今日読んだSF/FT/HRの感想 3冊目

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637ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
マイクル・クライトン「ジュラシック・パーク」 7点
この板では不評なマイクル作品だが(SFプロパーの作家ではないせいもあるかも
しれないが)、「SFは売れない(特に翻訳作品)」という、出版界のレジェンドを
突き崩した意義は大きい。
ハーバードの医学博士号まで持つマイクルだが、理科系の他分野にも通じているとは
言い難く、本作の「肝」の部分を成すアイデアである、化石化した琥珀の中に
保存された、恐竜を吸血した昆虫から恐竜のDNAを抽出するというエピは、
素人(とは言うても文科系の知識人ではあるが)が聞いても、トンデモなものだと
推測出来るが、専門家により不可能な旨を断定されているし、
本書に描かれたようなネットワークシステムで、ジュラシック・パーク
のようなテーマ・パークを管理することは不可能である点も、同様にして指摘されている。
だが、SFの本質が科学の衣裳をまとった非常に面白い法螺話にあるとすれば、
現代では、本書に代表されるマイクルのSF作品ほど、この本質を捉えているものは
無いと言うても過言ではない。
ストーリーテリングと描写の巧みさは、デビュー当時の「アンドロメダ病原体」
「ターミナルマン」等の頃とは格段に向上しており、かく言う筆者など、
肉食恐竜に襲われる夢を見て飛び起きたのは一晩や二晩ではない。
マイクル作品でしばしば指摘されるように、シナリオのト書きを読まされている
ような描写を簡略化した味気無い部分も見受けられるものの、
恐怖の恐竜王国脱出マンセーで型どおりにエンディングとなる映画と比較して、
物語発端に登場するギティエレス博士の再登場による
「もともとヒトは、どこかへいけるわけではないのですよ、グラント博士」という極めて示唆に富んだ言葉で締め括られるラストは文学的でさえあり、読者に深い余韻を残すもの
がある。
スティーブンの映画化作品を見て、
「見たこともない大怪獣キター!キター!…」と絶叫している古生物学に無知な
SFヲタに突き付けて読ませたい作ではある。
638名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/14(土) 23:59:11
>>630
なんかすげえ本だな
俺も読んでみようかな
639627:2005/05/15(日) 04:34:32
627以降書き込みをしてないことを誓います。
640名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/15(日) 04:53:05
>>637
映画としては大怪獣キター!って思わせるのが大切なのではと思ったりしてみる。
641名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/15(日) 07:54:35
>>640
( ゚д゚)
642名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/15(日) 09:56:24
>>641
ハルクの自演だ、相手にするなw
643名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/15(日) 14:28:18
狂人ハルクかw
644名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/15(日) 17:49:58
w
645名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/15(日) 20:27:47
「ヴィーナス・プラスX」シオドア・スタージョン 6点
「闇の左手」はあまりにもツマラナくて投げ出しかけつつやっと読んだけど、こっちは短編の長いやつって感じで半日で読めたというか面白かった。
今日じゃなくて昨日読んだ「トリポッドC凱歌」ジョン・クリストファー 7点
 コドモ向けだと思ってナメて読んでたら今年出た本で「ホミニッド」の次くらいに面白かった。と書いたら多分ばかにされそうだけど。
一昨日読んだ「ナーダ王女の憂鬱」ピアズ・アンソニイ 4点
 このおじいさん、ファンのためでも無ければただ惰性でさえ無く他にすること無いので書いてる感じ。550ページ中500ページが“これまでのあらすじ”じゃん。
三日前に読んだ「天空の秘宝」ウィリアム・C.ディーツ 5点
 解説・推薦文とか書評に「全然古くない」って書いてあったらソレは絶対古い!のんびりしてんのにほのぼのでも無いハンパなツマラナさ。1968年刊のトリポッドより1986年刊のこっちが古臭いし。
四日前に読み終わった「オルタード・カーボン」リチャード・モーガン 7点
 すいません、ハードボイルドってほとんど読んでないんで免疫無いせいか面白く読んじゃいました。「スノウ・クラッシュ」みたいにコワモテじゃないし。
646名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 00:45:24
>>645 激読乙
647名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 05:33:03
>>641-644
氏ね