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ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
長沢工「天文台の電話番」 7点
SFヲタには「西の空にUFOを見たのれすが…」(実は金星(w))とか、
訳がわからない電話を天文台にかけて、職員の人を悩ませる輩が多いようである。
本書は、こういった連中に突き付けて読ませたい科学エッセイの佳作である。
著者は、国立天文台広報普及室に属しながら(非常勤)、温厚なアドバイザーという
タイプではなく、ちょっと頑固なところがある学者爺というのが面白い。
農業高校定時制から東大の天文学科、同大院へ進学し、理学博士号取得、
ただし、就職先は東大の地震研究所という変り種の秀才である。
2001年刊行(従って内容は2000年までの話題)と、少し古い本ではあるが、
既に、ゆとり教育による学力低下、学生の理科離れ、世間のオカルト信仰等の
現時点でも通じるような問題点が指摘されているのは鋭いものを感じる。