残しておいた怪物Xが目覚めていた・・・
ギャオスの群れを追うガメラはXと遭遇・・・不意打ちを食らった
ガメラは深手を負い、前線から離れることを余儀なくされる。
エイリアンが創りだしたXは、「ギャオス撲滅」というガメラと共通の目的
があったが、一方で人類へもその矛先は向けられていた。
上空をXが通過すると地上では風速何百bという突風が吹き、
甚大な被害を及ぼす…
ギャオスの遺伝子を研究中の科学者たちが不審なことに気づく・・
ギャオス異常発生の裏には、何か特別なギャオスの存在を示唆・・・
富士の樹海の深い森の中にその存在を確認する・・・
暴走したすべてのギャオスの産みの親Y(スーパーギャオス?)で
・・・突然変異の中の突然変異・・古代人とエイリアンから自立し、
すべてのギャオスをコントロールしているのだ・・。
ギャオスのこれ以上の繁殖と暴走を食い止めるにはYを倒すこと
と判断した日本軍は、独断で攻撃を開始・・・身を守るために
Yは多くのギャオスを日本へ呼び寄せる・・・それを追ってXも飛来・・・
そしての癒されたガメラが、再びXと対峙する・・・
ガメラvsX 日本軍vsギャオス の戦いが始まった。
戦闘フルモードのガメラは劣勢ながら長期戦の末、相討ちに持ち込み、
Xと共に海に落ちる・・・日本軍は多数の死傷者を出しながら奮闘するが、
Yを逃がしてしまった・・・
ガメラとXが戦線離脱してから、ギャオスはさらに活発化する・・・
餌を求めて飛び回るギャオスにとって日本は、アジアへの通り道になって
いた。しかも日本軍はギャオスとの激戦により戦力は大幅にダウンして
、深刻な状況を迎えていた・・・
超古代文明の遺伝子工学を研究していた科学者は、その仕組みを
ついに解き明かすことに成功。それを応用して最後の賭けに出る・・・
危険な賭けだった・・・ 昭和29年、東京湾で死んだゴジラを古代文明
の遺伝子工学を使い、再び蘇らそう、というのだ・・・
東京へ向かい群れを成すギャオスへ、海面から青い閃光が放たれた。
ゴジラは蘇った・・・古代人の遺伝子工学で復活したゴジラは、以前よりも
パワーアップ(平成ゴジラ並み)していたのだ。攻撃されたギャオスは
ゴジラを敵と認識、襲い掛かる・・・が、歯が立たず・・・
瞬く間にギャオスの群れはゴジラに焼き尽くされてしまった・・・
そして最終WARへ・・・
ゴジラ、ガメラ、X、ギャオスとY、 四つ巴の戦いが始まったのだ・・・
とあるトークショーにて金子修介
「正義のガメラと悪のガメラが戦ったら悪が勝つ」
少女をイリスが吸収
完全体になりガメラをぶっ飛ばす
地球滅亡かと思いきやマナのパワーがゴジラを現世へ呼び寄せる
ゴジラはイリスを瞬殺
今度はゴジラが暴れる
そこへモスラが別世界から現世へ登場
ガメラを復活させモスラ&ガメラでマナ全てのパワーを使い
ゴジラを元の世界へ帰す
モスラも帰る
マナが崩れたことでギャオスが増える
ガメラが自衛隊と共にギャオスをやっつける
子供が叫ぶ 終わり
転寝をする少年…
虚ろ気な瞳の先に… 怪獣島が見える…
ゴジラとガメラが戦っていた………
夢か…
ゴジラは古代人が起こした核実験で生まれてしまったものであった。
その様は恐竜大絶滅を連想させ、ゴジラの怒りも増していく。
ゴジラによって破壊される古代都市。
これに対応すべくして作られたのがギャオスであったが制御できず古代人にも牙を剥くようになる。
別の古代人達が更なる対抗策としてガメラを作っていたが間に合わず、ゴジラとギャオスにより古代文明滅亡。
そして現代へ・・・
全てを喰らいつくすギャオス
人間を憎むゴジラ
人との縁を絶ちきれないガメラ
平和を保とうとするモスラ
73 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/19 00:21:34
「地球の尊厳」をテーマにすると、
環境問題というのは現代の世界的問題にも通じるし、その要素にも
成り得る核問題(放射能)をなんとか設定して、作り上げると面白いね・・
誰か映像化しれ
平成ガメラシリーズじゃ亀という生物はいないことになっているが
もしかして蝙蝠や翼竜もいないことになってるのか?
ギャオスを見て誰もこの二つを連想しないのはあまりにも不自然すぎるので
>75
普通に「鳥」と呼ばれてますが。
つうか、「コウモリ」「翼竜」はともかく、「亀」は緊張感が削がれること
著しいですわな。
だからぁ、鳥より先にあの二つを連想するんじゃないかなと
生物学者の長峰なら知らないわけがないし
ギャオスというネーミングセンス
文句はアトランティス人に言ってください。
しかし有史以前の古代文明がルーン文字を使うってありなのか?
1世紀に発祥する物みたいなんだが・・・
80 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/22 18:30:34
歴史は常に塗り替えられるしね。だいたい断定的に決め付けること
ができないのが歴史。常に推測でしかない。
やっぱゴジラは悪役(人類側から見て)になるんだな
そっちの方が格好いいし丸くおさまるんだけどね
エイリアンとプレデターは二つの流れをうまく一つにしたよね。
時代を遡り過去に遭遇していた設定を作り、共演されることに成功
した。伏線もあったし・・・しかもサイズがほぼ人間と同じということは
同時代を生きていてもバッティングすることもないし・・・
ゴジラとガメラはそれができない・・・
二つの線というか・・・ガメラは一つの線としてしっかりしてるけど、
ゴジラのほうは平成になってから、それぞれの映画のゴジラが
S29年から独立してる・・・ ここがポイントだと思うね・・・
ガメラはもうシリーズとして前の作品からちゃんと繋がってるけど、
ゴジラは29年から新たにリセットして、ガメラシリーズに登場、という
ことにすれば不自然にならないのではないか?
ガメラも昭和と平成で違くない?
昭和のは南極から来たけど、平成のはムーだかアトランティスだかが沈んでる海から来たよね。
昭和と平成のガメラは全然違う設定だよね。
しかし共にしっかりしたシリーズとして線になってる。
昭和ゴジラも2代目からはシリーズの途中まではしっかり線として繋がってる。
結論から言うと、ゴジラもガメラ(は当然だが)も善玉のうちは
ちゃんとシリーズとして前の作品から繋がってるわけで・・
混乱しているようなんで世界観説明
ゴジラは初代を軸に様々なパラレル世界が存在する
ゴジラ(1954)┬─ゴジラの逆襲〜メカゴジラの逆襲
│
├─ゴジラ(1984)〜ゴジラVSデストロイア
│
├─ゴジラ2000ミレニアム
│
├─ゴジラ×メガギラスG消滅作戦
│
├─ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃
│
├─(ゴジラ以外の東宝特撮映画)─ゴジラ×メカゴジラ─ゴジラモスラメカゴジラ東京SOS
│
└─ゴジラ ファイナルウォーズ
ガメラシリーズは昭和と平成で完全に別物
大怪獣ガメラ〜宇宙怪獣ガメラ(昭和シリーズ
ガメラ大怪獣空中決戦〜ガメラ3邪心覚醒(平成シリーズ
あぁそうですね・・・
1954の「ゴジラ」から「メカゴジラの逆襲」までのことですね。
自分が繋がってるっていった線は・・・
正直あんたがどのシリーズのことを言ってるのかわからん
「ゴジラ」から「メカゴジラの逆襲」までのシリーズです。
84年以降はもうストーリーもほとんど覚えてない・・・
それよりなんで「線」とかいう表現をしたかというと、
ゴジラ、ガメラは日本を舞台に同時間を生きてるから、
2匹をクロスさせるにはどちらかの「線」を無しにしないと
いけないし・・・ そうなるとゴジラのほうかな、と・・・
それ以外なら、上にも書いてあるように魔法を使うか、
次元をタイムスリップさせるか・・・
ガメラ似のミドリガメ飼っていろいろな想像してみる。
亀タソハァハァ!
まぁ、ゴジラは作品数が多いからミステリー系も科学系も両方ある。
だからガメラがゴジラの世界に登場してもいいし、ゴジラがガメラの世界に登場してもいい。
しかし、一番厄介なのは 亀が存在しない世界 。これはどうやって解決する。
やはり異次元から来たとかそんな設定にしなきゃならんのか
別に亀いなくてもいいんじゃん?
カメーバが出てくるわけじゃないんだから
それはつまりガメラが登場しても「亀」という単語を一切使わないということだぞ
そんなの無理クマ
>>92 えっ、そういうセリフ入れなきゃいいだけじゃにゃーや?
亀の存在しない世界?… どうしてそうなったか意味わからんし、
大した問題なのだろうか?…
ホラーでSFでファンタジー!怪獣映画って素敵ですね♪
>94
平成ガメラの世界で、ガメラを劇中で「あ、亀だ〜」と表現させないために
あの世界には「亀」という生き物がいないことになった。
>>96 …馬鹿げてるように思えますけど…結構マジでそうなったんでしょうね…
テレフォンショッキングにに金子監督が出た時にタモリがそのことで突っ込まれてたなぁ
ん?ガメラ3で水槽に亀がいるシーンがあったが、あれはどうなんだ?
そんなシーンあったか?
確かにあったね。
回想シーンでガメラに家を壊される場面だな。
あれは亀であるが、亀という名の生物ではないと考えられるな
ゲンザブロウという名の生物だったとしようか、そうすると人々はガメラを観て
あ、ゲンザブロウだ、と言うんだ
やっぱりガメって名前の方がしっくりくるか?ガメに恐竜みたいにラをつければガメラになる
だからガメラを見て、あ、ガメみたいだ、でも恐竜にも似てる、ガメラと名づけようか、とか
大怪獣空中決戦を見る限り、あの世界の恐竜ネーミングは現実と変わらないようだが
斉藤がティラノサウルスっていってた
>>102 ごめんねうそついちゃった・・
かめなんてえいがにでてないよ・・・
めんごめんご・
105 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/06 13:25:00
実写鉄人28号や仮面ライダーや戦隊も競演させてくれ。
と無茶苦茶言ってみる。現実問題として「ドラえもんvsガンダム」レベルの
無理な相談だが。
106 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/06 13:29:54
ほーう
107 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/06 17:04:03
鉄人28号はまだ扱いやすいんじゃないか。
ロボット系いっぱいいたし 特撮。シリーズ化して変に歴史作って
身動きできなくなる前にさっさと登場してくれ。。
ゴジラはガメラ映画の中で認知された存在
にしてしまえばいい。29年没ということで。
そして33年あとにガメラ、ギャオスが登場と。
そして現在…
その線でいったほうがすんなりいく。
ガメラ対ゴジラの戦いは当然ゴジラ優勢に進むだろう。
あんなへなちょこ火球ではゴジラにかすり傷一つ与えられないのが現実。
序盤ガメラはぼこぼこにされるということでいいだろうね。
だがゴジラ勝利の目前、ガメラの背中が割れ、中から円谷英二が出てくる。
そしてゴジラに首を言い渡す。
ゴジラは泣き叫び、鼻水を垂らし、何度も何度も地面に頭をこすりつけ、
スーツを脱いで両手を合わせて幼い家族が居ることを必死に弁明するだろう。
スタジオには「こらえてつかあさい、こらえてつかあさい」の声がこだまするだろうね。
ガメラが勝利するという構図が大正解。
あっ、それは盲点だったな。
そんな作戦されるとゴジラは勝てないな。
土下座の最中、周りの撮影スタッフはとても気まずい思いをするということでいいだろうね。
驚いた…。
初代以外絶対に倒せないと思われていたゴジラに土下座させる方法があったなんて…。
SF的にとても優れた考察だな。
下手すると出版の話とか来るんじゃね?
新シリーズのゴジラではこのアイディアが採用されるということでいいだろうね。
>>109 私は専門家ですが、特許をとらないとマネされますよ。
>114
春だねぇ。
特撮関連のBBSで大暴れしたユカレンを彷彿させる。
脳みそにも春が来たようですな。。
ごめん、俺は自演含めて爆笑した
118 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/12 19:44:04
日本の太平洋側近海で古代文明の遺跡発見・・・・
さらに、その近くで謎の化石を発掘・・・・
化石を復元、ゴジラと判明・・・・
3000年以上も前にゴジラが存在していたことに驚愕・・・・
さらに、ゴジラの胃袋に別の生命と見られる化石が・・・・
ギャオスと判明・・・・
これに繋げて誰か書いてみて。
発見者は藤村新一氏である。
本当の発見者は藤村俊二氏であった。
ゴジラとガメラのガチンコ勝負。
これはどう考えてもガメラが一方的にゴジラをドツくという展開が大正解。
ガメラは何度もグーでゴジラを殴り、トサカを持ってビルに何度もたたきつけ、ツバを吐きかけながら
無理やりイスに座らすだろう。
だが、ゴジラは元々外国生まれの女性。権利にはうるさい。
一時間三十分あたりからは法廷闘争に発展するだろうね。
ピンクのスーツと赤いルージュで入廷するゴジラ。傍らには女権専門弁護士がぎらぎらと目を光らせているだろう。
しょんぼりと入廷してきたガメラを尻目に、次々とガメラの男尊女卑ぶりが明らかになる。
「ほんま100%わたしが悪いんです…」涙を流し謝るガメラ。傍らにはセガールの娘。「ガメラは根は良い奴。私にはわかる」
だがわざとらしい嘘泣きをするガメラに同情は少ないということでいいだろうね。
やはりどう考えてもゴジラの勝利。
ガメラが勝利なんて
>>109はおかしいよ。そういう展開はもう時代が許さない。
はげしくどうい。
109の内容は少し変だと思います。
これは楽屋落ちといって、一番やってはいけない展開だと思いますよ。
私は121さんの内容が正しいとしか思えません!
そうだよなー。
>>109ってどこかおかしい。
>>117氏も指摘しているように、脳味噌に春が来てるんじゃないかな?
これはもう121氏の発言が正しいという展開でいいだろうね。
賛成!賛成!
>>121 これは鋭い読みだ…。
遅ればせながら私も賛成します。
あっ、良レスが書き込まれたみたいですね!
良レスをした121さんをみんなでわっしょいしませんか?
121わっしょい!
121わっしょい!
それは良い考えだ…
スレを活性化させるためにこれ以上のアイデアは無いよ…
121わっしょい
121わっしょい
121さんは本物の作家さんということでいいだろうね
わっ、とっても盛り上がってるスレですね(^ヮ^)
私は女子高生です。私もわっしょいに参加させてください。
121わっしょい!!
121わっしょい!!
121わっしょい!!
今ここを読んでびっくりした…。
SF板にもこんな良スレがあったんだね。
毎日チェックします!
わっしょい!
いつもなら得意げにクネクネ認定するところだが、
スレ自体どうでもいいので関わらないでおきます。
確かに今の悲惨なSF板の縮図って感じだな。
語る人もネタもないから無理やりやってるって感じがプンプンのスレ。
SFってどんどん過疎になってくな。
134 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/13 12:38:49
それだけ想像力が欠如してるってことだ。
それと思考力の矛先が受け狙いにしか向いてないってこと。
あびる優のスレまであるもんな。
慢性的に板がネタ切れを起こしている。
新刊が出た時以外は雑談だしな。
むしろネタ切れって言う面もないか?めぼしいネタはほとんど天才達が書き尽くしたし
137 :
名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/17 02:17:33
あるが ・・多少・・パクってもいいんじゃないか?
パクりとパクりを繋ぎながら と。。
139 :
:2005/03/22(火) 00:34:15
age
ガンダムブームの時、妙にSFを美化したりせずに新しい層を取り込めば・・・・
無駄か。
141 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/26(土) 00:26:30
日本の太平洋側近海で古代文明の遺跡発見・・・・
さらに、その近くで謎の化石を発掘・・・・
化石を復元、ゴジラと判明・・・・
5000年以上も前にゴジラが存在していたことに驚愕・・・・
さらに、ゴジラの胃袋に別の生命と見られる化石が・・・・
ギャオスと判明・・・・
さあ誰か続けてみよか・・・
142 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/26(土) 09:25:07
長年ゴジラを研究していた古生物博士
(大学教授ー宝田明氏)が驚愕する…
143 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/26(土) 15:08:36
「な…なんじゃこりゃ〜〜」と…
その化石を不意打ちのように買い取ったのは堀エモンだった。
借金をしてギャオスをよみがえらせた堀エモン。そして堀エモンはギャオスを恨みのつもる
フジテレビにけしかけたのだ!
しかしギャオスは切れた。
「おみゃー、今ローレライ作っとるの誰じゃ思うとるんじゃ?金出しとるのは誰じゃ思うとるんじゃ?マジ笑わすど餓鬼が!」
凍りつく堀エモン。
「じゃけえ言え言うとるじゃろうが!おみゃ、誰が金出して誰が作りょうる思うとるんな。言えよ。ほら言えよ」
一瞬にしてフジテレビから「言え!言え!言え!」のコールが上がる。「ギャオスー様素敵〜!」女子社員の声だ。
堀エモンは涙目になって棒立ちになるばかり。しかし「言え!」コールはますます激しくなる。
「言え!言え!言え!言え!言え!言え!」
ギャオスは突然大きな声を出した。「ぶちまわすど!!!糞餓鬼!」
その怒号に果てしない恐怖を覚え、堀エモンはしっこをもらし、ウンコをびちびちひり出しながらその場にくず折れた…。
「キタネエ!マジで糞餓鬼になりやがった。ははは!マジで糞だ!糞野郎!ははははっ!!」
「もう…もう許して下さい…。もう逆らいません…」
わっと上がる歓声。
…はっ!夢か。
半年前のことを今でも夢に見るなんて…。まだまだ悪夢は終わってないのか…。
堀エモンはブルーシートを体に巻きなおし、空になったワンカップの瓶を名残惜しそうにべろべろと舐め、眠りに付いた。
明日は空き缶何個集まるかな、へへっ…。
今、僕はとても幸せだ。
-完-
>>144 すると堀エモンの前に顔じゅうに釘が刺さった男が現われた。
「お前の悪夢はまだ終わっていない・・・・・」
突如開いた地獄への扉、堀エモンは魔道士達に立ち向かう術はなかった・・・・
(了)
146 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/26(土) 21:31:19
とそこへフレディーが現れ、
「こら!魔道士!悪夢はワイの専売特許じゃい!」と大喧嘩が始まった。
147 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/26(土) 22:21:34
?ローレライで何故ギャオスが怒るの?
一方その頃、本物のリッチマン堀エモンは順調に金持ちになって行っていた。
「金さえあれば何でも出来るんだよ!」
元々ひ弱な半引き篭もりオタクだった彼の発言に怒りを示したのは体育会系の人たちだった。
「それなら肉体と肉体のガチンコ勝負じゃ!」
売られた喧嘩は買う堀エモン。とうとう彼は総合格闘技に参戦した。
対するはボブサップ。結果は見えている。あっというまにぼこぼこにされる堀エモン。
「おい、痛いじゃないか出稼ぎアメリカ人よ…お前は首だ…」
もちろんこの団体も堀エモンの持ち物なのだ。
「ソーリーソーリーマイボス…アイアムプアーベリプアー…」
泣き崩れ、堀エモンの足を舐め始めるボブサップ。堀エモンはよだれまで出し、恍惚の表情を見せている。
「勝者、堀エモン!買えば買うほどお金が増える、酔拳ならぬ金拳だ!」
などという楽しい夢を、今日もホームレス堀エモンは見たようだ。
堀エモンは今日も元気。明日も晴れそうだね!
149 :
ガメラ:2005/03/26(土) 23:59:17
僕の出番は?
ごめんわすれてた・
かんがえとくよ・・
151 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/28(月) 18:24:32
日本の太平洋側近海で古代文明の遺跡発見・・・・
さらに、その近くで謎の化石を発掘・・・・
化石を復元、ゴジラと判明・・・・
6000年以上も前にゴジラが存在していたことに驚愕・・・・
さらに、ゴジラの胃袋に別の生命と見られる化石が・・・・
ギャオスと判明・・・・
じゃーもういっちょう行ってみっか!
152 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/30(水) 19:09:03
憎むな!
殺すな!
許しましょう!
月光堀エモンが悪と戦う!
ゴジラ?ガメラ?ばかやろう!!
俺がキングだまいったか!
札びら見せればガメラも土下座
株主脅せばゴジラも号泣
俺が噂の堀エモン!
女子アナたちと鍋パーティ!
なんていう詩を考えてみた。
と、堀エモンは言った。だけど夜の公園には誰もいなかった。
そしてぽつり、堀エモンは一人でつぶやいた。
妄想ですよ…。
僕が小さな頃、南洋への家族旅行で、乗っていたボートから海へ落ちた。
そんな僕を助けてくれたのは小さなゴジラだった。
誰もいない小島。満天の星空。小さく燃える焚き火と焼き魚。
小さなゴジラは言った。
「僕はミニラ。君たち子供の味方だよ。だけど大きくなると僕は人間の言葉も忘れ、凶暴になるんだ。
そして君の住んでる東京をめちゃめちゃにしようとしてしまうんだよ。とても悲しいよ」
僕とミニラは一緒に草のベットで眠った。
家族と再会した僕。けれど七歳の僕の言うことに誰も耳を貸そうとはしなかった。
「どこかの島にゴジラっていう恐竜がいるんだ。そしていつか東京を破壊しにくるんだよ」
大人は皆笑うだけだった。
僕は早く大人になりたかった。それだけじゃない。僕の言うことを皆聞いて入れるような、そんな人間になりたかった。
必要なのは権力、金、カリスマ、人脈。僕は東大に入った。
「早くなんとかしないと…東京は…」
僕にもっと力を!僕はあまりに無力だ。
学生時代に会社を立ち上げ、強引とも思える手法で全てを買い取り、僕の会社は拡大していった。
三十を過ぎる頃にはマスコミにも取り上げられた。堀エモンなんていう愛称も生まれた。
テレビは盛んに僕のやり方を批判する。
僕一人が嫌われ者になるならそれでもいい。どうせ言っても誰も信じないんだ。
僕がなんとかしないと。
やがて五十を過ぎ、僕はとうとう世界一の富豪になった。権力も、カリスマも、人脈も全て手に入れた。
だけど僕は色んな人間から恨まれてる。心を許せる友達も一人もいない。
それでも「その日」の為の準備は忘れず進めてきたつもりだ。
そして僕の五十五歳の誕生日、彼はとうとうやってきた。
東京湾から上陸した彼の力は強大だった。東京の高層ビル群も彼の前にはダンボール同然だった。
彼を止めることは出来ない。映画の様な超兵器や、漫画のような必殺技を僕たちは持ってないのだ。
あちこちで火の手が上がり、彼の火炎に夜の東京は昼間のように明るくなった。
彼「ゴジラ」は東京の全てを破戒した。
誰もいなくなった東京。何も無くなった東京で、僕とゴジラが再開した。
「久しぶり」
僕の言葉にも彼は無反応だった。彼は理性を失っている。彼はただ東京を破壊するためだけに生まれた生き物なのだ。
「大丈夫。誰にも文句は言わせない。全て想定内、君は大丈夫なんだよ。
今日、この日の為なんだ。君のために東京の全てを買い取ったんだよ。すべて君と僕のものなんだ」
二人の街を破壊しつくし満足したゴジラは海に帰っていき、僕の前に二度と姿を現さなかった。
などという楽しい夢を、今日もホームレス堀エモンは見たようだ。
堀エモンはブルーシートを体に巻きなおし、空になったワンカップの瓶を名残惜しそうにべろべろと舐め、眠りに付いた。
明日は空き缶何個集まるかな、へへっ…。
今、僕はとても幸せだ。
-完-
155 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/30(水) 22:21:29
また最後で台無しな文章を…
面白いw
クネクネちゃんはホリエモンと夢オチから離れられんのかw
158 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/31(木) 01:12:50
堀エモンに何か恨みがあるのかね?
あるということでいいだろうね。
そりゃそうだよ、それは定説だよ…。
ゴジラ、ガメラ、ホリエモンをクロスさせるスレになりました。
あのさわぎどう考えてもガチャに非があるだろ…。
多少なりとも楽しくスレを読んだ身にはなにか釈然としないものが。
クネクネも素直に折れることもないのに。大胆な奴なのか気弱な奴なのかわからんな。
ゴジラとガメラをクロスさせるには、やはり堀江氏に両社を買い取ってもらうしか(ry
最近どこ行ってもガチャ叩かれてるな
いや、俺も不要コテだとは思いますけどね
166 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/31(木) 09:44:17
>>164 それ以前に日本人が怪獣を見下して見ないようにならないとダメとマジレス
でしょいいあんでしょ・・
かいとってほしいよね・
ほりえもんがんばれ・・・
169 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/05(火) 22:00:18
age
170 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/29(金) 23:31:49
白い大地は今日も吹雪いていた。
冬の南極。激しいブリザード。その中を雪上車が帰ってきた。昭和基地内に入る。
「どうだった?」「いや〜、駄目だな。アンテナが二本折れてた」隊員が防寒服を脱ぐ。
「コレが収まったら修理に行かんと」ドッカと椅子に座る。コーヒーが運ばれてきた。
「お、すまん」一口啜る。一息ついた。「ところでな・・・・・」身を乗り出す。
「また聞いたぞ、あの音」
其れはブリザードの中でもはっきりと聞こえていた。
爆音。自然物とは違う音。静寂の南極大陸に有る筈の無い音。其れはジェット機の様な。
「ありゃあ絶対航空機の音だ。しかも沢山、編隊組んで飛んでるやつのな」「判るのか?」
「カンだよ、カン」そう云ってコーヒーを飲む隊員。
このところ、明らかに南極大陸はおかしい。連日聞こえる謎の爆音。
レーダーに映る所属不明の船影。空に伸びる何本もの飛行機雲。地平線の黒いヘリ。
本来何者の物でもない南極大陸で、何者かが活動している。「そういやお前、知ってるか?」
コーヒーを持ってきた隊員が聞く。「別の基地のヤツから聞いたんだが・・・・・」
「所属不明の船舶にはっきり見たんだって」「・・・何を?」「星条旗だよ」
突如、爆音、衝撃。二人が椅子ごと転げる。窓が、壁が、建物が激しく揺れる。
何処かで破壊音。悲鳴。暫らくしてやっと治まる。「・・・・・何だ?何だ一体!?」
廊下に出る。騒然とする基地内。「おい!何が有った!?」「判らん!!」
「だが一部管理棟の壁が破壊されたらしい。防寒服を着て現場に向かえ!」
「何だってんだ一体・・・・・」「ブツブツ云うな、緊急事態だ」廊下を走り現場に向かう。
だがその途中に掛け声。「お、ォおい!海の方を見てみろ!」その声に窓から海を見る。
吹雪に煙ぶる白銀の平原。その地平線の彼方。
其れは禍々しき徴。この白銀の世界に立ち上がってはならぬもの。
巨大なキノコ雲が、天蓋の果てまで立ち登っていた。
>>170 なかなかいい滑り出しですね。
じっくりと書いていってみてください。
でさ…まさか…ホリエモンとか出てきませんよね?
そりゃクネクネだけだろw
一向に続きが書き込まれないな…。
ちょっと楽しみにしてたんだが。
もう本気でゴジラとガメラの権利をほりえもんに買い取ってもらうしかないようだ…。
174 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/12(木) 12:45:37
アゲハチョウ
175 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/12(木) 20:13:40
(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)
176 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/19(木) 18:04:22
ゴジラvsガメラ
177 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/22(日) 22:43:15
ストーリー
1999年のギャオス大量襲来を何とか退けたガメラだが、その後姿を消してしまう。
それから三年が経つ現在もギャオスは依然世界中で確認され続け、
人類はその脅威と戦い続けていた。
ガメラはもういない。徐々に押され始める人類。増殖を続けるギャオス。
そんな時、ギャオスの発生地を発見したとの報告が入る。
一縷の希望とも言える朗報に世界で核攻撃の声が上がる中、
ギャオス研究の第一人者である長峰は
恐らくそこは世界で最も“マナ”が低い場所、そんな所に核を落としたら何が起こるか解からないと訴える。
そんな長峰の思いを知る由もなく、アメリカは核の使用を決断、発生地への核攻撃を決行。
結果、作戦は成功。ギャオスの大元を断つことに成功した人類は反撃へ向かう――と思われたが……。
数ヵ月後―
ギャオス残党の掃討戦が終わりを見せかけたとき、
核を受けた発生地周辺にギャオスとは異なる謎の巨大生物が確認される。
それに続くようにまた別の巨大生物が――。
調査の結果、現地の生物が放射能を浴び突然変異をしたものだということが判明。
“ゴジラ”と名づけられたそれらは、人類の新たな脅威となり各国を強襲。
更には核の炎の中を生き延びたギャオス変異体までもが出現。
人類は絶体絶命の窮地に陥る。
絶望が染み渡る中、遂にガメラが姿を現す。
しかし、かつてガメラと心を通わせた草薙は語る。
ガメラは怒っている。再び核を使った人間を、と。
果たしてガメラは人類の味方なのか?
そして深海で眠りし最古にして最強の“ゴジラ”が覚醒する時、史上最大のバトルロワイヤルが始まる。
妄想って楽しいね
178 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/24(火) 01:56:25
素晴らしい…
またお願い。。
179 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/30(月) 08:53:20
人気怪獣のガメラが6年ぶりに復活する。生誕40周年を飾る記念映画で、タイトルは「小さき勇者たち〜ガメラ〜(仮題)」。
ガメラが卵からふ化し、子供たちとともに成長していくという、ルーツに迫る新機軸の内容だ。「仮面ライダー」シリーズなど
を手掛けた田崎竜太監督(41)がメガホンをとり、主演には富岡涼(11)と夏帆(13)が抜てきされた。
「子供たちの守り神」を基本コンセプトに、昭和に8本、平成に入って3部作が製作され、日本を代表する人気怪獣となった
ガメラが、新たな形でよみがえる。
今年、40歳の“誕生日”を迎える節目に、角川映画が新作を企画。「前のシリーズにとらわれず、復活を前面に押し出す。
怪獣映画ではあるが、父子の交流のドラマも描き、親子で見に行ける作品にしたい」(有重陽一プロデューサー)と構想を固め、
ドラマ「砂の器」などで知られる龍居由佳里さん(45)に脚本を依頼した。
「小さき勇者たち…」は、ギャオスの大群との激闘で、ガメラが自らの命を賭して地球を守ったバトルシーンが導入部。
その30年後、1人の少年が拾った卵からかえったカメがまたたく間に成長し、空を飛び火球を吐くようになる。
“友情”を深めていく中で新怪獣の襲来。まだ成長途上のガメラが、敢然と立ち向かっていくというストーリーだ。
主人公の少年に決まった富岡は、昨年のドラマ「弟」で、石原裕次郎さんの少年時代を演じ注目された子役。
その幼なじみの少女に扮する夏帆は、木村拓哉(32)主演の「エンジン」に出演している美少女。また、それぞれの
父親を津田寛治(39)、寺島進(41)が演じる。
田??監督は「ガメラという映画スターが、今までの名声を脇に置いて、あえて新しい役どころに挑戦する映画。住み慣れた
怪獣映画というジャンルを超えるべき時が来た」と気合十分。夏帆も「初めての映画のヒロイン。
自分のできることを精いっぱいやりたい」と、6月下旬のクランクインを心待ちにしている。来春公開予定。
(スポーツニッポン) - 5月30日6時2分更新
>>179 おおおマジネタですか
子供中心ならあの「強いぞガメラ〜」の歌も復活するかな
ゴジラのG細胞をなぜかDNAの相性のよかったウミガメで培養
そして生まれたのは…って妄想をしてみた
181 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/30(月) 12:56:25
>ゴジラのG細胞をなぜかDNAの相性のよかったウミガメで培養
そして生まれたのは…って妄想をしてみた
…は ゴジガメラですか?
というか両方の設定
地球の守護神とか超古代兵器とか核実験の産物とかを捨て去れば対決なんて簡単やん。
ガメラ=地球の守護神はともかく、
ゴジラ=核の犠牲者 これだけは譲れない
いい加減被爆者は被害者ヅラをするのをやめろよ。
俺はゴジラを被爆者っていうより絶滅動物として見たい。
哺乳類が築き上げた文明をいくら壊しても中生代は戻ってこない。
それをわかっていても破壊の限りをつくすちょっと悲しいゴジラとかって、
やっぱ受けないか・・・
187 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/31(火) 22:21:42
ゴジラの最大のライバルは芹澤博士。これ基本
>>179 平成ガメラの続編なのね。
つーか3のラスト、やっぱりガメラ死んだのか(ノд`)
芹沢博士なら知っているが
190 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/01(水) 01:26:27
ガメラ3の渋谷の襲撃シーンを超える特撮はもはやこの世に存在せん
これもしやるならゴジラが悪役寄りでガメラが良い者寄りになるんだろうけど
あんまりガメラ飛んでばかりいたら卑怯者っぽく見えちゃうんじゃないか。
192 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/01(水) 18:31:23
じゃーゴジラも飛ばそ〜
だれか「ゴジラ対ヘドラ」の、飛んでますゴジラのAA貼ってよ。
思い出したくもないからイヤです
195 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/01(水) 21:21:43
♪か〜えせ〜 か〜えせ〜
か〜えせ〜 か〜えせ〜
ゴ〜ジラを、楽しさを
♪か〜えせ〜 か〜えせ〜
か〜えせ〜 か〜えせ〜
円谷を、ワクワクを
♪か〜えせ〜 か〜えせ〜
か〜えせ〜 か〜えせ〜
>>191 ゴジラの熱線がFWで射程距離大気圏まで届くようになっちゃったからそれほど不利ではないかと
あげ
198 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/07(火) 08:34:33
「ガメラ3」でガメラを玄武、ギャオスを朱雀になぞらえてましたな。
だが「玄武」のデザインは「カメ+ヘビ」だ。
このヘビをガラシャープとして…。
ギャオスからイリスが発生するようにガメラから変異体としてガラシャープが発生するというのはダメかな?
ガメラは防御、ガラシャープは攻撃ということにでもして、融合し「玄武」になれば攻防一体になる…と。
だが、ガラシャープは人間を地球の破壊者として認識しこれを粛清しようとする。
ガラシャープは当初ガメラと闘う意志は無いのだが…。
人間とガラシャープの間で板ばさみになったガメラが、結局はガラシャープとの対決を選択。
互いに望まぬ死闘がついにはじまる。
……ゴジラが出てこんな。
白虎も頼む
小さき勇者たちの敵はマグロ食ってるダメな奴だってさ
>>199 沖縄からアルピノのキングシーザーがやってくる?
(方角違っちゃいますなあ・・・)
202 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/22(水) 13:49:45
揚げ出し豆腐
二人の対立するマッドサイエンティスト(蜥蜴田教授と亀井教授)の遺伝子工学者が、
それぞれトカゲとカメをベースに怪物を作り出しました。
で、いいじゃん。シンプルイズベスト。
2匹は戦うが、やがて野生化し、教授達のコントロールを離れて暴れ出す。
2匹は自家生殖でどんどん増えていき、戦いながら日本中をめちゃめちゃに破壊。
2人の教授も巻き込まれて死ぬ。
ゴジラもガメラもどんどん増え続け戦いは世界中に広まっていき、全人類は滅ぼしてなお
双方の戦いは永遠に続くのであった。END
204 :
↑:2005/06/23(木) 10:50:49
悲しい結末ですね。。
ゴジラがガメラを食べる。残った甲羅を着てしまうゴジラ! こち亀完成。
206 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/23(木) 17:03:47
それいいかも・・・
ゴジラがガメラの肉の部分だけ食っちゃって、甲羅とメカの部分残して
その中に入って空飛んじゃうつーのはどう?
にしこり
208 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/26(日) 07:03:52
>>177 すでに評価されてるが、すばらしい!
1〜3の路線を踏襲してるとこがえらい。ゴジラの出現にも無理がない。
もちろん「今までのゴジラ」ではなくなるが、それはよかろ。
>>179 ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノ 金子にやらせろー!
渋谷を大破壊したガメラの同類が、子供の味方ぁ???(確かに
特定の個体は助けてくれたけど。)
甘アマ映画にならなきゃいいが・・・。
209 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/29(水) 12:08:28
アゲハチョウ
210 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/30(木) 05:13:24
>>208 ガメラは元々子供の味方だった事の方が多い怪獣だ。
ついでに今度の作品は30年前にギャオス軍団との戦いがあった世界と言う設定なだけで
平成三部作とは何の関係も無い話になる
211 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/30(木) 12:30:47
折角の平成ガメラを黒歴史にしやがった
もうだめぽ
213 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/30(木) 23:58:50
今はもう子供もクールになった時代・・・「モスラ」のように
メルヘンチックになったらもうシマイだよ・・
ガメラ3のEDいいよね
世界観を変えちゃダメでしょ?ガメラ。
ゴジラの二の舞だよ。ゴジラなんて昭和は「怪獣」としての自然な形
としてまだ受け入れることができたけど、平成からはもうホラーじゃん…
それと今度は小亀から成長するらしいけど…
亀っていっぱい卵産むんだからね…
そこでエメリッヒですよ
217 :
ゆん:2005/07/01(金) 01:23:50
平成ガメラは自衛隊の攻撃でも、ダメージを与えられるけど、今度のガメラはどうなのかな?ハイテクなメカがでてくるのは幻滅、モスラは3より2のほうが好き、ガメラ2はかなり自衛隊視点で好き、もち3も。人間対ガメラも見たい!
218 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/01(金) 08:05:32
えめりっひぃ?
平成ガメラは古代人が作った生物兵器で甲羅の中に
メカと生物の合体だったわけだけど、新しいガメラも空飛ぶようになってる
のに小亀から成長していくんだよね?じゃーメカは搭載されてない
と思ったほうがいいわけだ・・・ なんで空飛べるんだろ?
220 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/01(金) 17:53:27
222 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/02(土) 08:53:30
196×年、第4次東宝争議が勃発し、日本映画界に大激震が走った。
倒産寸前の大映を抱える永田社長は、起死回生の一手として、円谷プロを
ゴジラの権利と共にまるごと引き抜いた。こうして空前の大作
「ガメラ対ゴジラ」の製作がスタートした。
ベネチアでの再度の受賞をもくろむ永田社長は監督に「トラトラトラ」の
失敗でセミリタイア中の黒澤明を大抜擢、主演に勝新太郎を迎えて、
壮大なスケールのプロジェクトになるはずであった。
だが、ここで勝新は急遽独立プロを立ち上げたためスタッフは混乱し、
監督の要求で膨らみ続ける制作費により、ついに大映は倒産、企画は破綻した。
だが、勝プロはゴジラとガメラの権利をどさくさにまぎれて持ち去り、
監督を田中徳三に変更して遂に完成させた。そして現れた作品とは・・・
「座頭市ゴジラ斬り」
海辺で子供たちに苛められる亀を助けた座等市は、亀に連れられて海の宮殿に
招かれる。そこにいた京マチ子に頼まれて、オオトカゲ退治を頼まれる。
最初は無理と断る市だが、宮殿がミニラの大群に襲われ、全部斬って捨てた市。
よござんす、と承知して(以下略
市に斬られた筈のゴジラが巨大化して江戸の町を襲う、なすすべなしの江戸を
救ったのは市に助けられた亀だった!巨大化してガメラとなり戦う亀・・・(略
今度生まれてくるときは、平和な海に生まれて来るんだぞ・・・と亀を弔う市 ・・・終
映画館は暴動寸前、勝プロは大赤字を出し、莫大な負債を抱え、勝は
ひとまず海外へ高飛びする。だが、訪れたラスベガスで一人のイタリア人と出会う。
彼の名はディノ・デ・ラウレンティス・・・
to be continued・・・
223 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/02(土) 14:40:15
まさか…ホリエモンが出てくるんじゃ…
>>219 平成ガメラはマナとかいうオカルトパワーを吸収して動く超自然的存在ですよ
226 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/05(火) 04:10:31
超自然パワーを動力源とするガメラ
不滅の原子力パワーをなぜか内蔵している不死身のゴジラ
いい対決じゃないか!
なんか「矛盾」の故事と、似ているような気もするけどね。
227 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/05(火) 20:42:30
ガメラの公式ページの回転ジェット通信に、
「ゴジラも出るとの事で、怪獣ファンにとっては盆と正月が一緒に来た
みたいな物です。」と書いてあったが・・ついにGvsG実現か?
228 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/05(火) 21:44:37
GFW風に「ゴジラvsガメラ」を考えてみた。
1999年、京都の空でガメラとギャオスが戦った。その後、ガメラは勝ち目は
ないと考えたギャオスを追って姿を消した。
その後、世界中であらゆる巨大生物が出現し始めた。そして人類は世界中の
政府が一大協力して、一大巨大怪獣戦闘組織「地球防衛軍」を創り上げた。
そして2005年。太平洋沖で謎の緑色の液体を発見。その血を調べると、なんと
それはガメラの血と同じ者だという事が判明。そしてガメラを捜索する為
のチームが結成され、ガメラ捜索にのりだす。
そんなある日、大量のギャオスハイパーの死骸が出現、さらには、その死骸に
も放射能反応があった。地球防衛軍はガメラの仕業だと世間に発表したが、
放射能反応を持たないガメラがやったとは思えない長峰は、音無美雪や
神宮寺八郎、ゴードン大佐、尾崎真一らと共に何者がギャオスをあんなふう
にしたのかを調べてみることに。
そんな中、東京湾に謎の巨大怪獣が出現。全身は黒色で、背中に銀の背びれを
持ち、身長は100mはあるであろうという巨大な怪獣だった。それは、1954年、
日本にいや、世界で始めて現れた怪獣の王、「ゴジラ」と同種の生物
であった。ゴジラは東京を襲った後、姿を消した。轟天号ですらGのを止め
られなかった。
そして地球防衛軍は「対ゴジラ用兵器・冷凍プラズマメーサー」を轟天号に
新たに取り付けた。さらには、世界中の空中戦艦を日本に集結させた。
それから2日後、埼玉に80mサイズのギャオスが出現。さらにはそれを
追ってかゴジラまで現れるしまつ。戦い始める2体。そこへ、巨大な
円盤状の空飛ぶ怪獣が現れた。ガメラだ。ガメラとゴジラ、巨大ギャオスの
3大怪獣が戦い会う中、インファント島からガメラを助ける為モスラまで
飛来し来ててしまう。ぶつかり合う4体。そして轟天号達4大戦艦も
新潟へ・・。
はたして勝つのはゴジラか、ガメラ・モスラか、ギャオスか
この日本の運命は
今史上最強の戦いが始まる。
これはどうでしょう?ちょっとムリがあったかなぁ・・・。よく考えたら
ガメラもあんまり出てないしなぁ(まぁそこは大マカに書きこんだからね。)
しかも何気にファイナルウォーズのメンバー出てるし・・。
いいじゃないかな。
正直今までので基本設定すら無視したような話が多かったし。
230 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/09(土) 10:30:42
今日の早朝に久しぶりにゴジラアイランドの再放送を見て思いつきました。
2100年、X星人とGガード&ゴジラ怪獣軍団の戦いが終わって、2年が過ぎた。
地球政府はGガードに変わり、地球防衛軍を結成。世界中で現れる怪獣達から
人間を守るため、そしてG島の怪獣達を守るために日夜活躍していた。
そんなある日、異次元空間に閉じ込めたはずのX星人が出現、再び地球侵略を
進めると発言した。地球政府はGガードを再結成、それと同時に神宮司司令官
やミサトにトレマ、ルーカスといったメンバーが再結集した。そしてX星人の
ザグレス・ランデスは怪獣をG島に向かわせた。緑の体に硬い甲羅、さらには
空を飛ぶ亀怪獣であった。ミサトはそれは、古代アトランティスが創り上げた
正義の怪獣「ガメラ」だと神宮司達に教えた。どうやらミサトが通っていた
大学の資料室にあったらしい。そしてなぜかG島を暴れまわるガメラに
神宮司はついにゴジラに出撃命令をくだす。そして戦いあう2体。さらに
X星人は宇宙からレギオン・ギャオス・イリスを呼び出す。
そしてついに神宮司もGガードと島の全怪獣に出撃命令をくだす。
戦い合う大怪獣群達。
そして何故ガメラはG島を襲うのか?
GガードはX星人の陰謀を止めることができるのか?
ゴジラアイランドの新たな戦いが始まる・・・。
ゴジラ対ガメラはやめて欲しい。絶対両方に遠慮して中途半端な結末で終わる。
やるならWWE風のアングルで「負けた方の映画は二度と作りません」と
誓約させて、実際にどちらかを完膚なきまでに叩きのめして欲しい。
脚本家の命に関わる。
>>231 >「負けた方の映画は二度と作りません」
どっち勝たせるかで揉めて企画が成り立たないじゃないか?
アホ?
234 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/11(月) 22:05:37
プロレス馬鹿のあほ加減を責めないでやってくれー いいことなんだから
>>233 なんだかんだいってその手の約束は反故になるのがWWEクォリティ
負けたゴジラはメカゴジラの扮装して次回作にも出るよ。
で、途中で仮面が取れそうになって大ピンチ。
237 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/13(水) 01:22:55
プラズマ火球だが、実際プラズマ砲ってありえるのだろうか
宇宙人がプラズマ技術を持っているという話?は聞いたことはあるが、、、、、
放射能汚染の出ない放射能ってありえるのだろうか、、、、、
地球の全エネルギーアルティメットプラズマガメラVS放射能ゴジラ、、、、、面白くない
ゴジラのノリ=小さな子供が怪獣のおもちゃで遊ぶノリそのもの
ガメラの新作=大人の作った湾曲された子供の世界、違和感ありすぎ
両者戦わせる=怪獣映画がすでに瀬戸際でこれやったら終わり
結局ガメラ、ゴジラのソロでぶちかますしかないな
238 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/13(水) 19:52:51
あげ
240 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/25(月) 01:33:28
>>228 怪獣の王「ゴジラ」と同種の生物 って表現面白いね…
つまりゴジラではあるが…厳密に言えばゴジラではない…
しかしゴジラでもあるわけだ…
うん、面白い!
でガメラと戦わせて負けたとしても、
…厳密に負けたのはゴジラではない…
従って、ゴジラの面目は保たれるわけだ!
よし! 「ゴジラvsガメラ」の製作は可能になった!
241 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/25(月) 11:56:53
良い指摘だ
破壊神ゴジラVS守護神ガメラ
243 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/25(月) 18:20:42
サタンVSキリスト
244 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/25(月) 22:52:35
ガメラは守護神っていうより守護獣じゃない?見た目からして。
モスラは守護神でいいけど。
245 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/26(火) 02:05:42
ガメラは「地球」の守護神だろ
オプションとして人間への愛情が残っている
246 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/30(火) 00:33:49
から揚げ
太平洋から・・・
ガメラ、ゴジラともに基本設定はそのままでちょっと考えてみた。
ガメラVSギャオス軍団の最終決戦は、ガメラがギャオス軍団を道連れに
自爆したことにより集結した。
しかし、自爆とともに一つの丸い物体がいずこかへ飛び去っていった。
その物体はちょうど古代大陸があった海域に沈んでいった。
決戦終結後、人類は自らの行為を反省し、ギャオス復活を阻止すべく
地球の浄化(マナの回復)に努めていた。
その結果、マナの低下につながる行為(公害、戦争等)は忌避されるように
なり、同時にマナの低下を引き起こす技術は封印されることになった。
その甲斐あって、地球環境の改善は進んでいった。
しかし、自国の利益のみを優先し、マナの低下を招いていた某国に残されていた
ギャオスの卵がふ化。新生ギャオス軍団が誕生。再び世界中を襲い始める。
人類は旧式な兵器のみでギャオスを撃退していたが、ギャオス軍団は減ることはなかった。
そこで、人類は自ら科した禁を破り封印した核兵器を用いて、新生ギャオス軍団を
一掃することに成功した。
人々は再度反省し、マナの回復に努めるべく再度地球の浄化を開始する。
しかし、核兵器を使用した土地より怪獣が出現した。その怪獣は放射能を
帯びており、まるで復讐するかのように世界を襲い始める(ゴジラの誕生)。
その直後、太平洋上から復活したガメラが出現。暴れ回るゴジラへの元へ向かうのであった。
まるで地球に害をなすものを消し去るように。
ここに二大怪獣による地球の命運をかけた決戦が始まった。
まあ、この展開ならガメラを勝たせることになるんだけどね。
マナの低下を防いだため、旧式に兵器に頼るしかない、
というシチュエーションは面白いですね。
今の世界は一度壊れないとダメなのかもしれません…
「サラマンダ」ではないですが、ほぼ滅亡しわずかに生き残った
人類が新しい世界を築くためにギャオスと対峙する、という
シチュエーションなら、そこに新しく設定を加え面白いストーリー
を構築できるかもしれないですね。
250 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 17:40:04
金子監督より面白い脚本ですね
ガメラとゴジラも好きなので
強いギャオスの大群
世界戦争の勃発
国対国 ギャオス対人間の戦い
ギャオスに教われ瀕死の重症のミニラをガメラがマナの力で助ける
ゴジラの力を復活させるためにガメラがミニラをゴジラにする
世界戦争で放射能が世界中に充満
以前人間は戦争で殺し合いを続ける
はなしてゴジラを成長させてガメラは何をするのか
この箇条書きの設定で
>>248>>249さんなにか脚本作ってください。
読みたいです。
>>250 ゴジラの子供をガメラに育てさせる、というのは
ニューアイディアですね(笑)ゴジラ、ガメラは共闘か?激突か?
非常に興味深々です。
では私も。。
超古代文明の遺跡発見。
壁画にギャオスの大群と戦っている謎の恐竜型怪獣2匹が
描かれていた… 古代人がギャオスを作った本当の目的とは?
歴史は繰り返す…
古代人の時代にも原爆に似た武器が使われていた…
(事実、どこかの遺跡では微量ながら放射能を検出)
そして現代…
世界はより化学兵器の脅威に晒されている…
古代遺跡の壁画に描かれていた2匹の恐竜型怪獣の卵が、ついに孵化してしまう…
古代時代よりも強力になって現代に出現…
251は大まかなあらすじだとすると…
ギャオス誕生は、古代文明の対抗勢力であるもう一つの文明が作り上げた
2匹の恐竜型怪獣への対抗のため…
この2匹(雄 雌)はギャオスに倒されるが、卵を産んでいた…
そして放射能で汚染された現代にて産声をあげる…
当時よりも凶暴で強靭な怪獣「ゴジラ」として…
科学者達が古代文明を研究することにより、当時の遺伝子学と科学
をもってすれば、他にも別の怪獣の存在の可能性を示唆…
ついにその怪獣「アンギラス」も現代に目覚めてしまう。
時を経て…
二つの古代文明が作り上げたアトランティス側のガメラ、ギャオスと、
その対抗文明が作り上げたゴジラ、アンギラスの戦いが
現代にて繰り広げられる…
253 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/13(火) 02:19:11
ストーリー凄いです!
ガメラもゴジラも好きです。
しん平にでも撮らせればぁ(なげやり
255 :
新・怪獣大戦争:2005/09/19(月) 11:56:55
20XX年。人類は、世界中で起こる「怪獣災害」に頭を抱えていた。そのつど
人類は、「Gフォース」「ティルト」「ダッシュ」「SIC」などと言った
「対怪獣戦闘組織」を築き上げた。だがここ数年、「怪獣島」や「惑星
ジュラン」といった所で、「怪獣との共存」も進んでいた。だが、共存時代
に突入しても、怪獣との攻防は今なお続いていた。そして人類は、数多くの
戦闘組織を一つにし、「地球防衛軍」を築いた。そんなある日、数十年も前に
地球を襲った「X星人」「バルタン星人」「キラアク星人」が地球侵略に
やって来た。そしてバルタ引入る怪獣軍団が各国で攻撃を開始。防衛軍も
轟天号や火龍などの空中戦艦や、ダッシュバードやクロムチェスターといった
戦闘機部隊が攻撃を仕掛けるが、なかなか歯が立たない。もはや人類に手立て
は無いと思われたその時、地球の悲鳴を聞きつけたのか、海からゴジラと
ガメラが、宇宙からウルトラマンネクサス・マックス・コスモスが現れた。
そして二大最強怪獣とウルトラ戦士達はどんどん怪獣達を倒して行く。
ゴモラ・バイラス・ガイガン・バトラも彼らの敵ではなかった。
そして彼らと、生き残った「轟天号」「クロムチェスター」
「ダッシュマザー」は、宇宙人のマザーシップを攻撃する。マザーシップは
破壊されたものの、生き残ったX星人統制官は宇宙から「モンスターX」
「クマソガミ」「レギオン」「クトゥーラ」「イズマエル」「デストロイア」
を呼び寄せた。強敵怪獣軍団相手に苦戦するゴジラ・ガメラ・ウルトラ戦士
そこへ怪獣島からゴジラの仲間の怪獣軍団ゴジラ達を助けに来る。
だがなんと強敵怪獣軍団が融合し超強力怪獣になる。大苦戦する怪獣達や
ウルトラ戦士、そして地球防衛軍。
果たして人類は、彼らの陰謀を阻止できるのか?
怪獣達やウルトラ戦士達の運命は?
地球史上最大最悪の戦いが始まる・・・。
256 :
一万対一万:2005/09/19(月) 14:29:58
お前らの便所の落書き以下のゴミなど見たかねえんだよ
257 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/19(月) 18:27:52
便所の落書きにしては上質ですね。。
258 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/19(月) 23:29:14
ゴジラガメラにウルトラ戦士及びウルトラ怪獣、それに東宝怪獣、
懐かしの大映怪獣まで巻き込んでのまとまりのない大味なストーリーだ・・
259 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/20(火) 21:17:58
もし本当できたら登場するのはこいつらだ!
・ゴジラ
・ガメラ
・ギャオス
・クマソガミ
・レギオン
・クトゥーラ
・イズマエル
・ゴモラ
・バイラス
・ガイガン
・バトラ
・デストロイア
・モンスターX
・カイザーギドラ
・鎧モスラ
・バルタン星人
・アンギラス
・キングシーサー
・ゴロザウルス
・バラゴン
・バルゴン
・メガギラス
・メガロ
・ウルトラマンネクサス
・ウルトラマンコスモス
・ウルトラマンマックス
・X星人
・キラアク星人
・謎の融合怪獣
怪獣24体・異性人3体・ウルトラマン3人。計30体
怪獣多すぎ・・・。
260 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/24(土) 11:37:25
で黒幕はイシホリで
261 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/26(月) 20:12:26
↑なんでやねん。
<沖縄諸島のとある村に伝わる「怪獣伝説」…>
最長老の村の主が言う…「気も遠くなるような大昔…宇宙からの旅人の
知恵を借りた人類は、彼らへの恩を 破壊 という仇で返してしまった…。
彼らは巨大な生物兵器を創り自らを破滅に追いやった…」 そして…
「…ゴジラとガメラが戦った…」と言い伝えられている…
日本の南方の海底から新たな古代遺跡を発見…
その近くに海底洞窟と、その中から古文書が見つかる…
考古学者たちの手で解読…そこには
「終焉を迎えたもう一つの人類(文明)史」と…
「未来の人類への警告」が記されていた…
時は…紀元前よりはるか遠い古代人の時代…
海を隔てて対立する二つの文明(XとY)が争っていた。
それ以前に二つの文明は、エイリアンとの接触で、
彼らからそれぞれに新しい遺伝子学の情報を得ていた。
放射能による遺伝子変異の操作(X文明)と、
クローンの開発技術(Y文明)である。
エイリアンは二つの文明が争わぬように平和の象徴として、
蛾を巨大化変異させた「モスラ」を残した…
が…愚かな人類に争いは避けられなかった…
X人は、Y人の海上からの侵攻を防ぐために、タツノオトシゴ
から作り上げた「マンダ」を近海域に徘徊させていた。
さらに彼らは、高度な遺伝子工学を持ったばかりに
支配欲はますます膨らんでいく…。
そしてついに、生物兵器として残忍な「ギャオス」を
誕生させてしまう…。
戦争の口火は点いた…X人はY文明都市にギャオスを送り込んだのだ。
…Y都市に舞い降りた一匹のギャオスは人々を襲撃…破壊を繰り返す…。
しかし…Y文明の必死の抵抗により、ギャオスはついに捕獲され…
彼らにそのDNAからクローンギャオスを作られてしまう…
そしてY人のウエポンとなってしまった…。
X人にとって皮肉にも兵器として作り上げた巨大生物が、
自分たちを脅かす存在に…。 ギャオスは逆にX文明都市に飛来…攻撃し始めた。
クローン化で複数になったギャオスはさらに自ら繁殖、
その数は空を覆うばかりに膨らんでいったのだ…
X人はギャオスからの自衛のために、新たな生物兵器の開発が急務を要した。
そして科学者たちの手で二体のプロトタイプが作られた。
一体は、遺伝子変異で巨大化、人口知能を埋め込まれ、頑丈な甲羅を持つ亀と
ハイテクなメカの融合した「ガメラ」。
もう一体は、様々な爬虫類の掛け合わせと放射能で変異巨大化、圧倒的な破壊力、
強靭な肉体と驚異の再生力を持つ「ゴジラ」。
結果…「vsギャオス」として、そのより実用性の高い「ガメラ」を
採用することになった。だが「ガメラ」開発Goサインの裏には実は…「ゴジラ」を見た
科学者たちの間で「作ってしまったが、あまりにも危険…」という理由が隠されて
いたのだ…彼らは科学力を過信…「ゴジラ」は我々では制御できない…と判断、
永遠にゴジラを封印することに決定…そして海の底へと不完全なまま沈める…
ガメラのプロトタイプを完全形にするためには様々な試行が繰り返された。
不完全な物はそのまま海に捨てられ、時間を掛けて生物兵器としての
「ガメラ」は開発されたのであった。そしてついに完成されたガメラ一体が
「vsギャオス」のため、空へ飛び立っていったのだ…
文明社会が存在する互いの陸地を隔てた海上で、ガメラとギャオスの
激しい空中戦が、長きに渡り繰り返す…あまりにも多いギャオスの
大群にガメラは、何度か戦線離脱も余儀なくされた…
一方ギャオスも、ガメラの圧倒的なパワーの前に戦列を離れ
遠くへ逃げ去るものもいた…。
Y文明は力の均衡を崩すまいとギャオスクローン化を止めることなく、
またX文明もガメラに次ぐ新たな兵器開発に余念がない…その頃、
海の中では深刻な問題が発生していた…ガメラ開発のため捨てられた
…命を授かることのなかったガメラの未完成品が
放射能廃棄物として海を汚染…数多くの生物を死に追いやった…
たった一匹を除いて…
海の中を蔓延していた放射能は、それを随一活力源とする不完全なゴジラ
に命を与えてしまったのだ… 死んだように動かなかったゴジラが
ゆっくりと揺れるように反応した…
放射能の化身「ゴジラ」の誕生である…
ゴジラが向かった先は、まずY文明大陸…
遠浅の海広がる海岸都市に上陸したゴジラは、文明社会の中心首都へと
ゆっくりと進んで行く、建物を踏み潰しながら…
ガメラとの戦いで、ギャオスが激減していたところへのゴジラ登場で、
Y文明には成す術がなかった…。口から吐かれる放射能光線は
中心都市を燃やし尽くすのに…そう時間は掛からなかった…。
都市を守るため待機させていたはずのギャオスも、もう姿
はなく…
そしてゴジラの次の矛先は、産みの親と、ガメラが待つX文明大陸に
向けられた…X文明都市はエネルギーの「放射能」の宝庫でも
あったからだ…
海の中を泳ぎながらX大陸へ向かうゴジラの前に、マンダが待ち構えていた。
しかし、事もなげにゴジラはマンダを噛み殺し、上陸を果たす…
巨大な怪物と出現とその破壊力に人々は逃げ惑い、中には大陸から海へと船を
漕ぎ出し陸を離れる者もいた… 文明の首都目指して歩を進めるゴジラの前には、
ただ焼け跡が残るだけであった… そして文明の中心都市間近に… その前で、
ついにガメラが立ちはだかる…
プラズマ飛球と放射能光線、二つの閃光が交差した…共に後ろに吹き飛ばされ、
2大怪獣の戦火の火ぶたは切って落とされた…
単体で恐ろしいほどの破壊力を誇る両怪獣の戦いに、都市が無事で済むはずもなく…
まるで地鳴りのような音を立てて都市建物は崩れていく…
都市の所々で炎が燃え上がり、雄叫びがこだましている…
多くの科学者たちはシェルターの中へ避難していた。身を潜めながら、怪獣たちの
戦いをその振動で感じながら… 彼らにとって危惧していたのは、
地上の放射能汚染である…科学研究施設などの崩壊で膨大な放射能が漏れ出せば、
もう人類は破滅を迎えるからだ…地下にいて地響きを感じながらそれは…
避けられそうにもなかった…
そして不安は的中する… ガメラが避けたゴジラの放射能が研究施設を直撃…
大量の放射能が漏れ始めたのだ…
…ガメラは空から、それを迎え撃つゴジラは地上から…
ガメラの空中タックルでゴジラは後方へひっくり返り、ゴジラの巨大な
鞭のような尻尾の殴打でガメラは裏返しにされた…
長引けば長引くほど、都市の壊滅は深刻さを増していくばかりだった…
大陸から海へと逃げ出した両文明の人々は、船の上から噴煙の上がる
陸地を寂しげに見つめていた…
そしてついに、戦いは終焉を迎える…
ゴジラは度重なるプラズマ飛球で硬かった皮膚を砕かれ、ガメラはしつこい
放射能光線でメカの部分を損傷してしまう… ついに動かなくなった2匹…
ゴジラは身体の所々から出血と尻尾を半分吹き飛ばされて…
ガメラも緑色の血で染まり片目を潰されていた…。
しばらく睨み合っていたが、ゴジラがゆっくりと背を向け、
海へと帰るかのように動き出した… ガメラは片目でありながら視線を
外さず…ゴジラに向かって雄叫びを上げた。ゴジラは一瞬立ち止まったが…
振り向かずそのまま地平線の彼方へと消えて
いったのだった…
シェルターに避難していた科学者たちは、静まりかえったことで戦いが終った
ことを確信していた…しかし、放射能で汚染された地上に出ることはできなかった…。
幾日が経ったのだろうか…食料も尽き、体力も気力も衰えていく一方である…
「どうせ死ぬなら、地上で死にたい…」科学者の一人がそう言った。その言葉に
全員一致…外に出ることを決意する。念の為、防護服を身にまとい、シェルターの頑固な
ドアを開け地上へ出た…。回りの瓦礫の山と化した都市建物の残骸を目にした科学者たち
は、期待もしていなかったが、あまりの酷さに落胆する…。そして都市の中心部と
思われる場所に、ガメラが横たわっていた…ピクリとも動かず…。全員が同じことを
思った…「ガメラ、よくやった…」と。あと自分も数日の命だ…と感じていた科学者
たちだが、何の希望的観測も無いのに何気なく放射能の測定器を取り出してみた…
すると…全員が信じられない数値を目にしてしまう…放射能は微量だったのだ…。
確か…ゴジラの攻撃で研究施設から大量の放射能は漏れ出していたはず…
計器の故障か?…そう思った科学者たちを大きな黒い影が覆った…強い風が吹き
全員が身を屈めた…そして見上げると…羽をゆっくりと揺らしながら空に大きな物体が
舞っている…科学者の一人が呟いた「モスラだ…」。
地上の放射能汚染は、モスラの手で浄化されていたのだ…。
残された科学者たちは、破壊された自らの文明を教訓とし、その経緯を文書に
することを決意する。そして未来への警告として次の言葉を残した。
「破壊行為に破壊行為で報復すれば人類の未来なし」
「ゴジラは?」「放射能を無くせば、ゴジラは大人しくしてるだろう…しかし
人類の争いが増し、地球に不純物が多くなれば、また蘇る…」
「ガメラは?」「逃げたギャオスがいる。地球人が自然を犯し生態系を崩すことが
あればギャオスは再び地上に現れる。その時のためにガメラを
一体海に沈めておこう。地球のために…」
--完--
マンダかわいそす
274 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/28(水) 03:07:27
よくできてる
これってほんとのストーリーですか?
でもどこかがひっかかります
地球の全てのマナやエネルギーを吸収できるガメラ
全てを消滅させるアルティミットプラズマがある限り万が一戦ってたとしても負ない
ゴジラの凄さは人間の作ったいろいろなウエポンと上手くかみ合う
いままでの怪獣映画のような怪獣対怪獣はもはや時代遅れ
やはり
ガメラ&ゴジラvs戦争大国のつかうウエポン
ガメラがゴジラの攻撃力を支え破壊と再生をつかさどったほうがいい
これならいままでにないパニック映画になりそうだし
人間の愚かな行いを罰する二匹の怪獣が神の領域に入っていけるんじゃないか
レベルの低い怪獣映画はもういらない
戦争映画派の観客も取り込まないといい映画は作れない
そこで太陽系連合と航宙戦闘艦の登場ですよ。
276 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/28(水) 09:33:15
科学の産物(ガメラ)と副産物(ゴジラ)という例え。
兵器として意図的に開発されたガメラ(たとえそれが打倒ギャオス
のためであっても・・)と、戦争という人間の愚かな行為と無知の
化身となったゴジラ・・
277 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/28(水) 12:45:26
舞台設定が古代都市つーのは絵が浮かばんなぁ。。
278 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/28(水) 20:35:47
ゴジラがガメラに喰らいつく・・・・
ガメラがゴジラボロボロにされる
しかしアヤコ・セガールがゴジラに殺されてガメラマジでキレる!
ガメラがウルティメット・アングリー・プラズマを発射!!!!!!!
ゴジラ死亡・・・・。
だが
地 球 壊 滅
そもそもゴジラは怪獣王、ガメラは地球の守護者(平成版)だから、
地球の守護者がたかが怪獣に負けてはカッコが付かないので、結末はガメラの勝利にするしかない。
だからゴジラファンのためにもゴジラ対ガメラは実現する事ができない。
280 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/30(金) 20:40:15
>279
どっちも死なずにどこかで実は生きてるっていうのは?
281 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/01(土) 21:56:13
どっちも生かさないとダメ
時代は変わり
国連も機能せず、秩序が崩れ核兵器戦争勃発。
日本も瀕死状態。
そこへ怒りのゴジラが救世主として登場
軍事大国、テロ国家に戦いを挑み続けるが
とうとう瀕死の重傷を負うことになる。
ゴジラを思う人々の祈りがマナとなり、地球の怒りがマナとなり
ガメラ復活。
ガメラが兄弟怪獣であるゴジラを助け二匹の怒りが
軍事大国を葬り去り、人間のふるいを行う戦争映画。
009の誕生日は5月16日と7月19日のどちらが正しいですか?
283 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/02(日) 14:39:45
284 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/02(日) 15:11:10
ガメラとゴジラは戦ってはダメです。
285 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/02(日) 17:45:11
ある世界にゴジラがいました。
別の世界にガメラがいました。
それぞれの世界でお互いが出会うことなくその命を燃やしました。
そして彼らは戦火を交わすことなく人の手により打ち切られました。
―完―
というのが現実だと思うが。
286 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/02(日) 18:23:06
↑つまり普通に共演させるなって言いたいんだろ?
287 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/02(日) 22:36:32
競演させて本当に面白いと思う?
金子監督の「ガメラT」と「ゴジラ、モスラ、キングギドラ 怪獣総攻撃」
を足して、ストーリー考えてみた。
地球上に散在する多くの古代遺跡…
その遺跡内の壁画には、人間とは思えない何者かが描かれている…
学者たちの間では、それが「異星人」ではないか…と密かに推測されていた…
そして、海に沈んだと言われるアトランティスやムーといった幻の大陸の存在…
なぜ海に沈んだのか… ある学者が大胆な仮説を…
「地球の30%にも満たない陸地面積も、超古代にはその半分以上を有していた
のではないか?…何か意図的な力で…温暖化に拍車が掛かり海面の水位が
上昇…海に沈んだのでは…」
20××年…
温暖化による深刻な地球環境問題に、日本が画期的な巨大な「光合成シート」を
作る。オゾン層にこもっていた二酸化炭素の濃度を減らし、酸素を作り出すこの
「光合成シート」による温暖化対策は、世界中が期待を寄せていた。
そんな最中…隕石が北極へ落下…亀裂とその熱で再び氷が溶け始める…
さらに世界中の各地で、未確認飛行物体が数多く報告された…
そして温暖化対策として設置されていた光合成シートが、謎の飛行物体
により破壊される…
そして異星人からの「地球破壊」のメッセージが…
彼ら(異星人)によれば…
地球は異星人の流罪のための惑星であった…
超古代人たちは罪を犯し、島流しの刑として地球に連れてこれらた…
火山ガスや人為的な要因で発生するガスで温暖化をもたらす地球は、
やがて陸地はほぼ水没するため、処刑には持ってこいの惑星だったのだ…
しかし超古代人たちはそのガスを軽減させる科学力を持ってしまい、
異星人の反感を買ってしまう…彼らは文明を滅ぼすために宇宙から
怪獣を地球へ送り込んだ…メカと宇宙生物が融合した恐ろしい怪獣を…
怪獣の使う熱線は膨大なエネルギーで、同時に温暖化に拍車を掛けるガスを
作る… 地球に存在した広大なの氷が溶け、幻と言われる大陸が沈んだのも
その怪獣のせいだったのだ…
異星人は、処刑に相応しい環境にするために…すなわち地球の温暖化に
拍車を掛けるため、ムーやアトランティスを海に沈めた怪獣「ガイガン」を
再び地球へ送り込んだ…
多数の異星人の飛行物体と共に現れたガイガンは、「光合成シート」のある日本が
ターゲットだった。単眼から発射される熱線は瞬く間に広範囲を破壊…
逃げ惑う人々…
生態系が崩される、と認識したガメラが、
そして大和国を脅かす、と目覚めた「護国三聖獣」キングギドラ、モスラ、
バラコンが、ガイガン&飛行物体 に挑む…
ガイガンにはガメラ&バラゴン、飛行物体にはギドラ&モスラが…
思いもよらぬ「まさか存在していた地球怪獣と、その強さ」に異星人たちは、
援軍と、北極に落下した隕石から覚醒した宇宙怪獣Xを日本へ呼び寄せる…
強力なパートナーを得たガイガンはゴジラ&バラゴンを圧倒し始める…
ガイガンの熱線で、バラゴン死す…
ギドラ、モスラも飛行物体の多方向からの攻撃に苦戦…
局面が変わる中でついに…残された二大聖獣も力尽きた…
日本の空陸軍が飛行物体と戦闘を開始…
戦火は日本の各地に広がった…。
>>292 × ゴジラ&バラゴン
○ ガメラ&バラゴン
ガイガン&Xに孤軍奮闘するガメラも傷ついていた…
しかし…死んだ三聖獣が突然発光…その三つの発光体が一つになり海へと
向かう…驚いたことに、東京湾で眠るゴジラに憑依…大和の守り神として
海の底から蘇る…
そしてガメラを窮地へと追いやっていたガイガンとXに、ゴジラは牙を剥く…
ゴジラ、ガメラの共闘で、最終決戦へ…
295 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/03(月) 02:28:36
おもしろいです
モスラ、キングギドラはオリジナルに戻し強くしないと
ガメラ、ゴジラは他の怪獣とは格が違うからもっと強くしないと
特にガメラのプラズマ火球、ゴジラの放射能は威力抜群にお願いします。
最近の怪獣映画見てたら強さって感じないんだよね
でもストーリーはおもしろいです。
最後にハヌマーンが登場して踊る。
297 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/03(月) 11:28:36
キングギドラをオリジナルに戻すと悪役になっちゃうよぉ〜
298 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/03(月) 19:32:29
2000でのキングギドラとモスラのやられっぷりにはがっくり。
ゴジラは潜水艇にやられるし
すきっとしないよね
299 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/03(月) 21:07:53
潜水艦にやられるゴジラなんて史上初で面白いじゃん。
(特に日本は特攻というものに美学を持ってる国だし)
>ガメラ、ゴジラは他の怪獣とは格が違うからもっと強くしないと
特にガメラのプラズマ火球、ゴジラの放射能は威力抜群にお願いします。
>>292-
>>294の流れだと、バラゴンを途中で失い孤立無援で傷ついた
ガメラに代わり、ゴジラがガイガン、Xの前面に立って戦う、という
流れが自然だと思うけど…ガメラはしばらくゴジラのサポートに
回ってもらい、回復を待つ、と…
もちろん勝敗はゴジラ、ガメラなんだけど、そのあとが問題…
三聖獣の魂がゴジラの肉体を借りただけなので、その後のゴジラを
どう扱うか… そのまま海に帰ってもらい屍に戻るか…
それともゴジラに残った死者の残留思念が、三聖獣の魂を上回り、
ガメラに襲い掛かるか… こうなると話がややこしくなるわけだけど…
でも金子監督って、きっと…「ゴジラvsガメラ」を撮りたいのと
違うかな〜 「大怪獣総攻撃」を見てそう思った…
301 :
巨大オケラ:2005/10/04(火) 00:51:11
主役そっちのけで、脇役だけでもいけそうだ。
見たいのは
巨大プテラノドン VS 三角頭の大コウモリ !!(笑)
200X年、阿蘇山からラドン復活。
時同じくして、姫神島にギャオス出現。
九州を舞台に鳥形の怪獣同士のドッグファイトが始まった・・・。
※他に出したい飛行性怪獣は?ラドンの餌?それとも餌の特にデカイ奴?
(↑ギャオスにメガヌロンを横取りされて喧嘩に・・・、
さらに子供を取られたメガギラスがブチ切れて、
三つ巴の闘いに!!)
>>301 そうだね…いきなり看板エース対決というのもアレだし…
まずはゴジラ・ガメラの代理戦、ということで(笑)
303 :
巨大オケラ:2005/10/04(火) 01:25:42
これならどうだ!
レギオン VS デストロイア
20XX年、富士山麓に巨大隕石が衝突!!ところが、破片が全く見つからない。
数日後、近隣の通信網・工場で異常が相次ぎ、次第に東京に移動。
時同じくして東京湾に隣接する地下工事現場・水族館で奇怪な事件が相次ぐ。
一週間後、都内の地下鉄に得体の知れない生物群が出現。
同時に東京ドームの地下から巨大な植物が顔を見せた!
生物は地下鉄網を占拠。残すはりんかい線のみ、ところがこちらは別の生物群が占拠していた!
こうして生物同士の闘いが始まった!
304 :
巨大オケラ:2005/10/04(火) 01:41:47
>>303 続き
最初は地下で激しい攻防戦が繰り広げられ、徐々に地上での闘いに代わっていった。
りんかい線に巣くっていた生物は劣勢になったかと思うと、一箇所に集まり合体、巨大な生物と化した。
宇宙生物は数にものを言わせ、まとわりつくが効果無し!
形勢逆転かと思われたが、宇宙生物は突如、変電所に集まりだし、死んだかと思われたが、
次の瞬間、地下から巨大な生物が飛び出した!二匹の巨大生物は
東京上空でドッグファイトをするものの、相打ちになり二匹とも墜落、
宇宙生物は都内中心部、もう一方はコンビナートに墜落。
(続く)
305 :
巨大オケラ:2005/10/04(火) 02:07:01
>>304 続き
数時間後、巨大化した宇宙生物は、東京ドームから出現した植物を守るよう、次々と生物群を産みだした。コンビナートに墜落した生物は爆炎の中、急速に進化、再び巨大化した宇宙生物と闘う為、飛翔!
東京ドーム付近で両者が戦闘を開始。植物には花が咲き、巨大な種子が発射を待っていた。
はたして、決着は!?
※闘う目的は、レギオンは繁殖の為、デストロイアは進化の為?(種子の発射を食い止めれば地上で原爆並の大爆発。一時周辺は無酸素状態に。デストロイアが更に進化を・・。レギオンは繁殖の為に種子さえ発射出来れば勝ち)
306 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/04(火) 02:41:01
プロ顔負けの脚本だらけ
307 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/04(火) 08:17:12
特撮板の同種スレだと「ジラース(ゴジラの仮装)対ガメラにリドザウルス乱入」ってのがあるぞ。
308 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:14:19
特撮板より乱入
「こちら○○市!こちら○○市!××市に連絡!昨夜未明からの戦闘により、当市の防衛ラインは壊滅。敵は市街へと侵入…。最後の手を使うこととなった。……貴市の、幸運を…、祈る。」
「…了解…。」
唸る光線砲、雷撃とミサイルが飛びかうなか、いくつもの黒い影が市街地に舞い降りる。
そして…大爆発。
*爆発と同時に画面が砕け散ってタイトル登場。
309 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:15:20
オープニングの後は現代。
主人公(女医)の勤務する大学病院に救急車が滑りこむ。
交通事故だ。
レントゲンが撮られ、主人公は即座に患者男性を診察するが、頭蓋骨を含む無数の骨折と内出血、さらに内臓には腫瘍の影まであり、手の施しようのないことは明らかだった。
患者男性は静かに女医の目を見つめるとそのまま息を引き取ってしまう。
死亡確認の後、遺体は地下の死体安置所に運び込まれるが……。
翌朝、死体は忽然と消えていた。
痛いの消失は、最初のうちは「死体泥棒」事件と考えられていた。
ところが、検査用に採血した患者の血液に奇妙な特性があることが発見され、事件の様相は一変する。
驚異的な治癒能力。
検査の結果、エイズや癌をはじめとするあらゆる疾病を100%治癒できる超特効薬的機能が患者の血液に確認された。
「患者の死体は盗まれたのではなく、この血液の力で回復し自分の意志で立ち去ったのではないか?」
人類の未来を握ると考えられる、謎の患者の捜索が全国的に開始される。
310 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:16:10
一方、太平洋を中心に地殻の変動とは無関係な震動や、火山の噴火が頻発。
やがて日本の大戸島で大規模な山体崩壊が発生し、地下から巨大な「石棺」が姿を顕した。
内部に横たわるのは黒い巨獣=ゴジラ。
細心の検査の結果、この怪物は「生きているとも死んでいるとも言えない」状態だと発表される。
記者「それどういうことですか?」「もうちょっと判り易くお願いします。」
学者「強いて言うなら…、そうですね、魂が抜けた状態…そう言えると思います。」
だが、「消えた患者」の話題を「黒い巨獣発見」の話題が追い散らした。
しかし、「黒い巨獣」がトップニュースであった時期もそう長いあいだではなかった。
マレーシアやシンガポールの諸都市をギャオスの大群が襲撃したからだ。
軍対ギャオスの戦闘が、たちまちトップニュースへと踊り出た。
なんと事件はそれだけに止まらなかった。
合衆国空軍を一蹴しロスアンゼルス上空に侵入したギャオスの大群に、空飛ぶカメの怪物=ガメラが襲い掛かったのである。
311 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:17:21
対ジャオスの戒厳令が敷かれた町を女医の運転する車が走る。
その前に、一人の男が現れた。
あの男だ。
驚く女医に男は告げた。
「きみたちに教えなければならないことがある。」
男が語る物語。
それは遠い古代に起った、戦争と破滅の物語だった。
312 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:18:44
「男」の世界は滅亡の危機に瀕していた。
*ここから「男」のシルエットの横顔に断片的な映像を被らせて描写。
ことの始めは些細なことだったのに、初期の対応を誤った結果、事態は取り返しのつかないところまで転がってしまった。
戦争である。
それも異生物との。
最初は、降下した人口衛星に付着していた有機体に過ぎなかった。
ところが病理検査のため投与された何らかの物質に反応し制御不能な分裂と増殖を開始した。
「あとは地獄に真逆さまさ。」
分裂・成長を繰り返した怪物に対し、古代人類は彼らの超兵器を次々投入した。
大部分の兵器は宇宙生物に対し無意味だったが、たったひとつだけ有効な兵器が存在した。
それこそ「男」が開発した生体兵器ギャオスであった。
ギャオスは敵を倒し、敵を喰らって増殖する。
燃料いらず、工場いらずという夢の兵器は、増殖した宇宙生物を片端から食い尽くしていった。
人類の勝利も目前、と思われたころ。事態は暗転した。
宇宙生物を食べたギャオスが狂いだし、人間を襲い始めたのだ。
「我々はギャオスがヤツラを食ったと思っていた。でも違ったんだ。食ったのはヤツラ。そしてギャオスの体を乗っ取ったんだ。」
313 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:19:40
人類の敗北は決定的だった。
しかし、諸都市は陥落寸前により多くのギャオスを引きつけた上での自爆作戦を採ったので結果的にギャオスの数も減らすことには成功。
最後の都市で最後のギャオスと最後の人類の決戦の火蓋が切られた。
決戦に際し、男はギャオスに対抗する新たな生物兵器=ガメラを建造した。
しかし、ガメラがギャオスのように乗っ取られないようにするにはどうすればよいのか?
その答えも、「男」は既に掴んでいた。
女医「そ、そんな!あたな、自分の魂を怪獣に封じ込めたの!?」
男 「彼女が自ら望んだんだ。オレのために、人類のために。もう、ガメラの中に彼女の意識はカケラも残っていないだろうが。」
女医はガメラがギャオスと戦うために覚醒したのだと考えた。
しかし違ったのである。
314 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:23:40
男 「ガメラは最初の宇宙生物=ギララをこんどこそ仕留めるためにやって来た。かつての対決では、ガメラの力をもってしてもギララを殺すことはできなかったんだ。」
女医「じゃ、じゃあ、その宇宙生命はいまも地球に!?」
男 「ああ、いるのさ。このオレの体の中に。レントゲン写真に写っていただろ?」
そう、事故後に撮影されたレントゲン写真に写っていた「腫瘍」こそ、封印された宇宙生命体のコアだったのである。
男 「ヤツの力を封じ得るのは人の魂そのものなのだ。だからオレはオレ自身の体をヤツの棺にしたんだよ。」
男はなんとしても往き続けなければならなかった。
彼が死ねば、ギララは解放されてしまう。
だから男は古代人の科学と魔力の全てを用い、自らの体を不死の者として生き長らえてきたのである。
しかし、その彼にも最後の時が迫っていた。
男と女医の頭上で怪獣の叫びが轟いた。
地球中で荒れ狂っていたギャオスを尽く滅ぼしたガメラが、最後の決戦を戦うべく日本にやって来たのである。
315 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:25:11
男 「さあ、キミも逃げるんだ。もう時間がない。」
女医「まって、あなた何で私なんかにそんなことを話してくれたの?」
男 「……病院でオレを見たときの目が、彼女の目とそっくりだったから。…さあ、もう行くんだ!」
*こちらに走ってくる女医の車の背景に山。そしてそこに舞い降りるガメラ。突然、ガメラの下で毒々しいオーロラが立ち上がる。
飛来したガメラと宇宙大怪獣ギララの激突が始まった!
だが、古代の闘いでもガメラはギララをと仕留めきれなかった。
さらに今度はギャオスとの闘いで既に大ダメージも負っている。
どう見てもガメラに勝機は無い。
女医「負けないでガメラ!」
そのころ、「魂の抜けた状態」だった大戸島のゴジラがカッと目を見開いた。
男は自分の恋人だけを生体兵器にしたわけではなかった。
人間としての自分の肉体が滅びたとき、ガメラとともにギララと闘う存在も作っていたのだ。
「男」の魂の入れ物たる生物兵器=ゴジラが起動し、決戦場へと前進を開始する!
そしてついに、ガメラ、ゴジラ対ギララの決戦が始まった!
316 :
名無しより愛をこめて:2005/10/04(火) 12:52:34
最終決戦のサビはガメラがゴジラを庇って大破する部分。
女医「忘れてなんかいないわ!ガメラの中の魂は、自分が人間だったころのことを忘れてないの!だからゴジラを護ったのよ!」
そしてゴジラも自分が人間だったころのガメラとの関係を忘れていなかった。
ゴジラの顔が激怒に歪み放射能熱線放射!
だがギララの力は絶大であり、空前の威力の熱線もギララの怪光線にジリジリ押し込まれ始める。
このとき、天空に光りのパルスが走った。
ガメラが最後の力を振り絞りマナエネルギーを集めはじめたのだ。
さらに、ガメラの集めた力はセビレを通してゴジラへと流れ込む!
ゴジラの熱線が爆発的に威力アップ!
*仮名「アルティメット・フレア」?
ゴジラ自身のセビレすら一部蒸発するほどのエネルギーの前に、ついに宇宙大怪獣も敗れ去る。
ついに息絶えたかに見えるガメラを支えるようにして海へと去るゴジラ。
そのゴジラ自身も、瀕死のダメージを追っている。
夕陽に向かって消えていく二大怪獣を見送る女医の横顔でエンディング。
おしまい
乱文のうえに乱入ごめん
校正ミス。
「男」がガメラに封じたのは「自分の恋人の魂」。
「恋人」が抜けてもうた。
319 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/04(火) 18:06:31
>>294 悪いがつまらない
やっぱり対決させるべき
共闘なんてツマンナイ
320 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/04(火) 21:32:04
対決させるならバトルシーンに力を入れて欲しい。
321 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/05(水) 01:42:27
短時間で作ったにしてはもこの脚本の発想は凄い
しかも両者とも生かしてる
ただガメラとゴジラの圧倒的強さを表現しきってないのが、、、、、
攻撃が効かないときは案外ただの恐竜化になってしまう。
一発の凄さがあるとすきっとしてくるのだが
でも読みごたえはあったんで
○
バトルよりそれに至る事件が好き
Qのように・・・!?
ならば……特撮板の名誉にかけて、ゴジラとガメラを真正面から激突させよう。
*映画は二大怪獣の激突シーンからスタート。
深夜の暴風雨に飲み込まれた大東京。
脚部のジェットを用い地上を立ち姿勢のまま横滑りつつ、同時に口からプラズマ火球を連射するガメラ!
対するはゴジラ。
その周囲に火柱が立ち上がり、火球のうち一発がゴジラの横っ面に炸裂!
しかしゴジラは微動だにせず、ガメラに向かって逆襲の熱線を放射する!
一瞬のジェット噴射でこれを上空に回避するガメラ。
ゴジラ、これを追撃!
*曲線を描き空を疾駆するガメラと、それを追ってサーチライトのように空をうねるゴジラの熱線。
ゴジラの熱線(ブレス)が途切れた瞬間、ガメラ反転。
空中静止すると先ほどとは比べものにならない規模の火球を発射!
これを迎え撃つべくゴジラも再び熱線放射!
火球と熱線が衝突し大爆発!
そして爆炎の中からタイトル出現!!
大怪獣頂上決戦!
ゴジラ対ガメラ!!
太陽黒点とは無関係のデリンジャー現象。そして月の動きとリンクしない海面上昇。
その年は世界中が説明不能の異常気象に見舞われていた。
そんな中、日本近海に瞬間移動でもしてきたかのように、瞬間最大風速=計測不能のモンスター台風が出現する!
「バカなむ!そんなバケモノが首都直撃したら!?」パニックになる気象庁。
だが怪物台風は至近にあった大戸島に上陸すると、不意に消滅してしまう。
島の被害は?そしてバケモノ台風の出現と消滅の理由は?
政府は直ちに大戸島へと災害調査団を派遣する。
島の惨状は目を覆うばかりだった。
漁船はおろか、付近を航行していたと思しき巨大タンカーまでが、山の中腹近くに打ち上げられ、原型を止めた家屋は一軒もない。
「……変ですねえ……。」
「ん?何が変なんだ?」
「打ち上げられてる魚ですよ。あれを見てください。」
調査団員の一人は一匹の怪魚を指さした。
「……な、なんだ!?あの気持ち悪い魚は!?」
「リュウグウノツカイ、深海魚です。」
「深海魚だって?」
「そうです。海底地震のときに深海から上がって来たなんて話はありますが、台風による影響はあいつが住んでるような深海には及んでないはずなんですけど…。それがなぜ打ち上げられているのか?」
調査団は、どこかおかしな服装をした成人女性と少女を発見する。
2人は直ちに東京へと搬送され精密検査が行われたが、未曾有の大台風に遭遇したにも関わらず、かすり傷ひとつ負っていないことが確認された。
だがそれと同時に奇妙な事柄も確認された。
意識を取り戻した2人はそれぞれ自分の名前と住所を答えたが、該当自治体に確認したところ該当する人物は存在しなかったのである。
*本編の人間側の主人公は身元不明の女性と少女、そして調査団員の男性とその男の子。
一方政府の危機管理センターが別件で密かに東京湾の調査を行っていた。
海面温度の局所的上昇が報告されたからである。
湾内全体の海面温度が上昇するなら、それは判らなくも無い。
だが、「局所的」とはいかなることか?
あらゆる原因が検討され、たったひとつを除いて全てが排除されていった。
「……ではやはりヤツが?」
「まちがい……なかろう。」
海面温度分布を画像処理した写真を前に、政府関係者が言葉を交す。
写真には、映し出されていたのは、「恐竜」を連想させる朧な姿であった。
東京湾に潜む脅威、それはゴジラであった。
全世界、とりわけ日本は再三にわたり大怪獣ゴジラの襲撃を受けていた。
そして東京湾に潜むのは、40年以上前に初めて姿を現し、オキシジェンデストロイヤーで滅ぼされたはずの個体の復活と推測された。
まさに最強最悪の個体である!
政府は総力を上げ、ゴジラ対策に向かって走り出した。
パニックを避けるべく極秘に進められた対策ではあったが、やはり機密はどこからか漏れてしまった。
たちまちテレビや新聞に「ゴジラ」の文字が躍り狂うようになる。
やがて、官民うち揃っての狂想曲を伴奏とするかのように、熱源の位置が動き始めた!
一方、政府の研究機関附属施設であの女性と少女は保護されていた。
…少女と少年がテレビの前で戯れている。
テレビには、海岸線に沿って砲列を敷く90式戦車、そして空中を舞う戦闘ヘリコプターが写っている。
「ごじら?」少女が言った。
「ゴ ジ ラ。怪獣王のゴジラさ。とっても怖いけど、でもとっても強いんだ。宇宙の怪獣だって地球の怪獣だって、ゴジラには敵わないんのさ。」
*ここで過去のゴジラ映画のシーンをちゃっちゃと挿入。
そして、少年は得意げにつけ加えた。「怪獣王ゴジラさ!」
「ふーーん…。」首をかしげる少女。
「きみ、ゴジラ知らないの?変なの?」
「……わたしそんな怪獣聞いたことないわ。それに怪獣王って言ったらガメラのことじゃない。」
「がめら?」こんどは少年が首をかしげた。「なにそれ?」
「知らないの?アナタって本当に遅れてるわねぇ。とっても強くってそれに私たち子供の味方のガメラよ?宇宙の怪獣だって地球の怪獣だって、ガメラには敵わないんだから。」
*ここで過去のガメラ映画のシーンをちゃっちゃと挿入。
「だから怪獣王はもちろんガメ……。」
少し離れた窓辺で、例の女性が子供たちのやりとりをじっと見つめていた。
その瞳は、まるで何かに驚愕したかのように、大きく大きく見開かれている……。
そのとき、テレビを見ていた少年が大声で叫んだ。
「ゴジラだあっ!」
ゴジラ上陸!
火を吐く戦車!舞い下りるジェット戦闘機!!
だがしかし、高価な近代兵器群は怪獣王の前に呆気ないほど無力であった。
何万トンの体重のゴジラが大地に足を踏み下ろすと大地に地震のような衝撃が走り、戦車は照準をつけることすらままならない!
さらにゴジラのセビレが白く輝くと、半径500メートル以内の殆どのコンピューターを始めとする電子機器がダウンした。
光るセビレから放射される磁力や放射線など何らかのエネルギーに、精密機器は耐えられないのだ!
40年前の上陸時は全ての兵器はマニュアル操作だったため、このことは全く認識されていなかったのである。
ゴジラの前に、90式戦車もF15Jイーグルもただ高価なだけの屑鉄に過ぎなかったのだ!
ひとたびゴジラが熱線を吐くと、直接それに触れていなくとも凄まじい熱と放射線で戦闘機はバタバタ墜落していった。
まるで蚊柱の中に殺虫剤を吹き込んだようである。
戦車や歩兵は……ゴジラにまともに攻撃すらしてもらえなかった。
あるいは踏み潰され、あるいは崩れたビルの下敷きにされて、一方的に殲滅されてしまったのである。
「これが………あなたの怪獣王………ゴジラ……なの?」
切れ切れの言葉で少女が訪ねるが、少年は始めて目にする本物のゴジラの恐ろしさに声も出せない。
あの炎の海で、何百あるいは何千という人たちが生きながら焼かれているのだ。
「……こんなのウソよ!こんなの違う!ガメラが!ガメラがいてくれたら、こんなこと……う、うう(泣)。」
……あとは言葉にならない。
泣き声にふと我に返った少年は少女に訪ねた。
「キミのガメラは、どこにいるの?」
一方別室では身元不明の女性を前に主人公の男性が素っ頓狂な声を張り上げていた。
「キミたちはこの世界の人間じゃないだってぇ!?」
「女性」は自分たちの世界で頻発していた異常気象の原因究明を行っていた。
潮位の変動と月の位置から、「もうひとつの月」があり僅かにずれた位置から潮位を引き上げていると考えなければ、この現象は説明できないと考えた。
女性「海王星の公転軌道の計算から冥王星の存在を割り出したわよね?あれと同じよ。ただし、この場合はずっと近くになければならないの。」
男性「…『もうひとつの月』がかい?」
女性「月だけではないわ。太陽ももうひとつあるの。私の世界で太陽黒点と無関係のデリンジャー現象が観測されていたんだけど…。」
男性「それならこっち………っていうか、僕たちも観測してるよ。」
女性「説明は簡単よ。そのデリンジャー現象は『もうひとつの太陽』の黒点によって引き起こされていたの。」
男性「月がもうひとつに太陽がもうひとつ?まさかそのうち地球ももうひとつあるなんて言い出すんじゃ…。」
女性「そのまさかよ。月や太陽、地球だけじゃないの。宇宙そのものがもうひとつあるのよ!」
男性「……そ、そうか!並行宇宙!」
*やっとお話がSF板っぽくなってまいりました(笑)。
読んでます
女性「並行して存在する、よく似たふたつの世界、それが並行宇宙。」
男性「そう……よく似た世界だ。しかし完全に同じというわけではない。違うところもある。」
女性「そうなの。私の世界の月とこの世界の月は僅かだけど位置がずれてるのよ。だから海面潮位に狂いが出てくる…。」
男性「そうだ。そしてキミの世界にもちろんキミはいるが、ボクの世界にキミはいない。」
女性「そして、私たちの世界には…」そう言いながら隣室の子供たちに目をやる「……正義の怪獣王ガメラがいて、この世界には恐怖の怪獣王ゴジラがいる。」
*ちなみに「女性」の世界では東宝が倒産して大映が生き残りました。それでガメラは全20作くらい制作されてます。最新作はもちろん「ガメラ・ファイナル・ウォーズ」。最後はカイザーギャオスとガメラが戦ってて…(笑)。
「女性」は二つの月という仮定から「二つの世界」を導き出し、並行する二つの世界がなんらかの理由で接近し過ぎたのではないかと考えた。近年の異常気象も、二つの世界が相互干渉しあって自然現象が起るためと推論したのである。
仮定上の「もうひとつの月」の位置から、仮定に仮定を重ねついに「二つの世界の接点は日本近海の大戸島あたりにあるのではないか?」と考えた「女性」は夏休みを利用して娘とともに大戸島にやってきた。
そこで、2人は二つの事件に遭遇した。
島民を食いに島に現れたマルコブガラッパとガメラの対決(ガメラが横綱相撲で勝利)、そして例の台風である。
女性「あの台風も『ふたつの世界』の相互作用によって『私の世界』に発生したものなの。そして私たちをも飲み込んで『こっちの世界』にやって来て…、私たちを置き去りにして『もとの世界』に戻って行った…。」
男性「そうか、それで瞬間移動でもしたみたいに現れたり消えたりしたのか!」
女性「海底で眠っていたゴジラが目覚めたのも、二つの世界の急接近が原因なんじゃないかしら!?」
男性「二つの世界の接近で海底に何か起ったとか?」
女性「……あるいは……、もうひとつの世界の怪獣王を野獣の本能で感知したとか…。」
*…仕事が忙しいので少し端折ると……。
元の世界に帰る術を探しに、「男性」と「女性」、それに少年と少女は再び大戸島に向かう。
ところが、東京で破壊の限りを尽くした怪獣王ゴジラも突如向きを変えて大戸島にやって来た。
折悪しく再びバケモノ台風が再び出現し、空路でも海路でも島を脱出することができなくなる。
そしてついに大戸島にゴジラが上陸。
逃げ場の無い孤島で4人は追い詰められた。
心の限りに少女が叫ぶ「助けて!ガメラーーーっ!!」
そのとき、荒れ狂う暴風雨が一瞬止まった!
突然音の消えた大戸島沖合いに、人類が未だ出会ったことの無いような巨大雷が落ちる!
そして、その閃光を突き抜け飛来したのは!?
少女「ガメラだーーーーっ!」
少年「あれが……ガメ…ラ。」
*ここで時間は映画冒頭の戦闘シーンへと戻る。
プラズマ火球と放射能熱線が正面衝突し大爆発!
しかし、その爆風のど真ん中をぶち抜いて、ガメラが突っこんできた!
硬い甲羅の体当りに何百メートルも吹っ飛んで、山の崖に叩きつけられるゴジラ!
すかさずガメラが断崖に向けプラズマ火球を連射。
ゴジラは、ガラガラと崩落した何万トンという岩石の下敷きになってしまう。
「やった!」と躍り上がって喜ぶ少女。
しかし少年が言う「油断しちゃだめだ!ゴジラはそんなことじゃ……。」
少年が言い終わらぬうちに、崩落した岩石の下から熱線が迸る!
回避しきれず、あお向けにひっくり返るガメラ。
岩石を軽々跳ね飛ばしゴジラは姿を現すと、あお向けのガメラにまたも熱線を放射した!
頭と手足を引っ込め耐えるガメラ。
するとゴジラはガメラの甲羅の上に飛び乗った!
巨大な足を相撲の四股でも踏むように、ガメラの甲羅の腹部に叩き込む!
ズムッ!ズムッ!ズムッ!!
すると猛烈な衝撃のため、踏みつけられるたびに甲羅からガメラの手足が飛び出しては引っ込む。
*ガメラの定番アクション。
少年・少女「負けるなガメラーッ!」「がんばれーーーーーっ!」
*戦闘シーンのみ増量しております(当社比)。
ゴジラの一瞬のスキをついてガメラはゴジラのシッポに噛み付いた。
そして驚いたゴジラが踏みつけを止めた瞬間、回転ジェットの体勢に入る。
ぐんぐん上がる回転!いかなゴジラといえども立っていることはできない!
ゴジラを腹の上に載せたまま、回転ジェットで上昇するガメラ。
そして、地上の4人からはゴジラとガメラが小さな点ぐらいに見える高さから、ガメラはゴジラを放り出した!
巨大隕石となって落下するゴジラ!
ずっしーーーーーん!
もの凄い轟音!そして衝撃!!……しかしゴジラは怒りの咆哮とともに立ち上がった!
少女「…うっそでしょ?あんなとこから落っこちて死なないなんて。」
少年(ゴジラが勝つと自分たちの命が危ないのに、何故か自慢そうに…。)「だからゴジラは不死身なんだって!」
こんどはゆっくり着地するガメラ。
ゴジラもせっかちに熱線は吐かない。
地鳴りを上げ、二大怪獣王が間を詰める。
今度は肉弾戦か?
だがそのとき、大戸島沖合いに奇妙な光りが溢れ、台風のエネルギーが急減速した!?
女性「あれがゲートよ!二つの世界のあいだに門が開いたのよ!」
少女「ガメラーっ!私たちを連れて、あの光りに飛び込んでー!」
少女の声が聞えたらしく、一瞬沖合いの光に顔を向けるガメラ。
だが、ゴジラはそのスキを見逃さない!
白いキバがガメラの首めがけ閃いた!
飛び散る血しぶき!
少女「ガメラーーーーーっ!?」
ゴジラはガメラの首に噛み付けなかった。
とっさにガメラはゴジラの口の中に自分の腕を叩きこんだのだ。
一方、ガメラとゴジラが闘ううちに、大戸島沖合いの「光」は範囲を狭めはじめていた。
少年「大変だ!門が閉まっちゃうよ!」
男性「よっし!こうなったら!」
男性は打ち揚げられた漁船につんであった信号弾を手に飛び出し、組み撃つ二大怪獣王に駆け寄ると、点火線を引き抜いてゴジラの顔めがけて投げつけた!
不審な視線を向けたゴジラの眼の前で、信号弾は発光した。
突然のできごとに思わず目を細めるゴジラ。
その瞬間、ガメラは自分の甲羅のヘリにゴジラの顎を叩きつけた。
ゴジラの口が開く!
さらにガメラは間髪いれず、至近距離からゴジラのどてっぱらめがけ超極大のプラズマ大火球を叩きこんだ。
大爆発に後退するゴジラ!
その体勢の崩れに乗じて、ガメラは渾身のプラズマ火球を次々叩き込む!
ずるずる後退するゴジラはついに島の端の断崖から太平洋へと落下した。
このとき、もう沖合いの光=ゲートは既に消えかかっていた。
女性と少女の前に素早く移動するガメラ。
「オレの上に乗れ」というように甲羅を低く下げ、動きを止めた。
少女「いろいろありがとう。……もうこれで会えないかもしれないけど…。」
少年「そんなことないよ。今度はボクの方から会いに行ってやるって(ムリやりの笑い)。」
そして女性と少女ほ上に乗せ、ガメラは門の彼方へと去っていった。
女性と少女を自分たちの世界に送り返してやれた満足感と、少しの淋しさで佇む男性と少年。
その目の前の海が逆さまの瀧のように沸き立ったかと思うと、黒い巨塔のようにゴジラが無傷の姿を現した!
死を覚悟して少年を強く抱きしめる男性。
だが、ゴジラは2人を傲然と見下ろすと、「おまえらでは相手にならん」というように背を向けた。
静かに太平洋へと去るゴジラ。
その後ろ姿は、強敵とのしばしの闘いに満足したかのようであった。
おしまい
いやあ…いくら急いだとはいえ、校正ミス多すぎだな(笑)。
では、私は「特撮板」に帰るとします。
「SF板」のみなさん、さようなら。
339 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/05(水) 17:34:01
面白い!
340 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/05(水) 18:58:22
とても面白いです。
でもちょっと無理があります。
プラズマ兵器そのものはゴジラの細胞ごと破壊できます。
それにゴジラのエネルギーはガメラのエネルギーとして吸収できる & ガメラは核爆弾に耐えれる体に
すでに進化してます。
ゴジラが地球全体のエネルギーを集めた
アルティミット砲をもつガメラよりも強い感じがさらに無理
プラズマ火球を食らっても、ゴジラが耐えるといったところに
ゴジラ映画のリアリティのなさが出て、いつも通りの花火とぬいぐるみ系怪獣映画
になってしまった。
漫画と実写のように両者の世界は違うのでどうしてもかみ合わない。
ゴジラは漫画チックにそっちの世界でガンガンに戦う方がいい。
リアリティを求めるならもっと科学的に演出しないとガメラの世界に入っていけない。
ゴジラの放射能とガメラのプラズマは両者とも当たらない設定の方がいい。
ほんとうはガメラの生き返らせる力を使ってゴジラを助け、ゴジラの怒りが
地球人のおごりを叩き潰す戦争映画がいいのですが。
そのストーリーなら怪獣映画を見ない客も動員できるからいい。
やはりガメラとゴジラは一緒にはできないし戦わせられない。
戦わせると一回目の集客は凄いでしょうが、2回目以降の怪獣映画の発展は望めない。
エイリアンvsプレデターも怪獣映画っぽくなって
観客の幅が限られてしまい、あれで終わったようですね。
ガメラもゴジラも別々に発展して欲しいです。
でもこの脚本作ってくれた人はやはり凄いです。
納得いかないところはありますが、どきどきして楽しんで読むことができました。
ありがとうございました。
海賊王まで読んだ
驚いたな… 平面宇宙でゴジラガメラ世界を分けたか…
素晴らしい発想力ですね。一つだけ注文があるとすると…
両巨頭の戦いに必然性が欲しかったな。。強引に戦わせたというか…(笑)
バトルシーンではまぁ…ガメラファンよりゴジラファンは少しだけ
不満かな?…でもよく出来てます。
343 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/06(木) 20:09:44
単純に「モスラ対ゴジラ」みたいに
ゴジラ=破壊神
ガメラ=守護神にしたら?
344 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/06(木) 22:39:47
ゴジラ=破壊神
ガメラ=守護神
一番簡単だけど案外面白いかもしれない
345 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/06(木) 22:51:42
346 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/07(金) 01:29:54
破壊の神と再生の神ってもとは同じ神で
神が右手と左手を目的に応じて使ったようなもんなんだろ
347 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/07(金) 03:28:50
ところで、宇宙怪獣ガメラ見たことある人いない?
自分はこれしか見たことないんだけど。
そういえば金子修介監督が「神の右手悪魔の左手」ってのを撮ってるなぁ。
守護神=神の右手=ガメラ、破壊神=左手=ゴジラとして…。
ガメラとゴジラの対決は全て「神の意図」ってことにして…。
ゴジ・ガメ一勝一敗のあと三戦めでついに自分たちを闘い合わせる背後の存在=神に気づき、共闘してこれを倒すってのはアリか?
……って、よく考えたら特撮板でやったな。そういうの。
349 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/07(金) 14:46:12
マッハ文朱のダンスが見れるやつね。
あれは冗談だよ。
だまって平成ガメラ3部作見る事をお勧めする。
351 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/07(金) 17:13:43
昭和ガメラ 子供向け
平成ガメラ 大人から子供まで
352 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/08(土) 15:52:57
353 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/10(月) 01:51:21
ここでマナとか真剣にゴジラとガメラを
戦わせるシチュエーション考えてる
馬鹿どもみてると本当の地球の将来が
おもいやられるよ
馬鹿どもが!
354 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/10(月) 11:55:56
355 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/10(月) 13:50:59
むしろあなたの将来が思いやられる。
それとも大人でした?
356 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/10(月) 14:04:44
357 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/10(月) 18:29:27
イフVSガメラ→ガメラ死亡 モスラVSイフ→モスラも死亡
ゴジラ&アンギラスVSイフ→ゴジラとアンギラス死亡
>>353 煽りと承知しつつにマジメに答えるとだな…。
こういうのはいわゆる「知的な遊び」の部類だ。
欧米には「指輪物語」や「シャロック・ホームズ」の熱烈なファン組織があって、その入れ込みっぷりは日本の比ではない。
…で、いったいどんなことやってんのかというと「ホームズの相棒であるワトソン博士は実は女である!」なんて論文を発表したりしてるわけだ(笑)。
根拠はワトソン婦人が夫を「ジェームス」と呼んだという一点のみ。
もちろん単なるドイルの誤記なのだが(笑)。
ゴジガメ対決なんて面白いお題だと思うぞ。
おれ、ゴジラ対エイリアンとか面白そうだと思うな。
>>359 俺は「ゴジラ対7人のプレデター」がいい。
プレデターの若者七人が通過儀礼の狩りのため、
地球に降り立つとそこは無人であった。
ゴジラ上陸のために住人は避難していたのだ。
見所は、コンビニや電信柱を使って
「冒険野郎マクガイバー」よろしく
「ゴジラ捕獲の罠」を作る七人のプレデターたち。
最後、なぜかゴジラと意気投合して、咆哮するゴジラの頭の上で
槍を持って雄たけびをあげるプレデター。
こんなんどうやろ?
やはりゴジラ怪獣連合VSイフだな。
ゴジラだけ生き残るだろうな
ミニラが優しさでイフを倒すだろうな
「ゴジラ対七人のプレデター」でストーリー組んでみたが……ゴジガメ対決より難しい。SF風にもならんし…。
私案
「七人のブレデター」を「狩りの研修にきた年少プレデター6人+引率の新米狩人」とする。
よって戦闘能力はそれほどでもない。
七人とは別に極悪最強のプレデターを登場させる。名前は……例えば「ジェノサイド」とか。
こいつは目的の獲物を獲ったら残りは惑星ごと爆破して殺してしまうような「プレデターの風上にもおけないヤツ」。
7人と1人は、どちらもゴジラを「最高の獲物」と認識し捕獲しようとするが……。
7人の方はシロウト丸出しのドタバタ劇の末に大失敗。
しかし、7人はゴジラ以外のターゲットを発見する。
一方、ジェノサイドの方は運び込んだ自星の兵器でゴジラに挑むがゴジラの能力を侮って失敗する(映画的には派手な見せ場だな)。
ゴジラ出現の目的は、月並みだが台風で流されたタマゴの回収。
7人は偶然タマゴを発見し、彼らの目の前でミニラが孵化!
ラッキーな獲物発見!といったんは武器を向けるが……。
女子プレデター「……やめようよ。だってこれまで子供じゃん。」
引率プレデター「そのとおり。子供を殺したって、戦士の名誉にはならない。」
男子プレデター「でも、あのくそったれ野郎はそう思わないとおもうよ。」
……と、いうわけでミニラがジェノサイドに見つからないように、7人で護ってやることに(笑)。
365 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/13(木) 13:02:09
すったもんだの末、7人のプレデターはジェノサイドと闘うことに…。
勝てるハズの無い相手だが、ミニラの協力もあって7人は勝利をおさめる!
しかし……第一作でも使用された自爆用の核爆弾が作動!
タイムリミットはわずかに10秒!もう逃げられない!?
だが、ここでミニラが七全員を体の下に覆いこむ!
「やめて!そんなことしたらキミが死んじゃうよ!」
そして大爆発。
「ミニラーーーーっ!」
やがて爆風が収まり7人が見たものは……核爆発のエネルギーで立派な「ゴジラ」になった「ミニラ」の姿だった(笑)。
「やったー!」
ミニラ(=ゴジラ)の上に乗って歓声をあげる七人。
やがて現れた親ゴジラに先導され、何度も何度も7人の方を振り返りながら去っていくミニラ…。
そしてそれを見送る7人のプレデター…。
ハッピーエンディングで……おしまい。
なんとか360のレスどおりになってるか(笑)?
366 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/14(金) 02:39:26
おもしろくはないですが
かなり難しいお題でもよくここまでできるよね
拍手です
367 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/17(月) 08:28:52
結局お話が面白いかどうかは「人間をどう動かすか」にかかってるんだな、たぶん。
人間をメインに置かないなら、人間に代わってストーリーを転がす役が必要になる。
ところがプレデターは口をきかないから、リアクション役の人間がどうしても欠かせない。
おまけに7人もいたら、よほど達者な役者で無い限りリアクションしきれない(笑)だろう。
もしゴジラ対プレデターのお話を面白く転がすなら……。
…プレデターの数を2〜3人に減らし、逆にリアクション役の人間を2人程度(姉弟が適当かな?)投入するといいのではないか?
368 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/17(月) 08:35:29
連続すまぬが…。
イフなんかもろSF板のお題だろ?
「超越者がよこした謎の贈り物」ってのは侵略ものからギャクまでSFの独壇場だったはず。
SF素養にものをいわせて、アッと驚く形でゴジラなりミニラなりと絡ませる板住人はおらんのか?
369 :
360:2005/10/17(月) 08:38:15
>>364 まさか、本当にきちんと考証してドラマにしてくださるとは・・・(´∀`*)
ありがとうございました<(_ _)>
>>367 なるほど!面白そうですね(´∀`*)
370 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/17(月) 22:42:31
・ゴジラが正義で、ガメラが悪という前代未聞(?)な設定で、なおかつ、
「ゴジラ怪獣大乱闘地球最終決戦」を掛け合わせて考えてみた。
2005年。地球では、「怪獣との共存」というテーマを元に、人類は、太平洋
のとある島に「怪獣アイランド」を築き上げ、ゴジラや鎧モスラ、アンギラス
などや、他の大怪獣たちを集め、人間・怪獣ともに平和に暮らしていた。
だが、そんなある日、宇宙から、「ヴォルターク」なる異性人が出現した。
ヴォルタークの目的は、地球にある「G細胞」を奪い、究極の怪獣を創ること
だった。そして、宇宙から、数多くの怪獣を地球に投下し、地球に総攻撃を
仕掛けてきた。対怪獣組織「地球防衛軍」は、総力を上げ、出撃するが、
最強戦艦「轟天号」以外の空中戦艦は敗北してしまう。だが、地球の危機を
感じたのか、本能で、島から怪獣たちが、ヴォルタークの怪獣軍団に総攻撃を
開始する。ゴジラがガイガンに、鎧モスラがギャオスに、アンギラス
がバルゴン、キングシーサー・ゴロザウルス・ファイヤーラドンが
ジラ・バイラス・ギロンと千年竜王・キングギドラが宇宙怪獣デスギドラ
と戦う。そして、怪獣たちは、ゴジラ怪獣軍により全滅してしまう。
だが、ヴォルタークは、すでにG細胞を手に入れ、G細胞を使い、大亀怪獣
「ガメラ」を創り上げてしまう。さらに、宇宙からレギオン・イリス
を呼び寄せ、ゴジラ達正義怪獣は大苦戦。轟天号もヴォルタークと
一対一の対決に向かい、バトルはヒートアップ。
果たしてゴジラたちはガメラ・イリス・レギオンを倒せるのか?
轟天号はヴォルタークに勝てるのか?
この、大宇宙に1つ青く輝くこの美しい星、地球はの運命はいかに?
371 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/18(火) 00:04:24
大胆ですね。。
372 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/18(火) 00:41:06
「ゴジラ対ミクロ怪獣チョンギラス」
チョンギラスが隕石に乗って飛来。第一発見者の金田正太郎少年の体内に
進入する。チョンギラスに操られスーパー兵器にもびくともせずに街を破壊
する等身大の正太郎。
地球防衛軍はモンスターアイランドに幽閉しているゴジラをスーパーミニミニ光線で
縮小。正太郎少年の体内にいるチョンギラスと戦わせる計画を立てる。
以下略
373 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/18(火) 20:06:44
消化液で消化されないなんてスッゲー生命力強い怪獣なんだな。
チョンギラスっていうのは・・・。
ただ、ゴジラを縮小させるってのは大胆すね・・。
374 :
1万対1万作者:2005/10/18(火) 20:20:00
>>530より続きです。
なんか、パラレルワールドが展開されているようですがw
こちらもお楽しみを。
ここは大学の研究室。
助手A「おいおい、大変なことになったぞ!
うちのクワガタ教教授(解説参照)。
業者に訴えられたらしい!」
助手B「知ってるぜ!
高価なクワガタや毒虫を大量に業者から買い付けたんだけど、
教授支払いしなかったらしいね。」
柳原「ええ?でも研究資金は十分にあったはずでしょう?
確か「虫の社会的コミュニケーション手段の方法に関する行動学的考察」
とかいったテーマで文科省から研究資金取ったばかりじゃないですか?」
375 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/18(火) 21:38:06
やはり、ゴジラ&ガメラ VS 自衛隊 だろ。
超燃えるシチュエーションだな。
で、メカゴジラ参戦
376 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/18(火) 23:36:15
それもいいですね
ゴジラ&ガメラ VS 影の組織(フリーメイ○○)
影の組織=現在の戦争の仕掛け人
世界の金融、政治家、軍需産業等を束ねる組織
とうとう世界はこの組織に牛耳られる
最後の生き残りは日本
日本に向けて飛ばされた最終兵器プラズマミサイル、、、、、
ガメラとゴジラを呼び覚まし
日本、地球を救え
こんな具合で
364さんお願いします。
どきどきさせてください!
そこへ、せがた三四郎が
いや、何でもない
378 :
ガメ男:2005/10/19(水) 21:32:55
質問!
おいらも夢をヒントに作ったゴジラ対ガメラを書いても良いですか?
文章は下手糞だし、結構長いですが・・・
許さん
380 :
ゴジ男:2005/10/20(木) 01:16:43
>>378 文章が上手い下手は関係ありませんし、長い短いも関係ないです。
ここはゴジラガメラが交わるために飛躍的な発想でストーリーを
作り上げるスレだと思いますので御自由に書いてください。
381 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/20(木) 02:09:01
>>378 ガメゴジファンです
楽しみにしてます。
382 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/20(木) 07:33:10
>>378 スティーブンソンやレ・ファニュなどなど夢をヒントに名作が書かれたれてはいと多し。
上手い下手など気にせずやって下され。
終了後に、「ゴジラ対ガメラ対産軍複合体」(なんじゃそりゃ?)を投下しましょう。
383 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/20(木) 07:35:23
↑あいかわらず校正ミスだけは多いな(汗)。
「夢をヒントに名作が書かれた例はいと多し。」
384 :
ガメ男:2005/10/20(木) 12:37:06
え〜昨日はレスつかなかった(起きてる間)から
本日仕事から帰ったら投下してみます。
笑わないでね・・・
楽しみにしてます。>384
386 :
ガメ男:2005/10/20(木) 18:52:07
じゃぁ、恥ずかしいけど・・・
1
設定は、初めに謎の秘密組織がゴジラを利用して擬似戦争を仕掛け
各国に新型兵器を供給して莫大な利益を得ようとするが、
ゴジラがコントロールを離れ暴走し始める。
時を同じくして、大西洋に沈んだ伝説の文明アトランティスを研究していたグループが
偶然発見した卵からガメラが誕生・・・でもまだ8センチ。
そしてゴジラによる自然破壊の影響か?世界各地でギャオスが大量発生。
ギャオスの卵を南太平洋の水中基地に持ち帰った謎の組織は、
研究施設で遺伝子操作によりG細胞を取り込み、ハイパーギャオスを誕生させる。
さらにハイパーギャオスをコントロール下に置こうとしたが・・・・
研究施設内部で幼体のハイパーギャオスによる殺戮が繰り広げられる。
ハイパーギャオスはもっとG細胞を欲しているのだ。
しかし施設壊滅寸前に謎の組織は何とかハイパーギャオスのコントロールに成功した。
一方富士の樹海上空を飛ぶギャオスの群れに、いきなり巨大な龍の頭が喰らいついた。
ゴジラの存在を察知した千年竜王キングギドラが甦ったのだ。
ギャオスを喰らいながらゴジラに向かうキングギドラ、世界各地で人間を食い漁るギャオスの群れ、
主な都市は破壊され、人間は逃げ惑うしかなかった。
その頃大西洋上の大型探査船に居るガメラは、まだ5メートル『トト』と名付けられた・・・
数週間に及ぶ戦闘で世界各地の軍隊はほぼ壊滅状態に陥って行った。
しかしまだ、主な大国そして日本には謎の組織から手に入れた秘密兵器があったのだ。
各国は一般にはもちろん、軍事バランスの崩壊を恐れ、他国にも兵器の存在を秘密にしていたのだが、
事ここに至り、ついに中国からスーパーX 、日本からは機龍、ロシアからはモゲラ、
そしてアメリカのエリア51からは円盤型特殊戦闘機ファイヤードラゴンが飛び立ったのだ。
387 :
ガメ男:2005/10/20(木) 18:53:14
2
各国協力の下、大規模な怪獣に対する戦闘が繰り広げられた。
そして人類の勝利は目前に思われたが・・・突然太平洋上空に姿を現したハイパーギャオスの攻撃により、
スーパーX、モゲラ、ファイヤードラゴンが破壊されてしまう。
雄叫びを上げるハイパーギャオスの横にはマンダ、そして海底軍艦轟天号が!
そう、謎の秘密組織の正体は、生物兵器ギャオスを生み出し、アトランティスとの戦闘の末
一夜にして海に沈んだ古代ムー大陸の末裔だったのだ。
彼等は再び地上へ、そして世界の支配を狙っていた。
ハイパーギャオス、轟天号、マンダの波状攻撃、ゴジラ、キングギドラ、ギャオスの暴走、
機龍一機ではどうする事もできない、ついに人類の最後か?と思われたその時・・
なんとハイパーギャオスと轟天号がその攻撃の矛先をマンダへと向け、殺してしまったのだ。
慌てたムー帝国女帝ローレライは轟天号のコックピットを呼び出した。
「神宮司、何をしているのじゃ!」
轟天号女性艦長神宮司真琴は笑みを浮かべていた。
「私たちはお前たちムー帝国によって滅ぼされたアトランティスの子孫」
「な、なんじゃと?」
「お前たちは工作員だった私の母に、父である兵器工学の権威、神宮寺博士を拉致させたと思ってるようだが
本当は母の説得により、お前たちの世界征服を阻止するため、父は自らムー帝国に出向いたのだ。
そしてお前たちの手で、お前たちを滅ぼすこの轟天号を作らせたのよ!」
「ふっ・・たかが一隻の戦艦ごときで我がムー帝国を滅ぼそうと言うのか!」
「轟天号だけではないわ、ハイパーギャオスは私のコントロール下にあるし、
私たちはガメラの卵、そしてガメラを呼ぶ道具を手に入れることに成功したのよ!」
そう話す神宮司真琴の胸にはオリハルコンでできた勾玉が揺れていた。
そして勾玉を手に取った神宮司真琴はその手を突き上げ握り締めた。
光出す勾玉。
388 :
ガメ男:2005/10/20(木) 18:53:57
3
大西洋の大型探査船からついにガメラが飛び立った。
すでに体長は30メートル、しかしまだ十分とはいえない。
探査船のクルーが飛び去るガメラを見上げて呟いた。
「ついにトトが行く・・・我々がもっと早く見付けていれば・・・」
探査隊もアトランティス人の末裔だったのだ。
そして『トト』とはアトランティスの言葉で『希望』。
「神宮司、我々を甘く見るな!
ハイパーギャオスは一体ではないのだ!」
そう叫んだのは女帝ローレライの側近の老人だった。
「体内にG細胞を取り入れたハイパーギャオスは我々の技術を持ってさえコントロールは不安定だ。
しかし我々にはもっと確実にコントロールできるギャオス変異体が居るのだよ」
その言葉と共に太平洋から巨大なピラミッド型飛空船が浮上した。
そしてその底部から触手をくねらせたギャオス変異体イリスが姿を現したのだった。
ゴジラ、機龍、キングギドラ、ギャオス、ハイパーギャオス、そして轟天号、
激しい戦いを繰り広げる戦闘空域にガメラが飛来した。
プラズマ火球で攻撃するガメラ、しかしあまりにも体格に差がありすぎる。
そこへと向かうムーの巨大飛空船とイリス。
戦いはいよいよ激しさを増していった。
389 :
ガメ男:2005/10/20(木) 18:55:09
4
その頃福岡の空自・春日基地から一機の超音速ヘリが飛び立とうとしていた。
操縦するのは恰幅の良い初老の男。
そしてジュラルミンケースをしっかり胸に抱えた白衣の博士。
その博士は片目を失っていた。
「間に合ってくれればいいのですが・・」
「君の発明した特殊カプセルを弾頭に込め機龍から怪獣どもへ打ち込めば我々にも勝機はある」
「えぇ、神宮司博士、あなたが密かに持ち帰ったムー帝国の知識が無ければこれは完成できなかった・・・
でもお嬢さんはあなたが生きてる事を知らないんでしょ?」
「あぁ、事故で妻と共に海に放り出されて死んだ事になっている。
妻は命を賭けて私をムー帝国から脱出させてくれたのだ。
妻が守ろうとした人類を、地球を、ムー帝国などに渡すわけにはいかんのだ。」
「そうですか・・・・ただ・・・」
「ん・・?」
「ただ、この発明は恐ろしい・・・できれば永遠に使うことなく封印したい・・・」
「芹澤君、確かに君は恐ろしい物を発明した、しかし今やそのオキシジェンデストリヤーだけが
我々に残された最後の希望になったんだよ」
390 :
ガメ男:2005/10/20(木) 18:56:35
5
キングギドラが怪光線でハイパーギャオスを追い詰めていた。
ガメラと機龍はゴジラに向かいプラズマ火球やミサイルで攻撃。
しかしゴジラになかなかダメージを与える事ができない。
轟天号は上空を舞うギャオスの群れをメーサー砲で打ち落としていた。
ついにキングギドラに仰向けに倒されたハイパーギャオスの口から超音波メスが発射された。
キングギドラの首が一本空中に舞う。
吹き出す血を求めギャオスの群れがキングギドラに群がった。
止めを刺すチャンス!だがハイパーギャオスはゴジラへと向きを変えた。
「艦長!ハイパーギャオスのコントロールが利きません!」
轟天号のクルーから次々に叫び声があがった。
「コントロール不能!コントロール不能!」
「くそっ!G細胞の影響か!」
ハイパーギャオスの目は血の色に染まり、ゴジラを攻撃していたガメラを撥ね退けた。
そしてゴジラの腕の肉を食いちぎり喰らいはじめたのだ。
怒ったゴジラはハイパーギャオスを睨みつけ、巨大な熱線を発射!
衝撃波で山は形を変え、ハイパーギャオスはあっさりと爆発、飛散してしまった。
その時、ついにイリスとムー帝国の巨大飛空船が現れた。
本能からか、ゴジラはイリスに向け熱線を発射した。
すんでの所で避けたイリスの後ろで、熱線は巨大飛空船をかすめ、その一部に穴を開けた。
「くっ、なんて奴だ」
激しく揺れる飛空船の中でムー帝国女帝が叫ぶ。
「イリスをゴジラに向かわせよ!
先にゴジラじゃ、あんな未成熟なガメラなど後回しで良い!」
391 :
ガメ男:2005/10/20(木) 18:57:26
6
ガメラ、機龍、イリスがゴジラを取り囲み、睨み合った。
轟天号はキングギドラの傷口に集まったギャオスの群れを一網打尽にしようと
メーサー砲の狙いを定めている。
すべてが同時に動いた。
轟天号はメーサーを発射しながらギャオスへ
ゴジラは尻尾を振り回しガメラと機龍を弾き飛ばした。
空中へ逃れたイリスは怪光線でゴジラを攻撃、しかしゴジラの熱線により触手を何本か切断された。
バランスを立て直したガメラはプラズマ火球をゴジラへ発射、しかし効果なし。
弾き飛ばされた機龍はキングギドラへ激突、共に倒れる。
機龍を操縦していた特生自衛隊員・家城茜は頭を強く打ち失神してしまう。
そしてギャオスをめがけ垂直降下していた轟天号の真下には、倒れたキングギドラの巨大な体が・・・
「船首ドリル回転!このままギドラへ突っ込むぞ!」
キングギドラの残った2本の首が激しく轟天号を攻撃、怪光線を浴びた轟天号は
煙を上げながらキングギドラのどてっ腹を突き破った!
そのまま地下を潜り地上へ現れた轟天号は、しかしそのまま動かなくなった。
「艦長!動力部損傷、動けません」
「くそっ、まだゴジラやイリスが居るというのに・・・・」
うつむいた神宮司艦長の目に、胸に揺れるオリハルコンの勾玉が映った。
「・・・ガメラ・・・」
轟天号艦長、神宮司真琴はもう一度勾玉を握り締めた。
392 :
ガメ男:2005/10/20(木) 19:01:41
7
突然ガメラが猛然とゴジラに向かって行った。
無謀と思える突進だったが、尻尾攻撃を掻い潜り、ゴジラの横腹に噛み付いた。
そしてそのまま肉を引きちぎり食い始めたのだ。
2度3度と突進しゴジラの肉を食いちぎるガメラをモニターで見ていた轟天号艦長、神宮司真琴が呟いた。
「ハイパーギャオスが食いちぎった所も、ガメラが食いちぎった所も、傷つけたそばから再生している・・・
これがG細胞の再生能力なの?・・・これじゃぁゴジラは不死身だわ!」
しかしガメラはゴジラを食いちぎる攻撃を止めようとはしない。
そして真琴はある事に気が付いた。
「まさか・・・・ガメラ・・・G細胞を体内に取り入れようと・・・」
ついにゴジラの熱線がガメラを捉えた。しかしガメラは回転ジェットで熱線を弾き飛ばしている。
そして・・・ゴジラの熱線がガメラを包み込み、巨大な光の玉へと変貌し、物凄い輝きを放ち始めた。
ゴジラが一瞬怯んだ隙に、イリスが空中からゴジラに体当たりしてゴジラは地に転がった。
立ち上がったゴジラの前には、イリス、そしてG細胞と熱線のエネルギーを吸収し、
巨大化したハイパーガメラが立っていた。
「くっガメラめ!厄介な事をしてくれる・・・イリスをガメラに向かわせろ!
こうなればゴジラと共闘してガメラを葬り去るのだ!」
女帝ローレライの命令でぐるりと向きを変え、ガメラに対峙するイリス。
そして怒りに燃えるゴジラ・・・ジリジリと2匹がガメラへと間を詰めていく。
イリスの左側に位置するゴジラの背びれが光りだした。
身構えるガメラ・・・
393 :
ガメ男:2005/10/20(木) 19:02:38
8
しかしくるりと首を横へ向けたゴジラが攻撃したのはイリスだった!
吹き飛ぶイリスにもう一度熱線で追い討ちをかけ、息の根を止めたゴジラは、
今度こそガメラへと向かってゆく。
まるで俺一人で十分だと言わんばかりに・・・
一方ようやく失神から立ち直った家城茜は機龍を立て直し、立ち上がった。
その時、機龍のコックピットに通信が入った。
それは、神宮司、芹沢、両博士の乗る超音速ヘリからの通信だった。
背後からゴジラを攻撃しようと準備していた機龍だったが、通信の内容を聞き
しぶしぶ合流地点へと向かう。
「ローレライ様、機龍が何処かへ向かいましたが」
「放っておけ!戻ってきたところで、どうせ大した事は出来ん。」
「イリスもやられてしまいましたが・・・・」
「うるさい!どちらが生き残っても我々の創ったギャオスの耐久卵は世界各地に散らばっておる!」
イライラと歩き回っていた女帝は、ここでようやく玉座のような椅子に腰掛けた。
「そうじゃ・・・ハイパーギャオスもイリスもいくらでも作れる。
轟天号も今やガラクタ同然、世界の主な軍隊も、すでに反撃する力さえ残っておらん。
今は高みの見物で良いのじゃ・・・ふふふ・・・
そうじゃ、そうじゃ、どう転んでも我がムー帝国の勝利は揺るがないではないか!
ふふふふふ・・・はっはっはっはっは・・・・・」
巨大飛空船の中に女帝の高笑いが響いた。
394 :
ガメ男:2005/10/20(木) 19:04:33
すいません、もうすぐ最後なんですが、ちょっと見直してからにします。
用事もあるから遅くなります・・・たぶん。
ゴメンなさい。面白くないでしょう・・・・スミマセン。
395 :
ガメ男:2005/10/20(木) 20:01:17
あぁ・・・やっぱり見直したら恥ずかしいからもう辞めます。スレ汚してゴメンなさい。
一応結末は・・・
ゴジラとガメラが死闘を演じて、最後は機龍がオキシジェンデストロイヤーを弾を
ガメラが傷つけたゴジラの傷口に打ち込み、ゴジラが内部から溶解。
で、芹沢博士達はオキシジェン〜の秘密を葬るためムーの飛空挺に、
これまたゴジラに破壊された所に特攻してアボ〜ン。
めでたしめでたしかと思ったら、ガメラの目がG細胞の影響で真っ赤に、
機龍へウルティメイトプラズマを発射しようとする。
しかし、腹部は開かず、そのまま自爆。
G細胞を葬るために自ら命を絶った・・・しかしいつ又ギャオスの耐久卵が孵化するか?
と言う不安を残して終わりです。
396 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/20(木) 23:32:54
ハチャメチャで角度を変えてみたら凄く面白いですな
ゴジラ派ですか?
ガメラのプラズマは細胞分子そのものを破壊するのでG細胞であろうがなかろうが
打たれると分解されて存在できません。
ゴジラをガメラ並にリアルにしないと
ゴジラは実写板アニメの域から脱せない。
ゴジラも好きなんだけどね、、、、、やっぱりかみ合わないんだよな。
平成ガメラはリアルさと強さ、強さ、スピリチャリティを追求してるんで
ゴジラの底抜けにおもしろいプロレスタッチのショウとはかみ合えないというか
ガメラをプライドのヒョードルとすると、ゴジラは新日の永田ぐらいの開き。
脚本はいろんな映画のパクリも入ってハチャメチャだが
なぜか怪獣アクション映画っぽくておもしろい。
ラストはちょっといけてなさすぎだが
またあらたな脚本で読んでみたいと思わせる魅力を持ってるすばらしい人だ。
僕は楽しめました。よかったですよ。>>ガメ男さん
398 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/21(金) 00:41:37
>>386-395 ムーとアトランティスの末裔たちにより、過去の因縁(戦争)を
現代に持ち込んでしまった、という設定でしょうか・・
怪獣たちのバトルシーンをメインで書いてますが、
よく読まないと、ゴジラ、ガメラ、ハイパーギャオスやイリス、その他・・
怪獣たちの敵対関係がよくわからない(笑) ゴジラを中心に
バトルは繰り広げられているようですが・・
それと 初めからゴジラ、ガメラが同居している前提で描いてますが、
本来は同じ世界にいるはずのないゴジラ、ギドラとガメラ、ギャオス、イリス
をどうやって一つにするか・・そのへんを上手く設定して理由づけが
欲しかったな・・というのが感想・・
399 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:35:26
>>ガメ男氏
特撮板の住人としては充分面白かったです。
文字を読むと脳の中で「絵」に自動変換してくれますから(笑)。
規模が大きな話なんで、デカいスタジオ使って撮影したら面白そう。
では……382でレスしたようにいってみようと思います。
お題は…「ゴジラ対ガメラ対産軍共同体」「メカゴジラも登場」(←おいおいどうすんだよ)
個人的なテーマは「並立しないはずの世界をどうやって一つにするか?」ではなく「一つにしてしまった結果」です(笑)。
最初の部分のみイメージわつかみ易いよう物語調になりますれば……。
400 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:36:23
「20世紀、それは戦争の世紀でした……。」
*静かなナレーション?から映画はスタート。第一次大戦、第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム、中東、ボスニア・ヘルツェゴビナや天安門事件などの実写映像をぱぱっと挿入。
「……悲惨な戦争はこの21世紀に入っても暫くのあいだは絶えることがありませんでした。
しかし今日では、多くの偉大な人々の努力により……。」
*画面は実写映像から静止画→壁のパネル写真に変わって、後ろに退りながらパネルの前に立つ男性と一団の小学生?を写しこみ、そこが博物館であると判る。
男性の話は続いた…。
「……戦争の惨禍は、この地球上から一掃されるに到りました。」
そのとき、いかにも生意気そうな男の子が元気よく手を上げた。
「おじさん!質問っ!!」
「お、おじさん?……(気をとりなおして)どんな質問かな?」
「ゴジラ!ゴジラ!!ゴジラはどうしたの!?」
「……いい質問だね。戦争が過去のものになり、ガメラもギャオスの大群との決戦で姿を消したいま(*G3のシーンをちらっと挿入)、世界人類に残された最大の危機!それは……。」
*ここでカメラは男性の視線を追って、建物の反対側の壁に掛かる怪物を写したパネルへと一気に移動。パネルには「人類最後の敵」と注釈がついている。
「……ゴジラだっ!!」
*画面は一転しタイトル登場!
「三大怪獣激突!ガメラ対ゴジラ対メカゴジラ」
401 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:38:51
「ありがとうございました!」口々に礼を言いながら去っていく子供たち。
子供たちと入れ代わりに若い女性が男性に歩み寄ると、ウーロン茶を差し出しながら言った。
「おつかれさま。けっこう上手かったわよ講演。」
「これでも一応プロだからね……子供相手だったし。」
女性は地方ミニコミ誌の編集者。
男性は大学で文化人類学の講師をしながら、女性の勤める出版社のタウン誌にコラムも持っている。
今日はその縁で、新聞社主催の社会科勉強会の講師を務めることとなったのである。
「ところで……、あの……、お願いがあるんだけど…。」
「編集とライター」というより「おねだりするガールフレンド」のような雰囲気で、女性は言った。
「こんど××社の南太平洋対ゴジラ研究所取材の許可がおりたんでしょ?ね、一っ生のお願い!私も連れてって!アシスタントでもなんでもいいからさ。ね?ね?ね?」
402 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:43:33
××社は近年急増した「ゴジラ災害」への対策で急激に経営を伸ばした外資系企業であった。
そして部外者立入り一切禁止の研究施設では、日々「ゴジラ対策」の新兵器や行動パターンの研究が行われているとされてきた。
そのいわば「鉄のカーテン」の向こう側の取材が、何故かこの男性にだけ許可されたのである。
その理由とは……。
男性講師「……僕も驚いたよ。研究所の責任者が、大学時代の大親友だったなんてさ。」
「講師」は…いまでいうSFオタク、一方「大親友」は怪獣大好きの特撮オタクだった。
男同士の2人組で映画館に行って新作怪獣映画を見た。
レムの「ソラリス」を廻し読みし、読後感想を述べ合っているうちに気がついたら何故か掴みあいに。
そしてお互いに相手の趣味を「ガキじゃあるまいし!」と楽しく罵り合ってきた。
つまりは、そういう「男の子どうし」のような関係だったのである。
女性編集「でも特撮オタクの専門がロボット工学で、SFオタクは文化人類学なんですか?なんだか逆さまですね。」
女性編集の突っ込みに笑顔を浮かべる「講師」。
その心は、既に南太平洋へと飛んでいた。
403 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:46:10
眼下に広がる青い海と白い珊瑚礁。
「講師」と「女編集者」は垂直離着陸機で「島」に向かっていた。
「島」は対ゴジラ戦の中枢なので鉄壁の防御網が敷かれており、周囲半径100km以内は船舶・航空機ともに進入禁止である。
つまり「島」は「研究所」というより「要塞」そのものだったのだ。
「まさかオマエがこの対ゴジラ研究所のチーフだったとはな。」
だが、再会し旧交を温めあう間はあまりなかった。
そこへ研究所職員が駆けて来るなり「大親友」に告げたのだ。
職員「Gがハワイ沖に姿を現しました。」
大親友「…近いな。悪いが暫く失礼する。」
404 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:48:17
レストルームに1人残された「講師」はテレビのスイッチをつけてみた。
映し出されたのはオーストラリアのテレビ番組で、早くも「ニュース速報」として「ハワイ沖にゴジラ出現」と報じていた。
ハワイでは州軍が早くも出動し、避難民の誘導や防御ラインの構築に大車輪の活躍を見せている。
講師「……ゴジラの出現が軍備縮小の前で本当によかったな。もし縮小の後だったら……。」
20××年、国家間の戦争の危機が無くなった国際社会では、大規模な軍を維持するのは無意味との空気が広がり、軍事費の極端な削減が一代潮流となっていた。
国によっては「軍」を廃止し、犯罪と大規模自然災害への対応に備えた組織に改組する動きすらあったのである。
そうした「軍隊無用論」を一気にひっくり返したのが、ゴジラの出現であった。
405 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 07:49:37
テレビ画面では、空軍基地から次々F25・Tレックスが離陸し、ハワイの海岸道路をM20シュワルツコフ戦車が疾駆していた。
*「F25・Tレックス」「M20シュワルツコフ」ともに架空の兵器。設定が近未来なもので(笑)。
講師「こんな超兵器もゴジラが出現しなかったら、採用されてないんだよな。」
海面に上半身を出したゴジラが戦闘機軍に向け熱線を吐きかけた。
だがスーパー戦闘機軍は風に舞う羽毛のように、ゴジラの熱線を回避すると、一斉にロケット弾を発射!
ゴジラの周囲に巨大な水柱がいくつも立ち上がる!
するとゴジラは静かに海中へと潜行してしまった。
「やりました!今回も我が軍はゴジラ撃退に成功しました!強い!強い!!」
興奮して小躍りしながら叫びたてるアナウンサーが写ったところで、「講師」はテレビを消した。
もう何度目だろうか?
上陸を狙うゴジラの水際撃退に成功したのは?
いつかはゴジラに裏をかかれ、上陸されてしまうのではないだろうか?
そうなったら、どれくらいの被害が出るのだろうか?
……小一時間ほど、そんなことを考えているうちに「講師」は知らぬまに寝入ってしまっていた。
*もうネタはバレバレのような気が……。ほのめかし過ぎだな(笑)。
406 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 08:16:10
物語調は長くなるのでここまでとして……。
翌日、「講師」と「女編集者」は、「大親友」自らの案内で研究所の中央管制室に招き入れられた。
三人の目が管制室に入室して2〜3分したところで、前日に水際撃退されたゴジラが再びハワイ沖に姿を現した旨連絡が入った。
管制室の巨大モニターでその模様を「観戦」する三人。
「大親友」はとても得意そうだ…。
今度の戦闘は昨日のものよりも、見せ場たっぷりで派手なものになった。
はしゃぐ「女編集者」。
しかし……「講師」はこの戦闘に、もちまえのSFマインドである種の「予定調和」のようなものを感じとっていた。
そんななか、「講師」の感じていた予定調和を根本から覆す事態が発生する。
2匹目のゴジラが現れたのだ!
407 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 08:25:21
たちまち二匹のゴジラによる砲撃戦が開始される。
すると何故か空軍の戦闘機は最初のゴジラを支援するかのような戦闘行動を……。
不審を感じる「講師」。
一方、2匹のゴジラは熱線による砲撃戦を継続。
2匹目のゴジラは動きの制限される水中に下半身を没しているにも関わらず、最初のゴジラの熱線を尽く回避。
そとて回避しながら放った2匹目のゴジラの熱線が、ついに最初のゴジラの肩口を捉える!
爆発として炎!
だが一瞬の爆炎の中に青や紫の火花が散ったのを、「講師」は見逃さなかった。
そしてその日の深夜…。
疑念を胸にベッドで眠れぬ時を過ごす「講師」の耳に、ある音が壁越しに聞えてきた。
波の音だ…。
窓の無いレストルームでじっと耳を済ます「講師」。
ただ、寄せては返すのではなく、ずっと継続的に寄せつづける波音。
船舶が岸辺を通り過ぎるときに岸辺に打ちつけてくる波だ。
それも、波の続いた時間から判断するにかなり大きな船舶のはず…。
しかし、この島の周囲は船舶進入禁止のハズだ。
ついに「講師」の疑念は確信に変わった。
続きは夜かな。。
409 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 12:05:22
*この展開、とっくにネタばれてるよな?
いや…、とっくにネタばれしてるのに、バレてないかのように白々しく書くのはけっこうつらいものが(笑)。
410 :
ガメ男:2005/10/21(金) 12:34:04
どうもありがとうございました。
少しでも楽しんでくれた人が居たので救われました。
私はどちらかというとガメラ派なんですが、どうしてもゴジラを出すと
ゴジラのキャラクターに引っ張られ、ああいった展開になってしまいました。
さすが怪獣王といったところでしょうか?
ご指摘のように色んなパクリだらけで申し訳ありません。
最初はあらすじを書くつもりでしたが、いつのまにか物語り調へ・・・調子に乗ってしまいました。
ちなみに夢に見た部分は、『トト』が古代の言葉で『希望』だったという所と、
ガメラがG細胞を取り込む所、それと最後のガメラの自爆です。
>>399さん
つづき楽しみに待ってます。
411 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 15:06:04
翌朝、「講師」はドアを激しくノックする音に目を覚まさせられた。
ドアを開けると、興奮した様子であの「女編集者」が入ってきた。
「ねえ、見てみて!テレビ!テレビ!」
促されるままにテレビをつけると、ホノルルの惨状がリポートされていた。
熱線命中の直後に最初のゴジラが姿を消すと、二番目のゴジラはそのまま防衛軍と戦闘。
これを蹴散らしてそのまま上陸したのだ。
あらゆる建物が倒壊、炎上、爆発といった様々なかたちで破壊し尽くされていた。
あまりの光景にしばし立ち尽くす「講師」に「女編集者」は言った。
女編集者「昨日は2匹目のゴジラの吐いた火が、最初のゴジラに当たったとたん中継が切れちゃったわよね。けど……あのあとこんな酷いことになってたなんて……。でも、なんで急に中継が切れたのかしら?」
講師「……報道管制がはいったのさ。キミはここにいるんだ!」
それだけ言うと、「講師」は部屋を飛び出していった。
412 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 15:12:51
前日あれだけいたはずの職員が、どこに消えたのか姿を殆ど見かけない。
奇妙なことだが、「講師」は不思議とは思わなかった。
職員たちがどこでなにをしているか、「講師」には見当がついていたからだ。
「講師」は疲労の色濃い「大親友」を管制室の前で捕まえると、袋小路の通路へと有無を言わさず引き摺って行った。
大親友「お、おい!なにをするんだ!?乱暴じゃないか!?」
講師「答えろ!この親友のオレに答えろ!特撮好きの怪獣好きとして答えろ!アレはおまえが作ったんだろ!?」
大親友「な、なに、なにをいうんだ?アレ、アレっていったい!?」
講師「とぼけるなよ!アレは、あの最初に出てきたゴジラはおまえが作ったんだろう!?」
「講師」は気づいていた。
二番目のゴジラの吐いた熱線が、最初のゴジラに命中した瞬間飛び散った火花から。
講師「あれは最初のゴジラの皮膚の下に、何か重金属が存在するから……、つまり、最初のゴジラは金属の骨格を有しているからなんだ!」
413 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 15:14:37
20世紀は戦争の世紀であった。
そして、そこに流れた血と炎を喰らって生きるものたちの時代であった。
「軍」と「軍需産業界」。
「彼ら」は手を携え、戦争によって大きくなった。
そして些細な危機を針小棒大に煽り立て、戦争を自ら作り出すことまでやってきたのだ。
ところが21世紀になると、大規模戦争の危機は遠く去ってしまった。
ナチスドイツはいない。ソビエトは崩壊した。イスラム教徒の過激派は……軍と軍需産業が相手にするには小粒過ぎた。
そうこうするうち、議会は軍事費の大幅削減を取り上げ始めた。
そこで、彼らはとうとう………人類の敵を、自ら作り出すことにしたのである。
かつて東京を襲い全域を火の海とした大怪獣ゴジラ。
そのレプリカを作り出したのだ。
414 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 15:31:03
大親友「作業は、ギリギリのタイミングで間に合った。
ボクのゴジラの出現は、軍事費削減の潮流を雲散霧消させたばかりか、対ゴジラ戦の名目で高価なワンメイクに近い特殊兵器も次々採用させた。
それだけじゃないぞ!軍事費削減によって出るはずだった何百万人もの失業者もみんな救済した。みんなボクのゴジラのおかげなんだ!ボクのゴジラの!」
講師「わからないのか?ヤツラはおまえの夢を利用しただけなんだぞ!」
大親友「利用されようと構わない!おまえは知ってるだろ!ボクがどれだけゴジラを愛してきたかを!」
講師「じゃあ、あの本物のゴジラはなんなんだ!?あれは明らかにおまえのゴジラの戦闘が目覚めさせたんだぞ!」
大親友「そ、それは……。」
「…失礼ですが、お喋りはそのへんにしていただけますか?」
そのとき冷たい声とともに、通路の入り口に作業員とは違う制服姿の人影が数人バラバラと現れた。
「彼ら」サイドの人間、警備部長と警備兵たちである。
「講師」はたちまち身柄を拘束され、地下の独房に閉じ込められてしまった。
415 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 15:34:04
「島」の管理権限はこの事件で「大親友」から「警備部長」に移った。
そして彼の管理下で、昨夜密かにハワイ沖より帰島した「ボクのゴジラ=メカゴジラ」の修復と武装強化が技術職員総出で実施された。
なぜなら、スパイ衛星からの情報で、本物のゴジラがまっすく「島」に向かっていることが判っていたからである。
「ボクのゴジラ」と「本物のゴジラ」の激突は、もう間近に迫っていた。
そして、もう一匹の巨獣の目覚めもまた…。
416 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:04:30
*作者が自宅にパソコンを持ってないので、早く終らせんと「来週の月曜日につづく」となってしまうから大幅に端折って……(汗)。
ついに「島」の沖合いにゴジラが巨大な姿を現す!
警備部長「もう現れただと!?迎撃するはずだった艦隊はどうしたのだ!?」
警備兵「………交戦することなく……道を開けたよう…です。」
ニセのゴジラで世論を騙していたことが明るみに出ればただではすまない。
そこで……「彼ら」は「島」を見捨てることにしたのだ。
本物のゴジラを「島」に上陸させメカゴジラとぶつけ消耗させた上で、「島」の施設もろとも艦隊の全攻撃力をもって「消滅」させるつもりなのである。
本部に裏切られたことを知った警備部長が逆上して叫ぶ!
警備部長「こ、こうなったら、何がなんでも我々の手でゴジラを倒す以外に生き残る道は無い!」
417 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:05:56
そのころ「島」の混乱のスキを突き、「大親友」と「女編集者」は「講師」を独房から脱出させるのに成功していた。
講師「ふっ、まさに『冷たい方程式』だな。ヤツラの考えそうなことだ。」
状況説明を受け、SFオタらしい感想を吐く「講師」。もちろん「女編集者」には何のことやら判らない。
女編集者「でもこの島は要塞なんでしょ?だったらゴジラが責めて来たってだいじょぶよね?」
講師「(笑いながら)何言ってんだよ。ゴジラがニセものだったんだぜ。対ニセゴジラ用の武器なんてハリボテに決まってるじゃないか。」
大親友「…ご明察。さすがだね。」
改めて青くなる女編集者(笑)。
講師「どうだ?オマエのゴジラは本物に勝てるのか?」
大親友「攻撃力なら、放射能熱線の代わりに荷電粒子ビームを搭載しているから……。問題は防御力だ。
ゴジラの細胞は事実上無限と言っていい再生力をもっている。だが、ボクのゴジラの皮膚は……。」
この返事を聞いたとき「講師」の頭にある疑問が浮かんだ。
講師「……おい、オマエのゴジラは戦車砲やミサイルを受けても破れなかった。
もし破れるようだったらニセゴジラの役は勤まらなかっただろうから、合成ゴム製なんてのは論外だ。
だとすると……あの体皮の材質は何なんだ?」
「大親友」の顔に奇妙な喜びの表情が浮かんだ。
大親友「毒食わば皿までだ。ゴジラの正体がバレたついでに、もうひとつの秘密も見せてやるよ、ついて来い!」
418 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:06:48
同じころ……、「島」の巨大格納庫の扉が開き、メカゴジラを搭載したリフトが力強く上昇を開始した。
一目を気にする必要は無いとの判断で、ゴジラ似の体皮は装着されておらず、金属色が剥き出しになっている。
本物のゴジラは「島」の水際から数百メートルのところにまで迫っていた
ゴジラの目が鋭く光った!
419 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:07:43
一方、「大親友」が「講師」と「女編集者」を連れて行ったのは、「特に許可を受けた者以外絶対立入禁止」のトップシークレットエリア
であった。
混乱ぶりを表すように、警備兵は一人もいない。
「大親友」がタッチパネルに手を当てると、巨大な扉が音も無く開きだした。
……その中にあるのは……巨大な岩隗?
女編集者「なにこれ?隕石か何かですか〜?」
講師「これは…………これは……、まさか……これはっ!!」
大親友「そのとおり。ギャオスの大群との激戦後姿を消した、あのガメラだよ。」
講師「やっぱりそうか……………って、おい!それじゃまさか!?」
大親友「これまたそのとおりさ。ボクのゴジラの表皮構造は、このガメラから採取した皮膚をクローンしたものだよ。」
420 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:08:39
警備部長「今度はメカゴジラにはケーブルで直接エネルギーを供給してある!報道の目を気にする必要も無い!
もはや我々の負ける可能性は1っ%もないっ!メガ粒子砲発射用意っ!………………はっしゃああっ!」
メカゴジラと本物のゴジラ、2体は全く同時に切り札を発射した!
421 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:09:29
大親友「ボクのゴジラを飾るに相応しい『皮膚』を求め実験を繰り返していたころ、会社の海底ガス田調査チームが偶然深海でこのガメラ発見したんだ。」
講師「……死んでるのか?」
大親友「いや、死んだ皮膚からじゃクローンはできないだろ?生きてるよ、これはね。」
女編集者「暴れたりしないんですか?」
大親友「それはない。限り無く死に近い状態でね、生物研究班の意見だと『空のバッテリー』みたいなものだそうだ。
きっとギャオスとの闘いでエネルギーを使い果たしてしまったんだろうね。」
講師「空のバッテリーなら、充電すりゃ生き返るんじゃないのか?」
大親友「簡単に言うなよ。オレがそんなことやってみなかったと思うかい?
……何をやってもムダだったさ。よっぽど巨大で質的にも似たエネルギーでなくっちゃ……。」
そのとき「講師」と「大親友」2人の顔が子供のように危険な明るさを放った!
2人「そう言やあ、あるよな。そういうエネルギーが。」
422 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:10:16
地上ではメカゴジラのメガ粒子砲=荷電粒子ビームがゴジラの熱戦を次第に押し込みはじめていた。
警備部長「おお!ワンッダフル!グッレイト!ひっじょうに、すんばらしい!人類の英知が、恐竜時代の遺物に負けるワケなどないのだ!」
ビームと熱線の接点はゴジラの前面十数メートルまで迫っている!
だがそのとき!
オペレーター「部長!」
警備部長「なんだうるさい!?私の一門2億ドルもするビーム砲が、まさに大勝利をおさめんとするこのときに!?」
オペレーター「送電ケーブルが保ちません!焼き切れます!」
警備部長「ぬぅあんだとぉぉぉ!?」
423 :
名無しより愛をこめて:2005/10/21(金) 17:11:06
*端折ってもこんなに長いぞ。どうすんだよオレ?責任とれよな。
……と言うワケで、止む終えず……。
「来週も見てよね。」
↑バカ発見。
424 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/21(金) 17:45:34
来週っすか??
425 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/22(土) 11:11:29
>>410 ガメ男さん
小さい頃はゴジラ、モスラ、キングギドラも好きでしたが。
今は現実的なガメラ派なんですよ。
最強のガメラ 地球の意思を代理し生態系を管理するガメラ
人間を愛し諌めるガメラで作ってください。
キャラ的にも人間と意思疎通できるガメラだったら教訓的なものも
入れられるかなって思います。
ガメ男さんよろしくお願いします。
この板に来る人ってレベル高いですよね。
426 :
ガメ男:2005/10/22(土) 11:18:23
>>425 ありがとうございます。
でもガメラとゴジラをクロスさせるスレですので、
ガメラオンリーはダメですよね・・・
それに私は文章得意じゃ無いので・・・・
でもそのうち何か駄文を書くかもしれません。
ゴジラとガメラをクロスさせるというのは、
別に激突、共闘、それ以外でもいいのでは?
同じカットの中に2匹が必要、というわけでも
ないと思います。ガメラをメインにして、ゴジラを
登場させるシナリオを作って、ゴジラはチョイ役でもよし…
428 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/22(土) 17:30:57
ガジラ対ゴメラしか思い浮かばん…
すまんスレ・マスター!
429 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/22(土) 20:14:28
ベンジョの落書きだらけだなw
431 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/23(日) 14:16:57
秀作揃いだな
432 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:37:54
「世界を影で支配する勢力」=「巨大資本と軍の共生体(産軍共同体)」と設定したことが長くなった原因だな、こりゃ。
ネタが「政治・経済」ネタになるからどうしても理屈っぽくなる。
なんというか…こう…脊髄にぴーんとくるようなストレートさが無い。
それに、この展開だと産軍共同体が「悪」になるから、ガメラばかりでなくゴジラも「善」ということになるぞ。
……さて、じゃ一番最初にできてた「ラストシーン」に向け、行ってみよう。
433 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:38:40
メカゴジラに繋がった送電ケーブルがところどころ光を放ち始めた!
機械で打ち出す荷電粒子ビームより、生物のブレス(=呼吸)で放射されるゴジラの熱線が長く続くはずがない。
故に、荷電粒子ビームと放射能熱線が正面衝突した場合、連続発射時間の長いメカゴジラが必ず押し勝つ!
それが警備部長らの勝算だった。
だがそれが!
崩れ落ちる!?
ぼんっ!
ケーブルが火を噴くと同時に、メカゴジラの荷電粒子ビームが停止!
そこを一気に放射能熱線が押し返す!
ずうぅぅんっ!
メカゴジラの頭部は必殺の荷電粒子ビームごと完全に吹き飛ばされた!
そればかりではない、メカゴジラの頭部を破壊した熱線はそのまま背後のある「島」の管制室をも直撃した!
いまや「島」は完全に機能を停止してしまった。
434 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:39:13
大親友「まずいぞ。」
「大親友」と「講師」「女編集者」の三人は「島」のヘリポートでメカゴジラの頭部が吹き飛ばされるのを見ていた。
ゴジラがメカゴジラとの対決に機を取られているスキを突き、「大親友」のプライベート機で脱出しようとしていたのだ。
講師「うん、確かにまずい。このまま離陸したら、一発でゴジラの餌食だ。」
女編集者「ねえ、どうするの?」
結局、「大親友」が「オレに任せろ、考えがある。」と「講師」たち2人をプライベート機上に大気させ、自分はヘリポートを離れる。
435 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:40:03
ゴジラは機能停止し「死んだ」「島」の中で唯一「生きている」存在=プライベート機と中の2人に気づきゆっくり向きを変える。
もう逃げられない!これで最後か?
だが、その瞬間、強力な光がゴジラの顔に照射される。
「大親友」の乗った島内警備用車輌のサーチライトだ!
苛立ったようにキバを向くゴジラ。
警備車輌のハッチから「大親友」が機銃を手に身を乗り出した。
大親友「さあ、ゴジラ!アレを作ったのはボクだ。殺すんならボクを殺せ!」
そしてゴジラを挑発するように手にした機関銃をゴジラに向けて乱射する。
ゴジラのセビレが光りだした。
講師「おい!気でも狂ったのか!?止めろ!逃げろーっ!!」
436 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:41:05
しかし「大親友」はもちろん逃げなかった。
警備車のハッチからみを乗り出したまま、なぜか満足したように笑って言った。
「あばよ××(講師の名前)、なんとか生き延びてくれ。オレは…オレならいいんだ。
2人の旧友、オマエと…(ここでゴジラを見上げる)……このゴジラに、ここでこうして会えたんだから。
さあ!ゴジラ!おまえに殺されるんなら本望だ!さっさとやってくれ!!」
車の上に両手を広げて立つ大親友。
そのまるで十字架のようなシルエットが白熱する光に飲み込まれた。
「大親友」を飲み込んだ熱線は、そのまま警備者の背後に立つ黒い倉庫も直撃した!
紅蓮の炎を吹き上げて崩れ落ちる巨大倉庫!
講師「そ、そうか!そうだったのか!それを狙って!」
講師が叫ぶのと同時だった。
白熱する火球が、弾丸のように炎の中から飛び出したのである。
437 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:41:33
火球の弾丸ライナーを、敏捷な動きで回避するゴジラ。
燃える巨大倉庫の中から、咆哮とともに巨岩のような姿=ガメラが立ち上がった!
女講師「あれは……ガメラ!動かないんじゃなかったの!?」
講師「ゴジラの熱線で、空のバッテリーに電気が入ったんだ!?あれが○○(大親友の名前)の狙いだったんだ。ゴジラとガメラが互いに注意をひきつけられてるスキに脱出するぞ!」
「講師」と「女編集者」を乗せたプライベート機はスイッチ一つのオートパイロットで一気に上昇した。
438 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:42:12
お返しだ!とでも言うようにゴジラがガメラに熱線を放つが、ガメラは素早く首を引っ込めて回避する。
それ以後、2匹はじっと睨みあったまま動こうとしない。
それを機上から見下ろす「講師」と「女編集者」。
女編集者「……ねえ、どっちが勝つの?」
講師「わからないよ。『大親友』に言わせると、ゴジラとガメラはただの『怪獣』じゃないんだそうだから。」
女編集者「?どういう意味??」
講師「ゴジラは『破壊神』、ガメラは『守護神』なんだそうだ。」
女編集者「(すこし間を置いて…)汝、神の似姿を作ることなかれ……。」
講師「……モーゼの十戒……か。」
女編集者「そう。私たち人間は、ガメラの皮膚のクローンを使ってゴジラの像を作り上げたのよ。」
439 :
名無しより愛をこめて:2005/10/24(月) 08:42:59
睨みあっていたゴジラとガメラだが、睨みあいを止めるとにわかに東の海へと向きを変えた。
いつしか朝日が昇り始めていた。
そして、その曙光の中にいくつものシルエットが浮かびあがった。
講師「神の怒り……と、いうわけか。なら、ヤツラは神の怒りの炎で焼き尽くされることになるな。ごらん……」
講師の指さす方、東の水平線一杯に軍艦が展開していた。
「島」を消滅させるため、「彼ら」が動員した各国の空海軍だ。
女編集者「ゴジラとガメラが復活して…、世界はいったいどうなるの?」
講師「僕たち人間は傲慢さ故に神々の怒りを買ったんだ。このまま世界は滅ぶのか?それとももう一度チヤンスを与えられるのか?
それはだれにも判らないよ。」
*昇る朝日に向かい吠えるゴジラとガメラの姿を神々しくシルエットに浮かび上がらせ……重苦しくエンディング。
「昇る朝日に向かい吠えるゴジラとガメラの姿」のエンディングが、
まさにこれから始まる人類の行方を憂慮しているかのようですね。
映画もなんらかのテーマをもって作品にされますが、
時代性がうまく描かれてると感じました。
「ジェラシック・パーク」も娯楽作品ではありますが、
その根底にあるのは「商業主義への警鐘」ですし、それに通じるもの
があると思います。面白かったです。
とても素人には思えないんだけど・・・
登場人物のキャラがしっかりしていて読み応えがありました。
最後はガメラとゴジラが各国軍艦を蹴散らすシーンをバックに
エンドロールが流れていく、ってのもいいかなと思いました。
442 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/25(火) 00:31:50
えらい長文だけど、その割にはストーリーは短め・・
セリフ多いから長めになってるけど・・
読み応えはあったけど、物語としては物足りない・・
壮大なテーマにしてはなんかあんまりスケール感がない・・
発想は面白いけどね・・
443 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/25(火) 01:09:00
ゴジラもガメラもよかったです。
破壊神も守護神もともに引き合うものがあるというか
愚かな小学生レベルの戦いを交えない部分がリアルで素晴らしい。
これから両者が向かう軍産複合体との決着。
地球の意思を表し、戦う二つの神。
ゴジラもガメラも絵になります。
もしかしたらこれは最初から(ムーの時代)将来予測される地球の破壊を防止するために
二つの神が地球の意思とシンクロするように
プログラムされていたかもって思えてきた。
(一回目はアトランティスの破壊文明を二つの神が破壊)
文明が間違った方向に行ったとき
地球が意思をもって育て上げた生態系が崩されたとき
人間が人間を憎むときに善なる人間に代わって
起動するようになっていたんではないかと。
ゴジラの熱戦が、ガメラのプラズマが軍艦をめがけて発射。
さらに海底のガメラの死骸は停止系だった。
地殻の下から金属音が発せられるととたんに
ガメラの死骸にマナが、ガメラ復活。
ゴジラ&ガメラ焼き尽くせ。
(ごめんなさい ストーリーがあまりにも良かったので勝手にイメージを膨らませました)
444 :
名無しより愛をこめて:2005/10/25(火) 07:35:06
感想ありがとうございます。
展開中の軍はもちろん壊滅ですね(笑)。
でも人類滅亡にはならないのではないか?
…と、いうのも「大親友」が死ぬとき「両手を左右に広げ、ゴジラの熱線を敢えて受ける」のは「キリストの磔刑」を暗喩したつもりだからなんです。
つまり全人類の罪を一身に背負って「大親友」は死んだ。
生き残った「講師」と「女編集者」は、いわば「使途」にあたり、「島」で起った事件を語り継ぐ役目を負う…。
ホントはもっとキリスト教ネタがあったけど、もっと長くなるんでカットカット(笑)。
あと隠しテーマは「特撮板とSF板のクロス」です。
「大親友」は明らかに「特撮系」で、「講師」は明らかに「SF系」。
ただそれだけじゃ「SF的にクロス」にならないんで、「ゴジガメ」と「キリスト教」を持ってきました。
と、いうわけで、私はまた「特撮板」に帰ります。
まさか「SF板」で四篇(「ゴジラ・ガメラ対ギララ」「並行世界の怪獣王」「ゴジラ対7人のプレデター」「ゴジラ対ガメラ対産軍複合体」)粗筋組むとは思わなかった(苦笑)。
では、みなさんさようなら。
445 :
スレ主:2005/10/25(火) 11:54:24
新作できましたら、また書き込みよろしく
>>444 物語調でもあらすじでも構わないので、面白いと思うストーリー
やシナリオがありましたら他のみなさんも自由に書いてみてください。
いつか「ゴジラvsガメラ」がスクリーンで実現した時に、
このスレの内容がヒントになっていた…なんてことになればいいですね…。
凪に入りましたね・・
447 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 08:52:25
ネタ三つ四つできた…。
大変だ、ネタができるのが止らんぞ。
そんなにヒマな身分でもないのに。
448 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 12:24:03
ネタどうぞ
449 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 12:49:23
ネタその1
ベンチリーの「ジョーズ」みたいに冒頭を怪獣の主観からスタートさせる。
例えば「激しい焦燥感の中、それは目を覚ました。破滅が迫っている。立たねばならない。取り返しのつかなくなる前に。」ってな調子。
この主観部分の表現で、読んでいる者に「それ」の正体と目的とをミスリードする。
そして最終段階で、勘違いを暴露する。
この場合、駄文はそのままでは「破滅の物語」になる。
これをゴジラの投入でどうひっくり返すか?がポイント。
450 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 12:50:18
ネタその2
ガメラ対ゴジラでお話スタート。
最初の闘いではゴジラがガメラを葬り去る。
ここまではガメラが善玉のように見える書き方をする。
しかしその直後複数のガメラが飛来。
連携してゴジラを圧倒しさる。
つまりは海底に眠っていたガメラが汚染された大地の怒り?をもって一斉に再起動。
人類粛清に動き出した……と。
だが、最初に現れギャオス、レギオン、イリスと闘った個体だけは、人間との繋がりを捨てきれない。
結局、再度現れたゴジラと共闘する形になり、複数の同朋と死闘をくり広げるが……。
451 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 12:50:57
ネタその3
「ブルーシートのホリエモン」をキャラとして採用。
ゴジガメは都合三回程度激突。
三戦目の途中で新怪獣投入。
決戦の舞台は「大戸島」。
感の良い板住人なら、島の名前からある短編小説を連想するはず。
452 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 12:52:22
ネタその4
「大怪獣バトルロイヤル!ゴジラ対ガメラ対ギララ対ガッパ」
基本的には「ゴジラ対メガロ」をぱくる。
あとはただひたすらの力技で四強激突に!
ギャクも入れやすいのが最大のメリット。
あとのネタは今の段階ではちょっと断片的過ぎるな。
453 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 22:22:21
ネタその2はいいですね。
454 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/29(土) 01:27:38
ガメラ一匹でもゴジラは簡単に倒せるのにな
その奇妙な生物が発見されたのは、単なる偶然だった。
海底にある、核物質鉱床の候補地を地質調査していた潜水艇が、母船に帰還した時誰もが
それを見て驚いた。なぜなら艇はぼんやりと淡い光に包まれていたからだった。放射能に
汚染されている可能性もあるため、艇はすぐさま洗浄されたが、光る物質の一部はサンプ
ルとして持ち帰られた。
その物質は総合科学研究所で分析にかけられ、結果、新種の単細胞生物であることが判明
した。
その生物は、微量の核物質を取り込み、体内の触媒で活動の為のエネルギーに変換して生
命を維持しているのだった。ぼんやりと発光するのは、核物質がエネルギーに変換される
時に放出されるものだった。更に生物は光の他に、微量の放射線と熱も放射していた。
核エネルギーを発見した人類は、核分裂に始まり、人工の太陽と呼ばれる核融合をも自ら
の手で制御するに至っていた。急速な文明の発達には巨大なエネルギーが必要とされ、原
子炉や核融合炉の建設はその問題を一気に解決しつつあった。
ただ、核エネルギーを得る代償として排出される放射性廃棄物のだけが、未だ解決の
難しい問題として残されている事に、関係者は頭を悩ませていた。
そんな時にこの生物の発見である。なにせ自然に任せておけば、何万年も待たねば分解で
きない放射能を取込んで、短い月日で分解してくれるのである。更に副産物として熱と光、
放射線を出すのだから、新種のエネルギー源としても応用できる可能性がある。
誰もが期待し、研究の為のプロジェクトチームが結成された。
研究の結果判明した生物の特徴は、次のとおりだった。
・環境への適応能力が高い。(熱や圧力、湿度等、生存できる範囲が広い)
・耐えられる環境化では、代謝能力は殆ど変化しない。そればかりか、環境に見合うよう
に代謝が変化する。
・少量の核物質を取込む事で、長期間生存可能。また餌の少ない環境では、代謝を低くし
活動を抑える能力もある。(餌が無ければ、休眠状態に入る)
・自然の固体では、放射能の処理能力が低いため、現在発生している放射能を全て処理さ
せるには、数千年のオーダーが必要。
結論として、3つのプロジェクトが始動する事になった。
一つ目は、この生物の触媒を応用して、放射能処理装置を開発する事。
二つ目は、この生物を改良し一般向けのコンパクトなエネルギー源として応用する事。
そして三つ目は、深海や宇宙等過酷な環境で作業可能なサイボーグ等への応用というもの
だった。
特に3つ目の研究に関しては、10年後に実用初号機が完成する起動エレベータと、それ
に伴って今後急ピッチになるであろう宇宙開発に向けてのものであった。過酷な環境の中
小さなエネルギーで長期間の運用に耐えられる、その応用技術は母星周辺の軌道や月面開
発のみならず、近隣惑星のテラフォーミング化にも大きな戦力となる可能性があるだけに、
研究者の期待は大きかった。
核エネルギー生命体(通称アトムイーターと呼ばれていた)発見から12年が経ち、三つ目
のプロジェクト以外は、応用技術がそれぞれの分野で実用化されていた。
それまで遺棄するしかなかった放射性廃棄物は、放射能処理触媒を内蔵したナノマシーン
の開発で比較的簡単に無害化されるようになった。(とは言え、全ての不要な廃棄物を無害
化するには、現在の効率ではあと200年はかかる計算だった)
コンパクトなエネルギー源として研究されたものは、車や小型船舶等の動力源として一般
的になっていた。
三つ目のプロジェクトについても、それなりに研究は進んではいたのだが、目に見える成
果は現れていなかった。このプロジェクトには、生命工学を中心に、生物、医学、物理、
機械、電子、等様々な分野の研究者達が取組み、多岐に渡る研究をしていた。しかしその
中心である生命工学分野の研究がなかなか捗らなかったのだった。
他の生物と合成可能な人造アトムイータ細胞(以下αセルと呼称する)の開発までは順調だっ
たのだが、第2段階のαセルを合成した生命体の開発で、技術的な問題が発生していた。
研究者の目論見どおり、αセルを組み込んだ生物は対環境性が著しく向上するのだが、放
射性物質を生体エネルギーに変換する際に発生する熱量が、生物の質量や体積に比べて極
端に大きく、自ら発する熱によって焼死してしまうからだった。
オリジナルのアトムイータが焼死しないのは、取込むエネルギーが小さい上に、放射する
エネルギーも小さく、また代謝能力を自然に変化させることができるからだった。勿論人
造のαセルにも代謝を変化させる機能が備わっていないわけではないのだが、個々の胞生
が発する熱量は無視できる程小さくとも、それらがひと塊となって発生するエネルギーは
互いに増幅し合う事もあって、制御を難しくしていた。
それが遠く離れた場所から伝わってくる情報だと分かってはいても、直接自分の視覚神経
に飛び込んでくる地上40mからの視界を受け入れるには、まだまだ慣れが必要だった。
椅子に座っているにも関わらず、支えられるものが無く、空中にふわふわと浮かんでいる
ようだった。初めての頃などは、不安と緊張から精神的疲労も大きく、感応した途端に酷
い眩暈に襲われたものだった。
流石に3ヶ月も訓練を続ければ自然と慣れてしまったが、それでも頼りなげに空間に浮か
ぶ感覚は、気持ちの良いものではない。少なくともティナはいつもそう思うのだった。
40mの視界、それはαセル応用プロジェクト第3研究所のある本土から1000km離
れた無人島のからのものだった。その視界の主こそ、アトムイータ発見から20年の歳月を
経て完成された成果三つ目のプロジェクトの成果だった。
研究当初、多細胞生物への応用は不可能と思われていたαセルだったが、それは現存する
一般的な陸上生物程度の大きさでのことであった。そこで太古に栄えた巨大生物を模した
サイズにしてみたところ、消費エネルギーが一気に増大し、焼死するまでの寿命が飛躍的
に伸びることになった。それでも最終的には燃え尽きてしまう事に変わりは無かった。
熱が篭るならば放出すれば良い。答えは単純だった。放熱のために巨大な背鰭を付けた。
それでも放熱が間に合わない場合は、熱線として体外に吐出す事で体内を冷却した。巨獣
は4世代目にして、初めて実用プロトタイプとなった。
その巨獣には、伝説に登場する地獄の門番である炎の獣の名が与えられた。
その名は、ゴジラ。
ゴジラの制御者はテレパスだった。テレパスと言っても、人や動物の心の動きを敏感に感
じたり、自分の感情を心から心になんとなく伝える事ができる程度の能力であり、相手の
思考を意味のある言葉として感じるような能力者というわけではない。
制御装置は彼らの敏感な感覚を増幅させ、制御端末を取り付けた対象(この場合はゴジラ)を
意のままにコントロールすることができた。
ゴジラの制御を担当するテレパスは、5名がアサインされていたが、その中でもティナは
最も感応力が高かった。
当然ながらこのような特殊能力者はほんの一握りしか存在せず、その人材の発掘は非常に
困難であるため、最終的には普通の人間でも対応できる制御装置の開発が目標だった。
しかしそのためのデータを取るためにも、彼女らの協力が必要だったのだ。
461 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/31(月) 12:08:23
462 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/31(月) 12:25:47
プロの脚本家以上の作品です。
続きが楽しみです。
この脚本はガメ男さんですか。
463 :
ガメ男:2005/10/31(月) 12:47:18
違いますよ(笑)
私も前回がSF色が無かったので、もっとSFぽい物考えてるんですが、まだ完成してません。
一応SF板だしね。
「怪獣伝説」と「怪獣大戦争」を書いた者です。
俺も考えてるんだけど…途中まで… それから先が浮かばない…
次は「ラドン」登場させようって思ってんだけどね…
465 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/31(月) 14:50:08
おお!なんとまともにSFな!
しかもSF板の「名無しは無慈悲な夜の女王」でなく特撮板の「名無しより愛をこめて」を名乗るとは!
展開の感性が若々しいからたぶん私より若い世代の特撮板住人かな?
いずれにしろ期待感大のニュー作家登場だ!
太陽が二つ上がりゴジラ出現!自衛隊決死の攻撃!そこにガメラも現れ三つ巴の闘いに
しかしこれを裏で狙っているものがあった
彼の名はシャマー星人。マジでウザイ宇宙人だ
シャマー星人は巨大化するとくつろぎだす
それをゴジラ&ガメラが見逃すはずが無い
攻撃を開始するがシャマー星人に攻撃は全く当たらない
そしておならで倒れるガメラ・・・漫画で殴られ絶命するゴジラ
人類危うし
>>461-
>>465 455です
お楽しみいただいてるようで ありがとうございます。
自分でこの物語の世界を構築して初めて、ゴジラとガメラ一つの世界に登場させる事の難しさに
悩んでおります。 同時に、先の作品を書かれた皆さんの苦心が伺われます。
この作品は今まで語られてきたゴジラ・ガメラとはちょっと異質な設定なので、こんなんゴジラじゃ
ない、ガメラと違う!という意見もあるかとは思いますが、どうか最後までお付き合いください。
下手な文章の上に文字ばかり多く、しかも時々μセル(謎)にアルコール燃料ブッ込みながら書いて
おりますので、大変読みづらいかと思いますが、お許しを。
468 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/31(月) 20:24:16
ぜひ続けてください。よろしく。
ゴジラが制御試験を受けている無人島は、同時に核廃棄物の貯蔵施設でもあった。
核エネルギー炉から発生した廃棄物で、リサイクル不可能な放射性物質は、放射能処理触
媒を内蔵したナノマシーンと共に専用のコンテナに収められ、その無人島に輸送されるの
だった。無人島では遠隔操作でゴジラを使って、コンテナを貯蔵施設に安置する作業を行っ
ていた。
この作業にわざわざゴジラを使う目的の一つには、放射線による被爆の問題から人間を解
放する事もあったが、将来の惑星開発に向けての基礎研究も兼ねられていた。環境の厳し
い惑星の調査や開発であっても、ゴジラや、ゴジラの制御を応用した探査機器、惑星開発
用の土木ロボットなどを送り込めば、初期段階に直接人間が赴く必要は無いからだ。
ゴジラを無人島での作業に使用している理由はもう一つあった。
それは時々、放射線を含む熱線を処理する必要があったからだった。
αセルはその性質上放射線を出す事が分かっていたため、多細胞生物として創造する際に、
外皮の細胞には対放射線処理がなされたものが使用された。それはαセルが発する放射線
を取り込み減衰させる特性があった。ただ外皮細胞は常に体内からの激しい放射線シャワー
に晒されているため、寿命は数十時間程度であり、常に新しい外皮を作る為に細胞の活動
は活発だった。
この外皮のおかげで、放射性物質を餌としているゴジラであっても、通常は自然と同じレ
ベルの放射線しか放出しない。しかし熱線の放射は、同時に内部で発生している多量の放
射線まで一気に吐出す為、無人島で飼育するしかなかったというのも事実だった。
ただ、たとえ無人島であっても闇雲に放射能熱線を吐きまくったのでは、そこは死の島と
化してしまうので、熱線処理専用のサイロを建設する必要があったのは、痛い誤算だった。
制御担当のテレパスの能力や性格、時には装置の調子によって、ゴジラのコントロールが
不安定になったり、人造であっても生物であるゴジラが火炎を上手く吐き出せない病気に
罹る等の、ちょっとした問題は多々発生したものの、これらはプロトタイプの持つ宿命と
いう事で、ある程度は想定されていた。
従ってプロト誕生から3年目に命を与えられた2頭目(プロトタイプに対して改良ゴジラと
呼ばれる)は、それまでに発生した問題点の殆どを克服し、プロト以上の安定した制御性と、
余剰エネルギー対策が施されていた。
プロトより身長が10m程高くなり重量も一割程増えているが、その分エネルギー効率も
良くなり、プロトに比べて2割程度動きも俊敏になっていた。現在の技術では、改良ゴジ
ラのスペックが、発生エネルギーと運動能力、制御安定性のバランスがとれたものになっ
ていた。
改良ゴジラのメイン・オペレータには、ティナと同じくらい経験の長いアルヴァが就いた。
ゴジラからの感覚と一帯になる適応力は彼の方がティナより優れていた。ただプロトの制
御装置は、彼の能力を十分に増幅できる程の性能が無かったために、プロトのメイン・オ
ペレータの座をティナに譲らざるを得ず、その事は彼のティナに対するコンプレックスの
原因となっていた。
プロトと改良2頭のゴジラは、同じ島で連日試験プログラムを消化していた。
そんなある日、無人島を大地震が襲った。突然の地震に足元をすくわれた2頭のゴジラは、
その場に倒れ、地震のそれにも負けない程の地響きを立てた。あまりに突然の転倒で、ティ
ナは急降下する飛行機のような感覚を覚え、気分が悪くなりオペレーションを続けられなく
なった。
その日の試験はそこで打切られ、プロトのオペレーションはカミュに引き継がれた。彼女は
感応力が弱い上に経験も浅くまだまだ試験のノルマをこなすには至らないのだが、この頃に
は、プロト・ゴジラの制御システムも、感応力の弱いテレパスでも十分に扱える程改良され
いた。彼女は訓練を兼ねてゴジラを基地に引き返させるのだった。
一方アルヴァは改良ゴジラで島内を偵察して回った。
ゴジラの基地と貯蔵施設の他には、時々やって来る輸送船の船着場とヘリポート以外これと
いって何も無い無人島だから、廃棄物コンテナが何個か崩れて壊れていた以外、特に被害ら
しい被害は無かった。無人島の被害状況を観察する事自体、馬鹿馬鹿しいとも思えるのだっ
た。しかしゴジラが転倒するほどの大地震だったので、津波の心配もあったのだがそれも取
越し苦労で終わった。
だが、この地震が地獄の扉を開く鍵になった事を、誰も知る由はなかった。
地震の翌日、いつものようにゴジラとシンクロしようとしたティナは、激しい拒絶反応に
襲われた。絶対に感じるはずのない思念のようなものがプロト・ゴジラから津波のように
押寄せて来るのだ。制御システムには過大な入出力のパルスを制御する為にリミッターが
設けられているが、この時ばかりはティナの能力が災いした。気を失いかけたティナが感
じた思念、それは破壊のイメージだった。
シンクロが切れている状態の時、ゴジラは眠るように制御されている。しかしプロト・ゴ
ジラは勝手に動き出し、シンクロの終わっていない改良ゴジラに攻撃を始めた。だがオペ
レータが乗り移っていない改良ゴジラは、ピクリとも動くことは無く、邪魔者がいない事
を悟ったプロト・ゴジラは、海岸へと向かって行った。
コントロールルームでは、ティナに代わってクレールがプロト・ゴジラの制御を試みてい
たが、何のフィードバックも返って来なかった。プロト・ゴジラは人間の制御を離れ、完
全に独立して動いていたのだ。一体何が起こったというのだ。
プロトが海を目指して移動を始めた頃、ようやく改良ゴジラとアルヴァのシンクロが終了
した。アルヴァはプロト・ゴジラを追った。
万が一の事態を想定し、島の周囲には電磁フェンスが張り巡らされており、ゴジラが島か
ら出て行く可能性は殆ど無かった。しかし勝手に暴れるプロト・ゴジラを放置しておくわ
けにはいかない。
473 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/01(火) 11:57:16
いよいよ物語が動きだした・・というところでしょうか・・
まいどです
昨日は代休だったので、昼間にガシガシとウプできたのですが、
職場の環境からは2ちゃんに入れないので、続きは今夜になります。
頭の中ではラストシーンなんですが、こちらはこれから中盤かな。
長編になりそうな悪寒
暴走するゴジラ。ところでガメラはどした?w
ゴジラガメラをクロスさせるなんて難しいな・・・
2大巨頭のスクリーン共演は賛否両論あると思いますが、
ゴジラ、ガメラどちらのファンであれ、興味を持っていることと思います。
>>474続きを楽しみにしています。ガメラはいったいどんな登場のしかた
をするのでしょうか・・・
アルヴァがプロトを発見した時、プロトは見えない電磁フェンスに翻弄され、怒り狂った
ように暴れていた。普段はぼんやりとしか光っていない背鰭が、今は見たことも無いほど
真っ白な光を発し、その口からは放射線を含んだ熱線をところ構わず吐き出していた。
その度に数千度の熱で爆発的に水蒸気と化した海水が、辺りを熱地獄に変えていた。
アルヴァはプロトの背後から近づこうとしたが、皮膚が焼けるような感覚に接近を躊躇っ
た。
ゴジラの制御は精神のシンクロによる遠隔操縦だが、オペレータがより一体化できるよう
に、ゴジラの感覚がフィードバックされる仕組みになっていた。ただ現在のシステムでは、
フィードバックされる信号は増幅されても微弱で、テレパスの能力がなければ感じ取る事
ができなかった。
しかしこの時プロトから発散しているエネルギーは、自分がテレパスであることを後悔し
たくなる程強烈なものだった。
アルヴァはなんとか苦痛に耐えながら、改良ゴジラで肉弾戦を挑んだ。
不意を突かれたプロトは、よろけながらぶつかった電磁フェンスに巨体を弾かれ、右腕の
表皮の一部が吹き飛んだ。
アルヴァはプロトに隙を与えず体当たりを食らわせ、プロトは地響きと共に倒れ砂浜にめ
り込んだ。だがプロトを取り押さえようとしたところで、改良ゴジラの動きが鈍くなっ
た。短時間に激しく動いた改良ゴジラは、内部に蓄積できる余剰エネルギーの限界を超え、
熱線を放射しようとしていたからだ。プロトはその隙をついて、尻尾による一撃を与えた。
改良ゴジラは倒れながら熱線を吐き出し、それは崖の斜面に命中、大規模な土砂崩れを発
生させた。同時に電磁フェンス・ジェネレータの一部が破壊されてしまった。
反撃に転じたプロトは、改良ゴジラの顔面に熱線を浴びせた。大量の熱と光で、アルヴァ
は目が眩み視界を失うと同時に、あまりの激痛に意識が遠くなった。当然改良ゴジラも行
動不能に陥り、プロトになされるがままだった。動けない改良ゴジラは傷つき、薄緑色の
体液を流していた。それでもプロトの攻撃は止まなかった。
そして再度プロトの熱線が放たれようとした時だった。オペレータとのシンクロが切れて
いるはずの改良ゴジラが突然目覚め、これもまたプロトめがけて熱線を放った。二つの青
白い熱線は互いにぶつかり、大きな衝撃波となって無人島の4分の1を焦土と化した。
2頭は対峙した。が、睨み合いは長く続かず、プロトは背中を向けたかと思うと、海に入り
沖へと向かい始めた。フェンスは既に消滅していた。
プロトを追おうと改良ゴジラは一歩を踏み出そうとしたが、戦いの傷は深く、糸の切れた
マリオネットのようにその場に倒れた。
その直後、前日の揺り返しと思われる余震とともに、島は津波に襲われ、倒れたゴジラをも
飲み込んだ。津波にさらわれたゴジラは、そのまま海溝深く飲み込まれ、土砂の下敷きと
なった。
ゴジラが制御できなくなった上に逃亡しただけではなく、その被害が都市にまで及ぶかも
わからなとあっては、最早この非常事態は研究機関だけの問題ではなくなった。そこで臨
時の連邦議会がすぐさま召集され、ゴジラ対策本部が仮設された。
連邦諸国の軍隊は対策本部の指揮下に編入され、警戒と万が一の上陸に備える事になった。
幸いプロト・ゴジラは大きな熱源として衛星でもキャッチすることができたのだが、改良
ゴジラの行方は未だ知れず、不安要素となっていた。ただ改良ゴジラからフィードバック
されたデータは、プロトとの戦いで大きなダメージを受けていた事を物語っており、今後
餌の供給が無ければ自滅も時間の問題とされ、ある程度は楽観視されていた。
事件以来ゴジラの動向は常に監視され続けていた。しかし上陸するでもなく1年と少し経っ
たところで熱源反応は徐々に弱まり、2年目を待つことなくプロト・ゴジラの反応は完全に
消滅した。恐らく巨体を動かせるエネルギーの殆どを使い果たし、仮死状態になったもの
と思われた。
この事故を受けて、暴走の原因究明と具体的な対策方法が確立されるまでの間、新たな生
命体その物を創造・開発する事が凍結される事となったのは、当然の流れであった。
ゴジラが制御不能に陥る事は、遠隔操作される以上予想されることであり、対策も講じら
れていた。それはコントロールを外れたゴジラはその場で動作を中止、2時間以内にオペ
レータとのシンクロがなければ、自動的に基地に戻って待機するといったものだった。
過去に制御不可能になった事はしばしば発生しており、その度にこのシーケンスは確実に
実行されていた。
ではなぜ、ゴジラは制御を離れ暴走したのか。
制御システム担当グループは、地震発生から制御が切れるまでの膨大なデータを分析し、ナ
ノマシーンが介在したと思われる痕跡を発見した。更にシミュレーションによる追試を行い、
その予想は裏付けられた。
大地震の日、破損したコンテナから核廃棄物処理用のナノマシーンが漏れ出した。ナノマ
シーン自体は生物や環境、生態系にとっては全く無害なのだが、ゴジラに対しては違って
いたのだ。
漏洩したナノマシーンの群はゴジラを核物質と認識し取り付いた。しかしゴジラの発する
エネルギーはナノマシーンの処理能力では手に負えず、大半のマシーンは破壊された。
それでも一部のマシーンは、ゴジラの脳と一体化し共生を始めたのだった。その際、脳内
のコントローラの仕様を作り変えインターフェースとしたため、外部からの制御は完全に
断ち切られてしまったのだ。
単純ながらもナノマシーンには様々なプログラムコードが記録されている。複数のマシーン
とゴジラの脳が融合したことで、自我のようなものが目覚めたのではないかというのが最
終的な結論だった。
ナノマシーンや脳内コントローラは、機械や電子デバイスなどではなく、どちらも一種の
人造細胞によるものである。またゴジラのα細胞とは起源が同じであるため、共生や融合
が起こっても不思議はなく、そのような実験結果も報告されていた。
ゴジラの暴走事故から遡る事8年前。
衛星軌道上。
軌道エレベータ1号塔(公式には認められていないが、通称『天国の門』と呼ばれている)
の本格稼動によって、ロケットやシャトルとは比較にならない程大量の人員や物資を低い
コストで軌道上まで輸送することが可能となり、停滞ぎみだった宇宙開発に拍車がかかっ
ていた。
それまで宇宙での様々な実験を行っていた初期の宇宙ステーションは手狭となり、本格的
なの軌道基地の建設が始まっていた。それは研究施設ばかりでなく、宇宙船の建造ドック
や各種工場、労働者の住居や娯楽・商用施設も備わった、小型のスペースコロニーとも言
えた。これからの宇宙開発は、『天国の門』とこの基地を足がかりに進められる予定になっ
ていた。
この基地が完全なものになるまでにはあと12年かかるとされていたが、研究所エリアは
完成したところから逐次稼動しており、居住エリアには二百名余りの研究者や技術者、建
設関係者が住み着き、宇宙第一号の町が出来上がっていた。
そこには第3研究所の分室もあり、主にテレパスの能力を応用した制御系の技術を実用化
するための実験が行われていた。
今でこそ特殊能力者の存在は一般に認知されていたが、つい四半世紀前頃まではインチキ
かオカルトとしての対象でしかなく、科学的に研究する者は異端者扱いされていた。しか
し先達の努力によって、特殊能力者は科学的に証明され、様々な分野でその能力が発揮さ
れようとしていた。
その特殊能力の一つ精神感応、それによる制御技術の確立が、基地分室での研究のテーマ
だった。
つまりこういうことだ。
既存の探査衛星や惑星探査機の制御は、地上基地からの電波で行われるが、距離が離れる
につれて通信にかかる時間は、光の速度をもってしても数時間を要する事になる。しかし
テレパスの感応力は距離や場所に関係なく、微弱な信号であっても、ほぼタイムリーに情
報の伝達ができる。
その能力を応用できれば、遥か彼方の探査機の安否にやきもきする事はなくなるし、また
制御も簡単確実になると期待されるからだった。
地上で行われた予備段階の実験で、感応型制御システムの雛形は完成していた。
基地分室では、実際にシステムを組み込んだ小型の宇宙機を用いた実験を行い、実用化の
為のデータ収集が行われた。
その結果は、予想に反して芳しいものではなかった。
システムそのものはプロトタイプながら、理論上問題ないほどに仕上がっているはずだっ
た。にも関わらず、実験機を単純直線飛行させる事さえ、なかなかオペレータの意のまま
にはならなかったのだ。
そんなある日、若手の研究者は娯楽エリアのゲームコーナーで、不思議な光景を目にした。
知合いのパイロットが、ヴィデオゲーム相手に四苦八苦してたのだ。それは航空機を離着
陸させるという他愛も無い古典的なものだったが、飛行時間3000時間以上のベテラン
が、いとも簡単に墜落してしまうのだ。
酒を飲みながら冗談まじりにゲームの話をしたところ、『ゲームのような視覚だけでは、
実機のような現実の感覚が伴わないから、上手く操縦できないんだ。』と言う。
それが全ての答えだった。今まで試験に使っていた機材のセンサーは、機械が機械をコン
トロールするには都合よく出来ていたが、人の感覚との間には誤差が生じていたのだ。
答えは簡単に見つかったものの、制御に適したセンサーを開発するのは非常に困難だった。
どんなに精巧なデバイスであっても所詮は機械。生物の感じるような微妙な感覚を完全に
トレースする事はできない。
だがもともとこの研究の発端は、地上組が開発中のαセル応用生物の制御用ではないか。
ならば制御システムのセンサーには、生物のものを使えばもっとうまくいくのではないの
か。それで方針は決定した。
問題はその実験用の生物をどうするかだった。下手に動物実験を行えば、愛護団体から吊
るし上げを食らう上に、ともすればこのプロジェクトそのものが頓挫させられてしまう。
かといってαセル応用の生物は、まだまだ完成の域にすら達しておらず、当てにはできな
かった。しかしよくよく考えてみれば、本当に必要なものは生物本体である必要はなかっ
た。そこで目を付けたのが、実験生物の脳と神経組織一式だった。これを試験機に組み込
めば、ある意味、目標とする惑星探査機のベースに近いものが出来上がる。
渋る地上組スタッフをなんとか口説き、脳と神経組織、必要機材一式、それに生命工学と
機械工学の専門家を呼び寄せ、あまり潤沢とは言えない研究予算を叩いて、その実験機は
完成した。
苦労の甲斐あって、制御システムの実験の結果は上場だったものの、被験者のテレパスに
とっては大変な重労働だった。彼女はかれこれ100時間以上は宇宙遊泳の経験を積み、
無重力と無限に広がる空間に身を置く事には慣れているはずだった。それでも宇宙機と
シンクロした途端に感じる宇宙の広さと浮遊感、そして何のフィルタもかけられずにフィー
ドバックされてくる情報は、自分の体で感じる宇宙とは全く別物だったのだ。従って1日に2
時間程度のミッションが、彼女の心身にとっての限界だった。
それから数年後にゴジラの制御装置として実用化されたものは、まだまだ多少の問題を
抱えながらも、この試験で得られた成果を基に様々な改良がなされ、扱いも楽なものになっ
たものだった。
この試験の成功で、感応制御システム開発の予算は大幅にアップされ、システムと試験機
も大改修が行われる事になり、基地分室は宇宙機と共に、宇宙ドックへ移転した。
改修は順調に進み試運転まであと一歩まで漕ぎ着けたところで、ゴジラ暴走の騒ぎである。
αセル絡みの技術が応用されている実験機もまた、作業が中断する事になった。
この改修では従来の感応制御システムの他に、バックアップ用として、ナノマシーンによ
る独立制御システムも試みられる予定だった事は、なんとも皮肉な話だった。
どもっ。 名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 です。
暴走ゴジやんの話から、プロジェクトX 『感応制御システム開発秘話』 (w) になってしまい、
今後の展開にやきもきされてる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、もう少し辛抱
くださいまし。
次回、きっとゴジラが暴れだすはずです。
ガメラの登場、そ、それは、・・・・・・ (汗っ
>>483 × : 基地分室は宇宙機と共に、宇宙ドックへ移転した
○ : 基地分室は試験機と共に、宇宙船ドックへ移転した
了解しました。かなりの長編になりそうですね^^
487 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/02(水) 02:27:46
この脚本も凄いです。
さらにガメ男さんの脚本はSF色が強くてもすばらしい。
二大大型脚本家が、、、、、凄すぎです。
最強ガメラの登場も期待してます。
別にゴジラと一緒でもソロでもいいですよ。
488 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/02(水) 08:28:35
このスレ、さすがに文学系の板だけあって高水準の作品が目に付いていたけれど…。
ここ最近は「ガメ男」氏といい「名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2」氏といいレベルが急上昇しているような(笑)。
こりゃ古手の特撮ファンとしてもがんばらんと。
ただ水準が上がりすぎてるのがちょっと心配。
……肩のこらないバカ話がここらで一本あった方が良いような気も。
どかどかどんどん!どかどかどん!
富士のお山が大噴火。
中からゴジラが飛び出して
口から火を吐き大暴れ
あらあら大変!大変だ!
人間たちは大騒ぎ
戦車に空母に戦闘機
全力あげて総攻撃
陸自に空自に在日米軍
みんなでゴジラと闘うが
怪獣王にはかなわない。
そこへガメラが飛んで来た!
ガメラは必殺プラズマを!
ゴジラめがけて三連射!
炎の尾をひく大火球
唸りを上げて飛んでった!
それを睨んだ怪獣王
最初の2発はサッとよけ
のこった最後の一発は
シッポの力で打ち返す!
北極生まれの大きな体
マッハ3で体当たり
強いぞガメラ強いぞガメラ
ゴジラになんか負けないぞ
硬い甲羅の体当り
ゴジラは、はっしと受け止めて
室伏みたいにフルスイング
ガメラを彼方に吹っ飛ばす
ゴジガメ対決を遠くの山から
特オタたちは眺めてた
そこへガメラが落ちてきて
特オタたちはぺったんこ
「あれぞオタクの本懐ならん」
SFオタは黙祷したが
ふと目を開くとすぐそこに
カッと開きたるゴジラの口!
特オタたちはぺったんこ
SFオタクはバーベキュー
ホラーオタクとファンタジーオタクは
とっくの昔に逃げている。
1人残らず住人逃げて
SF板は空っぽに……
それでもゴジガメ対決は
観客ゼロでも終らない
人類ゼロでも……終らない
おしまい
元ネタはプロスペル・メリメの「ラ・グヅラ」(知らない人はホラー系のスレで聞いて)。
最初はシューベルトの「魔王」の節にしようと思ったが…。
あまり一般的でないので「どんぐりころころ」に変更。
一応歌えるようになってます。
肩のこらない「幕間劇」としてどーぞ。
492 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/02(水) 17:48:31
>>491 幕間劇どーもです。
これって、もし本当に怪獣が出たとき、ごく当然のように展開されそうな光景ですよね w
> 特オタたちはぺったんこ
> SFオタクはバーベキュー
> ホラーオタクとファンタジーオタクは とっくの昔に逃げている。
では皆様、続きをお楽しみくださいまし
ゴジラの熱源反応が弱まり衛星での補足が困難になりつつあった頃、プロトが最後に確認
された周辺海域には、監視装置が設置され注意の目が絶える事はなかった。
とは言うものの反応が弱まった現在、ゴジラ対策本部は監視と初動対処の部門を残し規模を
縮小していた。それでも万が一復活した場合には、すぐさま連邦軍が動き出す手はずになっ
ており、定期的な訓練と対策会議も行われていた。
しかし関係者以外の人々の記憶からは、最早ゴジラの事は消えつつあった。
そんなある日の事、監視装置のいくつかがゴジラの吐く熱線を捉えた。
当然ながら連邦軍に待機命令が下され、世界はにわかに緊張に包まれたのだが、監視装置
の捉えたデータは熱線の反応だけであり、熱源センサーやアクティブソナーのエコーには
それらしき反応はなく、おそらく溜まっていた熱を本能的に吐出したのだろうという結論
に達し、人々は安堵した。
その頃海底では人々の予想を裏切る形で、事態は静かに進行していた。
熱線の放射は推測どおり、ゴジラが意図したものではなかったのだが、偶然にせよその到達
した先が問題だった。熱線の衝撃波で崩された地層には、純度の高い放射性物質が含まれ
ていたのだ。
海流はその地層を洗い、細かく砕かれた放射性物質をゴジラの下へと運んで行った。
偶然の熱線放射を捉えた監視装置の位置関係から、今まで曖昧だったゴジラの居場所が正
確に突き止められ、対策本部は調査船の派遣を決定した。
本来なら研究設備の整った調査船を出すところなのだが、脅威が小さくなったとは言え相
手はゴジラである。用心の為に調査基地には巡洋艦があてがわれ、そこから様々な観測機
器を搭載した無人潜航艇を下ろし、データは全て巡洋艦と衛星を経由して、研究所に送信
されることになった。
機材の準備と通信システムのリンクに2日を要し、艦が出航したのはゴジラの所在が解明
した3日後の未明だった。
着水した潜航艇は予めインプットされた地点まで自立航行し、50km後方で待機してい
る艦に観測データを発信しはじめた。
ゴジラが潜んでいると思わしき深度200mの海底は濁っており、強力なサーチライトを
燈してもカメラに映し出される映像は不鮮明だった。それでも各種センサーを駆使する事
で、ゴジラは簡単に確認できた。
潜航艇は更に目標へ接近し、ゴジラの生体データを詳細に収集し、逐次艦に送信していた。
潜航艇は飽きる事なくデータを送り続け、解析装置もまた休む事無くデータに不振な点が
無いかを洗い続けた。そしてちょっとした変化を捉え、警報を上げた。
それはゴジラの背鰭の温度分布のデータだった。調査を開始してから24時間は殆ど変化
が無かったのだが、それ以降徐々に上昇する傾向にあったのだ。その上昇率は極めてゆる
やかであったため、復活の可能性は低いと思われた。しかしそれは決して下がる方に変化
する事無く、やがてゴジラが休眠に入る時の閾値を越えたのだった。同時に内部の赤外線
分布も、活動域に近づき始めていた。
ゴジラ復活の可能性は直ぐに対策本部に報告され、連邦軍の初動部隊に非常呼集がかけら
れた。
監視任務中の巡洋艦は潜航艇を現場に残し、待機地点を50km後退した。しばらくの後、
潜航艇からの通信が途絶した。監視装置のデータは、通信が途絶した直後の僅かな時間、
赤外線の増加を記録していた為、ゴジラ復活も懸念されたが、その赤外線は極端な減少方
向に転じた事を示していたため、事故か通信機器の故障だろうとされた。
潜航艇のオペレータはシステムの復旧を試みたが、艇とのアクセスは回復せず、艦のビー
コンを頼りに、12時間待ったが自動で戻ってくる事もなかった。
潜航艇の損失で調査は打ち切られたが、当面の間軍は即時展開可能な状態で待機する事に
なった。
497 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/02(水) 20:57:59
プロでもこれだけの脚本はそう簡単にかけないな。
まったく違うゴジラストーリーになってるが
リアルな感じがまさにガメラ版平成ゴジラって感じで
いい。
陽の光をキラキラと反射させている海面付近に、航跡のようなものが現れたのを海上監視
中の兵が発見し報告してきた。潜水艦と思しき航跡は右舷前方に現れ、停止することなく
艦を目指していた。今舵を切れば十分に衝突を回避できる距離であり、艦はそのように操
作された。が、潜水艦もまた進路を変え、あろうことか故意に衝突してきた。
けたたましく警報が鳴り響く艦内。あまりに不意の衝突に、誰もが衝撃に備える間もなく、
床や壁に叩きつけられ、多くの負傷者が出た。
海面を割り、ゆっくりと姿を現した物体はゴジラだった。
ゴジラは潜航艇誘導用のビーコンに反応し目覚め、誘われるように発信源の巡洋艦目指し
やって来たのだった。
ゴジラが監視の目を潜って、巡洋艦まで辿り着けたのには、きちんとした理由があった。
監視装置は赤外線による温度変化とアクティブ・ソナーのエコー、それにゴジラの放射す
る熱線特有のスペクトルを検知して、警報を上げるシステムになっている。だが潜航艇の
調査には監視装置のソナーが発する音波はノイズとして検出されるため、切られていた。
更に観察結果をミスリードに導いたのは、潜航艇遭難以降の赤外線反応だった。一時的に
温度が上昇したのは、ゴジラが潜航艇を破壊し爆発したものだった。船体は破壊されたも
のの、反応バッテリは生きており、赤外線を放射し続けていた。監視システムの赤外線セン
サーが拾った熱源はバッテリのものであった。
また潜航艇の爆発で一時的に変化した周囲の海水密度や濃度は、センサーの目が届かない
領域を発生させ、ゴジラの動きを隠蔽にするのに一役買っていた。
ゴジラとの接触でできた右舷側の大きな亀裂から大量の海水が浸入し、艦体はみるまに傾
きだした。追い討ちをかけるようにゴジラは艦体に掴みかかり、艦は破壊されながら海中
深く沈んでいった。ゴジラは艦と一緒に沈みながら、久しぶりに高濃度の放射性物質の匂
いを感じ取った。ゴジラは機関部の外板を引き剥がし、原子炉の核燃料を得てついに活性
化した。
活性化したゴジラは更なる餌を求め、南へと移動を開始した。その行く手にあるのは軌道
エレベータ試作機にエネルギーを供給するための増殖炉だった。
衛星からの情報を基に、連邦軍は増殖炉のある島の沖合い30kmの予想進路上に、空母
1隻の他巡洋艦3隻、駆逐艦4隻からなる艦隊を展開し防衛ラインとした。
防衛ラインから北へ40kmのところで、哨戒機から投下されたセンサーが水面下30m
を進むゴジラを捕らえ、空母から対潜機がスクランブル発進した。
ゴジラめがけて投下された数十発の爆雷は、調節された深度に達すると同時に大きく海中を
震わせ、海上には何本もの水柱が、巨大な噴水のように吹き上がっては崩れ落ちた。
さすがのゴジラも一度に襲ってくる衝撃波には適わず、何箇所も手傷を負い、反撃する間
もなく力尽きて、高層ビルのようにそそり立つ岩々の林の間に沈んでいった。
対潜機の一斉攻撃で生じたノイズの嵐は徐々に収まり、すぐさまゴジラの創作が開始され
た。しかし熱源反応やソナーを駆使しての大掛かりな捜索が行われたが、何の手がかりも
得られなかった。
強靭であっても生物ゴジラとて生物には変わりない。これだけの攻撃を受ければ生き延び
られるわけがない。誰もがそう信じたかったが、確実に仕留めたという証拠が上がらない
限り油断できないのも確かであり、艦隊は監視を続行した。
その頃ゴジラは、巨岩の陰で傷ついた体を癒しつつ反撃の機会を伺っていた。久しぶりに
餌にあり付き活性化したとは言っても、巨体のコンディションを完全な状態にできるほど
ではなかった。もっと多くのエネルギーが必要だった。そこに到達するためには、頭上の
煩い敵を排除しなければならなかった。
表面の傷は常に生まれ変わる外皮細胞のおかげで2日と経たないうちに塞がった。また消
耗した体力も、海底で眠っている間に、一暴れ出来るほどに回復していた。
そして巨獣は立ち上がった。
反撃の機会は程なく訪れた。
センサーの網を蜘蛛の巣のように張り巡らしているにも関わらず、その痕跡を掴むことの
できない敵は、ゴジラの動きを封じ込めたものと確信して、自分達の方から近づいて来た
のだ。
ゴジラは静かに、一番大きな獲物の真下に忍び寄り、ゆっくりと浮上していった。艦隊が
異変に気付き警報を上げた時には、既に時遅く、空母はゴジラに取り付かれた左舷側に傾
きだした。同時に固定されていない艦載機は全て海に滑り落ち、艦内は騒然となっていた。
巡洋艦と駆逐艦は空母を巻き添えにするために、ゴジラを攻撃できず、ただその成り行き
を見守るしかなかった。
空母内の動ける兵士は、携帯ミサイルで攻撃し、何とかゴジラを引き剥がすことに成功し
た。だが海上に落ちたゴジラは怒りに興奮し、背鰭も同調したように輝きだした。そして
興奮が頂点に達したその時、口から強烈な熱線が放射された。熱線の光は、真っ暗な闇を
遠くまで青白く照らしながら空母に命中、分厚い装甲を簡単に突き破った。その熱は弾薬
を一気に誘爆させ、爆発で生じた圧力と衝撃波は、巨大な空母を一瞬にしてスクラップに
した。
取り巻いている艦の乗組員たちはあまりにあっけなく破壊され、闇の中で赤々と燃え上が
る空母を見て、唖然となったが、直ぐに気を取り直し、攻撃に転じた。だが100mmや
150mm程度の艦砲はゴジラにとっては大した効果も発揮できず、むしろ火に油を注ぐ
事になった。
巡洋艦には対艦ミサイルも装備されていたが、余りに至近距離のため、打つことができな
かった。
艦砲射撃によってますます興奮したゴジラは、またしても熱線を放射し、直撃を受けた巡
洋艦1隻と駆逐艦2隻が大爆発した。また熱線の直撃を受けなかった船であっても、同時
に吐き出された凄まじい量の放射線や熱風、衝撃波の影響で、乗組員の急性放射線障害や
火災、その他諸々の被害を蒙り、作戦の続行どころではなくなってしまった。
艦隊への復習を果たしたゴジラは、巨大な餌に引かれ、海中へと消えていった。
洋上防衛ラインを突破したゴジラは、ついに島の沿岸に姿を現した。
サーチライトの光を浴びたゴジラは、闇の中に巨大なシルエットとなって浮かび上がった。
蟷螂の斧と分かりながらも、攻撃が始まった。戦車砲の砲撃、ロケット弾、対戦車ミサイ
ルの一斉攻撃に、一瞬怯んだゴジラだったが、熱線の一撃で部隊の半数は壊滅した。ゴジ
ラは止まる事無く、目標を目指した。陸上部隊が後退して体制を整える間、攻撃機による
爆撃と機銃掃射が時間を稼いだ。だがこれも、気休めにしかならなかった。
海中では水が介在することで、爆発で発生した熱と圧力が水圧と衝撃波に変化し、その威
力を何百倍にも高め、さすがのゴジラも窮地に立たされた。が、陸上ではそのような効果
は期待できず、通常兵器による攻撃は意味をなさなかた。
だからといって、核兵器とはいかずとも、一撃で広範囲に被害を及ぼすような特殊兵器は、
増殖炉や軌道エレベータへの影響を考慮し、使用が禁じられていた。
ゴジラは咆哮を上げながら、重い地響きとともに前進した。
なおも執拗に攻めてくる攻撃機の一群にめがけ、熱線を浴びせた。この一撃は、ゴジラが
初めて行った、自分の意思による熱線攻撃だった。
それまでの熱線の放射は、体内に溜まった余剰エネルギーを廃棄するための、いわば生理
現象であった。しかし連邦軍との戦いで、知らず知らずのうちに、熱線放射のコントロー
ルが、自衛手段として有効であることを学習していたのだ。
だからといって闇雲に放射できるわけではなかった。それなりに威力のある熱線放射の
ためには、ある程度の余剰エネルギーが体内に蓄積されなけれればならなかったのだ。そ
れでも、熱線による攻撃は熱と衝撃波、放射線という要素によって、人類に脅威を与える
には十分だった。
今の攻撃で被弾した攻撃機は、あるものは海上へ、あるものは椰子林へ、そしてまたある
ものは、あろうことか軌道エレベータ試作機に激突し散っていった。
最早ゴジラの進行を阻止する手立てはなく、地上軍は全滅、ゴジラはまんまと増殖炉から
餌を得たのだった。
どもっ 名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 です
いよいよ始まった、ゴジラ vs 人類の攻防戦。
自分で言うのもなんですが、防衛ラインの死闘前半では、ちょっとゴジラが弱すぎました。 (反省汁)
でもここではゴジラの生命力の強さを書きたかったんです。腹ペコのゴジラは餌探しに夢中に
なるあまり、不意打ち喰らって、なす術もなかったと解釈してください。
その分後半ではファン・サービスも兼ねて大暴れしてもらいました。軌道エレベータまで壊しちゃったし。
しかし表現力の無い悲しさか、ゴジラが暴れるシーンを描くのが、一番難しいですね。
イマイチ臨場感に欠けてる気がする。
>>496 × : 艇とのアクセスは回復せず、艦のビー コンを頼りに、12時間待ったが自動で戻ってくる事もなかった
○ : 艇とのアクセスは回復せず、12時間待ったが、艦のビー コンを頼りに自動で戻ってくる事もなかった
>>501 × : 艦隊への復習を果たした (確かに火の吐き方のお勉強はしてたみたいですが w)
○ : 艦隊への復讐を果たした
他にも恥かしい誤字脱字、ミスがあるかも・・・・・・
おっと、もう6時か。ぼちぼち入間へと出撃するとするか。
では、続きは今晩(って、ここから先の原稿って、書いてないんだった)
504 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/03(木) 08:52:08
つか・・・ガメラ登場の予感なし。。
>>504 お膳立ては整いました。
間もなくです
m(_ _)m
506 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/03(木) 13:38:25
傷つくところなど含めこれだけ細かく理屈を追求した現実的なゴジラストーリーは初めてだ。
増殖炉から大量の核物質を得たゴジラは、完全に活性化し、その脅威は今までの比では
なくなった。上陸した小さな島を完全に焼き尽し、島の周辺海域まで放射能で汚染したゴ
ジラは、再び海へと帰って行った。例によって衛星と哨戒機によるによる追跡が絶え間なく
行われたのだが、海中深く潜られてしまい捜索の網から姿を消た。
ゴジラの脅威もさることながら、加えて新たな危機が持ち上がった。
増殖炉を防衛していた攻撃機の一機が、ゴジラの熱線で被弾し、軌道エレベータ試作機の
一部を破壊した。もっともゴジラ接近の報を受け、民間人は全て非難していた為、軍人以
外の死傷者はなかったのだが、問題はそんな事ではなかった。
被弾した機体の激突で破壊された部分は、エレベータの尤も脆弱な箇所の一つであり、そ
こから下の構造物が全て崩落、地球側と宇宙側の質量バランスが崩れてしまったのだ。そ
れで軌道エレベータはハンマー投げのハンマーのように、遠心力で徐々に上昇をはじめて
いった。
上昇し母星から遠ざかって行くだけならまだしも、静止衛星軌道を離れたエレベータは、
それまで母星と同じだった自転の周期が狂い、赤道に沿って漂いだした。そして72時間後に
は、同じ赤道上にある『天国の門』と激突、破壊された『天国の門』が地上へ落下し大災害を
引き起こすという、恐怖のシナリオが描かれていた。
エレベータの衝突を避ける方法は二つ。
一つは衛星軌道より上に設置されたバランス・ウエイトを、損失された質量と同じだけ取
り除き、重心の位置を元の静止衛星軌道に押し戻す事。
もう一方は、衛星軌道より下の構造物を破壊し、母星からの離脱速度を加速させる事。
対応に要する作業時間と衝突までの残り時間を精密に計算した結果、最も確実性の高い方
法は後者であった。が、その方法も全ての作業を洋上で終了させることは不可能であり、
都市部へ構造物が落下し被害が発生する事は避けられなかった。それでもエレベータ1号
機が落下して、文字通り『天国の門』を開いてしまうよりはまだましであり、最終的な作
業方法が慌しく検討された。
ちょっとした小惑星並みの質量を持つ軌道エレベータの解体は、段階的に行う必要がある
のだが、通常手順を実施するほど時間的余裕は残されていない。そこでかなり乱暴だが、
エレベータの解体ポイントにターゲット・マーカーを取り付け、ミサイル艦からの対空ミ
サイルで破壊する案が検討された。しかし何箇所にも及ぶポイントへのマーカーを設置し
ている間に、エレベータはどんどん大陸上空へ接近、解体を始める頃には都市の一つにさ
しかかり、予測されている以上の被害を蒙る事がわかった。
既に被害の予想される地点の住民の避難は開始されていたが、この作戦のタイムテーブル
でいくならば、更に多くの都市から人々を避難させる必要があった。
「ゴジラのコントロールを取り戻し、あの強力な熱線が使えないのか?」と議長は言った。
この事故の大本であるゴジラの名をこの場で口にするのは憚られ、当然周囲の失笑を買っ
たが、誰もが藁にもすがりたい気持ちであることに違いはなかった。
そんな中で一人「それならば、代案ならあります!」
皆がその声の主を一斉に注目した。声の主は宇宙開発局の技術者だった。
「データ収集用なんですが、基地のドックに汎用型の宇宙機が一機。ゴジラの放射とは違
いますが、宇宙を航行中に回避できない障害物を破壊する為のプラズマ砲を装備してると、
仕様書上はそうなってます。」
突然決まった話だけに、その宇宙機の整備と調整が慌しく行われた。そしてエレベータが
大陸にさしかかる24時間前に、それは静かにドックを出発し母星を目指した。
それは、天国の門の使者の遣いの名から、『ガメラ』と呼ばれていた。
509 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/04(金) 16:50:16
やっと『ガメラ』。。
510 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/04(金) 16:52:16
戦艦大和を馬鹿にするやつはこの俺が許さん!!!
や、大和って?
512 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/05(土) 04:09:11
最強ガメラ、ゴジラを助けろ
513 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/05(土) 11:14:41
昨夜楽しみにしてたのに・・・
これだけ密度の濃い作品を書く人だ。ゆっくり待ちましょう。
みなさん、おはよ〜ございます
名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 でございます。
いや〜、昨日はガメラの活躍前半を書こうと思っていたのですが、
予期せぬシステムの障害対応であたふたしておりました。
おかげで午前様。終電無くなって転がり込んできた同僚と酒盛り
しつつ、不覚にも私目もシステムダウンする始末。
やっと登場したガメラ。
物語はいよいよ大詰めへと向かいます。
基地分室では試験機改修の計画段階で、大気圏突入能力と地上活動の汎用性を持つ機体の
開発を目指していた。そこで地上班のプロトタイプ・ゴジラの成果を基に、ゴジラの抱えるいく
つかの問題点を克服しつつ、宇宙機に必要な仕様が検討された。
結果、ゴジラでは廃棄するしかなかった余剰エネルギーは、飛翔用の推進力や障害物破砕
用として利用される事になった。その為に余剰エネルギーを蓄積する器官を有した。同時
に排出される放射線は、フィルタによって影響の無いレベルにまで減衰させられた。
古代の海洋生物を模したフォルムは、大気圏突入や宇宙塵等の衝突による衝撃から
本体を守り、更に内部の放射線を外に逃がさないような強靭なシェルで覆われ、その背部
には放熱パネルが並べられている。
基本的なコントロールは感応制御である事に変わりはなかったが、独立制御システムを追
加する事で、制御者の負担を軽減するとともに、感応制御が切れても制御者の意思を引継
ぎ作業を継続するなど、状況を判断し目的に応じた行動を取る事ができた。
ガメラの本体は、改良ゴジラの完成から半年後に大部分が完成し、独立制御システムの
組み込み段階の直前で計画が一時中断となってしまった。しかし第3研究所の努力により、
比較的早い段階で、ゴジラ暴走の原因の究明と具体的対応策が講じられた。
それはナノマシーン進入による汚染に対し、ワクチンとなるナノマシーンを予め投入する
ことだった。それでも脳に到達し融合を試みるものに対しては、神経のネットワークが接
続され異質のプログラムによるアクセスが検知された段階で、逆ハッキングをかけ侵入者
のメモリに進入、初期化する事になっていた。
これによって、ガメラ開発のプロジェクトは、再開したのであった。
浮遊する軌道エレベータに近づいたガメラは、その周囲をゆっくりと旋回し、そして最初
のエリアに向けてプラズマ火球を放った。火球はその巨大な物体に吸込まれ、そして爆
発が起こった。構造物のあるものは蒸発し、またあるもの砕けて洋上に雨のように降り
注いだ。
結果は上場だった。当初計画されたミサイルでの破壊よりもはるかに落下物が少なく、ま
た津波を引き起こす程大きな残骸も無かった。
次の作業は大物の残骸が落下しきる10分後だった。
基地分室のコントロール・ルームでは、ティナがガメラとシンクロしており、アルヴァと
先任のマヤがその様子を見守っていた。
ゴジラの事故から暫くして、ティナとアルヴァはガメラの開発支援とオペレータとしての
訓練を受ける為に、基地分室に転属していたのだ。
ガメラの訓練では3次元空間の飛行のコツを掴む事に苦労させられたものの、独立制御シ
ステムのおかげで、心身への負荷はかなり軽減されており、一度感覚を掴めば、むしろゴ
ジラより扱いやすかった。
そうは言っても母星でのガメラのオペレーションはこれが初めてだった。シミュレータや、
重力の小さな月での訓練は何度も経験していたが、ガメラを通して感じる実際の母星の重
力は、シミュレータのそれとはかなり違和感があるため、繊細なコントロールが必要だっ
た。
しかしティナの感じた違和感はそれだけではなかった。今まで感じた事の無い奇妙な、例
えて言えば、ガメラの精神の乱れのようなものが感じ取られ、それがコントロールを僅か
ながら不安定にしていた。勿論ガメラに精神などは無いはずだった。それが何なのか分
からず、少し不安になったが、任務遂行に気持ちを集中させ、その事を考えるのは後回
しにした。
作戦開始から3時間が経過した頃、ガメラは検査と補給の為に、北の大陸に仮設されたベー
スに着陸した。重力圏を絶えず飛行し、加えて大量の火球を放出したため、エネルギーの
消耗は予想以上だったものの、まだまだ十分に余裕があったために、補給は次回の休憩ま
で見送られる事になった。
この間にオペレータもティナからアルヴァに交代し、シンクロが始められた。テレパシー
による精神感応といって簡単ではなく、慣れた人間であっても完全にシンクロするには3
0分程度を要した。これでも初期のシステムに比べれば、半分以下の時間に短縮されてい
るのだが、更なる短縮が今後の課題の一つだった。
オペレーションの引継ぎの際、ティナは奇妙な感覚の事もアルヴァに告げた。
モニタでもその微妙な乱れは記録されていたが、恐らく任務の大きさから来る、ティナの
緊張感によるものではないかと、その時は思われた。
しかしティナの言う奇妙な感覚を、アルヴァも同様に感じ取った。しかしコントロールに
大きく影響するものでもないため、気になるようならば次のシンクロ時に補正パラメータを
加える事にして、作戦は再開された。
作戦の間に行われるガメラの検査と補給、オペレータの交代という時間的ロスはあるもの
の、作業は予定のタイムテーブルよりも20%程順調に進んだ。このペースならば予定よ
り3時間早く完了し、陸地への被害は最小限で済むとの予測は、不安と緊張が続く中の明
るい知らせだった。
そんな時だった。ゴジラ対策本部にけたたましくアラームが鳴り響いた。
今まで影を潜めていたゴジラが、北上を始めた。
すぐさま哨戒機が上がり、衛星とリンクしたナビゲーションと地上からの誘導で、現場海
域へと向かった。
現場上空からの目視では航跡すら発見できないのだが、コクピットの画面上には衛星から
送られてくるゴジラと思しき物体が赤い点滅となって、確かにそこ存在している事を告げ
ていた。
哨戒機は500フィートまで高度を下げ、何本もの探知機を落とした後、海中に潜むゴジ
ラであろうその物体を中心に、上空で大きな円を描きながら監視を続けた。
探知機から送信されたデータは直ぐに対策本部で精密な分析が行われ、間違いなくゴジラ
である事が確認された。
ゴジラの軌跡は真っ直ぐ北の大陸を目指していた。
近海を航行中の空母1隻を中心とする艦隊が、大陸から100キロ沖合いで迎撃体制を整
えた。更に停泊中の空母1隻が増援として派遣され、3時間後に艦隊と合流した。2隻の
空母上には、対潜機が爆雷を抱えて待機、発信命令を今や遅しと待っていた。
ティナが火球を発射させようとしたそのとき、不意にガメラの姿勢が乱れた。咄嗟に発射を
中止したため、何事も起こらなかったが、もし発射していたらと思うと背筋が寒くなった。
「ガメラが何かに反応してる。」呟くティナ。
彼女は気を取り直して意識を集中し、作戦を続行していったが、制御の乱れは収まらず、
疲労の為にガメラとのシンクロ率が低下していった。
このままでは危険と判断したマヤは、交代の時間を繰り上げ、アルヴァに待機させた。
ガメラがベースに戻ると、すぐに制御装置のデータから、制御とシンクロの補正パラメー
タがが投入された。
今までの試験ではこのような事態は一度も発生した事はなかった。ガメラが制御装置から
のシンクロ以外に外から影響を受ける事は、理論上ありえなかった。また制御装置のデー
タと、ベースでのガメラの生体スキャンの結果からは、ゴジラのようにナノマシーンに汚
染された形跡も無く、謎は深まるばかりだった。
だが制御が乱れやすくなっただけで、ガメラを全くコントロールできないわけではない。
しかも今更作戦の代替案がないとなっては、強行するしかなかった。
補正パラメータを投入した事で、コントロールは普通に戻ったと自分に言い聞かせ、アル
ヴァはシンクロを始めた。
何かが呼んでいる。
直感だった。何が自分を誘っているのか、それは分からない。しかし今までに感じた事の
ない何かが、北に向かわせている事に間違いはなかった。
少なくとも餌である放射性物質の発するものとは違っていた。
今までの経験から強いて表現すれば、島から脱出する頃に一度だけ感じた事のあるような
感覚だった。だが巨獣には、仲間や同類といった概念は無かった。自我のようなものが目
覚めてから記憶しているのは、生存が脅かされるが故に戦い続けてきた事だった。
ならばこの感覚は、自分にとって新たな脅威なのだろうか?
巨獣はそれを確かめなければならなかった。
ゴジラは依然として進路も移動速度も変えず、北の大陸を目指していた。
待機中の第一次攻撃隊に攻撃命令が下った。
轟音を轟かせ、次々に離艦していった雷撃機は、艦隊の上空に集合し編隊を組んで、ゴジ
ラの殲滅に出撃していった。
哨戒機と合流した対潜機は、一旦投下ポイントを確認して海域を飛び去り、旋回降下しな
がら高度を落とし攻撃ポイントへ再進入、衛星からの情報を照準機にリンクさせ、目標ま
であと15秒のところまでさしかかった。そのとき、対潜機のヘッドアップ・ディスプレ
イの向こうに小さな黒い点が現れ、接近していくにつれてみるみる大きくなり、そしてパ
イロットの視界は真っ白になった。
以前この爆雷攻撃で手痛い目にあったゴジラは、対潜機の編隊のエンジン音を耳にした瞬
間、浮上を始め、頭が海面から出ると同時に熱線を吐いたのだ。
編隊は5機が間隔3m程度のV字隊形をとっていた為に、1、2、3番機が直撃を受け、
残りの2機も衝撃波で被弾、パイロットと雷撃手は辛うじて脱出した。
被害を蒙ったのは先頭の第1編隊ばかりではなかった。後続の第2、第3編隊までもが一
気に全滅した。
辛くも難を逃れた残りの3編隊は、急上昇や急旋回で回避したが、そのうち3機は回避中
に、飛び散った第3編隊の機体の破片群の中に突入し被弾、墜落した。
残った編隊はゴジラを遠巻きにしながら旋回し、2機一組が急降下で爆雷を投下しては離
脱するという戦法をとったが、全く効果はなかった。
アルヴァがエレベータの解体を行っているときだった。
制御装置の調整を行ってからは、何事もなかったかのように言う事を聞いていたガメラだっ
たが、突然シンクロが弱くなったり復旧したりするという現象が、何度となく発生した。
アルヴァは持ち前の性格で、無理矢理ガメラを従わせ作業を継続したが、その無理が祟っ
て照準を狂わせ、4工程先の構造物を破壊してしまった。
そのブロックは破砕ポイントを外れていたため、巨大な構造物がいきなり落下するまでに
は至らなかったが、いつそこから千切れてもおかしくない状況だった。
彼は、ともすれば暴れそうになるガメラを発射ポイントまで誘導し、シンクロが復旧した
数十秒の間にプラズマを発射するという、荒業を行った。こんな状況下でも正確な照準
ができるのは、彼の精神力の強さだったが、それはまたシンクロしているガメラにとって
は、ある種の精神的な負荷でもあった。
余り長時間この状態が続けば、彼か、ガメラ、あるいはどちらも共倒れになってしまう。
そのため、危険な状況を脱したら、一旦作業を切り上げ、どちらも休息する必要があった。
コントロール・ルームの3名がゴジラ出現の知らせを受けたのは、そんな状況下だった。
爆雷攻撃が開始されたが、状況は芳しくないという事だった。
ふと何かぴんと来るものを感じ、ティナは急いで制御装置のログをチェックしだした。
シンクロ率、脳波、制御係数等主だったデータを参照し、時間軸で並べてみたところ、そ
の閃きは確信に変わった。
ガメラのコントロールが大きく乱れ始めたのは、ゴジラとの戦闘が始まった時だったのだ。
524 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/05(土) 19:26:08
ドックンドックン早く読みたい
ガメラ、ゴジラを開放してくれー
ガメラとゴジラはその外見や能力こそ異なるものの、第3研究所の生命工学研究班が創り
あげた脳神経系統は、殆ど同じ構造である。人間に例えれば、双子のようなものだ。
勿論行方不明となって久しい、改良ゴジラも例外ではなかった。
しかし無人島で2頭のゴジラを試験していたときには、このようなトラブルはなかった。
例えば2頭を島のそれぞれ島の両端に置いたときでも、シンクロが乱れる事もなければ、互
いに呼び合うような感覚を覚える事も無かった。
これはソフィア達の単なる推量だが、暴走を始める前のゴジラは、人間の意識のようなも
のに相当するものが無かった為、他の個体を意識する事がなかったのではないだろうか。
そして今、ゴジラもガメラも、構造こそ異なれど自立行動の為の手段を備えており、そこ
に、意識のようなものが芽生えた。
同時に、似たような波形の脳波を持つガメラと、テレパシーによる意識の交信が発生し、
それが何であるのか理解できないために、不安な状態に陥っているのではないかという事
だった。
そう考えると、改良ゴジラが現れない事も納得がいく。恐らく海底深く飲み込まれ、絶命
したのであろう。
防衛艦隊にゴジラの攻撃中止命令が下った。
ゴジラの刺激は軌道エレベータ解体作戦の妨げになるため、別命あるまで待機、哨戒任務
にあたると言うものだった。
ゴジラも知恵をつけ簡単にはやられなくなってしまったとは言っても、攻撃は上陸阻止の
時間を稼ぐ手段にはなる。その間に、上陸予想地点の住民を避難させれば、人的被害は最
小で済む。
しかし現在、軌道エレベータの解体と同時に、その進路上の都市の避難作戦も進行中であ
り、用意可能な航空機や車両、船舶はそのために総動員されていたため、上陸地点の避難
対応まで回せる数も、それらを移動する時間も無かった。
ゴジラを放置した場合、その都市の住民の避難は良くて4分の1だった。
連邦議会の決断は、軌道エレベータの被害軽減を最優先し、ゴジラはその後で対処すると
いうものだった。
軌道エレベータ試作機が1号機と接触するまでにはあと8時間。しかし接触を避けるため
の解体作業に許容される時間は、ぎりぎり3時間半だった。
予想外の出来事でガメラの休息が多くなり、最初の時間的余裕は全て消費され、逆に切羽
詰った状況に転じてしまった。
残るミッションはあと1回なのだが、ガメラもテレパスも消耗し、疲弊していた。初めて
の母星の重力の中、何時間もの飛行と火球の発射、そしてゴジラとの交信による精神的混乱。
テレパスは3名でローテーションをしていたため、まだ余裕があったが、ガメラは1頭し
かいないのだ。
ベースで核物質を補給するガメラ。その間にスキャナーとセンサーで身体状況の検査が行
われ、あと1時間は休ませる必要があると判断された。最終ミッションは、殆ど余裕の無
い状況下で迅速に行わねばならなかった。
ついにゴジラは上陸した。
巨獣はおびただしい水を巨体から滴り落としながら、ゆっくりと立ち上がり周囲を見渡し
た。ゴジラ接近の報を受け、灯火管制下の都市は闇に包まれ、ゴジラの身長よりも遥かに
高い高層ビル群が卒塔婆の林のようなシルエットを浮かべていた。
あれはどこにいるのだ?
薄いガラスがひび割れる程の唸り声を上げたゴジラは、重い地響きを轟かせながら、自分
の中に割り込んでくる思考の主の下へ前進していった。
全ての人々が都市の圏外へ避難する事はできなかった。そこで、各所の地下に設営してあ
る公共の大規模災害用のシェルターが開放された。そこにも逃げ込めなかった人々は、地
下街やできるだけ深い地下鉄の構内に避難していた。
ゴジラが歩を進める度に、都市は地震のように激しく振動し、中にはゴジラに踏み抜かれ、
崩壊するところもあった。
ゴジラは時折熱線を吐いては、移動の邪魔になる建造物を破壊していった。
熱線のもたらす衝撃波は超高層ビルをもなぎ倒し、卒塔婆の林は根元からへし折られてい
った。またその熱波によって、一瞬のうちにあたり一面は火の海となり、漆黒の空を赤黒
く照らしていた。
火災は高温の熱風となって、シャッターの無い地下施設に吹き込み、多くの人々を死に追
いやった。パニックになった人々は、更に地下へと潜る者、出口を探す者、そして地上に
出る者など様々だったが、殆どの人々は自分の意思とは関係なく、人波に押されて動くし
かなかった。そして炎や放射線に焼かれて、絶命していった。
ゴジラは正に地獄からやって来た炎の獣となって、都市を廃墟に変えつつあった。
ゴジラが接近してくる以上、悠長に休憩している場合ではなかった。
危険な状態であることを承知の上で、誰もが静止するのを振り切り、アルヴァはガメラと
のシンクロするのだった。
ヘッドギアを被り、目を閉じて深呼吸をしながら、ガメラと同化するイメージを心に浮か
べる。暫くするとガメラの鼓動と息吹が感じられ、そのレベルがどんどん深まるにつれて、
視界、音、その他あらゆる感覚がフィードバックされてくる。
いつもならば、何の抵抗も無く、お互いが受け入れ合うように融合していくのだが、今回
はフィードバックが始まった時点で、いきなり激しい不安に見舞われた。
それは今まで感じた事のない、ガメラの感情だった。
アルヴァはその不安に取り込まれまいと、それ以上に激しい思念をガメラの心にぶつけ、
その不安を払拭しようと試みた。
それの試みは成功したものの、ガメラの身体の異常はリミッターで抑えられる限度を超え
て、彼にも少なからず苦痛を与えた。
それでも苦痛を堪えてシンクロを果たしたところで、アルヴァの視界に、真っ赤な炎を背
負った黒い影が近づきつつあるのが見えた。
それは数年前、無人島で彼に手痛い一撃を与え、逃走して行ったプロトタイプ・ゴジラだっ
た。
名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 は、心身共に疲弊し消耗していた。
休み休みとはいえ、無い知恵を絞るだけ絞り、今日だけで14レスもの原稿を
書き上げたその頭には、搾りかすしか残っていなかった。
何も残っていない頭に、泉のように知恵を湧かすには、空腹にアルコール燃料の
補給が必要だった。
近所のコンビニに行こうと立ち上がり、財布から小銭を取り出そうとしたのだが、
あろう事かその財布もまた疲弊しきっていた。 orz
しょうがない。非常食のパック飯でも食おう。
そして、明日の鋭気を養う為に、今日は眠るのであった。
次回、いよいよお待ちかね、ゴジラ対ガメラ、怒涛のクライマックス・・・・・・かも?
では、お休みなさいまし
ゴジラと出会ってしまった以上、もう後戻りはできなかった。
たとえこの場を離れたとしても、お互いの存在を認識した以上、ゴジラの思念は執拗にガ
メラを追い続け、今まで以上にガメラの心を大きく揺さぶってくるに違いないからだ。
ここでゴジラを倒す以外、ミッションの続行は不可能だった。
2頭の巨獣は対峙した。
睨み合いながら、互いに相手の意識にあるものを探っていた。
ゴジラから押し寄せてくる暗く冷たい感情は、今まで感じていたよりも何倍も強力だった。
一方ゴジラは、アルヴァと同化しているガメラから、真っ赤な敵愾心とその中に隠れる不
安を感じ取った。
(出来る事なら戦いたくない)ふとガメラはそんな事を考えた。理由はよく分からないのだ
が、ゴジラの中にもう一つの自分がいるような、不思議な感覚を覚えたからだった。
ゴジラもまたガメラの中に、同じようなものを感じた。自分以外は敵であるにも関わらず、
その中に存在する自分とは一体なんなのかと、ふとそんな事を考えた。しかし自分以外に
自分はありえないと思い直し、ガメラを威嚇するように咆哮をあげた。
ゴジラを認識した事で少しは落ち着きを取り戻したのか、ガメラのコントロールの乱れは
収まりつつあった。それでも、普段は自分の体の一部のように感じる事のできるガメラが、
今は鉛の鎧を着ているかのように酷く重いもののように、アルヴァには思われた。
ゴジラが熱線を吐き、先手を打ってくるまでの数十秒が、1時間のように思われた。
背鰭の光が増した事で攻撃を察知したアルヴァは、間一髪でその直撃をかわしたが、その
衝撃波はシェルの一部をかすめ、破壊した。
目標にかわされた熱線は、そのまま背後の山の斜面に激突し、一瞬の閃光とともに土煙
を上げさせた。
ガメラもまた体制を整えプラズマ火球を2連射し応戦したが、ゴジラは反撃の意思をいち
早く察知し、更に発射までの僅かな時間のロスによってかわされてしまい、火球は超高層
ビルの谷間を赤く照らしながら、闇の中に消えていった。
ガメラは大地を揺らしながら更に火球を吐きつつ、ゴジラめがけて突進した。
ゴジラ直撃をかわしつつガメラを待ちうけ、いよいよ間合いが詰まったところで、熱線を
吐いた。
右側面のシェルの表面が衝撃波で砕け散り、熱は皮膚を焼いた。
同時にシンクロ中のアルヴァもまた、ガメラと同じ痛みを感じ、苦痛に顔をゆがめた。
それでもガメラの勢いは留まる事無く、ゴジラに体当たりの一撃を喰らわせた。ガメラの
激突でゴジラは弾き飛ばされ、ベースのタンク群に向かって倒れていった。
ゴジラの接触で破壊されたタンクの、あるものは白いガスを噴出し、あるものは液体を撒
き散らしながら転がり、そして他のあるもの爆発、辺りは一瞬のあいだに火の海となった。
アルヴァはその隙をついて、止めをさそうとガメラにプラズマ火球を発射させた。だがゴ
ジラも怒りの感情とともに、ガメラめがけて熱線を吐いた。
火球と熱線がぶつかり合うと、大きな閃光と衝撃波をもたらた。爆発の中心から広範囲に
わたって舞った埃は、霧のように辺りをもやでつつみ、激しく燃え盛る炎の明かりが、す
りガラス越しの光のように、淡く赤い光となっていた。
誰かが闇の向こうから呼んでいるような気がした。聞き覚えのある声だが、良く分からな
い。見えないはずの目に、黒い影がぼんやりと浮かび、それは少しづつ形を変えて、見覚
えのあるものに変化していった。
誰だ、闇の彼方から俺を呼んでいるのは?
目の前の黒い影は、少しづつ輪郭を整え、巨獣の姿、ゴジラへと変わった。
そこではっと気が付いた。
ティナとマヤが呼んでいた。
目の前が真っ白になり激しい衝撃と苦痛を感じた。そして一瞬の後にブラックアウトした
のだった。
どれくらい気を失っていたのだろうか?
時計を見ると、まだ5分も経っていなかった。
マヤはアルヴァの状態が危険だから交代しろと言っている。しかし今交代したところで、
彼女達に太刀打ちできる相手ではない。しかもここでいつまでもゴジラの相手をしている
わけにはいかないのだ。
軌道エレベータ解体のリミットまで、あと2時間もない。事態は切迫しているのだ。
「大丈夫、まだやれる!」アルヴァはそう言って、切れかかっていたガメラとのシンクロを
取り戻した。
ガメラは傷ついていた。爆発の瞬間、反射的に体をシェルに収めて難を逃れてはいたもの
の、軽傷ではあったが、シェルの一部にはひびが入り、薄緑色の血液が流れ出していた。
それより気になるのはゴジラである。あの爆発でも生きているのだろうか?
最初に感じていたガメラの不安感が未だに消えてないところをみると、このもやのどこか
で、こちらの様子を伺っているのに違いないと思った方が良さそうだった。
ガメラの不安感もそうだが、もう一つ、アルヴァは気になる事があった。
それはガメラが攻撃をするときに、僅かな遅れが生じることだった。その一瞬の遅れで、
ジラに致命的な一撃を与える事ができないのだ。
ガメラがゴジラを傷つける事に対し躊躇っている、そんな感じだった。
もやの中にゴジラの影が揺らめいていた。
ガメラを見つけて、ゆっくりとした足取りで近づいてくる。
至近距離まで接近して一気にかたを付けるつもりなのか、背鰭が光り始めたもののまだ熱
線を発射しょうとはしない。
ガメラはじっと様子を伺った。そしてゴジラの影が実態へと姿を変え、その口元に青白い
光が点った瞬間、ガメラはその場から垂直に上昇を開始した。熱線はガメラのいた空間を
飛び去った。しくじった! そう思ったゴジラは、ガメラの姿を求めて、周囲を見渡した。
真っ赤な火球が真上から降ってきて、ゴジラのすぐ目の前に着弾した。火球の衝撃波で、
ゴジラの足元には小さなクレーターのような穴が開き、ゴジラは足元をすくわれた。
急降下するガメラは続けて火球を放ち、その衝撃波と高熱でゴジラを焼いた。
ゴジラの黒光りする体からも、うっすらと出血が始まったが、やはり決定的な一撃を与え
るには至らなかった。
ゴジラも黙ってはやられまいと、短い間隔で3回熱線を放射し、それは命中せずとも衝撃
波と熱波の嵐となってガメラを襲い、その度に、シェルを砕き、生身の肉をもぎ取った。
アルヴァは焦った。このままガメラがゴジラの攻撃に躊躇していては、いつまで経っても
倒せない上に、ガメラ自身がやられてしまうかもしれない。
それに、力ずくでガメラとシンクロしているため、ガメラの傷は己の痛みともなり、身も
心も限界に近づきつつあった。
そして傷ついたガメラもまた、ゴジラの攻撃を受ける度に消耗していった。
急降下から急上昇に転じたガメラは、一旦上空へ離脱し体制を整えて、今度はゴジラの背
後上空から高速急降下で接近した。
やはり何かに躊躇するガメラを今度こそ無理矢理制して、アルヴァはゴジラに最後の一撃を
与えようと、可能な限りのエネルギーを集約したプラズマ火球を発射しようとしたその刹那。
背鰭が激しく光ったかと思うと、ゴジラが振り向きざまに、熱線を放射してきた。
ガメラは辛うじてシェルで身を守ったが、ゴジラの熱線はガメラを飲み込み、衝撃波でガ
メラを吹き飛ばした。轟音と共に山の斜面に墜落したガメラは、シェルの表面に無数のひ
びが入り、背中の放熱パネルの一部も砕けていた。
それまで見開かれていたガメラの目は静かに閉じていき、そして動かなくなった。
ガメラとゴジラの戦いで、軌道エレベータ解体のオペレーション・センターは騒然となっ
ていた。衝突回避可能な、解体までの残り時間が2時間を切ってしまったからだった。
しかしガメラ以外の代行手段が残されていない現在、何とかガメラに勝って貰うしかなかっ
た。誰もが祈る思いで、巨獣の死闘を見守っていた。
ガメラはまだ完全には死んでいない。
ゴジラの意識には、かすかにだがガメラの意識が割込んでいた。
邪魔者を完全に排除すべく、ゴジラはガメラの墜落した山の斜面を目指していた。
コントロール・センターでは、なんとかガメラを覚醒させようとしていた。
それまでの時間を稼ぐ為に、空軍の攻撃機が発進し、ゴジラに対して爆弾による攻撃を開
始した。
今や無敵とも思えるゴジラに対して、爆弾程度の攻撃では、それ程の効果は期待できなかっ
た。それでも、次から次へと絶え間なく波状攻撃を仕掛ける攻撃機の編隊によって、ガメ
ラとの戦いで傷ついたゴジラは、足止めを余儀なくされた。
空軍にとってのツキはそれだけではなかった。
ゴジラは熱線攻撃も殆ど行わなかったのだ。それはガメラに止めを刺す為のエネルギーを
蓄えようと、回復を待っているだけだったのだが。
アルヴァはガメラの墜落とともに、身も心もついに限界を超え、深い闇に落ちていった。
そのために、傷ついたガメラもまた、体を休めるべく待機状態に入ったのだった。
ここでガメラを戦わせれば、恐らくガメラは今度こそ死んでしまう。だからといって、こ
のまま放っておいても、すぐにゴジラがやって来て結果は同じ事。なんとか戦わずに、ミッ
ションを再開したかった。
しかしここまできて悩んでも、結論は一つ。一か八か、最後の賭けに出るしかなかった。
ただし大きな問題があった。
無理なミッションとゴジラとの死闘で、ガメラの消耗は大変なものだった。もうゴジラ相
手に何度もプラズマ火球を使えるほど、余剰エネルギーの蓄えは無く、ここで使い果たせ
ばミッションは失敗してしまうのだった。
「ガメラに賭けましょう。」マヤは静かに言った。
ティナは彼女の目を見つめ、頷いた。
傷ついた巨獣にシンクロするのは、ティナも初めてだった。
彼女とガメラとの意識の融合が深くなっていくにつれて、彼女はその意識の中に、アルヴァ
と同じように、不安と、戦う事への躊躇のようなものがあることを感じ取った。
ティナはその躊躇する気持ちが分かるような気がして、ガメラの心を優しく癒すように包ん
でやるのだった。
ガメラはゆっくりと目覚めた。
その意識はゴジラにも届いた。しかし最後に攻撃したときとは、何かが違った。
そう、燃えるような敵愾心、この自分を滅ぼそうとする意識が急に感じられなくなったの
だ。そしてどこかで感じた事のある、懐かしい暖かさを感じた。
しかしその感情が何であれ、奴は排除されるべき者に違いはないのだ。
ゴジラは尚も執拗に攻撃してくる攻撃機に、熱線で応酬し、何機かを打ち落として、ガメ
ラの下へと歩を進めた。
満身創痍のガメラは、見るからに痛々しく、余力が残されているようには見えなかった。
ゴジラは熱線の一撃で倒せるに違いないと確信していたが、何かが違うガメラを警戒し、
迂闊に攻撃する事を躊躇った。
2頭の巨獣は唸りながら向かい合い、お互いに手の内を探りあってるように見えた。
ゴジラの相手をするより、今は一刻も早く軌道エレベータを解体しなければならなかった。
しかし今迂闊に動けば、必ずゴジラは仕掛けてくる。
だからといって、ティナの方からゴジラを攻撃する事はできなかった。
できる事なら戦いたくない・・・・・・
ティナがゴジラへの攻撃を躊躇するのは無理もなかった。
テレパスとしての能力は、時として他人の意識が知らず知らずのうちに、自分を呑込んで
しまうような側面があった。そのため、街での生活は他人の意識に触れないように、常に
緊張しておかねばならず、それだけで彼女は神経をすり減らしていた。
そんな彼女にとって、ゴジラのオペレーションは楽しいものだった。
それは意識のノイズを感じる事が無かったからだった。そして物言わぬ人工の巨獣であっ
ても、シンクロ中は自分の一部となるゴジラに、ある種の愛着のようなものを感じていた。
しかも、ゴジラとガメラは双子の兄弟のようなものである。それが互いに傷つけあう事は、
自分をも傷つける事に他ならないと思えた。
不幸にも自我に目覚め、人類の脅威になってしまったが、それでも、せめて今だけは静か
に背中を向けて去って欲しいと、彼女は願っていた。
そんな彼女の思いまでをも悟ったかのように、ゴジラはますます強い思念を発し、ティナ
はそのゴジラの思念の虜になろうとしていた。彼女は金縛りにかかってしまったかのよう
に意識が硬直し、それはまた、シンクロ中のガメラの動きをも封じる事になってしまった。
ガメラが動けなくなった事を悟ったゴジラは、それでも注意深く様子をみながら、じりじ
りと接近を始めた。
そして、ついにゴジラの熱線が発射されようとしたその時、ガメラもまた火球を発射した。
ガメラの火球の方が僅かに早く発射され、ゴジラのすぐ眼前で二つのエネルギーが火花を
散らした。しかし、ガメラの発射した火球には必殺の威力は無く、ゴジラの熱線の勢いを
弱めただけだった。
弱くなったとは言っても、押し留められなかったエネルギーの塊は、ガメラの左胸に直撃
し、ひび割れたシェルに穴を穿つ程の威力があった。穿たれた穴からは血が流れ出したが、
そんなことには構わず、ガメラはゴジラに渾身の力で体当たりをかけた。
ゴジラはのけぞり、転倒はしなかったものの、体のバランスを大きく崩した。
傷だらけのガメラのどこに力が残っているのか、ゴジラには理解ができなかった。更に理
解できないのは、戦いが再開したというのに、ガメラの意識には敵愾心が全く感じられな
い事だった。それはゴジラが始めて感じる、恐ろしく奇妙な感情だった。
火球を発射した瞬間、ティナとガメラのシンクロが切れたような気がした。なぜなら、そ
れはティナの意思とは別のものだったからだ。そしてガメラが傷つき血を流しても、自分
がその痛みを感じなかった事で、何が起こったのかを悟った。
ガメラはティナとの同期で触れた、彼女の感情から全てを理解した。
自分が何者であるのか。あれが何者であるのか。
そしてゴジラの意識に呑まれたティナを開放し、自分の自由を取り戻すために自らシンク
ロを解いた。それは人間の束縛から逃れるためではなく、自分を包み込んで癒してくれた
者の、願いを叶えるための開放だった。
ガメラは残り少ないエネルギーを無駄には出来なかった。それでゴジラの熱線のダメージを
最小にするだけの、弱い火球を放ったのだった。そして時間も多くは残されていない事も
理解していた。
組み合ったゴジラとガメラは、激しい肉弾戦を展開した。
地響きをたて、咆哮をあげなから、巨獣たちは死闘を続けた。
ガメラの爪がゴジラの傷口を広げ、そのわき腹からは夥しい血液が流れた。
ゴジラの熱線が、シェルの前部を砕き、背部に貫通する風穴を開けた。
ともすれば気力を失いそうな激痛に耐え、ガメラはゴジラに向かって行った。
ゴジラが怒りにまかせて、向かってくるガメラに、熱線の一撃を加えようと背鰭を輝かせ
たときだった。ガメラはすかさず飛行形態になりゴジラの左脇から背中へまわった。そし
て目も眩むような光と、皮膚を焼く熱を放つ、その背鰭に掴みかかった。
尻尾をばたつかせ、ガメラを振り切ろうと大暴れするゴジラの背鰭は、ますます輝きを増
し、夥しい程の高熱を放った。
振りほどかれまいと、渾身の力でその背鰭を根元から掴んで離さないガメラは、凄まじい
ばかりの熱で、生身の肉もシェルも焼き尽くされそうな気がした。
そしてもう力の限界かと思われた時、ゴジラの背鰭は根元から千切れたのだった。
勢い余って倒れたガメラに、ゴジラは熱線を放とうとしたが、それが放たれる事はなかっ
た。
放熱板であるその巨大な背鰭を引き千切られたゴジラは、体内から逃げ場を失った余剰エ
ネルギーの熱が一気に上昇し、そして青白い炎に包まれはじめたのだ。
炎に包まれながら、ゴジラは力なく、狙いの定まらない熱線を放射した。
そして一度だけ咆哮をあげた後、巨獣は、静かに崩れ落ちていった。
軌道エレベータの解体リミットまで、あと30分。
ガメラは力の限り飛んだ。
しかしゴジラとの戦いで傷だらけになり、エネルギーも残り少ない身で飛ぶには、たった
15分のフライトが、無限にも思える距離の飛行のようだった。
それでも遥か洋上の上空に見えていた長大な蜘蛛の糸は、接近するにつれて、一本の線か
ら徐々に太さを増していき、巨大な構造物となってそのディティールが明らかになった。
もう一刻の猶予も残されていなかった。
そして最悪にして最善の方法は、一つだけだった。
ガメラは巨大なエレベータシャフトの真下まで移動した。
そしてシェルの中に体を収めると、手足を収納した四隅から噴射し、ゆっくりと回転をは
じめた。
ガメラの神経はαセルの制御を過剰なまでに活性化させ、体内で核融合にも似た反応が始
まっていた。やがてそれは巨大なエネルギーとなり、回転するガメラは大きなプラズマの
塊と化した。
構造物の内部へ侵入したガメラは、渾身の力を込めて上昇していった。
ガメラの身の回りから広がる巨大なエネルギーと衝撃波は、更に巨大な構造物を砕き、蒸
発させていった。
その様子は、宇宙へ向かって伸びていく、巨大な火柱であった。
全てのミッションは終了した。
ティナはガメラがミッションを完了してからも暫くは、ヘッド・ギアを外す事ができなかっ
た。もしかしたら、もう一度ガメラとシンクロができるかもしれないと思ったからっだっ
た。そう思えたのは、ガメラがゴジラを倒した直後のつかの間、微かな精神の同調を感じ
たからだった。それが単なる偶然だったのか、それとも意図的だったものなのかは分から
なかった。
彼女は待った。がそれ以来、二度とガメラの思考を感じる事は無かった。
天国からの巨獣が残した最後の感情。
それは、深い悲しみだった・・・・・・
最終ミッションの終了から5時間後。
試作エレベータは、上昇軌道を取りながら『天国の門』と接触した。しかしガメラの活躍
で大部分を破壊されていた試作機の残骸は、『天国の門』が質量バランスを崩す程の影響
を与える事はなかった。
人類はこの事件によって、復興までにこの先何年かかるか分からないような、多大な損害を
蒙った。しかしそれでも、一つの文明が崩壊するに至る可能性のある危機だけは、辛うじ
て免れたのだった。
それから数十年の期間を経て復興を果たした人類は、惑星系はおろか、恒星系をもその進
出の場として繁栄していったのだった。
やがてその後繁栄も、人類の種としての寿命と共に、終焉を迎えた。
先人類の終焉から何万年か後、地球には新たな支配者が誕生した。
彼らもまた、進化を繰り返し、やがて核の炎を使うに至った。
そして、その核の炎によって、先人類の忘れ形見が目覚めようとしている事を知る由もな
かった。
まいどっ 名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 です
いや〜 どんな展開になるのか、それ以上にマトモに終わるのか、我ながら冷や冷や物でした。
執筆の間にレスを下さった皆さんはもとより、ROMっていただいた皆さん、最後までお付き合い
ありがとうございました & オツでした。
出来るだけ時系列や、表現的な矛盾が無いように気をつけたつもりなんですが、
読み返してみると orz
初めて書いたストーリーなので、お許しくださいまし。
>>1 さん
こんなクソ長いもんを、1週間にも渡ってカキコして良かったんでしょうか?w
自分なりに温めていた物語を、ここぞとばかりに発表する場を与えて頂いた事に感謝します。
547 :
1:2005/11/06(日) 22:56:38
>>名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 様
まずはお疲れ様でした。
ゴジラとガメラをクロスさせるというのは
多くの怪獣ファンが一度は夢見たファンタジーではないか、と
思います。と同時に、難題でもあります。
この難しいテーマに真摯に取り組み、素晴らしい脚本の書き込み
に感謝感謝。非常に綿密で底辺にはメッセージも込められています。
他のみなさんも期待しながらROMっていたのではないのでしょうか。
次回作ができたら、またぜひよろしく。
また他のみなさんも遠慮なく書き込みして頂ければ。
期待しています。
え〜…私もただいま執筆中なのですが…
まだ序盤もいいとこなもんで…
>>名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB
乙彼っす
感想言うの苦手だから一言ですみませんが
面白かったですね。
初代?ゴジラを匂わせるような最後もよかったです!
549 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/07(月) 02:08:47
お疲れさまでした。
ゴジラとガメラを完全にサイボーグ化したこと。
ガメラのゴジラを思う兄弟愛を人間の思念派と絡めながら展開したこと。
ゴジラを思いやるガメラ、その感情を躊躇しながら受け止めるゴジラ。
ゴジラファンもガメラファンも一緒に応援できたんじゃないかと
この展開はもう本物ですね。
今までの日本映画はなにかを殺すことで、悲しさを観客の感動へとすりかえる
子供だましのテクニックしかなかったのが残念でしたが
このストーリーはそれらとは全く違います。
素晴らしかったです。
また戻ってきてください。
ありがとうございました。
550 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/07(月) 08:17:37
御疲れさまでした。
まだ続いてるようなら、また幕間劇のバカネタを投下しようと思ってましたが…。
このあとなら止めたほうがいいな。
折角の余韻が台無しになる(笑)。
ところで、劇の舞台になっている時代は超古代?
それとも現代でしょうか?
現代の話と見せかけて実は超古代の話で、ゴジラを復活させたのが現代の水爆実験という解釈もできるような気が…。
お察しのとおりです。
現代か未来の話しと思わせる舞台が、実は超古代です。
序盤で行方不明になったゴジラが、現代に復活と、初代ゴジラの話にリンクさせました。
552 :
550:2005/11/07(月) 15:14:32
>>551 やはり一種の叙述トリックでしたか。
私は「特撮」「SF」「ホラー」「推理」が発想の根っ子でして。
ガメ男氏の作と私の作と、二作続けて登場人物が喋りまくる作の後で、殆ど(全くかな?)セリフの無い作品が出てきたので、あるいはと思ってました。
そう思って読むと、どこにもニューヨークとか東京といった固有名詞や時代を特定できる言葉が出てきません。
しかしまさかSF板で「慟哭」とか「殺人交差点」みたいな叙述トリックに出くわすとは(笑)。
時間の錯覚という点でも「慟哭」と同じ系譜の作品ですね。
同時にゴジガメの矛盾一切を「あれはこの話より後のことだから」と一掃できる点もお見事です。
553 :
550:2005/11/07(月) 16:35:29
やはり一種の叙述トリックでしたか。
私は「特撮」「SF」「ホラー」「推理」が発想の根っ子でして。
ガメ男氏の作と私の作と、二作続けて登場人物が喋りまくる作の後で、殆ど(全くかな?)セリフの無い作品が出てきたので、あるいはと思ってました。
そう思って読むと、どこにもニューヨークとか東京といった固有名詞や時代を特定できる言葉が出てきません。
しかしまさかSF板で「慟哭」とか「殺人交差点」みたいな叙述トリックに出くわすとは(笑)。
時間の錯覚という点でも「慟哭」と同じ系譜の作品ですね。
同時にゴジガメの矛盾一切を「あれはこの話より後のことだから」と一掃できる点もお見事です。
554 :
550:2005/11/07(月) 16:38:23
連投申し訳ない。
書き込んだつもりが何故か表示なし…。
(気のせいかな?)と書き込んだらなんと二重投稿…。
ひらにご容赦を…。
555 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/07(月) 22:47:31
イイヨイイヨ〜
556 :
あまぎ:2005/11/08(火) 01:06:39
『名無しより愛をこめて ◆KEVYsHeCB2 』 改め あまぎ です。
>>552 >>一種の叙述トリックでしたか
あえて狙ったというより、結果です。ハイ
基本コンセプトは、『初代ゴジラにリンクする話』 なので、超古代文明を舞台に選びました。
問題は超古代文明の表現にありがちな、古代ヨーロッパ的雰囲気を、どーやって一掃するか。
そこでSF的というより、現実的に、古代人だろうが、文明の発展の段階は、我々と極端に大きくは変わらないのではな
いかと勝手な解釈(笑)。 ならば文明の利器等、デザインや設計思想は大きく違えど、やってる事は一緒かなと思い、
宇宙基地とか巡洋艦とか、あえて現在の表現のまま登場させました。(ネーミングのセンスの無さは内緒です)
おかげで絶対に、『太古の地球』 とか言えないし、国の名前も出せないし、ものすごーく困った状況に。
そこでバラしちゃぁ、一気に興醒めですから。 地球の事を母星と表現したのも、そのためです。
恐らく誰もが、未来の地球? どこかの惑星? まさか×星じゃないよな〜 とあれこれ想像したのでは?
最後の最後で 『古代文明? え”〜っ、それってありなの〜』 と憤慨された方もいるかと?
台詞が無いのは、キャラの作り込み不足で、台詞を言わせられなかったんです orz
557 :
「名無しより愛をこめて」改め「A級戦犯」:2005/11/08(火) 17:00:21
「おお!」っと洩らしたきり、防衛庁長官は絶句した。
「なんと!?」と言ったきり、総理大臣は声を失った。
東京湾からゴジラが出現!
これを迎撃せんと展開した自衛隊の頭上になんとガメラが飛来!?
二大怪獣ついに激突か!?
全国民が固唾を飲んで見守った。
ところがである!
「いひ、いひ、いひひひひ。いやあ、このような事態は誰も想像すらできませんでしたな。いひひひひ。」
下品に笑うのは有名爬虫類学者の万石先生である。
「…ミノムシというのをみなさんご存知か?あの昆虫は、オスはミノを脱いでミノ蛾になりますが、メスはミノムシのまんまなんですな。
それでもメスはれっきとした成虫で、そのままオスと交尾するしタマゴも生む…と。ひひひひひ。」
ああ、まさかまさか……。
「驚きましたな。なんとゴジラとガメラが、同じ生物の雌雄であったとは。いひ いひひ……。」
そう!シオドメで遭遇した両怪獣は、なんとそのまま×××を開始したのだ!
各放送局は急遽緊急会議を開いた。
議題は「中継画面にモザイクをいれるべきか?」であった。
558 :
「名無しより愛をこめて」改め「A級戦犯」:2005/11/08(火) 17:02:23
ガメラとゴジラの×××は12時間以上たっても終らなかった。
その間、断続的にギャーとかウォーとか叫びながら熱線やプラズマ火球を吐かれるので、人間としてはたまったもんではない!
東京タワーは飴のように溶けて曲がり、新都庁ビルは根元から崩れ落ちてしまった。
総理「このまま2匹の×××が終らなければ、東京は壊滅だ!なんで何時までたっても終わってくれないのだ?」
モザイクキラーを仕掛けた画面で観戦しながら、万石先生は答えた。
万石「いひひひひ……。おそらくゴジラのテクが不足してるんでしょうな。それでなかなかガメラが……ああ、ダメだ。そんなとこ攻めちゃ。そこを攻めるのはまだ早い!」
総理「万石先生!このままでは日本は破滅です!なんとかアナタの英知で我が国をお救いください!」
万石「……いひひひ…わかりました。この天才科学者万石にお任せください!」
そしてその翌日……。
ゴジラとガメラがくんずほぐれつする戦場に、伊福部昭作曲になる勇壮なテーマとともに現れたのは……。
……。
巨大な「大人のおもちゃ」だった。
*エンディングでガメラマーチ
ガッメラー♪
ガッメラー♪
いかすぞガッメラ♪
いかすぞガッメラ♪
いかすぞガーメーラー♪!
……おあとがよろしいようで…。
(あ!ごめんなさい!石を投げないで……。)
559 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/08(火) 19:25:37
勃起しました
不覚にも電車の中で吹き出した。
こういったネタの方が、ストレートな怪獣ストーリーより
難しいんじゃないのか?
561 :
「名無しより愛をこめて」改め「A級戦犯」:2005/11/09(水) 12:33:50
いや、なんというか2chのスレとしてはこういう展開のもたまにあったほうがそれらしいかと…。
あまぎ氏の投稿後一日が経過したので余韻的にももういいかと。
それにこういうバカ話の後なら、次の人も気楽に書けるだろうし…。
自分は「特撮板」で新駄文がスタートしてるので長いのはちょっと駆けそうにない状態。
それにこっちで暴走したら板住人にも迷惑だろうし(特撮板での前作の駄文は5ケ月以上の長期連続になった)。
というわけで、お次の方お願いします。
562 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/09(水) 12:56:27
ゴジガメクロスってムズイ。。何も浮かばん。。
ゴジラ、ガメラをSF的にセクロスさせろ
564 :
「A級戦犯」:2005/11/11(金) 15:09:28
凪に入った?
それともお下劣ネタを投下したんで高級なSF板住人に愛想を尽かされたか?
しょうがないので、ハードルの高くならないのをもう一発投下しよう。
タイトルは……そう、「びんた」にしようか。
では…
565 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:10:37
パソコンのディスプレイに向かって座りながら、彼はふと思った。
(仕事……辞めようかな?)
もう何度目だろうか?
今日は後ろ向きの考えことばかり頭をよぎる。
理由は簡単だ。
人員整理が続き人手が足りず、体はもうクタクタである。
大事なクライアントの機嫌を損ねてしまい、部長にクソミソに怒鳴られた。
もひとつおまけに、身も心もいれあげていた彼女に昨夜ふられた。
それもビンタのおまけつきで…。
要するに、彼は死にたい気分だったのだ。
昨夜のことを思い出すと、ホッペタがヒリヒリ痛むような気がする。
こんどは口に出してみた。
「もう、どっかに行っちまおうかな。」
……そして彼は知らぬ間にパソコンの前に突っ伏していた。
疲労は極限に達しつつあったのである。
彼はそのまま眠ってしまった。
その姿をパソコンのディスプレスの上から、ガシャポンのゴジラと食玩のガメラが見下ろしていた。
566 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:12:15
「彼」がパソコンの前で孤独な時間を過ごしていたころ。
ずっと年若いカップルたちが、東京湾を臨む公園で楽しい夜を過ごしていた。
目の前の海を、貨物船、フェリーボート、…いま行過ぎたのはレジャー用のクルーザーだ…、大小様々の船が行過ぎる。
もっとも、肩をぴったりくっつけて座るカップルには、前を行過ぎる船の種類などどうでもいいのだが。
そう、あのときまではどうでもよかったのだ……。
ゆっくり、ゆっくりやって来た船の灯火が、突然垂直に急上昇したあのときまでは。
あんぐり口を開けたカップルの前に、それは聳え立っていた。
タンカーの航行すら可能なほどの深みに立ってなお、いただきは天を窺うかの如く屹立する巨体!
海水が滝つせとなって流れ下る、岩肌のような黒い皮膚!
怪しく発光する枝分かれした分厚いセビレ!
その姿は紛れも無く…。
バキバキバキッ!
キバに捉えられたトレジャーボートがコナゴナの破片となって降り注ぐ!
同時に、ジャンボジェット機が何十機も同時にエンジンを吹かしたような、すざまじい叫びが解き放たれた!
カップルの誰かがそれに張り合おうとするかのような大声で叫んだ!
「ゴ、ゴジラだあっ!!」
567 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:14:04
「えー…番組の途中ではありますが、臨時ニュースをお伝えします。」
PM11時半ごろ、放送各局は相次いで通常放送を中止し、特別番組に切替わった!
「……今より約10分ほど前の午後11時20分ごろ、東京湾にゴジラが、ゴジラが、現れました。
これは冗談ではありません。
映画でおなじみの、『あの』ゴジラが、現れたのです!」
続いてテレビ画面はスタジオに切替わった。
「……ではご紹介します。コメンテイターの……。」
「有名爬虫類学者の万石です。いひひひひ…。」
……なにぶん緊急事態なので、こんなのしか呼べなかったらしい。
「さっそくですが先生、映画そのままのゴジラ出現なのですが、科学的に先生はどのようにお考えになられますか?」
「うししし、私は一応科学者でして、怪獣なんて空想の産物は……。」
しかし、背後の画面には臨海公園に上陸しあたりを睥睨する巨大な姿が映し出されている。
「いひひひ……ゴジラなんてものはアナタ、子供だましの絵空事に過ぎな……。」
そのとき、「子供だまし」という言葉に、抗議するかのタイミングで、再びゴジラが吠えた!
ひの咆哮は、空気を揺るがし、ビルを揺るがし、中継のヘリを揺るがし、ついでに画面越しにスタジオまで揺るがした!
「どひゃあ!??」
万石先生は素っ頓狂な悲鳴を上げてイスから転がり落ちてしまった。
568 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:15:19
ゴジラ迎撃の命令を受け、治安出動した自衛隊だったが……。
地上部隊はとうとう最後まで戦場に辿り着けなかった。
避難する人と車、逆に見物に行こうとする人と車が街路で交錯し、地上展開の部隊をブロックしてしまったのだ。
また空自は、敵が人で溢れ返る市街地に接近し過ぎているので、誤射・誤爆の危険が高すぎて手の出しようが無かった。
結局、戦場に展開できたのは対地攻撃ヘリコプター・アパッチの部隊だけだった。
史上初にして唯一の「怪獣対軍隊」の対決が、何万もの群集をギャラリーに迎え、開始されようとしていた。
569 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:19:59
「攻撃は海側から行う。誤射の危険があるのでミサイルは使用しないこと。バルカンのみでいく!」
「…………」
隊長機からの指示に、いつもならすぐさま返って来るはずの応信が無い。
やがて、おずおずとした感じの交信が入ってきた。
「あの…、基地での指示では陸側から海側に向け攻撃することになっていたのでは?」
そう、出撃段階の指示では確かにそういうことになっていた。
陸側から海側に向け、ミサイル攻撃と。
だが、隊長が敢えて逆の指示を出したのは……。
「いや、攻撃は海側から行う!以上!」
隊長はアレを恐れていたのだ。
(……陸側から攻撃した場合、アイツはアレを陸側の市街地に向かって吐く。だから、海側から攻撃するしかないんだ。)
誤射を避けるにはできる限り敵に接近して射撃しなければならない。
それは命懸けの、特攻に近い攻撃だ。
(だが、アレを市街地に向けてぶっ放されるよりはマシだ。)
隊長機を先頭に、攻撃ヘリ部隊はゴジラめがけ一気に高度を下げた!
570 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/11(金) 15:21:14
「さて万石先生。ゴジラといえば、アレですよね。」
「そうですね。アレですアレ。うしししし…。」
下品な笑いとあいまって、「アレ」が変な意味に聞えるが…。
「ゴジラと言えば放射能熱線ですが…、吐くでしょうか?あのゴジラは??」
子供のような顔で訪ねるアナウンサーに対し、万石先生はにべもなく答えた。
「ま、生物学の常識から言って、あり得んハナシでしょうな。いひひひひ。」
「…では先生は、あのゴジラは火など吐けないと?」
「もっちろんです!」貧相なムネをドンと叩いて万石は断言した。「……ゴジラに似てるからと言って、火など吐けるわけがない。『野生の王国』なんかで見たことありますか?火を吐く生物なんかいやしませんよ。うっしっし……。」
「そうですか……火は吐けないんですか……。」
残念そうに言ったアナウンサー氏だったが、中継画像を見たとたん、またキラキラ輝きだした!
「やっ!?自衛隊です!!自衛隊の戦闘ヘリコプター部隊が現れました!ばんざーい!……わぁ、カッコいいなぁ。」
571 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/11(金) 15:22:23
バルカン攻撃、しかも誤射の危険を避けるため、ヘリ部隊の攻撃はカミカゼ特攻さながらの接近戦だった。
うるさそうに撥ね退けようとする腕の上を飛び越え下を潜り、執拗にゴジラをバルカンで射撃する。
しかし、ゴジラにバルカン攻撃が堪えた様子はまるで見えない!
「くそ、なんてヤツだ。上面からなら戦車の装甲だってぶち抜けるってのに……」
僚機からも戸惑い気味の通信が入った。
「隊長!バルカンがまるで効きません!どうしますか!?」
隊長は腹を決めた。
こうなったら、更に危険な戦いを挑むしかない!
「全機に告ぐ!さらに接近して、ヤツの目を狙え!!」
下命と同時に、隊長機自ら先頭きって突っ込んだ。
腕の横から回りこみ、ゴジラの顔がフロントガラス一杯に見えるところまで接近すると、バルカンを発射!
曳光弾がゴジラの眼の辺りにパラパラと命中!
ゴジラが顔を顰めた!これは効いている!
だが…。
よし!今一度!と射撃チャンスを狙い自機を横滑りさせた瞬間だった。
ゴジラの肩越しに、セビレが怪しく光るのが見えた。
572 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:23:47
「でも先生…」放送局のスタジオではアナウンサー氏がまだがんばっていた。
彼はどうしても「ゴジラ」に火を吐いて欲しいらしい。
「……ちろっとぐらいは…火吐いてくれませんかね?」
「『吐いてくれませんかね』って自分の希望言ってどうすんですか?火なんか吐けるわけありませんよ。いひひひひ。」
「でも……でも、ですよ……、ほんの、ちょろっとだけならって……あれ!?いまなんか光りませんでしたか!?」
アナ氏のテンションが急上昇した次の瞬間!
「諦めが悪いですね。男は諦めが…おおおおおおおおおおっ!?な、なんじゃありゃあああああっ!?!?!?」
白熱する光が闇夜の海を長く長く切り裂くと同時に、万石先生は泡を吹いて卒倒した。
573 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:25:06
隊長機は辛くも熱線を回避していた。
ゴジラのセビレが光るのを見た瞬間、反射的に回避起動をとったからこそである。
「全機に告ぐ!いまのを陸側に撃たせるわけにはいかない!絶対に陸側からは攻撃するな!」
「了解!」「了解!」「了解!」
今度は直ちに返事が返った。
だが、有効な攻撃方法の選択枝は殆どない。
目への射撃は一応有効だったが、そのためにはゴジラの顔に接近しなければならない。
しかし、そこは最大の危険領域なのだ。
隊長は機上から地上の街路に目をやった。
……住民の退避はいくらも進んでいない。
このままゴジラの前進を許せば、何千という犠牲者が出るのは必至だ。
隊長の脳裏を「体当り」の言葉がかすめた。
戦闘ヘリによる命がけの戦闘の顛末を、「彼」は見ていた。
高い高い世界から、「彼」は全て見ていたのだ。
574 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:26:14
視点の異常な高さも不思議とは思わず、「彼」は興奮しきって地上のゴジラを眺めていた。
聳え立つ威容に心奪われ、ヘリ部隊との交戦には胸が高鳴った。
ひとつ不満なのは、ゴジラが臨海公園から前進しようとしないことだったが、些細な不満は夜空を真一文字に切裂いた熱線の迫力に消し飛ばされてしまった。
「すげえぜ。やっぱりゴジラは怪獣王だ。」
そしてついに、ゴジラは彼の希望通り、臨海公園から市街へと前進を開始した。
囮となってゴジラの気を引かんと、捨て身の覚悟で前に飛び出す戦闘ヘリ!
「…ん?危ないな、なんか狙ってるぞゴジラは…。」
彼の感は当たった。
目の前をチラチラ飛び回るヘリをいらいらした様子で眺めていたゴジラだったが、突如疾風のごとくに身を翻すと、死角にいたはずの一機を右手の一撃で払いのけた!
ゴジラの軽い一撃だけで、メインローターがちぎれ飛んだ。
もはや飛行機械であることをやめたヘリコプターは、ただくるくる廻りながら、市街地へと、人の押し合いへし合う十字路へと飛んでいった。
「あぶないっ!!」
「彼」は思わず、それまでいた空の高みから飛び出した。
575 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:27:26
矢のように、弾丸のように、それとも流れ星のように?
「彼」は猛スピードで降下した!
「間に合うのか!?オレはっ!?」
壊れたヘリと「彼」の距離はグングン詰まるが、ヘリと地面の距離も負けずに詰まっていく!
ヘリと街路の人々の距離は、150m!100m!50m!10m!
だが僅かに早く、「彼」はヘリに追いついた!
576 :
「びんた」:2005/11/11(金) 15:28:28
くるくるスピンしながら飛んで来たヘリコプター!
メインローターを失ったヘリの残骸は、人々の頭上で止っていた。
……巨大な両手に支えられて。
街路の人々も、そして助けられたヘリの操縦手と射撃手も、タマゴのように口をぽかんと開けて「彼」を見上げている。
そのとき初めて「彼」はヘリを支える自分の両手を目にした。
「あれ?この……手は……?」
突然、群集の中にいた子供が、激しく手を振りながら叫びだした!
「ガメラだ!ガメラだ−っ!ガメラが助けに来てくれたーーーーーっ!!」
そのはしゃぐ声に魔法でも解けたのか、大人たちも口々に叫びはじめた。
「ガメラだ!ガメラが来てくれた!!」
577 :
「びんた」:2005/11/11(金) 17:00:31
大破したヘリを静かに地面に置くと、「彼」はアタマを上げた。
ゴジラは臨海公園から一歩も動いていない。
瞬時に彼は理解した。
ゴジラは「彼」が来るのを待っていたのだと。
だから、臨海公園の水際から一歩も前に進まなかったのだ。
「彼」はのっしのっしと、宿敵の待つ臨海公園へと踏み込んでいった。
ゴジラとガメラ。
二匹の怪獣王は、僅かに100mばかりの距離をおいただけで、真正面から対峙した。
まるで西部劇のガンファイトのようだ。
…ゴジラの口の端がひくひくっと動き、そこから白いキバが見え隠れした。
(……仕掛けてくるな!)
「彼」も腹の中にエネルギーを「丸め」始める。
セビレがいきなり光ったのと同時に、ゴジラは熱線を吐き出した!
578 :
「びんた」:2005/11/11(金) 17:01:43
「映画のゴジラが現れただけでも驚きなのに、今度はガメラが現れましたーーーーっ!!どうですか先生!」
卒倒して救急車で運ばれた万石先生に代わって、コメンテイター席には別の「先生」が座っていた。
「迷信や世迷いごとの大嫌いな王月です。」
今度は心霊や超能力系の番組でよく見る先生だ。
「怪獣なんてのはですねえ、ヒトダマなんかと同じで迷信みたいなもんです。あんなものみんなプラズマで……。」
その瞬間、ゴジラが熱線を!「彼」=ガメラがプラズマ火球を発射した!
二つの凶器は二大怪獣王のちょうど中間点で狙い過たず正面衝突・大爆発した。
「…いやあ先生、見事な予言ですね!そうです!まさにプラズマです!!」
感心したように持ち上げるアナウンサー氏。
しかし、王月教授からのリアクションが無い…。
「……………あら?……先生?どうかしましか?先生??先生!?」
カメが口からプラズマを発射した瞬間、己の科学的世界観を根底から破壊された王月教授は…………目を開けたまま失神していた。
579 :
「びんた」:2005/11/11(金) 17:03:20
砲撃戦のあとは接近戦だった。
ゴジラとガメラは一気に前進し肉弾戦の距離まで接近した。
先手をとったのはゴジラ!
そのスピードは予想外に速かったのだ!
一気に間をつめたかとおもうと、踊るようにその場でターン!
横殴りにシッポを叩きつけてきた!
ずーーーーん!
「ぐふうっっっっ……。」
……効いた。途轍もなく効いた。
甲羅が無かったら、この一撃で決まったかもしれない。
それほどの一撃だった。
だが、「彼」は負けなかった!
「サラリーマンを……舐めるなよっ!」
一瞬気を抜いたゴジラの尾を引っ掴むと、足のジェットを噴かす!
ゴジラが踏ん張るが、ガメラは委細構わずゴジラの周りを高速で廻りだした!
超巨大なネズミ花火である!
なんとか最初は踏ん張っていたゴジラも、やがて遠心力に負け廻りだした。
580 :
「びんた」:2005/11/11(金) 17:04:35
(よーし!ゴジラのヤツいい加減目がまわったろ?そろそろいくぞ!そーれ、いち、にっの、さん!)
ガメラはタイミングを計ってゴジラのシッポを掴んでいた両手を離した。
たちまち遠心力でそれぞれ反対の咆哮に吹っ飛ぶゴジラとガメラ!
二大怪獣王はどちらも200メートルほども吹っ飛んで、臨海公園両側の海にそれぞれ落下した。
落下した海中から、ガメラが直ちに立ち上がった!
「思ったとおりだ!あんまり目が回ってないぜ!」
常日頃から回転ジェットで飛んでいるため、ガメラは目が回り難い体質なのだ!
「彼」はそこまで読んでいたのである!
ゴジラはまだ立ち上がれていない!
「よしっ!これでも喰らえ!」
ガメラは手足とアタマを引っ込めると、足のジェットを最大で噴射した!
ゴジラに体当りだ!
400メートルの距離をひとっ飛びでゴジラに突っ込む!
だが、ゴジラも甘んじてそれを受けるわけなどない!
セビレが光ったかと思うと、口から青白く輝く熱線を放射した!
(やべっ!)
起動を僅かにずらすと、熱線はガメラの背中側の甲羅を掠めて激しく火花を上げた!
熱線はなんとかかわした。
だが、体当りの軌道もズレている!
ガメラは組討に備え、アタマと手を甲羅から出した!
そこに、ゴジラが体勢が崩れながらも大振りの平手打ちを一閃!
ガメラの横っ面に見事炸裂!
しかしガメラも怪獣にはあるまじきグーパンチを!
クロスカウンター!
もんどりうって海中に倒れこむ両雄!
だが、そのとき「彼」は見た。
ゴジラが「彼」に向かって、親指を立てて笑ったのを…。
そして二大怪獣王は海中に姿を消し、二度と姿を現さなかった。
581 :
「命のびんた」:2005/11/11(金) 17:12:03
オフィスにさし入る朝日の中で、「彼」は目を覚ました。
なんだかとてもすがすがしい。
ディスプレイの上のゴジラとガメラもなぜだか笑っているように見えるくらいだ。
昨日の夜は、あんなに最悪だったのに…。
仕事の上でのミスも、彼女にふられたことも、もうどうでも良かった。
(何がどうあろうと、こうして朝日は昇るんだし……、オレもこうして生きていくんだ。)
「彼」が昇る朝日に向かって精一杯の背伸びをした、そのとき!?
「…あ痛て…。」
右のほっぺたがヒリリと痛んだ。
「あいつ……よっぽど強くひっぱたいたんだな……。」
鏡に映したその顔にはたしかに赤い掌の痕がついているが…。
「彼」は知らなかった。
昨夜、身も心も魂も疲れきってしまい、「彼」の魂が生きるのを辞めたことを…。
そしてその後起こった「ある種の奇跡」を……。
「彼」のほっぺたに残った赤い痕。
それはもちろん、彼女のビンタの痕などではない。
ゆうべゴジラが「彼」に生きる力を叩き込んでくれた、あの最後の一撃の痕だった。
おしまい
なんというか、ほのぼのネタでいいですね〜
あれこれSF的な設定を考えてるんですけど、なかなかうまくいかなくて。
目から鱗です。
びんた氏の頭の引き出しの中って、色々ネタがあるようで、羨ましい。
スレタイが
ゴジラ、ガメラを(中略)セクロスさせろ
にみえた
ここんとこレベル鷹栖。アンソロジーにして出版できそうだ。
585 :
A級戦犯:2005/11/14(月) 08:49:21
>>582 引き出しなんてそんなにゃ多くない(笑)し、明らかな限界もある。
どんな限界かというと……。
「冷たい方程式」みたいな、冷たく煌めくネタが書けない。
つまりバットエンディングが書けないのだ。
「ゴジラ対ガメラ対ギララ」「並行世界の怪獣王」「ゴジラ対七人のプレデター」「ゴジラ対ガメラ対産軍共同体」「いかすぞガメラ!」「命のビンタ」……みんなバッドエンディングを回避してるだろ?
「ゼットン対エヴァンゲリオン」スレに始めて書いた駄文が最近になって発掘できたんだが、そのころからもハッキリ傾向として出てる(笑)。
よっぽどバッドエンディングが嫌いなんだろうな。
だれか美しくて眩暈がしそうなバッドエンディングのやつ書いてくれ。
586 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/14(月) 18:00:02
ゴジラが街を潰しまくって
人間を悲鳴をあげて逃げ回る姿をバックに「ラデツキー行進曲」
どう?
単にアンハッピーにするだけなら、簡単かもしれないけれど、美しくて眩暈がしそう
になるってなると難しいね。
ゴジガメである以上、破滅とか終末、若しくはそれに向かってしまうという結び方だよね。
その点ではG3の終わり方が近いのかもしれないけれど、あれも、さあ人類の運命は
如何に?ってところまでで、終末劇にはなりきってなかったし。
588 :
A級戦犯:2005/11/15(火) 17:01:41
ビッグクランチの岸辺で
一瞬であり無限でもあるこの時に、オレたちは再会した。
どこかで釈迦が「死を恐れることはない」と説いているが、
そんなこと言われるまでもなく知っている。
みんな一つになったのだから。
ビッグクランチ。
全ての時空がただ一点に収束する瞬間にオレたちは帰って来たのだ。
全ての時空の収束。
星の距離が近くなるから満天の星空が綺麗?
そう言っていた学者自身が、今は大笑いしているんだろうな。
時空の収束。
そう「時空」なのだ。
現在・過去・未来が一つになる。
並行して存在していた多元宇宙も一つになる。
それがビッグクランチだったんだ。
589 :
A級戦犯:2005/11/15(火) 17:04:46
ゴジラが、ガメラが、シリコニーがいる。
古代オリエントのミトラ神がいる。
そして偉大なるクトゥルーがいる。
可能性の宇宙の彼方にある、決して出会えるはずの無い存在同士が、ひとつところにあった。
そして、みんなが完璧な理解を共有しあっていたんだ。
だって、心も一つに溶けつつあったのだから。
完璧なる理解。普遍なる愛。
それがビッグクランチだったんだ。
声が聞える。
「一つに還ることを望む心、それがタナトスの正体だ」と
オレたちは心のどこかで知っていたんだ。
一つであることの幸せを。
理解し合える喜びを。
それがビッグクランチだったんだ。
……
オレたちはみんな泣いていた。
間近に迫る、別れの予感に。
創造の御手、ビッグバン。
オレたちみんな散りぢりに…。
敵と味方に、光と影に。
過去と未来に……、生と死に……。
そして再び訪れる邂逅の時を待ちつづける。
全て忘れ果てた心のどこかで。
ビッグクランチの岸辺に立つ日を…。
590 :
A級戦犯:2005/11/15(火) 17:05:46
短編スレで「ビッグクランチ」とお題が出てたから、「これこそ究極のバッドエンディング!」と思いつくまま書きなぐってみた。
ゴジガメもちゃんと出てる。
…ちらっとだけど(ホントにちらっとね)。
ちゃんとバッドエンディングになってるかな?
SF的ってお題があるから、みんな難しく考えてしまうのかな?
でもゴジラ、ガメラが登場するだけでSFの要素を満たしてるよね。疑似イベントってジャンルなわけだし。
ぶっ飛んだ設定でもいいから、遊んでみてもいいんじゃないかな?
色々なシチュエーションのゴジラやガメラがあってもいいと思う。
592 :
A級戦犯:2005/11/17(木) 07:52:44
同意。
SFというジャンルに拘っちゃうとネタが出にくくなる。
以前、筒井康隆氏がなんかのエッセイで「SFはどんな他ジャンルの小説とも融合できる。」という趣旨のことを書かれていた。
筒井氏の趣旨は「だからSFは偉いんだーーーっ!」って展開だったように思うけど(笑)、これって考えようによっては「どうにもなるいい加減なジャンル」とも考えられる。
でもそれがSFの自由さだったんじゃないかな?
「火星のジョン・カーターがSFなら、ゴジガメだってそれだけで立派なSFだ!」
↑これで「心が飛ぶための自由」が得られるんなら、それでいいじゃん(笑)。
593 :
A級戦犯:2005/11/17(木) 07:55:57
連続すまん。
参考になるかどうかは判らんけど、オレの書き方は…。
コアになるネタを掴まえて、シーンというか頭の中で絵にする(この段階で大抵ラストの絵も描けますな)。
そこから派生するシーンを考えてこれまた絵に…。
漫画のようにバラバラな絵を補充的な描写で繋いでいく。
…ただこれだけ(笑)。
で、もし話が勝手に膨らんでくれなかったら、登場キャラをちこっと練って投下する。
そうするとキャラが勝手に走り出してくれるから楽ちん。
「いかすぞガメラ」なんてオレじゃなく万石先生が書いたようなもんで。
ちなみに「有名爬虫類学者の万石先生」は「爬虫類学者の千石先生」と「アニメの宮崎駿監督」「SF作家の筒井康隆氏」を混ぜたキャラ。
既存の人間をベースにディフォルメするとキャラ作りは楽ちんちん。
594 :
ガメ男:2005/11/17(木) 15:05:18
>>591さんの意見に勇気をもらい、来月頃にもう一本書いてみようと思います。
大分まとまって来ましたので(頭の中が)・・・
ガンバ!
おれのお気に入り。万石先生、いひひひ。
598 :
あまぎ:2005/11/18(金) 01:57:07
僕もそろそろ次怪作のアイディアが固まりつつあります。
またまた新解釈の変化球になりそうな感じ。
イマイチ、ハードになりきれないハードSFチック作品になるのか、
古くからのゴジ・ガメファンの皆様の失笑を買うのか、ちょこっと心配。
物語の最初と最後、その間の流れは設定済みなんだけど、ゴジラや
ガメラが最初に登場するタイミングって、難しいですよね。
モノがモノだけに、出来るだけインパクトのある出現をさせたいじゃ
ないですか。
最初の登場が上手く行けば、物語はスムーズにラストへと流れて
行くのですが・・・・・・
、来週あたり発表できるかな〜 ^^;
映画の予告編的なレスだと面白いですよ
>>598 大まかなあらすじだけちょこっとだけ書いて期待を膨らまさせる(笑
昔、少年誌に夏休みや冬休みに封切られるゴジラガメラ映画の予告が
載っているだけでドキドキしたものです・・・
600 :
あまぎ:2005/11/19(土) 00:37:03
・スリランカのある海岸に漂着した、奇妙な生物の残骸
「放射能の中でも生きられる未知の生物がいても不思議はないでしょ。」
・`04年頃から頻繁に目撃されるようになった、謎の海獣と飛行物体
「遺伝子操作で作られた軍用兵器に違いない」
「まさか」
・テレビ画面に展開される、映画のワンシーンの様なライブ中継。
恐怖に震えながら実況する女性レポーター
『美しかった上海は今、怪物の放つ炎で地獄と化しています!』
・深海で発見された、謎のオーパーツ!
驚愕する調査船クルー達
「一体何が起こったと言うんだ!?」
・古の伝に残る巨獣
「小山のごとき黒鬼の名を護死羅、荒海神(あらみかみ)の名を鎧冥羅と言いけり・・・」
【 甦る神話 】
--- 巨獣は伝説と共にやって来る ---
COMING SOON
勝手にイメージ膨らませてドキドキしてますw
期待大・・・
602 :
あまぎ:2005/11/19(土) 14:03:30
本人が一番ドキドキしてます。(爆
【 甦る神話 (序-1)】
9月下旬というのにまだまだ暑い日曜日の午後。遅めの昼食を済ませた僕は、依頼されて
いた現行の執筆にとりかかろうと、机に付いた矢先だった。
突然市の防災放送のサイレンがけたたましく鳴り出した。
『こちらは南山市防災課です。夕日台地区沖ににゴジラが出現しました。現在市街地西部
に向かって移動中です。住民の皆さんは誘導に従い、速やかに所定の避難場所に避難して
ください。繰り返します。夕日台地区沖にゴジラが出現・・・・・・』
とうとう日本、よりによってここに現れたかと思いつつ、商売道具のノートPCと、保存
食のセットを急いでデイバッグに詰め込み、アパートの外に出た。
アパート前の道路は、すでに避難を始めた大勢の人であふれていた。それこそ、この町に
こんなに人がいるものかと、今更ながら驚くほどだった。
604 :
あまぎ:2005/11/21(月) 00:26:28
【 甦る神話 (序-2)】
警官の誘導する声に、避難所へ急ぐ人々の足音、悲鳴、鳴き声、罵声、そんな喧騒に混じっ
て、爆発音や巨獣の遠吠えが聞こえてくる。10キロ以上離れた場所にいるにも関わらず
はっきりと鳴き声が聞こえるほどだ。恐らく身長60mクラスの大物だろう。自衛隊が足
止めしたとしても、どこまで時間を稼げるのだろうか。
待てよ、自衛隊がゴジラの足止めをしてくれるのだろか?
確かに付近の基地から離陸した練習機が、偵察任務なのだろう、しきりに飛び回っている。
しかし過去の事例では、ゴジラを迂闊に刺激すると、射線線混じりの熱線を吐かれ、一帯
は火災と、放射線による一時的な汚染地帯となってしまう。消火もままならずかえって被
害は拡大する一方だった。そうやって今までいくつかの都市や街が廃墟と化した。
返って攻撃しない方が良いという意見さえ出ているほどだ。
ゴジラはこの先にある原子力発電所を狙っている。わざわざ上陸してくるくらいだ、余程
腹を空かしているに違いない。
いくら攻撃は避けるという意見が、世の中の主流であっても、流石に原子力発電所を破壊
される事だけは避けるだろう。もし破壊されれば、半径数キロが数十年間、下手をすれば
数百年もの間放射能で汚染されてしまうのだから。
きっとあと数分で、爆装した支援戦闘機が飛んでくるに違いない。
避難所へ向かう集団は、流れてはいるものの、なかなか先に進まなかった。子供や老人が
大勢いるということもあるが、恐怖や緊張感で歩けなくなる人々もいた。
605 :
あまぎ:2005/11/21(月) 00:33:23
【 甦る神話 (序-3)】
避難所へと進みながら、僕は祈る気持ちで、雲ひとつ無い空を見上げた。
と、避難所へ向かって移動する集団の中に、大きな影が二つ落ち、それらはものすごい速
さで、移動していった。戦闘機にしては大き過ぎる影。
誰もが頭を巡らし、その影の行方を追った。
「戦闘機?」「自衛隊かな」「飛行機にしては変だよね」等、まるでスーパーマン登場の
シーンのような、もしかしたら数十分後には命を失っているかも知れない状況下では、少
し間が抜けて聞こえる台詞を口にしていた。
そして話し声は、影の正体が明らかになったところで、大きなどよめきに変わった。
影の主は港のある辺りで回転を止めると、甲の中から頭と腕を出し、戦闘体制に入った。
そしてゴジラのいると思われる方向に向かってオレンジ色の火球を吐き、僕らの頭上を飛
び去って行ったた。
影の正体、それは2頭のガメラだった。
606 :
あまぎ:2005/11/21(月) 20:46:08
【 甦る神話 (1-1)】
202 名前:おーさわ 投稿日:2007/05/17 00:36:03
ふっふっふっ スリランカ、行って参りました!
なーんとまだまだ立入り禁止でした。あれからもう一ヶ月以上になるのに。
こりゃぁ完全に真っ黒けな陰謀に溢れてるな。
203 名前:みっちゃん 投稿日:2007/05/17 00:43:05
ほへーっ。ナイショの旅行って、あの場所に行く事だったんだ。で、お土産は?
204 名前:おーさわ 投稿日:2007/05/17 00:47:31
無いよ。あ、今度のオフ会に来るなら、みんなで飲もうとお酒買ってきたけど、どよ?
205 名前:小町 投稿日:2007/05/17 00:51:39
乗った! 私行くよ〜ん。お酒げえええっとおぉ!
206 名前:馬@管理人 投稿日:2007/05/17 00:59:24
ごちになります。ザルの小町っちゃんは別テーブルで(笑)
ところでおーさわさーん。肝心のスリランカ レポの方は?
詳細はオフ会の時って事かもしれないけれど、参加で着ない人や、待ってられない人だっ
ているわけだ。あんまり勿体ぶると、暴動がおきちゃうよ(汗っ
207 名前:おーさわ 投稿日:2007/05/17 01:03:24
ふっふっふっ はっきり言って、大した収穫はありません。
まず例の(誰も信じちゃいないだろうけど)鯨?のお肉が漂着した海岸。未だに放射能汚染
が激しいって事で、半径500mは立入り禁止でした。ご丁寧に頑丈な柵まで作って、中
の様子が辛うじて見える程度。
放射のーは怖いけど、怖いもの見たさの方が打ち勝って、柵の隙間からじっくりと観察し
てみたんだけど、何かが漂着したっていう痕跡すらありませんでした。
ま、とーぜんと言えばそれまでなんだけど。
それだけじゃつまんないから、そこいらの住民と思しき人と話をしてみたんだけど、殆どが
嫌な顔をしたね。年寄りなんかは、ありゃ悪魔の仕業だって言ってたし。
607 :
あまぎ:2005/11/21(月) 20:50:04
【 甦る神話 (1-2)】
208 名前:通行人A 投稿日:2007/05/17 01:05:14
おはつです。例の漂着物の話ですか? ワクワク
209 名前:おーさわ 投稿日:2007/05/17 01:14:31
住民A@男性10代
『10mくらいあったよ。みんな珍しがって集まったんだけど、そこに集まった連中、2
〜3日したら、みんな変な病気にかかっちゃって。髪の毛が抜けたりとか。』
住民B@男性40代
『あれが打ち上げられる前日の夜中だったかな。沖の方から獣の鳴き声が聞こえたよ。そ
のとき、水平線がぼんやりと明るく見えたような気がしたな。あんな恐ろしい声は聞いた
事が無い。海の魔物だ。』
住民C@女性20代(かーいかった)
『私の父が病気になりました。悪魔よ』
住民D@女性20代
『集まった人たちが突然倒れるものだから、ちょっとしたパニックでした。救急車や警察、
挙句には軍隊までやってきて。もうこりごりよ!』
住民E@男性80代(壊れかけ)
『ひひひひひ、月夜に悪魔が踊っておるのじゃ。ふへっふへっふへっ、もうじき人間は悪
魔に食われてしまうのじゃ!』
608 :
あまぎ:2005/11/21(月) 20:57:52
【 甦る神話 (1-3)】
210 名前:みっちゃん 投稿日:2007/05/17 01:16:05
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
211 名前:おーさわ 投稿日:2007/05/17 01:19:31
代表的な意見はこんな感じで、全ての意見をまとめてみると↓な感じ
・お肉は10mくらいの大きさがあり、緑色の血?が流れていた。
・体の一部なんだろうけど、何の動物かは不明。
・体表と思われる部分は黒く、岩の様にゴツゴツした感じ。
・強い放射線を出していた。(現在も漂着地点には残留放射能あり)
・近づいた人は、程度の差こそあれ、放射線障害にかかった。
・漂着の前日、沖から恐ろしい鳴き声。沖の海上がぼんやり明るかった。
・お肉を持ち去ったのは軍隊説と研究所説、謎の組織説等様々。
・悪魔の仕業じゃぁ〜〜〜。
さて、あの謎のお肉の正体は・・・ 放射能を帯びた新種の生物か? もしかすると、世紀の
大発見ですぞ!
って事で、この時に知合いになった現地人に、デジカメと少しばかりの小遣いを渡して、
何かまた漂着したら、写真を送って貰うことになってます。
では、オヤスミなさい
212 名前:馬@管理人 投稿日:2007/05/17(木) 01:24:01
情報が少ないながらも、レポートありがとう & お疲れ様でした。
現地からの写真も大いに期待。
もしこれが本当に新種の生物なら、まさに世紀の大発見だ。
僕らも歴史に名を残せるかも?
ところで週末のオフ会なんですが、いつもの場所にいつもの時間です。飛び入り参加OK。
希望者はメールをください。詳細を連絡します。尚最近スパムも含めて、とんでもない量
のメールが来るので、タイトルには『【馬】オフ会【UMA】』って記入してください。
でないと、うっかり捨てちゃうかも。ヨロシク!
609 :
あまぎ:2005/11/21(月) 21:03:17
【 甦る神話 (1-4)】
===============================================================================
一月ほど前、スリランカのある海岸に奇妙な生物の残骸が漂着した。
公式発表では、それは鯨に類するものの残骸で、たまたま放射能で汚染され、放射線を発
しているとの事だった。肉片は被爆の危険があるからと即刻処分され、調査のために一部
だけがどこかの研究機関に預けられたという。
不鮮明ながらも数点の写真が公開されたが、素人目にも鯨の一部には見えなかった。いく
ら放射能に汚染されたからといって、皮膚の表面が溶岩ような塊になるわけがない。
マスコミでは一週間ほど話題になったものの、それ以上の進展が無いため、一月以上過ぎ
た今では、ワイドショーのネタにすらならないのは、いつものとおりである。それに加え
て数日前に尖閣諸島近海で起こった中国原潜の事故で、日本政府は中国政府からあらぬ疑
いをかけられ、てんやわんやの状態であり、挙句には戦争勃発論まで出る有様で、当然な
がら世間の関心の殆どは、この問題に向けられていた。
そんなマスコミを他所に、インターネット上では未だにホットな話題であった。
まず多くの自然保護団体とその周辺団体、更に反原子力団体が、環境保護を合言葉にそれ
ぞれのサイトで一大キャンペーンを呼びかけていた。その資金稼ぎに、グリーンバンドな
る腕輪型アクセサリーまで売り出され、これを付けてない者は反自然主義者みたいな目で
見る連中も少なからずいた。また原発(当然だな)や自衛隊基地(なんでだ?)、米軍基地(分
かる気もする)周辺では連日デモが行われていた。
そんな連中とはまた別に、この事件を大歓迎するサイトも多数あった。
その中でもUMA、つまりネッシーや雪男に代表される未確認生物を紹介したり、考察す
るサイトは、今までにない程の盛り上がりを見せ、ちょっとしたお祭り状態になっていた。
当然ながら僕こと原田竜太(ハンドル・ネーム馬尾三太三)の主催する『UMAの世界』と
いうサイトの掲示板でも、殆どその話題で持ちきりだった。
ここの所本職の方も忙しくなりだし、サイトの更新も休憩しようかなと思っていた矢先の
出来事であり、公私共にくたびれる毎日が続いていた。
610 :
あまぎ:2005/11/22(火) 23:55:16
【 甦る神話 (2-1)】
僕の本業は、とある無名私立大学の、生物学講師である。
とは言ってもUMAの研究についてはあくまで趣味であり、学内では悟られないようにし
ていた。三流大学とは言っても、仕事上でそのような怪しい研究をやれば、異端視されて
しまうのが常であり、僕のような一介の講師風情の首なんか、すぐに飛びかねないのだ。
でしまう、それほど厳しいものなのだ。
しかしUMAを抜きにしても、生物学は好きな学問だから、この業界が窮屈だとはいって
も決して嫌いなわけじゃない。そうでなければ、とっくに別の仕事に就いているはずだ。
そんな大学の研究室で、次週の講義で必要な教材の準備をしている時だった。
いつも定位置に置いてあったはずの、標本が行方不明になっていた。暫く使った事がなかっ
たし、そう言えば年末の大掃除で、不要なガラクタ類を処分したりもしたから、まさかそ
の中に紛れ込んでしまったのだろうか。丁度良いタイミングで、その時大掃除を手伝って
いた助手の一人が現れた。
「あ、山瀬君。ここにおいてあった標本、どこに片付けたか覚えてない?」
「えーっと、そうそう、標本類はまとめて隣の倉庫の棚に保管してますよ。」
「サンキュ!」と礼もそこそこに、僕は今まで殆ど入った事のない倉庫に入り、目的の標
本を探し当てる事が出来た。
そのとき標本の横に無造作に置いてあった、プレパラートが何枚か入っている小箱の古ぼ
けたラベルに目が行き、驚きのあまり、思わず手に持っていた標本の箱を、落としそうに
なってしまった。
その色褪せたラベルには手書きで【ウバザメ(ニューネッシー)】と書かれていた。
ジョークだろ、おい。んな物がここにあるなんて。
611 :
あまぎ:2005/11/23(水) 00:01:30
【 甦る神話 (2-2)】
研究室の机に戻り、その小箱の中身とラベルを交互に見ていると、
「こらまた懐かしいもんを見つけたね。まだ捨ててなかったんだ。」と不意に声を掛けら
れ、心臓がドキリとした。この研究室の重鎮、仲根教授だった。
僕は出来るだけ冷静を装いながら、
「これって冗談ですよね?」と言った。が教授の答えはあろうことか
「ホンモノだよ、それ。」
さらりと返ってきた返事に、僕は椅子から転がり落ちそうになった。
「僕が卒業する年だったかな。その標本を作ったのって。当時ここの主だった関教授が大
のネッシー好きでね。生物学の道に入ったのもネッシーの正体を暴くためってって程のお
人だったんだよ。
あのニューネッシーの事件の直後、どんな伝を使ったのかは知らないけれど、このサンプ
ルと写真を分けてもらって来てね、僕がこれを作らされたってわけ。」
言われてみれば、ラベルの筆跡は仲根教授のものだった。
「写真もまだここに残ってるんですか?」
「確か僕の机の引き出しの中に・・・・・・」教授は引き出しの中をごそごそと手探りし、黄色
く変色した封筒を取り出した。そこから出てきた10枚の写真は、殆どが雑誌などで公開
されているものばかりだったが、残りの3枚は、プレパラートの顕微鏡写真なのだろう、
初めて目にするものだった。
写真と一緒に出てきた分析結果の記録は、公式発表どおりウバザメのものと殆ど一致。
これといって新たな発見はできなかった。ただ一つだけ気になるものを除いて。
それは顕微鏡写真の1枚に写っていた。通常の動物の細胞にあるものとは異なる、組織の
ようなものが写っていた。
「君も気になるとは、流石に目が早いね。」
「何ですか、この影みたいなものは。」
「僕もあれこれ分析を試みたんだけれど、ほら、見てのとおり腐敗が酷いでしょ。だから
正体は分からなんだ。変質して何か別の組織に見えてるだけっていう結論だったよ。」
「これが新発見の組織なら、ニューネッシーは新種の生物として、脚光を浴びてたんでしょ
うね。」と僕が言うと、教授は、さあどうかなといった顔で苦笑した。
僕はこの標本を盾に趣味と実益の研究ができるとばかり、ちゃっかりその写真と標本を借
り受けた。
612 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:29:38
【 甦る神話 (3-1)】
今回のオフ会は、大型連休直後の給料日前ということもあって、集まったのは5名だった。
僕の他、常連のおーさわ氏、みっちゃん、小町、そして初参加の通行人A氏。
僕らがオフ会を開くときは、いつもこの居酒屋『遊馬』を利用していた。居酒屋にしては
わりと静かで、声を張上げて会話する事も無いし、何と言ってもマスターがまたUMA好
きなのだ。店が暇な時なら早めに暖簾をしまい、取って置きの一升瓶を片手に話に乗って
来るほどだった。
「あのお肉の主はだ、遺伝子操作で作られた軍用兵器に違いないって。」
アルコールで気分がほぐれたところで、おーさわ氏が、持論を説く。
「だけどぉ、放射能の中でも生きられる未知の生物がいても不思議はないでしょ。」
「そうだね。去年だっけ? 植物と動物の中間みたいな生物が発見されたし、その前は金
属の足だかなんだかを生やした貝も見つかったよね。」
と色々反論も出て、おーさわ氏は苦戦気味だった。そこへ、新顔のA氏が助け舟。地図を
広げながら、
「これなんですが、ここ数年で頻繁にUMAらしきものが目撃されているポイントです。
ソースはあちこちのUMAサイトや一般のニュースサイト、それも新聞の隅っこにしか載
らないような記事のものまで含めてるから、100%信憑性があるとは言えませんが。」
それは世界地図にUMAの目撃地点と日時が細かくプロットしてあるもので、彼の几帳面
さを窺わせる力作だった。
613 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:31:34
【 甦る神話 (3-2)】
「ほらここ。話題のスリランカを含むインド洋近海を中心に、近年の目撃例が多いでしょ。
しかも増えだしたのは、'04年の暮れ以降ですよ。例の大津波の年。でもって、翌年は世界
中で大地震や台風、巨大ハリケーンの被害が例年に無く集中して発生してます。
おーさわさんの話を聞いてピンときたのは・・・・・・」
一同A氏の説に聞き入る
「このインド洋近海の小島に、米軍の秘密研究所があったんじゃないかと言うことです。
それがあの津波や、その後発生した地震で施設が破壊され、人工的に作り出された怪物が
逃げた。一月前、やっとの思いでそれを見つけた米艦隊は、世間に秘密が漏れる前に処分
したが、肉片の一部が大衆の目に付くことになってしまった。」
「そう考ると、全てが繋がるな」うんうんと真っ赤な顔で満足げに頷くおーさわ氏。
肉片漂着の前夜に聞こえてきた獣声、爆弾の物であろう閃光、肉片の速やかな回収等、確
かに誰もが納得しそうな答えには聞こえるが、軍の秘密研究という一言がまた胡散臭さを
醸し出してもいた。
どちらにしても標本や根拠が無い以上、想像の粋を出ないのは確かだった。
「ところでさ、インド洋近辺の黒丸印は、海獣型というか洋上で目撃された奴でしょ。で
もって、緑丸印は何? これも'04年以降増えてるけれど。」と目敏くみっちゃん
「よくぞ気付いてくださいました。これこそスリランカ事件の本命と、個人的に思ってい
る、フライング・ロックです。」顔を見合わせる一同。
「火を噴きながら回転飛行するっていう、大岩みたいなUFOの事?」と僕。
「正解!」
「それって、スレ違いでつー。」某巨大掲示板調でおどける小町。
「否定はできないと思いますよ。フライング・ロックの表面は、スリランカの肉片に非常に
近い感じがしたって目撃談もあるほどですから。もしかしたら、フライング・ロックと海
獣は同じ生物という可能性もありますね。海中から空に飛び上がるのが目撃されています。」
「でも生き物が火を噴きながら飛ぶかしら?」
僅かに表情が曇るA氏。
614 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:33:00
【 甦る神話 (3-3)】
「ちょっと待った、小町さん。」とみっちゃんが割って入る。「君のHPに出てた、伝説
の記事、そこに島が飛んだ話があったでしょ。普段は島のように見えて、実は神様だったっ
て話。」
「ああ、大戸島の荒海神(あらみかみ)ね。確かに私のサイトは、伝説に登場するUMAを
現実的に解釈出来ないかって事に焦点をあててるけれど、それでも御伽噺以上に考えられ
ないものも沢山あるわ。荒海神だってその一つよ。もしかしたら竜のバリエーションの一
つじゃないかしらって思ってるんだけど。」
「島人に悪さをする黒鬼を、荒海神が退治するって話だったよね。そう言えば、今年じゃ
なかったっけ、その神話を基にした祭りが行われるのって?」
「さーすが馬さん。よく覚えてらっしゃる。つい先々週の水曜日。取材の結果は明日更新
予定のサイトを見ての、お・た・の・し・み」ふふっと彼女は悪戯っぽく笑った。
「荒海神(フライング・ロック)に退治された黒鬼(肉片の主)は、見るも無残にバラバラに
され、遠くスリランカへと流されましたとさ。」みっちゃんが茶化すと、どっと笑いが戻っ
た。
それから暫く談笑を続けていると、A氏が思い出したように
「もう一つ面白い事というか、気になる事を発見したんです。」と言った。
「おおおっ、A氏、すげえぞ!」大分出来上がったみっちゃん。
「まだ何も言ってまへんがな。」一同大笑い「ほら、例の中国潜水艦。あれを沈めたのは
海獣の仕業じゃないのかな。ほら、この写真を良く見てください。」
それは何度も公表されている写真の一枚だった。
「鉤爪か何かで外板をめくり上げたって感じの壊れ方よね。引っかき傷みたいなものもあ
るし。」
「そうです。しかもこの区画って原子炉。狙ったとしか言い様が無い。」
「ううむ、放射能、スリランカ、お肉、放射線障害、軍隊の暗躍 中国原潜事件・・・・・・」
酔いも手伝ってか、A氏の生物兵器説が本物のように聞こえてきた。
615 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:34:28
【 甦る神話 (4-1)】
オフ会の翌日、日曜日の早朝だというのに目覚まし時計は真面目に仕事をし、僕が停止ボ
タンをぶっ叩くまで、そのけたたましいベルの音で二日酔いの脳みそを引っ掻き回してく
れた。おかけで二度寝しようにも、妙に目が冴えてしまい観念して布団から出た。
飲みすぎたつもりはないのだが頭が重い。おーさわ氏の土産の酒のせいかな?
座椅子に座ってテレビのスイッチを入れ、手元にあった飲みかけの、ぬるいスポーツドリン
クを口にしつつ、ぼんやりとテレビを見る。たまたま映し出された番組は、この時間帯だ
と子供向けのヒーロー物だろうか、炎上する大都市で怪物が暴れまわっていた。
『・・・・・・美しかった上海は今、怪物の放つ炎で地獄と化しています!』
妙に不安定な画面と、おどおど喋る現地アナウンサーの声に重なる同時通訳の淡々とした
口調が、リアルな中継番組を見ている様で、最近の特撮物はテレビとて侮れん等と感心し
ながら、僕は画面に釘付けになった。
巨大な怪物(今時の番組にしては造形が妙に古臭い)も、最近の高層ビルの高さには勝てず、
昔ほどの威厳は感じられない。
怪物の進行を阻むべく空軍らしき戦闘機が飛来しているものの、地上には大勢の逃げ惑う
人々がいる為に、散発的な機関砲攻撃を仕掛けているが、全く効果はなく、逆に怪物の炎
に焼かれ撃墜されるものもあった。
ぼちぼちヒーローの登場かなと期待しているのだが、一向に場面が変わる気配はなく、時々
怪物をズームアップする程度だった。凝った演出の割りに、進行と場面の描写が不味く、
これでは、30分番組と言えども子供を虜にすることはできないだろう。40点、等と批
評しながらリモコンを取りかけた。
616 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:35:51
【 甦る神話 (4-2)】
その時携帯電話が鳴りった。日曜日の朝っぱらから掛かってくる電話は原則無視なのだが、
液晶に点滅している『Calling from 小町』とう文字を見て、フックボタンを押した。
「おはよう、こんなに早くからどしたの? デートのお誘いなら・・・・・・」とガラガラの声
で軽い冗談を言った。
「テレビ、テレビ! どこでもいいから早く!」早口でまくしたてる彼女。
「おい落ち着いて。テレビなら点けてるよ。ちょっとイマイチな特撮物みてたとこ。そう
そう、ん? 全部のチャンネル? うん、んん?。」金切り声で一方的に喋り捲るのでど
うも要領を得ない。オフ会の話の続きのつもりらしいのだが、まだ半分ほどぼんやりした
頭では、マトモな受け答えもできず、そんな僕に怒った彼女は「だから、実況なの!!」
最後は音が割れていた。
僕は電話を切った後、慌ててチャンネルを色々変えてみて、どの局にも一様の映像やニュー
スが流れている事で、漸く事の重大さに気付いた。
『只今ご覧の様子は、中国・上海の模様です。今朝6時45分頃に突如出現しました巨大
生物によって、上海の街は破壊されております。現在空軍が攻撃し進行を阻止しようとし
ておりますが、現場付近にはまだ多くの一般市民が取り残されており、効果的な攻撃がで
きない模様です。』
淡々と話すアナウンサー、映し出される生の映像。
僕は数年前にアメリカで起きた同時多発テロの中継を思い出した。人生においてあれほど
センセーショナルな事件はそう何度も発生はしないだろうし、仮に発生したとしても、ラ
イブ映像にお目にかかれるなんて事は二度と無いだろうと思っていた。そんな驚くべき映
像が、目の前の小さな画面上で展開しているのだ。
『只今入りました続報によりますと、空軍は一旦引き返し第二次攻撃の準備に取り掛かっ
ているとの事です。放送機器の故障でしょうか、現地からの音声に雑音が入り聞き取れな
くなっております。』
僕はそのままテレビに釘付けになった。
617 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:37:36
【 甦る神話 (4-3)】
最初の攻撃が終わってから20分程の後、第二次攻撃だろうか、カメラが戦闘機を追った。
その素早い動きは望遠では捕らえきれず、広角に切り替わったところでやっと小さな点と
して写った。その点が一瞬赤い光点になり、次の瞬間、画面の左側が爆発。カメラは慌て
て、左側、怪物へと向けられた。
怪物は吹き飛ばされ、ビルに激突していた。外壁を崩しながらも、捻じ曲がった鉄骨に支
えられた怪物はすぐに体制を整えると、戦闘機めがけて炎を放った。
カメラが振られ、画面は再び戦闘機を映し出すはずだった。しかしそこに映ったものは、
誰もが想像していた戦闘機などではなく、僕はおろか、それまで同じ記事を繰り返し読み
上げていたアナウンサーの声までもが失われた。
カメラは別種の巨大生物が、飛行しながら地上の怪物に突進していく姿を捉えていた。
地上からの攻撃をかわしながら、突進していった飛行生物は、もう一度火球を吐くと、急
上昇して画面から消えた。地上の怪物はその航跡を目で追い、次の攻撃を警戒しているよ
うに見えた。
だが怪物の警戒も空しく、飛行生物のものと思われる火球が、今度は怪物の背後から襲い
かかって爆発に変わり、同時に現場からの映像もそこで途切れた。僕はチャンネルを切り
替えてみたが、ライブらしき映像はどこも途絶えてしまっていた。
それから1時間程経って、新しいニュースが入り始めた。驚くべき事に中継が途絶えた直
後、新手の飛行生物が飛来したという。2頭は共同で怪物を倒し地上に着陸しようとした
ところで、到着した第二次攻撃隊のミサイル攻撃によって撃退され、太平洋方面に向かっ
て逃走したところまでは分かっているものの、消息は掴めていないそうだ。
更に驚いたのは、恐竜型の生物の死骸からは多量の放射線が検出されるらしい事だった。
上海の巨獣とスリランカの肉片を結ぶ、放射能というキーワード。もしかして同種の生物
なのだろうか。
618 :
あまぎ:2005/11/23(水) 13:41:30
【 甦る神話 (4-4)】
携帯電話にも、早速何通かのメールが入っていた。
From:小町 Date:07.05.20 Time:09:32
やっほ〜♪ 15時テレ西ちぇぇぇっく! ヨロm(__)m
From:おーさわ Date:07.05.20 Time:09:12
ふっふっふっ、おーさわです。ほーら、やっぱり放射能生命体ですよ。
From:A氏 Date:07.05.20 Time:08:45
フライング・ロックですよ、あれって。アーケンロンみたいな奴だったとは
From:マスター Date:07.05.20 Time:07:42
おいTV点けたか? 腰抜かすなよ!
From:みっちゃん Date:07.05.20 Time:07:11
キタ━━(゚∀゚)━━!!
昼頃にはどこの局でも生物学者を中心とした特番が組まれ、新たに届いた映像や現在の実
況を織り交ぜながら、推測の域を出ない、それこそ僕らのサイトでの論議と変わらないよ
うな、とりとめもない話を繰り返していた。
笑える事に、有名大学の学者の数が足りないのか、うちの仲根教授も駆り出されていた。
小町っちゃんがメールで知らせてきた番組も、そんな特番の一つだと思われるのだが、わ
ざわざみんなに知らせるくらいだ。きっと他の局でやってるような番組とは一味違うもの
なのであろう。
しかし、そこでちょっとした疑問。今日の特番は新聞には出てるはずがないのに、なぜ彼
女は知ってたのだろう。 局のサイトに出てたのか?
15時になってその疑問はすぐに解決した。それどころか軽い眩暈に似たショックを感じ
た。
コメンテーターの生物学者やタレントに混じって、小町っちゃんが並んでいるのだ。
IDでてないから
>>606嵐かと思って読み飛ばしてしまったorz
>>618見てやっと掲示板風にかいてるんだとわかった
>>619 ある意味オーソン・ウエルズのラジオドラマ、宇宙戦争みたいな
効果が出ちゃったわけね。
でもよく見ると、日付が2年後だったりして(笑
自分もその掲示板方式つかってみようと思ってたら先こされちった・・・_| ̄|○
622 :
あまぎ:2005/11/24(木) 01:08:31
【 甦る神話 (5-1)】
小町嬢推薦と言うか、彼女自身が出演しちゃってる『甦る伝説 -上海に出現した怪生物の
正体に迫る-』と題した番組もまた、他局のスペシャルと大差ない内容で進んでいた。しか
し番組の中盤に差し掛かったところで、趣向を変えてきた。彼女が出演していた理由もそ
れだった。
『上海に突如現れた巨大生物たち、その正体は一体何なのでしょうか? ここで我々は少
し違った角度からアプローチしてみたいと思います。』と言って司会が小町を紹介し、同
時に【民話・伝承研究家 中川洋子】というテロップが出て思わず苦笑した。
『さて中川さん、この巨大生物たちなんですが、一体何だと思われますか?』
『そうですね、今まで集められた情報の断片をつなぎ合わせていくと、ある伝説に行き当
たります。伝説・伝承はその内容から御伽噺みたいなものと考えられがちなのですが、し
かし何らかの真実が含まれている場合もあるということを念頭において聞いてください。』
初めてのテレビ出演の割には落ち着いてるなと、妙な関心をしながら続きを見た。
『この大戸島という島に古くから伝わる伝説は、私のサイトでも粗筋を紹介してますので、
ご存知の方もいらっしゃると思います。今日は2週間前に取材して入手した、新たな情報
も含めて紹介したいと思っております。』
623 :
あまぎ:2005/11/24(木) 01:14:53
【 甦る神話 (5-2)】
彼女は大戸島の伝説を語り始めた。同時にその島に伝わる伝説の描かれた絵巻が、画面に
オーバーラップされた。
『遙か昔の事、日本に干ばつや大地震、強い台風が吹き荒れる年がありました。ここ大戸
島も例外ではなく、島民達は不作・不漁に苦しんでおりました。
島民達は天地の神々がお怒りになりこの様な災いが続くのだと思い、神々の怒りを静める
為に、様々な儀式を執り行いました。しかし災は一向に収まる気配を見せず、それどころ
かますます猛威を振るうようになりました。
そんな時期、ある日を境に山の方から不思議な音が聞こえて来るようになりました。それ
は地震の地響きにも似た音と、恐ろしい獣の鳴き声様な音でした。
島民達は恐怖に戦き、昼間であっても家の外に出る者はいなくなってしまいました。
このままでは島が全滅してしまう、そう心配に思った3人の男が、音の正体を確かめ皆を
安心させようと、怪音が聞こえてくる裏山の奥へ出かけて行きました。しかし2日経って
も3日経っても3人は帰らず、4日目の昼頃になって漸く戻ってきました。
しかし戻ってきた3人は、村を出た時とは変わり果てた姿になっていました。髪は抜け落
ち、火傷の様な傷を負い、そして3日後には死んでしまいました。死ぬまでの間、彼らは
うわ言で「小山のような黒鬼がいる」と言い続けたそうです。
その話を聞いた島の長老は、500年前にも同じ様に黒鬼が現れ、その姿を見たものは三
日病で死んでしまったという言い伝えを思い出しました。
『黒鬼を退治するには、荒海神様を呼ぶしかない。じゃが荒海神様も恐ろしい神様で、人
身御供を出さねばならぬ。』
村では荒海神を召喚する儀式が行われ、村で年頃の娘の一人が荒海神への人身御供
として差し出され、小船で沖へと流されました。
それから7日後、島は終日大嵐に見舞われました。同時に激しい風雨の音に混じって、恐
ろしい鳴き声と地響きが聞こえ、時折空が赤や青い光で染まりました。黒鬼と荒海神が戦っ
ていたのです。島民達はひたすら念仏を唱えました。
翌日、嵐は嘘のように去って空は晴れ上がりました。そしてそれ以来、黒鬼の声も途絶え、
村は平穏を取り戻し、畑には緑が、海には魚が戻ったということです。』
624 :
あまぎ:2005/11/24(木) 01:23:29
【 甦る神話 (5-3)】
『なるほど、それが大戸島の伝説ですか。黒鬼と荒海神、さて画面にはこの伝説が描かれ
た絵巻が出ていると思いますが・・・・・・』
彼女は絵巻を指し示しながら、島の伝説と、今回の巨大生物との共通点の説明を始めた。
『これです、黒鬼と荒海神。ほら黒鬼が恐竜型、荒海神が飛行生物に酷似してますよね。
二つ目のポイントは、三日病です。これは明らかに放射線によるものだと思います。
そして三つ目ですけれど、赤や青の光に染まった空。上海の巨大生物も、同じ色の炎を吐
いています。』
『ははぁー、確かに酷似してますね。それと他に指摘されたポイントも、今回の事件に一
致してますが、これは伝説の生物が現代に甦ったということでしょうか?』
『ある意味そうだと言えますね。いいですか、伝説では大災害の続く年に現れると言って
います。』頷く司会者。『そしてご存知だとは思いますが、謎の生物が頻繁に目撃されだ
したのは、'04年、つまりスマトラ地震前後からなのです。この事も妙に一致しますよね。
それがなぜなのかについては、今後科学的調査が必要だと思います。』
『もしかしたら地底世界が存在して、地震の度に異世界への扉が開くのかもしれませんね。
ところでこの黒鬼と荒海神ですか、別の名前があると聞きましたが。』
画面では絵巻に書かれている文章の一部がアップになり、彼女がそれを読み上げる。
『「小山のごとき黒鬼の名を護死羅、荒海神の名を鎧冥羅と言ひけり・・・」』
神妙な顔つきになった司会者のアップ『黒鬼、つまり恐竜型を"ゴジラ"、そして荒海神、
飛行型を"ガメラ"ですね。』
この瞬間、巨大生物の一般的な呼び名は、いとも簡単に決定された。
それまでどこの報道機関でも、巨大生物とか恐竜、飛行生物、フライング・ロック等と呼んで
いたのだが、これ以降全てのメディアはゴジラ、ガメラを採用し、その名はネットを通じて
世界にも瞬く間に広がった。
625 :
A級戦犯:2005/11/24(木) 07:38:56
掲示板の形式を利用するスタイルは特撮板でやったことがあるが、こっちの方が上手い(笑)。
悪名高い「火星人襲来」より、HPラヴクラフトの「ダニッチの怪」を初出誌で呼んだ読者はこんな感じを受けたんじゃあるまいか?
このスタイルでいく場合、最大の難関は直接対決シーンの描写だ。
普通の表記形式に戻したほうが楽だし自由だが…。
全部掲示板やメールの形式にするのはムチャ(笑)。
途中で一回だけってのは「ダニッチ」「原子怪獣あらわる」「ゴジラ」で先を越されてる。
オレ的にはアイディアが浮かばないが、作者の「あまぎ氏」は叙述トリックを使うような方だから……。
アッと驚く大技が出たりして(期待大)。
なんかドキドキしてます・・
期待をいい意味で裏切ってますが、面白いっす。。
「3つの アイテムを あつめるやつが またでたか!」
628 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/25(金) 00:20:21
ガメラが絡むと展開が現実的になって等身大の凄みを感じてしまう。面白いっす。
629 :
あまぎ:2005/11/25(金) 01:12:59
【 甦る神話 (6-1)】
ゴジラの上海上陸から1週間が経過した。
現地では国連の呼びかけに即応した日本やアメリカを中心に、医師団や救援隊が結成され
被害者の救助や治療に当たっていた。
報道によれば、上海の街はゴジラの死骸を中心に半径3キロが完全に封鎖されたそうだ。
放射能の汚染は酷く、死骸を移動しないかぎり、生物が生存できない土地となってしまう
だろうと言われた。
ゴジラの死骸の処置に関しては依然様々な方面で論議の的になっていたが、目下最大の焦
点はそれをどのようにして運搬するかであった。全長50m、全高だけでも30mはある
といっても、これが僕らの常識の範囲内での生物ならば、その手段はいくらでもある。
問題なのは、ゴジラが大量の放射能を帯びているということだった。
まず簡単に近づけない事が作業を困難していた。そして下手に解体した場合、そこから流
れ出した体液で、地下深く汚染の範囲が広がってしまう事も考えられる。だからと言って
このまま放置したとしても、いずれ腐って同じ結果を招く事に違いはないのだろうが。
結局中国政府は上海の放棄を決定した。その場で解体作業を行い、必要な標本を採取した
後、街もろとも焼き払うという強引なものだった。
中国政府の抜け目無いところは、外貨を稼ぐチャンスとばかり、金さえ出せば国内外の誰
であろうと、自由に標本の採取を認める権限を与えた事だった。当然珍しい生物の標本欲
しさに、多くの研究機関や大学、中には個人的なマニアがこれに応じた。当然うちの大学
も例外ではなく、中根教授他5名が貴重な研究材料を求め上海へと発った。
勿論僕も調査チームに潜り込んだ事は言うまでも無い。
630 :
あまぎ:2005/11/25(金) 01:16:08
【 甦る神話 (6-2)】
自然保護団体の活動も、ゴジラとガメラの出現により更にに活発化した。
太平洋のどこかに潜んでいるガメラを保護しようと言うキャンペーンが張られ、ガメラ保
護を訴えるTシャツ、マスコット等が飛ぶように売れ、世界中のヒット商品となった。多
くの企業もここぞとばかり便乗し、ガメラの保護という本来の目的以上に、お祭り騒ぎ的
要素の方が大きくなっていった。
ゴジラを倒したガメラは人類の味方という、短絡的な意見が彼らの定説になっていた。
またゴジラの処置に関して、廃棄処分という決定を下した中国政府に対しては、連日抗議
活動が行われていた。
いつも思うのだが、この手の活動家や団体は一体何を考えているのか、訳が分からない。
こいつらは、自分の家の庭先でゴジラやガメラに行倒れられたとしても、ニコニコしてい
られるのだろうか。
さてこの様なお祭り騒ぎとは別に、国連でも件の巨獣を保護すべきかどうかについて、論
議されていた。
何しろ放射能を帯び、おまけに火を吐く危険な生物である。一歩間違えれば、上海の二の
舞となってしまうだけに、その取り扱いに関しては、簡単に決めかねると言うのが多くの
意見だった。また今後の研究や調査の結果にもよるが、ゴジラやガメラが希少生物である
可能性も考慮されければない。
結局当面の間は準保護動物として扱う事になった。但しこれにはワシントン条約の適用は
無く、その処置については各国の裁量に任せられることになった。例えば領海内で発見さ
れた場合は威嚇して公海へ追い出しても構わないし、上陸が明らかなようであれば撃退、
万が一殺しても止むを得ないということだ。
けちつけるわけじゃなく、ふと思ったんだが
高レベルの放射能を発する生物の死体って腐るのかな?
生物が近づけない状況なら微生物も近づけなさそうなんだが。
632 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/25(金) 16:03:13
実際にそういう生物の死体を観察したことがないから判らないが(笑)…。
たぶん腐るだろう。
微生物の適応能力は人間など自称高等生物の比ではない。
もしゴジラが存在するなら、放射線に抵抗力を持つバクテリアも必ず進化してるだろう。
実際リメイク版の「ゴジラ」でもゴジラにたかって巨大化した寄生虫が出てきてた。
寄生虫がいるくらいなんだから、もちろんゴジラの体内にしか存在しない「ゴジラ固有種の細菌」だっているだろうな。
ひょっとすると細菌学者にとってゴジラの体は宝の山かもしれん(笑)。
こいつらの活躍で腐るんじゃないかな?
微生物に限らず広島に生えた植物も予想よりもの凄く早かったからねぇ
放射能もついでに分解してくれたらいいんだけど
その辺も製作者さんの腕の見せ所かもしれませんね
634 :
あまぎ:2005/11/26(土) 01:11:06
635 :
あまぎ:2005/11/26(土) 01:14:04
【 甦る神話 (7-1)】
馬尾@管理人です。
巨大生物出現からこの半年というもの、超ぉー多忙につきサイトの更新ができま
せんでした。
決してサボってたわけじゃ(汗っ)
楽しみにしていた皆さん、ホントにゴメンナサイ m(__)m
と言う事で、新コーナー。
掲示板に飛び交う憶測や質問に(簡単ではあるけれど)お答えします。
この手の企画って既に多くのサイトさんに先を越されてしまってますが、うちは
生物学的見地から、ゴジラとガメラについて考察していきたいと考えてます。
(多少ずれた質問もありますが、ご愛嬌って事で)
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
〜〜〜〜〜 ゴジラ ガメラ F.A.Q. まとめのページ 〜〜〜〜〜
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
Q.スリランカの漂着物は、軍の隠蔽工作って聞いたけど?
A.いきなり陰謀論ですか(笑)。真相は巨大生物調査機構設立の中心となった、偉い学者
先生達が回収して、研究を始めていたという事です。(調査機構のサイトに出てますよ。)
Q.ゴジラやガメラって放射能で巨大化したの?
A.間違っても生物が放射能を浴びて、巨大化する事はありません(SFじゃないんだから)。
Q.地球上の生物なんですかっ!?
A.難しい質問ですね(汗っ) 現段階では何とも言えませんが、我々とは別の祖先を持つ
新種の生物だと言う事は確かです。
636 :
あまぎ:2005/11/26(土) 01:15:56
【 甦る神話 (7-2)】
Q.何故放射能の中で生きていけるんですか?
A.祖先である単細胞生物の生活環境が、放射性物質で満たされていたからだと思われま
す。そのため放射性物質をエネルギー化する特性が、備わったのではないでしょうか。
Q.ほーしゃのーをどおやって、えねるぎいにかえるの?
A.ゴジラやガメラの細胞には、放射性物質をエネルギーに変換する器官を持っています。
我々の体内にはミトコンドリアと呼ばれる、生命活動に必要なエネルギーを取り出す器官
がありますが、同じようなものだと思ってください。
Q.ゴジラやガメラは、生物なのになぜ火を吐けるんだ?
A.体内に熱線を作り出す器官を持ってるからです。ガメラも同様にプラズマ発生器官を
持っていると考えられます。例えば電気うなぎが、500V以上の電気を発生させる器官を
持っている事を考えれば、それほど驚く事ではないと思います。
Q.ガメラは何故2頭で行動するのでしょうか?
A.上海、インド、フランス、アメリカ、全て2頭でゴジラと戦っています。2頭がペア
になって狩をしているのではないかと考えられます。
Q.ゴジラってガメラの餌なんですか?
A.ゴジラの体内には、取り込んだ放射性物質を濃縮して蓄える為の器官が備わっていま
す(食溜めが利くらしい)。ガメラの狙いはそれのようです。実際に腹を割かれて、濃縮袋を
抜取られたゴジラの死骸も発見されています。
他人の蓄えを横取りするなんて、ガメラって意地汚い奴なんですね。
Q.ゴジラの現れる先には、原発等関連施設がありますが、上海だけが例外ですよね?
A.ゴジラは餌である放射性物質を求めて上陸して来ます。上海だけは例外だと思われて
いましたが、調査の結果港に核物質の輸送船が停泊していたそうです。
決して公にされる事はありませんが、各国の原潜も被害にあってる可能性があります。
637 :
あまぎ:2005/11/26(土) 01:18:31
【 甦る神話 (7-3)】
Q.ガメラって人類の味方?お友達?
A.ゴジラの上陸に呼応するかの様に出現するガメラ。結果的にはゴジラから守ってくれ
ている印象を受けますが、真相はゴジラ狩りをしているだけで、人類の事をとやかく考え
てはいないと思います。
Q.高レベルの放射能を発する生物の死体って腐るのかな?生物が近づけない状況なら微
生物も近づけなさそうなんだが?
A.ごもっともな疑問です。少なくとも既知の微生物がゴジラに近づけば舜殺ものです。
しかし現在までにゴジラの死骸や化石すら発見できていないという事は、土に返すバクテ
リアが存在するものと考えられます。実際に新種のバクテリアが見つかってますし。
Q.ゴジラの体内にしか存在しない「ゴジラ固有種の細菌」だっているだろうな。ひょっ
とすると細菌学者にとってゴジラの体は宝の山かもしれん(笑)。
A.『ゴジラ固有種の細菌』というより、全て新種の細菌が発見されてます。ゴジラの体
内で生きてるくらいだから、当然といえば当然ですね。モチロン細菌学のセンセイ方はウ
ハウハもので、今後50年はゴジラのネタで食っていけるのなんのと、そりゃもう。
Q.ならばそのバクテリアなんかが、地上で繁殖したらエライ事になるんじゃないか?
A.心配召されるな。こいつらもまた放射性物質を餌とはしているけれど、取り込める放
射性物質が近くに無ければ死滅することが確認されてます。また空気感染の心配も無いそ
うです。
Q.広島に生えた植物も予想よりもの凄く早かったからねぇ。放射能もついでに分解して
くれたらいいんだけど
A.広島の場合、放射性物質は拡散してるから、予想より早く復旧できたのだと思いま
す。でも上海じゃゴジラの本体が、それこそ放射線をビュンビュン出してますから。
Q.じゃあゴジラやガメラも風邪ひいたり、腹痛起こすのだろうか?
A.今のところ解明されてませんが、生物である以上、何らかの病気に罹ることもあるだ
ろうし、免疫も持ってると思われます。じゃないと、体内のバクテリアにやられてるはず。
638 :
あまぎ:2005/11/26(土) 01:22:26
【 甦る神話 (7-1)】
Q.レーダーに映らないのはどおしてですか。
A.ゴジラの皮膚は多孔質構造になってて、放射線を含む電磁波や超音波をその中で減衰
させる事ができます。従ってレーダーに映らない事はないけれど、非常に映りにくいです。
だから簡単に上陸されてしまうのです。
Q.ゴジラの皮膚ってごついけれど、硬いんですか?
A.ゴジラの皮膚やガメラの甲の組成は、セラミックや金属の特徴を持っているそうです。
『熱や衝撃に強く、通常兵器ではなかなか傷つける事が難しい』と、上海で中国の兵隊さん
がぼやいていました。
Q.連中は何処から現れたのだろうか?
A.過去からの目撃談を総合すると、初期の発生はインド洋近辺と考えられます。以降年
々目撃地が拡散し、各地に出現している事はご存知のとおり。
Q.今まで化石など、その存在や痕跡すら見つかってなかったわけだ。地球外生命とか、
超古代文明のテクノロジーで創られた生命じゃないのか?
A.今のところその考えは否定的です。超古代文明が存在した明らかな証拠がありません。
見つかってないだけかもしれないし、個人的にはその方が面白いとは思うのですが、科学
的解明に早トチリは禁物です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
他にもたくさんの質問を受けてますが、それはまた次の機会にアップの予定です。
ここに掲載された回答について、更に詳しく専門的に調べたい方は、巨大生物調査機構の
サイトを参照してくださいね。基本的には研究者用の会員制サイトなんだけど、非会員向け
の情報もかなり充実してるので、きっと満足できるはず!
639 :
あまぎ:2005/11/26(土) 01:23:59
>>638 × 【 甦る神話 (7-1)】 ---> 【 甦る神話 (7-4)】 orz
640 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/26(土) 01:37:43
Q&Aが素晴らしい、なんかもうドキドキしまくり、全く別バージョンのストーリーだ。
ここの脚本家はガメ&ゴジのプロを既に超えまくってる。
怪獣を愛するハートもド級だね。
疑問に思った事とか広島のことまでかかれてるo rz
642 :
あまぎ:2005/11/26(土) 13:26:59
>>631-633 >>641 まさにその質問ネタを展開させる寸前だったのです(笑)
書いてた原稿より表現が良かったので、一部を引用させていただきました。
ありがとうございました。
おお!一種のコラボですね?掲示板らしい展開です
644 :
あまぎ:2005/11/26(土) 23:36:27
【 甦る神話 (8-1)】
「あら馬さん、お久しぶり! こんなところで会えるなんてビックリ!」驚いたのは僕の
方なのだが、今は振り向くどころではなかった。「やだ〜っ、船酔い?」
『やだ〜』じゃねえよと思いつつ、やっと振り返り「なんだって、小町っちゃんがここに
いるの?。」と声を絞り出した。
そう、ここはインド洋上。でもって僕がいまいるところは、調査船の後部甲板だった。今
日は寝不足な上に時化模様。僕は慣れない船の揺れに気分が悪くなり、潮風に当たってリ
フレッシュしようと思ったのだが、甲板に出るなり胃袋が悲鳴を上げてしまったのだ。
今回僕は巨大生物調査機構のスタッフの一人として、調査船に乗り込んでいた。本来なら
ば仲根教授が加わる予定だったのだが、年齢的に厳しいということで、僕を推薦してくれ
たのだった。それには例のニューネッシーの分析に関する成果が、認められたということ
もあるのだが、研究者としてはこの方が何倍も嬉しかった。
この巨大生物調査機構というのは、ゴジラ・ガメラという新種の生物の研究が、一研究機
関の手に負えるものではないために、アメリカの生物学者が中心になって設立された非営
利の、研究者及び研究機関統括団体である。
645 :
あまぎ:2005/11/26(土) 23:38:57
【 甦る神話 (8-2)】
さて、この船には報道関係者も10名程同行しているが、彼女が乗船していたら、気付か
ないわけがない。僕がいつまでもキョトンとしているものだから、彼女は調査船に並んで
停船している、『Keep Our Green ! Keep Our Earth ! 』と船体に書かれた、二回り小さ
な船を指差した。
「流石にこの船には乗せてもらえなかったから、『緑の地球連合』の取材って事で便乗し
ちゃった。」エヘっと笑う。彼女は調査の正当性を確認する為に乗船してきた、地球連合
の代表に、取材を理由に付いて来たのだそうだ。
もともと彼女の本業は歴史関連のライターである。伝説・伝承の研究家という肩書きもあ
ながち嘘って訳ではない。あのテレビ出演にしても、日本各地の伝承を、独自の観点から
解説した著書が認められていたからなのだった。勿論彼女のサイトの常連に、テレ西のス
タッフがいたという事も、無関係ではなさそうだが。
あれ以来彼女は、ゴジラ・ガメラの名付け親という事で一躍有名になり、テレビ局の根回
しで緑の地球連合の船に乗り込んでいるらしかった。
そもそも緑の地球連合の船がここにいるのは、調査の監視や妨害の為ではない。調査船の
護衛に就いている、2隻の国連軍巡洋艦が巨獣を攻撃しないように見張っているのだ。過
去の例を挙げるまでもなく、万が一攻撃した場合には、実力で妨害するつもりなのだろう。
646 :
あまぎ:2005/11/26(土) 23:44:23
【 甦る神話 (8-3)】
2時間後、僕ら研究者グループと隣の船からの客人達は、無人潜水調査艇のオペレーション・
ルームで、調査艇から送られてくる海底の映像を見ていた。比較的透明度が低く、照明は
10m程度しか届いてない。
「今日の現場は、放射線の反応がやけに強いですね。」
「ゴジラやガメラが潜んでいるかもしれん。用心しろよ。」チーフが言う。
海底に下りると、艇はプログラムに従い0.5ノットというゆっくりした速度動き回り、指定された
ポイント、ポイントでサンプルとなる海水や砂等の収集を行い、また各種センサーは、海底の
状態を逐次モニタリングしていた。
4箇所目のサンプル回収ポイントにさしかかった時だった。
「なんだろう? どうしてこんなものが!?」オペレータが言った。モニタには潰れたボール
のような影が映っていた。
「手動操縦で接近しろ。泥を巻き上げるなよ。」
艇が近づくにつれてそれは徐々に明らかになり、カメラは旧式の無人調査艇の朽ち果てた
姿を映し出した。
「事故か何かで放棄されたものが、流されて来たのでしょうか。引き上げますか?」
「そうだな。調査艇なのに放射線が出ているのが気になる。上げよう。」
647 :
あまぎ:2005/11/26(土) 23:48:34
【 甦る神話 (8-4)】
更に調査が進むにつれて、誰もがはっと息を呑むものが現れた。やけに不自然な地形なのだ。
「ビル?か何かのように見えませんか。」
「ライトの光量を上げろ。」画面が一瞬白くなった後、映像が明るくなったが、マリンス
ノーの乱反射が遠くの視界を遮っていた。それでも海底のディティールは、さっきより掴
めるようになり、ビルのようなものの残骸を鮮明に浮かび上がらせた。
カメラがゆっくりと回転し、周囲を映す。地面からビルの壁や鉄骨らしきものが生えてい
るのがわかる。
「超音波解析用意。そうだな、レンジ50m。画像は第4モニタへ」チーフが指示を出し、
皆の視線が別のモニタに移動する。超音波エコーの解析処理には若干の時間を要する為、
少し間を置いてから徐々に像が明らかになっていった。ワイヤーフレームで描かれた、都
市の画像に誰もが言葉を失った。
まさか超古代都市がインド洋深く眠っているなんて、しかも今頃になって発見されたなど
誰が信じられるだろうか。何故ならこの海域の海底調査は、これまで何度も実施されてお
り、その様子は地形の細部まで知り尽くされているはずだった。勿論古代都市やそれを匂
わせるものが発見された事など、今まで一度たりともなかった。
スマトラ沖地震の地殻変動の影響で、埋もれていた遺跡が隆起したのだろうか。
「ゴジラやガメラって、超古代文明の忘れ形見・・・・・・」小町が呟いた。
648 :
あまぎ:2005/11/26(土) 23:58:59
【 甦る神話 (8-5)】
その日の調査が終了し、旧式の調査艇の残骸も引き揚げられてきた。放射線を発している
為、他のサンプル同様に隔離ブースに収容されたそれは、辛うじて判読可能な名板に『OD
YSSEY』と書かれていた事から、持ち主は米海軍とすぐに判明した。
その艇は’50年代前後にビキニ環礁で行われた核実験の調査に使用されていたものらし
いのだが、調査中に原因不明の事故に遭遇し行方不明になっていたものなのだそうだ。
引き揚げられて一つ気になる点があった。それはこの残骸が地層の中から出土したように
見えた事だ。例えば土器が地層の中から見つかるように。オーパーツ(場ちがいな加工
品)ではあるまいしと思いつつも、太平洋で失われたものが、インド洋に流れてくるもなのだ
ろうか。海流についてはよくは分からないが、常識的に考えて、ここまで流れ着いて、たまたま
過去の地層に埋もれてしまったのだろう。
ODYSSEYを観察すると、海水サンプル収集用の容器が破壊されずに残っているのに気付いた。
恐らく50年前の太平洋の海水が入っているのだろうが、僕は個人的な興味で、そのサン
プルを分けてもらい、持ち帰る事にした。
約2週間かけて行われた第1次調査では、結局巨獣の生息圏を発見する事はできなかった。
しかし巨獣との関連性を裏付けるような、新種の微生物が発見された。
また巨獣との関連性は分からないが、高度な文明を持っていたと思われる古代遺跡の発見
は、別な意味での成果だった。また僕の専門外ではあるが、地磁気や重力場の異常など、
地学や物理方面での収穫も多く観測されたそうだ。
調査中に飛行するガメラが何度か目撃されたが、特に我々に興味を示すでもなくそのまま
飛び去り、交戦には至らず僕は胸を撫で下ろした。しかし地球連合は案の定、その度に数
杯のゴムボートを下ろしては、ガメラを殺すな、ゴジラを守れ、等と書かれたプラカードを
掲げて、巡洋艦の回りでデモを行った。その光景をテレ西のスタッフと小町っちゃんが取
材しているらしき姿が、向かいの船に小さく見えた。
649 :
あまぎ:2005/11/28(月) 00:31:59
【 甦る神話 (9-1)】
インド洋から帰国後、担当の論文をまとめ終えた僕は、久しぶりに『遊馬』で一杯引っ
掛けているところだった。
「西海岸に現れてから半年近く奴らの音沙汰ないけどさ、何処に消えたのかねぇ。
ところでゴジラの研究は進んでる?」カウンターから肴を渡しつつ、マスターが言う。
「新発見の連続ですよ。暇を見て差障りのないところだけでも、アップする予定
なんだけど、とにかく忙しくて。」苦笑する僕。
「そうそう、楽しみにしてるんだから。らっしゃい!」
「おっ、もう飲ってるの? 他は?」おーさわ氏だった。
「他は小町っちゃんとA氏かな。ボチボチ来ると思うけど。」
「今や有名人だもんね彼女。サインでも貰っとくか。おーさわ君、飲み物は?」
「とりあえず、生中。そお言や、こないだの番組、見たよ。馬さんもちゃっかり映ってる
し、二人仲良くインド洋に行ってたとは、お熱い。」とイジワルな笑いを浮かべる。
「ば、馬鹿言うなよ。俺だって、まさか彼女が地球連合の船に便乗してるなんて・・・・・・」
「そうそう、愛しの馬さん追っかけて遠路はるばる尋ねて来たというのに、甲板で真っ青
なんだもの。誰かさん。」小町っちゃんが隣の席に付く。
「みんな久しぶりに顔見るけど、飲む暇も無いほど景気がいいのかい?」
「まさか。貧乏暇無しっすよ。でもオイラんとこの部署は、ちょこっと景気がいいかな。」
おーさわ氏ににじり寄りながらマスター「そりゃ聞き捨てならぬな。この不景気に金が余っ
てるなら、たーんと飲んで頂きましょう。」
「会社が潤ってるだけで、オイラの手元には雀の涙だよ。ま、ちょっとした特需ってやつ
で、怪物様様ってとこ。」そこまで言ってシマッタっという顔をしたおーさわ氏に僕が、
「何か面白いもの作ってるの? そこまで言ったら教えてよ。」
「うう〜ん、しょうがない。まだ開発中なんだけどね、新型の放射線防護服。」
「防護服? ゴジラが出ても安心って奴かい。」とマスター
「大きな声では言えないけれど、民需用じゃないのは確かです。ほら、馬さんが上海
や調査船で使ったでしょ。あれが民生版。」
「へーっ。ありゃ蒸れてたまんないよ。」
「今開発中のやつが、蒸れないタイプなの。ゴジラの表皮構造を参考に生地を
作ってるんだけど、あ、ここだけの話ネ。」
650 :
あまぎ:2005/11/28(月) 00:39:48
【 甦る神話 (9-2)】
「ところでさ、古代文明の遺跡はどうなったのよ?」おーさわ氏が話題を変える。
「本格的な調査は、来月から始まるみたいよ。でも古代遺跡って言ったら、ギリシャ風の
神殿とか想像しちゃうんだけど、どう見ても今の建築様式と大差ないみたいでガッカリ。
コンクリートとか鉄骨とか。夢もなーんにも無いんだもの。」
「そりゃぁ、文明なんてそんなもんでしょ。快適な住居、便利な道具、交通機関、その設
計思想やデザインは大きく違ったとしても、最終的に出てくる物は超古代も今も大差ないん
じゃない?」流石おーさわ氏は技術屋らしい物の見かたをする。
「馬さん、ODYSSEYのサンプルから何か分かったの?」小町っちゃんが僕に向き直り聞く。
「ん、う〜ん。ちょっと奇妙なものが見つかってね、理解に苦しんでるとこ。」
皆が僕に注目する。
「信じられないと思うけれど、簡単に言えば巨獣の細胞の原始的なもの、つまり祖先に近
い単細胞生物が出てきたんだよ。」
「インド洋の海底で見つかった微生物が混じったんじゃないの?」とおーさわ氏。
「いや、蓋を開けるときは滅菌処理をしたし、密閉されてた容器も破損してなかった。
驚いたのは微生物や容器中の海水からコバルト60やプルトニウムが検出されて。」
「それってどういう事なの。」小町っちゃんの質問に、いつ入ってきたのかA氏が
「核爆発や原発でもない限り、自然界には存在しない物質なんですよ。」と言った。更に
続けるA氏「ゴジラ・ガメラが自然の生物だとしても、その発生の原因は古代文明の核汚
染にあると考えられるんじゃないでしょうか。マスター、生ください。」
「でもさ、そんな過去のものが何故ODYSSEYから出てくるんだ?」僕の疑問はそこである。
「もともと太平洋の海底深くにいた巨獣の祖先の生き残りが、核実験の放射能に誘われて
浮上してきたのを、たまたまODYSSEYが拾ったんじゃないですか。」
「僕もそう思って当時の資料を当たってみたんだけれど、そんな記述が見当たらないんだ
よね。だから行き詰っちゃってて。」
「でも放射性の原始生命、ニューネッシー、ゴジラ・ガメラと大雑把だけど進化の証拠は
見つかってるわけですよね。」
651 :
あまぎ:2005/11/28(月) 00:46:57
【 甦る神話 (9-3)】
「ニューネッシーとは初耳だな。」今まで他の客の相手をしてたマスターが割り込む。
うちの大学で埃を被っていた例の標本の事なのだが、ゴジラの細胞を分析するうちに、ニュー
ネッシーの細胞構造に似通っている事を、僕は発見した。更にガメラの細胞の構造にも近
いものがあった。というより、調査を進めるうちに両者の細胞構造を足して原始的にした
もの、つまり巨獣が枝分かれする直前の先祖ではないかというところへ行き着いたのだ。
ニューネッシーの細胞が変質して、何か別の組織に見えていたもの、それは放射能をエネ
ルギー化する器官だったのだ。
僕はその発見を論文に纏め、調査機構のデータベースに登録しておいたのだが、どうやら
UMAオタクのA氏は、そんな専門的なものにまで目を通しているらしい。
「ナルホドね。そんな面白い話、サイトでも紹介してくれよ。」マスターが言った。
「ところで、こいつらが日本に上陸したら、対策は大丈夫なのかな?」
「それは兵隊さんの仕事でしょ。」小町っちゃん。
「いっそ餌を船に乗っけて、陸に上がらないように誘導すりゃいいんですよ。」A氏。
「テロリストに船ごと分捕られる可能性があるからって、却下されたらしいよ。それに日
本じゃその方法は使えないでしょ。色々うるさいし。」と僕。
「ここんとこ静かなのは、もしかして死に絶えちゃったんじゃないの?」おーさわ氏
「記事にならないだけで、目撃は減ったものの続いてますよ。2〜3日前なんか、太平
洋で最大クラスのゴジラが目撃されたらしいです。もっとも海中を泳いでいるらしき影
を見ただけだそうなので、鯨の見間違いじゃないかとも。・・・怖いもの見たさってのはある
けれど、上陸だけは勘弁ですよね。」A氏がボソッと言った。
数日後、不安は現実となった。
652 :
あまぎ:2005/11/28(月) 02:21:37
【 甦る神話 (10-1)】
けたたまいサイレンと共に、防災放送が夕日台地区沖のゴジラ出現を告げる。
避難所へ向かう人々の群れはパニック寸前で、警官や市役所の職員が大声で市民を誘
導しているが、ざわめきの中では殆ど聞き取れない。
ゴジラが熱線を吐いているのだろうか、時折港のある方角から爆発音が聞こえてくる。
その時、雲ひとつ無い空を二つの影が飛び去っていった。影は港のある辺りで回転を止め、
甲の中から頭と腕を出し、戦闘体制に入った。そしてゴジラを狙っているのだろう、オレン
ジ色の火球を吐いた。
爆発音に混じって巨獣の咆哮が聞こえてくる。
653 :
あまぎ:2005/11/28(月) 02:30:46
【 甦る神話 (10-2)】
沖の方では巨獣たちがどんな戦いを展開しているのか、こんな状況下であっても、興味だ
けは尽きなかったのだが、時々ガメラの姿が山の陰から見え隠れし、巨獣たちの放つ青白
い光や、赤い光が見える程度とあっては、もどかしいだけだった。
沖の様子は分からないものの、ガメラの出現は少なくともゴジラの進行を阻止し、僕らが
山の裏手にある、避難所にたどり着く以上の時間を稼いでくれていたのは確かだった。
避難所に着くなり、僕は仲間の安否を確認しようと携帯電話を取り出したが、回線がパン
クしているのか、電話は『暫く経ってからおかけ直しください』と繰り返すばかりだった。
メールだけは辛うじて送信できたのだが、それもすぐに届いたのかどうか定かでなかった。
『先程夕日台地区沖に出現しましたゴジラは、その後現れたガメラと現在交戦中の模様で
す。現場には陸上自衛隊の対戦車ヘリ部隊も待機中との事ですが、詳しい情報は入ってお
りません。尚ゴジラの予想される進路上から10km以内の市民の避難は、既に開始され
ているそうです。先程夕日台地区沖に出現しましたゴジラは・・・・・・』何処から聞こえてく
るのか、ラジオが単調なニュースを繰り返し、誰もがそれに聞き耳を立てていた。
いつもならばガメラの登場で、ゴジラはすぐに仕留められてしまうのだが、なんだか今日
は様子が違っていた。そう言えばA氏も大型のゴジラって言ってたよな。
そんな事を考えてる最中に、突然今までとは違った、地響きを伴う大爆発が起こり、反射的
に耳を塞ぐ人もいれば、悲鳴や泣き声、どよめきが聞こえた。
皆が音の聞こえて来た方を向くと、山の向こうの空は黒煙で曇り、その中にガメラなのだ
ろうか、青白い炎を放つ物体が吹き飛ばされた様子が一瞬見えた。
そしてそれから10分程度の間に何度かの爆発があり、最後の爆発音以降は人々のざわ
めきしか聞こえなくなった。
654 :
あまぎ:2005/11/28(月) 02:35:00
【 甦る神話 (10-3)】
警報が解除されたのはそれから5時間後の事だった。
しかし実際に避難所から解放されたのは、街の安全が確認された1週間後であり、その間
僕らは避難所でキャンプに近い生活を強いられた。その間に体の精密検査が行われたが、
ここの避難所にいる人々は皆、健康上の問題はなかったようだ。
警報解除から暫くして、サーバーに溜まっていたのだろう、メールが届きはじめた。みん
なそれぞれの避難所で難を逃れ、僕はようやくほっとした。
避難所でのテント生活は決して快適とは言えなかった。しかし世の中の情報については、
市役所配給の新聞や自衛隊のトラックに積まれたテレビ、インターネット等でそれなりに
収集する事はできた。
それらによると、夕日台地区沖に出現したゴジラは身長70m程もある大型の個体だった
そうだ。ガメラの攻撃にも屈する事無く陸地に向かうところを、自衛隊ヘリの対戦車ミサ
イルによる集中砲火で一時的に動きを封じられ、その隙にガメラが猛反撃に転じた為、手
傷を負い太平洋へ逃走、姿をくらました。しかし2頭のガメラのうち、小型のガメラも大きな
傷を負ってしまったらしい。
聞いて驚いたのは、ゴジラ逃走の後、負傷していない方のガメラが自衛隊のヘリ部隊を攻
撃した事だった。最後に聞こえた爆発音がそれだったのだろうか。今までガメラが人間を
襲った事例がなかっただけに、関係者のみならず大きな衝撃が走った。
655 :
A級戦犯:2005/11/28(月) 08:10:58
自分で書き込んだ「ひょっとすると細菌学者にとってゴジラの体は宝の山かもしれん(笑)。」がまんま出てきてビックリ(笑)。
よーし、それじゃこっちも報復措置を発動して(笑)、アマギ氏の設定を一部流用して外伝創っちまおうかな?
ラヴクラフトの世界をブロックやダーレスが借用したみたいなスタイルで駄文を作るってのは実は一度やってみたかった。
それもできれば元ネタは2chのネタで。
ひょっとしてアマギ氏の本ネタがワタシのネタと同じだといけないから、「甦る神話」終了後、かぶってなかったら投下の予定。
656 :
CM:2005/11/28(月) 12:09:08
「あの一連のゴジラとガメラの事件を知らない者などいないだろう。
空飛ぶカメと黒い凶神ゴジラの闘争劇、そしてインド洋海底の超古代文明。
青い空と青い海、胸のときめきと大破壊が手を携え世界を闊歩した季節。
……だれも気づいていなかった。」
♪ビートルズの「レット・イット・ビー」♪
彼はフリーのカメラマン。
彼は駆け巡る。
硝煙漂う世界を…。
エルサルバドル、ニカラグア、アフガニスタン、イラクそして……インド洋。
♪レリッビー、レリッビー、レリッビー、レリッビー♪
パクリの殿堂!イタリア映画と合作(うそ)。
監督「パクリの帝王」ジョー・ダマト!(大うそ)
新人「私たち、こんどはどんな木の実を口にしたの?」
そしてみなさん御馴染み!…
万石先生「そうなったら……人類は滅亡ですな。いひひひひ」
突入する起動歩兵!
唸る銃弾!そして舞い飛ぶグレネード!
紅蓮の炎の中に光る双眸!!
♪ワーゾォブ ウィスダム レリッビーーー、レリッビー
「シャドウズ」……近日(今年中くらいには?)投下予定(笑)
657 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/28(月) 12:32:11
{予告}
『ガメラ 対 ゴジラ』 来春公開予定!
富士の麓から発見された謎の洞窟・・・
そこで見た謎の物体・・・
ガメラとギャオスから同一の物質が発見される。
そして太古の翼竜の出現!
怪獣達のルーツは・・・
「出演怪獣」 ガメラ・ゴジラ・ギャオス・ラドン・ゴロザウルス・・・
予告
1996年米特殊機関は八洲海上保険が採取したマガタマの分析を行っていた。
時を同じくして宇宙怪獣レギオンの襲来、
仙台でのガメラ復活の際、崩壊したマガタマから多量の光子の放出を観測。
これによりある科学者により仮説が立てられる。
マナとは何か?
なぜレギオンは地球を目指したのか?
そして1999年のイリス覚醒。
ギャオスの大群により人類は滅亡の危機に瀕していた。
ついに核兵器による攻撃が始まった。
爆風の中に現れる巨大な影・・・
宇宙を揺るがすマナの正体・・・
地球に向かって来る謎の天体・・・
その時人類に残された最後の選択肢とは・・・
659 :
あまぎ:2005/11/29(火) 03:12:26
【 甦る神話 (11-1)】
「注射、ですか?」僕が怪訝そうに言うと、仲根教授は違う違うと手を振りながら、「注
射のナカミ。はっはっはっ。」黄門様よろしく快活に笑う。
1週間ぶりの研究室では、日本初出現となったゴジラの話題で持ちきりだった。様々な話
で盛り上がる中、突然仲根教授が僕に耳打ちしてきた話は、とんでもない内容だった。
それは僕が対巨獣兵器開発プロジェクトの一員に加わると言うものだったのだ。
仕事としては面白そうなのは確かだ。が、反面気が重い仕事でもある。そんな複雑な気持
ちを見透かしたように、「君、こういった話、興味あるでしょ。」続けて「お友達の歴史
研究家のお嬢さん。彼女の本の後書きにね、君の事が紹介されてたのを見たよ。未確認動
物の研究、いやー、大いに結構。先代の関教授がご存命だったら、きっと喜ばれてたよ。」
と意味ありげに笑いながら、逆らい難くなるような一言を付け加えてきた。
教授は最後に「今の件くれぐれも、ここだけの話だよ。じゃ、よろしくね。」と言って、
学生の待つ教室へと消えて行った。
教授の言う対巨獣兵器とは、ゴジラに共生するウイルスを改造しゴジラの細胞内に進入さ
せ、放射能をエネルギーに変換するシステムを封じる生物兵器を造ると、簡単に言えばそ
うなる。
はぁ〜、と溜息をつきながらも、ちょっと引っ掛かる事があった。なんで教授が小町っちゃん
の本に紹介されてた研究者が、僕だなんて知ってるんだ? あの本には、ハンドルが載っ
てるだけで、写真すら出てなかったはずなのに。
あれこれ考えたものの、結局答えは見つからなかった。
660 :
あまぎ:2005/11/29(火) 03:17:43
【 甦る神話 (11-2)】
翌週から僕の職場は郊外にある、表向きは、某有名大学の微生物総合研究所に移った。
外見はどこにでもあるような、何の面白みも無い5階建てのビルなのだが、職場となる研
究室は地下10階にある。そして今までの研究室で施されていた感染や放射線への対策な
ど玩具に見えてしまうほど、大げさとも思える安全対策が幾重にも施されていた。勿論秘
密保持に対するセキュリティーも万全で、職場に辿り着くまでに5箇所ものチェックポイン
トを通過しなければならず、各ポイント毎にサブマシンガンを携帯した警官が立っていた。
「こんな地下要塞が日本にあるなんて、信じられないよ。」
対巨獣兵器開発のスタッフは、僕のような生物学の研究者ばかりでなく、ミサイルや電子
機器メーカーの技術者、自衛官や(米軍?)軍人、政府の関係者等雑多だった。
中には面識のある学者や研究者の顔も数名あったが、誰もがSF映画まがいの職場に戸惑
いを隠せないでいた。
新兵器開発のスケジュールはタイトで、半年以内に試作品開発に漕ぎ着けるというものだっ
た。冗談ではないと、僕ら"風邪薬研究班"は口々に文句を言った。
ロケットやミサイルは既存のシステムをそのまま応用すりゃいい話だけれど、僕らの場合
は、未知の生物に対する毒を造りださねばならないのだ。
やれと命令する連中は、例えば風邪薬一つを販売するまでに、どれだけの期間が必
要なのか、知っているのだろうか? ましてや相手はつい最近現れたゴジラ・ガメラである。
その生命の仕組みすら、やっと針先で突いた程度の事が分かっただけと言うのに、それを
抹殺する毒素なんて、そうそう簡単に作り出せるわけがない。
僕らは研究者としてのプライドと、巨獣の被害を最低限に食い止めたい一心で、やれるだ
けの努力は惜しまないつもりだが、プロジェクトの進行役だと言う政府の役人とは、この
先上手くやっていけそうになかった。
661 :
あまぎ:2005/11/29(火) 03:20:01
【 甦る神話 (11-3)】
ところでなぜ僕のような一介の研究者が、この様な極秘のプロジェクトに加わる羽目になっ
たのかについては、一応の理由があった。それは巨獣の細胞が放射能を取込み、エネルギー
化する仕組みを、いち早く解明した事に目をつけられたからだった。ついでに巨獣のルー
ツまで解き明かしたという、タナボタに近い偶然の成果も含まれていた。
単なる趣味上の好奇心が、喜んでいいのか悪いのか、困った結果を招いたらしい。
人類存続の為には、巨獣の駆逐もやむなし。しかしできることなら共存の道を選びたいの
が人情というものだ。
「運命とは皮肉なものですよね。」休憩室でネット上のニュースを見ながらコーヒーを飲ん
でた僕は、声の主には振り返らずに「そうだね。」と生返事を返した。
「おっ、ガメラ、南米で1頭を目撃か。そういえば手傷を負った片割れは、生きてるのか
な?」殆ど独り言だった。
「夕日台沖を離れた後、小笠原付近で海に潜ったところまでは、空自の偵察機が確認して
ます。その後は潜水艦が追跡したものの、公海に出て消息をくらましたそうです。」
「へー、やけに詳しいね。まるで、知り合いの、」と言って振り向くと、そのA氏の笑顔
がそこにあった。きっと僕の顔は鳩が豆鉄砲を食らった状態だったに違いない。
「どうも、馬さん。いや、ここじゃ原田研究員かな。」
「あれっ。君こそ、こんな地下要塞で・・・・・・」
彼の上着の左胸に下がっているIDカードには、【3等陸曹 大林直人】とあった。
「皮肉な事に、巨獣と戦う自衛官なのでした。」
「あ、なーんだ。だから妙に事情通だったのか。」
「いや、巨獣の調査はあくまで個人的な趣味ですよ。僕もたまたまこのプロジェクト要員
に抜擢されてしまって。」
「ふーん。でも君の役割って?」
「新兵器の整備担当って事です。最終的に取り扱うのは僕らですから、そのノウハウ習得
とマニュアル整備のために出向になてしまって。よろしくお願いしますよ。」
「ああ、こちらこそね。」僕らは硬い握手を交わした。
662 :
あまぎ:2005/11/29(火) 08:13:05
>>655-658 おおっ 予告乱立。本当に来春あたり、上映されてるかもしれんような雰囲気がタマランです(笑)
A級戦犯[]氏のパクリ(爆)ストーリー、楽しみにしてます。
でもネタがかぶってる心配はないと思われ。
本当は時間が許すなら、こーんな事やったり、あーんなテを使うなど、ネット特有のお遊びも
やりたかったのだけれど、それは次回にまわすとします。
でも手法に小技を使いすぎると、特撮のための特撮みたいになって、主題であるべきゴジガメの
印象が薄くなってしまう危険性もあるんだよな。
最近そんな映画がやたら多いと思いません?
663 :
A級戦犯:2005/11/29(火) 17:20:04
その傾向はあると思う。
昔は「こういう(迫力ある、怖い、凄い)絵を撮りたいけど、どうすりゃできるかな?」がスタートだった気がする。
だが今は「この技術使えばあんなこともできます、こんなこともできます」がスタートのような気が…。
技術の高さとできた絵のパワーが正比例するって保障は無い。
戦前版の「キングコング」は、人形アニメだったんで手で触らざるを得ずそれで毛並みが動いてしまっているが「まるで毛が怒って逆立ってるみたい!」と評価された。
あれなんか、絵のパワーが技術の低さや欠点をも飲み込んでしまったワケだわな……。
板違いの特撮話すまぬ。
664 :
あまぎ:2005/11/30(水) 02:24:02
【 甦る神話 (12-1)】
微総研での仕事は単調そのもので、正直言って面白いものではなかった。その上一度地下
に潜ったら、地上に出て再入室する手続きも煩わしいため、余程の用が無い限り誰も外に
は出たがらず、息が詰まってしかたがなかった。
そうは言っても、生活上の便宜はそれなりに取計らっているつもりらしく、一つ上のフロ
アには狭いながらも個室が与えられ、外部との情報のやり取や情報収集も、ある程度制限
されつつも、ネットを通じて可能だった。一応衣食住に関しては、基本的にそれ程困る事
は無かった。
そんな生活の中で最大の悩みの種は、野口氏(例の口煩い政府関係者だ)だった。彼は何
かにつけて進捗が遅いだの何だのと難癖をつけては、研究者たちを困らせていた。
「ハァ〜、たまんねぇ。」つい先程も、彼は進捗管理を理由に、研究室で邪魔をして行っ
たばかりだった。
「ほんと、煩い奴ですよね。進捗状況なんてWEB上で確認できるっちゅうのに。」大林
3曹が相槌を打ちながら、苦めのコーヒーを淹れてくれた。
「どうもああいった、管理の為の管理やってるような役人とは、肌が合わんよ。」
「ま、一流大学から上級の公務員へストレートで行った口なんでしょうね。」
「同じ公務員でも、自衛隊さんの方がよっぽど接しやすいよ。」
「はぁ。」大林3曹は苦笑した。「隊の事をよく知らない人たちからは、硬い人種だって
思われてるみたいですけれど、制服を脱いだらどこにでもいる只の若者ですよ。」
「ははははは、それもそうだ。初めて会った時なんかさ、まさか自衛官だって想像もでき
なかったものな。ちょっと固目で几帳面な、UMAファンとばかり思ってたよ。」
「それは、あれですよ。今でこそ自衛隊も大分理解されてますけど、それでも嫌う人はい
るもので。あんまり仕事の事は言わない事にしてるんです。折角仲良くなれたのに、仕事
の事が原因で別れるのも淋しいですから。」彼は少し悲しそうな目をして、そう言った。
「あっ。ところで注射器組の件はどおなってるか知ってる?」僕はわざと仕事の事に
話題を変えた。
665 :
あまぎ:2005/11/30(水) 02:32:49
【 甦る神話 (12-2)】
風邪薬を撃ちこむ注射器の仕様が決定したのは、つい2日程前の事だった。
巨獣の体表は強力な皮膚や甲で覆われている為、超大型の注射針を作ったところで、貫通
させることができない。そこで対戦車ミサイルの弾頭を使用するつもりらしいのだが、こ
れは戦車中の兵員を炭にしてしまうほど強烈な熱を発する。当然対ゴジラウイルス(仮称)
も熱にやられ、接種されるどころか死んでしまう。
「無茶だよ。数千度の熱に耐える生物なんて、いないっちゅうのが分からんのかね。」
「風邪薬を収めるケースも頑丈にできない事はないけれど、今以上に重くなるから、ぎり
ぎりの設計だと言ってましたね。」
「注文する方は楽でいいよな。ったく。」
研究室に戻ると見慣れない民間人らしき3名と、やはりここでは顔を見たことの無い自衛
官2名のグループが、ここの主任技官とテーブルを挟み、何やら話をしていた。机の上に
広げられた、この場には不自然な迷彩模様の服を除けば、よくある打ち合わせの風景だっ
ただけに、余計気にかかり、僕は自分の席に戻りながらもさりげなく、そのテーブルの傍を
通り、ちらっと訪問者の方を見た。その時民間人らしき一人が、少しだけ僕に笑いかけ
たような気がした。
僕は席に付くなり、ウイルスの耐熱性を向上させる手段はないものかと、データベースを
検索する作業に取り掛かった。しかしこれは厄介な問題だった。
というのは、ここを中心にアメリカとフランスで共同開発しているウイルスは、ほぼ完成
の領域まで漕ぎ着け、後は巨獣の体内で爆発的に繁殖する能力を与えるだけとなっていた
からだった。そこへ数千度の耐熱性を持たせるとなると、研究は振り出しに戻りかねない
のだ。あと少しで、この地下生活から抜け出せるというところで、もう一度蹴り落とされ
た気分だった。
666 :
あまぎ:2005/11/30(水) 02:38:19
【 甦る神話 (12-3)】
はぁ〜っと、もう何度ついたか分からない溜息をつき、キーボードを叩いてる時だった、
「溜息吐くと幸せが逃げるよ。」聞き覚えのある声が聞こえた。
「ふっふっふっ、おーさわです。」僕は思わず椅子からずり落ちた。
「いや馬さん、こんなとこで合うなんて、奇遇っすね。」
僕は彼の頭のてっぺんから爪先までしげしげと眺め、「馬子にも衣装。」と呟いた。
「あ、ひでーな。オフ会の時の格好は世を忍ぶ仮の姿。こう見えても、客先訪問の時はビ
シッとしてるさ。」
「ん、じゃ、あの斑模様の服って、」と僕が言いかけたところで、
「わわわわ、し、しーっ」っと口に指を当てて、黙れのジェスチャーをする。
あ、そうだった。
「製品の試験だよ。放射性バクテリアとかを使える適当な施設が無くって。 ところで、
さっきから溜息ばっかりだけど、どうしたの?」
実は・・・・・・と僕は、当たり障りの無いところだけを、要約して話した。
「ほうほう、そんな事か。」と軽い口調のおーさわ氏に僕は「『そんな事か』じゃないよ。」
と顔を顰めて見せた。
「だって、器の方はがんばっても、それ以上どうにもならないわけでしょ。だったらこれ、
防護服ですよ。」
「防護服?」
「そう、防護服。」訳がわ分からんという顔の僕に、「馬さん、寒い日に外に出る時は、
どんな格好をするの?」ちょっと勿体ぶるおーさわ氏。
「そりゃ、コートを着るさ。」ムスッと答える僕。
「じゃ、部屋に入ったら?」
「脱ぐよ。あたりまえじゃんか。」
「ああ、そおいう事ですね。」大林3曹が割り込んだ。
「なーんと、君まで居たの。」
「それって、おーさわさんとこの会社が特意な分野じゃないんですか?」
「おお! 給料アップの話か。」
僕だけが置いてけぼりになっている。
「つまりですね・・・・・・」大林3曹が説明する。
667 :
あまぎ:2005/11/30(水) 02:41:03
【 甦る神話 (12-4)】
「それだ! ウイルスに耐熱ポリマーのコートを着せて、ゴジラの体内に入ったら放射線
で脱げるようにするんだな。」
僕はおーさわ氏にも手伝ってもらい、資料をかき集め、臨時のミーティングを召集した。
誰もがウイルス本体の耐熱化に頭を悩ませていただけに、このアイディアは、研究者たち
にはすぐに受け入れられた。しかし政府職員のグループは、予算や入札がどうのこうのと
ごね出し、難色を示した。折角のグッドアイディアだが、事態は白紙に戻されそうな雰囲
気だった。
「ちょっと待ってください。今は対巨獣兵器の完成を急ぐのが我々の任務ではありません
か?」驚くべき人物の発言に、誰もが耳を疑った。
「しかしね君、物事には順序ってものがあるわけで・・・・・・」
「敵がすぐ目前に攻めて来ている時に、あなた方は戦の準備もせずに金の勘定をするとい
うのですか? ゴジラもガメラも待ってはくれないのです!。」
政府の職員たちにそう言ってのけたのは、あろうことか、同じグループの野口氏だった。
668 :
A級戦犯:2005/11/30(水) 08:43:23
おおおおおおっと!?
アイディアがニアミスしてるぅぅぅぅ!
……でも面白くなってきた(笑)。
オレの形は短めの文章と会話をポンポン重ねていく…特撮番組の実況みたいなスタイル。
一方のアマギ氏は小説のスタイルとしては正統派。
文章のスタイルからして一目で違う。
それなのにネタをパクッて使うとどうなるのか?
粗筋程度にしとくつもりだったのに……だんだん本気になりかけてる自分がいる(笑)。
669 :
あまぎ:2005/11/30(水) 12:53:34
>>668 僕の場合は粗筋程度の簡単な文章に纏めようと思ってるのだけれど、いつの間にか
状況やら設定の説明がテンコ盛になって、小説風になってしまうのです。
大戸島の伝説は、本当はこの物語とは全く別に、戯曲風の作品としてトライしてたけれど、
挫折しました orz
アイディアのニアミス?
同じアイディアだと思っている事が、実は180度違う方向を向いてたりして。(笑)
ま、まさか風邪薬班の副主任が、万石センセイでは・・・・・・
670 :
あまぎ:2005/12/01(木) 01:51:04
【 甦る神話 (13-1)】
時計の針が10時3分前を指したとき、パタパタとヘリのローター音が、どこからともな
く聞こえてきた。上空を見回してみたが、雲ひとつ無い空には鳥一匹飛んでいない。しか
しその音は確実に接近していた。
そして10時30秒前。それまで遠くから接近しているかのような羽音が、突如轟音に変
わり、左側の丘から地を這うような超低空で、1機の対戦車ヘリが姿を現し配置に着いた。
10時ジャスト。ヘリから一発のミサイルが標的に向けて放たれ、目標に吸い込まれて行っ
た。2マイル先で小さな閃光が走り、それから10秒程遅れて爆発音が聞こえてきた。
グループの一隅から小さな歓声が上がった。
数台並べられたモニターの一つにはミサイルの飛翔する様子が映し出され、残りのモニター
上には様々なグラフや図形が、時間の推移とともに表情を変化させていた。
ミサイル発射から48時間後、僕のグループからも歓声と拍手が起こった。
「やりましたね、原田さん。」嬉しそうに大林3曹が言う。
「うん。」喜んでいいのか、少し複雑な気持ちの僕。
対巨獣ミサイルXAAM−1は完成した。
僕らのプロジェクトは2週間前に最終段階へと移行し、数ヶ月の地下生活から一転してア
リゾナの砂漠にある、ミサイルの試射場へと移っていた。
ミサイル本体は2日前の発射試験を終え、解析されたデータも仕様を十分満たしていた。
そして問題の風邪薬。これは標的であるゴジラの生体ダミーの中で、炸裂した弾頭から放
出された無数の耐熱マイクロカプセルの中に収められていた。カプセルは放射線によって
簡単に分解され、解放されたウイルスはすぐさま活動を開始、5〜6分毎に分裂を繰り返
して48時間後には、30mクラスのゴジラならば、完全に息の根を止めるられるまでに
増殖した。
データは申し分なく、試験は成功した。
「ご苦労様でした。」と野口氏が手を差し伸べてきた。僕は少し戸惑いながらも、表情に
は出さず、握手を交わした。
煩いだけの役人だと思っていた彼が、このプロジェクトを影で支えた一番の功労者なのは
認めるが、何が彼をそう駆り立てているのか、結局分からなかった。ただ巨獣による被害を
くい止めたい一心、と言うのとは少し違うようだった。
671 :
あまぎ:2005/12/01(木) 02:00:51
【 甦る神話 (13-2)】
ミサイルの完成を待つ事無く、巨獣たちはこの半年間も、思い出したように各地に出没し
ては、被害を拡大していった。
中でも悲惨だったのはイギリス東南部で、ゴジラとの攻防の最中にガメラが出現し、出動
していた英軍は両者によって全滅させられた。更に両者の激しい戦いによって、半径20
kmの地域は、ほぼ完全に焦土と化したのだった。
今まで目撃された事例から、ガメラは基本的に2頭がペアとなって、狩りをする習性があ
ると言う事は知られていた。更に日本やイギリスの一件で、ゴジラを襲う他者は、自分の
獲物を奪う存在として、排除する性質もあるのではないかと予想された。
これが事実ならば、非常に厄介な問題だった。なぜならゴジラが出現しても、おいそれと
は攻撃できないのだから。
拡大する一方の被害に、国連もとうとうゴジラとガメラを害獣として指定し、保護を完全
に放棄した。そしてこれまでは領海内でのみ認めていた攻撃を、その進路が明らかに領海を
目指しているものと予測される場合は、公海であっても撃退可能とした。
国連軍はゴジラ出現の報から1時間以内で駆けつけられるように、各地に空母機動部隊を
配備、24時間休みなく監視を行っていた。
と、ここまでは一般的に知られている話であり、迂闊に攻撃できないゴジラを24時間体制で
監視するのはナンセンスであるという風評もあった。
それでもあえてこの様な体制を取ったのには、対巨獣兵器の完成があったからだ。
ところがこの国連軍対巨獣部隊には、僕も関わったAMM−1(開発コードであるXは正
式採用によって取り払われた)が実戦配備されていた事は、世間には知らされていない。
AMM−1そのものが、機密扱いとなっていた。
何故ならそれが対巨獣用とは言っても細菌兵器には違いなく、戦略兵器に転用できるとい
う非常にデリケートな問題を抱えていたからだった。
従ってそれを運用できる国は、その開発主体である日米仏の3カ国のみであり、国連軍対
巨獣部隊の実態は、米軍が主力となっていた。
そんな話をプロジェクトに関わったとは言え、何故一民間人でしかない僕が知っているか
というと、大林3曹からの又聞きだった。
672 :
あまぎ:2005/12/01(木) 02:06:18
【 甦る神話 (13-3)】
「いいのか、おい。」
「馬さんなら大丈夫ですよ。」と彼は陽気に笑った。「このプロジェクト、馬さんを推薦
してもらって大正解でしたよ。」
推薦? 「何の事。それ。」
「あれっ、爺さんから聞かされてないんですか?」
「爺さん?」
「仲根ってジジイがいるでしょ、馬さんとこの大学に。うちのお袋の親父なんですよ。」
あまりの驚きに、僕はのけぞってしまった。
「今度会ったら文句言っときますよ。ったく、モウロクしかけてんだから。」
「そお言う事だったのか。でもさ、僕が同じ大学で働いてるって、よくわかったね。」
「去年のオフ会で撮った写真、あれを見たらしくて。爺さんも昔の師匠の影響か、実はこっ
そりUMAの研究をしてるんですよ。馬さんのサイトも時々覗いてるみたいでしたよ。」
「が〜〜〜ん」
「最近は小町さんのファンになったみたいで、サイン貰って来いって、煩いんだよな。」
「ところで野口氏の事知ってますか?」少し改まって、「彼がなぜ強力にプロジェクトを
進めていったのか。」
「さあ。単に被害を食い止めたいというのとは、違うようだけどね。」
「復讐なんだそうです。上海で彼の家族が亡くなったって、同僚の人が言ってました。」
結局プロジェクトが完了するまでの間、彼とは煩い役人というイメージでしか接する事が
できなかった。
巨獣の悲劇はまだ収束してはいない。もしかすると、明日は自分がその立場にならないと
も限らない。巨獣出現を単純に喜び、AMM−1の開発に複雑な気持ちだった僕でも、も
し彼と同じ立場に立たされたとしたら、やはり復讐を誓うのだろうか。
僕は遣る瀬無い思いで、胸が一杯になった。
673 :
A級戦犯:2005/12/01(木) 08:16:28
CMどおり「シャドウズ」順調に作成中(笑……なにやってんだかなぁオレ。仕事だって忙しいのに)。
全体構成も終り、作文も並行して進行中。
オレ的には、今まで投下したものの中で文句無しに最高のデキになるだろう。
それにちゃんとしたSF風にもなってる。
ただ、ちょっと長い。
それに厳密には「ゴジガメ」でないのかも…。
こんな異色作をワンコソバみたいに随時投下したら他の住人の投下の妨げになっちまう。
今回は完成させてからの集中投下にさせてたもれ。
こっちの板では軽く流す程度にするつもりだったのに、他住人の投下作のレベルが高いからつい力が(笑)。
674 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/02(金) 19:18:59
あまぎさん早く!
ガメ男さんもね!
675 :
あまぎ:2005/12/03(土) 15:49:35
【 甦る神話 (14-1)】
風邪薬の開発が終わっても僕と数名の研究者達は、管理要員として引き続き微総研勤
務だった。 と言っても、地下生活はシフト製で、1.5ヶ月のうち10日程度であり、残りの期
間は、自分の課題に取り組むことも許されるという待遇の良さだった。
それでもここでの本業は風邪薬を培養し、巨獣の来襲に備えるという、因果な役回りであ
る事に変わりは無いのだが
さて実戦配備されたAMM−1だが、オーストラリア近海で、身長20mのゴジラに試された
という知らせを聞いた。丁度哨戒中の攻撃ヘリが発見し、爆雷攻撃で浮上したところを狙って、
打ち込んだのだそうだ。
その効果の程は当初の予想に反し、風邪薬はたった1時間で威力を発揮しはじめ、8時間
後には完全に死滅したという。試験データでは、このクラスのゴジラの場合、5時間後か
らじわじわと効果が現れる事になっていたので、この結果は意外だった。
もしかしたら風邪薬はゴジラにとって、僕らの知らない未知の作用を持っているのかも知
れない。この件に関しては、巨獣云々という問題を抜きにすれば、研究者としては興味深
い現象だった。無理な事だとは分かっているのだが、今度ゴジラに風邪薬を撃つ事がある
ならば、その現場に駆けつけて、標本を採取したいところなのだが。
ところでこの日は運が良かったのか、ガメラは出現しなかったそうだ。
まあガメラがやって来たところで、今は新兵器がある。ようやく人類は巨獣に打ち勝てる
ようになったのだ。
676 :
あまぎ:2005/12/03(土) 15:52:40
【 甦る神話 (14-2)】
風邪薬の開発で僕が地下生活を過ごしている間に、インド洋の海底は、様々な分野の学者
にとってちょっとしたブームになっていた。
謎の海底遺跡は考古学者や地質学者の興味を集め、重力場の異常は物理学者や天文学
者の興味の対象だった。勿論僕ら生物学の研究者にとっても、新種の微生物の宝庫であり、
これら学術的発見の連続は、巨獣も含めて、俗に21世紀の大発見とか、インド洋の奇跡と
呼ばれていた。
その第二次調査隊が、2ヶ月近い調査を終えて近々帰って来るらしい。本来ならば3ヶ月前
に戻っているはずだったのが、丁度ゴジラのインド再上陸の時期と重なってしまい、スケ
ジュールが変わってしまったらしい。
調査の成果はそれぞれの学会のサイトに、速報が随時アップデートされていた。また一般
的なレベルでも関心が高まっている事から、インド洋海底調査隊のポータルサイトが立ち
上げられ、誰にでも分かりやすく解説されていた。
そんな中で現在最も関心を集めているものの一つが謎の古代都市であり、もう一つがワー
ムホールらしき痕跡だった。
677 :
あまぎ:2005/12/03(土) 15:57:45
【 甦る神話 (14-3)】
まず最も関心の高い古代都市。
普通の写真ではどこかで解体されたビルの残骸が、いくつも捨てられているように見える。
これを画像解析にかけると、廃墟と化した都市のディティールが浮かび上がってくる。かな
り侵食されてはいるものの、ビルのデザインや建築様式は、現在の水準とまるっきり同じよ
うに見える。一体いつの時代のものなのかは、今後の研究で解明するだろう。
気になるのはこの都市からも、高濃度のプルトニウムやコバルト60が検出されている事
だ。この時代の人間たちもまた、核戦争をやらかしてしまったのだろうか?
とそこまで考えて、僕はふとある事に思い当たった。
この都市から発見された、アメリカの調査艇 ODYSSEY の事である。
あの艇が持っていたサンプル収集用の容器の中には、巨獣の先祖と思われる単細胞生物が
入っていた。もしかしたら、あの単細胞生物の発生は、この時代の核戦争による放射能汚
染が、原因なのではなかろうか。
放射能の汚染で殆どの生物が死に絶える中、その環境に順応できる生物もいた。しかも進化の
速度が異常に早く、僅か数千万年でニューネッシーを経てゴジラやガメラに至った。
我ながら無茶な推論だとは思うのだが、進化の速さに関しては全く根拠が無いわけではな
い。何故なら風邪薬の素となったウイルスは、ちょっとした環境の変化に、普通では考え
られない時間で順応したからだ。僅か数ヶ月という通常なら考えられない期間で、ゴジラ
に対抗できる生物兵器に変化させられたのも、この異常とも言うべき順応性があればこそ
だった。
678 :
あまぎ:2005/12/03(土) 16:06:15
【 甦る神話 (14-4)】
ここで調査艇ODYSSEYが、なぜそんな大昔のサンプルを持って、インド洋の海底に沈ん
でいたのかという疑問が浮かんでくる。
その疑問の回答が、ワームホールではないだろうか。
つまりこうだ。ODYSSEYが投入された太平洋上では、当時様々な核実験が行われていた。
核のエネルギーは凄まじく、実験場のあったビキニ環礁の海底を、クレーターに変える程
だった。更には時空の歪をも発生させ、たまたまこちらの世界と原始細胞の時代に発生し
た時空の歪の同期が重なった瞬間、ワームホールが形成され、ODYSSEYは過去の世界
へとタイムスリップした。
SFまがいの推論もいいところだが、ゴジラ・ガメラの出現がそもそも、SFとしか言い
ようがない出来事であり、また紛れも無い事実なのである。しかも物理学的にワームホー
ルの痕跡は、検出されているのだ。タイムスリップが発生したとしても、それほど突拍子の無
い考えではないだろう。
679 :
あまぎ:2005/12/04(日) 00:06:30
【 甦る神話 (15-1)】
離陸してから1時間。それまで一定の轟音を発しながら飛んでいた輸送機は、エンジンを
絞り、向かいの壁の高い位置にある窓から、地上の景色がみえるほどの急旋回を何度かし
た。着陸態勢にある事だけは分かるのだが、外の様子が殆ど見えない輸送機の中では、下か
ら突き上げられたショックだけが、唯一の着陸した合図だった。
機体後部の巨大な扉が開くと、薄暗かったカーゴベイが一気に明るくなった。
輸送機から外に出ると、入れ替わりに、空自のイーグルが2機、慌しく青空の中に消えて
行くのが見えた。
とりあえず小松基地に到着したものの、さてこれからどこへ行けば良いのだろうと、キョ
ロキョロしていると、KOMATSU A.B. BASE OPERATIONと書かれた建物の前で、大林3曹が僕
の方に向かっ大きく手を振っていた。
「お久しぶりです。空の旅は快適でしたか?」と少し冗談交じりの笑顔で彼は言った。
「最高のフライトだったよ。まだ耳鳴りがしてるし、エアコンもイマイチで肌寒いし。」
とこちらも皮肉を込めて言う。「煩いと言えば、今も戦闘機が飛んで行ったけど、毎日こん
な調子なの?」
「じきに慣れますよ。今のは多分スクランブルですね。」
「ふーん。中国の飛行機が領空侵犯したのかな?」
「事情は分かりませんが、そんなところでしょう。とりあえず宿舎へご案内します。着隊
の報告は午後からって事で、隊長にも言ってありますから。」
「うん、よろしく。一体いつ北陸に転属してたの?。というか、ここって空自だよね。」
「転属と言うより、臨時ですよ。日本海側には対戦車ヘリの部隊が無いから、ここに間借
りしてるんです。」
僕らは格納庫裏の駐車場に止めてあった車に乗って、宿舎に向かおうとした。その時彼の
携帯電話が鳴った。
680 :
あまぎ:2005/12/04(日) 00:14:13
【 甦る神話 (15-2)】
「はい、そうです。これから宿舎へ案内するところです。ええ、さっき上がって行きまし
たが・・・・・・ 了解、急いで戻ります」彼の表情が兵士の顔に変わった。電話を切るなり僕
に、「竹島近海にゴジラ出現です。今のスクランブル、どうやら韓国軍とゴジラの交戦状
況の確認で上がったようです。」車を出しながら「うちも状況次第で、対戦車ヘリを上げ
ます。すみませんが、宿舎は後回しです」
「構わないよ。でも何故韓国軍が形振り構わず、領空侵犯してまで、ゴジラを攻撃するん
だろう。」
「ゴジラを倒すことで、竹島が自分立ちの領土だって、主張したいんでしょう。きっと、
我々に先を越されたくないんですよ。」
「ところでどれくらいのサイズのゴジラが現れたの?」
「詳細はまだ届いていません。」
駐機場の南端にある格納庫の裏に車は止められた。どうやらこの格納庫の一角が、陸自の
間借りしているスペースらしい。格納庫の前では、隊員たちが慌しくヘリの準備を進めて
いた。機体の両脇には、ドーリーに搭載されたAMM−1が、搭載されるのを待っている。
僕らが近づくと、ここの責任者だろうか、作業を見守っている年配の隊員が、僕らに気付
いた。彼の前で立ち止まると、大林3曹は敬礼し「原田研究員をお連れしました。」と報
告する。僕はどうして良いものかわからず、軽く会釈した。
年配の隊員は、「第三対戦車ヘリ隊第一分隊隊長の、日野です。宜しくお願いします。」
と言って、僕と握手を交わした。
ヘリの準備が終了すると、飛行班と書かれた小部屋に通された。僕の他に、日野隊長以下
第一分隊の隊員全員が集合した。
『・・・ゴジラは身長約60m。韓国空軍と交戦中。停戦の要求をするも、聞き入れる様子無し。』
スクランブル機からの無線だろうか、ノイズ混じりの交信が、部屋の壁に掛けられたスピー
カーから聞こえてくる。
681 :
あまぎ:2005/12/04(日) 00:20:37
【 甦る神話 (15-3)】
60mのゴジラ。もしかしたら、以前夕日台地区沖に現れた個体かもしれない。なぜなら
ここまで巨大なゴジラは、過去にこの一頭しか目撃されていなかったからだ。
「気を付け! 大鳥3佐他34名集合しました!」全員が集合したところで、副隊長なのだ
ろうか、大鳥3佐と名乗る隊員が報告する。答礼する隊長。「直れっ! 休め!」全員が
着席して、隊長の指示を待つ。
「今までの海自、空自からの情報では、ゴジラは現在竹島沖5kmの地点で、韓国軍と交
戦中だ。現在内閣では武器の使用について討議中だが、すぐに許可は下りると思われる。
命令があり次第、2機が出撃、2機が待機する。」
隊長が状況を伝えている間も、逐一戦闘機からの報告が入る。それによると、韓国軍機は
対艦ミサイルで攻撃しているらしいのだが、ゴジラには歯が立たず、逆に熱線攻撃で叩き
落されているようだ。対する自衛隊機は、領海内での他国の武器使用であっても、こちら
が攻撃を受けているわけではないため、総理大臣の決定が無い限り手を出せない状態だっ
た。
隊長の話と、作戦に関する注意がひとしきり終わったところで、僕が呼ばれ、AMM−1
の効果に関する説明を求められた。
「暫く前に、オーストラリア近海で20mクラスのゴジラに使用され、予想以上の効果を
発した実績があります。机上の数値と、ゴジラ細胞を培養したダミー上での試験では、5
時間後からゆっくりと効果を表すはずだったのが、1時間程度で急激に効果が現れていま
す。この原因は今の所わかっておりませんが、油断は禁物でしょう。個体差もありますの
で、この超大型クラスのゴジラを確実に倒すには、4発は必要と考えられます。」
『ガメラ出現』の声に、皆がスピーカーに注目する。『ガメラ、韓国軍機を攻撃中。』
結局ガメラ出現で、韓国空軍機の殆どが落とされ、残りの機体は退却していった。その後、
ゴジラとガメラの対決が始まった。
同じ頃、ようやく武器の使用が許可され、三沢からはAMM−1搭載の支援戦闘機がガメラ
攻撃のために離陸し、小松からは対戦車ヘリがゴジラを目指し上がって行った。
682 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/04(日) 16:06:54
「あまぎー、ガメラを助けて」
683 :
あまぎ:2005/12/06(火) 01:27:01
【 甦る神話 (16-1)】
AMM−1を搭載したヘリを見送って間もなく、駐機場が慌しくなってきた。
濃い緑色の飛行服に身を包んだ、イーグルのパイロットと整備員が、緊張した面持ちで、
それぞれの機体に付くや、次々に発進準備に取りかかっていた。整然と並べられたイーグ
ルは、一機、また一機とエンジンが回り始め、辺りは怒鳴り声も聞こえないほどの騒音に
包まれ、僕は思わず耳を覆った。
5分と経たないうちに、全機は滑走路へとタキシングして行き、アフターバーナーの轟音
と共に、日本海へと消えて行った。イーグルが飛び去り、静寂が戻った滑走路では、ジャン
ボ機がゆっくりと離陸滑走を始めていた。臨戦状態と平和が共存する、なんとも妙な光景
だった。
隊長と副隊長それに大林3曹と僕の4人は、戦況確認のため、空自の指揮所に入った。
管制塔横の建物内にあるその部屋の中は、偵察機や、たった今離陸した戦闘機、防空セン
ターからの要撃管制の無線の音声で溢れ、緊張に包まれた重い空気で淀んでいた。
「偵察機、間もなく現場上空です。韓国軍第2波は、尚も進行中。領空侵犯警告の呼びか
けに応じません。」
「スクランブル機を引き上げさせろ。偵察機の映像はまだか?」空自の司令官らしき人物
が、逐次命令を伝えている。
「偵察機からの映像は、現在データリンクの調整中です。」コンソールの女性隊員が言った。
司令官はマイクを取り「F−15の全編隊に告ぐ。韓国軍の第2波は、尚も接近中だ。対
ゴジラ・ガメラ攻撃に支障をきたす可能性がある。各機は接触後牽制せよ。場合によっ
ては、警告射撃を許可する。」と冷静な声で戦闘機に指示を出す。
『ラジャー』
684 :
あまぎ:2005/12/06(火) 01:31:52
【 甦る神話 (16-2)】
「リンク確立。中央スクリーンに画像出ます。」
壁一面のスクリーン中央に、偵察機からのリアルタイムな映像が映し出され、皆が注目する。
その中で、ゴジラとガメラが激しい攻防を展開していた。
2頭のガメラが間合いを取りつつ、それぞれがゴジラを中心に12時と6時に位置し、旋
回しながら相手の様子を伺う。ガメラの1頭が火球を吐き、ゴジラが反撃しようと気を取
られている隙に、もう1頭が別の方向から火球攻撃をする。まるでライオンが群れで狩を
するかのような光景だった。
しかし、ゴジラも負けてはいなかった。何度目かの攻撃を受けた末、1頭目の囮攻撃をか
わすとすぐに、別方向の1頭へ熱線を吐いた。予期しないゴジラの反撃に、ガメラは避け
る間もなく被弾し、墜落した。海面には大きな水しぶきが上がり、墜落したガメラは海中
に姿を消した。
上空のガメラは、次の攻撃のチャンスを窺いながら、それまでより距離を置いてゴジラの
上空を旋回し、ゴジラもまたガメラの隙を狙っていた。
「韓国軍、間もなく攻撃圏に入ります。」レーダーのオペレータが報告する。
「ヘリとF−2の到着まであと20分だ。イーグル隊が接触したら、直ちに牽制行動にか
からせろ。」
「イーグル隊こちら指揮所・・・・・・。」
まずい。「ゴジラはガメラにとって狩りの獲物です。韓国空軍が再攻撃をすると、またガ
メラに襲われます。牽制するなら、攻撃前じゃないと、イーグル隊も巻き込まれます。」
「間にあわん・・・ よし、韓国機に警告だ。イーグル隊は、現場上空で待機。」
巨獣が戦う中、人間同士の激しい戦いも展開していた。それはこの指揮所や最前線の兵士
といったレベルではなかった。当然の事ながら日本と韓国の政府間でも、政治的な駆け引き
が行われていたのだが、現場の人間にはその事を知る由もなかった。そしてそれが、後に思
わぬ結果を招く事も。
685 :
あまぎ:2005/12/06(火) 01:34:51
【 甦る神話 (16-3)】
ゴジラと上空のガメラ、2頭の睨み合いが続いてた。そして暫くの後、別のガメラが海中
からゴジラの背後に忍び寄り、飛び出すやいなや火球攻撃。ゴジラの背鰭の一部が、衝撃
波で飛び散った。だが、ゴジラは少しも動じる気配を見せず、尻尾に渾身の力を込めて、
背後から襲いかかるガメラを打ちのめした。ガメラは大きくのけぞると、水柱を上げて、
再び海中に沈んでいった。
次の瞬間、ゴジラの体にいくつかの小さな閃光が起こった。韓国軍機の攻撃だった。
攻撃はゴジラばかりでなく、ガメラにも及んでいた。しかし、巨獣たちには効果らしい効
果は無く、逆に興奮を募らせるだけだった。
巨獣は一時戦いを止め、煩い戦闘機を攻撃し始めた。
戦闘機はヒラリヒラリと熱線や火球をかわそうとするが、直撃を受けずとも、至近弾の衝
撃波で被弾し、黒い煙をたなびかせながら、落ちていき、画面の隅のほうには、脱出した
パラシュートの花が、いくつか舞っているのが見えた。
「イーグル隊、間もなく現場です。」
「いや、もう遅い。ここはやり過ごさせて、第3波の牽制にかからせろ。」
右隣のレーダースクリーンでは、一つ、また一つと、赤い点が消えていった。
686 :
あまぎ:2005/12/06(火) 01:42:11
【 甦る神話 (16-4)】
少し中央モニタから目を逸らした間に、戦闘機の相手をしていたと思われたガメラが、ゴ
ジラに向かって急降下しながら、火球攻撃に転じていた。それはゴジラの右肩に命中し、
ゴジラは体制を崩した。
ガメラの陰でゴジラの姿がよく見えないが、あと僅かで衝突というところで、画面はガメ
ラのシルエットを残し一瞬青白い光で染まった。次の瞬間、ガメラは背中の甲の一部を四
散させながら、海面に激突した。水しぶきがおさまると、左腕を吹き飛ばされ、薄緑色の
血を流すガメラの姿があった。
片腕を失い傷付いても尚、火球攻撃を続ける小型ガメラだったが、弱っているのか、
先程までの威力は無くなっていた。
ゴジラは傷ついたガメラを捕まえると、鋭利な爪で、傷口を中心にガメラを切り裂く。音
声こそ聞こえないが、それでも、もがき苦しむガメラの絶叫が聞こえてきそうな光景だっ
た。巨大なゴジラに比べて、このガメラは20m程度しかなく、力の差は歴然だった。
ガメラが反撃しようともがけばもがくほど、ゴジラの爪は深く食い込んでいった。そして、
ゴジラが両腕をじわじわと広げていくと、ガメラの夥しい血液で海が染まり、ガメラの前
後の甲は引き剥がされ、そして小型のガメラは絶命したように見えた。
巨獣同士の戦いとはいえ、あまりに凄惨な光景に、オペレーションルームは水を打ったよ
うに静まり返った。
687 :
あまぎ:2005/12/06(火) 01:49:40
【 甦る神話 (16-5)】
静寂の中、電話が鳴った。指揮官が受話器を上げ、なにやら言い合いを始めた。そして、
大きなため息をつきたいのを堪えて「防空センターだ。イーグル隊を下がらせろ。内閣か
らの命令だそうだ。」と言った。誰もが信じられないといった顔をした。「早くしろ。」
オペレータが慌てて、マイクを取り、指示を伝える。
政治的判断なのだろうが、その意図がどこにあるのか、ここの現場には考えている余裕
はなかった。
小型のガメラを倒したゴジラは、残りの1頭を警戒して、周囲の海面を見回している様子
だった。しかし何かの気配を感じたのか、その視線をゆっくりと上空へ戻した。
「アンチ・ゴジラ隊、アンチ・ガメラ隊共にあと3分で現場海域に入ります。」
「よし、アンチ・ゴジラ隊は速やかに戦闘隊形をとり、目標を確認次第攻撃、離脱せよ。
アンチ・ガメラ隊は、ガメラを警戒しつつ、ゴジラ隊の援護にあたれ。韓国の第3波がすぐ
に来る。攻撃の機会は一度きりだ。以上」
『ラジャー、アンチ・ゴジラ』『ラジャー、アンチ・ガメラ』
そして長い3分が経過した。
『アンチ・ゴジラ隊、目標を確認』対戦車ヘリから無線が入った。
画面の下から2機のヘリが見えてきた。どれくらいの高度かは分からないが、超低空飛
行をしているようだ。まだ上空を睨み続けるゴジラの背後から、じわじわと近づき、ぎりぎ
りまで接近したところで、照準に入ったのだろう、前進が止まった。
そしていよいよ攻撃というとき、ヘリの体制が崩れるのが見えた。
『攻撃を受けたっ! ああっ!』ゴジラの背後で、一つ小さな爆発が起こった。
振り向きざまに吐かれた熱線が、ヘリの1機に命中したのだ。第2波の残存機だろうか、
F−2がその戦闘機を追い散らす。その間に、別の方向から新手が、ヘリの妨害に入る。
F−2が旋回している間に、ヘリは至近弾の攻撃を受け、おまけにゴジラの熱線の的にな
る。AMM−1発射の機会を失い、一旦現場を離れるヘリ。
その間に第3波が現れ、執拗にゴジラを攻撃する。無駄だと分かっていても、国の威信を
賭けているつもりなのだろうか、その攻撃は止まるところを知らなかった。
688 :
あまぎ:2005/12/06(火) 02:00:12
【 甦る神話 (16-6)】
韓国軍の第3波が懸命にゴジラを攻撃している時だった。突然海面が隆起を始め、黒い物
体が飛び出してきた。海中に没したと思われたガメラだった。
両者は間合いを取って、まるで睨みあっているかのようだった。
身長60〜70mのゴジラに対し、ガメラは50m程度だろうか。その大きさだけならば、
子供と大人ぐらい差があった。しかし、その獰猛さは両者、優劣付け難いものがあった。
不意なガメラの出現で、戦闘機の攻撃が止んだ。
『アンチ・ゴジラ2、ミサイル発射完了、離脱します。』
無線の声とほぼ同時に、ゴジラのわき腹付近に。小さな閃光。
ガメラが怒りに咆哮を上げたように見えた。
次の瞬間、ガメラの背中でも、小さな閃光が一つ上がった。F−2のAMM−1攻撃だっ
た。しかし、ドサクサ紛れの攻撃は、韓国軍機の横槍で、それ以上続けられなかった。
巨獣立ちは痛くも痒くもないといった様子で、人間を無視し、互いに激しく戦い合った。
熱線と火球は、海水を水蒸気に変え、映像が陽炎のように揺らめいた。
巨体と巨体がぶつかり合い、巨大な水柱が幾つも立っては崩れ落ちた。
そしてガメラが体制を変えようと、飛び上がったときだった。水面から何メートルも上が
らないところで、不意にバランスを崩し背面から落ちた。
ここぞとばかりに、熱線を吐くゴジラ。
至近距離から直撃を受けたガメラは、起き上がることなく、海中へと没していった。
その様子を見届け、勝利の雄叫びを上げたゴジラもまた、ゆっくりと潜り姿を消した。
結局AMM−1はゴジラに2発、ガメラに1発命中した。戦いの最後の様子では、ガメラに
は効果が現れ、ゴジラもまた弱り始めているように見えた。しかし2頭の巨獣は海中に消え、
その屍骸は確認されていない。
689 :
A級戦犯9l:2005/12/07(水) 12:20:21
前の方からざっと一覧してみたが、このままだとたぶん900スレまでいけないかもしれないな。
途中で512規制が発動する可能性がある。
「特撮」板で二回連続512規制を発動させた前科者のオレが言うんだから間違い無い(笑、ちなみにそのせいで「A級戦犯」を名乗ってる)。
そうなると次スレへの案内もなんにも無しで、現スレに書き込めなくなる。
もちろんスレ住人も散り散りに…。
名乗りをあげてる三人の作も、全部は投下できないだろう。
要注意のこと。
今のうちに次スレ作っといたらダメ?
512規制てよく知らないけど何ですか?
↑自己解決しました。
692 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/08(木) 00:34:27
ストーリーは上手いんだが、しかし、ゴジラに「プラズマ」火球が効いていないところが読んでいく間に現実味がなくなってきてる
熱線の凄さ、火球の凄まじさを、、、、、
オナニー小説そろろやめんか?
あまぎ氏の一人舞台になってる感があります。
もう一週間経っても完結しないし、これでは他の人が
書き込もうにもそれができない状況になっています。
小説風が悪いと言っているのではなく、
予め原稿を書いて置き、2、3日で完結するように
したほうがいいと思います。
695 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/08(木) 21:52:30
ガメ男さん最強のガメラを復活させてね。
イセエビのような、タラバガニのような甲羅が割れるガメラなんて嫌です。
696 :
ガメ男:2005/12/08(木) 23:03:45
>>695 鋭意作成中です。
でも最近仕事が忙しくて体の調子も悪い・・・
結局まだ完成には至ってません。
スミマセン。
697 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/09(金) 01:23:42
ガメ男さん、ガメラはゆっくりと楽しみにしていますので、まずは元気になってくださいね。
698 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:35:25
次の方にバトンを渡せず、すみませんでした。 m(__)m
色々と事情がありましたもので、今回で完結です。
ほんとうに、長い事ご迷惑をおかけしました。
699 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:37:24
【 甦る神話 (17-1)】
巨獣たちが海中に消えてすぐに、日本海は封鎖された。上空では海自の哨戒機が飛び交い、
海上でも自衛艦や巡視艇が、見張りの任に就いたが、巨獣立ちの姿を捕らえる事はできず、
人々はただ不安な時間を過ごすばかりだった。
「えらい事になりましたね。」巨獣対策会議が終了し、慌しかった目的外の日課の後、僕
はやっと宿舎に案内された。
「でも指揮所で見た映像は、ガメラやゴジラの生態研究の材料になるよ。」
「それは無理ですよ。基本的には門外不出の資料ですから。」大林3曹も残念そうに言う。
宿舎の中の一部屋に僕を案内した大林3曹は、基地での生活に関する簡単な説明をすると、
「後で基地クラブで一杯やりましょう。19時に迎えに来ますよ。」と言って自分の隊舎
に帰って行った。
ベッドに腰掛け、携帯電話を見ると、何件かの着信履歴が残っていた。そう言えば、朝か
ら大騒ぎで、電話の相手をする暇も無かったんだ。履歴確認のつもりでボタンを押すと、
いきなり誰かと通話状態になった。
『久しぶり、馬さん。』小町っちゃんだった。
「どーしたの? 忘れられたかと思ってたよ。うん、うん。えっインド洋? また?」
『そうそう、楽しいバカンス! おーさわさんから聞いたわよ。男同士、一つ屋根の下で何
やら怪しい事やってたって。ふ・け・つぅ〜』
「まぁ、男には男同士の事情がありまして。ところで今どこからなの?」
『もうすぐ敦賀に入港するとこ。』敦賀と言えば、すぐ近くのはずだ。『えっ、ゴジラ?
そうそう、そのおかげで、急遽敦賀で足止めになっちゃったのよ。』
「そのゴジラの相手してるんだよ。って言うか、成り行きなんだけど。」
『えっ、それなら早くなんとかしてよ。』なんとかしろって言われてもな。
『ところでこっちは、信じられないような大スクープ。みんな戸惑って、発表が差し控え
られてるんだけれど。』
「大スクープ? ゴジラやガメラの巣でも分かったの?」
『関係大有り。でもそれ以上に信じられ無い事が、』彼女の声が途切れ、電話の向こうが
騒々しい。
「小町っちゃん、おい、どうした?」
700 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:39:10
【 甦る神話 (17-2)】
その時基地に非常呼集の命令が下る。
『達する ヒトハチサンマル、敦賀近海にゴジラ出現。隊員は所定の部署で待機せよ』
「おい、小町っちゃん、ゴジラが近くに出たのか?!」既に電話は切れ、僕はかけ直した
が、回線混雑の音声に接続されるだけだった。彼女は無事なのだろうか?
「馬さん、指揮所へ同行願います。どうやら狙いは敦賀の原発らしい。」
戦闘服を着込んだ大林3曹が、やって来た。
「ガメラは?」
「今のところゴジラだけです。」
指揮所には既に司令官や陸自の隊長たちも集合し、昼以上に空気が張りつめている。
「すぐにヘリを上げ、残りのAMM−1攻撃を実施する。それまで15で牽制し、できる
だけ陸上への進行を遅らせろ。陸自の配置は?」
「対戦車ミサイル隊が20分後に配置につきます。その間に、戦車隊を配備します。」
「原田さん、何か有効な対抗手段は?」
「今のところは。ゴジラの様子が分かりません。AMM−1が効果を発揮しているのかど
うかさえ。現地に行けないものでしょうか?」
「今は無理です。」
基地からは、陸自のヘリが2機と、何機ものイーグルが離陸して行き、10分と経たない
うちに攻撃が開始された。
『大分弱っているようですが、進行は止まりません。』
現場からの報告が逐次入り、聞いている方も思わず力が入る。
「アンチ・ゴジラ隊はまだ到着しないのか?」
『あと配置まで5分です』
『だめだ、奴はもんじゅに向かっています。』
戦闘機はゴジラの熱線攻撃を避けているのだろう、レーダースクリーンの軌跡が、激しい
機動を物語っている。
「対戦車ミサイル隊、第一波到着。攻撃に入った模様です。」
指揮所は重い空気で満ちていた。
「もんじゅまで、あと1km。対戦車隊、50%損耗」
701 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:40:32
【 甦る神話 (17-3)】
『こちらアンチ・ゴジラ。配置完了。』
「直ちに攻撃、離脱せよ。」
『ラジャー』沈黙の数秒が過ぎる。
『全弾命中、離脱します。』
ヘリの光点がゴジラから遠ざかる。イーグルらしき軌跡が二つ、援護だろうか、ヘリの斜
め前方からゴジラに向かう。しかし次の瞬間、ヘリのを示す光点は消えていた。
『対戦車ミサイル隊、総攻撃開始。線車隊配置完了、間もなく攻撃に移る』
『ゴジラ上陸、熱線でもんじゅを破壊。』
指揮所の誰もが言葉を失い、無線の音だけが空しく響く。
もんじゅは破壊され、大量の放射能をばらまいた。だがAMM−1の攻撃を受けたゴジラ
もまた、そこまでで力を失い原子炉の上にその巨体を横たえた。
702 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:42:19
【 甦る神話 (18-1)】
上海で見たゴジラも巨大だったが、今ここに倒れているゴジラは更に大きく、この巨獣か
らすれば人間は蟻以下にしか見えないだろう。人間の科学力なんて、このゴジラを創りあ
げた大自然の力の前には、まだまだ無力だとしか言いようが無い。
僕はゴジラの血液と細胞のサンプルを採取し、辛うじてゴジラから難を逃れ、敦賀の港に
避難した調査船へと向かった。
僕が甲板に上がると、小町っちゃんが慣れない防護服を着込んで、迎えに出て来た。マス
クの奥には、いつもの彼女らしさが無く、その目は不安を隠せないでいた。「大丈夫。心
配はいらないよ。」彼女に気休めの言葉をかけ、僕は船内に入った。そのときふと見た水
平線の彼方が、一瞬明るく光ったような気がした。
分析室ではAMM−1開発にも一役買った、アメリカのレイモンド博士が、既に分析の準
備を終え、サンプルの到着を遅しと待っていた。
僕らは挨拶もそこそこに、作業に取り掛かる。
休み無く分析を続け、夜明け頃にやっと結果が出た。
「信じられない。たった数時間の間に、ゴジラはAMM−1に対する免疫を持ってしまっ
たというのか。」レイモンド博士が、額に汗を浮かべて言う。
「最初の攻撃が、この個体に対して予防接種として作用したのでしょうか?」
夕方の攻撃で倒れたかのように見えたゴジラだったが、人間で言えば、風邪にか罹って高
熱が出たようなものだったのだろうか。しかしもんじゅからの大量の放射能を受けた今、
ゴジラは確実に活性化しつつある。
結果を見守っていた大林3曹は、すぐに隊長に連絡したが、すでに手遅れだったようだ。
敦賀湾の向こうから、遠雷のような砲声と爆発音、それに混じってゴジラの咆哮が聞こえ
てきた。
僕は後部デッキに出たが、岬の山影から黒煙がもうもと上がるのが見えるだけだった。
「馬さん、僕は一旦もんじゅ近辺にいる本隊に合流します。」
「僕も行くよ。」
「いや、民間人を前線に連れて行くわけにはいきません。」
「戦況が見れるところまででいいから。頼む。」
いつの間にか隣にいる小町っちゃんが「私も。お願い。」と言う。
彼はやれやれと言った顔で、「見えるところまでですよ。」と言った。
703 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:45:30
【 甦る神話 (18-2)】
車は岬の突端で止められ、僕らはそこで下りた。別れ際「今晩、一杯やろう!」と僕は言っ
た。彼はにっこり笑って頷き、車を走らせた。
海上ではゴジラと自衛隊の激しい攻防が展開していた。
空と陸からの攻撃にも全く、動じることなく、ゴジラは熱線を放射する。青白い炎は鋼鉄
の戦車も、飛行機も、一瞬のうちに四散させ、陸に、海に、幾つもの炎と煙が上がった。
一回の熱線攻撃は、集中砲火の何倍もの威力があり、青白い炎が上がる度に、自衛隊の戦
力は徐々に減少していった。
「だめだ、もう我々には何の戦力も残されていない。」
「こうなったのも、人間の自業自得よね。」重い口調で言う。
「自業自得って? 対巨獣兵器の事?」そう聞き返したが、彼女は、
「そうじゃなくて、巨獣出現の事よ。」何だって? そう言えば、電話で巨獣の巣が分かっ
たとか言ってたな。「今回のインド洋調査で、はっきりした事があるの。それは・・・・・・」
彼女が続けようとしたときだった。ゴジラが一瞬真っ赤な光に包まれ、吹き飛ばされた。
見上げると、そこには昨日の戦いで海中に没したと思われた、大型のガメラがいた。
不意を突かれたゴジラだったが、すぐに体制を整えると、熱線で反撃に出る。しかしガメ
ラは直撃を皮一枚のところで、ヒラリヒラリとかわす。衝撃波で甲の表面が飛び散るが、
ダメージは受けていない様子だ。
ゴジラが立ちあがりかけたところで、ガメラは加速し、その背後に翼上の腕を叩きつけた。
再びゴジラが倒れたところで、ガメラはゆっくりと着地すし、狙いをさだめて火球を吐く。
ゴジラが倒れている水面が、激しい爆発と共に一瞬のうちに蒸気と化し、ゴジラを叩きの
めした。
今までのガメラとは様子が違っていた。
これまでは必ず2頭ペアで行動し、知的とも思われる連携を行動の基本としていた。しか
し今のガメラは、1頭だけという事もあるのだろうが、形振り構わぬ強暴さが溢れていた。
そればかれではなく、その力がどこから沸いてくるのか、不思議なほど、強力なエネルギー
に満ちていた。
704 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:47:55
【 甦る神話 (18-3)】
だがそれはゴジラも同様だった。
海中に倒れ、プラズマの炎に焼かれたと思わせておきながら、わざとガメラの接近を誘い、
熱線を吐く。再び海は爆発し、今度はガメラが吹き飛んだ。
立ち上がったゴジラは、満身創痍だった。溶岩のような皮膚の薄い部分は、ひび割れ、薄
緑色の血液が溝を伝い流れていた。
ゴジラは周囲を見回しガメラを探した。しかしガメラは姿を現さなかった。
辺りに静寂が戻った。
「あの巨獣立たちは、私たち人類が創りあげたものなの。」突然続きを話始めた彼女の言
葉は、何を意味するのかよく分からなかった。
「インド洋の海底に沈む都市の残骸、それは、・・・・・・」
ガメラが現れないと確信し、雄叫びを上げるゴジラに、声はかき消された。
「それは、いつの時代かは分からないけれど、そんなに遠くない未来。」
「み、未来だって?」僕は耳を疑ったが、彼女はゆっくりと頷く。
ゴジラは沖に向かって、一歩一歩と、歩を進めていた。
「これ、何だか分かる?」彼女は、ポーチの中から、何枚かの写真を取り出そうとしたが、
防護服の手袋がごわごわしていて、苦労している様子だった。
僕がその写真を受け取った時、もんじゅの方向から車が近づいてくる音がした。
見ると、煤けたジープだった。そのドライバーが手を振っているのが見える。
そして、そのジープの向こう側に、青白い炎を噴射しながら海の方へ、飛んで行く物体が
あった。噴流に煽られて、模型のように転倒するジープ。僕たちはジープへと走った。
ドライバーは、もがきながらも、なんとか自力で這い出してきた。
「ガメラも生きていたんですね、信じられないけれど。」大林3曹だった。
海を見ると、再び、巨獣の戦いが再開されていた。ガメラも傷を負ってはいたが、その動
きの素早さは、さっきと少しも変わらなかった。
着陸し両者は睨み合った。60m以上のゴジラに対し、40mのガメラは、その大きさだ
けならばゴジラに分があったが、その殺気に満ちた強暴さはガメラの方が勝っていた。
もしかしたら、昨日ゴジラに八つ裂きにされた個体は、つがいのメスだったのだろうか?
それとも子供だったのか。その仇を討つために、ガメラは復活したのだとしか思えなかった。
705 :
あまぎ:2005/12/09(金) 03:50:11
【 甦る神話 (18-4)】
ガメラはゆっくりと息を吸い込んだ。
ゴジラはその殺気に気圧されたかのように、後ずさり間合いを取る。
ガメラが息を吸い込むにつれて、その体がぼんやりと紅色の光に染まる。そして次の瞬間、
その光は眩い光の玉となって、放たれた。光の玉は、海面に夥しい水蒸気と水柱の軌跡を
引きながら、ゴジラに襲いかかる。
さすがのゴジラでも、渾身の力が込められた火球をかわす事はできなかった。
プラズマの熱と衝撃波は、ゴジラを完全に引き裂き、四散させた。
「さっき、聞いたんです。」大林3曹がガメラの方を見ながら言う。「ゴジラの攻撃で止
めを刺されたと思われていたアイツは、半島の領海で漂流していたところを攻撃され、海
軍を殲滅したそうです。慌てた北の政府は恐怖の余り、核の引き金を引いてしまった。昨
日の晩、丁度僕たちが調査船にサンプルを持って行った頃の事だそうです。」
ガメラが咆哮を上げた。
「じゃあ、僕が昨日見た光は、」
「恐らく、間違いありません。」
それで全てが繋がった。ゴジラがもんじゅの放射能で復活したように、ガメラもまた核の
力で復活をした。
ゆっくりと日本海に姿を消してゆくガメラ。
706 :
あまぎ:2005/12/09(金) 04:26:23
【 甦る神話 (18-5)】
僕は彼女から受け取った写真の事を思い出し、1枚1枚じっくりと観察した。ただのコン
クリートの残骸にも見えるが、しかしどこかで見覚えのあるようなディティールでもあった。
「今回の調査で、おぼろげながらも分かったそうよ、なぜ巨獣が出現したのか。」 写真を
見ながら、耳は彼女の話に注目する 「数年前の地震は、ワームホールを形成し、ゴジラ
やガメラの存在していた未来の空間の一部ごと、こちらの世界へ持ってきてしまった。」
「何だか信じられませんよ。ゴジラやガメラだって、未だに信じられないのに。」
「人類は、遅かれ早かれ、核戦争を始めてしまうのか? だから自然界には無いに等しい放
射性物質が、ゴジラやガメラ、その先祖となった単細胞生物から検出されたと言うわけか。」
最後の写真は何かのレリーフのプレートだった。「でもそれだけじゃ、ワームホールが未来
の世界を運んで来たという証拠には・・・・・・」そこまで言いかけて、僕の、写真を持つ手が震
えだした。
その写真に写るプレートは、激しく腐食していたが、悪い冗談のような、そのレリーフの
文字は、辛うじて判別できた。
【東京都庁】 と。
北の将軍が開いたパンドラの箱で、極東はアジアの火薬庫と化すのだろうか。
ここ数年間で巨獣たちに翻弄され、汚染されてしまった大地と海。
そして今、新たな世界大戦の予感。
「ふ、ふふふふ、ははははははは・・・・・・。何てことだよ。俺たちがゴジラやガメラを創っ
ちまったっていうのか。今去って行ったガメラや、未来世界のゴジラたちは、図らずとも
創造主となった人類を、きっとあざ笑っているのだろうな。」
= 完 =
707 :
A級戦犯:2005/12/09(金) 07:41:21
やばい!?終了してもうた。
……いや、まずはおつかれさまです。
もう一週間ぐらい続くと思ってたました(笑)。
コチラは「集中投下」予定なので、作業を急ぎます…。
エンディングだが、コッチの方の駄文と齟齬無く完璧にかみ合います。
…というか、まるで奇跡のように完璧に繋がる。
テーマもネタも違ってるし、舞台設定だけパクるつもりだったのに。
708 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/09(金) 21:08:35
あまぎさんお疲れさまでした
最後まで読んでほっとしました。
ガメ男さんとあまぎさんはストーリー展開や
スピリットは違うものの、プロの脚本家よりも
怪獣の個性を十分に理解してるし、情熱と優しさを感じます。
また充電したら来てくださいね。
709 :
A級戦犯:2005/12/12(月) 08:25:01
凪に入ったようなので……。
「甦る伝説」のパクリ編(笑)「シャドウズ」の投下を開始しよう。
作業の進捗状況の関係から「どうしてもその必要のある部分」のみ物語形式とし、あとは粗筋形式にする(フルに書くと確実に100スレ超えるためもあり…)。
それから連投規制に引っ掛かるためもあり、一日での投下はせず、三日から四日に分けて投下。
よって終了は水曜か木曜の予定(笑)。
デキは今までの中でも一番いい(自画自賛)。
ただし、言っとくが「ゴジラじゃない」と思うぞ、この駄文は(笑)。
……では、本日より投下開始。
710 :
シャドウズ/1「レットイットビー」:2005/12/12(月) 08:28:00
すべて終ったいま、オレはこうしてこの手記をしたためている。
事実について書き残すのは、フリーのカメラマンでありルポライターでもあるオレの義務だと思う。
時計の針は午前二時を10分ほど廻ったところだ。
深夜ラジオからビートルズの「レット・イット・ビー」が微かに流れ、彼女はとなりの部屋で疲れ果てて寝息を立てている。
安堵し、無防備にさらす横顔を見ると、ここ数週間のできごとがまるで嘘のようだ。
でも、嘘ではない。
死んだ者たちも、失われたものも、すべて現実なのだ。
歌は繰り返す。
レットイットビー♪……レットイットビー♪
あの一連のゴジラとガメラの事件を知らない者などいないだろう。
空飛ぶカメと黒い凶神の闘争劇、そしてインド洋海底の超古代文明。
青い空と青い海、胸のときめきと大破壊が手を携え世界を闊歩した季節。
目の前に事態に対応するのが精一杯で誰も気づきはしなかった。
そう、誰も……。
我々が「神の見えざる手」を目にしているのだということに…。
711 :
シャドウズ/2「ゴジラ遺伝子」:2005/12/12(月) 08:29:40
「……一部にゴジラをバージェス頁岩で発見されるようなカンブリアの生命爆発のころに分化した存在だとするような意見もありますが、これは明らかに誤りですな。…うししししし。」
数日前からかかりっきりだった原稿をやっと脱稿し、オレはビール片手にテレビを眺めていた。
テレビで喋くってるのは、有名な爬虫類学者の……なんて言ったか?………そう、万石とかいう先生だ。
「……ゴジラには明らかに脊椎が存在します。ということは、最低でも脊椎動物の発生以後分化した存在であるということですな。いひひひひ。」
「それではやっぱりゴジラは見た目どおりの恐竜なんでしょうか?」
「それはまだ断定できません。まあ、例のゴジラ遺伝子の解析が済めば、はっきりしたことも判るでしょうが…。」
……ゴジラ遺伝子の解析。
放射能をエネルギー源として口から熱線を放つ、二足歩行の巨獣ゴジラ。
この「在り得ざる生命」の秘密を解き明かすべく、世界のトップクラスの頭脳が総力を結集していた。
ちなみにこの万石という先生、以前インタビューしたことがあるが、SF小説に出てくるマッドサイエンティストの役を素のままで演じられそうな人物だ。ゴジラ遺伝子解析プロジェクトにもお呼びがかからなかったらしいから、世間一般でもマッド…と思われているのだろう。
「そんな学者に話し聞いたって仕方無かろうに……。」
皮肉を呟くと、オレはテレビのスイッチをきった。
最初の事件が起こったのは、その夜のことだった。
712 :
シャドウズ/3「原発事故」:2005/12/12(月) 08:30:49
アメリカはカリフォルニア州の原子力発電所。
時差のため現地は早朝。
建物前に数台の科学消防車と救急車が急停車した。
原発で事故発生!
警報装置が発報したのである。
だが不思議なことに、事故状況を説明すべき原発職員は1人も現れなかった。
やむなく消防隊は職員による誘導なしに建物内に侵入。
最初に建物に踏み込んだ消防士は全部で15名だったそうだ。
だが戻ってこられたのは、わずかに1名。
しかも、ショックのため言語障害をひき起こしていた。
生き残りの証言は、「報告」というより「妄言」であったが、彼のもたらした「物証」が決め手になった。
軍が直ちに出動した。
713 :
シャドウズ/4「不自然な装備」:2005/12/12(月) 08:32:13
「ちゃらら♪ちゃらちゃらちゃらちゃらら〜♪」
「ゴッドファーザー愛のテーマ」でオレは目を覚ました。
オレの携帯だ。
時刻は午前1時よりすこし前。
「はい……。」
寝入り端に起されていささかムッとしてもいたので、こっちからは名乗らない。
「……その調子だとやっぱり寝てやがったな。さっさとテレビつけろよ!」
それだけ言うと、むこうも名乗らないまま電話を切った。
眠い目をこじ開け、テレビのリモコンをとる。
テレビに写ったのはCNN。
夥しい台数の消防車と救急車。それに軍用車だった。
「なんで消防車と軍用車がいっしょくたに?」
テロップに目を走らせたとたん、オレは一瞬で目が覚めた。
原発で火災発生!
近隣の住民に非難勧告!
一発で目が覚めた!
「軍まで出てるとは、こりゃ大事だぞ!」
だがそのとき、オレは奇妙なものに気がついた。
画面の奥を、災害救助とは場違いな兵がチラッと横切ったのだ。
「何だ今の兵は?災害派兵なのに、なんで完全武装なんだ?」
714 :
シャドウズ/5「象」:2005/12/12(月) 08:33:22
アレは直ちにアメリカの友人に国際電話をかけた。
ソイツは東欧系の「マルコなんたらかんたらイリーエビッチどうたら」……という、オレには発音すら不可能な名前をもつ元兵士だ。
めんどくさいのでオレは単に「マーク」と呼んでいる。
オレとマークとはコソボでの戦場取材中に親しくなり、それはヤツが対テロ警備保障会社の顧問に落ち着いてからも続いていた。
「おおアンタか。ってことは今やってる事件のことでだな。」
時差の関係で現地は昼近くなので、マークはすぐ電話に出てくれた。
電話の向こうで微かに聞える音声からすると、ヤツもCNNを見ているらしく話も早い。
「…で、どうなんだマーク?火災なんて言ってるけど、ありゃテロだろ?」
「の、はずだ。火を消すのにアサルトライフルはいらないからな。」
ヤツも「武装した兵」の存在に気づいていた。
「だが……不思議なことがある。あれがテロだとして、建物内でのクローズドコンバットなら、サブマシンガンやショットガンが圧倒的な威力を発揮する。
だが、兵たちはどっちも装備していないように見えた。
それどころか……どうやら象撃ち用らしきライフルを持ってるヤツまでいた。」
「象撃ち!?…………って、原発内に象がいるのか?」
マークの答えは、いま考えると実に正鵠を射たものだった。
「少なくとも突入した連中は『いる』と思ってるんだろうな。」
カリフォルニアでの原発事故は数日後に「電気配線のトラブルが原因」ということで収拾が計られ、それ以上の情報は入らなかった。
715 :
シャドウズ/「取材」:2005/12/12(月) 08:35:01
あの原発事故から一ヶ月ほど後のある日。
オレはある地方都市に向け車を走らせていた。
人と取材の約束があったからだ。
町並みを抜け廃園となった市民プールの脇を過ぎると、あとは山林と原野が10分以上も続き……。
いきなり煉瓦造りの洒落た建造物群が姿を現した。
オレはその中の、とある研究棟の前へと車を乗り入れていった。
用件を告げると、院生らしき男の案内で小さな会議室のような部屋に通された。
「大鳥研究員ですね。……呼んできますので暫くお待ちください。」
オレはあの事件のあと「ゴジラとガメラ・残された光と影」というテーマで取材活動を続けていた。
「影」とは巨獣対決がもたらした負の遺産のことである。簡単に言えば、破壊のツメ痕だ。
一方の「光」はというと……。
ゴジラの死体の調査から判明した様々な可能性、特に新種の細菌群のことだ。
ゴジラの体内で繁殖していた放射能を吸収する細菌は、上手く活用すれば原子力エネルギーに「革命」などという言葉では言い足りないほどの光明をもたらすものと期待されていた。
今日の面会の相手である大鳥研究員も、そうした好核バクテリアの研究者の1人なのだ。
かちゃっ
ドアが開き、あの院生が顔を出すと悪戯っぽく笑って言った。
「お待たせしました。オードリーです。」
(おーどりー?)
聞き間違いかと思った瞬間、院生が引っ込んで、入れ代わりに当の大鳥忍研究員が入ってきた。
……聞き間違いではなかった。
大鳥研究員は、たしかにぱっと見がオードリー・ヘップバーンを連想させる、長身にショートヘアーの女性研究員だったのだ。
716 :
シャドウズ/6「オードリー」:2005/12/12(月) 08:36:06
「目は心の窓」なのだそうだ。
(……それならこの女性の心はどんな世界なんだろう……)
そんなことを思わせられる大きな瞳。
小さくて先端が微妙に上を向いた、悪戯小僧のような鼻。
そして意思の強そうな高めの頬骨。
………不意打ちを喰い呆然として、彼女の口がなにやら動いたような気がしたが、言葉の方はさっぱり耳に入らない。
また彼女の口が動いた。
「好核バクテリアについての取材と窺ってますが?」
今度はちゃんと聞えた。
「は、はいはいはいはいはいはい、え、えーと……。」
慌てたオレは取材メモを取り出そうとして床に落っことすわ、ペンをどっかに飛ばすわ、痴態醜態の限りを尽くしてしまった。
今思い出しても可笑しくて笑えてくる。
あれが彼女との初めての出会いだった。
717 :
A級戦犯:2005/12/12(月) 08:47:27
投下してみないと判らないこともあるなぁ。
オレは特撮板住人なんで、冒頭の回想シーンからその次のレスで「時間が遡ってる」というのは画が説明すると思ってる。
ところが、よく考えたらココに「画」は無い(笑)。
だから「2」の冒頭に「1ケ月半ほど前のあの夜、オレは…」という文章での説明が無けりゃいけない。
反省、反省……。
718 :
シャドウズ/7「失点と得点」:2005/12/12(月) 08:54:51
「先生はゴジラ菌の……。」
「…好核バクテリアです。」
びしっ!っという感じで大鳥研究員から訂正が入った。
……取材早々つまずいたようだ。
「……好核バクテリアの発生についてご研究とうかがっております。」
「はい。」
単純明快な…というか、とりつく島も無いような返答だ。
どうやらオレに悪印象をもっているらしい。
「……先生はあのゴジラとゴジラき……好核バクテリアの関係をどのように捉えていらっしゃいますか?」
「好核バクテリアがゴジラと共生関係にあったのは間違い無いと考えています。ただ、一口に共生と言っても片利共生なのか双利共生かまでは断定できる材料は見つかっていませんが……。」
「片利と双利……好核バクテリアが一方的に寄生していたのか、それともゴジラにとっても何らかの利益があったのか?ということですね?」
大鳥研究員の口がちょっとだけアヒルのような感じになった。
…いまの発言は高得点だったらしい。
ふつうならもっと違う話題で点を稼ぐのに……。
つくづく変な女だと、その時は思った。
719 :
シャドウズ/8「逆さまの根拠」:2005/12/12(月) 08:56:31
彼女はオレの顔を真っ直ぐ見ながら話し始めた。
「シロアリの体内には木材のセルロースを分解する細菌が棲息しています。この菌がいないとシロアリは木を食べることができません。」
「つまり先生は、ゴジラが放射能を吸収できるのは、体内にゴジ……じゃなかった好核バクテリアが繁殖しているからだとおっしゃりたいんですね?」
「……その可能性はあると思っています。」
「うーん……生物には、かつてエネルギー発生生物であったミトコンドリアを体内に取り込み、ついには同化したっていう実績もありますからね。」
彼女の目がきらっと光った。
また高得点ゲットだ。
「そうです!」
なんだか彼女の頬が蒸気してるように見える。
テンションが少し高くなったみたいだ。
「……ある種の原始的爬虫類と好核バクテリアが出会い……共生関係が成立したんです。バクテリアは生物の体内という安定した繁殖環境を得、生物はバクテリアから核エネルギーの提供を受けた。」
「……そしてその未知の生物は、莫大な核エネルギーでゴジラ化というわけですか。でも先生……。」
オレはできるだけ理知的に見える顔を作りながら彼女に尋ねた。
「……先生の考え方は通説と逆ですね。通説だとゴジラが先で菌が後。菌はゴジラの体内で好核的に進化したと考える。でも先生の意見は菌が先でゴジラが後だ。逆さまに構成する根拠はなんですか?」
どうやら話が核心に迫ったらしい。
彼女は小さな鼻の穴を勇ましく膨らませて言った。
「そう考えたほうが、核エネルギー吸収能力の存在を説明し易いからですっ!」
720 :
シャドウズ/9「鼻」:2005/12/12(月) 12:17:21
大きな声ではいえないが……。
鼻の穴をふくらませたまま、彼女は力一杯自説を展開し始めた。
「……かつて地球表面の全ての水が干上がった時代がありました。ご存知ですか?」
彼女の鼻を見ると思わず笑ってしまいそうなので、目線を外してオレは答えた。
「全ての水が…ですか?…でもそれでは生物は……。」
「もちろん地表にいた生物は完璧に死滅しました。でも地球上の全生命は死滅しませんでした。地の底深くにあった生命が難を逃れたのです。」
「地下に……ですか?。」
「そうです。もしそういう生命のうち、地下のウラニウムなど放射性物質と接触し、これを糧として取り込む能力を獲得したものがいたとしたらどうでしょう?」
「そうか、ゴジラ菌の誕生ですね!」
言ってしまってから(しまった!)と思ったが、もう彼女は訂正してこない。
「そうです。地下生命は地球表面に海が戻ると、再び海へと進出しました。でも好核バクテリアは海へは帰らなかった。」
彼女の鼻を見ないよう顔を伏せたままで、オレは彼女の話を引き継ぎ言った。
「判ります!帰る必要がないからだ!太陽光線で光合成やったりエサを求めて危険な海の中をうろつくより、ウラニウムにでもたかってた方がズッと安全確実だからですね。」
……喰ってさえいけるなら、死ぬまで万年床で寝ていたい……そんな友達を何人か知っている。
なんとも情けない根拠の推論だが、これが彼女の科学者としてのツボにジャストミートしたらしい。
「そうです!そうなんですっ!!」
すぐそばからの大声に驚いて思わず顔を上げると……。
目の前いっぱいに彼女の笑顔と…ふくらんだ鼻の穴があった。
あのとき彼女は言葉にできないほど輝いて見えた。
たとえ鼻の穴が目一杯まで広がっていたとしても。
721 :
シャドウズ/10「研究凍結!?」:2005/12/12(月) 12:18:49
彼女の笑顔に影が差したのは、話題が「今後の研究」に移ってからだった。
「ええ!?じゃあゴジラ菌の研究は凍結されるんですか!?」
「はい、つい三日前に指示が出ました。」
今度は彼女が俯く番だった。
「そ、そんな!アレが発見され、放射能を吸収する性質が判明したとき「人類の光明」とか「神さまの贈り物」とまで騒がれたのに!?その研究が凍結されるって言うんですか!?」
「……はぃ。」
「そんなぁ!……理由は!?凍結の理由はなんですか!?教えて下さい。」
「それが……私も教えられていないんです。」
本当に彼女は知らないのだろう。言葉に苛立ちと悔しさが滲んでいた。
(彼女を責めるのは、お門違いだ)そう思い直し、オレは改めて尋ねなおした。
「凍結の理由として、何か思い当たることはありませんか?あてずっぽでも何でもかまいません。」
科学者相手に「あてずっぽでもいい」とは酷い言い草だが……。
「……そこまで言うのなら………。」
先ほどの雄弁さとは打ってかわって、ポツリポツリと彼女は語りはじめた。
「……前ここにいて、一年前に国の研究機関に移った同僚がいたんですけど……。」
(……「いた?」??……「いる」でなく「いた」!?何故過去形に……)
オレの戸惑いになど気づかず、かの女は話を続けていった。
「……一ヶ月ほど前から連絡がとれなくなってしまったんです。八方手を尽くして捜してみたところが……、その研究機関を解雇されたと判りました。その後の行方は…全く判りません。」
(「八方手を尽くして捜した」ということは………その「元同僚」は……彼女の恋人に違いない。)
だが、オレの中でなにかがシュンとなるのと入れ代わりに、オレのルポライター魂が息を吹き返した!
「ゴジラ菌の研究凍結の話と、その元同僚の話はどういう関係が?……。」
彼女は俯いたままで答えた。
「どうも外部に研究資料を横流ししたらしいんです。」
パンドラの箱が開き始めた。
722 :
シャドウズ/11「光と影」:2005/12/12(月) 12:20:20
「研究資料をですか!?ゴジラ菌の研究者だったということは、横流ししたのはゴジラ菌?……でもあの細菌は放射能の無いところでは速やかに死滅するはずですよね?放射性物質も管理できる施設じゃないとあの細菌は保管できないでしょ?」
「放射線だけではありません。温度や圧力にもいろいろ条件があります。」
話が学問的な内容になったとたん、彼女の話し方が学者のそれに戻った。
「そしてそういう特殊な施設を保有している組織は、既に正規のルートで好核菌を入手しています。」
「……ということは……入手したとしても菌が死滅してハイお終い……ですよね?」
「××さんの言うとおりのはずです」
大鳥研究員と別れ、オレは車を西へと走らせていた。
インタビューは予想外の長きに渡り、午後の太陽は赤い入日に変わっている。
オレにとって渾身のレポートになるはずだった「ゴジラとガメラ・残された光と影」。
だが、「影」と思えた大破壊の中から、人類はゴジラ菌という「光」を見出した。
人類の未来は光に満ちている!と昨日までのオレなら自信をもって断言したろう。
だが…「光」と見えた「ゴジラ菌」の横流し事件……。
昨日まで信じた「光」から、どす黒い影が滲み出ようとは、オレには想像もできなかった。
723 :
シャドウズ/12「象?」:2005/12/12(月) 12:21:29
自室に戻るとシャワーを浴び、冷蔵庫からビールを取り出した。
しかし、フタを開けたまま口には持っていかない……。
大鳥研究員から聞いた「好核バクテリア」の横流し事件が引っ掛かっていたからだ。
(普通の機関や施設じゃ扱えないオモチャを……いったい誰が?)
そのときいきなり電話が鳴った。
「おー!やっと帰ってきたか!何度も電話してやったんだぞ!」
受話器から飛び出す懐かしいダミ声。アメリカの元兵士マークからだ。
時差を考えるとアメリカは深夜のはずだが?
「……どうしたんだ?こんな時間にワザワザそっちから連絡くれるなんて??」
「忘れたか?例のカリフォルニアであった原発デロの話さ。」
時差を考えると、今マークの住んでいるあたりは早朝どころか未明のはずだ。
にも関わらずマークは「何度も電話してやった」と言った。
「……よほどの特ダネらしいな。いったい何を掴まえた?」
電話の向こうで意味ありげな笑いが聞えた。
「……例のヤツ……どうやらホントにいたらしいぞ。」
「いたって…何が?」
「あの話をもう忘れたのか!?」
苛立ったようにマークが続けたセリフは、今もはっきり覚えている。
「………あの原発には、ホントに象がいたらしい。」
724 :
シャドウズ/13「GGAT(=ガット)」:2005/12/12(月) 12:23:08
マークの話だとこういうことだった。
軍内部のコネでようやく「原発事故」の全貌が見えてきた。
やはり事故ではない。
それが証拠に、「事故」は特殊部隊の突入で解決されていたのだ。
ただ、その内容が問題だった。
突入した完全装備の戦闘部隊25名のうち約3時間後に自分の足で歩いて出てきた兵は僅かに二人。
他は皆担架で運び出されて来た。
そして怪我人を乗せた担架の後に、すっぽり毛布で覆われた担架がぞろぞろ……。
…それが、マークが軍内のコネにものを言わせて探り出した顛末だった。
「……これだと軍事的には壊滅といっていい損害だ。戦史なんかで『部隊が全滅』と言っても実際はこれよりずっとマシな状況だからな。」
「中にいたテロリストは?」
「辛くも殲滅成功ってトコらしい。しかしまだ驚くことがあった。場所がカリフォルニアだし原発を包囲してる兵は州兵だった。だから突入部隊も州兵かと思ったが……。」
「違うのか……すると連邦の?」
「ところがそれも違う。」
「州でも連邦でもない?じゃあどこの兵なんだ?」
「忘れたか?ついこのあいだまでは、通常の国軍とは別の特殊部隊が活躍してただろ!?オマエだって取材してたろうが?」
インド洋で過ごした時期が脳裏に甦った。
「………そうか!対ゴジラ・ガメラ攻撃隊!」
「そうだ、ゴジラ・ガメラ・アタック・チーム=通称GGAT(ガット)だ。」
725 :
シャドウズ/14「象の正体」:2005/12/12(月) 12:24:26
原発に突入した部隊は、ゴジラ・ガメラ・アタック・チーム、通称GGATであった。
主要な各国に同様な組織があったほか国連指揮下の部隊もあり、いずれの組織も陸海空軍から選抜された精兵で構成されている。
しかも装備する武器はコスト度外視の逸品ばかり。
それが原発内の戦いでは壊滅に近い損害を負った。
「……GGATが出てきたということは……原発にいたのは……ヤツなのか?」
オレは会えてヤツの名を口にしなかったが……。
「そんなはずはない。」マークにはそれで充分通じていた。「……否定する理由は二つだ。
一つ目は、問題の原発が内陸深くに位置しているということ。
ヤツが海から原発まで誰の眼にも触れずに移動することは不可能だ。
二つ目はサイズ。確認された最小の個体でも、建物を破壊せずにヤツが原発内部に侵入するのは不可能だな。」
そんなことマークに指摘されるまでもない。
……だが…。
「……場所は原発なんだろ?」
「ああそうだ。それに突入部隊はGGATだ。……だから妙なんだ。納得できないというか、しっくりこない。」
そしてマークはボソッと言い足した。
「……象か牛くらいのサイズのゴジラがいりゃあ、話は早いんだが……。」
納得できる結論など出るわけない。
30分ほどマークと話してから、オレは電話を切った。
そしてその夜、オレは夢を見た。
等身大のゴジラに追い掛け回される夢だった。
727 :
シャドウズ/15「不法侵入」:2005/12/12(月) 15:10:21
翌朝、昨日の大鳥研究員との面談の録音テープを聞き書きし始めたばかりのときだった。
りーーーーーん!
電話がなった!
仕事の腰を折られてオレは少々ムカムカしたが、電話に出たらそんなもの一瞬で消し飛んだ。
「××さんですか?昨日お世話になりました大鳥です。失礼ですが、大学まで至急おこしいただけませんか?」
とるものもとりあえずというか、喜び勇んでというか、オレは仕事など放っぽって車に飛び乗っていた。
大学の門の前で、彼女はオレが来るのを待っていた。
なにかよほど心配なことがあるのだろう。
こういうとき「頼れる男」を演じたくならないようなヤツは、「玉」なんか取っちまえ!
オレは景気よく車のドアを閉め彼女に尋ねた。
「なにかありましたか?ボクにできることだったらなんなりと言って下さい。」
朝早くからすみませんと頭をさげると、彼女は先に立ち早足で歩きだした。
「実は……研究棟に誰かが忍びこんだらしいんです。」
「不法侵入ですか……で、警察は何と?」
「それが研究棟を管理している教授が、警察への通報を止めてしまって……。」
「通報させない?なにか理由でもあるんですか?」
「研究がら色々なものがありますから……、下手に警察に通報して管理が厳しくなったらかなわんと……。」
「そうですか……。」
話しながら歩くうちに、オレと彼女は問題の研究棟の前に着いていた。
「ここです……。」
彼女は裏の通用口を指し示した。
「な、なんだこれは!?」
オレは絶句した。
不法侵入というから鍵のこじ開けぐらいは予想していた。
だが、通用口はドアグリップ部分がこじ開けるどころか、キャラメル箱のように潰れ、ロック部分ごと引き抜かれていた。
728 :
シャドウズ/16「攻守逆転」:2005/12/12(月) 15:11:47
「何か盗まれたものはありますか?」
「いいえ、何もないはずです。警報装置が作動してすぐ警備員が来たそうですから。」
ロックの破壊された部分をもう一度観察してみた。
……まるでレモンでも絞ったように変形している。
オレの頭に、昨夜マークの言った「等身大のゴジラ」という言葉が浮かんで消えた。
「……大鳥さん。ひょっとしてこの研究棟に原子力関係の施設はありませんか?」
もしやカリフォルニアでの事件と関連が?と思ったのである。
「原子力学科の研究室ならここにはありません。敷地の反対側です。ここにある放射性物質といったら、ショウジョウバエにγ線を浴びせるのに使う分ぐらいですね。」
「……それじゃあ少なすぎるな……。」
そう言ってしまってからオレは後悔した。
「え?…………」彼女の目がきらっと光ったのだ。「…××さん、ひょっとして何か心当たりがあるんですか?」
…余計なこと言ったおかげで、昨日とは攻守が逆転してしまった。
「いや……別に心当たりは……。」
「ウソ!××さん!言ってください!何か心当たりがあるんでしょ?」
彼女の目がぐうーーーんと、オレの目の前に迫って来た……。
729 :
シャドウズ/17「真夜中の電話」:2005/12/12(月) 15:12:50
「そんなことが………。」
秘密の情報だったのに…。オレを信用してマークが教えてくれたのに……。
オレは知ってることを洗いざらい全部喋ってしまった。
別に……オードリーの……彼女の瞳に負けたわけじゃない!
……と、強がってみてもはじまらないか…。
「オレの知ってることは全部話したよ。……それじゃあキミの知ってることも全部話してくれないかな?」
「えっ!?」
彼女は驚いたように顔を上げた。
「オレを問い詰めるキミの口調に、何か具体的に逼迫したものを感じたんだ。」
そしてオレは彼女の両肩に手をかけ、こちらに引き寄せた。
「この研究棟の件だけじゃない。他に、もっとキミ自身に関わる事件が絡んできてるんじゃないかい?」
彼女の視線がオレに突き刺さるように注がれる。
……やがて、彼女はオレのことを信用する気になってくれたらしい。
「実は………。昨晩午前1時ごろ……、電話があったんです。」
「電話?…いったい誰から??」
「………昨日お話した元同僚の………堀江研究員からです。」
730 :
シャドウズ/18「くせ……」:2005/12/12(月) 15:13:52
「元同僚の…って、あの解雇されたあと連絡もとれなくなったっていうあの研究員なのかい!?」
「そうです。」
「……彼、キミに何て言ったの?」
「いえ、なにもいいませんでした。ただ、電話の向こうからグツグツなにかが泡立つような……聞いた事のない音がしてるだけでした。」
「それじゃあなんで電話の相手が堀江氏だと判ったの?ただの悪戯電話だったかもしれないじゃないか?」
「……堀江さんには電話で話すとき癖があったんです。」
「くせ?」
「はい。堀江さんは、電話中に時々受話器を指先で変な風に叩くんです。」
「昨夜電話してきた相手が、それをやったんだね?誰かが堀江氏のマネをしているって可能性はないかい?」
「何度も何度も聞いたクセです。絶対間違いありません。」
彼女はきっぱり断言した。
「うーん、そこまで断言されてもキミの主観だけだからね………どんな風に叩いてるのか覚えてるなら、やってみてくれる?」
「はい、それで私の言うことを信用してもらえるなら……。こんなふうです……。」
……彼女は研究棟の雨除けの柱を指でトントン叩き始めた。
とん とん ととん とん………。
(……………ん?…………これは………ひょっとして………?)
フリーのルポライターとして各地の戦場を駆け巡ったオレの経験が、まさかこんなところで役に立つとは。
「そのリズムをいつも?」
「はい、いつも必ずこのリズムでした。」
「そうなのか………。堀江氏は……そうだね、ハム無線とか船を操船する免許とか持ってなかった?」
「……免許を持ってたかどうかまでは知りませんが…。子供のころ無線が趣味だったと………。でもなんでそれをご存知なんですか?」
彼女の目が探るようにオレを見上げる。
「……いや、ちょっとね………。……もういいよ。オレはキミの言うことを全面的に信用するから。」
信用してもらえて、彼女はとりあえず満足したようだ。
堀江氏は、ただリズムに乗って受話器を叩いていたワケではなかった。
口に出せない本当の気持ちを思わず知らずのうちに、吐露していたに違いない。
…モールス信号で。
彼女と話ながら「愛してる」「愛してる」「愛してる」と……。
731 :
シャドウズ/19「夜番」:2005/12/12(月) 15:15:04
オレはその夜、大鳥さんの部屋で番をすることになった。
いったんマンションに戻り、夕方もう一度大学に行って彼女を拾うと、そのまま彼女の住むアパートへと向う。
大学からの距離はオレの車で10分ほど、いつもはバスを使うそうなので20分弱の場所に、彼女は住んでいた。
オレは自宅から持ってきた録音装置一式を彼女の家の電話に手早く取り付け、堀江研究員からの電話を待った。
……………だが。
……かかってこない。
することが無いので、オレたちはまるで見合いでもするようにお互いの仕事のことを話し出した。
「へえ!××さんて、危ないトコばっかり行かれてるんですねぇ。」彼女が小さな歓声を上げた。
「うん、改めて表出してみるととんでもないトコばっかだね。イラクとアフガンなんか進軍する米軍のすぐ後をくっついてったよ。」
「危なくないんですか?」
「もちろん危ないって。」子供みたいな顔して驚く彼女が可笑しくて、笑いながらオレは言った。
「……誤射されたことだってあるよ。ビデオカメラを構えたポーズは真正面から見るとロケットランチャー構えたポーズにそっくりなんだ。それから木陰なんかで光るカメラのレンズは狙撃兵のスコープに見えるんだよ。」
目をウズラのタマゴみたいにして驚く彼女。
「それにイラクじゃ例の劣化ウラン弾まで使われてたからね。銃撃されるのとは別の面でも危なかった。」
彼女の眼には、オレが魔法の国から来た戦士にでも見えていたのかもしれない。
調子に乗ってオレは続けた。
「戦場だけじゃないよ。例のインド洋にも行ったんだ。」
オレは取材用手帳に挟んであった写真を取り出した。
「…これは第一次調査のとき撮った写真でね。オレは地球連合の船に便乗しててさ……。」
「この……××さんと肩組み合って写ってる綺麗な女性はどなたですか?」
「ああ、その娘は小町っちゃんといってね、船の名物というかマスコットというか……。……あ?」
彼女は向こうを向いている……ひょっとして怒った?
それともオレの気のせい?
「い、……いや、べ、別に彼女とは何も……。」
オレが余計な言い訳を吐きかけたとき…。
プルルルッ………プルルルッ!
目の前の電話が鳴った!
732 :
シャドウズ/20「ホリエサン?」:2005/12/12(月) 15:16:06
「……もしもし……大鳥です……。」
彼女が電話に出た。
………そのまま暫く待つが……返事はない。昨夜と同じだ。
耳を澄ますと、ぐぐっ、という喉が鳴るような音が聞える
(これが彼女の聞いた音だな……)
さらに耳を澄ますと……コンコンコンコン……確かに受話器か何かを叩いている音がする。
間違い無い!と確信したオレは、彼女の手にした受話器の話口の部分をモールス信号の要領で叩き返した。
コツコツコツコツ……(アナタハ、ホリエサン、デスネ?)
電話の向こうで、叩く音が一瞬止った。
そして……。
がちゃり!
電話は切られてしまった。
「……堀江さん?堀江さん!?」
彼女の手から受話器を取って、オレは耳に当ててみた。
「……向こうで切ったよ。何かをよっぽど警戒してるな。」
「そんな…。」彼女は半分泣き顔だ。
だが、オレには話が見えてきていた。
「ねえ、大鳥さん。ここと大学とのあいだに、公衆電話はないかな?」
733 :
シャドウズ/21「公衆電話」:2005/12/13(火) 08:41:44
「公衆電話……ですか?」大鳥さんはちょっと考えてから首を横に振った。
「……ありません。ここは新興住宅地ですし、だいたい最近はみんな携帯電話を使ってますから。」
「でも必ずあるはずだ。いいかいオートリさん…。」オレはレコーダーを巻き戻すとボリュームを上げ再生ボタンを押した。
さっきの電話が音量を上げて甦った。
「……このあとだ!よく耳を澄まして……。」
言われるままに耳傾けるオードリーだが……、やがてハッとしたように顔を上げた。
「なにかサラサラ乾いた音が聞えるわ。」
「……風に吹かれる枯葉の音だよ。つまり堀江氏は吹きさらしの場所から電話してきたんだ。」
「……でも吹きさらしだからといって、公衆電話とは限らないわ。外で携帯を使ったのかも……。」
「いや、それは無いと思う。携帯電話があるならメールを送って寄越すだろ?それがわざわざ夜中に電話をかけてくる……。
それからもうひとつ、研究棟への不法侵入未遂だが、オレはあれも堀江氏の仕業じゃないかと思うんだ。」
「ぇ?なんで堀江さんが不法侵入なんか………」そこまで言いかけたところでオードリーにも答えが閃いた。
「電話ね!研究棟の電話を使おうとしたのね。」
「そのとおり!………それからさっきの公衆電話のことだけどね。オレの方で答えを見つけたよ。さあ行こうオードリー!」
オレはオードリーの手を握り立ち上がった。
「わかったのね!どこなの?堀江さんは何処から電話をかけてきたの?!」
「キミの大学に行く途中に在る、あの廃園になった市民プールさ!」
734 :
シャドウズ/22「夜のプール」:2005/12/13(火) 08:42:47
少し離れた住宅地の路地に車を停めると、オレとオードリーは徒歩でプールへと接近した。
車を乗り付けて、エンジン音で気づかれる危険を犯したくなかったからだ。
プールの周囲は3メートル近い高さの金属ネットで囲われ、さらにその上には鉄条網が逆ハングになって控えている。
これではオードリーは越えられない。
だが、思った通り生垣の影になった目立たぬ場所で網が大きく垂れ下がっている個所を発見した。
オレは金網の破れ目の前でオードリーに向け右手の小指を立てて言った。
「……約束してくれ。オレの手握って絶対に放さないこと。それからオレの後ろから出ないこと。……いいかい?」
オードリーの細い小指がオレの太い小指に巻きついた。
そのまま無言で指きりげんまん………無事に協定成立である。
オレとオードリーは手を繋いで、夜の廃プールへと踏み込んでいった。
いくつもあるプールからは水もすっかり抜かれ、みな落ち葉の吹き溜まりと化し、風が吹くたびザワザワ音を立てていた。
この音だ、間違い無い。
「……堀江さん……どこにいるのかしら?」
オードリーは案内図の前で立ち止まった。
「この寒さだから屋外という可能性はないわよね。更衣室棟かしらそれとも管理棟?レストハウス??」
「…管理棟の可能性はないね。」オレは案内図を見もせず言った。
「………ほら、堀江氏の電話は公衆電話からだったろ?管理棟に来客用の公衆電話は必要ないからね。」
驚いたようにオレの顔を見上げるオードリー。
「どうかしたのかい?そんな顔して?」
「……××さんって…すごく頭良いんですね。まるで映画の007みたい。びっくりしちゃった。」
「このくらい悪知恵が廻らなかったら、フリーのルポライターなんて勤まらないよ。さ、行こうか。」
735 :
シャドウズ/23「うん…」:2005/12/13(火) 08:50:59
シャドウズ/23「うん…」
「手分けして捜さない?」
オードリーの提案だったが、オレは直ちに却下した。
「だめだ。」
「どうして?」
「どうしてもダメ!」
堀江氏は何かをひどく警戒し身を隠している。そして研究棟のドアに対して振るったあの信じられない怪力。
…そんな人物とオードリーを夜中に2人っきりで会わせるのはどうしても気が進まなかった。
「ここに入るとき指切りゲンマンやったろ?2人でバラバラはだめ!」
それだけ言うとオードリーの手を握ったままで、オレはまず女子更衣室棟のトビラに手をかけた。
「まず女性用から覗くわけ?」
「……こんなとこで邪推なんかするの?」
「うん。」
オードリーの返事がそれまでの「はい」から「うん」に変わっていたことに、オレは気がつかなかった。
幸い女子更衣室ブロックのロックは生きていた。
ドアはピクリとも動かない。
(ああよかった。このまま中に入ったら、何て言われるか判ったもんじゃない)
男子用更衣室も同じだ…。おまけに建物近くに公衆電話は設置されていない。
次はレストルームだ。
736 :
シャドウズ/24「海の臭いが」:2005/12/13(火) 08:52:18
次はレストハウスだ。
前に三台並べて設置された公衆電話を横目にしつつ、微かに軋み音の聞える建物裏手へと回り込んだ。
……通用口のノブの部分がもぎ取られている!
(ここだ。)
オードリーに合図すると、できるだけ音を立てないようにドアを開けた。
幸い、月も出ていないから「オレのシルエットが月明りの戸口にポッカリ」ということにはなっていないはずだ。
建物内に入って再びトビラを閉めると、ポケットからペンライトを取り出した。
か細い光が、ひとすじ闇を這う…。
レストハウスは外と違って微かに湿った臭いがしていた。
風通しが悪いせいなのか、カビ臭い。
だが、様子を窺っている内に、カビ臭さの中に別の臭いが混ざっていることにオレは気がついた。
(なんだ?臭いは??)
目を閉じて鼻に神経を集中したとたん……。
オレの脳裏にある映像が、爆発するように現れた!
真っ青な海と真っ青な空……そしてうだるような熱さ……。
(これは!?この光景は……!?)
オレの脳裏を一瞬で占拠したイメージ。
それはあのときのインド洋。
第一次調査の時の光景が……。
737 :
シャドウズ/25「打音」:2005/12/13(火) 08:53:36
「……××さん?どうしたの?」
オードリーの声で、オレの意識は熱帯のインド洋から冬の日本へと帰ってきた。
「…××さん?」
彼女の声に不安が現れている。
「ごめん、大丈夫だ。ちょっと眩暈がしただけだよ。じゃあ、行くよ。」
オレたちの入り込んだのは建物裏のスタッフルームだった。
例の臭いは建物の表側から漂ってくる。
その臭いに引き寄せられるように、オレはゲストエリアのドアを開けた。
ドアの向こうはプール全景が見渡せるグラスエリアの休憩室
往時は小洒落た椅子やテーブルが並んでいたのだろうが、いまは見る影も無い。
運べる道具類は全て運び出され、残っているのは足が一本もげたテーブルやガラクタを放り込んだダンボール箱、それに撤収作業時に忘れていかれたのか青いビニールシート………そしてゴミ、ゴミ、ゴミ………。
そういった雑多なものが、オレたちの入ってきたのと反対側の壁際に、波にでも打ち寄せられたように積もり積もっている。
室内に人影は………無かった。
(誰もいないのか……。)そう思いかけた瞬間だった。
青いビニールシートの下から打音が響いた。
738 :
シャドウズ/26-1「ブルーシートに身を隠すもの」:2005/12/13(火) 12:14:10
こん!こん!!ここん!こん!………(サッキノ、デンワノ、ヤツダナ……)
「……そうだ!」そしてオレは肩越しにオードリーに告げた。
「大鳥さん……、堀江さんだよ。」
オードリーが息を呑んだのが判った。
こんこんこんこんこんんこんこん!……(オードリーモ、キテイルノカ!?)
「そうだ。」そしてオレはオードリーに説明した。
「彼はただデタラメに叩いてるんじゃないんだ。あれはモールス信号になっているんだよ。……たぶんもう堀江氏は…口が……。」
消え入りそうに小さな声で、彼女が「うっ」と呻いた。
こここんこんこんここんここん!……(ソレガ、ワカッテイテ、ナゼ、ツレテキタ……ナゼ、カノジョヲ、ココニ……)
同時に、ブルーシートの下からゴロゴロという喉を鳴らすような音や、ギシギシいとう歯擦音も漏れ出した。
「……堀江くん!?どうしたんだ?堀江くん??!」
こんこここんこん…こん……こん!……(オレハ、カノジョノ、コエヲ、キキタカッタダケ……ソレダケデ、ソレダケデ……)
……喉を鳴らす音や歯擦音に、ごぼごぼごぼ…という沼の底からガスが噴出すようにな音が混じりだした。
739 :
シャドウズ/26-2「ブルーシートに身を隠すもの」:2005/12/13(火) 12:16:19
人間性を現す打音が途切れがちになり、変わって非人間というか獣性を感じさせる不快な音が勢いを増してゆく。
いま、ブルーシートの下では何が起っているのか!?
コ………ココン……コン……(オ…オード……リー……)
……それを最後に打音は完全に途絶えた。
そのとき、オレはブルーシートの下から何かがはみ出しているのに気がついた。
オレはそれを最初「手」だと思った。だが、人間の手があんな形をしているはずはない。
そして急に、何故堀江氏が携帯を使わなかったのか理由がわかった。
(あんな手では使えるはずがない!)
オレはオードリーを連れて来てしまったことを後悔した。
彼女を背中で押しながら入り口に後退しようとした瞬間、ブルーシートがにわかに膨れあがった!
(来たっ!?)
だがブルーシートに身を隠したモノが立ち上がると同時に、オードリーの悲しい叫びがレストハウスじゅうに木魂した!
「ホリエモン!」
雷に打たれたように、ブルーシートの動きが止った!
……そしてすすり泣くような声。
突然ブルーシートが津波のようにうねった!そしてガラスの砕け散る音!!
あっ!っと思ったときには、堀江氏は外の闇へと逃げ去ったあとだった。
740 :
シャドウズ/27「…ありがとう…」:2005/12/13(火) 12:17:39
「なぜなの?……なにがあったの?…………どうしてなの?……」
呟くように、うわ言のように、そう言いつづけるオードリーを抱きかかえ、オレは彼女を家まで送り届けた。
そして彼女がドアの鍵を下ろしたのを確認してから「サヨナラ」を言い……。
自宅には帰らぬまま、彼女のアパートの前に止めた車の中で横になった。
……堀江氏は彼女の家の場所を知っているかもしれない。
……あの廃プールからここにやって来るかも知れない。
そう思ったら、自分の家に帰って眠る気にはとてもなれなかったからだ。
自分が見聞きしたことを何度も何度も繰り返し考えているうちに、うとうと眠くなり………。
……………。
コンコン………、車の窓ガラスを叩く音でオレは目を覚ました。
ジャージ姿のオードリーが立っている。
窓を開けると……。
「………目が覚めて窓開けたら車…見えたから……。家に上がって、外は寒いし。」
「…あ、ありがと……。」
彼女につづいてアパートの階段を上る。
不意に彼女が前を向いたまま言った。
「…守ってくれてたんですね。ありがとうございます。」
(……………)
こうしてオレは、再びオードリーのアパートの客となっていた。
741 :
シャドウズ/28「作戦会議」:2005/12/13(火) 12:19:14
オードリーの部屋に入ると、早速トーストを齧りながらの作戦会議が始まった。
「ほら……見てごらん。」オレは借りていた彼女のノートパソコンをオードリーの方に押しやった。
「…堀江氏の在籍していた研究機関がキミの言うように『国の機関』なら、必ず行政組織のどこかに所属しているはずだと思ったんだ。」
彼女はディスプレイを見て驚いていた。
「…………ホントですね。まさかここの所属だったなんて。」
堀江氏の研究機関は、何年か前に「庁」から「省」に格上げされたばかりの防衛省所属だったのだ。
「それだけじゃないよ。組織図の上を見てごらん。」
「……このGGATって何ですか?」
「驚いたな…、知らないの?ゴジラ・ガメラ・アタックチーム、通称ガットだよ。
対ゴジラ・ガメラの軍事行動で隣国どうしの揉め事が頻発したから、国連主導で結成されたあの組織さ。」
そこまで言ったら彼女も思い出したようだ。
「……そうでしたね。対ゴジラ用の兵器としていわゆる『注射』なんかを開発してた経緯で、今でも防衛庁の研究が国内ではトップなんです。…………でもそう言えば!?」
彼女は昨日オレから聞いた話を思い出した。
「…そうだよ。昨日話したカリフォルニアの原発の事件さ。あれに出動したのもGGATだった。」
「でも××さん。アメリカの事件は『単なる事故』ってことになってるんですよね?」
「うん、今のところはね……。」
「ねえ××さん。」暫く考えていたオードリーだったが、やがて言葉を選びながらこう言った「……ひょっとしたらGGATが好核バクテリアで何かやってるんじゃないかしら?」
「……まさか…。」
そのとき、BGM代わりにつけっ放しになっていたテレビがショッキングなニュースを報じた。
「……二日前から山菜採りに山に入ったきり行方が判らなくなっていた老夫婦が、無残な死体となって発見されました……。」
742 :
シャドウズ/29「二日前の昼には…」:2005/12/13(火) 12:20:29
老夫婦の惨殺。
殺人の舞台となった山は、大学や廃プールを包む丘陵地帯と一続きになった場所だった。
視線を前に戻すと、オードリーの視線とぶつかった。
彼女も考えているのだ。(犯人は堀江氏なのではないか?)と。
「…この事件の方もオレが調べてみるよ。」
「警察に知り合いでもいるの?」
「いや警察にはいないけどね、このあたりで売ってる地方紙にも何度か記事を書いたことがあるんだ。」
オードリーのアパートを出て、目指す新聞社に着いたところでちょうど9時半。
運良く旧知の記者を掴まえることができた。
「死体の状態が酷かったらしい。」
事件について最初にヤツが口にしたのがそれだった。
夏場に「死体の状況が酷かった」と言ったら、「腐敗が進んでいた」という可能性が強い。
だが、今はもう12月。そして問題の夫婦の行方が判らなくなったのは僅かに2日前だ。
「……荒されてたのか?」
「……ズタズタのバラバラだってさ。ベテランの捜査員がゲーゲー吐いたそうだ。『当分焼肉は食いたくない』と言ったそうだよ。」
あまり趣味のいい表現ではなかったので、オレは無言のまま顎をしゃくって話を促した。
「……死体の状況から見て、先に殺されたのは夫のほうだそうだ。そしてつぎに妻のほう……。驚くべきは、キズの生体反応だ。犯人は被害者が生きてるうちに文字通りバラバラにしたらしい。」
老人だったとはいえ、2人の人間を逃げる暇も与えずバラバラに……。
人間ワザではない。
「死後推定時間は?」
「……持ち物に、入山した日に食べるつもりだった弁当が手付かずで残ってたそうだ。つまり初日の昼前には殺られてたってことだな。」
「初日の昼前?昨日の夜じゃなかったのか?」
相手の片眉がピクンと上がった。
「犯人に心当たりがあるのか?もしあるんだったら……。」
「悪いが…話せない。話したって信じやしないよ。オレだって信じられないんだから。話せるようになったら必ず知らせる!」
まだ何か言いたげな相手をそこに残し、オレは新聞社を後にした。
(もし犯人が堀江氏だとすれば、オレたちと会ったときには既に老夫婦を惨殺していたことになる。)
そんなヤツがオードリーに電話をかけていた。それも二晩続けて。
心安らかならざる情報だった。
743 :
シャドウズ/30「マッドなあいつ」:2005/12/13(火) 12:22:03
新聞社を出ると、オレはいったん自分のマンション戻った。
調べたいことがあったからだ。
事件後未だに情報管制がかかっているインド洋超古代文明。そしてゴジラとガメラ。
ゴジラは自然の生物との意見が今も当時も通説だが、ガメラには出現当初から「人造生物」との意見が強かったのだ。
(まさかアレに刺激されてGGATが何かを……)
だが、仮にそれが正解だったとしても、いきなり人体実験をするはずがない。
それに外で暴れているのがGGATの創った存在なら、ヤツラ自身の手で始末すべくとっくに動き出しているはずだ。
だが……、
まだ引っ掛かる可能性があった。
堀江研究員がゴジラ菌を横流しした相手だ。
(その何者かが、ゴジラ菌を使ってなんらかの実験を行ったとしたら。そして、自らの手には負えないシロモノになってしまったら。)
その場合、オレが追っているのはフランケンシュタインの怪物だということになる。
(そんな馬鹿な……。だが、在り得ぬことではないのかも……)
こんな馬鹿げた話を聞いてもらえそうな学者先生は………あいにくと一人しか思い浮かばなかった。
(あの先生、以前インタビューしたときはまだ助教授だったが、その後別の大学に教授として迎えられたって聞いたよな。いま在籍している大学は何処なんだ?)
相手が特殊な苗字だったこともあり、パソコンで検索すると簡単に見つかった。
驚いたことに、相手の現在の勤務先は、オードリーも籍のある同じ大学であった。
(明日オードリーと一緒に会いに行こう。その方が話が早い。)
その夜、オードリーには市内のビジネスホテルで一泊してもらった。
もちろん安全のためである。
オレも「安全のため」一緒に泊まりたかったが、オードリーに「別の意味で安全じゃない」と言われ諦めた。
744 :
シャドウズ/31「……登場!」:2005/12/13(火) 12:23:20
翌朝、オードリーはオレを後ろに従えてズンズン大学構内をつき進んでいた。
オレの方からは見えないが、ぶつかりそうになった学生たちが血相変えて身をかわすところを見ると、よほど凄い顔をしてるに違いない。
きっと鼻の穴は全開だろう……。
そんなことを思いながらついていくと、彼女はとある建物へと入ってゆき、ちょうど通りかかった男を呼び止めた。
よく見ると二日前、オレをオードリーに引き合わせてくれた大学院生だ。
「運がいいですね。先生なら、今しがた研究室にいましたよ。」
「ありがとう。石堀くん。」
簡単に礼を述べると、彼女はまた突撃モードにチェンジした。
そして目指す研究室のドアをノックした。
「先生、大鳥です。入ってよろしいでょうか?」
……部屋の主は、以前受けたインタビューの相手などとっくに忘れているらしかった。
オレに向かって、いつもの挨拶をかましてきたからである。
「こんにちは!ワタクシ、有名爬虫類学者の万石ですっ。」
745 :
シャドウズ32/「前例」:2005/12/13(火) 15:24:06
この万石という男、確かに天才だった。
全てが終った今こうして振り返ってみても、その感想は変わらない。
最初は「堀江研究員」という情報を伏せ、架空の話として万石の意見を求めてみた。
「なるほど……ゴジラ菌を使ってモンスターを作れないかというのですな…、うしししし。しかし、それはいくらなんでもムリでしようなぁ。」
この解答は、まあオレの予想どおりだった。
「…麻薬の類を使って怪物的な人間を作り出すことはもちろん可能ですよ。共産圏では実際やってますしね、うししししし。」
「でもゴジラ菌を使ってのモンスター製造はムリであると……。」
「人体内にゴジラ菌を定着させるためには放射線の供給が不可欠です。しかし、そのように定期的に放射線を浴びせ続ければ人体が保ちませんな。活性化した好核バクテリアによって人体がなんらかの変異を遂げる可能性があるとしても、その前に宿主である人間が死ぬはずです。」
どうやら「フランケンシュタインの怪物」は脈無しらしかった。
「万石先生、お忙しいところありがとうございました。ではこれで…。」
オレは席を立ちかった…。ところが…。
「ちょっとお待ちを……。」
万石先生の方がオレたちを呼び止めた。
「アナタたちの相談にお付き合いしたのですから、今度はワタクシの方にお付き合い願えませんか?」
「と、おっしゃいますと?」
メガネの奥で万石の目が光ったように見えた。
「……アナタたちの知っている事実を、隠さず聞かせてもらえませんか?」
……なんだってぇ!?
「なるほど、堀江くんが……。」
万石は腕組みしたままで、オレたちの話をじっと聞いていた。
「……モンスター製造のお話。××さんだけなら架空の話と思ったでしょう。ですが、大鳥くんまで一緒に来た。しかもその大鳥くんの表情が尋常ではない……。何かあると感じたので、お2人をお呼び止めしてみたんですがねぇ、うししし……。」
「それではオレ……ワタシたちの話を信じてくださるのですか!?」
「……信じますよ。信じますとも。信じたくは無いですがね…うひひひひ。」
万石は下品に笑ってから驚くべき言葉を言い足した。
「いまのお話、実は前例があるのですよ。」
746 :
シャドウズ/33「伝説」:2005/12/13(火) 15:25:50
万石は驚くオレたちの前に、一冊のファイルを取り出した。
表題には「伝説・大戸島の黒鬼」とあり、その下に「諏訪湖伝説・甲賀三郎」「三つの湖の物語・八郎太郎」「十和田湖伝説・辰子姫」という名称が並んでいた。
「みんな竜になった人間の伝説ですがね、大戸島にも似た話があるんですよ。うしししししし。」
万石の読み上げた伝承とは、次のようなものだった。
島の古老いわく……。
マタカズとオキオという2人の若い漁師がいた。
2人は神さまを怖れないほどに若く、また自信に満ち溢れてもいたので、「神さまが海を渡る」といわれる忌み日に漁に出る。
忌まれた日のためか魚は全く獲れなかったが、それでも2人は意地になって漁を続けた。
そして「もうこれで最後のひと網」と投げ込んだ網に奇怪な像がかかったという。
マタカズはこの像を気味悪がり捨てようと言ったが、意固地なオキオはこれを浜へと持ち帰る。
その夜、吹く風に混じり怪しい呻き声が浜を渡った。
村人たちはみな村長(むらおさ)の家に集まり怯えた一夜を過ごしたが、その中に若いオキオの姿だけが無い。
不審に思った若い衆の何人かが翌朝オキオの家に押しかけると、……なんと、オキオは海神の祟りで恐ろしい姿に変わり果てていた。
石もて村を追われたオキオは、像をかき抱いて海へと潜ったきり、二度と姿を現さなかった……。
またある話によれば、後に島に現れたという黒鬼こそ、神を怖れなかった若いオキオの、あさましくも変わり果てた姿であったともいう。
「どうですか?つまり『一夜にして怪物に…』という前例があるのですよ。いししししししし。」
「根拠はそれだけなんですか?万石先生??もっと科学的根拠はないのですか?!」
あのオレには抗い難い力をもつ瞳で、オードリーは万石に迫った。
「…………ありますよ大鳥さん。科学的根拠がね。うっしっしっしっし。」そして万石の顔から下品な笑いが引っ込んだ。
「…ワタクシ、その事実を発見したとき、自分が発狂するのではないかと思いました。」
おそるおそるオレは訊いた。
「……それに気がつくと発狂しそうになるような事実……ですか。」
真顔の万石が、何故かとても悪魔的に見えた。
「……お二方とも覚悟はおありか?……現実世界で悪夢と出会う覚悟が?」
ふんぐるいーむぐるうなふー
748 :
シャドウズ/34「DNA」:2005/12/14(水) 07:26:23
万石の顔に下品な笑みが戻ってきた。
「……ゴジラ遺伝子の解析作業は、現在のところ『作業中』ということになってはいますが……。
ワタクシの方では、とっくに終了しましたよ。うしししし。」
オレはそれを聞いて飛び上がった。
「えっ!?ゴジラ遺伝子の解析を終了したっていうんですか!?でも何故発表しないんです!??」
オレの問いに答えたのは、万石ではなくオードリーだった。
「きっと、発表できないような答えだったからよ。」
生徒の解答を誉める教師のような顔で、万石は頷いた。
「大鳥さんの言う通りです。あんな結果を発表したら、ワタクシはマッドサイエンティストではなく、ただのマッドとして扱われるに違いありませんな。うっししししし…。」
またもや万石の顔から笑いが引っ込んだ。
「……ワタシが最初に確認したのは『ゴジラ細胞にミトコンドリアが存在するか』ということでした。
呼吸する動物はすべからく細胞内のミトコンドリアでエネルギーを発生させています。
しかしゴジラは放射能をエネルギー源にしていますから、理屈の上ではミトコンドリアが無くても構わないはず。
もしゴジラがミトコンドリアを持たなかったら、核がミトコンドリアとの共存を始める以前に分化した唯一の高等生物ということになります。」
オレは昔読んだ「パラサイト・イヴ」を思い出した。
749 :
シャドウズ/35-1「オキオ」:2005/12/14(水) 07:29:14
「原発目指して進撃したゴジラの細胞を入手するのは極めて簡単でした。進撃経路を辿ればいいのですから。特にガメラと交戦した場所ではもう大漁旗を立てたいくらいでしたよ。
結論からいうと……、ゴジラ細胞にもミトコンドリアは存在しました。当初の推測は大きく外れましたが、しかしこれで大きな手がかりを得ることもできました。」
オレは口をはさんだ。
「ミトコンドリアのDNAを解析したんですね!」
万石は満面の笑みで頷いた。
「…細胞核の遺伝子を調べるなど愚の骨頂です。親子関係の確定すら、核遺伝子では『親子関係の否定』という否定的方向でしか役に立たないというのに。
ミトコンドリアのDNAは細胞核と違い、交配時に減数分裂せず、母系のミトコンドリアDNAだけが伝わります。」
そうだ、たしかその方法で全人類全ての母が、アフリカに存在したことが判ったのだ。
「……ゴジラの骨格はいわゆる軟骨構造ではありません。ですからサメやエイの仲間の軟骨魚類は問題外でした。
一番有望視していたのはワニ、カメ、トカゲ、ヘビといった爬虫類たちでしたが……。
さきほど話した伝説がありましたから、冗談半分で、あるミトコンドリアDNAのサンプルとも照合してみたんですな。」
750 :
シャドウズ/35-2「オキオ」:2005/12/14(水) 07:30:40
シャドウズ/35「オキオ」
ここで万石の話題が突然に変化した。
「ところで……、大戸島の島民は長年閉鎖的環境で暮らしてきました。ですから、ミトコンドリアDNAのバリエイションが殆どありませんで……」。
………オレはだんだん厭な予感がしてきた。
オレが黙ったままでいたので、オードリーが真っ青な顔で「答えの判りきった質問」をした。
「万石先生……まさか、まさかその冗談半分で加えたサンプルとは……!?」
オードリーの問いをはぐらかすように万石は言った。
「…この国にも上陸した70m級の超ド級ゴジラがいましたな。覚えていますか?
色々な意味でまさに悪夢のような個体でした。あいつのミトコンドリアDNAが、完璧に一致したんです。」
万石はもったいぶって、オレたち2人の顔を見渡してから言った。
「あの個体のミトコンドリアDNAは、大戸島の島民のものと完璧に一致しました。」
そして歪んだ恐ろしい笑みを浮かべ、万石は付け足した。
「悠久とも言える時を超え、ワタクシたちは出会っていたのです。あの大戸島の伝説にいう、呪われた漁師オキオと……。」
751 :
シャドウズ/36「甦る呪い」:2005/12/14(水) 07:32:13
「この事実に気づいたとき、ワタクシは器具の故障だと…、そのつぎには、サンプル取り違えの事故だと信じました。
でも、何度解析しなおしても、この結論は変わりません。そしてアナタがたの話は、これと完璧に整合してしまうのです。」
「では万石先生、他の、他のゴジラは!?」
オードリーがあえぐように尋ねると、万石は呟くように答えた。
「おそらく、あの海に沈んだ文明の人間でしょうな。」
青い海と青い空、あのインド洋での第一次調査のときの光景がオレの心に甦った。
「……他のゴジラも、解析されたミトコンドリアDNAは人間と極めて近い型でした。
あの文明は、宇宙からか?それとも漁師オキオのように海の底からか?何かを見つけ出しました。そしてそれが彼らの上に呪いを振り撒いたのです。」
「先生、ガメラは?ガメラはどうなんです??ガメラもゴジラと同じく……」オードリーには『元は人間』とまでは言えなかった。
万石の答えは、ガメラについては心安いものだった。
「違いますな。事態に気づいた彼らが創った、いわば対ゴジラ用のワクチンがガメラだったのだと思います。ガメラ細胞のサンプルはゴジラのものほど多くありませんから、はっきりしたことは言えませんが、おそらくガメラは人工の生物です。」
オードリーがほっと胸を撫で下ろしたのがわかった。
だがその彼女に対し、万石は言葉の刃を突きつけた。
「何を安堵しているのです?大鳥さん!……超古代の文明は、呪いとともに海底に没しました。しかし、『呪い』は甦ってしまったのです。邪悪な何かが、いま我々の中を目には見えぬままに闊歩しているのですよ!」
752 :
シャドウズ/37「旧友」:2005/12/14(水) 07:33:39
オードリーはそのまま万石の研究室に残り、万石や院生の石堀とともに「呪い」の正体を明らかにする作業にとりかかった。
「目に見えない呪いなんてあるワケないわ!ツタンカーメンの呪いの正体が、石室に生える特殊なカビだったように、オキオの呪いにも必ず正体があるはずよ!」
そう宣言する彼女は北欧神話のバルキリーのように見えた。
そしてオレは、例のインド洋調査のおりに知り合った男のもとへと向かっていた。
奴の名は………いや名前なんてどうでもいい。
と、いうよりヤツの本当の名前は全く知らなかった。
まわりのみんなが、ヤツを本名でなく仇名で呼んでいたのだ。
オレは、待ち合わせの約束をした飲み屋の暖簾を潜った。
そのとたん、「へいらっしゃい!!」という威勢のいい主人の声を遥かに上回る大声が大砲の弾みたいにブッ飛んで来た!
「おーーーーい!!!こっちだ!こっちだ!!」
オレもヤツに負けない大声で応えた。
「おう!ひさしぶりだな!ガメオ!!」
そう、ヤツの仇名は「ガメオ」。
なんでも「GAME・OVER」が語源なんだそうだ。
学生時代、友だちとゲーセンに行ったが、ヤツ一人最終局面まで辿り着けず、「ゲームオーバー」になってばかりだったことから、友だちに「ガメオバ」→「ガメオ」と呼ばれるようになったのだとか。
例のインド洋第一次調査には自衛官の資格で参加し、敦賀での対ゴジラ防衛線をはじめ主要な戦闘の殆どに参加しているという、対ゴジラ戦士の中でも猛者の中の猛者だ。
そして現在では……ゴジラ・ガメラ・アタック・チーム=GGATの突撃隊長的ポジションに納まっていた。
753 :
シャドウズ/38「新人」:2005/12/14(水) 07:39:16
GGAT関与の疑惑が無くなったので、オレはガメオに相談してみることにしたのだ。
ただし、最初はあくまで「個人対個人」としてである。
ひととおりドンチャン騒ぎをしてから(ドンチャン騒ぎに「ひととおり」も「ふたとおり」も無いとは思うが)、オレは場所を静かな店へと移し、例の話を切り出した。
「××、オマエその話をどこで聞いた!?」
カリフォルニア原発事故の「真相」の話をするとガメオの言葉が完全な素面のそれになった。
「いや、あくまでオレの空想で…。」
「ウソつけ!オマエは、くだらねえ憶測や妄想で動くヤツじゃねえっ。」
ガメオの目がスチールブルーの冷たい輝きを放ったが……、一瞬後にはオレも良く知ってるバカ友達のガメオに戻っていた。
「……まあ……いいか、どうせどっかの軍事筋からのリークだろ。あれだけの事件になって、州兵まで動員したら誤魔化しきれるとは思えねえしな。」
それ以上追求しなかったガメオに礼を言ってから、オレは本題を口にした。
「…カリフォルニアでGGATアメリカを壊滅させたヤツと同じようなバケモノが、もし、この日本にもいるかもしれないとしたら……。」
がんっ!
いきなりガメオの手が万力のようにオレの襟首を引っ掴んだ!
「なんだと!?あのゴジラが、この日本にもいるってのか!」
「く、苦しい……放してくれ…。」
オレの呻き声に我に帰ったか、ガメオの手から力が抜けた。
「……す、すまん。つい興奮しちまった。」
「ああ、いいよ。気にするな。………それより、カリフォルニアの事件の犯人は……やっぱりゴジラなんだな!」
顔でも洗うように両手で顔をおさえ、ガメオが言った。
「ああ……そうだ。ゴジラだ、それも新種………というか………。」
オレがガメオの後を続けた…。
「……新人……なんだろ?」
754 :
シャドウズ/39「カメラに残されたもの」:2005/12/14(水) 07:40:37
「そこまで知っているのか。……ちくしょう!なんてこった…ヤツがこの日本にも現れてたなんて……。」ガメオは髪の毛をぐしゃじゃに掻き毟りながら言った。
「じゃあ、カリフォルニアのゴジラも人間なんだな?」暗い諦観をもってオレは尋ねた。
「…ああ、そうだ。アレの正体は、あの原発に勤務していた技師の一人だ。」
そして、悪夢を思い返すように、ガメオは語り始めた。
「全部モニターカメラに残ってたよ。他の原発職員や消防隊員が虐殺される様も、突入したGGATとの戦いも……。」
グラスをもつガメオの手が小刻みに震えだした。
問題の技師は、前日どころか事件の当日も普通に勤務を続けていた。
そして事件発生のちょうど30分前、放射能漏れを表示するランプが点灯。
表示では軽微なものらしかったが、問題の「技師」は同僚1名とともに管制室外に……。
その数分後、戻って来たとき「技師」の作業服は血まみれ。
そして虐殺が始まった。
手首を掴んでそのまま握りつぶす、肩を掴むと人形の腕のように引っこ抜く……。首は……。
その「作業」のあいだにも、「技師」の姿は変わりつづけた。
消防隊員が到着したとき、「技師」の姿は既に無く、身の丈3メートルほどの一匹のモンスターがいるばかりだった。
「最後の一人の背負った酸素ボンベに怪物のツメ痕が残ったのは幸いだった。あれが無かったらGGATまで連絡が来るのはもっと遅くなっただろう。そうなっていたら……。」
「しかし身長3メートルの相手に随分てこずったもんだな……。」
「……オマエはあのビデオを見ていないからそんなことが言えるのさ!!」
かちゃん。音をたててガメオはグラスを置いた。
手の震えのせいで、持っていられなくなったのだ。
「映画の『ジュラシックパーク』に出てきたヴェロキラプトルを覚えてるか?あれより動けて、あれよりタフで……おまけに……明らかに知能が高かった。突入したGGAT隊員は一人づつ……。」
そうだ、オレは思い出した。
GGATの隊員は超小型カメラをヘルメット部分に装着していた。
カメラは、隊員たちの断末魔を克明に捉えていたはず。
ガメオはそれも全部見たのだ。
「一番信じられないのは……ヤツは笑うのさ。生け贄を殺すときに。あれはゴジラを超えた存在、悪魔以外の何者でもないよ。」
755 :
シャドウズ/40「モンスターNo2」:2005/12/14(水) 07:42:02
ガメオはオレを伴ない、直ちにGGATジャパン本部にとってかえした。
隊員は非番も含めて全員招集。
当該県のみならず、隣接各県の県警にも緊急連絡が発せられ、情報の提供が求められた。
一方、堀江研究員個人の情報も改めて洗いなおされた。
そしてカリフォルニアのモンスターを便宜上No1、堀江氏が変身したと思われるモンスターをNo2に呼ぶことが非公式に決定。
オードリーとオレは数少ない目撃者として臨時にGGATの所属ということになった。
「……堀江さんは…一度はアナタたちを襲おうとしたが、大鳥さんの叫び声に我に返ったと、そういうことなのですね?」
「少なくとも私にはそう見えました。」「オレにもそう見えたよ。」オードリーとオレが相次いで答えた。
改めてオレたちの事情聴取を行っているのはGGAT中尉のガメオである。
「……老夫婦殺しはツメ痕などから、No2の仕業と断定して差し支えありません。しかしその後、No2はアナタたちを殺すのを思いとどまった……。ということは、No2は人間の堀江さんとしての心を失ったわけではないと……」
「たぶんそうだ。だが、その人間としての心はドンドン薄らいでいる。」
オレがそう言うとオードリーは隣で目を伏せた。
膝の上にぎゅっと固めた拳が震えている。
「……不思議なのは、No1が短時間で身も心も怪物化したのに対し、No2は……。」
……オードリーの拳の関節の白さが増した。
まだ彼女にとって、堀江氏は「堀江」氏であり、「モンスターNo2」ではないのだ。
オードリーの思いとは関係なく、ガメオは言葉を続けた。
「……No2は何故、部分的にとはいえ人間の心を保っているのでしょう?」
756 :
A級戦犯:2005/12/14(水) 07:53:17
短くコンパクトな構成を心掛けて、随分刈り込んだつもりだったが……。
投下開始してみると結構長いな。
おまけに「ここをおしてください」の嵐だし。
これは読みにくい(苦笑)。
以後は粗筋形式で……。
「呪いの正体」
「ゴジラ出現」
「パンデモニウムへ」
「ガメラ出現」
「神になろうとした男」
「エンディング」
……と大雑把に言ってこういう構成。
評判悪かったら言ってくれ。
途中でも止めるから。
評判が悪いのは、「読み手」のせいじゃなく全面的に「書き手」のせいなんだからな。
757 :
シャドウズ/41「ウイルス」:2005/12/14(水) 12:11:51
*「物語」形式で書かねばならない事柄は一通り書ききってあるので、暫くは「粗筋」形式で。
モンスター出現に対処するため、例の廃プールの事務棟にGGATの臨時指揮所が設置され、戦闘部隊も到着した。
ガメオ率いるGGAT部隊は「危険動物の逃亡」を口実にしての山狩りを行うが不発に終る。
だが、相手が「ゴジラ」である以上、最後には原子力関連施設を狙ってやって来るに違いない。
当該山地から都市部を通らずに接近できる原発は一箇所しかなかった。
山狩りの中心を原発方面に移動させつつ、原発そのものにも防衛網を敷くガメオ。
一方、「オレ」は堀江氏が研究サンプルを横流しした相手を捜していた。
だが、話を聞いた相手は誰もが堀江氏のことを「理想主義で潔癖症、研究資料の横流しなんて信じられない」と答える。
郵便局や宅配業者も調査したが、荷物を堀江氏名義で発想した記録は無かった。
そんな中、決定的な情報がオードリーの研究からもたらされる。
758 :
シャドウズ/42「ウイルス進化説」:2005/12/14(水) 12:14:38
「ねえ××さん、ウイルス進化説って知ってる?」
生物進化の原因を突然変異に、そして突然変異が生物集団全体に発生する理由を「ウイルスへの集団感染→突然変異」に求めるのがウイルス進化説である。
「…だからキリンの首は少しづつ長くなったんじゃなく、キリンの先祖が未知のウィルスに集団感染して、一斉に首が長くなったって考えるのよ。」
「でもオードリー、そのウイルスと今回の事件とどういう……。」そこまで言ったところでオレにも閃いた!
「ウィルスか!?ウイルスなんだな!なんかのウィルスに感染すると……人間が怪物化するんだな!?」
「そうよ、大戸島の伝説に出てくるオキオみたいに、怪物に変異してしまうの!」
「もし、このウィルスが蔓延したら、人類はいったいどうなっちまうんだ?」
青い顔で答えないオードリーに代り、万石先生が何故か嬉しそうに答えた。
「そうなったら人類は滅亡でしょうなぁ、インド洋の古代文明のように。いひひひひひ……。」
759 :
シャドウズ/43「呪われた続編」:2005/12/14(水) 12:18:08
ゴジラの体内で好核バクテリアが進化したのか、それとも好核バクテリアの働きでゴジラが出現したのか?
オードリーの研究では、なんとどちらも間違いであった。
ゴジラも好核バクテリアも、共に謎のウイルスに感染し突然変異した結果に過ぎなかったのだ。
この恐怖の変異性ウイルスは名前の判っている最初の感染者に因んで「オキオ・ウイルス」と名付けられる。
オードリーの言葉は大戸島伝説の「呪われた続編」とでもいうべきものだった。
「オキオウイルスも好核バクテリア同様、放射能が無ければ一時間ほどで死滅するわ。でも、その一時間のあいだに一定以上の放射線を受けると活性化してしまい死滅しなくなるの。そして宿主の細胞に潜り込んでゆっくりと変異発現を開始するのよ。」
「いひひひ……」万石がトレードマークの下品な笑とともに説明を引き継いだ。「……アメリカに出現したモンスターNo1は原発職員で、以前に勤務していた原発でゴジラの襲撃を受けた経験がありましてね……。おそらくそこでウィルスに感染したんでしょうな……。」
「…たぶんそのときゴジラが吐いた放射能でウイルスが活性化していて、あの夜の放射能漏れで変異が一気に加速したのよ。だから堀江さんも何処かで放射線を浴びたんじゃないかと……。」
オレは堀江氏の行動記録にあったある項目を思い出した。
「……それならたぶんオレが答えられるよ。解雇前の堀江氏は健康診断でレントゲン撮影をやってるんだ。」
「それで判りましたよ。うしししし。受けた放射線の量が少なかったんで、変異発現に時間がかかったんですな。」
時間という言葉に促されたのか、その時オレはふと時計を見上げた。
午前〇時15分……話し込んで知らぬまにまワナかを越えてしまっていた。
ふと時計を見るという、ただそれだけの些細なできごとだったが…。
この些細なできごとが、後で重大な意味をもってこようとは……オレはそのとき、予想だにできなかった。
760 :
シャドウズ/44「疑惑」:2005/12/14(水) 12:20:03
「まるで通り魔だ!」そう言ったきりガメオは絶句した。
「オレ」万石、そしてオードリーが会って話をしたその夜、山菜採りの老夫婦に続く第二、第三、第四、第五、第六、第7の犠牲者が一夜の内に続出したのだ。
時系列順に並べると深夜の〇時前後から3時ごろにかけて、原発とは反対方向、逃げ込まれたら捕捉困難な海へと向かうルートを描いていた。
「No2は原発ではなく海に逃れるつもりだ!海に逃がすな!」
GGATの主力部隊は川沿いの河口域へと移動するが……。
一方で、「オレ」はある考えを抱き始めていた。
(多くの友人知人が評したように堀江氏が理想化肌の研究者で、金では転ばない人物だとしたら…。そんな堀江氏が、それでも研究資料を横流しする相手とは……。まさか……!?)
潔癖な堀江氏が研究資料を横流しする動機。
まずは理想。それから…………愛!?
(愛してる)(愛してる)(愛してる)堀江氏はモールス信号でいつもそう叩いていた。
そう言えば……堀江氏は怪物した後も、愛する人に電話しようとしていたではないか!?
(まさか……そんな……まさか)
このころオードリーは廃プールでの一件を始めとする様々な経緯から「オレ」を信頼し心を寄せるようになっていた。
だが逆に「オレ」の心には巨大な疑惑が…。
ついに些細なことから、「オレ」はオードリーに突っかかり、ついには疑惑をぶつけてしまう。
信じた「オレ」のあまりの言葉に傷つくオードリー。
彼女はそのままオレのマンションを飛び出すと、自分のアパートに戻ってしまった。
後ろめたい思いに駆られる「オレ」。
そこに、万石先生助手の大学院生石堀から急の連絡が入った。
急いで大学まで来て欲しいというのである。
761 :
シャドウズ/45「聖域」:2005/12/14(水) 12:21:32
大学へ向かった「オレ」は石堀に万石先生の秘密の部屋、通称『爬虫類館』へと案内される。
そこは助手格の石堀ですら近寄ることを許されない、いわば万石の聖域であったという。
ところが、何時もはカギのかかった扉が開いていたので石堀は中を覗き、慌ててオレに連絡してきたというのだ。
「こ、これはっ!?」中を覗いて驚く「オレ」。
中には奇妙な器具の数々、そしてそうした器具類とは明らかに場違いな頑丈な拘束具が……。
「あの機械はγ線照射機……ハエの卵なんかに放射線を照射する機械です。でも一緒にあるのは熊やなんかを捕まえておくための道具ですよね?……××さん、先生はここに何を掴まえていたんでしょうか?」
室内には、あの夜廃プールで嗅いだ臭いがはっきり残っていた。
その臭いを嗅いだ瞬間、「オレ」の中で全てのパズルが繋がった。
資料の横流しを受けたのはオードリーではない!
万石だ!
爬虫類好きの万石はゴジラを研究したかったが、設備不十分として資料提供を受けられなかった。
そこでおそらくオードリーの名前を使い、オードリーを愛する堀江研究員を騙してゴジラ菌を含む資料を横流しさせたのだ。
そして更に、研究所を解雇された後、自分を訪れた堀江氏をここに……。
「そうか!」明らかになった悪魔的行為に「オレ」は慄然と叫んだ。「変異を発現した堀江氏は助けを求めて万石のもとを尋ねたが、万石によってここに閉じ込められてしまったんだ!そして少しづつ放射線を……!」
「な、なんのために?先生がそんなことを!?」
「オキオ伝説にある怪物化の実証だ!」
「万石を逮捕しろ!」
GGATに携帯で急報する「オレ」。
だが一般回線からの電話は、緊急事態発生によりGGAT指揮所のガメオには繋がらなくなっていた!
河口域の防衛ラインを嘲笑うかのように、モンスターNo2=堀江氏が例の原発を襲撃したのだ。
762 :
シャドウズ/46「GGAT対モンスターNo2」:2005/12/14(水) 12:23:24
「畜生!第二から第五までの事件は警備の中心を原発から逸らすためのフェイントだったんだ!」
車を飛ばして廃プールの指揮所に戻った「オレ」にガメオが叫んだ。
指令所のモニターには、GGAT隊員一人一人に装備された小型カメラとマイクから送られる映像と音声が流されている。
モンスターNo2と隊員たちの死闘の生中継である。
弧を描き投げ込まれるハンドグレネード!
それがオレンジの閃光を放ち爆発する!
だが、その奥に光る双眸が!?
爆炎を突いて豹のように飛び出すNo2!
その体躯はNo1より小柄な2.5メートルほどだが、小柄なぶん敏捷さはNo1以上だった。
幾つかの画像に血飛沫が飛び、幾つかは激しい衝撃とともに画を送ってこなくなった。
「効いてないぞ!もっと強力な武器でないと!」ガメオに向かって叫ぶ「オレ」。
だが、ひとたび原発内に入り込まれては過度に強力な武器は使えない!
そうしているまにも、怪物との接近戦で次々倒れていくGGAT隊員。
関門となるGGAT隊員を蹴散らし、No2は目指す炉心へと迫った。
だが、炉心前面に最後の関門が待ち構えていた!
カリフォルニアでの戦訓により急遽からロシアから空輸されていた対戦車ライフルの火線!
一撃で象やクジラでも即死する徹甲弾がNo2を雨となって貫いた!
ついに崩折れるNo2。
カリフォルニアで有効だった象撃ちライフルに続き、今回も超ハイパワーライフルの一斉射撃がモンスターの進攻を食い止めたのだ。
ガメオの口からも安堵の声が溢れる。
原発内に展開した隊員たちも喜びの声を上げているのが、隊員の装備した小型マイクから聞えて来た。
「やった!」「やったぞ」「バケモノめ!遂にやった!!」
だが、その隊員たちの声の中に、ある聞きなれた声が混じってきた。
「よくやってくれました堀江くん。ワタクシがここに侵入するための血路を見事拓いてくれましたね、うしししししし。」
そして次の瞬間、隊員たちからのカメラ映像は次々と真紅に染まっていった。
763 :
シャドウズ47/「万石の目的」:2005/12/14(水) 12:24:52
「オレ」は司令室のマイクに向かって叫んだ!
「その声は万石!!」
「……今の声は××さんですな?…………えーと、これを……と。」
カメラのレンズから指で血が拭き取られ、万石の顔が映し出された。
手には隊員のヘルメットからもぎ取ったマイクを持っている。
万石「こんにちは、有名爬虫類学者の万石です、うしししし。」
オレ「万石!すべて貴様の仕業だな!」
万石「はあ××さん、どうやら全部ご存知のようですね。そうです、全部ワタシがやりましたよ、うししししし。」
オレ「なぜだ!?いったい何が目的でこんな恐ろしいことを!?」
万石「何故と問いましたな?よろしい、お答えしましょう。目的は……進化です。」
オレ「進化だと!?」
万石「そうです。ウィルス進化説のことは以前お話しましたね?しかし、忘れてはならない大事なことがあるんですよ……、うししし。」
オレ「大事なことだと!?」
万石「そうです。とても大事なことです。……進化というのは『神の意思』だということです。」
万石の目的は、「神の意思」を代理することだった。
ウィルスにより人間がモンスターに進化するというなら、それは「神の意思」だ。
インド洋の超古代文明はこの神の意思を傲慢にも拒否したため、神の怒りに触れ大洋の底に沈んだのである。
そしてそれが大戸島の漁師オキオの網にかかり、再び地上に戻ったのもやはり「神の意思」である。
故に、生き物全てに進化をもたらす偉大な神は、今度こそ人間が次のステージへと進化することを望んでいる!
この「神の意思」を代理人となって実行することこそ、万石の目的なのであった。
764 :
シャドウズ/48「万獄」:2005/12/14(水) 12:26:21
万石「実はここに来る途中ちょっと道草を食いましてね、オキオ・ウィルスを市内に撒いて来たんです…。予め放射線を浴びせて活性化させたヤツをね、うしししし。」
オレ「な、なんだと!」
万石「……ですから、後は新世界創世の幕を切って落とすだけ。その役目は、僭越ながらこの万石自らがやらせていただきます、うししししし。……では、ごきげんよう。」
原発内部からの映像が切れた。
ガメオ「な、なんだ!?どういうことだ!?いったいヤツは何をしようってんだ!?」
オレ「………GGATの隊員たちが万石に瞬殺されたのを見なかったのか?ヤツは、自分の体にも怪物化ウイルスを投与してるんだよ!それで原発の中でやることといったら一つしかない!」
そのときオペレーターがガメオに向かって叫んだ!
「隊長!げ、原発がぁっ!!」
モニター全部が連携し一つのモニターとなって、上空のヘリから捉えた原発の画面に切替わった。
窓・換気口・ドア、あらゆる隙間という隙間から白い蒸気が漏れ出している!
そして!建物全体が光ったかと思うと、次の瞬間、中から巨大な怪物が飛び出した!
ガメオ「ゴ、ゴジラだ!…まさかアイツは!?」
オレ「そうさ…、アレは万石だ。……もっとも『ごく』って言っても『石』じゃあない!地獄の『獄』さ!」
モンスターNo3、いや、万獄ゴジラは月を仰いで一声大きく吠えた!
呪われた創生の始まりを告げるために。
765 :
シャドウズ49/「パンデモニウムへ」:2005/12/14(水) 15:07:56
「ゴジラ進撃を開始しました!」オペレーターが叫んだ。
だが別のオペレーターからも報告が!
「隊長!市内に複数のモンスターが現れたもよう!市内は混乱の極みです!」
オレ「まずい!万獄が市内に入って放射能を撒き散らしたら、市内のモンスターも一匹残らずゴジラ化するぞ!なんとしても防ぐんだ!!」
ガメオ「判った!重火器部隊が展開するまで航空攻撃で時間を稼ぐ!」
オレ「市内は?」
ガメオ「……残念だがそこまでは手が回らん。」
そのときオレは大変なことを思い出した!
「しまった!市内にはまだオードリーがいる!」
「オレ」はガメオが「死にに行くようなもんだぞ!」と制止するのも振り切って指揮所を飛び出した。
「最後にオードリーと別れたとき、オレ、彼女をメチャクチャ傷つけちまったんだ。会って謝んなきゃなんないんだよ!」
「そうかわかった!もう止めん!せめてコイツを持って行け!」
そう言うと、ガメオは腰に下げた拳銃を投げて寄越した。
「恩に着る!」
オレは車をスタートさせた。
市内の数箇所から既に火の手もあがっているが、あそこには炎なんかよりも遥かに恐ろしいものが飛び回っているのだ!
(オードリー!無事でいてくれっ!!)
「オレ」は車を猛スピードで飛ばしながら、オードリーの携帯に連絡を入れた。
幸いすぐに彼女は出てくれた。
「オードリーか!?無事なんだな!?」
「××さんなの!?」彼女の声は半分泣き声で、消え入るようにか細い。
「そうだオレだ!すぐ助けに行く!あのアパートにいるんだな?」
「そうよ。でも来ちゃだめ!外は怪物で…。」
「うるさい!助けに行くったら助けに行くんだ!そこでじっとしてろ!!」それだけ喚くと「オレ」は電話を切った。
軽自動車は転がるようにひた走った。
万獄の拓いた汎魔殿=パンデモニウムと化した市内に向かって!
766 :
シャドウズ/50「悲鳴」:2005/12/14(水) 15:15:41
*万獄ゴジラとGGAT空軍の対決、そしてオードリーの姿を求め汎魔殿をゆく「オレ」という、映画的には派手な見せ場が続く。
しかしこの駄文の場合、その描写は主眼ではないので簡単に…。
市内は、殆ど人間からトカゲ人間のような姿まで様々な変異段階のモンスターが暴れまわり、阿鼻叫喚の地獄絵図を描いている。
火災発生を受け出動した消防車も途中で怪物に襲われてしまい、火を消そうとする者など誰もいない。
警官の拳銃では人間に近い変異レベルのモンスターにしか対抗できず、変異レベルの高い相手に対してはただ相手の怒りに火を注ぐだけだった。
途中襲ってきた低変異レベルのモンスターを車で撥ね殺すが、「オレ」もハンドル操作を誤って街路樹に激突。
さらに襲いかかってきた別のモンスターをガメオから渡されたデザートイーグルの連射で倒し、オードリーがいるアパートの階段へと駆け込んだ。
そのとき階上からオードリーの悲鳴が!
767 :
シャドウズ/51「格闘」:2005/12/14(水) 15:17:06
獣のような雄叫びを上げ彼女の部屋のある三階まで階段を駆け上がる「オレ」。
オードリーの部屋のドアが破られている!
中では窓辺の床に追い詰められたオードリーとトカゲ同然の姿に変わった高変異レベルのモンスターが彼女に覆い被さるように立ちはだかっている!
慌てて拳銃を構える「オレ」だったが、(まずい!この位置から撃ったら、オードリーにも弾が当たる!)。
どうすりゃいい!?
だが、「オレ」が躊躇ったのは一瞬だけだった。
怪物の下から、感謝や喜びそして諦めがないまぜになったオードリーの顔が見えた瞬間、「オレ」の中に再び根拠の無い勇気の炎が燃えあがった!
「うわわわわわわああああっ!」
ショルダータックルのような姿勢でモンスターに体当りする「オレ」。
モンスターと「オレ」、二つの体は窓枠を越え、下のコンクリートの地面へと落下した。
ズンッ!
幸いモンスターの体が下になったので、コンクリートに激突はしないですんだが、それでも「オレ」は呼気が一瞬止まるほどの衝撃をうけた。
(た、立てない!?)
体が脳の言うことを聞いてくれない!
動けぬオレの傍らで、モンスターがぐいっと立ち上がった。
768 :
シャドウズ/52「キミが……」:2005/12/14(水) 15:20:34
動けぬ「オレ」の上でキバを剥くモンスター!
(これで……ジ・エンドってヤツかな?)
だが「オレ」が死んだらオードリーはどうなる!?
「オレ」は死力を振り絞ると、かろうじて動く右手を上から覆い被さるモンスターの口めがけて突き上げ、拳銃の引き金を引いた!
ブアムッ!
轟音とともにモンスターの頭部は吹き飛んだ。
「……む……むううっっ。」
呼吸を整えながら、よろよろ立ち上がろうとしていると、「オレ」のワキの下に細い腕が差し入れられた。
「だいじょうぶ!?」
オードリーが涙でぐしゃぐしゃな顔で見上げてきた。
「……さっきはごめん。」だいじょうぶだ、と答えるより先に「オレ」はそう言っていた。
「そんなこと、いま言わなくたって。」
「だって、これ言いたくてココまで来たんだぜ。」
「なんだ…………私に言いたいことは……それだけなんだ。」
そのとき、「オレ」の頭の中から、辺りにいるはずのモンスターも、この市内に向かっているはずの万獄ゴジラのことも無くなった。
オードリーとオレだけになったのだ。
「……いやもっと言いたいことが。オレはキミが……。」
そのとき、ガラスをツメで引っ掻いたような叫びが間近で上がった!
769 :
シャドウズ/53「狂神の入城」:2005/12/14(水) 15:22:34
今の銃声を聞きつけ、モンスターが三体、集まって来ていた。
中レベル変異のが2体、高レベル変異のが一体。
オードリーを自分の体の後ろに庇うと、オレは一番近くのモンスターに拳銃を発射しようとした。
が!?……スライドが後退したままだ!残弾無し、弾ぎれである。
万策つき果てたか……。
だがそのとき!頭上からモンスター三体めがけ、弾丸のシャワーが降り注いだ!
見上げると、何時の間にやって来たのかGGATの戦闘ヘリコプター、ガットジャイロが降下してくるところだった!
機内ではガメオが迎えてくれた。
「うまいことジャイロを掴まえられてな。迎えにきたぜ。」
「ありがとう。ところで万獄は!?」
「見ろ!あそこだ!」
浮上したジャイロからガメオの指さす方、赤い炎をバックにして山のような巨体が聳え立っていた。
歩いた後には灰燼しか残さない、破壊の狂神。
舞い飛ぶ航空機も、万獄ゴジラの前には先触れ程度にしか見えなかった。
「見ろ!万獄のセビレが光りだしたぞ!」
放射能体放射!
あれをやられたら市内のモンスターが全てゴジラ化してしまう!
だが、オレたちにはもう打つ手が無かった。
オレにできることは、縋り付くオードリーの体を精一杯の力で抱きしめてやることだけ…。
そのときだった。
アイツが浮上したのは。
770 :
シャドウズ/54「ガメラ」:2005/12/14(水) 15:24:59
「あれが万石さ、オードリー……。」
「そんな……!昨日までは私たちのよく知っている『万石先生』だったのに……。」
「昨日どころか、つい一時間ほど前までだって、普通の万石だったよ。あれが……ヤツの信じる進化ってヤツなのさ。」
「……キリスト教だと、エデンの園で口にした知恵の木の実から人間の進化がはじまったのだそうよ……。でも××さん、私たち、今度はどんな木の実を口にしたっていうの?」
一歩一歩市内へと歩みを進める万獄ゴジラを見てオードリーが呟くように言った。
万獄がパンデモニウムに入城するまであと僅か。
ゴジラの爆発増殖と人類の破滅までも、あと僅かだ。
そのとき、ヘリのパイロットが振り返ってガメオに叫んだ!
「隊長!GGAT本部よりの連絡です!ここより南におよそ10kmの海中から何者かが出現!マッハ約2.5の速度でこちらに向かって飛行中とのことです!」
「なんだと!?」
オレやオードリー、そしてガメオは南を向いた窓に回った。
暗くてよくは見えないが……星明りを遮りながら確かに何かが飛んでくる。
ガメオ「なんだアレは!?かなり大きいぞ?」
オレ「……まさかアレは……!?生きていたのか!?」
万獄を照らし出していた地上部隊のサーチライトの一部が剥きを変えると、飛来した物体を光の中に照らし出した!
ガメオ「あ!あれはガメラっ!!?」
771 :
シャドウズ/55「育ちゆく地獄」:2005/12/14(水) 15:26:03
突如飛来した怪物体の正体はガメラであった。
甲羅の酷いダメージと片腕の損傷からみて、以前70m級ゴジラ「オキオ」に倒されたと考えられていた固体に間違い無い。
ただ、ダメージが再生しかかってはいるとはいえ、完全には程遠い状態だ。
おまけに状態が完全だったとしても、ガメラのサイズは20メートルていど。
一方の万獄は一目でその四倍以上の大きさがあった。
とうてい勝負になる組み合わせではない。
万獄の方でもそう思ったか、飛来したガメラに全く注意を払わなかった。
自分の周囲をゆっくり旋回するガメラを従えたまま、一歩一歩市内中心へと進んでいく。
それにつれ万獄のセビレも光を強めた。
「隊長!これを見てください!モ、モンスターどもが!」
ヘリから地上を捉えたカメラ映像の中で、モンスターたちが次第に巨大化していく!
オレ「ゴジラ化がはじまったぞ!」
772 :
シャドウズ/56「超古代文明をみまったもの」:2005/12/14(水) 15:27:37
だが、同時に上空のガメラにも異変が起こっていた。
ガメオ「おい!ガメラ……光ってないか?」
オレ「……ほんとだ……ガメラ光ってるぞ!?」
オードリー「ガメラが光る………!いけない!早く退避しないと!ガメオさん!早くGGAT隊員たちを避難させてください!市内からなるべく遠いとろこに!!」
オレ「ど、どうしたんだオードリー!?なにが起こるって言うんだ!!??」
オードリー「超古代文明と同じことが起きるのよ!」
オレ「なんだって!?」
オードリー「ガメラはオキオ・ウイルスを撒き散らすゴジラをウイルスごと殲滅するための生物兵器なのよ!でも、もしウイルスの蔓延が止められなくなったら……。」
オレ「ウイルスの蔓延が止められなくなったら……?どうなるって言うんだ?オードリー!?」
オードリー「判らないわ!でもひとつだけ確かなことは、超古代文明の都市は海の底に沈んでたってことよ!」
773 :
シャドウズ/57「大破壊」:2005/12/14(水) 15:29:02
「総員市内より退避!一刻の猶予もならん!急げええっ!!」
ガメオが無線機に向かって叫び、オレたちの乗ったジャイロも刻一刻市内から遠ざかりつつあった。
いまや地獄と化した市内も、遠くこのヘリからは赤い炎に照らされた美しい影としか見えない。
そこに浮かびあがる巨塔は万獄ゴジラ。
さらに足元には、育ち行く地獄の落し子たちが蹲っているはずだ。
地獄の上に白く光の尾を曳いて旋回するのは、あのガメラだろう。
ガメオ「……何も起きないぞ?オードリー??」
オードリー「……待ってくれているのよ。私たちが逃げるのを…。」
ガメオ「まさか……。」
まさにその瞬間!
ガメラが太陽のように輝いた!
同時に幾百もの雷が、空中からと言わず地上からと言わず、ガメラに向かい弾け飛ぶ!!
そして…………………爆発した!!
眩い光の柱が、市内中心に立つ、万獄めがけて落ちかかる!
オレ「プラズマエネルギーのオーバードライブだっ!?」
白光のドームがぐんぐん広がり、市内を含むエリアを一飲みに呑みこんだ。
ぐぅあんんっ!!!!!
巨大な衝撃波がジャイロを飲み込んだ!
安定を失い、木の葉のように翻弄されるジャイロ!
オレ「うわあああああああああああっ!!」
グングン大地が迫ってくる!
オレはオードリーの体を抱きしめた。
774 :
A級戦犯:2005/12/14(水) 15:31:12
予告編
ふつうはこれで「おしまい」なんだろうが……。
ふっふっふ、実はまだ、もう一山あるのだぁ!(いいかげんにしろよな)
明日はめでたく投下終了。
最終投下分「神になろうとした男」。
775 :
シャドウズ/58「後始末」:2005/12/15(木) 08:40:47
墜落しかかったヘリだが、なんとか地表ギリギリでバランスを取り戻し、オレたちは無事地面に降りることができた。
そしてあれから一週間……。
○□市は……消滅した。
廃墟なんてもんじゃない。
市の中心から直径10km弱の球体内が、まるで空間を削ぎ取ったように、無かったことにされたのだ。
万獄をはじめとするゴジラの群れと、逃げ遅れた市民も飲み込んで……。
ただ政府発表の公式文書に記載された死者の数は、いまのところ驚くほど少なかった。
死体が消滅しているので死亡診断書は書きようが無い。
災害による認定死亡を宣告しようとしても、宣告すべき○□市そのものが市長から一般事務員に到るまで行方不明者の中に含まれているのではどうしようもない。
そもそもあの夜市内にどれだれの人間がいたのかすら把握できないのだ。
万石の研究棟はGGATによって徹底的な捜索を受けた。
どうやら万石は自分の野望が失敗に終るとは思っていなかったらしく、一切の資料が廃棄されずに残されていた。
基本的にはオレの推理した通りだった。
……だが。
776 :
シャドウズ/59「悪夢の跡にて」:2005/12/15(木) 08:43:16
「堀江さんは………この部屋に閉じ込められていたのね。」
オードリーは、いまはガランとして何も無い、かつての「爬虫類館」に立っていた。
鋼鉄製の拘束具は取り外され、重いγ線照射機もGGATの調査班が3人がかりで運び出された後だ。
「そうさ、レントゲン撮影の影響で変異発現した堀江氏は、万石に助けを求めた。だがそれをあの男は……。さ、出よう。」
オレは彼女を「爬虫類観」の外に連れ出した。
悪夢の苗床みたいな場所に、長いこと彼女をいさせたくなかったからだ。
オレたちはガランとした大学の構内を歩き出した。
キャンパスに目立つのは落ち葉だけ。
はじめて来たときは、男女の学生たちであれほど賑やかだったのに…。
学生や教授たちの殆どは消滅した市内に住んでいたのだ。
オードリーも本当なら、その列に加わっていたはずだった…。
「……大戸島の伝説を知っていた万石は、すぐに変異原物質の存在に思い当たったのね……。」
「うん、ウイルスと放射線の関係もたちまち見破ったんだろうね。なんたって、ホンモノのモルモットが目の前にいるんだから……。」
オードリーの足が止まり、そっと目を伏せた。
「……ごめん。『モルモット』って言葉は酷かった……。取り消すよ。」
「ううん、いいの……。でも、ありがとう。」オードリーはオレの胸に顔を伏せた。
オレは彼女の髪にそっと手を触れながら、改めて万石の悪夢の跡を振り返った。
なんの変哲も無いあの建物から、あのような魔王が生み出されようとは……。
「……変異が進行し人間とモンスターのあいだを揺れ動くようになった堀江さんは、ある晩あの部屋を脱出した。」
ふと気がつくと、オレたちは「爬虫類館」を脱出した夜の堀江と同じ道のりを歩いていた。
もう少し行くと、オードリーの籍もある研究棟が枯木立のあいだに見えてくるだろう。
777 :
シャドウズ/60「神の代理人」:2005/12/15(木) 12:10:13
「堀江さんは、電話機を求めてキミの研究棟に忍びこもうとして失敗したあと、あの廃プールに姿を隠してキミに電話をかけたんだ…。」
オレたちはオードリーの研究棟の裏に回った。
「……そしてそのあいだ、『モンスター』に体を支配されたときに、あの山菜採りの老夫婦を殺害してしまったのね……。」
「…そうさ。あの晩、キミに名を呼ばれ人間の心を取り戻した堀江さんは、絶望して再び『爬虫類館』に戻り、そして最後の夜までそこに封じられていたんだ。」
「それじゃ、第二からあとの事件は堀江さんじゃなかったのね?」
「そうさ、彼じゃないよ。」
堀江さんの壊したロックは、まだあの日のままだった。
ドアが開いてしまわないように、ガムテープで止めてあるのだが……、いまは風雨に晒されたせいか剥がれてしまっていた。
階段を二階に上がると院生の石堀が一人で後片付けをしていた。
「ああ××さん、大鳥さん、ご無事だったんですね。」
「キミこそ無事だったんだ。……オードリー、彼がオレに『爬虫類館』のことを知らせてくれたんだよ。」
オレはあの夜のいきさつを彼女に話して聞かせた。
「……信じられないことだけど、オレはそれまでキミを疑いだしていたんだ……。ゴメン。」
「その話は何度も聞いたわよ。それでそのたんびに、『もういいわよ』って言ってるじゃない。」
「でも……自分のバカさ加減が許せなくってね。石堀くんもありがとう。キミが疑いを晴らしてくれてなかったら、いまごろ……。」
「ボクが何をしたって言うんですか?」そう言って石堀は頭を掻いた。
「目と鼻の先で先生がやってることに、サッパリ気がつかなかったんですから。
でも神の代理人になって進化をすすめようとするなんて、万石先生はいったい何を考えてたんでしょうか?」
「ねえ××さん、神の代理人ってなんのこと?」オードリーが訝しげに尋ねた。
「万石が言ったのさ。『進化は神の意思だ』ってね。それを拒否する者は神罰が下って滅ぼされる。自分は神の意思に従って人類の進化を推し進めるんだとね。」
「妄想もいいとこですね。それで自分が率先してゴジラなろうとするなんて…。」
石堀も片付けの手を休め、窓の外を眺めながらそう言った。
なにかが引っ掛かった。
778 :
シャドウズ/61「共犯者」:2005/12/15(木) 12:11:50
「ねえ××さん!」突然オードリーが妙な表情を浮かべ言った。
「……さっき第二からあとの殺人は堀江さんじゃないって言ったわよね!?」
「いったけど…それが?」
「堀江さんじゃないなら、いったい誰が犯人なの?」
「……判りきってるじゃないか。犯行状況は明らかに変異発現者の仕業だった。つまり犯人が万石さ。」
だがオードリーが顔をあげ、叫ぶように言った。
「でも、それは変だわ!」
「ん?……何か変なんだい?」
「だって思い出してみて!第二から後の事件が起った夜のことよ!あの夜、オキオ・ウイルスやウイルス進化論のことを話したわよね!?」
「………ああ、そうだった。話したよね。あれはオレとキミと……。」
「…万石の三人よ。あのとき話は深夜まで続いたけど……。」
……オレも思い出した。
「そうだ!あのときオレは時計を見た……たしか〇時15分……。」
そこまで言って、オレも気がついた!そうだ!在り得ない!!
「あの夜おこった中で最初の事件は〇時前後だったはずよ!私たちと話してから車で行ったとしても、万石に最初の被害者を殺すことはできないわ!」
「たしかにそうだ!」それからオレはいままで気づかなかった別の事実にも思い当たった。
「……そう言えばγ線照射機も変だ!アレを運び出すとき、GGATの連中は3人がかりだった。そんなシロモノを万石がここに一人で運び込めたハズがない!!」
オードリーが、あの黒目がちの瞳でオレを見つめながら言った。
「共犯者がいるのよ。それもウイルスで変異発現している共犯者が……。」
そしてオレは答えに辿り着いた。
さっき引っ掛かった「何か」が、全てを明らかにしていたのだ。
779 :
シャドウズ/62−1「神になろうとした男」:2005/12/15(木) 12:14:04
「ま、そういうことはGGATの連中にでも任せておこうぜ。オードリー、行こうか?」
「なによ?急に?!」
オレはオードリーの手をとって階下へと降りようとした。
だが!
階段への出口を塞ぐように………、石堀が立っていた。
「……万石の自己顕示欲が強かったおかげで、書類にはオレの名前はおろか、共犯者の存在を仄めかしてすらいなかった。
おまけに万石の秘密を暴くのに協力もしたから、上手く逃げられると思ったんだがなぁ。神の代理人の話はまずかった……。」
オレはオードリーを後ろに庇いながら叫んだ。
「…ああ、そうだな。『神の代理人』って話は、万石が原発の中で口にした言葉だ。あれを聞いたのは万石以外にはオレとガメオ、それから指揮所にいたGGAT隊員たちだけしかいないはずだ。それを知っているということは……。」
「石堀くんなの?石堀くんが万石の共犯者なのね!?」
「そうさ。そして今度は自分が師の遺志を引き継いで……。」
だが石堀はニヤニヤ笑って言った。
「師だって?……万石は、『神の代理人』を称していたが、その実は、爬虫類好きが嵩じてとうとう自分が爬虫類に成り下がっただけの、極め付きの狂人さ。あんなの師なんて思っちゃいないね。」
「……それじゃあ貴様が万石に代わって『神の代理人』になろうってワケじゃないのか?!」
「『代理人』?………バカ言っちゃいけない。オレはなるのさ、神そのものにね!」
780 :
シャドウズ/62−2「神になろうとした男」:2005/12/15(木) 12:15:36
「神になるだと!?」
ヤツは出口の前から一歩も動かぬまま、得々と話し始めた。
「……堀江の症状を知って気がついたのさ。ヤツはレントゲン検査のX線で変異発現し怪物の力を得たが、長く人間としての外観や理性も留めていた。つまり放射線照射の量や時間をコントロールすることによって、ゴジラ変異の発現量は制御可能なんだ!」
「そ……そうか……、やっと判ったぞ貴様の狙いが!」
白い歯をむき出して、獣のようにヤツは笑った。
「オマエの頭でも理解できたか?……ゴジラの持つ圧倒的な力と生命力、この二つだけを選択的に発現させることができれば、オレは不死身の超人になれるんだ!」
そのときオレは確信した。万石同様こいつも狂ってる、と。
石堀は右手をオードリーに差し出した。
「どうだオードリー?……いまなら神の妃にしてやるぜ。」
「お断りよ!」汚いものを見るときの顔で、オードリーは即答した。
笑みを顔に貼り付けたまま、石堀は言った。
「……そうか……それじゃ仕方が無い。……死んでもらうのは1人から2人に追加だ。」
781 :
シャドウズ/63「バーベキューの準備」:2005/12/15(木) 12:21:46
気が抜けた笑みを浮かべたまま、石堀はこちらに進み出た。
「オレたちを殺したら、すぐ掴まるぞ…。」
そう言いながら、オレは慌てて辺りを見回して武器になりそうなものを捜したが、あいにくとモップくらいしか見当らない。
それに空調管理のため研究棟の窓はハメ殺しで、ガラスには鉄線が組み入れられている。
「…逃げ道なら無いぜ。」オレの視線を辿り、石簿のは鼻で笑うと言った。「……それからもうひとつ、この無人同然の大学で、オレがここに来たのを知ってるヤツはオマエらしかいないんだ。
で、オマエらのことだけど……運悪くあの夜オキオウイルスにどっちかが感染してたのが、とうとう変異発現して……殺しあったことにでもするさ。
そしてこの建物は火事で焼け落ち、オマエたちの死体は丸焼けになる……と。どうだい?このシナリオ。」
石堀は自身たっぷりだった。
とりあえずモップを引っ掴んだオレを見ても、眉一つ動かさない。
「オマエ忘れたのか?変異発現者の力がどれほどなのか?そんな棒ぎれで何ができるっていうんだ?」
「……やってみなけりゃ判らないだろっ!!」
オレは渾身の力で、モップの柄を石堀の顔、肩、胸にメチャクチャに叩きつけた。
ばきっ!
何打めかに、激しい音を立てモップの柄は折れた。
だが、石堀の体にはアザ一つない!?
「……ムダだよ人間っ!!」
石堀の右手がオレの胸倉を突き飛ばした。
オレは…宙を飛んだ!
がんんっ!!
6メートルほども宙を飛び、壁に叩き付けられて落ちた。
アバラ骨が折れたか!?
激しい痛みで息が詰まる。
オードリーはオレを庇って、オレの上に覆い被さった。
「人間ふぜいが、オレに傷ひとつつけられんよ。……さて、バーベキューの準備をするか…。」
石堀は手近にあった紙屑を拾い上げると、ポケットから取り出したライターで火をつけた。
782 :
シャドウズ/64「流れる血」:2005/12/15(木) 12:23:16
「バイバイ、人間。」
石堀は燃え上がる紙屑を投げた。
床には後片付け中だったため様々な紙屑が散乱している。
炎はあっというまに燃え上がった!
石堀はオレたちに背を向けると階段に向かおうとした。
その瞬間、オードリーが石堀に掴みかかった。
「な、なんだ!?この女め!?」
炎の中でしばしもみあう二人。
だが、後ろからスキを突いたところで、所詮、彼女の太刀打ちできる相手ではない。
たちまち倒れままのオレの上に放り投げられてしまった。
「だから人間ふぜいに…。」
「そうかしら!?左手の甲を触ってごらんなさい!」
石堀の左手甲から長く赤い筋が走りだし……、つつっと床に滴った。
オードリーが引っ掻いたのだ。
「人間ふぜいにも傷つけられたわ!!何が神よ!あなただって万石と同じ!ただの狂人じゃない!!」
傷から滲み出る血を見たとたん、石堀の顔色が変わった。
783 :
シャドウズ/65「あざ」:
「ぎいいいいいいっさまぁあああああああああああっ!」
激怒の奇声とともに石堀の顔がどす黒く変わった。
燃える炎に照らされ、まさに大戸島の伝説にいう「黒鬼」だ。
「む、虫けらの分際で!人間の、人間の、ににににに…人間の分際で、よくもオレの顔にぃいいいいいいっ!!!」
「オードリー!」
オレは間も無くやってくる激怒と憎悪の奔流からオードリーを守ろうと、彼女を庇おうとした。
だが、彼女もオレを庇おうとして譲らない!
「オードリー、オードリー」「××さん!」
だが!?黒い激怒の発作が、石堀の顔から潮が引くように消え始めた。
見下ろす手の甲から、かぎ裂きのような引っかき傷が消え始めたのだ。
傷跡が完全に消滅するのに30秒とかからず、後には乾いた血がこびりついているだけになってしまった
歓喜のあまりに呆けたように見える顔で石堀がまくし立てた。
「み、見ろ!この治癒力を!か、神だ!超人だぁ!!オレは人類で唯一の不老不死を手に入れたんだぁ!!」
オレとオードリーは恐怖のあまり、狂喜する石堀から目をそらすことができなかった。
驚異的な治癒力が怖いのではない。
治癒のその後にやって来たものから、目をそらすことができなかったのだ。
傷の消えた石堀の手の甲に、黒いアザが浮かび上がった。