グレッグ・イーガン その3

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10ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
SFヲタの「万物理論」に対する評価に、意外にシビアなものが見受けられるのには
驚いている。
世評に従えば、「グレッグは神」「万物理論マンセー!」(無知カルトの標的になるぞ!)
といった無辜なレスが連発されると思っていたのだが…
勿体無いので、「万物理論」を再読中。
死後復活、人体改造した科学ジャーナリスト、
バイオテクノロジーにより創られた国家ステートレス(=島国)、
未来のオカマとも言うべき汎性、そして、モサラ版「フェッセンデンの宇宙」とでも
称すべきメーンテーマである万物理論等々、散りばめられた各アイデアひとつひとつ
は面白い。しかし、エンタメ小説としては駄目だね。
アイデアを生かすための優れたエンタメに必要な要素3S(スリル・スピード・
セックス)を欠くのが痛い。3要素全てが不可欠とまでは言わないが、
ロバートは俗な方向に走り過ぎる時があるけど、アーサーやアイザックはこういう
物語創りが実に巧い。これはより時代を遡ったH・Gやジュールの場合も同様だった。
俺がグレッグの担当だったら、「甘ったれるな!」と生原稿を叩き返していたかもしれぬ。