今日読んだSF/FT/HRの感想 3冊目

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大原まり子「ハイブリッド・チャイルド」
なんというか・・中身がたっぷりつまってぱんぱんにふくらんで、今にも張り裂けそうな
極太大原まり子というチューブを絞ると、ブチュっと飛び出てきた感じの小説。
「ハイブリッド・チャイルドは自分自身だ」と言う後書きに苦笑しながら、
このまり子チューブからひり出された物をいかに処理しようかととまどう。

子殺し母殺し、支配と被支配、過去と現在が、逆転転倒、再帰回帰し
ごちゃごちゃグジャグジャする内容を書くパワー。
これだけぐちゃぐちゃが詰まったまり子タンは凄いな。
ハインライン「スターファイター」
昔なつかしって感じの王道のジュブナイル宇宙SF。
主人公の親父のキャラクターがよかった。

7点
59でへ:05/01/03 14:58:27
アジアの岸辺 トマス・M・ディッシュ 国書刊行会

「ちびのトースター」を除くと、久しぶりのディッシュ、
短遍集。

「アジアの岸辺」「リスの檻」「本を読んだ男」
「第1回パフォーマンス・・・」等、自分の経験や、自分が
作家であることを題材にした自虐的な要素の強い私小説が
印象に残った。

「犯ルの惑星」は反フェミニズム小説だろうか?
こう書いたら「読みが浅い」とお叱りを受けそうだが。



お気に入りのディッシュだから、7点

ディッシュは「歌の翼に」と、「キャンプ・コンセントレーション」
がお気に入りです。
どちらもSFという分野からは、少し外れているけど。
今更ハイペリオン読んだんだが、期待以上に面白い。
没落も明日買ってこよう

九点
トマス・M・ディッシュ「334」
凄過ぎ。特に終盤の、謎だらけだったハンソン家の家族の肖像が
急速に明瞭に焦点を結びながらラストの悲劇へと雪崩のように
突っ走って行く様は鬼気迫るものがある。
連作短編5作とそのミッシングリンクをコラージュ方式で
つないで行く終盤部分という凝ったスタイルが完璧に効果を上げている。
ジャンルSFといえるかは微妙だがもはやそんなジャンル分けなど
どうでもよく思えるぐらい、凄い凄い凄い凄い。
単独短編としてみても、例えば第4話「解放」などは
性差を扱った短編SFとして、オールタイムベスト級の名作だろう。
SFに限らずこれまで読んだあらゆるジャンルの本を含めても
10指には入る。とにかく、ディテールまで完璧だ。
ディッシュ凄すぎる。
100点

ディッシュ「キャンプ・コンセントレーション」
とにかく、発狂したバタイユのような強烈な手記の文体に
圧倒されるが、実は結構しっかりした伏線の張られた
物語だったということが最後に分る。
後半の細菌漏洩のくだりで震え上がり、最後の
どんでん返しにびっくり仰天。
もう一度読み返して、巧妙なミスリーディングに関心。
地下監獄という設定が脳髄=地獄の暗喩として
絶妙にハマっているし、知性の鋭敏化が梅毒菌で
もたらされるという皮肉もたまらないし、
その行き着く先が結局、絶対の孤独、死でしかない
というペシミスティックな結論も最高。
何度も読み返したい。
10点
しまった、関心→感心だった。

あ た ま わ る そ う ……
64でへ:05/01/08 23:21:52
>61 おそらく同一人物の62さんよ

「334」を読んだ直後のオレもほぼ同じ感想だったよ、
ディッシュすごい、ディッシュは神だった
大学1年か2年の時かな

でもね、年をとってくると、この人の作風には、何か共感できない
感じがしてきた、この人は「知」が凄すぎて、それに流されてる感じがする
そのため、「情」が弱いと言うか、「知」が走りすぎて行き着くところまで
行っちゃって、救いようがない話が多いような気がする。

「334」第1話の女にも振られ、大学にも進学できずにARMYに行って
インドシナ戦争に行ったヤツの話とか、「歌の翼に」の、食糧危機になって、
プロテインが手に入らなくて、自分の体が維持できず、自殺してしまう
ボディビルダーの話とか、、

救いようが無いけどイイ話なんだよ、今でも覚えてるくらいなんだから、、、、

ディッシュは筆力がある、描写力も、話の構成も文句がつけようが無い、
スゴイと思うけどね、、

少ないけど、邦訳されている作品を探して読んでやってください。
手に入らない作品も多いと思うけど。

釣られたかな?
でへさん
レスありがとう。
「歌の翼に」「人類皆殺し」「プリズナー」「MD」
「ビジネスマン」と、未読なんで、これから読みます。
「歌の翼」は探さないとな。
未訳の「鎖につながれた人類」とかも、題名がそそるんだけど
どこか訳さないかなあ。(まあ無理だろうな)


ある本のついでに、以前から読んでみたかった本を一気に購入。
ボーアメイカーが手に入らなかったのはちょっと残念。
で、「カエアンの聖衣」読んでみました。


( Д )    ゚ ゚
>>66

で、感想は?

ピアシー「時を飛翔する女」漏れはだめでした。1点
68でへ:05/01/09 17:32:26
ベクフットの虜 野尻抱介 ハヤカワJA

クレギオンシリーズの現状での最終巻

いきなりアクションシーン(リニアカタパルトからの打ち上げに
失敗した荷物の回収)があるし、
最後はひねってあるし
(ファーストコンタクトか、と思いきや、実は、、、)

面白かった、クレギオンシリーズの中では一番でした。

7点
造物主の掟がまぁまぁおもしろかったんで選択を。
タロイドがほとんどでてこなくてがっかりした。 4点
70 ◆GacHaPR1Us :05/01/09 18:25:55
クラバート
オトフリート=プロイスラー, ヘルベルト=ホルツィング, 中村 浩三
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4037261103

某スレでハウルが鳥になるシーンでこれを思い出した、というレスを読んで気になった、
ので読んだ。
どうも独逸の名前っていうのは、無駄にカッコいいとは思ってたんだけど、
これだけ無駄に長い名前だと、逆に覚えやすいよね。まあそんなことはどーでもいいんだけど。

クラバートが職人に成るくだり、友を二人も亡くすくだり、そして、”まぬけ”と呼ばれていた彼との友情のくだり。
とても言い話だと思うんだけど、その中でも最後の落ちがいいと思う、彼女の機転に乾杯。

10点
ヴォネガット「猫のゆりかご」

この年になって初ヴォネガット。軽く黒い笑いの中に
悲しみとぬくもりと含蓄を込めた、独特の味。
ふーんなるほどね、という程度の感想しかないが、
10代の頃に読んでいたら熱狂していたかも知れない。

7点
同時購入した「エンダーのゲーム」
カエアンの聖衣と打って変わって正統派のSF。基本的には熱い!
逆境下においても無敵の孤高の天才少年の物語。大人たちの陰謀によって
対バガー戦闘用司令官として育てられていく少年。そこであるのは同じように
集められた天才児達のイジメや友情。そしてかつての大戦時の英雄の教え、
親友との再会。表面上はすごい少年漫画的な展開ですごく読みやすかったです。
しかしその終盤、シミュレーションは実は実戦で、バガーを種族ごと絶滅させてしまった
主人公はその罪を幼いその背に背負うこととなる…
しかし希望に満ちたラストで終わっているのがよかったです
>>67
まさに眩暈がするようなぶっ飛んだアイディア、一癖ある登場人物たち、
ユーモアのセンスがなんとなくイギリス人らしいかなと思いました

あとは宇宙消失か…しかし見事にバラバラだな(;´Д`)
ネタバレ(・A・)イクナイ!
エンダーは代弁者がつまんなかったから続きよんでなかったなそういえば
エンダーまでは虐殺に対する罪の意識、他者に対する配慮を持っていたのに、
それ以降がなぁ。
近年エンダーのような罪の意識、視野の広さを持たないビーンを主人公に
持ってくるあたりに作者のメンタリティの変化があるのかな。
75 ◆GacHaPR1Us :05/01/11 01:18:17
ていうか続編書き杉
代弁者までは良かったんだけどねえ。
>>73
すまん
そういわれてみればあらすじ語ってるみたいだな(;´Д`)
おれは代弁者がベスト。一番バランスがいい。
エンダーは筋立てが単純過ぎてあまり好かん。
ゼノサイドはいくら何でも物語性後退し過ぎて上巻半分で投げ出し 以後放置
79名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/11 15:13:30
俺もゼノサイドで止まったなあ。ビーンはヘゲモンで止まった。
俺も代弁者がベスト。
シャドウシリーズはピーターに期待していただけに…
俺は大便者がベスト。
「夏への扉」読みました。
ハッピーエンドで非常に気持ち良いラストでした。
猫はかわいいし、リッキーはやさしいし、
悪人は憎たらしいし、主人公は良いやつだし。
とにかく登場人物たちが非常に魅力的でした。
特に脇役が。

>>82 10点。
84名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/13 00:08:37
夏への扉はポップコーン自販機とグラビーだけで4点あげちゃう
85読後感:05/01/16 00:10:18
今「瞳の中の大河」読んでるが、クソおもろいな。
おいおいカーミラ、息子拷問されてんだぞw
86読後感:05/01/16 02:14:36
読了。いやぁ良かった。
いろんなツボを刺激してくれる小説でした。
ラストも「関ヶ原」みたいで○。
山田風太郎「神曲崩壊」

グロ、スカトロですな。
ストーリー的にはあまり面白くないが、
変態嗜好の人はいけるかも。
風太郎の衒学志向がよく出ている。

風太郎ファンなので甘く見て、6点
クレメント「重力の使命」まあまあ 7点
アシモフ「永遠の終り」面白い 9点
>88
点数だけでなくて感想書いてくれよ。ここ感想スレだよ。
アジアの岸辺読み中。
降りるとリスの檻はやっぱすごいねー
これだけでも読む価値はある。
>>89
そんな能力は(r
バラード「ハイーライズ」
ただの巨大ビルものかと思いきや、こんな展開になるとは。
超高層マンションの内部が設計した建築士のもくろみ通り
巨大な人間動物園と化するという話。
終盤の、犬と見分けがつかない獣に成り下がった住民の
描写は怖すぎ。9点。
バラード「クラッシュ」
キモ過ぎる。ついていけない。
でも8点
「宿命の囁き」マーセデス・ラッキー

フェミニーナというかなんてアメリカン!な感じ。
久しぶりにファンタジーのTRPGがやりたくなった。

9点
95名無し:05/01/18 14:43:31
「水を行く人」松吹明

SFなのか?で
7点
ベスター「イブのいないアダム」
41年にこれかぁ・・・なかなか書けないよな
7点
ジョン・クロウリー「エンジン・サマー」
イイッ。イイとしかいいようがないわ。
宝石のように美しい言葉で語られる、驚くべき未来史。
かなりしっかりした本格SFなんだが、注意深く読んでいないと
本質を見失ってしまいそうな、魔法的で幻惑的な文体が最高。
電話とか家とかパラシュートのような普通にあるものから、
超SF的ガジェットまでが、原始化した語り手の視点から
何ら区別なく魔法のようなものとして描写されているため、
果たして何の話をしているのかすら、油断していると
分からなくなってしまいそうなのだが、これを推理するのが
また楽しい。
恋愛あり、旅あり、成長物語あり、認識の変革あり、
そして、驚愕のラスト……語り手は実は……もう完璧っす。
10点
98名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/18 21:00:39
>>97
売ってねーじゃん。中古で5000円?誰が買うか。
なんと絶版なのね……
福武じゃしょうがねえか……

¥5,000
良い 出品者: 古本のリフレ(茗荷谷店) (計 719 件の評価による)
コメント: - 倉庫から発送の為1~3営業ナ発送致します。予めご了承下さい

このボッタクリめーー
図書館で読めばいい
5000円だしても元取れるほどのものなんかな
5000円はさすがに高いな
250ページ程度の薄さだし。
それに、万人受けするほど分かりやすい小説でもないと思うので。
あの美文が逆にウザイという人もいそうだし……
たぶん古本屋に普通に定価ぐらいであると思うので、
見つけたら買うぐらいのスタンスがいいのでは。
原書だと、The Deep とThe Beastもついて、
1000円ちょっとで買えるようですが……
amazon.comでbuy newできるようになってほしい
>102-103
ありがd 気長に待ってみますわ
水を差すようだけど、エンジンサマーは文庫なのね。
読むことが出来るのは良いことだけど、ちょっと感触が違う感じもする。
気にならない人は、気にならないのだろうけど…。
そんなこと言ってたら来たるべきデータ配信時代に対応できないぞ。
私は基本的には、安価で持ち運び容易な文庫のほうがいいです。
最近の文庫は必ずしも安価とはいえないわけだが……
それと確かに、扶桑社の文庫は装丁にも若干の不安はある
クロウリー作品の気品にマッチするかどうか……
装丁なんて気にしてたらSF読めないじゃん。
ハヤカワにしろ創元にしろ酷いのばっかりだよ・・・。
翻訳されるだけマシ、復刊されるだけマシ。だからね。
そのとおり。
この現状だれかSF出版社たちあげてなんとかしてくれ。
113名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/19 18:20:55
>>112
> この現状だれかSF出版社たちあげてなんとかしてくれ。

その前に、SF読者を立ち上げないと。
ワロタ
古川日出男「13」角川文庫
SFに近い、ノンジャンル古川氏の小説。なんかいろいろ詰め込んであるけど、
読みどころは雑誌「ロッキング・オン」について書いてあるところ。

「基本的にメディア・シャイなCDだが、この記者と『ロッキング・オン』誌の姿勢は評価し、
気を許していた。欧米のロックジャーナリズムにはない、音楽をアート(芸能ではない、
人生を表現しうるアート)の一形態として捉えているアティチュードが気に入っていた。」(p489)

スマン、なんか爆笑してしまった。ロキノンてこんな雑誌だったっけ?
でも意外とこの一文は重要な気もする。
作者自身の芸術についての価値判断が強烈に詰め込まれている文章だから。
こんなこと言ってるから第2部がしょぼr
ロッキンオンも今はかなりミーハーになっちゃったな。
渋谷さんもう隠居しちゃったせいかな。
何かJロックの雑誌とか出してるし……
スレ違い下げ
オールディス「子供の消えた惑星」
物語性を徹底して否定し、ひたすらアンチエンターテインメントな
話だった。
終盤の対決と新人類のオチ以外、ほとんどストーリーが存在しない。
老人がひたすら旅をして、滅び行く世界の状況を眺めながら
昔を思い出す場面がえんえんと……。
バラードの「世界物」のオールディス版、ってな感じか。
渋いとは思うけど、お世辞にも面白くはない。
6点
そのバラードの「結晶世界」とオールディスのこの話とをカプリングして
うってた「世界SF全集」は凄いな。
パングボーン「デイヴィー」
優れた文学作品だとは思うがあまり好みじゃなかった。
真面目に人間を描こうとしている分、人間に興味のない漏れには辛かった。
純文学としては9点ぐらい行くだろうが、
エンタテインメントSFとしては4点
ヴァーリイ「へびつかい座ホットライン」
面白いじゃん。クローンがいっぱい出てきて、
頭がこんぐらかったが、ラストがいい。
この旅の続きが読みたいんですけど。
八世界なんか滅んじゃって構わんから。
近作の評判が散々なヴァーリイだが、
もう一花咲かせてはくれないものか……
9点
121名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/30 01:44:54
クリストファー・プリースト「逆転世界」創元SF

90年代に出たSFにしちゃ珍しくカコイイ表紙なので買ってしまった。
すげえ。みずから軌道を敷設しつつ進む都市。
しかもそれをやらなくちゃだめな理由ってのがもう……
世界も人も愛情も歪む歪む。これぞSFよ。8点

訳者の安田均、今ではガキ相手の駄作量産ギルドで日本ファンタジーの低質化に邁進してるけれど、
当時はこんな面白いものに目をつけて紹介していたんだね。
補足
書かれたのは1974年。
訳されたのは1983年、サンリオSF。
再刊行が1996年、創元SFね。
横光利一「上海」講談社文芸文庫

 く だ ら ん

おまえ芥川龍之介に「上海を見てこい」と言われて書いたのがこれか。
こいつの書く上海は東洋の魔都どころか大正時代の江東区あたりの雰囲気。
よくもまあ、あれだけの描写を重ねて迫真性のカケラもない話作れるもんだ。
逆にびっくり。
3点
124名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/30 02:24:03
>>121
> クリストファー・プリースト「逆転世界」創元SF

あの可動要塞の名前が「地球市」だっていうのが、
皮肉にも非常に興味深いと思う。

昨今の、地元を蹂躙してはばからない「地球市民」たちを見るにつけ、ね。
125名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/30 02:38:28
ウィルスン・タッカー「静かな太陽の年」
後半が凄くいいだけに、前半のもたつきが痛い。
おばあちゃんになったカトリーナにコクるシーンは、涙ものなんだが……
主人公に関する一種の叙*トリックにもうなった。
7点
>>123 笑った
127名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/30 02:52:00
>>125
ある意味、タイムリーな小説だよね。怖いよね。
128名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/30 04:14:10
>>121
でもあれ、たしか「全部住民の妄想でした」っていうものすごいオチだったんじゃなかったっけ?
……と見せかけて、結局どっちだか分からんオチ。
つうか、オチここに書くなよ!
130名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/30 14:22:49
「銀河の覇者 銀河戦記エヴァージェンス3」
ショーン・ウィリアムス&シェイン・ディックス

3部作の完結編。読後感は壮大なアニメ・ライトノベルという感じ。
設定量や表現力は優っているけどキャラ設定やストーリーのテーマとかが
昨今のいわゆるセカイ系(この言葉の正確な定義は知らん。俺イメージで使用)。

他のSFでもよく見かけるオーバーロードのような存在が話しに出てくるが
エヴァージェンスに出てくる高等人類って妙に厨房臭い。
例えるなら、TRPGでGMが出してくる饒舌でピエロ役の、PCにとってはウザイだけで
手助けしてくれないGMオナニー用強力NPCというイメージ。

でもこういうの好きだから8点
ロバート・シルヴァーバーグ「大地への下降」
シルヴァーバーグのいいところは、シリアスなテーマを
扱っても、ちゃんとエンターテインメントとして
手を抜かないところ。その分物足りないという人もいようが。
熱帯風の惑星の奇妙な生態系の描写が圧巻で、
それだけでも十分楽しめるが、メインの謎解きと
最後に主人公が体験する強烈なヴィジョンも見事。
「夜の翼」の次ぐらいに好きかも。
9点
これから逆転世界読もうと思ってたのに…
かなり読む気なくした
>>132
心配するな。
プリースト作品はオチを楽しむものじゃない。
都市が人力敷設のレールの上を行く絵だけでおk
うお、そんな設定なんだ。
都市・建築モノ大好きにとっては垂涎ですな
あ、しかもイラスト付き。
購入決定
永遠の終わりにそっくりだった>逆転世界
ジョン・バーンズ「軌道通信」

いや、よかった。解説にあるが、まさしく「13歳の物語」だ。
SFというジャンルでくくられてしまうのにはもったいないと思う。

しかし・・・ブックオフで105円で購入してしまった事については、
作者と翻訳者にお詫びをしたい。知らなかったんだよ、悪気はなかったんだ・・・。
>>137
釣り?
140でへ:05/01/31 23:43:21
スターメイカー オラフ・ステープルドン 国書刊行会

何回も輪廻した、様々な宇宙の、その始まりから終わりまでに
出現した様々な知的生命体、そして、その宇宙と生命体を作り上げた
「スターメイカー」なる存在について、当時の知識で予想可能な
範囲で描いた作品でした。

物語の時間軸のとてつもない長さ、出てくる生命体と宇宙の
バリエーションの豊富さなど、ここまで描ききってしまえることが
すごいです。

宇宙の仕組み、どうしてそうなっているのかを考えたとき、
人はどうしても、宇宙は絶対者(スターメイカー=神)の手に
よって作られた。と、思ってしまうのでしょうか

この点については、はっきりとはいえませんが違和感を感じました。
ここまでくる(すべての森羅万象について書き尽くす?)と、何かの
宗教の聖典みたいです。

上記のような違和感はありますが、10点

これも読む人を選びます。
舌足らずな感想どうもアリガト。
はっはっは。
最後に一言いらん事書き込むからw
しかしSF読みじゃない人が読むか、読んで楽しいかといえば
そういう意味では選ぶよな。なんでもそうだが
じゃ書くなと
「SFファンだったら誰でも楽しめるSF」ってあるかな?
ちょっと候補が思いつかないんだけど・・・

・・・あ、「銀河鉄道の夜」?
大抵の作品は楽しめるがそれ系の煽りのついたハイペリオンやベイリーは乗り切れない。
そんな俺の選ぶ候補は「バベルー17」
無難に星新一
ニーパー「降伏の儀式」はどうだ

ラノベの人、特撮からの人、古くから読んでる人、ハードでもいいよな人、スペオペの人、笑いた
い人なんでもござれな感じだが
ニーパーって略し方は普通に使われるの?
ニーパー > 初聞き
>>144
ない。
シリアス系好きな人と娯楽系好きな人で完全に分かれるだろう。
SFっても題材ごとに全然趣向違うもんね。
俺は人工知能ネタとかサイバーパンクは現実味が感じられなくてぜんぜん面白くなかった。
でも、現実味のない都市モノとかは大好きだった。
ほんの一押しで定義論争にはまり込みそうな緊張感がいい
ヴァーリイはどうだろう?
あ、ヴァーリイはいいかもね。
でもね、エンタメ派からも真面目派からも
中途半端だって言われそうな気もするし、難しい。
じゃあラッカー
山野浩一と野田昌宏が同時に推薦する作品が最強。
そんなんあるかよ……
>>156
サンリオSF文庫にもそれなりに純娯楽作品はあったから
山野浩一と野田昌宏が共通に楽しめる作品はありうるんじゃないかな。
ただし、「ステンレス・スチール・ラット」がそれかどうかは・・・
じゃあ、小松左京でどうだ!





・・・・・・「さよならジュピター」じゃないぞ。
>>155
ああ、ラッカーはいい線かもね。
でも、ひょっとすると季節商品かもしれない。
意外に賞味期限短いとか。とにかく黒丸尚訳が大きいね。
思い切り基本に帰って、
やっぱ ア  シ  モ  フ
じゃないの。
原点だし
アシモフよりはクラークが好きだな。ハインラインは嫌い。
確かにアシモフは万人受けしそうだ。
理系よりだとクラーク、文系よりだとハインラインで
ちょうど真ん中って感じか。
「知的」「エンタテインメント」って両方満たしてるし
上品なクラークと下品なハインライン、の間違いだろ。
164名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/02 01:25:04
クリストファー・プリースト「魔法」

いろいろ語りたくなるけど、何を書いてもネタバレになりそう。

ベタな恋愛小説っぽい。本当に面白くなるの?

おお、ファンタジーになってきた。でもさっきと話が全然違う?

どんどん不合理に。いったいどれが本当なんだ

    _, ._
  ( ゚ Д゚)   ガシャ
  ( つ O. __
  と_)_) (__()、;.o:。
          ゚*・:.。     そこへ落とすのかよ!
最後には信用できるものが何もなくなってしまうという、得がたい読書体験ですた。
「奇術師」も読まねば。
深沢七郎『風流無譚』を久々に読みたいな。
命がけのSFだね。いつ読んでも10点。
筒井康隆が『堕地獄仏法』であれをネタに加えているのもすごいけど。
>>164
つまらなそうなおもしろそうな感想だな。
167名無し物書き@推敲中?::05/02/03 14:52:20
r
ドクターブラッドマネー7点
破滅物。
登場人物が無駄に多くて小説としてはド下手だが
ディックならショウがねえか。
つうかディックの割にはマシな方だ。
腹の中の弟最高。
シェクリイ「明日を越える旅」

全く期待せずに読み始めたが、抜群に面白くて
ゲラゲラ笑いながら(ちょっと誇張)一気に読み終えた。
「異星の客」+「浴槽で発見された手記」+「猫のゆりかご」
といった感じ?
人間の本質に対する辛辣な視線は、ヴォネガットに匹敵、
というか越えている。しかももっと分かりやすい。
こういう風刺系の作家って、今のSF界ではほとんどいませんね。
多分、ミステリか純文学作家の看板を掲げないと食えないのでは。
こういう人を冷遇するからSFは売れなくなったんだなと、
妙に納得した。
10点
椎名誠 武装島田倉庫

水域もアドバードもよかったけど、これが一番かな。
あの独特の語感や妙に土着っぽい世界は、海外SFでは出せないよなぁ。
言葉にはしづらいけど、凄く良い本だった。
科学科学したSFも良いけど、いわゆるセンスオブワンダーだけを抽出したようなこういった作品はもっと良い。

9点
ポール・アンダースン『タウ・ゼロ』
噂通りの面白さ。行くところまで行っちゃいましたねw
宇宙船内部の人間関係の書き込みがウザイ上にイマイチなのが
玉にきずだが。もっとも『レッド・マーズ』ほどじゃないけど。
9点
>>171
ムム…。
SFが読みたい2005年版読了。
面白かった。
174名無し物書き@推敲中?::05/02/10 14:09:18
9009
古川日出男「gift」

ショートショート19篇。
この人なら中篇ぐらいにはできそうなアイデアを
10ページ程度で放り出すように終わらせてしまうので
「限りある資源を大切にしろよヽ(`Д´)ノ」と思うことしきり。 ・・・ひょっとして限りないのか?
朗読してみると非常に気持ちいい。

割高なので人には勧めにくいけど、個人的には持っててうれしい1冊。
あほみたいな感想だな。
いいじゃん、感想スレなんだもの。
「おもしろかったです」でも立派な感想さ。
うん。俺はその本知らなかったから、面白そうだなぁと思ったし。
フリッツ・ライバー「霧の中の二剣士」
1,2,3巻と読んだが巻を重ねるごとに面白さパワーアップ
180名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/12 21:55:38
ああファファード&マウザーの新刊出たのか
買いに行かなきゃ
181180:05/02/13 22:15:59
まだ入ってなかった…
182名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/13 22:31:49
ダーティーペア3巻よんだ。
激しくつまらん。
Norman Spinrad "Bug Jack Barron"
めちゃめちゃ面白かった。
過激な作品という評判に、結構身構えて読み始めたのだが、
全然そんなことはなくて、娯楽性の高いヒーロー小説でした。
不死テーマの本格SFでもあり、ハードボイルド/謀略系の
ミステリともいえる。
「不死と引き換えに、どこまで自分を売れるか?
人はどこまで聖人君子でいられるのか?」という、
究極の選択を迫りつつも、重苦しくはならず、
息をもつかせぬストーリーでぐいぐい読ませる
(特に後半の)筆力は凄いと思いました。
訳されたら「SFが読みたい」よりもこのミスで
上位に入りそうな気がする。
この作家気に入ったので「鉄の夢」や「はざまの世界」の
邦訳も手に入れて読もうっと。
勿論10点
鉄の夢、15年ほど本棚の肥やしになってるな
俺も読んでみるかな
クリストファー・プリースト「魔法」
なんというか小説の描き方講座みたいな小説という印象。
書き手としての「わたし」が自分の頭の中から物語を生み出すプロセスが
そのまま小説になっている。
使い方が合ってるかわかんないけど、ヘーゲル用語を援用すれば、
即自的な「わたし」から、対自的な「グレイ」と「スーザン」が現象し、
それを即自かつ対自的に統合するって感じ。
主題はなんだろう?恋愛自体を描くことを目的としているわけではないと思うけど、
じゃあ他に何かテーマがあるのかといわれてもよく分からん。
良くできてるし、セクースシーンいっぱいで楽しく読めるんだけど、
技巧を労して注意力を要求する割には、読んでみていまいち得るものがないもどかしさが残る。