今日読んだSF/FT/HRの感想 3冊目

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784ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
アイザック・アシモフ「コンプリート・ロボット」   5点
本邦におけるアジモフ・ロボットもの中・短編の初の集大成であるが、
さすがに今読むと古さを感じさせるものが多い。
例えば、有名な「ロビイ」、スーザン・シリーズ第1作「うそつき」等を
アンソロジーやアジモフ短編集で初めて読んだ時は、
SFとしての斬新なアイデア(あくまで初読時に限ってだが)ばかりでなく、
その近未来人情噺とでもいったものを堪能したものであるが、
今回再読してみると、小説としてのプロットには何ら目新しいものが無く、
貧相そのものなのである。
(前者は、ありがちな「動物と子供の泣かせる交流話」のバリエーションに過ぎず、
後者も、多少ひねりを加えたブサな理系女の失恋話に過ぎない)
アジモフのSF界における貢献度を考慮し、大甘で評価するとしても、5点が限界でしょ。
日本SF作家クラブ員によるオールタイム・オールジャンル・ベストSFに
アジモフ作品が一編もセレクトされなかったことにも、うなずけるものがある。
いまだに、「アジモフ最高!」とか叫びながら、「コンプリート・ロボット」初版を
抱えたまま、市川方面の電車に乗るためアキバの駅の階段に、あたかも改造アンロイドに
なったような気分で無理なダッシュをかけ、
終いにはホームへ転落してしまうようなSFヲタに対して、私は今、声を大にして言いたい。
「目を醒ませ、とうにアジモフ翁の時代は終わったのだ」と…