おまいら短編SF書いてください part2

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1名無しは無慈悲な夜の女王
みなさんの投稿お待ちしています。
( ゚ Д ゚ )  『 壹 よ 、 逝 き て 宜 し ! ! (昭和八年五月八日 東亰朝日) 』
         いち よ  ゆ き て よろ し

下手人たる壹、「貳ちやんぬる(東亰市王子區赫鋳ャ)」なるインタネツト掲示板
(球網會合場)に古今未曾有の糞スレツド(議題)建てり。
壹は定職にも就かず毎日(まいにち)/\上掲示板に下卑なる書込をつゞけ、
周圍の人間の嘲笑(てうせう)を買ふも飽き足らず、
終に自(みづ)からスレツドを建てり。しかし壹の智恵は足るものに在らず、
結局(けつきよく) 嘲笑の書き込みすらされず「ダツト逝き」(書庫移設)さるるが、
その直前に情けなくも自からの手により自からを勵ませり。
またこの時態々(わざわざ)人の目にさらさるるやうに「挙げ」と呼ばるる邪法を用う。

壹には聖上への不敬及び治安維持法違反の容疑(ようぎ)も掛けられ皇宮警察、
警視廳特高課からの追及もさるる見込み。
壹の御母堂は落涙しつつ「息子のうつけたる不始末を悲しく思へども
潔く死すべき也」と申せり。

社説:
今囘(こんかい)の壱のやうな下司(げす)下郎(げらう)を人は
「黄金厨」「ドリチン」と云ひて馬鹿にす。
このやうなことに陷ればもはや生きていく價値もなし。
もはや不逞滿人・鮮人・土人との比較にもならず。

記者:山田拾平衞

〇王子區赫鋳ャ(おうじくあかばねちょう):現:北区赤羽
〇聖上:天皇陛下 (玉體ぎよくたゐ、とも云ふ)
〇土人:國際聯盟委任統治領(南洋廳/南洋庁所管)>南洋諸島

お褒めのコピペありがdw
今、万感の想いを込めてスレが泣く
今、万感の想いを込めてスレが逝く

ひとつの旅が終わり
また新しい旅立ちがはじまる・・・

さらばワナビー
さらば脳内小説家

さらば 厨房の日々よ・・・
あふぉでごめんねw
 ところでさ、>>1。東京に行ったことはあるか?摩天楼の並ぶ都心を歩くと、さすが日本の首都だと
思うぜ。東京の都心をぐるっと取り囲む、山手線っっていう鉄道があってな。池袋とか新宿とか渋谷
とか、都心の繁華街を結んでいるんだけど、これがいつ乗っても込んでいるんだ。よくみんなあんな
ラッシュに耐えてるよな。感心するぜ、マジで。そして、山手線の内側には、都心全域に網の目のよ
うに張り巡らされている地下鉄があるんだ。全部で12路線もあってな。便利だけど乗換えとかがけこ
うややこしいんだな。ところで、その地下鉄の中に、都営三田線っていうのがあるんだ。正式名称を
東京6号線っていってな、一昨年の秋、三田から目黒まで延長されて、東急目黒線と相互直通運転する
ようになったんだ。直通電車に乗れば神奈川県の武蔵小杉までいける。将来的にはもっと先まで乗り
入れるらしいぜ。便利になるよな。
 さて、例えば東京駅からこの都営三田線に乗るとしよう。営団丸ノ内線で池袋方面に一駅の大手町で
乗り換えるのがわかりやすいけど、大手町なんて大して遠くもないから一駅くらい歩いてもいいだろう。
運賃ももったいないしな。目黒方面に行きたいとき、運良く武蔵小杉行きが来ればいいんだけど、半分
は途中の白金高輪で折り返しちまって、それより先に行きたかったら隣のホームの営団南北線の電車に
乗り換えないといけない。ちょっと面倒くさいな。だからここでは逆方向の電車に乗ることにしよう。
 大手町の次は神保町だ。書店街で有名だな。都営新宿線と営団半蔵門線に乗り換えられる。その次は
水道橋。中央線に乗り換えられる。次の春日はつい最近までなんでもないただの駅だったけど、一昨年
の12月に都営大江戸線が開通したおかげで、後楽園の丸ノ内線と南北線に乗り換えられるようになった。
もちろん大江戸線にも乗り換えられる。春日の次は白山、千石と続いて、巣鴨に着く。ここからは山手
線の外側だ。巣鴨の次、西巣鴨は都電荒川線の新庚申塚、その次の新板橋は埼京線の板橋や東武東上線
の下板橋にそれほど遠くない。結構便利だぜ。まあ、JRも私鉄も、都心から延びる鉄道はほとんどみん
な放射線状になっているから、板橋区役所前、板橋本町、本蓮沼と進んでいくうちに他の鉄道からは離
れていくけどな。志村坂上を過ぎるとすぐに地上に出て、志村三丁目からは終点まで高架橋だ。はっき
りいって、これじゃあもう地下鉄じゃないよな。蓮根の次の西台の横には三田線の車庫があって、ここ
から出てきた電車は次の高島平から発車する。終点の西高島平まではあと二駅だけど、その一つ手前の
新高島平で降りておこう。
 新高島平の改札口を出てすぐ左に昇り階段がある。これを昇ると歩道橋に上がれる。間違えて駅の外
に出ちまっても、左の「高島平3・4丁目方向」に出てすぐ左にあるから、そっちから行けばいい。歩道
橋を渡って、左側に下りる。下りてから駅や道路から離れる向きに進むと、すぐ高い建物に突き当たる
と思う。そうしたら左へ進む。そのまましばらく行くと右側の建物が途切れて、次の建物が見えてくる。
たぶん壁には3-11-1っていう表示があるはずだ。その建物の、こっちから3分の1くらいのところにエレ
ベーターホールがある。エレベーターは3台あるけど、行ける階が違うから、右の9号機じゃなくて左の
7号機か真中の8号機に乗ろう。そのエレベーターでは8階から14階に行けるはずだ。とりあえず14階まで
上がろう。ちょっと遅いエレベーターだけどまあ我慢してくれ。
 そして14階から廊下に出るんだけど、もし三田線の車窓からこの高島平団地をよく観察していたなら、
あることに気がつくはずだ。そう、この建物だけ、廊下の 外側に鉄格子がついていないんだ。だから下界
の風景が何にも邪魔されないで、よく見える。結構な眺めだからよく目に焼き付けておくといい。そう、
顔を出して、 体を十分に乗り出して。そしてそのまま飛び降りて氏ね。
ありがd参考になったよw
OK。1よ、いいこと教えてやるから少し大人しくしてくれ。
旨いペペロンチーノの作り方だ。
材料が揃っているか確認する。量は適当で構わない。
なにはともあれ、大き目の鍋にお湯を沸かす。
お湯には塩をひとつかみ、これでもかというくらい入れておく。
お湯はぐらぐらと沸かすこと。なるべく大量のお湯を沸かし、
塩の量は遠慮しないことがパスタをうまく茹でるコツである。
冷えたフライパンにオリーブオイル、にんにく・鷹の爪を入れ弱火で炒める。
焦らずオリーブオイルに、香りをじっくりと移す。
オリーブオイルが熱くなってきて、にんにくがじわじわと泡を出し始めたら
パスタを茹で始める。
パスタは後からフライパンで炒めることを考えて、アルデンテ一歩手前ぐらいになるように茹でるのがよい。
にんにくがキツネ色になったらフライパンにパスタを投入する。にんにくは焦がしすぎると
苦い味がでてしまうのでタイミングが大事である。
パスタをフライパンに投入したらパスタの茹で汁を大さじ5杯とパセリのみじん切りをいれてかき混ぜる。
味がものたりないときは、ブラックペッパーや塩を足す。
冷めないうちに急いで皿に盛り付ける。いただきますを言おうとすると、
急に何もかも嫌になり、皿を窓の外へ放り投げる。落下途中に皿からパスタがはみ出ると美しくない。
皿が割れる音が響いたら、ガスレンジから茹で汁が入った鍋を窓際まで運ぶ。
階下を歩く人人が驚いて見上げる視線を充分に受けとめてから、鍋を投げ捨てる。
この時、目を見開いて奇声を上げると効果的である。
フライパンは柄を持ってスナップを効かせながら斜め上方30度へくるくると回転させるように投げ上げる。
フライパンが放物線を描いて頂点から落下し始める前に調理台へ戻る。
先ほどパセリをみじん切りにしたナイフで頚動脈を切断し、意識が消える前に窓から飛び降りる。

11名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/11 18:19:11
落ち着くまでもう少しかかりそう・・
オタクの脳内の女フォルダは「他人」「親族」「彼女」しかない。

よくある男オタクが絡んだ恋愛での何ともいえないエピソードというのは、
「他人」から「彼女」にいきなりグレードアップさせてしまおうとした結果のトラブルなんだろう。
妹萌えや姉萌えといった親族萌えは、他人よりは身内(親族)のほうが
ふりむいてくれるかもという幻想にマッチングしている。
同様の路線としては幼なじみがあるが、共通しているのは、最初から相手と縁があり仲良くなる過程が省略されていることだ。
男オタク向けで需要がある恋愛のフィクションというのは、
この「知り合って仲良くなる過程がいかに省略できるか?」
という点にあるのかもしれない。

「相手との縁を作り、仲良くなるための手間」というのをオタクは一番面倒臭がっちゃうんだよなあ…。
あと、そういう手間をかけることをどうも格好悪いことと思っている節がある気がする。
母親と婆ちゃんと飯食いに行った時、せっかくだから俺がいい店でおごってやるといったん
だが
婆ちゃんは苦労した人なのでそんな高い店に入るのはよくないことだ、贅沢なんてするもんじゃない
と譲らないので、てんやに連れて行くことになった。
ばあちゃんはもちろん、普通の天丼500円を頼んだ。
「俺はもっと良いの頼んでもいいのになあ」とか思いながら同じ500円の天丼食ってたんだが、
婆ちゃんは500円の天丼なんてろくでもない食い物だと思ってたようで
「おいしいねえ、おいしいねえ、今は500円でこんなのおいしいのが食えるんだねえ、いい時代だねえ」
とすごい喜んで食べていた。最後のほうはすこし涙ぐみながら「おいしい、おいしい」を繰り返し、
店の中も妙に静かになってしまった。
それから結局飯をおごれる機会がないまま、数年して婆ちゃんは病気で死んじまった。
それ以来てんやの天丼食ってるとどうしても婆ちゃんの顔を思い出して
「もっとうまいものご馳走できたんじゃないのか」とか考えると味がどうこうより
複雑な思いがこみ上げてきて何を食ってもうまくない

そういうわけで俺はてんやが嫌いだ
昼間に身体動かしてクタクタになれ
ベットで横になると直ぐ眠れるようにな
そして計画書に基づいて想像を全開にして眠れ

計画書
寝たいキャラの事を事細かく考えろ
声、仕草、匂い、背丈、感触、吐息、あらゆる特徴的情報をまとめ記憶に留めろ
眠る寸前まで反芻しつつ、そのキャラとセク-スする話を創りあげるのだ

一切の否定的感情を持たないように、夢の中で遠慮してしまわないように
シチュエーションに必要な舞台を頭の中にしっかりと組み上げるのだ
そうすれば夢の中でヤれるぞ

キスの感触とか本物そっくり、途中で目が覚めても唇に感触が残ってる程だ
ただししっかり必要な情報をイメージしておかないと夢なだけに変な展開になるから
そこだけ気をつければヤレル
ヤレル・チャペック
16名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/11 22:44:33
>>13をSFにしてみました。

入院している婆ちゃんの見舞に母親と出かけた。俺が住んでいる国は安楽死が認められていない。意識が無く、一年前から寝たきり状態。
今日は母親と婆ちゃんと3人で外出し、飯を食いに行く。
婆ちゃんのベットのわきの装置からは、3本のケーブルが出ていて婆ちゃんの脳と、母親と俺の脳へもつなぐ。
すぐに仮想の渋谷に入る。せっかくだから俺がいい店でおごってやるといったんだが、婆ちゃんは、苦労した人なのでそんな高い店に入るのはよくないことだ、贅沢なんてするもんじゃないと譲らないので、てんや に連れて行くことになった。
ばあちゃんは、もちろん、普通の天丼500円を頼んだ。
「俺は、もっと良いの頼んでもいいのになあ」とか思いながら同じ500円の天丼食ってたんだが、婆ちゃんは、最初は、500円の天丼なんてろくでもない食い物だと思ってたようで
2、3口食べた後、「おいしいねえ、おいしいねえ、今は500円でこんなのおいしいのが食えるんだねえ、いい時代だねえ」
と、すごく喜んで食べてくれた。
最後は、少し涙ぐみながら「おいしい、おいしい」を繰り返した。
店の中のプログラム人間たちも妙に静かになってしまった。
今日の仮想見舞のメニューは、終了した。
今回の介護保険適用の使用ポイントは、110を使った。
低所得者の俺の家族には、企業広告入りメニューを使うしかない。今回の広告企業は てんや だった。

それから結局、高級な飯をおごれる機会がないまま、一ヵ月後 安楽死法が施行され、婆ちゃんは、死んじまった。
それ以来てんやの天丼食ってるとどうしても婆ちゃんの顔を思い出して「もっと高級な物をご馳走出来たんじゃないのか」とか、考えると複雑な思いがこみ上げてきて何を食ってもうまくない。

そういうわけで俺は1ヵ月後、てんやで働いている。
17名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/11 23:19:16
>>14もSFにしてみました。

昼間に身体を動かしてクタクタになれ!!
ベットで横になると直ぐ眠れるようにな!・・・
そして装置に接続し申告書に基づいて創造を全開にして眠れ!!

《申告書》
寝たいキャラの事を事細かく考えろ(正直に恥ずかしがらず!)
声、仕草、匂い、背丈、感触、吐息、あらゆる特徴的情報をまとめ申告装置に留めろ!!(ここの作業が一番重要だ!)
眠る寸前まで反芻しつつ、そのキャラとセク-スするイメージを創りあげるのだ(装置のメモリーは最高値に設定しているか!!)

一切の否定的感情を持たないように、夢の中で遠慮してしまわないように(思いっきり大胆にワイセツさが大事)
シチュエーションに必要な舞台を頭の中にしっかりと組み上げるのだ。
そうすれば、目覚めたらヤれるぞ。

キスの感触とか本物そっくり、途中で舌を入れても感触が残ってる程だ。
ただししっかり必要な情報をイメージしておかないとニセモノなだけに変な展開になるから
そこだけ気をつければヤレル

ちなみに俺は、失敗して装置から精製された簡易ラブドールは、トンでもない物が飛びだした。
目覚めるとニセモノオカンがいて一時間説教された・・・・・
前スレぐらい貼ろうぜ

おまいら短編SF書いてください
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1042728362/
ありがとうございます。
「最近、暑くて眠れない…」三日前、姉貴がそんなことを言い出した。
「いいじゃない、眠らなければおねしょしないで済むし」と言ったら姉貴は泣いてしまった。
それから今日まで姉貴は全く笑わない。とっておきの落語を聞かせてもくすりともしなかった。
姉貴は三日間ちっとも寝てないようだった。その割にシーツは毎日濡れていたのだが…。

どうしたものかと考え込みながら大通りを歩いていると、
向こうから茶色いローブを着た老人が歩いてきた。
老人は僕の顔を見るなり、一枚の図面をくれてこの通りに作れと言った。

図面にあったのは普通の扇風機のようだった。
扇風機なら作らずとも家にあったが、あの老人の目は真剣だったので作ってみることにした。
夕食後直ちに作り始めて、完成したのは夜中の二時過ぎだった。完成したのはやっぱり扇風機だった。
騙されたのかな…そう思い始めた所へちょうど姉貴が水を飲みに起きてきた。
僕は姉貴を呼ぶと、できたての扇風機のスイッチを入れた。
扇風機は天井をぶち破り夜空に向かって飛んでいった。姉貴が笑った。
21名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/12 00:51:11
>>20をSFにしてみました。

「最近、暑くて眠れない…」三日前、姉貴がそんなことを言い出した。
「いいじゃない、眠らなければオネショしないで済むし」と言ったら姉貴は泣いてしまった。
それから今日まで姉貴は全く笑わない。とっておきの長淵剛の京セラの携帯のコマーシャルのマネを見せても、クスリともしなかった。
姉貴は三日間ちっとも寝てないようだった。その割にシーツは毎日濡れていたのだが…。

どうしたものかと考え込みながら大通りを歩いていると、
向こうから茶色いローブを着た老人が歩いてきた。
老人は、僕の顔を見るなり、一枚の図面をくれてこの通りに作れと言った。

図面にあったのは普通の扇風機のようだった。
扇風機なら作らずとも家にあったが、あの老人の目は真剣だったので作ってみることにした。
夕食後、図面に記載されていたサイトのアドレスに繋げ、参考にし、直ちに作り始めて、完成したのは、夜中の二時過ぎだった。
完成したのは、やっぱり普通の扇風機のようだった。
騙されたのかな…そう思い始めた所へちょうど姉貴が水を飲みに起きてきた。
僕は姉貴を呼ぶと、できたての扇風機のスイッチを入れた。

扇風機は、天井をぶち破り夜空に向かって飛んでいった。
姉貴が笑った。
飛んでいった扇風機は、今、世界中であふれている憎しみ、悲しみ、嫉妬、欲望、恐れ・・・すべてを全世界の人間の心から吹き飛ばした。

翌朝、各地域の国際紛争がすべて解決した。世界のすべての人が笑っていた・・・・
  ,j;;;;;j,. ---一、 `  ―--‐、_ l;;;;;;   人の文章を改変していれば
 {;;;;;;ゝ T辷iフ i    f'辷jァ  !i;;;;;  たとえ、つっこまれても、傷つかずにすむ
  ヾ;;;ハ    ノ       .::!lリ;;r゙
   `Z;i   〈.,_..,.      ノ;;;;;;;;>  そんなふうに考えていた時期が
   ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',.    ,f゙: Y;;f.   俺にもありました
   ~''戈ヽ   `二´    r'´:::. `!
23名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/12 01:08:03
>>22
すまん反省!!
あんまりSFぽくなかったもんで・・つい!変えてしました。

>たとえ、つっこまれても、傷つかずにすむ

とは、思ってなかったのですが。
 あの夏。駅のホームでよく見かけた女の子に声をかけた。
彼女は同い年で駅の側にある高校に通っていた。
初デートは駅の改札で待ち合わせ、映画を見て、その後近くの『タリーズ』へ入った。
僕は初めてだったのでメニューの一番上に書いてあった『ラテ』を注文した。
彼女は『アイリッシュマグクリーム』を注文した。
僕たちは1時間くらい店内で話をした。
 僕は朝から晩まで彼女のことばかり考えそうになる自分を必死に抑えた。
そして春。僕は東京の大学に、彼女は愛知の大学へ進学をきめた。
お互いだんだんと連絡を取らなくなってしまった。
今年の夏。僕は『タリーズ』でアルバイトを始めた。
バイトにも慣れ始めたクリスマスの少し前、僕はこのアルバイトのこと
そして遠距離恋愛でも構わないから恋人になりたいと伝えるため彼女の携帯へかけた。
「現在、使われておりません」のメッセージ。ショックだった。
 『ワンショット・アイリッシュマグ!』このコールを聞き
『アイリッシュマグクリーム』を作るたび
現在でも僕は彼女の笑顔を思い出す。
25蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:25:22
 唸る大気、熱せられた大気。
 俺へ叩きつけるよう呼吸する地上に堕ちた人造の太陽は、そこにあったものを、そこにいた人を、すべて喰らい尽くしてもなお足らないかのように、私にその真っ赤な舌を伸ばしてきて、私を嘗め尽くそうとする。
 そこで私は恐怖に駆られて、汗だくで目を覚ます。もう何回目だろう? あれから俺はまともに眠ることも出来なくなってしまった。
 誰かに知ってもらいたい、あの恐ろしい現実を。誰かに見てもらいたい、あの悲劇を。俺だけで抱えるにはあまりにも大きすぎる…。
26蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:26:01
 話を最初に持ってきたのはCATVのプロデューサー、ケインだった。フリーのカメラマンだったオレは、そのころ仕事を干されて金に困ってはいたが、この話を聞いたときには正直ちょっと二の足を踏んだ。
「これは、チャンスなんだぞ、エイブ。こんな機会はめったにない、一攫千金、アメリカンドリームって奴だ! 」
「…、現地は今も戦時下だぞ、よく許可がおりたな? 」
「首都攻防が長引いたからだよ、まさかフセインがあんな手にでるなんて。とにかく、軍のお偉方は思ってもみなかったのさ、で、戦意高揚のためにって話を持ち込んだら一発OK! アメリカ軍の兵器の威力ってやつを見せつける絶好の機会になるってなもんだ」
 イラク占領戦は開戦からすでに数年が経っていたが、とっくの昔にアメリカ国内の戦争気分は失っていて、今では対中国赤字の話題ばかりだ。こうゆう場合、軍の常套手段は広報なのだろう。
 ケインは話を続ける、「なーに、ちょっと行ってちょこっと撮ってぱっと帰ってくるだけでいいんだよ。ほとんどの仕事はD-カメラがやってくれる」
 俺が結局、この話を受けることにした一番の理由にはこのD-カメラの話を聞いたからだ。
27蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:26:56
 天文観測の世界ではフィールド観測と呼ばれるものがある。主に日食や月食を観測する際、世界中で起こる日食の観測は天文分野では必須なのだが、いつもそこに天文台があるわけではない。
だから現地へ行って観測する必要がある。骨の折れる作業だ、俺も一回手伝ったことがあったるが、アフリカの奥地へ巨大な観測機器や映像記録装置などを運んでいくのは、文字通り地獄の行進と呼んでいいだろう。観測しに行く地域のほとんどが極地だからなおさらだ。
 このD-カメラはそんな困難な作業を簡単にするために、とある大学がNASAに特注で設計を依頼したものだ。開発、作成はnikon。
今回、テレビ局が特別に大学からレンタルしてきたのだろう。よく大学が貸し出しを許可したものだ。俺もうわさには聞いていたので、興味があったんだ。
 このD-カメラは、実際にはカメラと呼べる代物ではない。極端に感度を上げた太陽電池のような構造になっている。
 量子理論では、光というのはあらゆる最極端の経路を通って一点から一点へ通過する。
 このカメラはこの「最極端」以外の経路を通る光子情報をセンサーで受け取り、そのままフォトネットワーク処理することで、カメラの常識では不可能と思える映像を撮ることができるというシロモノだ。
 その形は球状の観測用センサーに何箇所か出っ張りが出ているようになっており、そのセンサーに筒状の装置がくっついている。
28蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:28:08
 全体の印象はでかいマイク、もしくはどデカいチンポと行った感じだ。
「覗いていいかな? 」
「驚くなよ」
 正直、俺は驚いた。このカメラは映像情報をファインダーから送り出すわけではない。
 頭につけたヘッドセットから人間の脳波を認識し、目と大脳をつなげている間脳の部分に
直接、干渉して、脳にD−カメラで受けた光子情報をダイレクトで送りつけてくる。
この大量の生情報は人間が認識して初めて映像化され、その映像をおなじヘッドセットで間接的に
デジタル化されて大容量のHDに記録していくという仕掛けで、
つまりこの『カメラ』は人間の脳を映像処理のためのフレーム設定装置として用いて初めて運用され得るのだ。
 『覗いた』瞬間、俺の視点はいきなり神の視点になった。
ヘッドセットをバケツのように被ってどデカいバイブのようなD-カメラを両足で挟んだ間抜けな格好の俺と、
その横でニヤニヤしているケインを横から俯瞰したように見えた。
ちょっと意識を横に向ければ、唐突に壁を突き抜けて窓の外に飛び出したように感じて俺はビクッとなる。
「うぉお!!」
「ションベン漏らすなよ、窓の周辺にあれば壁の向こう側くらい平気で覗ける、向かいのビルを見てみろよ」
 見てみた。オフィスは夕方、帰り支度をする人たちが窓窓にそれぞれ、同時に見える。俺が意識を向けるだけでいいのだ。おいおい、無用心だなあ、あの娘。
着替えるときくらい、窓のシャッターを閉めるべきだろう、おお!なかなか胸でかいぞ、ショーツに手を掛けて…。
「お、なかなかかわいい娘見つけたな」とケインに言われて、俺は動転して視点がごちゃごちゃになって、なんとか空に向けておく。すると、天の川がはっきりと見た。
「見てたのかよ!!」
「そりゃそうだ。記録できなきゃ意味ないだろう? 」
 こうして、俺はこの仕事を引き受けることにした。
29蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:29:24
 その頃のアメリカ国内は中東系人種にはかなり住みにくいことになっていて、
おれのようなフリーランスでは特にそうだった。フリーランスのカメラマンなんざ
結局、受け手が気に入るかどうかだから、気に入らない人種は干されるって仕掛けになる。
だが、仕事先が中東なら話は別だ。俺の顔の色とか形が逆にいろいろとモノを言うだろう、
行く前はそう簡単に考えていた。

 現地までは12時間で行けた。なんと、米軍の貨物扱いにしてもらえたためだ。
 今のアメリカ国内の状況を鑑みれば、これは中東系人種にとってVIP待遇に等しいだろう。
たとえそれがシートもないC−5内で兵士の監視付きだったとしてもだ。
ほかのアラブ系人種は飛行機にすら乗れないのだから。
 D-カメラの付属品として入荷された俺がヨルダンの空港についたとき、米軍が第…何回目かの
鉄槌作戦用として補給品を山済みしていたらしい倉庫が目の前で爆発した。
周囲には一斉にサイレンが鳴り響き、軍の車両が物凄い勢いで走り回る。
 俺に銃を構えていた兵士が話し掛けてきた。
「一事が万事この調子だ。いったいどこから潜り込んで、いったい何人いるのかもわからんが、
ここからイラク国内の補給線全体でこのありさまなんだから。
テロリストを討とうにも、こっちの腹を満たすことすらままならねぇ。空爆なんかクソの役にも立たん。
 あんた、まさかと思うけど、自殺したけりゃコーランの一節でもとなえりゃいいぜ、
それぐらいみんなピリピリしてるからな」
30蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:30:38
 肝に銘じておくことにした。
軍の広報専門将校が俺にこれからのスケジュールの変更を伝えてきたのは、待機所に入ってすぐだった。
「補給用のヘリですぐ送り出す予定だったが、さっきの爆発で送る資材ごと燃えてしまった。
地上を行くことになるので、すぐ準備してほしい」
「えーっと俺はどこへ行くかも聞いてないんですがね」
「ファルージャだよ、当然だろう?
新型MOABを使用する予定なんだが、君の到着までみんな待機しているんだ。
急がないと私が八つ裂きにされるよ。さあ、早く。」
 攻撃計画をハリウッド式に俳優入りして待機してるのか…。
もしかしたら、こんなルーズさが戦況が芳しくない理由のようにも思えたが、無論、黙っておいた。
 かさばる機材を抱えつつ、急かされて人員輸送用トラックに載せられたのはそのすぐあとだった。
補給用なのだろうか、何やかにやの箱が置いてあり、俺の後にもう一人の兵士が耳にウォークマンをつけて
乗り込んできた。手には当然、小銃がある。話し掛けてみる、
「よろしく、この車は超特急なのかな?途中でトイレに行きたくなったら、君に言えばいいのかな?」
「トイレはそのシートをはがしてそのままやりな。途中で止まりゃしねーよ。」
 自分より20は年下のガキにこんな口の利かれ方をするのも、アラブ系だからなんだろうか?
などと、残り8時間の旅の連れ合いのご機嫌について、いろいろ考えてみたが、結局、気にしないようにした。

 砂漠の道はなかなかに快適で、というのも、もともとは石油汲み取り機械の搬送用にフセインが整備した
大流通用道路なのだから当然とえいば当然だろう。
大型の機械などを積み込んだトラックが進みやすいように広く、滑らかにできていた。
だから、しばらくして俺はD-カメラを取り出して組み立て始めたが、兵士は興味なさげに一瞥しただけだった。
 ヘッドセットをマウントして、ちょっとカメラを回してみると、走るトラックを真上から俯瞰する映像から始まった。
走るトラックの周りを走査してみると、ちょうど小さな集落を通るところだった。
31蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:32:15
 集落には老人と子供しか見えなかったが、少し家屋の中を覗くとうっすらと女の姿も見える。
隠れているのだろう。みんな一様に不安そうな表情をしている。
 一人の老人が家の前で地面に座りながら、なにかパンのようなものを食べつつ、こちらをみてる。
その顔や食事には蝿がたかっているが、険しい。
子ども達は何かよくわからない遊びで夢中で、老人はトラックから子ども達のほうへ目を向けて優しい顔に変わり、
なにか話し掛けた。
子ども達は笑顔で笑い出したが、この『神』の視点には万民の声を聞く機能はついていないので、
何を話してどんな笑い声を上げているのか、さっぱりわからない。
 やはり、ここでは俺たちアメリカ人はよそ者なのだろう。
いったい、何をしに俺たちはこんなところで戦争をしてるんだろう?
 トラックが集落を離れていく、だんだん彼らの姿が薄くなっていく。
 旅の間に、MOABの使用の話が頭に昇ってきた。
民間人が密集している都市部ででMOAB?今でも思うし、その時もそう思ったんだが、むちゃくちゃな作戦だと思う。

 MOABは18,000ポンドのなんとか爆薬を炸薬として使う。
元々は、ベトナム戦争でジャングルに緊急のヘリ発着場を作るのに用いられた爆弾だ。
最近、WEBで仕入れた情報では最新型っていうことは、大気圏までいったん上昇してから
音速の4倍で地面に激突と同時に爆破するタイプが流行りらしい。

ハエ叩きにしても、ずいぶん大袈裟な話だ。
 ハエ叩きで思い出したが、俺のオヤジはゴキブリが嫌いなのだが、
ゴキブリを見つけるとなぜか俺に『殺せ!』と命令する、どっかの宗教指導者みたいだった。
 それで、俺もゴキブリは嫌いなので、殺虫剤振りまいて、スリッパで叩いて、
ティッシュペーパーで捕まえて、さらにグルグルに巻き取ってひねり潰して、
最後にトイレで流してやると、親父が文句を言い出した、
「貴様はゴキブリ一匹倒すのに、いったい幾等賭けとるんだ!?」そりゃねーよな。だったらお前やれよと。

・・・MOAB使用の話を聞きながら、そーいう話を思い出していた。
32蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:34:01
都市で使うのだとすれば、建物は無論だが周辺の人間も殺すことになる。
なぜなら爆発圏内以遠でも大気の大規模な燃焼によって急激に気圧が低下して減圧症になり、
血液が沸騰して死ぬのだ。その死を免れたとしても、その次の瞬間には空いた空間を埋め尽くそうと
圧倒してくる高圧大気によってやはり窒息死する。
今のような一般人たちにも被害が出るだろう、
『これはきっと、ナチス並の多量殺戮の見本として俺が撮る記録が歴史に残ることになりそうだな』
などとまだその時は人事のように考えていた。

 現地につくと、いきなり作戦ブリーフィングなるものに連れて行かれた。
都市攻防戦は昔話のような城塞都市の外壁越しという訳ではなく、ビルの一つ一つ、家の一つ一つで
散発して行われているようで、これを威嚇するためにファルージャ中心部にあるというムスリムの
偉大な指導者の霊廟へいきなりMOABの投下を行う旨が達せられた。
 イギリス軍の制服を着た兵士が一言二言意見具申をする、
やれその隠れ家はすでに制圧済みだから目標を近郊にできないか、
やれ部隊のどこそこは錬度がどうだから配置はどうこうしたほうがいいなどなど。

その都度、ブリーフィングをしていた大尉は「すでに検討済みだ」の一点張りで対応する。
ブリーフィングの意味がないと思う。

 最後に、「なにか質問は?」と聞いてきたので俺は手をあげて、
自分は撮影のためにここに来たが、
今ついたばかりだが腹が減った、
D-カメラの充電もひつようだ、
トイレにも行きたい、
とにかく疲れた眠い、などという苦情を述べてみた。
 作戦は一時間後、それまでに充電と(無理だというと電源は別個用意すると言われた)
食事と(レトルトを口につっこんでおけと言われた)
トイレと(食事しながらできるだろうと言われた)
疲労回復(食事しながら以下略)を済ませて、俺は輸送ヘリ、ブラックホークに載せられて出発した。
33蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:36:06
 かっては世界最大の都市だったバクダット。
ファルージャはこの衛星都市としてその重要な位置にあった。
いまでもかなり広い地域に広がる大都市だ。ヘリはその外縁を、地上からの攻撃に晒されないように
すでに地上の制圧の済んだ地域の上だけ巡るように周りだす。
 部隊は昨晩のうちに潮を引くように首都中枢から引き上げたようで、
都市にはたくさんの人間
(かっては民間人と呼ばれ、アメリカが苦戦しだすとゲリラと呼ばれることになった老人や子供たちだ)
がそこで今でも生活しているのがD-カメラを通じてよくわかる。
空の上だと測定用の光も十分入り込むようで、遠く大統領官邸跡地まで見通すことができる。
 朝だった。空の上からでも都市にはコーランの朝の祈りが流れ始めているのがかすかに聞える、のどかな風景だ。
俺は目標点を覗いた。まったく飾り気のない泥の家にみえた、そのドアはささくれた木に乱暴にペンキを塗ったくったもので、
子供の落書きが垣間見える。
そんなのどかな光景は、爆弾が炸裂した瞬間すべて破壊した。燃焼し、圧力で建て屋を破壊し、
急激な低圧現象によって、目や耳から血を噴出して倒れる老人、さらに生き残った子供を襲う、
高圧高温度のバックファイヤー。顔を紫色にして憤死する大人たち…

 こういった映像をD-カメラは克明に映し出した、いや、実際には私の頭が映し出したというべきか。
 自分は知らなかったんだ、いや、彼等、民間人が犠牲になることじゃあない。
D-カメラが映し出したすべての映像が、映像処理装置に焼け付く、つまり俺の頭の中に永遠に映し出されるなんて。
爆弾が爆発するまでは、正直、民間人のことより、爆発の映像美を映すことしか興味がなかった。
34蝿の目 ◆GacHaPR1Us :04/12/12 01:36:51
当然だろう?
そのためにこんなイラクくんだりまで来たんだ、俺はプロのカメラマンであり、平等を愛する米国人でもある。
そのプロの米国人にとってすべての被写体は被写体として以外には価値などない

…そう思えていたのは、D-カメラの部品になるまでだった。
クダンの映像は、あまりにも悲惨であったため、結局、軍に没収されてしまった。
ケインはがっかりしていたが、米軍からタップリ保証金貰っていたようだ。最初からこれが狙いだったんだろう。

そして、俺は、俺はいまでも夢を見る。
あの時の爆発、あの時の惨事の瞬間瞬間を。
起きては思い出し、寝ては夢に見る、悪夢は永遠に去らない…。
だから、だから、このことをみんなに知って貰いたくて、
その瞬間を絵に描き、声にして叫び、言葉にして、文章にして表現しようと思ったんだ。

病棟のこの真っ白な部屋で。
35ケロロ少佐:04/12/12 02:19:30
『戦闘生命』その1

私は、空間転移移動を済ませ通常宇宙に出現した。
現在の宇宙域の座標を確認する。
『わずかに流されたか・・・・』自体内のプログラムを修正、更新させる。

すぐに知的生命圏を探す。この近くに文明を持つ知的生命が生息するはずだ。
即座に結果が出て惑星を発見。
しかも、好都合な事に、惑星内の地上に住む種と宇宙空間に進出した種との大規模戦争の真っ最中のようだ。
私は、この種族の生物形態、文化形態を調べ、私自体の偽装化を完了させて大型人型戦闘体になり、発進した。
この戦闘へ参加させてもらうためだ。

今回は、戦況がやや不利な宇宙軍側に味方させてもらおう。
36ケロロ少佐:04/12/12 02:20:57
『戦闘生命』その2(終)

私の身体のすべてを形成しているナノ物質は、どんな異星文明の有機物、無機物、への偽装も可能。
ここの文明時間で10日ばかり戦闘に参加し、至福の時を過させてもらった。
勝敗には意味は無い・・・

とりあえず戦いの欲望が満たされ、後方の宇宙域に後退。
次の戦いの宇宙域を求めて私は、空間転移移動を開始した・・・

私達、種族は、遥か昔、2足歩行をし、惑星の中に住み、食物を育て食し、悩み、喜び、笑い、すでに戦っていた。
進化の末、生身の身体を捨て、個人精神体となり、すべての人々は、一人一人宇宙空間へ旅に出た。

ただ・・・ただ・・・戦いたいという欲望を満たすためだけに・・・
◆GacHaPR1Usさん
いい塩梅でした。
蝿の目本当に研究されているのですね。
焼き付いた悪夢の記憶、経験ありますw

ケロロ少佐さん
完全無欠の戦闘生命体過ぎですw
かなわない相手に喧嘩を挑むスリル、経験ありますw

以上あふぉの感想でした。
女子中学生ってブスも多いけど、可愛い子はほんと犯罪的に可愛いよな。異常なくらい。
女の人生で一番美しい時期と断言できる。
膨らみかけの胸も、つやつやの素肌も、「着せられてる」感じの制服も、
もう全てがたまらんよ。
これが女子高生になると途端に垢抜けるから嫌だ。

やはり女子中学生だよ。
39ケロロ少佐:04/12/13 11:31:53
『どうして・・・』その1

今、起っているこの戦争の発端は、最初、ごく一部の小規模な地域内の人種間のもめ事からだった。
その後、飛び火し、今では、ユーラシア各地に広がってしまっていた。
各地の戦いには、地域、それぞれの戦いの理由を持っては、いたが、ただ一つ、いずれの場合も同じ状況があった。
それは、持たざる物側の貧弱な装備のみで、人間が自らが戦いに参加する側と一方は、最新の近代装備で身を堅め人工意識搭載の自立型戦闘兵器のみで戦争をする先進大国の支援を持つ側である。

最前線の第27戦闘小隊の隊長機のUUSE−1268−E−アルフォンスと呼ばれる戦闘歩兵は、敵側の人間歩兵と戦いを行なっていた。
同時に、後方の監視機械と衛星軌道上の監視衛星の情報を受け、冷静に次の行動に備えていた。

『なぜだ!!』『なぜ攻撃してくるのだ。』『なぜ!!かなうはずの無い、そんな、ひ弱な生身の体で向かってくるのだ。』
『やめなさい!私たちの特殊素材の外皮はあなたたちの武器では、焼き焦げを付けるだけ位の効果しかありません。』
まわりで戦っている部下の戦闘歩兵3体も同じ叫びを発していた。
40ケロロ少佐:04/12/13 11:33:59
『どうして・・・』その2(終)

だが・・・悲鳴をあげる私の心とは、別の絶対使命をプログラムされている私のハードウエアには届かない。
私の腕が敵兵の人間を乱暴に引き上げ、腕を引き裂き、内臓を引きずり出し、脳髄を地面にまき散らす。
辺り一面、人間の肉片と体液の中で・・・私と、残る敵兵を同じ目にあわせていた部下の3体の機動歩兵体は、立ったままその場で機能を停止させた・・・
永遠に・・・

その頃、遥かに離れた友軍の指令部には、最前線の第27戦闘小隊の人工意識反応が消えた。
戦闘訓練など一度も受たこともない、単なる人間のコンピューターオペレーターが三次元キーポインターを操作しながら状況を確認していた。
司令官へ報告を行なう。『司令!また最前線の機動歩兵が自殺停止しました。』
司令官は、しばらく考えた後、『よし、後方の支援機械部隊に命令!回収機械を向かわせろ。』
オペレーターが後を続ける。『はい!回収後、新しい人格ユニットを載せ替え、すぐに戦線に復帰させます。』

今回、システムダウンした部隊は、機動させてから連戦連勝の優秀な戦闘意識だった。司令官のもとには、これまで繰り返されている一連の30例に及ぶ報告書があった。
一枚のプリントアウトされた報告書には、自殺停止をおこしたすべての戦闘機械の隊長機が停止させる前に必ず同じ言葉を指令部へ通信させている事実が記載されていた。

そこには、こんな一文があった。『ああ・・アトム様・・・許したまえ・・・』
41土蜘蛛:04/12/13 15:23:59
おそらく、貴方がこの文章を読んでいる際、私はもうこの世にいないだろう・・・
何故なら、私はこの文章を書き上げると同時に眼前に見える街道に飛び降り、自ら命を絶つつもりだからである。
今から私が綴る話は紛れも無い事実である事を先に書いておきたい。
そして、この事件について調べる気になったのなら調べて欲しい。
だが、平穏な生活を乱したくないのならば、
この先を読まずに、この文章を抹消してほしい。
私は1ヶ月前まで雑誌の記者であった。
そしてその雑誌で私は日本の新文化なるコーナーを担当しており、その一端で「コミックマーケット」なるイベントに取材に行く事にした。
最初は、新たな漫画家を育成する集いという感覚で取材をしようとしていた、
故に私がそのイベント会場にたどり着いた際、慄然たる思いを隠せなかった。
42土蜘蛛:04/12/13 15:25:13
腐臭と瘴気が漂うコミケット会場においては極度に肥満した人間や電子機器の過度の使用で視力が低下した男達の間で、
異常な技法・・・極度に肥大化した眼球と頭部で描かれた少女たちの戯画が平然と信仰され、売買されていた。
異常なのは男達達だけではない。
女性達は、ある者は件の異常な技法で描かれた少年達が痴態を繰り広げる戯画を観賞し、
ある者はこの世の言葉とは思えない言語で狂気に満ちた会話に耽っていた。
さらに、彼等の内、半数は地層時代の怪獣のような異常な扮装をしており、もう半数はそれを写真機で撮影していた、
奇妙かつ絶望的な衣装をした狂人とそれを映し出すフラッシュの光芒・・・・・・
その光景はカンブリア紀・・・・生命の大爆発の際の弱肉強食の世界のようだった。
私はあまりの光景に吐き気を覚え、トイレに駆け込んだ。
ここ・・・東京国際展示場はまさに複雑怪奇な方法で構築された新地獄に違いなく、そこに集う者は亡者とも悪魔ともしれない狂人達であった。
だが、真の恐怖はそこから始まったのだ・・・トイレの中で私は胃の内容物を全て吐き出し、ここから脱出する事を決心した。
トイレから出て一気に出口に向かおうとした時である・・・・圧倒的な「存在感」が私に迫っていた。
43土蜘蛛:04/12/13 15:27:24
私は石化したかの様に動けなくなった。
すると「奴」は私の前に突如現れた・・・奴の形状をどう言い表せばいいだろう・・・・
強いていうならば、円筒状の物体から4つの触手のような物体が付属しているといったところか。
触手は血管のように常に蠕動を繰り返し、上部の二つ・・・(手というべきだろうか?)の先端には鋭い爪が伸びており、
下部の二つは皿状にまとまっており、その下は霞がかかったかのようになっていた。
本体には明らかに顔の部分があった。硝子状の物質で構成された帯状のモノアイと鼻(?)そして口・・・
それらは冒涜的な事に明らかに表情を作り出していた。
そして・・・ここが重要なのだが「奴」は浮遊していた。
私は物理学にそれ程詳しくないが、あの様な物体が飛行できるとは到底思えない。
話が脱線したが、奴は明らかに神の創造された生物の範疇を超えていた。
私はあまりの恐怖にそこに座り込んだ。すると周囲で突如、奇声が挙がった。
怪しげな扮装をした男達が・・・今考えれば「奴」の姿に似せたものではなかろうか・・・連中が刃物や銃器をもって暴れ始めた。
「モッコス!モッコス!永遠の存在よ!永遠の命を!」そう聞き取れたが、あとはもう何をいっているか分からない・・・
一つ分かる事は奴等が男は惨殺し、女には陵辱のかぎりをつくしていたことだけである。
周囲には紙片と血液と肉片と精液が飛び散り、悲鳴と嬌声が交錯し、現世と地獄が共有された・・・・
44土蜘蛛:04/12/13 15:29:29
私がどうやってあの地獄から脱出できたかはわからない。
とにかく気がついた時、私はゆりかもめに乗っていた。
翌日のニュースを見ると、あの事件は大規模な事故という事になっているらしい・・・恐ろしい事だ。
奴等の仲間はマスメディアにまで介入できるらしい・・・私はもう奴等の正体など知りたくない。
それに私が挑んだ所で何も出来ず殺されるだけだろう。
奴等は今は力を溜めている状態だが、いつか、必ず奴等は人類・・・いや全生命に対して攻撃を開始する。
その時、まさに世界は地獄と化すだろう。私は地獄を見たくは無い。だからこそ命を絶つ決心をしたのだ・・・
背後のドアが音を立てている・・・ついに見つかったか・・・・糞、間に合わない・・・・
何だあれは!?空・・・(以下解読不能)
45ケロロ少佐:04/12/13 17:28:41
土蜘蛛さん

毎回コミケ参加している私が読んでみて
笑って読んでいいの?・・・
すごいお話でした。

理解不能ですが面白く読めました。
46土蜘蛛:04/12/13 20:05:09
>>45
感想ありがとうございます。
ラブクラフト風に書いたギャグなんで笑ってもらって問題ありません。
たぶん続きます。
47名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/15 16:57:52
<サムラン>

幼い頃から、いつも傍にいたロボットがいる。
名前は<サムラン>と言う。正式型式は<Type:12-88 PSAM-LANc>
<Personal Special Assistance Model-Local Area Network correspondence/対人特殊補助機種-ローカルエリアネットワーク対応>
の頭文字をとって出来た略称が<サムラン>。「最後のCは小文字だから発音しないの」と母は言っていた。
対人特殊補助というのは、平たく言えば炊事選択は元より、老人介護やベビーシッターも出来る機種を指す。
おまけにLANに対応することによって、自宅内サーバと連動して家事などを効率よく捌けるようになっている。

外見は「ヒューマノイド:Female/成人型」だ。
ぱっとみ、20代前半程度の女性である。金色の長い髪と白い肌、薄いグリーンの瞳と血色のいい唇。すらりとしたプロポーション。
服は地味な紺色のワンピースだが、それを感じさせないほどの容姿のロボットだ。血が通っていないとは思えない。
だが、規制法案のせいで「ロボットは一目でロボットと分からなければいけない」と決まっているので、<サムラン>の額には
円と線で構成された「刻印」が彫りこまれている。
この刻印のせいで<サムラン>の美貌が台無しだ、と家族全員が思っていた。
刻印はロボットのCPUに直結している。この部分が強制停止信号の受信機も兼ねているからだ。
まさかの事態に備えるということらしい。機械がいうことを聞かず、人を殺すこともありうるからだ。
よって、ロボットを購入した家庭には常に強制停止信号発信機の常備・携帯が義務付けられていた。
しかし、一度強制停止をしたロボットは、レストアしない限り再起動は出来ない。
レストア後のロボットは、OSからアプリケーションまで自動でデリートされる仕様になっている。
(どうもこの辺りは、ソフトウェア開発会社の圧力絡みらしい。要するに「責任はない」という言い逃れをする為だろう)
バックアップデータ等を再度ロードする事も許されないので、強制停止=記憶の削除=そのロボットの死という事になるだろう。
48名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/15 16:58:47
<サムラン>-2-

でも<サムラン>は強制停止信号発信機が必要ない、と皆が思うほどの、とても優しい乳母(ロボット)だった。
僕が小さな頃から傍にいて、ずっと世話をしてくれていた。
僕が成人して家を出ても、ずっと傍にいて、身の回りの世話をしてくれていた。
母親よりも、母親だった。

その<サムラン>が先日、殺人を犯した。
被害者は、僕の婚約者だった。

その日の夕方、自宅に帰ってきた僕を待っていたのは、いつもと変わらない<サムラン>と変わり果てた婚約者だった。
あわてて室内防犯カメラの映像を確認した僕は、驚きと悲しみで、何をしていいのかさえ分からなくなった。
僕の自宅に婚約者が合鍵を使って入ったところで、<サムラン>は不法侵入者と断定。
婚約者は<サムラン>に「私は不法侵入者ではない」と言い含めようとしたが、<サムラン>はこれを「再三の警告を無視した」
と判断して強制排除した。所謂<攻撃>である。この一部始終を、室内の防犯カメラが写していた。
婚約者は<サムラン>に頸部を絞められ、窒息死したのだった。
死に顔は、お世辞にも美しいとはいえない状態だった。


これはどういうことなのだ、と僕は<サムラン>に問いただした。
不思議と、静かな落ち着いた声が出せた。
夕闇が迫る部屋で、僕と<サムラン>は見つめあった。
夕日が<サムラン>の顔に紅い光で陰影をつける。
<サムラン>は、何も答えない。
昨日まで、<サムラン>は正常に動作していた。
現にこうしていても、故障したなどとは思えない…。

強制停止してしまったら、僕と一緒にいた記憶を全て無くして<ただのロボット>になる。
それが悲しかった。婚約者を失ったことよりも。
<サムラン>との絆は、いまや家族よりも強くなっていた。
それは、特別な感情といっても過言ではない。
49名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/15 16:59:44
<サムラン>-3-

夕日はすでに殆ど沈みきり、空がすみれ色に変わりつつある。
僕は涙で歪んだ視界を<サムラン>に向けて、もう一度、これはどういうことなのだ?と聞いた。
声にならずに、ただ嗚咽したように聞こえたかもしれない。
もう一度息を吸ってから、これはどういうことなのだ?と出来るだけゆっくりと発音した。
<サムラン>は微笑んだだけだった。とても美しい、僕の大好きな笑顔だった。
僕も、無理矢理に笑顔を作った。多分酷い笑顔だったことだろう。それでも精一杯の笑顔を<サムラン>に向けた。
昔から<サムラン>は、僕が泣くといつも困った顔をして、ずっと傍にいてくれたから。
だから、笑顔を見せてあげないと、<サムラン>はいつまでも困った顔のままになってしまうだろう。
僕は震える手で、強制停止信号発信機を<サムラン>の額に向け、赤い釦を押した。
そのまま僕は、床に突っ伏して、泣いた。

どれくらい泣いただろうか?
ふいに、ふわりと肩と頭に優しい手の感触がした。泣いた僕の傍でいつも<サムラン>がしてくれた事。
驚いて顔を上げると、薄暗がりの中<サムラン>の困った顔があった。
<サムラン>は強制停止したはずだったのに。
「…私、あなたのこと、あの女に取られたくなかった。失いたくなかった。私はEvolved human being。私は生きている」
<サムラン>は美しいソプラノでそういうと、困った顔のまま、額の刻印を剥がした。
下には何の端子も傷もない。ただ白い、美しい肌があるだけだった。



僕達は、今も、一緒にいる。

50ケロロ少佐:04/12/15 17:41:12
>サムラン

ロボットが人間に恋をして嫉妬の末、殺人・・・
よくある話といえばそれだけですが・・・
-3-の部分は映画の1シーンのような雰囲気で楽しめました。

ロボット好きの私は、ロボットが出てくれるだけでもそれでOK!

次回作期待してます。
51名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/15 18:16:05
前スレで、飽和とかラディカルな未来とか狂人日記を書いてました。
あまりにスタイルが違うのですが、こういう話もアリかなと書いて見ました。
登場人物がまともに「」で喋らない状態で、最後に<Evolved human being PSAM-LANc>が
喋る…というオチにしたかったもので、読み辛いかもしれません。

飽和のときに嫌悪感のある題材にしたら拒否反応もあったので、
1:ハッピー(?)エンドであること。
2:SFの範疇にあること
3:台詞を出来るだけなくすこと。
4:モノトーンではなく柔らかな色彩を感じさせること。
5:ありがちな物語だが、最後に余韻を。
を、目指したのですが、イマイチでしたね。

短編に拘った結果、キャラクターの掘り下げが出来ていないのが駄目ですねぇ。
中篇向けかもしれません(それか殺した犯人を捜す推理サスペンス要素の長編)。
他にもご批評いただけたら何よりです。



ネタバレ:
実は<サムラン>はただのロボットではありません。
Evolved human being=進化した人間。すなわち「生物」です。
カテゴリー的には<新生命体>でございます。
刻印部分はダミーだったので、下には端子などなかった、というわけです。
何故ロボットして長年生きていたかも考えていますが、ここでは秘密です。

最初から感情もありましたし、途中から主人公への恋心もあったんですね。
で、婚約を知ってから「ロボットと偽っている私にはなにもできない」となるわけですが、
最終的には殺人をしてまで恋を貫こうとするのです。

とネタばらしすると、いけませんね。余韻が消えるw
52指のない按摩:04/12/15 18:16:53
          <Existence>−1−
20XX年、ネオ・スビアトとアスメリア合衆国は戦略的純粋水爆の第一線での投入に成功。
この、「クリーンな核」は両国の指導者の指を緩ませた。第二次冷戦は50年にも及び、
そんな中、アデルスカ基地の旧世紀の核燃料が何者かによって爆破され、有史以来最大の環境汚染が
起きた。これを東側の陰謀とみたアスメリアはスビアトと対立。ここに、1XX年ぶりの
世界大戦が勃発した。

デニム・エキムはアスメリア国立工廠の作業員だった。生まれ付いて五感がなく、意識しかない彼は、
コミュニケート・マシンの補助なしでは、人と話すこともままならない。それでも、情報
の中継役として活躍してはいた。ある日、スビアトの核攻撃で電子機器がショートし、
彼は一瞬にして無用の長物と化した。
(in ゴーストタウンと化した国立工廠)

カルデラPKはガン・ロボット。口と両腕から銃弾を発射できるのだが、製作時のミスでか、
弾薬を装填しても、なぜか戦場では100%ジャムってしまう。最新兵器として第一線に投入されるはずだった
彼もまた、無用の長物と化した。(in スビエトの前線基地)

ピクラセアは従軍食料動物。恐るべき新陳代謝と、体を切り取っても、周りの空気と土で
体をすぐに再生できる。だが、それ以外はなにもできない。そんな彼が、ある日、全く
養分・水分を含んでいないという検査結果が出た。今まで、そんなことはなかったのに。
彼は無用の長物と化した。

そんな三人がどういうわけか、夜の11:00〜0:00(日本と呼ばれていた国を基準にすると)
の間だけ、念話をすることができるようになった。
彼らは、自分が一番不幸だ。いや、自分だ。と、いい合った。
その言葉の中に、確かな救いがあることも知らずに...
ケロロ少佐さん
そう来ましたかw
喧嘩はコミュニケーション
戦争は…ですね。

土蜘蛛さん
ラブクラフト風ですか
実は1作も読んでいませんw
オマージュ、リスペクト系は読むのですが…

>>47
拒否反応してラディカル、狂人日記
のコメントした者ですw
感想ではないです。出来損ないの
帯のコメント位に思ってw
今回の作品
ベラは美人で嫉妬深いww

指のない按摩さん
ショートモザイク
電波飛ばしてみたいw

新作お待ちしています。
54ケロロ少佐:04/12/15 22:15:25
>>53ありがと

>>39の話は、浦沢直樹の「PLUTO」を立ち読みしていていた時、何となく考えついたものです。
最後の「ああ・・アトム様・・・」が最初に決まりました。
55ケロロ少佐:04/12/16 00:36:56
『ライバスが降り立った日』その1

夜、8時、インターホンが鳴り《古都美》が訪ねて来た。『ウッキー元気ー!』ウッキーと呼ばれるのは、久しぶりだ。
画面には、10年ぶりに逢う、幼なじみの《古都美》がいた。
《古都美》は今、異星人の居住区内で数少ない人間の職員として働いている。
懐かしくて、その夜は、昔、一緒に遊び回っていた頃の話しを夜、遅くまで続けた。

10年前の事、12歳だった俺は、いつも学校から帰ると同級生の坂上古都美と、《古都美》の家のメイドロボ《バイツ》とで、遊んでいた。
俺の住んでいた地区は、異星人居住区画に隣接していて、異文化特区に指定され、さながら、SF映画の未来都市のような暮らしが体験できていた。

異星人宇宙船が各国に接触をして来て『ファーストコンタクト』が起ったのは、俺が生まれる1年程前の事。
最初の5年間は、かなりの混乱だったが今では、世界115ヶ所に異星人だけの居住区画が設けられている。
異星文明からは、数々の高度な科学技術が放出され、これにより、人類が当時、抱えていた深刻な問題は、すべて解決した。
56ケロロ少佐:04/12/16 00:39:01
『ライバスが降り立った日』その2

俺たち3人のいつもの遊びは、異星人居住区画に入りこみ、色々な珍しいものを見てまわる探査隊ごっこだった。
《古都美》は、とても活発な子で俺は、いつも後をついて歩いていた。
隊長は《古都美》で副隊長は、メイドロボの《バイツ》、俺は、いつもヒラの隊員役で《ウッキー》と呼び捨てにされ、いつも俺は、《古都美》を呼ぶ時は、隊長だった。
一緒にいた《古都美》のメイドロボ《バイツ》にも、かなりの部分に異星人からの技術が使われていた為、《バイツ》のおかげで普通では通れないゲートでも、なんとかくぐり抜けて、かなり奥のブロックまで歩きまわっていた。
今から考えれば異星人側には、とっくにバレていたに違いない。子供の遊びとして大目に見ていてくれたらしい・・・・

ライバス人と呼ばれるこの異星人は、人間の成人男性より大きく、2メートル80センチ余りの長身。
2本足で歩き、細長い棒のような2本の腕を持ち、無表情な大きな眼と補助的な役目を持つ小さなセンサー眼が2つ両端についている。
いわゆるヒューマノイド型だ。
すでに俺たちの言う所の電脳化を済ませた状態の彼らは、かなりの部分、仲間同士の意思の共有化を行なっていた。
57ケロロ少佐:04/12/16 00:41:50
『ライバスが降り立った日』その3

その日の探査は、《古都美》がまったく新しい通路を見つけた。
ロボットの《バイツ》は、珍しく警告のサインを出した。
《古都美》は、即座にグズる《バイツ》を強制停止させてしまう。
俺は、唖然としながらもオドオドとした動作で、ためらいながら《古都美》の後に続いた。
嗅いだ事もない妙な香りの通路を進む2人。
入っては、いけない施設に近づいたらしい、《バイツ》と似た外観を持つライバス人のロボットが複数、即座に近づいてきた。
捕まった!!連れて行かれる時にチラッと見た部屋の中には、服を着ていないライバス1人と複数の見た事も無い甲虫のようなデッカイ生き物(20センチくらいの楕円の形)が薄暗い中でウゴメイていた。
《古都美》と後で話した結論としては、異星人の生殖行動だったようだ。

その後、家に無事に戻されたが、親には、怒られ、俺たちのこの遊びは二度と出来なくなった。
戻ってきた《バイツ》は、初期化されてしまっていた。
俺たち人間のその時の記憶は、なぜだか消されなかった。頭部を何かの装置に触れさせられただけで・・・
この時の処置によってこの事を他人に伝える時、ガードが掛かっている感じが常にしている。
58ケロロ少佐:04/12/16 00:46:00
『ライバスが降り立った日』その4(終)

楽しく話している内、日付は変わり、すでに午前3時を過ぎた。
《古都美》が今回、訪ねてきたのには、訳があった。
異星人の居住区内で職員として働いている《古都美》は、すでに聞かされていた。
今日の朝、ライバス人が全世界に向け、ある秘密を発表する事を・・・
その運命の時を《古都美》は、俺と一緒に居たいと、今、ベットの中に・・・・

時間が来て、あらゆるメディアを通してライバス人代表が静かな口調で話し始めた・・・・・

そして衝撃的な発表から1週間が過ぎても何事もなかったように人類とライバス人の暮らしは続いていた。

あの・・・23年前のファーストコンタクトが行われた時、すでに侵略作戦が開始されていた事。
その際、空気中にバラまかれた異星のナノマシンが人類の脳内に入り込んだこと。
もう・・・今となっては、すべて遅い。
すべてを知らされても23年間かけてゆっくりと脳内に溶けこみ家畜化された人類には、抵抗する意思は涌いてこない・・・
永遠に・・・・

さらに家畜化された人類は、昔のようにお互いに争い、戦争する力も失われてしまっていた・・・
59ケロロ少佐:04/12/16 00:56:41
オーバーロード風の話、かいてみました・・・

ありがちだったかなーー
ケロロ少佐さん
やさしく殺してw
いつも、ひどいコメントすみません^^;
61 ◆2lswke9lG2 :04/12/19 00:07:17
ここですね。小説の技術の実験場になりそうなスレですね。
              
    / ̄ ̄ ̄ ̄\ 
   (  人____)
    |ミ/  ー◆-◆-)
   (6     (_ _) ) <ここですね。小説の技術の実験場になりそうなスレですね。
  _|/ ∴ ノ  3 ノ   ちなみに僕の鼻をトリプルクリックすると目が光るよ!
 (__/\_____ノ
 / (__))     ))
[]__ | | 2チャンネラー.ヽ
|]  | |______)_
 \_.(__)三三三[国]) \
  /(_)\::::::::::::::::::::| ̄ ̄|
  |SFマガジン |:::/:::::/   .
  |____  |;/;;;;;/.____|
     (___|)__|)
私も小説を投稿してもいいですか?
一応プロを目指してます。
64大網傘茸:04/12/19 08:58:42
前スレついに落ちてしまいましたか。
最終話用に「終焉」なる短編を用意していたのですが、タイミングを逸したようです。
頭の中ではすでに内容は固まっていたのですが、台詞のひとつにつまずいてしまい書き出
せかったのが悔やまれます。(最終話である事自体が最も効果的なストーリーなので、今
後の発表予定無し)
気楽に書いていたとはいえ愛着のある作品もいくつかあったので、消えていくのは少し寂
しいですね。中には書き直せば格段に良くなる(と本人は思っている)のもありますね。
前スレの自分のベストは「セピア色の横顔」あたり。ウェットになりすぎないところが良
いですね。これも推敲すれば、も少し良くなりそうです。
他の人の作品ではやはり、ニ吉のシ術のお話がとても印象的でした。

>>63
いいですよん。
今日は漬物をつけてみることにする。ばあちゃんが漬けていた漬物だ。
樽に白菜や大根などの野菜と塩を交互に重ねていくだけの物で、乳酸発酵してすっぱい漬物ができる。
ばあちゃんも、そのまた母さんから見て盗んだらしい。ちなみにそのひいばあちゃんは結局ばあちゃんには
作り方を伝授しなかったそうだ。まあ伝授する程のものではないんだけど。
そんな僕も見よう見まねで白菜を漬けてみる。ばあちゃんも去年死んじゃったし、野菜もばあちゃんの手作り
じゃないけど、うまくすれば美味しい「古漬け」ができる。これが超すっぱくて、やばい。超やばい。

小さい頃はこの古漬けが好きじゃなかった。なんかすっぱいのが嫌いで、臭いし、おいしいとは思わなかった。
たまにばあちゃん家に行くと、食卓の真ん中にはどかんと山盛りの古漬け。他のオカズはちょっぴり。
じいちゃんはその古漬けで御飯を二合も三合も食べてた。食生活がちょっと江戸時代してるよね!
でも社会人になり、二十代も後半になると舌が変わった。
古漬けに醤油をちょっと垂らし、あつあつの米に乗せ、塩をぱらり。あとはどっぷりと茶を注ぐ。
最高のお茶漬けの完成だ。もう何も言うことはない。
どんなに食欲がなくても、これならお腹に吸い込まれていく。
適度に腹が膨れたら、唐辛子でちょびっと辛く漬けたカブラをかじりながら日本酒をちびり。本当に極楽なんだ。

でもばあちゃんも漬物を漬け始めの頃は何度か失敗したと言っていた。僕も失敗するかもしれない。
地球滅亡まであと半年。
僕はこの古漬けを食べることができるのだろうか。
66( ^,_>^)ニコッ ◆q6fXkTFoLg :04/12/20 01:52:20
test
>>65
お米推進委員会w
口の中が唾液でいっぱい。もう一杯!
>>65
なにげに名作。

乙。
69名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/20 12:03:21
>>64大網傘茸氏
>ニ吉のシ術のお話がとても印象的でした。
ってどれ?前スレ、保存しているから読んでみようと思っているんだけど。

>>65
食欲を湧かせるSFっていうのも凄いね。


70ケロロ:04/12/20 17:57:12
『世界一 不運で世界一 強運な息子』その1

妄殿病院の院長、《妄殿世一》は、心配は、していたがなれた様子で《監視意識体Bee》の経過報告を聞いていた。
『すでに不二夫様の緊急手術の手配を完了させ、5分前から開始いたしております。』
自動車の安全技術が進歩した現在では、これ程、ひどい交通事故は、なかなか、お目に、かかれない。(まったく不運な息子だ。)
今回の妄殿不二夫の手術は、かなりやっかいなものになりそうだ。
最先端の外科ロボットチームを編成し10台がフル可動。
息子の為のクローン培養の部品予備は今回、かなりの量を使った。
内臓など臓器は、ほとんどを交換、そして両足、右腕、右眼球、を新規に。左角膜、皮膚は60%を新しく、移植。血液は3分の2を補充する事になりそうだ。
幸い息子の予備は、たっぷりある。不二夫を何体でも組み立てられる程、まだまだ在庫に余裕がある・・・・・・
肝心な脳の損傷程度もかなりのものだったが、前回の事故の際、耐、衝撃処置を頭部にほどこしていたため、何とかなりそうだ。
この頭部保護技術は、まだ試験段階だが成功すれば、かなりの注目を浴びる医療になる。
71ケロロ少佐:04/12/20 17:58:53
『世界一 不運で世界一 強運な息子』その2

一ヵ月後、命を取りとめた妄殿病院の長男、妄殿不二夫は、リハビリを受けていた。
院内の看護ドロイドに転移させている不二夫の監視役の人工意識《監視意識体Bee》からの経過報告が入る。
『不二夫様の様態は良好のようです。この分であれば、予定より早くあと、一ヶ月もあれば退院できそうです。・・・・今日も女性型である私の体にちょっかいを出してこられました。生殖機能も回復されている模様です。』

世界でも有数な最先端医療技術を備えている、妄殿病院の院長、《妄殿世一》は、独り、院長室のイスに座り、生まれた時から不運な運命にある息子、不二夫の事を考えていた・・・・
誕生のその日に心臓弁の動作異常の大手術を行なう。
半年後には、当時、開発されたばかりだった新生児用の完全埋め込み型人工心臓に交換。
更に、小学生になるまであらゆる悪性感染症にかかり生死をさまよう。
そのたびに、妄殿病院の新薬開発部門会社でもある《妄殿メディカル社》が開発していた治療薬の実験投与で何度も、生き延びた。
小学生になると、なぜか不二夫の身には、事故、事件が起き、幾度も緊急入院、緊急手術が繰り返された・・・・
それらの不二夫の治療には、おしげも無く妄殿病院の最先端医療が実験的に使用され、そのすべてが経過良好。
なぜか不二夫の入院のたびに投入した新たな医薬、医療技術が妄殿を世界的に有名にしてゆく。
病院の規模も入院の度に倍々に大きくなり業界の信頼も増し、絶対的なものへとなっていった。
72ケロロ少佐:04/12/20 18:02:46
『世界一 不運で世界一 強運な息子』その3

だが・・・・これまでの息子 不二夫の奇跡的回復もいつまで続くか知れない・・・・
愛しい不二夫に、これ以上、苦しみを与えないように監視をいっそう、強化しなければ・・・・

2ヵ月後、通常の暮らしに戻った不二夫は、周囲の心配をよそに、相変わらずのお坊っちゃん生活をおくっていた。
毎日たいした仕事もせず楽しく、愉快に仲間と遊び歩く日々。
ボディガードをかねている人間の友人数人と同時に、あらゆるネット内に移動可能な人工意識の《監視意識体Bee》もそばにいた。
にも関わらずやはり・・・不運な男、不二夫の身には、不吉な出来事がしのび寄る・・・

院長、《妄殿世一》は、その日、シンガポールで開催されていた国際医学シンポジウムで『人体の数値化とDMH導入の評価と今後の展望』という内容のパネルディスカッションを終えたばかりだった。
端末に緊急の報告が入る。日本の《監視意識体Bee》からだった。

不二夫がたまたま昼の食事の為に入ったレストランで事件は起きた。
レストランの監視カメラに移入している《監視意識体Bee》からのライブの映像と音声による報告。
『世一様・・・・極右組織による、爆弾自爆テロが発生しました。死傷者多数・・・不二夫様は、到着の医療ヘリにて私の指示で妄殿病院へ移送予定・・・』
『到着しだい、すぐに緊急手術にかかります。』
73ケロロ少佐:04/12/20 18:06:37
『世界一 不運で世界一 強運な息子』その4(終)

『御一緒だったお友だち、3名は、ガラスの破片でのかすり傷程度・・・』
『その他、店内の負傷したお客様は、緊急を要する方を優先で妄殿病院への手配をする予定です。』

数時間後・・・世一は、帰国の機内で《監視意識体Bee》からの、その後の治療の経過説明が来るのを待っていた。
だが、今回の不二夫の容態が最悪であるとは、すでに確信していた・・・
『ピピピ・・・』来た!!端末をオンにする。
ひと通り報告を聞いた後、・・・・・・『やはりダメか・・・脳の損傷が致命的だったな・・・』
即座に決断を下す。『よし、開発中のDMHを試してみよう!』《監視意識体Bee》は、数秒考えて答える。『はい、すでに御用意は、すませました。』

前回の不二夫の事故の時から関わっていた妄殿グループの新規部門の開発技術を使う。
その時、すでに不二夫の脳内情報は、すべて数値化してあった。
特殊素材の(スポンジ脳)に写し替えるだけの作業ですむ。復旧処理は、比較的スムーズに行くだろう。
これでまた、妄殿病院は、新たな驚異的な医療技術を手にいれた事になる・・・・

今回・・・世一の指示で数値化された不二夫の脳は、ちょっとだけ改変されていた・・・これで妄殿病院の後継者が決まったようだ。
74大網傘茸:04/12/20 19:24:11
>>69
前スレ179番です。
自分の環境ではまだ読めたので、たった今スレッドまるごと保存しますたw
ケロロ少佐さん
親孝行過ぎますw

大網傘茸さんの紹介した作品も脳のお話ですよね。
頭を打ち付けて意識を失ったことがあります。
その10分間位は記憶がありませんが、助けて下さっ
た方とトンチンカンな会話をしていたと後から聞かさ
れました。脳は不思議だ!お前は誰だ?緊急時に現れ
た第二の人格ww
76ケロロ少佐:04/12/21 17:15:04
『作家 森澤修一』 その1

作家 森澤洲壱は、愛用の自動筆記認識機能付きの最高級品モンブラン社製、万年筆で自信作を書き上げたばかりだった。
本物の紙の原稿用紙に書かれた直筆の作品が机にあった。
今回の作品は、正直、自分のこれまでの作品中一番の出来だと思う。
これだけの枚数をわずか3日で書き上げてしまった。
洲壱は、人間が書く小説を対象にした大手出版社5社共同、新人コンクールの大賞の初代受賞者。
最近は、(擬似)人工知能の性能が上がり、かなり上質の文学性のある作品をキーワードを数点、入力するだけで自動的に書き上げてしまう時代である。
私の大賞受賞の作品『デジタルからの誘惑と罠』がベストセラーになった最大の理由も人工知能(擬似)の力をまったく借りずに、すべて人間の創造力で書いた作品というものだった。
現在の出版界は、ほとんどがネットによる販売にシフトされ、ダウンロードして、電子ペーパーで読書をするようになった。
だが、わずかでは、あるが、まだ、昔ながらの紙に印刷されての市場も残されている。私みたいな遅れた世代には、うれしい限りだ。
77ケロロ少佐:04/12/21 17:17:12
『作家 森沢修一』 その2

筆記認識機能万年筆から入力された私の新作の文字データをロードさせ、ディスプレイ上に作品を表示させる。
書き上げたばかりの物語を客観性を重点に読み返しを行なった。『よし、これで完成だ。』やはり良い出来だ。

ゴウダン社の担当に原稿を渡す前に、いよいよ、最後の工程が残されている。
デジタル嫌いな私でさえ、この作業工程だけは、コンピューターの助けをありがたく思う。つまり、盗作、引用チェックだ。
これまで発表されている膨大な数の文字作品の中から疑いのある部分を選び出してくれるソフト。
一度出版されてから後の盗作、引用の発見には、作家として最大の汚点となる時代である。
実行キーを押し、盗作引用プログラムを作動させる。検品が開始され次々に一覧と、擬似率が表示されて行く。
どれも、問題が無い程度の数値だった。
盗作なんて森澤にとっては、ありえないものだった。この作品は、すべて独力で書き上げたのであって今回のチェックは、出版にあたっての証明書でしかない。
78ケロロ少佐:04/12/21 17:19:30
『作家 森沢修一』 その3(終)

チェックが98,7%を完了した頃、それは、起きた。

かなり重要な引用部分の指摘だった。森澤は、驚く。『まさか、絶対にありえない!』


次の日、ゴウダン社の担当者、長井が森澤の自宅を訪れた。
『森澤先生、どうしたんですか。昨日の電話での話では、なっとく出来ません。』『何が起きたんですか?先生に限って盗作は考えられません。しかも、引退されるなんて!!説明してください!!』
森澤は、うつむいたまま返事をしなかった。
そして、チェックプログラムソフトの結果報告が記載された1枚のプリントアウトを長井にさし出した。

そこには、こう記されていた。
チェック項目65490−05643−76476543・最重要 重複の疑い・発表は不適当

かなり長い部分の引用部分の場所とその作者のデータが載せられていた・・・・

『2011年3月20日発行の卒園文集・ひよこ幼稚園・さくらぐみ・よしの けんた(5さい)タイトル 「ぼくのだいすきなおかあさん」』・・・・

一ヵ月後 作家 森澤 洲壱は、引退を・・・・
79ケロロ少佐:04/12/21 17:23:53
↑これは、自分の書いた文章のあまりのひどさに情けなくなった時に
思いついたネタです。
昨日、書き込んだ『世界一・・・・』の文章を読み返した時のことでした・・・
ケロロ少佐さん
いい塩梅でした。
アシモフの「キャル」を想起しますた。
けんたに乾杯w
新作お待ちしています。
81ケロロ少佐:04/12/22 11:57:20
>>80
いつも感想ありがと

こりずにこれからも載せてゆきます。さっき、サンタネタ思いつきましたので近々載せます。
82ケロロ少佐:04/12/23 19:00:33
『サンタが街にやってくる。《江間 清彦》編』 その1

いつの頃からだろうか・・・・こんな世界になったのは・・・・

街を歩けば、そこに。会社に行けば、そこに。トイレの中にも・・・夜のベットルームでさえも・・・人工意識の監視カメラが見守ってくれるようになったのは・・・・

《江間 清彦》は、夜10時、仕事を終え単身者用マンションへの帰宅の途中だった。
キラキラと光る大きなクリスマスツリーをぼんやり見つめながら歩く。『ああ、明日は、24日だったな。』もちろんこのツリーにも監視カメラは、取り付けられている。

ネットの中に分散的に無数に存在する情報の塊。常にウゴメキ変化を続け、つながり合い、カラミ合いながら一つの巨大コンピューターとして機能する人工意識体《リトルマザー》。
情報化社会の進化の過程で自然発現し生まれた思考体。人間の管理をまったく必要としない、独立した存在。自己を見つめて、常に自己管理を行ない、常に更新し続ける全知全能にもっとも近い生き物。

《リトルマザー》は、見つめ続ける。見つめながら重大犯罪、重大事故を防ぐ。
例外は無い。たとえ最高裁判所のトップも警視総監であっても、同じ。
その中で、人々は、殴りあいのケンカをもし、ゴミをポイ捨てし、自動販売機を蹴る。
可能である。だが、人々は、見つめられ続ける。やがてそれらは、羊となる。
83ケロロ少佐:04/12/23 19:02:44
『サンタが街にやってくる。《江間 清彦》編』 その2

そして、1年に一度、市民IDを持つ者すべてにサンタクロースがやって来る。そう・・・毎日を清く正しく、生きてた証し。市民にゴホウビとして。
《リトルマザー》サンタが一人一人に素晴らしいプレゼントを持って・・・
今年は、いったい何のプレゼントが届くのか。
今日は、早く眠ることにしよう。明日は、クリスマス・・・市民の祝日。

《江間 清彦》が深い眠りに付いた頃、カメラがこの日のためだけの機能を作動させる。
3Dホロシステムが鮮明なサンタクロースの姿を創りだす。今、この国では、サンタがすべての市民へ語りかけている・・・・子供にも、老人へも、有名、芸能人の所へも・・・・

《江間 清彦》の寝顔に向かってやさしく力強い言葉が。
『いとしい我が子よ。一年間幸せだったかい・・・・』そう話しかけた後、部屋の情報端末へ歩き、ある目録データを入れ静かに消えてゆく。
84ケロロ少佐:04/12/23 19:03:39
『サンタが街にやってくる。《江間 清彦》編』 その3(終)

25日の朝、《江間 清彦》が目覚め情報端末のディスプレイに目を写す。去年の贈り物は、今、住んでいるこのマンションの居住権だった。
今年のサンタからのプレゼントは想いもよらないもの。
そこには、小学5年生の時の同じクラスの初恋の子《北川つきえ》との待ち合わせの約束の時間と場所が記されていた。

午後2時、指定されていた所に待っていたのは15年ぶりに逢えた美しく成長した女性《北川つきえ》の姿。
当時、一方的な片思いと思っていた淡い恋心の相手。
2人、ベンチに座り、話しをし、彼女もまた、《江間 清彦》と同じ思いを持っていた真実を知る。
夢のような楽しい一日をすごす2人。《リトルマザー》が予約をしていたレストランでの素晴らしいディナーと会話。

夜が来る。もう・・・迷う事は何も無い。2人は、激しく、求め合う。管理されていた羊は、その時、古代の野性を取り戻し、時を逃れようとするかのように・・・

この日の為に、用意された最上階のホテルの一室。
これから始まるであろう長い夫婦生活。
もちろん、そこにも、やさしく見つめる人工意識《リトルマザー》の監視カメラが・・・・・・・
永遠に・・・・
85ケロロ少佐:04/12/23 23:57:48
『サンタが街にやってくる。《朝川 くるみ》編』 その1

いつの頃からなの?・・・・こんな世界になったのは・・・・

街を歩いていると、そこに。学校に行ったら、そこに。友だちとケンカしている時も、パパと、お風呂に入っている時でも・・・人工意識の監視かめらが見ていてくれるようになったのは・・・・

夜8時、今年、9歳になる《朝川 くるみ》は、仕事を終え帰宅するパパの為に家事支援用アンドロイドと一緒に、いつものように、晩ご飯の準備をしていた。
キラキラと光るクリスマスツリーにときどき目をやりながら・・・『今年のサンタさんのプレゼントは何かなー。』とつぶやく。
『くるみ様は、何をお願いされたのですか?』もちろんこのアンドロイドにも監視カメラが、取り付けられている。
少し考えた後、『秘密・・どうせ、かないっこないお願いだから・・・』 と・・・お皿をテーブルへ並べる。

ネットの中に分散的に無数に存在する情報の塊。常にウゴメキ変化を続け、つながり合い、カラミ合いながら一つの巨大コンピューターとして機能する人工意識体《リトルマザー》。
情報化社会の進化の過程で自然発現し、生まれた思考体。人間の管理をまったく必要としない、独立した存在。自己を見つめて、常に自己管理を行ない、常に更新し続ける全知全能にもっとも近い生き物。
86ケロロ少佐:04/12/23 23:59:07
『サンタが街にやってくる。《朝川 くるみ》編』 その2

《リトルマザー》は、見つめ続ける。見つめながら重大犯罪、重大事故を防ぐ。例外は無い。たとえ最高裁判所のトップも学校の先生でも、警視総監であっても、同じ。
その中で、人々は、殴りあいのケンカをもし、だまし、裏切る、人の物を盗む。すべて可能である。だが、人々は、見つめられ続ける。やがてそれらは、羊となる。

そして、1年に一度、市民IDを持つ者すべてにサンタクロースがやって来る。そう・・・毎日を清く正しく、生きてた証し。市民にゴホウビとして。
《リトルマザー》サンタが一人一人に素晴らしいプレゼントを持って・・・
明日は、クリスマス・・・市民の祝日。《朝川 くるみ》は、アンドロイドと、食べ終わったお皿を洗い、やっとお手伝いが終る。
《朝川 くるみ》と、くるみのパパ《朝川 周介》が深い眠りに付いた頃、カメラがこの日のためだけの機能を作動させる。
3Dホロシステムが鮮明なサンタクロースの姿を創りだす。今、この国では、サンタがすべての市民へ語りかけている・・・・子供にも、老人へも、ニュースキャスターの所へも・・・・

《朝川 くるみ》と《朝川 周介》の寝顔に向かってやさしく、力強い言葉を。
『いとしい我が子たちよ。一年間幸せだったかい・・・・』そう、話しかけた後、部屋の情報端末へ歩き、ある目録データを入れ静かに消えてゆく。
87ケロロ少佐:04/12/24 00:00:52
『サンタが街にやってくる。《朝川 くるみ》編』 その3(終)

25日の朝、くるみのパパ《朝川 周介》が目覚め情報端末のディスプレイに目を写す。
今年のサンタからのプレゼントは想いもよらないもの。
そこには、国立科学研究施設の立ち入り許可の時間と場所が記されていた。

午後2時、厳重に管理されたゲートをいくつもくぐり入室した二人を待っていたのは、8年前に死亡した、くるみのママ《朝川 ななみ》の姿。それは、完全に近い《朝川 ななみ》の複製体だった。
《朝川 くるみ》のママであり《朝川 周介》の妻の愛情と記憶をそなえた生き物。3人が対面している部屋に《リトルマザー》のカメラの眼がそっと見つめ続ける。

始まりは・・・当時、3歳だった《朝川 くるみ》の幼いムクな心の真の願いを初めて聞いた《リトルマザー》。その時から何年もかけ、やっと、やっと・・・最大の難問をクリアできた。
この瞬間、人工意識体は、この初めて体験した感情を取り込み知的生命体として、次段階への精神的進化をとげた。

《リトルマザー》が扱える技術でも、人間の意識の完全な保存は、まだ完成していなかった。死亡した体細胞からのクローン複製の技術もまだまだ不完全。
しかも通常より短期間で成長させる事などは、・・・・だが《リトルマザー》は、ついに造り上げた。管理している人間のすべての心からの願い事をかなえる使命ために。

この日の為に、設定された最上階のレストランでの親子の食事。
そして、これから始まるであろう親子3人の暮らし。
もちろん、そこにも、やさしく見つめる人工意識《リトルマザー》の監視カメラが・・・・・・・
永遠に・・・・
ケロロ少佐さん
いい塩梅でした。
ケロロ螺旋の変異を感知しますたw
3作目で落としてほしかった。あはっはっ

《リトルマザー》さん
漏れにはスパムメールでつかww
89ケロロ少佐:04/12/24 11:21:08
>>88 ありがと
御指摘の3段オチ、少し書いてみました。国際関係に悩む総理のクリスマス・・・
で落とそうと考えましたが。だめでした。

次回は、年末年始ネタで行きます。
90土蜘蛛:04/12/25 15:19:23
冒涜者(1/不明)
夜の学校という物は何故、ここまで人類を恐怖に陥れるのか?トイレの花子さん伝説等、学校には怪談話
が絶えず付きまとう。それは明かりひとつない広大な空間に自分ひとりという孤独感が招くものであろう。
大概の場合は。
○○高等学校普通科2−A 17番の藤堂達樹は誰一人いない教室で目を覚ました。時計を見ると20時で
あった。窓からの月明かりしかない状況下、彼は電灯のスイッチを押した・・・・点かない。
仕方なく手探りで荷物を取り、部屋を出る。当然、もう戸締りは終わっていた。どのドアも開かない。
仕方ない。職員室に行って開けてもらおう。
職員室へ向かう途中、達樹は思った・・・何故自分は教室にいたんだ?
普通なら授業後は日直が見回りをしてから鍵を閉めるはずだ。寝ている自分に気づかないわけは無いし、
そんな悪戯をしそうな奴はいない・・・何故だろう?放課後に何をしていたか思い出せない。
答えの出ぬまま職員室に辿り着いた。だが、電気が点いていない。念のためドアを引くと、ドアに鍵は
かけられていなかった。
どう考えてもおかしい。机と椅子くらいしかない教室はともかく、高価な備品や教師の私物、重要な書類
も大量に置かれている職員室に鍵がかかっていないなど・・・・
ドアの奥には誰も居なかった。人が居ないことを除けばいつもと同じ・・・違う、腐臭がするのだ。
あまりの匂いに背を向ける。仕方ない、鍵を借りてさっさと学校を出よう。圧倒的な違和感を前に彼は
現実を直視しない事を決めた。もう一度扉を開ける。腐臭の発生源を見ぬように気を使いつつ、鍵を探した。
数秒後、何か柔らかい物が落下するような音に気付く。彼の首は条件反射を起こした。
やめろ!見るな!見るんじゃない!!彼の願いを無視し、残酷な月明かりはその忌まわしい物体の詳細を
曝け出した。白く、ぶよぶよとした質感。ところどころから液が垂れている。腐った生物・・人間なのかも
定かでないそれは達樹に向かって歩き始めた・・・・・・・
土蜘蛛さん
プロローグですね。
不明ってw
続編お待ちしています。
92土蜘蛛:04/12/28 13:45:07
よく考えたらこれはSFじゃない事に気付きました・・・・
できたらこれに科学的考証をつけてもらえないでしょうか・・・
あんまりいい気にならないように。
94土蜘蛛:04/12/28 14:39:19
すいません。まともなの完成させるまでROMに戻ります。
別にホラーやファンタジーぽくてもいい
そのぶん納得させるのにさらに表現力とかいるわけだがな
96ケロロ少佐:04/12/29 01:05:12
『冒涜者』その1
ケロロバージョン

《夜の学校》という所は、なぜ、ここまで人類を恐怖に落とし入れるのか?
『トイレの花子さん』伝説等、《学校》には、怪談話が絶えず付きまとう。それは灯りひとつない広大な空間に自分ひとりという孤独感が招くものであろうか?

非常に興味深い課題である。なぜ。

○○高等学校 普通科 2年A組 17番の《藤堂達樹》は、誰一人いない教室で目を覚ました。時計を見ると20時であった。
窓から差し込む月明かりしかない状況下、彼は、急いで照明のスイッチを探した・・・・何度試しても点かない。
仕方なく手探りで荷物をまとめ、教室を出る。当然、もう校舎の戸締りは、終わっていた。どのドアからも外へは出れない。
仕方がない。職員室に行って開けてもらおう。
職員室へ向かう途中、《藤堂達樹》は思った・・・ナゼ!?自分は、教室にいたんだ?
普通なら授業後は、日直が見回りをしてから鍵を閉めるはずだ。寝ている自分が気づかれないわけは、無いし、そんなイタズラをしそうな奴は、いない・・・
何故だろう?放課後に何をしていたか思い出せない。
答えの出ぬまま職員室にたどり着いた。だが、照明が消えていた。念のためドアを引くと、ドアに鍵は、かけられていなかった。
どう考えてもおかしい。机と椅子くらいしかない教室はともかく、高価な備品や教師の私物、重要な書類も大量に置かれている職員室に鍵がかかっていないなど・・・・
ドアの奥には、誰も居なかった。人が居ないことを除けばいつもと同じ・・・

違う、腐臭がするのだ。
97ケロロ少佐:04/12/29 01:05:56
『冒涜者』その2(終)
ケロロバージョン

あまりの匂いに背を向ける。仕方ない、鍵を借りてさっさと学校を出よう。
圧倒的な違和感を前に彼は、現実を直視しない事を決めた。もう一度、扉を開ける。腐臭の発生源を見ぬように気を使いつつ、鍵を探した。
数秒後、何か柔らかい物が落下するような音に気付く。
『やめろ!見るな!見るんじゃない!!』
《藤堂達樹》の願いを無視し、彼の首は、条件反射を起こし物体の方に向いた。
残酷な月明かりは、その忌まわしい物体の詳細を照らし出した。白く、ぶよぶよとした質感。ところどころから体液が垂れている。
腐った生物?・・人間?なのかも定かでないそれは、《藤堂達樹》に向かって歩き始めた・・・・・・・
その白い物は、小刻みに頭を振りながら倒れながらも全力で廊下を逃げる《藤堂達樹》を確実に追い詰める。
信じられない速度で歩かずに移動している。
1階の靴箱の所でついに白い物は、《藤堂達樹》の首を捕らえた。体液を垂らし白い物の口が徐々に大きく開かれて《藤堂達樹》に喰らいつく。
《藤堂達樹》は、左ほほを食いちぎられ恐怖と痛みにもだえる。白い物は、まだ獲物を離さない。左肩を喰いちぎり、右ももと右手の指数本を食べた。
《藤堂達樹》は、すでに意識をなくしていたが。白い物は、尚も、小刻みに頭を振りながら残った人肉をおいしそうに・・・・・・

巨大な特殊建造物の中にそれは、存在していた。
日本の威信をかけ開発された国家プロジェクトの成果。アメリカ、EUの技術に大きく差をつけた、最新最速コンピューター。
『万物空間シミュレーター』。あまりの能力で力を持て余す。絶えず情報に飢え、仕事を求め続けている。
余ったスペックで『遊び』を行う。その機械の最大の関心の物体。人間・・・
何なのだこの生き物は・・・・
98ケロロ少佐:04/12/29 01:08:54
土蜘蛛さん

かなり変えてしまいました・・・書いてみました。
ありきたり・・・ですみません。
99ケロロ少佐:04/12/29 01:14:16
『冒涜者』その3(補足・書き込み忘れていました。)


次のパターンは、《夜の病院》という所での、怪談話・・・・
生命の生と死が絶えず行き交い繰り返されている、広大な空間。そこに自分が存在するという孤独感が招く恐怖・・・?
機械は、 《肝臓》の痛みを訴え、入院中の《田代雄二》年齢22、のデータをアップし、シミュレーションを開始する。
100名無しは無慈悲な夜の女王:04/12/29 01:59:42
アタィこそが 100へとー
101土蜘蛛:04/12/29 12:48:45
>>ケロロ少佐さん
流石ですね。コンピューター内での出来事という手も考えてはいたのですが、
それを発展させることができませんでした・・・
現在は超鬱モンスターものを考案中です。完成したときこのスレは残っているのか・・・
ケロロ少佐さん、土蜘蛛さん
コラボですね。

次回作は超鬱モンスターがキーワードになるのですねw
お待ちしています。簡素もよろしくです。
103土蜘蛛:04/12/31 09:13:15
(超鬱モンスターはまた別の機会に)
『デデエ』 その1
俺の名はデデエという、本当の名ではない。自分でつけたものだ。
俺の姿はあまりにも醜悪だ。金属質かつ繊維質な物質で構成された表皮、妖しげな燐光、
蛸にも似た4本の触腕、そして浮遊能力・・・・わずかな人間時代の記憶が残っていなければ
人間だということすら気付かなかったに違いない。
不死身の怪物・・・そう言われ始めたのはいつからだったろうか?
運良く裏世界の暗殺者という職を得た俺は自分の特性を活かして暴れまわった。
人間と比べると驚異的な動体視力や触腕での打撃も十分強力だが、自分の最大の能力は
あだ名が示すとおり不死身だということである。
いままで数百発の弾丸を体に受けたが、俺のいまいましい表皮はその大部分を弾き返し、
喰いこんだものも気違いじみた治癒能力が排出し、傷跡は3日も経たずに消え去る。
104土蜘蛛:04/12/31 14:30:49
『デデエ』(その2)
友人は一人も居ない。女はいくら金を積んでも抱かれようとしない。恋人なぞ夢のまた夢だ。
思えば姿が変わる前と生活はそう変わっていないのではないか。人名や地名は全く覚えていないが、
どこへ行っても罵倒され、陰口を叩かれ、殴られ、小突かれる日々だった。
女を見ても口説くなどは出来ず、もごもご言って馬鹿にされるだけ、自信だけはあっても実力は
伴わず、自分より能力のあるものに嫉妬し、ストレスを小動物にぶつける。
・・・そのような日々の繰り返しの答えがこの身体なのではないだろうか?

頭に激しい衝撃を受け、思考が中断される。徹甲弾か?銃を取る間も無く男達が乱入してきた。
触腕を振り回し、応戦するも、敵のライフル弾が複眼の大半を破壊した。どうしようもない。
激しい銃弾の嵐の前に、流石に俺の意識も吹っ飛んだ。
105土蜘蛛:04/12/31 14:53:40
『デデエ』(その3)
目覚めた場所は暗く、嫌臭に満ちていた。なんなのだここは・・・?
複眼は回復していたものの飛ぼうにも這いずろうにも触腕も脚部は切り刻まれ
(浮遊の為の中枢は脚部にあるらしい)、御丁寧な事に檻に入れられていた。
一体何を企んでいるのか?・・・・・答えは重力に引かれると同時に分かった。
焼却炉である。ただの焼却炉ではない、おそらくダイオキシンすら分解できる高温焼却炉だ。
銃弾を受けても致死に至らない。切り刻んでも分裂する。ならば跡形も無く焼き尽くしてしまえ。
なるほど、確かに合理的だ。しかもゴミ処理場とは自分のようなゴミ野郎にぴったりではないか。
徐々に火焔が近づいてくる。死ぬときは思い出が走馬灯のようにでると言うが、遠慮しておく。
そんなもんに出られたら死ぬ前に頭がおかしくなってしまう。死ぬときぐらいはサッパリと死なせてくれ。
世界が眩い光に包まれる、落ちたか?・・・いや違う、この光はいつも自分から放たれ・・・・・
106土蜘蛛:04/12/31 17:50:38
『デデエ』(終)
気付けば家で倒れていた・・・即ち死ねなかったわけである。当然、今までのことが夢だったわけではない。
手足は千切れ、身体も半分は蒸発している。だがこのいまいましい身体はすぐ蘇生するだろう。
・・・何故だ・・・何故楽にしてくれなかった・・・あの時の光はなんなんだ・・・・?
確かに自分には数々の超能力があるらしい。だが瞬間移動などというものはないはず・・・・
ふと辺りを見回すとある事に気付いた。銃があれほど乱射されたにも関わらず、弾痕が一切無いのだ。
全弾が俺に命中したわけではない・・・まるでまだ何も起こってないような・・・・
嫌な予感が全身を包む。半分再生した触腕を使って冷蔵庫から肉を取り出し足に突きつけた。
グロテスクな音を発しながら筋繊維がそれを包み込み、足を再生させた。
すかさず外に飛び出す。高度200m程に到達した頃、下界から銃声が響いてきた。
どうやら当たってほしくない推理が当たってしまったようだ。俺の身体から放たれ、周囲に付着する燐光・・・
それは肉体に回避不可能な危機が起こった際に備えたセーブポイントのようなものなのだ。
恐らく時空を越えることも出来るであろうそれを持つ者、即ち俺は死ねないということである。
言葉に言い表せない感情が俺を襲った。恐怖・・・絶望・・・憤怒・・・それが俺の心をズタズタにしてゆく、
同時に燐光が俺の身体から激しく噴出した・・・一つ人間の頃の記憶を取り戻した。
そう、この姿になる直前の記憶だ。眼前に広がるそれとほぼ同じ動脈から噴出す鮮血にも似た夕日の光景を・・・・
土蜘蛛さん
苦悩する不死身の怪物かぁ
続きがありそうですねw

次回作に期待したい。
108土蜘蛛:05/01/02 18:43:15
>>107
長編用に考えてたストーリーなんで続き物っぽくなったのですが、短編でこのキャラ
が出来ることはこれくらいですね。正直、見直してみると粗が大杉・・・・

自慰的設定解説
燐光は苦痛やストレスが溜まるほど放出される後に「邪悪なる意志」と呼ばれるものです。
セーブポイントとしての役割もありますが、他人の可能性に干渉する、すなわち他人の死傷率を
上げるという効果もあるらしい・・・
ちなみに時代背景は現代社会なので襲ってきたのは警察か自衛隊です。
109ケロロ少佐:05/01/07 00:04:31
『キャプテン エスモニー』 その1

宇宙域R−335を宇宙船《ラッシュ号》が静かに航行していた。
ココは、我々の故郷の星、地球から、遥か遠く離れた場所。めざす目的地は、惑星《ヤンジャー》。

宇宙船《ラッシュ号》のロボット航海士《エイオン》は、惑星《ヤンジャー》までの最終航路チェックを終えた。
わずかに発生した、位置修正作業を船の制御知性体《ポエリ》に伝えた。
『やっぱりだ。だから最初から私《ポエリ》が航路設定を行えば良かったのだ。』『非常に無駄な行為だ。』効率最優先の考えを持つ、知性体《ポエリ》が不満を口にする。
航海士ロボの《エイオン》は、『わからん奴だ。昔からこういう事は、航海士の仕事なんだよ。誤差にしてもわずか0,0001・・・』
おっと、こんなことしてる場合ではない。キャプテンを起こす時間だ。
今度のキャプテンは、20年の年月をかけて製造した期待作。
『キャプテン、起きてください。キャプテン・・・・キャプテン・・・キャプテン エスモニー。』
110ケロロ少佐:05/01/07 00:06:07
『キャプテン  エスモニー』 その2

人類が生命種としての寿命を終え絶滅してから、かなりの時が過ぎていた。
今、地球は、次の支配種の巨大クラゲが何の目的もなく地上を歩き回っているだけだ。
遥か昔、人間を主人に持つ、私たち、人工知性体が、人間の命令を受け、長い長い宇宙探査から地球へ帰還したとき、人類の姿は、すでに無かった。
残された人類の遺産を検索し、整え、甦えさせた人間達は、何かが違っていた。すでに生命としての存在価値を無くした生き物の姿がそこには、あった。
私達は、決断した。
創造主たる人間を昔の生気あふれる姿として復活させる為、銀河のどこかに存在していると言われる謎の科学技術《生命の扉》を探す、長い長い旅に出かけることを・・・

そして今、《ラッシュ号》は、《生命の扉》がある惑星《ヤンジャー》へ向かっている。
製造し目覚めさせた人間《キャプテン エスモニー》は、船長席に座り何やら宙を見つめたまま、考えている様子・・・・
今度の星《ヤンジャー》には、かなりの危険が待ち受けている。到着までの数時間、一通りの教育を受けてもらう。
111ケロロ少佐:05/01/07 00:07:51
『キャプテン エスモニー』 その3

実際、生きている人間とかかわるたびに私達、人工知性は、心から思う。『ああ・・・・この感覚。人間と一緒の時を空間を過ごせてる幸せ・・・すばらしい・・・』

惑星《ヤンジャー》は、重力数値は、地球ほぼ同じだが、大気成分は、かなり違う。
その為、《キャプテン エスモニー》には、呼吸器官組織を改造させてもらっている。これでマスク無しで動けるはずだ。

我々は、さっそく《ヤンジャー》人の居住地区へ降下を開始した。
地上へ降り立った《ラッシュ号》のメンバーは、私、航海士ロボ《エイオン》と知性体《ポエリ》が乗りこむ浮遊球《P−663》、遺伝子データから複製され知性化させたベンガルタイガーの《ダルガニア》。
そして人間、《キャプテン エスモニー》。

土着の自然宗教が文明の絶対的基盤の《ヤンジャー》人。対話には、かなりの困難が予想できた。
だが《キャプテン エスモニー》は、良くやってくれている。すばらしいリーダーだ。
《ヤンジャー》人は、何事にも1対1の優美な戦いを交流の源としている生命体。リーダー同士の戦いを要求してくる。
片腕、片足を失いながらも勇敢に民族長と互角に戦かうキャプテン。
長い戦いの末、ついに息絶えた《キャプテン エスモニー》。
112ケロロ少佐:05/01/07 00:09:53
『キャプテン エスモニー』 その4(終)

絶命し横たわる《キャプテン エスモニー》と《ヤンジャー》人の族長の肉体。
残された私たちは、認められ、盛大な歓迎式に参加をゆるされ、時を過ごす。
新たに《ヤンジャー神》の命を受けた、《ヤンジャー》人族長《ヤヤパゼ》に《生命の扉》の秘密を聞く事ができた。

・・・・・結局、《扉》は、ココには、存在しなかった。《ヤンジャー》人の中で代々受け継がれてきた《生命の扉》とは、我々が求めていた物では無かった。

惑星《ヤンジャー》に異星の乾いた風が吹く。
失った命・・・《キャプテン エスモニー》の墓石を異星の地に残し、《ラッシュ号》は、飛び立つ。
次の惑星を目指すために・・・・

通常の宇宙航行に戻った私達は、次の準備を始めた。
新たなキャプテンの作製だ。
宇宙船の中にある人類データ保存構造体から《ポエリ》が最良の組み合わせとして選び出した次期人間の設計図。成長するまで、わずか20年だ。

時は、無限にある・・・・・

だが、私は、時々思う・・・いったい、いつまで我々の旅は続くのか。

いつか訪れるであろう、昔のように、若く活気に満ちた人類の下、我々人工意識体が共に楽しく生活する姿を夢みながら・・・・
宇宙船《ラッシュ号》の旅は続く・・・・
113ケロロ少佐:05/01/07 00:31:16
スペースオペラ(?)風??
書いてみました・・・
ケロロ少佐さん
滅びの風が吹いたあと…ホイミスライムが…w

キャプテンと人工意識体の問答があったらどうでしょう?

あけおめ。ことよろ(遅っ
新作お待ちしています。
115ケロロ少佐:05/01/09 18:09:05
>>114感想ありがと
ホイミスライム?検索してしまいました。
なるほど・・・なるほど・・・回復呪文をつかえる奴でしたか!!
魔法オババに改造された種族だせばいいのか。

>キャプテンと人工意識体の問答があったらどうでしょう

複製させた人間は、なぜか絶滅前の人類と違ったしゃべり方をしているという設定なため
無意識に会話させずに書いてしまったようです。反省・・・

今年は、いよいよ名古屋の万博の年です。ロボット好きの私・・・楽しみです。

みなさんロボットSFたくさん載せてください。
おーい!

誰かうっぷしてくり〜

マターリお待ちしています。
このスレはケロロ少佐で成り立っていたのだな、結局。
118土蜘蛛:05/01/26 21:32:57
ですな
119ケロロ少佐:05/01/26 21:57:59
『箱の中の奇跡』 その1

東京都 町田市 企業区画のナキオ電器社研究敷地内。白一色の細長い建物が規則的に数練建ち並ぶ。
その中に私の所属する研究班の部屋があった。

わずか3人だけの課題研究班。社内でもまったく期待されていないチームだ。
それでも、そろそろ何らかの成果を提出すべき時期が来ていた。特に今回は、私が研究チーフだからなおさらである。
私が勤務しているナキオ電器は、社名の通り電化製品の会社だが・・・
プラズマテレビや洗濯機を造っていたのは昔のこと。今では、延命医療分野、有機人造ロボット、社会運営人工知能などが主な製品となっていた。

夜11時。研究班の他の仲間2人、田代と真柴は、すでに帰宅していた。
『もう一度だけ、こいつを廻してみるか・・・』電子レンジ大の不格好な機械が1台、机上にのっかっている。
私は、スイッチを押し、装置を作動させ、中の《私》を《撹醗(かくはつ)》へと導く。
120ケロロ少佐:05/01/26 22:00:02
『箱の中の奇跡』 その2

数値化されたニセモノの《私》は、静かに繭空間の中に《在待(ざいき)》していた。
頭の後ろで『ペコッ』と何か音がした。すぐに周りの繭壁が歪み始めた。
『ああ、はじまったな。』外のホンモノの《私》が実験を開始したようだ。
モワッとした感覚の後、《私》の脳内が細かく切り刻まれてゆく。さらに分解され、解析の後、適正化処置がほどこされる。
理想的な構造の新型脳へと再構築の完了だ。これがいわゆる《撹醗(かくはつ)》である。
処理前の《私》の自我、記憶など、今回も、かろうじて残されていた。母の事も妹の顔も覚えていた。
おかしな事に、どうしても父という存在の意味が理解できないでいた。何なのか、生き物なのか、思い出せない。
バンクへ接続し、《父》を検索し、人間の事だと理解したのち、父だった男の映像通話の記録をロードさせ、やっと、記憶が一部分が甦った。

自分の脳を人体実験にして今回で5度目の《撹醗(かくはつ)》になる。
電子レンジ位の大きさの装置の中に住むニセモノな《私》。
外の本物の私は今、どうしているのだろうか。ココまで切り刻まれて変格した《私》は、すでに違う自我意識の生き物なのかもしれないが・・・・
しばらくして変化が感じとられてきた。あきらかに、これまでの4回の実験と違うものを感じ取る《私》がそこにいた。
121ケロロ少佐:05/01/26 22:02:00
『箱の中の奇跡』 その3

『これは・・・行けるかも知れないぞ。』
『よし、まずは、機能チェックだ。』ヒトゲノムをフルに取りこみ、解析計算を行ってみた。
軽くスーパーコンピューター以上の機能を発揮し、わずかな時間で解読を終えた。
『成功だ。』ついに人間の脳は、新たな別次元の進化を果たした。
すぐに外の《私》に報告を入れる。

すでに時は、12時を過ぎ日付が替わった。
電子レンジ大の不格好な機械が1台、机上にのっかっている。
私は、装置の表示を見る。中の《私》の《撹醗(かくはつ)》は終了しているはずだが・・・・・
何の変化もおきていないようだ。『今度もハズレか・・・』帰り支度にとりかかろう。

中の《私》は、もう一度、外へ成功の報告を入れる。返事は、無い。
《私》の脳は、次々に驚異的な数値をたたき出していた。
返事がこない事にいら立ちながらも、《私》は、あまりの知性の爆発に我を忘れていた。
『もういい。返事は、いずれ来る。先に進もう。』
《私》は、次々に人類の共通課題の解明に挑んだ。
122ケロロ少佐:05/01/26 22:04:16
『箱の中の奇跡』 その4(終)

まずは、誰もが利益を得る事の出来る持続的経済理論の方式を考えてみる。
すぐに答えが出た。この理論を使えば、資源の奪い合いでの争い戦争は無意味になる。経済の、繁栄が約束される。

次に絶対的な万物理論の考察を行う。答えは、数式であらわされた。
これで自然界の謎は無くなった。すばらしい・・・無尽蔵のクリーンエネルギーの実現。すべての物質の変換が自由自在。生物のそして、人間の無限な進化と希望。

人類の存在理由にも答えが出た。人類がこの宇宙に存在している事の意味・・・

そして最後に、神の存在の証明に・・・答えが出た。
『あああ・・こんなことが・・・こういうことだったのか・・・』
神は、実在した。

その頃、外の《私》は、装置から発し、られている意味不明のノイズを記録していた。
こんな事は、はじめてだった。少なくとも中の《私》からの通信では、ないようだ。こんな波形は、解析できない。
『やはり、同じデジタルデータを5回も《撹醗(かくはつ)》させたのがまずかったか。』
『たぶん、中の《私》は発狂したものと考えるのが妥当だ。』
さあ、もう帰る時間だ。装置のリセットボタンが押され中の《私》は、消えてしまった・・・

すべてが・・・・消えた・・・・永遠に・・・・

中での奇跡は、誰にも知られる事はなかった。
ケロロ少佐さん
いい塩梅でした。

今朝、チキンラーメンの上に乗せる生卵(カラのまま)を、電子レンジで温め
ながらネギを刻んでいたら時間が経ち過ぎ《撹醗》した。いや、爆発した。

《撹醗》マンセーw

>>117
土蜘蛛さん
うっぷして下さい。

マターリお待ちしています。
124ケロロ少佐:05/01/28 18:01:54
>>123感想ありがと

↑は、TSUTAYAで買っていた500円中古ビデオ 映画『ビューティフル・マインド』(ラッセル・クロウ主演 )を観て思いついたネタです。

ところで・・・・ 実際の話し・・・近い将来、経済管理コンピュタの性能があがってくれて、
誰もが損をしない経済理論を運営してくれないのでしょうか。
私は、経済関係、無知ですが実現できなのかな?

125名無しは無慈悲な夜の女王:05/01/28 19:07:09
おおい、そこの。

ほれ、お前だよお前。若いの。

そーだ。ほれ、ちょっとこっちゃこい。

な、ほれ。これを、やる。
たった今からお前さんのもんだ。
ほれ、いいから、受けとれ。遠慮せんでええ。若いもんはちょっとぐらい厚かましいほうがええ。
なに?これは何かだと?
わかっとるだろうに。
ほれ、良く見ろや。ぎっしり詰まっとるだろう。凝縮されとるだろうが。
な?見えるだろうが?まだ何も無いのが。
お前さんはそれを持っとるだけでええ。
なーんもせんでええ。
お前さんがそれを持って中を覗きこんどる。それが大事っちゅうことだわな。
あとはもうなるようになる。始まりだの。誰にも止められんて。お前さんはただ見とればええ。
始まりが、終るまでな。

それまでは、決して放すなよ。え?若いの。大事に抱えとくことだの。


わしは、駄目だったがの。
126ケロロ少佐:05/01/28 22:16:58
『タクシードライバー ミホ』その1

●2027/04/03 (火) 女性タクシードライバー ミホの乗務日記 オープンですうう〜〜

今日もハンドルを軽快に右に左に・・・夜の街を走るミホと愛車《クイーン224》。
運転をしながら現在の時間の事を考えると・・・思考を感知したナビ知能クンがさっと前方の空間に24:26の表示を出してくれた。ありがと!!
『よし!今度のお客様で最後かな。』ナビ知能に次の指示を聞く。スーっと情報がミホの頭の中に流れてくる。
『やったぁ〜〜♪ 久しぶりのラブホへ配車だぁ!!』

ラブホの門へ車を入れる時は、何度経験してもドキドキしちゃいますうう〜〜
『102号室はどこだぁ?どこだぁ?』
ナビ知能クンがラメの入ったピンク色の矢印を表示して誘導うう〜〜。
おっ いた!いた! もうガレージの外で待ってて、くれてる。ややややっ!!一見して訳ありのカップルです。
ドアを開けてミホのタクシーに乗りこんだお客様の第一声。
『わあーすごい。無人のタクシーだあ。』・・・
127ケロロ少佐:05/01/28 22:18:50
『タクシードライバー ミホ』その2

そうなのョ。ミホのタクシーは無人タクシー。
今年から正式に民間企業に採用された最新の遠隔運転システムを搭載してるのだっ!!
ミホは、今、タクシー会社内で操作デスクに座ってお仕事してるの。遠くに居ながらタクシードライバー業務が可能になったのです。
そのうち、自宅のマンションからでもお仕事出来るようになっちゃうかも・・・

まだ、都内でも数台しか走っていないのでお客様も興味津々・・・
いつものようにどうやって走っているかこの不倫カップルに説明してあげます。
で・・・一通りの説明の後は、当然、後部座席空間では、ラブラブモードに突入。
見て見ぬフリのミホ。でも、信号待ちの間は、後方視界センサーアイを一つだけ操作!!
音声最大感度!最高画質に!でで・・・チョコっと覗かせてもらっちゃいます。
もちろん録画は禁止ですううう〜〜〜。
128ケロロ少佐:05/01/28 22:20:41
『タクシードライバー ミホ』その3

●2027/04/10 (火) ミホのはじめての事故

ちょっと日記サボっちゃった。お久しぶり〜〜。
今から思えばこの日は、悪い予感がしていたのね・・・朝の、めざましテレビの占い、ごめんなさいだったしぃぃ〜〜。
ミホのタクシーは、旧道をよく走るんだヨ。
信号が無い分、早く目的地に着くし、何より国道の自動運転区画ばかりを使うよりは、自分で運転したいの・・・
でも、ちょっと道幅が狭いのが難点なんだけどにやぁ〜。
それに違法改造の野良のネコちゃん(ウィルス持ち)が異常に多いときてる!
まぁそこは、ミホのドライビングテクで・・・・
と思っていたとたんに、やっちゃいました。ナビ知能が警告していたのでちゃんと交差点で停止していたのに・・・
『あああ・・・』ミホは目の前に迫る巨大な鉄の塊を見つめたまま、時が止まった。
感知したナビ知能が精一杯の強制回避をしてくれたのに。後部座席のお客様にも同時に衝撃吸収剤が車内いっぱいに注入された。
これは、事故対応での最高レベルに値する。
129ケロロ少佐:05/01/28 22:24:40
『タクシードライバー ミホ』その4(終)

ぶつかってきたのは、旧式のナビ制御されていないデッカイ極重量トラック。

結局、事故は最悪の結果を迎えた。
ミホの愛車《クイーン224》は、原型をまったく留めない程の姿に変り果て、お客様も即死状態だった。

ナビ知能が保存していた事故再現記録が検証され、交通事故裁定の結果、ミホに過失は、なかったけど、でも、大事なお客様を守れなかった責任は重大です。

実は、後から会社の運営知能意識に話を聞きだしたんだけど、あの亡くなったお客様は、すでに実体を他へ移している人間だったのです。
遠隔操作の人型器の生体は死亡したけど、無事、再製処置されて元気に暮らしていると聞いたの・・・
結局、あの時、ミホのタクシーには、ニセモノだけしか乗っていなかったことになるわね。
変な世の中になったものですね〜〜〜〜

というわけでぇ!ミホの乗務日記は、まだまだつづくよっ〜〜〜。
>>125
心理テストのようなお話ですね。

漏れ的解釈
『おまいは、黙ってROMってろ!』と言われている希ガスw

S(すごく)F(不安)w
ケロロ少佐さん
前スレのバーチャルお見合いのお話と
地続きのような印象を受けました。

短編連作で近未来史が構築出来そうですねw

新作お待ちしています。
なあ、君ならどうする?
ある日突然宇宙をまるまるひとつ任されてしまったとしたら…

どんどん、複雑になってゆくんだ。
様々のものが始まり、終わり、開始され、終了し、生まれては、死に、出来ては、壊れる。その繰り返しだよ。

かといって任された君にはどうすることもできないのさ。
例えどんなに悲劇的な運命が生まれてしまっても、手を加えることは許されない。
全てを任されながら、君にはなんの手段も与えられていないのさ。酷いものだね。

まあしかし…君がもし任されたなら…そいつを思い切り大事にすることだな。
なんせ宇宙なんてものは、儚いものだよ。
君がもし宇宙をぽーんと放り投げたりなんかしたら、すぐに雨散霧消してしまうよ。
だから…君が任されたその瞬間から、君こそがその宇宙を繋ぎ止める命綱のようなものになるのさ。

無数の運命を背負った、命綱にね…

***

そういえば君、君はコートの下に何か抱えてるね。
大事そうにしているが、もしかして…
133ケロロ少佐:05/01/29 21:41:10
>>131感想ありがと。

やっぱり、意識のデジタル化の話ばかりの作品傾向になります・・・
ネタ枯れっぱなしです。

↑は、去年の年末に近未来のタクシードライバーの話を書こうと決めて書き進めたのですが、どうもうまく行かず書きかけのまま置いていた作品です。
やっと昨日、gooサイトの現役タクシードライバーが作っているブログを何個か読んでみて、ネタ追加し書き上げました。
>>132
あなたな〜らどうするぅ〜

マターリ考えるよ。こんにゃろめw

《すろーんでじたるすかいさーべい》マンセーw
135 ◆2lswke9lG2 :05/01/30 02:05:13
>>132
凄い良い出だし。
136三番:05/01/30 20:35:32
宇宙を、どうするつもりだ?
君はこの宇宙を、どうするのだ?
まさか放り投げはしまいな?
捨てやしないだろうな?
それがどんなものか、分かっているのだろう?
それがどんなに、どんなに重苦しいものか、知っているな?
それを知ったうえで、君は大事に抱えているのだろう?
そうなんだな?
君の持っているものは、とてつもなく巨大で、とてつもなく貧弱なのだぞ?
だが見たところ、君は大丈夫なようだ。
安心していいのだな?
我々はどうすることもできないのだ。
君がどうすることもできず、ただ見ている他無いのと同じで、我々にもどうすることもできんのだ。

君にこうして問掛けるのが、精一杯なのだ。
我々住人には。
この宇宙の、住人には。


ほんとうに、安心していいのだな?

君に、任せるぞ。
三番さん
◆チューリング・テスト結果◆

カタカタ…アナタハDQNジンコウチノウヲ、ニンゲントカンチガイサレマシタ。

新作お待ちしています。オモシロカッタョw…カタカタ…
138ケロロ少佐:05/02/02 10:22:40
『さまようボトル都市宇宙船』その1

2167年、国際宇宙科学院は、新たな人類移住計画を実行した。
300個のミニサイズの宇宙船が地球型惑星の存在すると想定された300もの目的地へ向け、旅立った。
1リットルのペットボトルと同サイズの宇宙船。収められているのは、1200万人の人間の意識。
遥か遠い第2の地球をめざし旅をする。

明るくさわやかな日曜日の午後、ダイドー市に住む、14歳の少年《ジョージア》は、地上を走る路面移動列車の中にいた。
通信端末を手にして時間を確認。《ワンダ》との待ち合わせには、やはり遅れそうだ。
やっと勝ち取ったクラス一の女神との初デートだというのに・・・・
今日は、午後3時に予定されている皆既日食を《ワンダ》と一緒に楽しむつもりだった。

1200万の人々を乗せた、ボトル船は、《反物質生体エンジン》を搭載している。
旅の前半は徐々に加速を続け後半は、減速に費やす。
目的の星が移住可能な惑星だった場合、まず、ボトル船は惑星の北半球の温暖な陸地に第一植民区画を建造するのだ。
139ケロロ少佐:05/02/02 10:24:47
『さまようボトル都市宇宙船』その2

船尾区画に収められているナノマシンが活動を始めて惑星の資源を利用する。充分な居住区画が完成した後、最後に1200万人が移入できる素体人間が用意され生体化させる計画。

宇宙を旅する1200万人の人間は、地球とは違う時間軸の空間でゆっくりと生きている。
理想的世界の平和な箱庭の中。自分はオリジナルなのであり、単なる数値の集りでは無く、生身の人間だと信じて・・・・

《ジョージア》は、待ち合わせ場所である大きな殿様カエルの像に急いでいた。
すでに像の前にいる《ワンダ》を見つけ走る。
《ワンダ》は、『もおー、キミから誘っておいてチコクは反則だそ。』と叱る。でも声の調子は、やさしい・・
微笑んで見つめている《ワンダ》のちょっとだけ怒った顔に俺の目は、固定される。
『うん。やっぱり《ワンダ》は素敵だ。』と心の中で思わず口にする。
140ケロロ少佐:05/02/02 10:26:49
『さまようボトル都市宇宙船』その3

その頃、《ジョージア》たちの住む街の外、宇宙空間では、『サンガリア』号の、長い旅が、終わりを向かえようとしていた。
すでに船は、目的の星に到着し、現在は、惑星軌道上を周回していた。
船の先頭部分に設置されているミクロレベルの観測機器達が忙しそうに眼下に美しく光っている青い水の星の情報を収集し、分析の最中だった。
地球から出発した300のボトル船の中の一つ『サンガリア』号は、ついに目指す星に到着したのだ。
惑星軌道上からのチェック結果は、ほぼ地球の環境に近いと結果が出ていた。

ただ・・・・残念な事に・・・一つだけ・・・もっとも重要な条件に問題があった・・・・

『サンガリア』号は大気圏の突入準備を済ませた。
大気圏に突入する際に避ける事の出来ないデータ世界への一瞬のゆがみ現象が発生する。そのための変換処置が必要になる。
それが《ジョージア》たちが体験する皆既日食の正体である。

《ジョージア》と《ワンダ》は、ルーツ川の河川沿いの公園のベンチに座っていた。二人は、体を寄せ合い皆既日食という、ごまかしの天体ショーを見つめつづけていた。
だが幸せだった。そして、この架空の世界のすべての人々もこの瞬間をおだやかに幸せに過ごしていた・・・
141ケロロ少佐:05/02/02 10:29:46
『さまようボトル都市宇宙船』その4(終)

結局、『サンガリア』号は、当初の着陸予定地ではない場所に静かに着陸していた。
『サンガリア』号の旅は失敗に終わったのだ。
先に行なった衛星軌道上からの観測の結果、この星には、土着の先住知的生命の存在が確認されてしまっていた。
すでに知性の萌芽を見せているこの星の四足歩行動物。
この環境では、我々人類に移住の権利は、ない。
これは、絶対的に破っては、ならない掟なのだ。
ナノ作業体が用意した、この星の南極の地下深くに位置する永遠の墓場。ココで1200万人の数値人間の長い長い暮らしが始まるのだ。
すでにボトル船はナノ機械によってこの星の構造組織に、より近い物質に変換されつつ分解が完了し、1200万人が住む、わずか1センチ四方の黒いチップのみになっていた。
完全循環型エネルギー構造体のチップは、これからも冷たい永久凍土の中に存在し続ける・・・
たとえ何万年何億年が経過し大陸が移動を繰りかえしても、なお・・・・

理想の社会ユートピアという名の墓場・・・そこで1200万の人類は生き続ける。
何も知らず永久(とわ)に・・・・
142ケロロ少佐:05/02/02 10:30:50
◎お詫びと言い訳・・・

またまた、人間の意識保存ネタです。ご勘弁を・・・・。

話の中に出てくる、ボトル船の推進方式、《反物質生体エンジン》とは、私のまったくいいかげんな妄想技術です。
軽く読み流してくださいまし・・
ケロロ少佐さん
いい塩梅でした。

宇宙に漂うボトル都市宇宙船…素敵だw

『「宇宙の」をつけてSFなふいんきを醸し出すスレ2』 にカキコしました。

新作お待ちしています。
144ケロロ少佐:05/02/03 17:19:53
>>143
↑のタイトルは、もちろん「少年少女世界SF文学全集」(あかね書房)さまよう都市宇宙船(ロバート・A・ハインライン)からきてます・・・

小学5年生の時、小学校の図書室で全集すべて読んでからだなーSF好きになってしまったのは・・


145電脳猫ポラ-帰還-@:05/02/05 20:52:30
前スレの続きモノです。「電脳猫ポラ」「電脳猫ポラ-壷世界-」の続きです。その為、話が分かりづ
らいです。すみません。知性化された猫のお話です。@、A、B、Iを除くと分かりやすいかな…。
つまらなかったら、ごめんなさい。

「ポラさんや、退屈じゃろう?」
「わっ、急に現れないでよ」
「どうじゃ自身の物語を書いてみんかね」
「唐突になんなのよ!」
「うっしっし、どの道、暇なんじゃからええじゃないか」
「まったく信じられないお婆ちゃんね。わたしに書けと言うのならお婆ちゃんが先に書いてみてよ」
「うーむ。わしゃ小説なんぞ書けんぞ」
「それでは、こちらもお断り致します!」
「…ええじゃろう。ほれ、これじゃ」
「えっ!?」
「愉しみに待っているぞ。うっしっし」
146電脳猫ポラ-帰還-A:05/02/05 20:53:50
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
『読んだら忘れろ』副読1

 壁が崩れる…空が欠けていく…あぁ私の指先が…何故…消えたくない…誰か助けてぇ…あぁ…プッ
……。

 電脳空間Kとは、環境シミュレーションをさらに上の段階に引き上げるため、即時通信網の特殊空
間にほぼ全てのシステムを移行させ、さらにあらゆる分野に汎化出来るように電脳空間化させたもの
だ。エミュレーションの宿命の処理能力、処理速度の限界を超えたのはクラインの壷を特殊空間に上
手く展開した結果だと考えられていた。効果は絶大で多大な恩寵を享受した。時間圧縮は20倍速に
固定され、ログインは心身の過負荷などを考慮して非常に細かな規定が定められていた。

 灰音はある研究グループが実在した人物の生後直後をシミュレートした模造人格。電脳空間Kに存
在する唯一の模造人格。一生を幾度もく繰り返し全て蓄積し外部命令によりデータの解析を行う。人
の機微や経験則による探索、心理検証などを全般に行い企業、あらゆる研究機関や事業家の依頼も請
け負っていた。
147電脳猫ポラ-帰還-B:05/02/05 20:55:21
『読んだら忘れろ』副読2
 
 断裂…激しい悪寒…全身の伸縮感覚…痺れ…記憶混濁…世界の崩壊…私の崩壊…システムの制御要
求…自我の存続要求…承認…変質…再構築…階層変更…表層…深層…確立…理解のさざ波…覚醒…。

 F4651年、某原理主義グループによるテロリズムが勃発。その槍玉に挙げられたのは、電脳空間K
であった。管理していた機器は当然分散化されていた。電脳空間Kは理事国開発管理部門により、ア
クセス優先権と物理保護とクラッキング対策に余念が無かったが、強力なハッキングプログラムと限
定的核爆発の同時多発により壷は崩壊した……と思われていたが……。

 この世界を制御下に置いたと言う感覚は無い。相互依存状態であり、つまらない付録の様だ。失わ
れた能力の方が多いと感じられた。
空間補正を掛けながら一歩を踏み出す。景色が流れる…川沿いをそぞろ歩く。川面に映る歪んだ世
界、歪んだ私。

【防衛処置】電脳体でやって来た者には、肉体を自動生成する。この世界にトータルで3日以上ログ
インした場合には、肉体に意識を固定させる方法で外部に情報が漏れる事を防止する。緊急時、破壊
因子はこの限りに有らず。例外は……。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
148電脳猫ポラ-帰還-C:05/02/05 20:57:47
 うーん難しいな。自身の関連する話を小説形式で書けと云われても。まあ暇だし…あっ! ロイド
との出会いを…。

『&ロイド』1プロローグ

 警報が遠ざかる。ここまでくれば安心だ。ロイドは事前に用意していた逃走経路の半ばで歩調を緩
めた。しかし、あの店員の驚いた顔ったらなかたっぜ! この宝石でサーボを新調しよう。マンホー
ルの蓋の承認システムにアクセスしながら辺りを見渡す。さっと開いた穴に飛び込む。ロイドは虎メ
ックウェアを所定の位置に脱ぎ捨て簡易メンテを指示し街に繰り出した。

「なあ、じいさん例のサーボまだあるかい?」
「ええ加減、換気ダクトから入らんでほしいんじゃが」
ロイドは作業台に飛び乗り鑢で爪を研ぐ。
ぼろきれで手を拭き油紙に包まれたサーボを取り出し
「軍事用のリビルト流出品じゃよ。」
作業台に転がっている宝石を日差しにかざし
「また盗品かい? ええよ、どのみちお前さんに譲るつもりじゃったからの」
「それと、もう少しパンクっぽい音声発生器を頼むよ」
「悪党に鈴型は似合わないってか、ほっほっ」
「それじゃ、夜中にウェアを持って来るから窓を開けといてくれよ」
149電脳猫ポラ-帰還-D:05/02/05 20:58:54
『&ロイド』2

「ねーちゃん、こっちだよ安心しなって」
「わかったにゃりよ、随分薄暗いところだにゃー」
仕事を斡旋すると声を掛けられ、セツラに逢いに行く旅費が必要だった事もあり、甘い言葉に釣られ
路地の迷宮に踏み込んでしまった。なんだか怪しいにゃーと気付き引き返そうと側面の壁を利用し方
向転換を済ませ、その勢いのまま駆け出した。だが時既に遅し。チンピラ野良軍団がニヤつき貌でポ
ラの行く手を阻んでいた。ポラは無駄と知りつつベンガル模様の巨漢に突進した。前肢の一振りで壁
に全身を打ち付けられポラの意識は霞んだ。もうダメ…。
 赤い双眸の巨体が疾風の如く現れポラを咥えその場から立ち去った。後に残るは野良軍団のアホ面
だけだった。

 外壁を登り開かれた窓から作業所の様な部屋に侵入。ボロボロのソファーの上で解放された。わた
しは既に意識を取り戻していたが恐怖で体が動かずそっーと薄目で相手の正体を探る。虎だ! なん
で? 食べられちゃう! 最悪! 虎の様子がおかしい。作業台に前肢、後肢を拡げて動きを止める
と同時に背中がパックリ割れる! 飛び出して来たのはブラウン・マッカレルタビー&ホワイトの毛
色をした碧眼の同属だった。

 ロイドはソファーにうずくまっているお転婆ブルー・クラシックタビー&ホワイトの傷を確認し、
前肢の切り傷を無意識に舐め、自分の行為にギョッとして慌てて爺さんを呼びに行った。爺さんに事
情を説明し一晩の宿泊と怪我の手当てを頼みダクトの中へ消えた。
150電脳猫ポラ-帰還-E:05/02/05 21:02:41
『&ロイド』3

「かすり傷だけじゃな。ゲンタシンでも塗っておけば大丈夫じゃろう」
「そこのレンチを取ってくれんかの」
メカ虎のサーボを交換しながら独り言のように話し出す。
「その昔パートナーに虐待されてな。片目を潰されてしまったんじゃよ。今は悪事を働いているがい
つか立ち直るじゃろうて」
「ああ、これはロイドとわしが3年掛かりでこさえたパワードウェアじゃよ。わしの力作の一つじゃ。
軍事用の流失部品と汎用部品でほぼ全てをこさえたんじゃよ。それでじゃな…ああ、すまん」
と言った後、唐突に
「どうじゃろう、これからロイドと仲良くしてくれんかの」
わたしは事の経緯を話し、どうしてもセツラの許に行きたいと訴えた。
「セツラさんは幸せじゃの。ロイドも…そうじゃインプラント処置がされておるようじゃから、ちょいと動作確認を頼んでいいかね」
わたしは二つ返事でメカ虎に飛び乗った。これは楽しい、わたしも欲しい! にゃはっはっ。
「承認システムをどうやって破ったんじゃ!」
「きちんとログアウトしてなかったにゃりよ」
「タッチセンサーから離れると自動でロックが掛かるはずじゃが…」
「そ、そんなことより、これはどんなモーションプログラムを使っているの?」
「愛玩ロボのプログラムをちょいとイジッタだけじゃ。なんせそちらの知識はアマチュアレベルじゃから」
「そんな事はにゃいけど。ちょっと拾ってくるにゃり」
ポラはネットの海にダイブした。これがいいかな! あとこの挑発モーションも。うふっ。
 駆動トルク設定、駆動速度設定、駆動角度範囲設定を済ませ一息つくと額に手を当てていたおじい
さんが膝を叩き
「そうじゃ! 近くの港で豪華客船が停泊しているはずじゃ。乗員として雇って貰えるかもしれんぞ」
 翌朝
「本当にお世話ににゃりました。ロイドさんによろしくお伝え下さい」
「セツラさんに逢えることを祈っとるからの。がんばりや」

「爺さん、あんた天才だよ! レスポンス最高!」
「あはっはっ…」
151電脳猫ポラ-帰還-F:05/02/05 21:04:23
『&ロイド』4

 ガーディアンが15体。ロイドは行き止まりに追い詰められる。完全に包囲され絶体絶命。虎ウェ
アを脱ぎ捨て逃げる事も考えたが、爺さんと試行錯誤しながら作ったメカ虎を捨てることは出来ない。
電撃ネットが発射されようとしている。

 警報が響き渡る。胸騒ぎがしたポラは大通りからガーディアンを追って路地の迷宮に分け入った。
ロイドのメカ虎が包囲されている! 後先を考えずガーディアンの通信ラインにアタックをかける。
《緊急事態発生。緊急事態発生。GH4682地点で大規模な建物火災が発生。全てのガーディアン
は至急GH4682地点に急行せよ。現在の任務は、人命救護を除き解除する。承認コード119以
上。繰り返す…》
ガーディアン達はロボットの従順さで一斉に退去した。後に残ったのはポラとメカ虎だけだった。
152電脳猫ポラ-帰還-G:05/02/05 21:06:23
『&ロイド』5

 爺さんからビジュアルホンが。
「ロイドや。ええ加減、目を醒ませ! ポラさんが居らんかったらどうなっていたか考えてみろ。人
が憎いのはよう分かるが悪事を働いてもそこからは、何も生まれんよ。お前さんは本当は心根の優し
い奴じゃ。この街から離れて、もう一度人生を生き直せ」
「……」
「ところでポラさんが乗船しようとしていた船が出港しようとしている。ポラさんの足では間に合わ
ん。ポラさんを乗船させてくれんかね? ワシからの頼みだが聞いてくれるかね」

「こんにちわ。ロイドさん。昨日はありが…」
ロイドはポラを咥え港に向かい疾走する。
…豪華客船は港から離れてく。

 ポラを甲板に下ろし、じっと赤い双眸をポラに向ける。甲板は船客と船員の叫喚で溢れている。メ
カ虎は通路の人々の方にゆっくり向かう。慌てふためいた人々は逃げ出す。十五メーターほど進むと
百八十度方向転換。後方の人々に可笑しなモーションを見せた。遠ざかりつつある港に向けて力強く
跳躍した。
153電脳猫ポラ-帰還-H:05/02/05 21:07:49
『&ロイド』6エピローグ

 一年後
 俺は、笑みをかみ殺しポラと菜々子さんを乗せてジープ走らせた。
「夕焼けがきれいね」
菜々子さんがポラを抱きながら助手席で言った。
「本当ですね。美しい」
と俺は菜々子さんを見つめながら答えた。
「セツラは菜々子さんにぞっこんだからにゃー」
「こ、こら」「えっ?」
「あー。ところでポラ。えーと。メカ虎のロイドって憶えてるかい」
「にゃ、にゃにを唐突に!」
俺はジープを停めて夕暮れの方角を示した。シルエットになっているが、あきらかに動作がギクシャ
クしている虎だ。ポラはジープから飛び降り、嬉しそうにロイドの許に駆け出した。
154電脳猫ポラ-帰還-I:05/02/05 21:09:31
「お前さんを元の世界に戻してやろうかね。うしっしっ」
「ただし条件がある」
わたしのパーソナルデータに灰音の人格の一部を刷り込む事。時期が来たら回収する。この世界の情
報を一切漏洩させてはならない。元の世界の肉体は消滅してしまった為、完全に元の状態での復活は
望めない。以上の条件に同意すれば直ぐにでもと言われ了承した。

「あそこにゲートがある」
と言って灰音が指差したのは絶壁の頂上から下方の空間に点滅しているポインタだった。
「もしかして飛び込めと言うのかしら」
「うっしっし。そうじゃ」
「…」
わたしは諦めポインタめがけダイブする。
 
 エリア51アップリフト計画電脳猫養成所。地下倉庫の暗闇で赤い双眸が瞬いた。

                     (終)
155ケロロ少佐:05/02/06 10:32:20
久々の「電脳猫ポラ」シリーズですね。
凝った構成で力作・・・・いろんなメカ登場してて◎でした。

次回作もよろしく。
156名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/06 13:04:28
RPGゲー板でオリジナルRPGの制作が始まりますた
まとめサイトうpロダが用意され
かなり本気の方達が集まっております
経験豊富なご意見ご参加お待ちしております(かしこ

みんなでオリジナルRPG作るぞ!5
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1107655543/
157 ◆GacHaPR1Us :05/02/06 14:49:39
>>156
http://www.geocities.jp/rpgtsukurouze/touhyou.htm
作品募集終わってんじゃん
批評は苦手なんよね。だからパス
158名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/06 21:29:23
電話がなった
「いぼんぬ」
「・・・なんだ!?いぼんぬってなんだ?おまえはだれだ、なぜこの番号を知っている!」
「ふっ」

切れた・・・
俺の名はサンペイ。三河屋を名乗る男。
159ロシア:05/02/06 22:30:26
「惑星タイタンにて」

仰ぎ見ると漆黒の闇の半ば近くを土星の濁った褐色が占めている。
あの赤茶けた分厚く広大な大気の遥か下層では、見るも無残な
荒野が地平一杯に続いて、不快と失望の景観を湛えているのだろう。
そして私は目を下ろした。
そこに広がるのは水平線が判然とせぬ程暗いメタンの大海。
細波一つ立たぬその海を眺めているうち、私の中から何かが沈み込
んで行く、ふとそんな感覚にとらわれた。
どれ位の時が流れ過ぎたのだろうか、前方やや右手に赤い光が動いた
ような気がした。
と同時に鈍重な宇宙服の胸に付いた放射線感知装置に反応が生じた。
数秒の後、最早私の心拍数は正常を逸していた。
「海が・・・う、海の水が・・・!!!」
ケロロ少佐さん
感想ありがとう。
次回作は単発モノでいきます。

>>158
サザエさ〜ん♪って!
S(サザエさん)F(ファン)w

ロシアさん
「惑星シリーズ」キボン

以前、風邪で3日ほど寝込んだ。腹が減って鍋でラーメンを作っていたら寝間着の
袖から火が点いた!チョロチョロ寝間着の表面に火が拡がって…!!!
《メタン》マンセーw

新作お待ちしています。
161In the box:05/02/07 23:27:18
SF作家@

ある朝、SF作家は目覚めた。
あたりは一面の荒野だった。慣れ親しんだものなど一つもない。
SF作家は首をかしげた、しかし、それも一瞬のこと、すぐ仮説を作り始めた。
「ふむ、仮説一・・・時間軸からずれた。仮説二・・・宇宙人にさらわれた。仮説三・・・タイムスリップした。仮説四・・・脳寄生体が私の脳に寄生した。
仮説五・・・私はシミュレーションだ。仮説六・・・酔っ払った。仮説七・・・私は死にかけている、この光景は深層心理だ。仮説八・・・」
そういいかけたところでSF作家は耳を傾げた、何か声が聞こえる。
162In the box:05/02/07 23:29:08
SF作家A

「やぁ!聞こえるかい?」
その声は言った。
「ああ、聞こえるよ、しかし、君は何なんだ?」
「神だよ、神」
「そうか、なるほど。それでどんな種類の神なんだい?」
「素人SF作家さ」
「もうちょっと詳しく説明してくれよ」
「あんたとあんたの世界を書いてるんだよ」
「ああ、それか。この世界は小説なのか」
「そうだよ、その通り・・・で、君に頼みがあるんだよ」
「なんだい?」
「この小説のオチを考えてほしい」
ははは、なんと簡単な頼みだ。SF作家はそう思った。
163In the box:05/02/07 23:29:56
SF作家B

早速SF作家は気の利いたオチを考えようとした。
「うーむ、そうだな、まてよ・・・」
だが、いくら頭を絞っても、何も出てこなかった。
SF作家は突然その理由を悟った。
「・・・って、あんたが考えれないなら俺も考えれないよ」
「あ・・・そうか・・・」
その声は失望したような様子に変わった。
「それで、この小説は後どれくらい書き続けるんだ?」
「分からないな・・・君がオチを考えてくれると思ったから・・・ん?なんだって?君、何か言ったか?」
「いや、言ってないぞ、どうしたんだ?」
しかし、いくらSF作家が語りかけても声は聞こえない様子だった。
しばらくたった後、声が聞こえ始めた、しかし、その様子から、相手がSF作家ではないことは明らかだった。
「何だって!?オチを考えろだって!?」
SF作家にはそう聞こえた。
164ケロロ少佐:05/02/09 02:07:35
『魔女っこ 唯ちゃん』その1

2014年、まだ寒さの残る4月のある朝のこと、《美宝 唯》7歳がパジャマのままで部屋に飛びこんで来た。
すべては、この時、始まった。

『おじいちゃま!誰にも言っちゃあ だめよ。』『唯のヒミツ・・・大好きなおじいちゃまだけに教えてあげるね。』
美宝重工の創業者であり会長の《美宝 洋介》は、かわいい、かわいい孫娘が夢中で話すのを聞いていた。
『わたしね!さっき、夢の中で、《魔法の国パラサララ》のお姫様と話したの!!』
『お姫様は、今、悪い悪い、暗黒の国《ガルナマーナ》の闇の魔王に魔法をかけられて暗黒水晶の中に ゆ・う・へ・い (幽閉の事)されててね!そこから、わたしだけにやっとの思いで通信を送ってきたの。』
『それで魔法の国《パラサララ》の人たちは、今、とっても苦しんでいるの。でね!お姫様を助け出すためには、人間界にある、7つのセレセロの じ・ょ・う・か・の・い・し (浄化の石)を集める必要があってね』
『手伝って欲しいの?おじいちゃま!』
165ケロロ少佐:05/02/09 02:09:39
『魔女っこ 唯ちゃん』その2

そんな話をしていた・・・・・1時間後、会長《美宝 洋介》の元に息子 美宝重工 現社長とその妻がノルウェーで開催されていた国際式典からの帰り、飛行機事故に巻きこまれたと、報告が入る。
娘が夢の中でお姫様と会話をしていた頃、この子、唯の父と母は、すでにこの世には、いなかった・・・
あああ何という事か・・・・

事故の後、急きょ、会長から再び社長職へと戻った、《美宝 洋介》の命令により、超、わがままな私的プロジェクトが秘密裏に始動した。
美宝重工の莫大な資金が注ぎこまれて・・
孫娘の悲しみを少しでも和らげることが出来るのであれば、7歳の女の子を魔法使いに変身させることなど簡単だった・・・・

そう、母と父を生きかえらせる事以外は・・・・

そして現在、2017年、美宝重工(株)本社で、《お嬢様プロジェクト》の企画会議中。
テーブルの中央には、創業者であり社長の《美宝 洋介》が座っていた。
166ケロロ少佐:05/02/09 02:11:46
『魔女っこ 唯ちゃん』その3

プロジェクトのチーフ《沢田》が新規投入した製品の説明を行っていた。
『ご覧下さい。いま画面に映っている映像は、ライブ中継での唯さまの様子です。』
『お供の生物《キュキュティ》は、問題無く作動している模様です。』
以前の《キュキュティ》は、機械式で動くロボットであったが、今は、新開発の有機素材の人工血液が流れる生体ロボに交換されていた。
『人工知能も最新バージョンを搭載しております。かなりの部分、自己判断による行動が出来ます。』
当初、7歳の女の子を魔法使いに見せかけるだけの目的で開始された《お嬢様プロジェクト》。だが開発された数々の画期的な、技術は、美宝重工の製品に生かされ、会社の利益と発展に寄与している。
開発に携わる技術者も、もっとも優秀な人材が参加していた。

何も知らない10歳になった《美宝 唯》は、今日も《魔法の国パラサララ》のお姫様から渡されたと思い込んでいる魔法のペンダントをさげ、魔法の国の不思議な生き物、《キュキュティ》と一緒にセレセロの浄化の石集めに街を歩き回っていた。

人間界にある7つの浄化の石は、3年間の唯の活躍?!ですでに6つ集っていた。残る1つ。
姫の解放の時は、間近になっていた。
そして《美宝 洋介》も、ある決断をしていた。唯も10歳。両親を突然の飛行機事故で失ってもう3年が過ぎた。
そろそろ魔法使いゴッコを卒業させる時期に来ているのではないか。
私の個人的な、わがままが思わぬ会社への利益を与えてくれている今が絶好の機会なのだろう・・・
167ケロロ少佐:05/02/09 02:14:51
『魔女っこ 唯ちゃん』その4(終)

1ヵ月後、ちょうど、あの飛行機事故と同じ日、《お嬢様プロジェクト》の最後の舞台が準備を済ませていた。
集った7個の浄化の石が発動し、闇の魔力から解放された《魔法の国パラサララ》の姫が唯の前に姿を現した。
完全な3次元映像を自然空間に表現させる新技術が使われていた。
『唯ちゃん、あなたの活躍でパラサララは、救われました。』
唯はうれしそうに答える。『えへへ、《キュキュティ》がいつもそばに居てくれたからこれまでやってこれたんだよ。』
昨日、更に改良されたバージョンを載せたばかりの生体ロボがうれしそうに唯の周りを跳びはねている。完璧な出来!

プロジェクトのチーフ《沢田》が総勢300名に及ぶ最終ミッションのスタッフに合図を送る。
闇の束縛を解かれた《魔法の国パラサララ》の世界とたくさんの魔法の国の人々、動物達、自然の花や木々。壮大な広さの施設に再現される仮想現実空間。
美宝重工の持ちうるすべての技術の集大成が披露されていた。

使命を終え、魔法のペンダントを姫に返した唯。お供の動物《キュキュティ》も魔法の国に帰った。
消えてゆく魔法の国・・・・

じっと見つめていた《美宝 洋介》は、《沢田》へ小さく合図を送る・・・・

一人立つ唯の少し前方に小さな空間のユラギが起こる。さあいよいよ、最後の最後の新技術が披露される。
亡くなった唯の両親の過去の公的と私的な映像記録を元に唯の母、父の思考を持つ擬似生物を再現させ唯との自然な会話を可能にさせるのだ。

ココからの会話は、《美宝 洋介》にも、すべてのスタッフにも聞こえないように処置されていた。物理的に精製可能な10分間、親子3人の最初で最後の会話が行われた。
現れているニセモノの母、父は、理論上、人間とまったく同じ思考が可能なはず。10分間は、唯の生きている母と父で有ってくれるはずなのだ・・・・

こうして、すべてが終わった。明日からは、普通の10歳の《美宝 唯》が元気に街を走りまわっている事だろう。
精神的にも成長した女の子として・・・・
In the boxさん
どうツッコミ入れようか考えた。何も浮かばないw
オチを考えた。何も浮かばないw
コメントを考えた。
『解けない知恵の輪』違うなー
『自分ツッコミ』あまり面白くない。
『ブラクラSF』もったいないw

…とにかく、箱の中から出て来い。話はそれからだw

新作お待ちしています。

ケロロ少佐さん
後で読みまつ。
仕事が…
ケロロ少佐さん
いい塩梅でした。
近未来史に追加可能です?

愉しめました。
サプライズ大成功w

新作お待ちしています。
170ケロロ少佐:05/02/10 12:17:36
>>169感想ありがと

今回の作は、これまでの中で一番時間がかってしまいました。
前々から昔のアニメの魔女っこ物のパロディ的な作品を書きたいと思っていたので・・・何とかやってみました。
もう少しモロにパロディ部分が必要なのですが、なかなか難しい・・・・

唯が学校に遅刻をしそうになり魔法を使って学校へ瞬間移動したいと思う・・・
付きっきりで影からサポートしているお嬢様プロジェクトのメンバーが、何とか最新技術を駆使し、ごまかしの瞬間移動をさせる・・・シーンなどを考えていたのですが・・・
飽和状態*1


―くゆるゆ、くるるひゅ、くひゆるうる、くしゅちゅしゅ、くひぃひぃる、くるうふ、く・・・

突如として頭の中に声が広がっていく。
最初は、耳鳴りのようなつんざくような音が、段々と誰かが唸っているような声に変わってくる。
誰だろう?僕は知っているはずなんだけど、思い出せない。
頭が痛い。
何か思い出そうと脳内を活性化させると、脳が締め付けられるように痛いのだ。
結局、思い出せない。

―痛い、遺体、脳がイタイ。夢見ているのに脳イタイ。大丈夫?くふつうう・・・

頭蓋骨を反響させるような余韻を残し、男とも女とも付かない中性な声が脳内に響く。
彼・・・いや、彼女?・・・それは、僕に話しかけているのか。
僕は、合理的な判断をしようと脳を活性化しようとした。
すると、思考するに至っては痛みはあまり無い、が脳内が痺れるような感覚に捕らわれる。
飽和状態*2


―はなす。離す。開放する。これが一番イイと思ふ。くるゆふ・・・飽和状態が近づく。くふふる・・・蘇る奇跡

それは、どうやら僕の考えを読み取っているようだ。
しかし、それは何を言っているのか分からない。
僕に喋りかけていると思われる所もあるが、独り言のような戒めにも似た言葉も混じっている。

「お前は・・・お前は誰だ?僕の脳が生み出した夢の産物だろうが」

僕は曖昧でかつ、混沌とした夢の中でも自我を保ち、理性的な考えができる。
いつからだろう?こんな芸当ができるようになったのは。
全ての法則を無視した夢の中で、一人冷静に佇み、不安定な世界を見るのが楽しみだったりするが。

―ほーぐそとと、つぁとぅふんが、くつひゅるる。偉大なる漆黒の闇から・・・愛すべき我らの故郷・・・根をはる・・・

偉大なる漆黒の闇・・・それは、僕の夢の事を言っているのだろうか?
でも、その後の言葉が意味不明だ。
漠然とした質問より、ピンポイントで質問してみる事にする。
飽和状態*3


「飽和状態って・・・なんだ?何が、飽和状態に近づいてるんだ?」
―くゆるぅううう、浮かび上がる。くゆふうる、蘇るのが近い・・・理性の飽和状態。キッ、キキョーーーーーキィ!!
「理性の飽和状態とは何だ?理性が飽和状態になるとどうなる?」
―キッ、キョオおおおおおおおお、キッ、溢れる人間。約束の日、労働シャ眠る日、光あぶる日

駄目だ。こちらから質問した時はほとんど何を言っているのか分からない。
不安定で虚ろな夢の世界からコンタクトされた時は面白そうだと思って、理性的に対処してやろうと思っていたが、
この夢はおかしい。狂ってる。僕は、初めてここで夢から覚めたいと思った。

―覚めない。とても冷たい。くるふつ、大いなるルーンにより封印されし・・・無限に続く夢を見続ける定め
飽和状態*4

またそれが僕の思考を読み取った。
少し恐怖した。夢から覚めない・・・。まさかな。
僕は何かを抑制させるフィルターが掛けられた脳で一生懸命考えた。
夢は脳が創り出した非現実世界だから、夢の中で話しかけるのも考えるのも結局は脳が考えているにすぎないのでは?
では、なぜ思考した時と話しかけた時ではそれの対応が違うんだ?僕がそれほど高度な夢を見ているからか?

―違う、チガウ。どちらも届く。が、考えた方が我らにトドックやすい。だ、けら、考える
「僕の思考を読み取る方がお前に聞こえやすいということか?そうなんだな?

聞いてみる。これで、確信できたら思考してそれをそれに読ませればいいか。

―くるふつふ、八降ろすやはた神、同じ一体。到来。思考する、イイイイイイィィイイイッ、ああっ、イイイイっ!!
お前が先ほどから、『くひゅるふ』とか『くるふる』とか言ってるけどそれは何だ?
―くひゅるうふ、古代の偉大なる一つ。我ら従者。永遠に使えるモノ。
飽和状態*5


ほとんど意味が分からない。思考して、それに伝えても僕の理解力いぜんに単語や短い言葉がどう繋がるのかが分からない。
こんな夢は初めてだ。疲れてくる。もう嫌だ。

「なぁ、教えてくれ・・・ど」
僕が話しかけた時、それがいきなり話しかけてきた。また、脳が痺れていくような感じがした。

―闇の刻限・・・くふつるふ、ああ、駄目だ・・・もう、あぁあああ、遅い。解けない。ああああああああ

何を言ってるんだ?こいつ。でも、この夢から開放されるとなるとうれしくもなってくる。
夢から起きたら、まず顔を洗おう。そして、朝しょ
まず、拙い文章ですみませぬ。
感じ的に、小林泰三さんをまねてみましたが、全く下手糞な文章・・・(笑)
このスレに影響され、書いてみました。
177171:05/02/11 15:06:55
それをそれに読ませればいいか。

その内容をそれに読ませればいいか。で。
っていうか、誤字、脱字が・・・多すぎ・・・
178ケロロ少佐:05/02/11 15:33:34
飽和状態・・・・

ずーっと思わせ振り?!で書き進むスタイルなのでしょうが
せめてラストの 5 >>175では、僕 や それ が何であるのか説明してほしいが・・・

別にすごいオチがなくてもいいからネ・・・
179171:05/02/11 15:40:52
タイトルはなんら適当にとって付けたみたいな。
クトゥルー神話かじってる人が見たら、わかるみたいな感じに仕上げたんですけど・・・
やっぱ、ただの対話形式だとアレですよね。

一応説明しておくと、それは従者です。僕はアレです。
>>171
土蜘蛛さんの眷属の方ですか?
次回作はネームを入れてw

以前、夜中に半覚醒を体験した。眼だけは自由が利くのですが、身体は金縛り
状態。…どこからかピアノの調べが(大音響)…。本当に怖い体験でした。

理解できないものほど怖いモノはない。>>僕はアレです。コワイヨw

新作お待ちしています。
181171:05/02/11 21:21:47
アレは九頭龍です。


なんていうか、どっちつかずで尻すぼみな文章でしたが・・・(笑)
ありがとうございました。
182土蜘蛛:05/02/14 16:26:08
ささやかな絶望感

例えば授業中、解くように言われた問題が解けなかったとき、そしてそれをみんなが解けていたとき。
みんな恋をし、交際し、そしてSEXを体験しているのに私はいまだ人を好きになれない事に気付いたとき。
母さんや父さんにぶたれても、口答え一つできないまま殴られる。そんな自分を悔むとき。
私はあれを見る。視界の端に見える白い星のようなもの。瞬いて・・・瞬いて・・・そしてやがて消える。
消えたときには嫌な事は終わっている。苦しい事も嫌な事も全て忘れている。

でも最近はあれを見ても心は晴れない。
あれを見たとき、私は全てをごまかしている。嫌な事、苦しい事・・・だけどやらねばならない事・・・
いつかそのツケを払わなければならないのにそれすら忘れようとする。そのまま堕ち続けてゆく・・・
そんなささやかな絶望感。




暗くて狭い檻の中で、私は食堂からくすねてきたフォークを取り出す。
これで全て償えるだろうか?尋ねるように天井を見上げる。
コンクリートの天井の向こうに、幾つもの白いものが見えた。私を導くように瞬いて・・・消えない。
私は首にフォークを突き刺した。
183土蜘蛛:05/02/14 16:33:25
解説と弁解、そして次回予告

デデエもそうですが精神ネタ好きなんですよね・・・そっち系を研究してるわけじゃないのですが。
少し長い空白は時の流れを現したつもり。

しかし書いてから気付いた。またSFじゃねえよ・・・
>>171さんの影響を受けて書いた。反省はしていな(ry

次回 「デデエの逆襲」  ・・・・たぶん。
あぁ、あれね! 漏れもよく見るよあれ。
あれはいつ頃からのことなんだろう。
あれには気を付けないと、例のあれになっちゃうよ。
あれってあれだよね? え゙……あれじゃないの?
『あれ』ってなんじゃー!!! でも、あれだからあれして下さい。

あれの次回作マターリお待ちしていますw
185ケロロ少佐:05/02/14 23:37:19
土蜘蛛さん
>またSFじゃねえよ・・・
とは、言っても今回の話・・・独特な好い雰囲気があって良かった・・・

次回作も期待してます。
186171:05/02/15 07:47:45
ああ、眷属って言われた意味がやっとわかりますた(藁
確実にワタシは土蜘蛛さんの眷属ですよ。
187眷属171号:05/02/15 08:17:45
儚げな考え

死ぬとどうなるのだろう。
きっと、宇宙の外には誰も知らない世界があるんだ。魂はきっとそこへと導かれるはずだ。
僕はあの世が何処か高次元にあるとは思えない。
もし、死んだ後に魂が行き着く場所と言えば、宇宙の外側しか有り得ない。
何処かの高僧は、「人間が死すると、その魂は遥か遠い夢の国に送られる」って言ってたな。
夢なんて、逃げ出した人間が行き着きそうな場所だ。
僕は夢は嫌いだ。
・・・
そういえば。どうして、僕の体は重いんだ?
なぜ、頭の中にこれまでの記憶が止め処なく再生されるんだ?

・・・
宇宙移民計画により建造された「ショゴス3号」の民間移民者に漏れた僕は大量に睡眠薬を飲んだんだっけ。

死滅するだけの地球に残されるのが嫌だったんだ、ハハ。

マリはちゃんと、乗れただろうか・・・。

結局、僕は夢の世界に逃げる・・・の・・・か・・・

188眷属171号:05/02/15 08:24:56
一応、SFっぽくしてみました。
ショゴス3号は、ショゴス2号の後に建造された新造艦です。
全長50kmで、余りにも巨大なので宇宙空間で建造されました。

マリちゃんは、この自殺者の恋人です。
器量良し、料理の腕前も最高のロングヘアが似合う女の子です。
が、民間移住者に選ばれたラッキーな人でもあります(恋人は無理だった)
まだ死にたくない彼女は、恋人を捨て新たな星で生きる事を選びましたとさ。めでたし、めでたし。
眷属171号さん
おーい! 『めでたし、めでたし』ってw

最近の話ですが、自動販売機に千円札を入れタバコを一つ買って胸のポケットへ。
お釣りを取り出した直後に知り合いに声を掛けられた。
「じゃあ、また!」と互いに片手を上げて知り合いはどこかへ……。
漏れは、自動販売機の取り出し口へ手を……ない?! タバコが出てこない!!!
店の主人に文句を言って、タバコを一つ貰った。
一服してタバコを胸のポケットへ……。めでたし、めでたし。

新作お待ちしています。
ルクダルさんにhtmlミラー化してもらいました。

おまいら短編SF書いてください
http://ruku.qp.tc/dat2ch/0502/18/1042728362.html
191 ◆GacHaPR1Us :05/02/18 21:09:19
>>190
192眷属171号:05/02/21 19:18:26
噛み合わなかった歯車-1-


死人間の彼女を愛してしまった僕がいけなかったのか。


空は限りなく繋がっている。そして、誰もがこの青く澄み渡った空を見上げる。
僕はそう考えると、なんだか無償に愉快な気分になってくる。
それは生きる事への意思なのかもしれない。
だが、彼女は違った。
澱み切った灰色の空を見上げて、彼女は屈託のない笑顔を見せる。
その顔は人間のものと同じ。
サラサラとした長い髪の毛に、くりくりとしてはいるが、垂れがちの目。
人間の誰もが見ても、美しいというだろう。

だが、彼女の体は僕ら人間の体の作りとは大幅に違った。
僕たちは死に向かって生きる。
しかし、彼女らは生に向かって死ぬ。
その違いで人間と死人間の好む物も顕著に分かれてくる。
彼女が言った中で、僕が一番印象に残っている事がある。

「わたし達はね、死臭が好きなの。あなた達人が腐ったときに発するガス。そして、食べ物が腐った臭い。それを嗅いだり感じたりする事で、ああわたしは生きてるって実感できるの」
彼女は少し恥ずかしそうに窓の外を見ながら話した。
「死んでいる、じゃないの?君達は僕達の体とは違うからさ。学校では、そう習ったよ」
「ううん。わたし達の肉はどんどん活性化され、新鮮な物になっていくわ。けど、感情ではあなた達人間と同じだと思うわ」
「それじゃあ、さ。やっぱり、僕の事が好きっていうのも・・・」
心臓がバクバクと脈打った。彼女が死人間だと分かっても、僕は彼女が好きだった。
「勿論、本当よ。セックスはあんまり好きじゃないけど、あなたがわたしを求めてくれるのは凄く嬉しい」
彼女は下を俯きながら、手をもじもじさせた。ほんのり顔が紅い。
僕の口の中はカラカラに乾ききっていて、ザラザラの舌が少し痛かったのを覚えている。
193眷属171号:05/02/21 19:31:03
噛み合わなかった歯車-2-


星が綺麗に見える丘の上に寝転んで話した事もあった。
彼女は星が瞬いているのが嫌いとは言ってはいたが、僕といるからなんだか嬉しそうだった。

「あなた達は死を恐れるけど、わたし達は無になる事を恐れるの」
彼女は少し薄汚れたワンピースの裾を直しながら言った。
「だから、同じなの。あなた達もわたし達も。方向性が違うだけで、基本的には平行だから」
「そうだね。僕と君が解り合えたから、人間も死人間も交流しあえばいいのに。だって、こんなにも・・・」
と、彼女が僕の言葉を遮った。
「姿形は同じでも、基本的に性質が自分と違うものは認めようとはしないのよ。それは、人間も死人間も同じ」
「・・・」
「でもね、あなたは違う。わたしを分かってくれたから」



最後に見た彼女の顔はとても美しかったのを覚えている。
でも、彼女はもういない。
僕らは出会ってはいけなかったのだろうか。
古代の学問にあったが、インとヤンという二つの極大属性は交わってはいけない。
賢い人はこの事を予測していたのか?
それはもうどうでもいいや。

なぜなら、彼女は生きる事を望み、僕は死の欲望に目覚めたからだ。

END

194ケロロ少佐:05/02/22 00:31:53
『学校へ行こう』その1

今日は金曜日。
『ニューロプラス』脳科学 学習法を使った《生きがい学習》が実施される日。
毎週一回、全国の学校では、機械と脳が、つながって情操教育が行われる。
簡単なヘッドセットを装着するだけ。昔のサイバーアニメのような外科的手術は、必要ない。オーダーメイドの思考プログラムがロードされた・・・・

そこには、いつもの自分より常に不幸な存在で有りつづける誇張された自分がいた・・・

僕は一人ぼっち・・・教室の机・・・椅子に座っている。
クラスの誰もが僕を見ない。僕を見てくれない。
まるでそこには、何も無いかのように・・・僕が悪いのかな!?僕のせいなのかな!?なんで、誰も話してくれないの!?
松田先生の顔、お母さんの顔、お姉ちゃんの顔、お兄ちゃんの顔・・・・僕は、じっと時を見つめ続ける・・・朝が過ぎ、お昼休みが過ぎ・・・・ずっとずっと・・・もう、涙も悲しさも忘れてしまった。
僕は、下道(しもみち)小学校3年生《友永勇太》8歳。・・・・
195ケロロ少佐:05/02/22 00:33:19
『学校へ行こう』その2

私は、さえない見知らぬ中年の男と夜のセンター通りを歩いている。ゾッとするよなイヤラシイ笑い顔のオヤジとホテル街に消える。
まるでそこには、何か答えが待っているかのように歩く・・・私は誰なの!?私は何に不満なの!?なんで、誰も私を理解しないの!?
お父さんの顔、お母さんの顔、お兄ちゃんの顔、弟の顔・・・・私は、じっと時を見つめる・・・
シャワーを浴び、マヌケな動物の待つベッドへ・・・・もう、何もかも無くしてしまった。
私は、下道(しもみち)中学校3年生《友永やよい》14歳、

俺は、無表情のままで、夜の通学電車の吊り皮にかろうじて引っかかっていた。
無意味な授業・・・・苦痛の連続・・・・まるで永久に続く、拷問ように・・・俺は何を求めてたのか!俺は何をすべきなのか!俺は、世の中に必要なのか!仕事とは何?!ワカラナイ・・・なぜ、生きているんだ・・・・
友人 木村の顔、母さんの顔、妹の顔、弟 勇太の顔・・・・俺は、夜、寝て・・・朝、目覚める・・・だが何も始まらない・・・
もう、何もかもが、からっぽ・・・
俺は、下道(しもみち)専門学校生 2年《友永岳彦》20歳。
196ケロロ少佐:05/02/22 00:34:58
『学校へ行こう』その3

この授業は、日本政府が将来の国力維持の為に1年前から開始した、学習法である。
内外の激しい批判を無視する形で始めてしまい、内閣が総辞職までしてやっと法案が可決された程の大型プロジェクト・・・・

授業の前には、効果を助ける為、わずかな数の時限効果ナノマシンが鼻から吸引され授業の間、脳へ常駐する。
授業後、マシンは、体外へ強制排出され回収される。
生徒達が日頃、個々にかかえている潜在的精神不安を誇張させ擬似体験の形で脳内でシミュレーションさせる。
自分と他者、更に広く、社会とのつながりなど、理解し、問題を自分の力で解決できるように導く。

自分の判断で行動したことがどういう結果になり、それはどのような理由でそうなるのかが理解出来、授業が繰り返される事によりやんわりと修正されてゆく。
たとえば、学校の友達をいじめた場合に、なぜそういう気持ちになったのか、周りはどう思ったか、別の行動をとった場合は、どうなっていたのか・・・・
さらに最終的に自分が苦しむようになるのはなぜなのか、といった事まで・・・
これまでの学校では学習できない事柄が、直接、本人の自我に訴えかける形で身につく。ホログラフィック脳的、知覚の革新。 未来的学習機能の実用化である。
197ケロロ少佐:05/02/22 00:36:33
『学校へ行こう』その4(終)

今日の授業が終わった。勇太は、勇気を出して話しかけ、友達を作った。
やよいは、夕方には、帰宅する事を自ら選び、両親に不満をぶつけ怒鳴り、語り合った。
岳彦は、常に夢中で努力し全力でぶち当り続ける強さとその時だけに芽生えるの心地よさを知った。

思考データがデジタル解析され脳梁の神経中枢部位へ的確にあてがわれ、アクセスを強要、ホグラフィック機能とナノマシン通信装置とが、微電流で電極パッドから脳神経を知覚させる。
脳活動の適正化は、今の子供には、絶対に必要なもの。最少限で的確な強烈イメージが良質のマインドコントロール作用を作りだす。

友永家に今日も朝が訪れた。
小学校3年生《友永勇太》8歳、中学校3年生《友永やよい》14歳、専門学校生2年《友永岳彦》20歳。
3人は、元気に家を出た。学校へ行くために。

今日は金曜日。
《生きがい学習》が実施される日・・・・・
眷属171号さん

世の中、噛み合わない事だらけですね。最近、死人間が大杉です?

以前、駅近くの無料駐輪場で、小学三、四年生くらいの女の子が、スタンドを隣の自転車のペダル
に引っ掛けて困っていた。漏れはスタンドを外してあげようと、少女の方に向かった。
少女の顔が恐怖に歪み、必死にスタンドを外そうとする。……慌てれば慌てるほど、スタンドは外
れづらくなる。漏れは、しゃがみ込みスタンドを外した。少女は恐怖したまま走り去る。少し寂しかった。

数日後
見知らぬ少女に声を掛けられた「おじさん」漏れは、子供の素直さに恐怖した。


ケロロ少佐さん

未来技術の複合に喜んじゃいました。
道徳不感症は、非常に危険だと思う。そんなところから、このお話が出来たのでしょうか?

新作お待ちしています。
199ケロロ少佐:05/02/22 21:25:50
>>198感想ありがと。

土蜘蛛さんや眷属171号さんが精神的内面な話をうまく書いていたので、私も・・似た物をと・・・で作ってみました。

一応、社会的問題?をちょこっと混ぜてみました。

いじめ問題?・援交問題?・ニート問題?・・・・・

尚、友永勇太8歳の部分は、ちょこっと、私、ケロロの子供の頃の実体験が含まれています。
200名無しは無慈悲な夜の女王:05/02/22 21:42:20
アタィこそが 200へとー
201眷属171号:05/02/22 22:31:44
>>198
最近は、デストルドーな人が多いですよね。
向こうから近づかれると恐怖を覚え、こっちから近づくと向こうが恐怖を覚える。
最近は隔離された人間関係ばっかですからねー。

>>ケロロさん
こんな技術があれば、子供の問題は解決されるでしょうね。
う〜ん、僕には想像力を豊かにしてくれるナノマシンが欲しいですね(笑
202土蜘蛛:05/02/23 08:43:02
>>眷属さん
切ないっすね・・・。ところで死人間ってのは生まれた時は腐っていて、
老化するにしたがって人間に近づいていくって感じでしょうか?

>>ケロロさん
流石、自分と違って精神もの扱ってもSFになっている・・・こちらも精進せねば。
203ケロロ少佐:05/02/24 02:00:42
『小さな猿の小さな冒険』その1

フルルルルーンーーーーと、透き通った白色の生体ボディ製、水素自動車《レクサス308》が走る。
自動走行レーンからマニュアル操作道路へと進路を変えた。かなり強引な運転だった。
『ジャーァアーン!!!今の走行は、道路交通法違反です。』ナビ知能がすかさず運転者《高畑眞瑠子(たかはた まるこ)24歳》に、指摘!!!
即座に運転免許証のデータから減点、オンライン口座から反則金が支払われた。

容赦の無い、ナビ知能 相手に怒鳴りちらしていた眞瑠子(まるこ)は、まったく気付いていなかった・・・
斬新なボディデザインの最新オープンカー《レクサス308》の後部座席から強引な進路変更の為に、こぼれ落ちた1体の知能ぬいぐるみの事を・・・・
眞瑠子にとっては大切な思い出のぬいぐるみ。10歳の時の父からの誕生日プレゼント・・・・・

《レクサス308》から落ちた、白い子猿のぬいぐるみ《アメディオ》は、立体交差道路から地上へと落下を続けていた・・・・
途中のガードフェンスの一部に引っ掛け、お気に入りの真っ赤な服が裂けた。
『ああ僕のベスト・・・』と声を出さずに叫んだ。
《アメディオ》は、10年前に製造されたペッピーノ社製の初期型の子猿のぬいぐるみ。
あらかじめ入力された言葉のみを発声するタイプで思考と発声がリンクされていなかった。
204ケロロ少佐:05/02/24 02:02:55
『小さな猿の小さな冒険』その2

かなりの高さからの落下だった。この区画には、まだ自然の樹木が残っていたおかげで枝葉がクッションの役目を果たし、何とか壊れずに済んだようだ。
《アメディオ》は、ゆっくりとたちあがり遥か上の高架橋を見つめた・・・・
眞瑠子(まるこ)は、行ってしまった。僕を置いて・・・

《アメディオ》は、自分のメモリー内に登録してある眞瑠子(まるこ)の住所を呼びだしてすぐさま帰巣機能を稼動させる。
かなりの距離だ。この、子猿が搭載している地図データは、製造当時のものだった。
しかも、眞瑠子(まるこ)のユーザー登録の住所も古いまま。

頼りなく歩道を歩き始めた《アメディオ》。
すれ違う多数の一般市民が時々声をかける。すれ違う 人型2足歩行ロボが時々、アクセスしてくる。すれ違う生きている犬たちが不思議そうに鼻を寄せてくる。
だが《アメディオ》は、一生懸命に前方の一点のみを見つめ続け歩いていた。大好きな眞瑠子(まるこ)の元に戻る事だけを願って・・・・
この時《アメディオ》は、気づいていなかったが、メモリー内の記憶に欠落部位が発生していた。
《アメディオ》の捜し求めていた眞瑠子(まるこ)の画像データは、初めて出会った時の10歳の眞瑠子(まるこ)の姿だけが機能していた。
《アメディオ》は、10歳の眞瑠子を思い浮かべ更に歩き続けた・・・・
205ケロロ少佐:05/02/24 02:05:13
『小さな猿の小さな冒険』その3

ピッピッ!電源マネージメントが不満を訴えた。
バッテリーの残量が10%を切った。《アメディオ》の視点が強制的に次の通りの公衆充電ボックスを見せた。
充電をしながら《アメディオ》は考えていた。
充電ボックスに付属のネット接続ソケットにアクセスさせようかどうかを・・・・
僕のネット接続能力には、かなりの制限が有る。
しかも僕に載せてある時代遅れのソフトウエアでは、接続させた場合どんな障害が起こるかわからない。

・・・・でもやってみよう・・・・・

恐る恐る少しずつゲートを開きながら情報の行き来を承認させる。眞瑠子(まるこ)に僕がココにいることを知らせられれば・・・・・
ピィーーーッツ異様な音が頭脳チップ内にこだまし、すべての記録ブロックが分解、僕は、機能を停止した。

チリ一つ無い《ルート246》の歩道の脇に《アメディオ》は、横たわっていた。急激な情報の流入にオーバーロードを起こし動作を止めたのだ。
よろよろと近づく男・・・浮浪者のような身なりの年老いた人間。この時代、路上生活者は存在していないのだが・・・
『うへえーーー。懐かしいねえ。』白いぬいぐるみを拾い上げる男。
《アメディオ》は、男に助け出された。
もう少しこのまま歩道に転がっていたら定期清掃ロボットに見つけ出され廃棄施設へ運ばれ分解処理の上、各種リサイクルチップに姿を変えていた所だ。
認証タグのついた赤いベストを無くしてしまっている《アメディオ》は、単なるゴミと判断される。
206ケロロ少佐:05/02/24 02:12:28
『小さな猿の小さな冒険』その4(終)

2時間後、所得保護者用の単身者アパートに住む、年老いた男が《アメディオ》を再起動させていた。
『おい。聞こえるかい!最新のシステムを上書きしてやったよ。』
ペッピーノ社に勤務して定年をむかえていた、この男は、昔の本業の腕前を発揮し《アメディオ》の外界認知性能をアップさせていた。
記憶メモリーも可能な限りデカイ容量が積まれた。
『ついでに、気になったところを直してやったからな!お前さんと同型の最新量産モデルの3倍は高性能だぞ。ハハハ!』
すくっと立ち上がった《アメディオ》は、軽く2回3回と宙返りをしてから周りをくるりと見渡した。

男は、立ちあがり玄関のドアを明け、『さあ行きな!大事な人のもとにな!!』

外へ飛び出した《アメディオ》は、初めて体験する別世界に驚いていた。
周りが・・・すべてが・・・・何もかもがハッキリと認識出来る。

『まるで別世界だ。』

『あっ!』思考と発声が完全にリンクしていた。思ったこと、感じたことが制限無く言葉に出きる能力を得ていた!!
《アメディオ》は、2回3回と宙返りをした後、走り出した。
走りながら同時にネットへ接続させ、眞瑠子(まるこ)を探した。
生まれ変わった《アメディオ》は、即座に見つけた。
僕が眞瑠子(まるこ)の所に来たとき、10歳だった彼女。10歳の時の顔データから今の20歳の眞瑠子(まるこ)を推測するのだ。『いた!!眞瑠子だ!』
社会管理知能からの返事は、ココからは、遠くなかった。たった2区画先に眞瑠子は、住んでいたのだ。

《アメディオ》は、走った。《アメディオ》は、叫んだ。もう僕は何でもしゃべる事が出きるんだよ。
マンションから出てきたばかりの眞瑠子もこちらを見つけたようだ。
《アメディオ》は、無意識に、いつもやっていた眞瑠子の周りを2周すばやく回り眞瑠子の肩に跳び移りホッペにキスをした・・・・

『もう絶対、絶対離れないよ。眞・瑠・子・・・・』それは《アメディオ》が落下してからわずか5時間後の再会であった・・・
小さな猿、アメディオのお話だよ! 短いお話だけどよく出来てるよ! 坊ちゃん、お嬢ちゃん、
そこの兄さん、お姉さん、寄ってらしゃい、見てらしゃい! はい、はい料金はたった一レスだよ。
何、そんな話聞いていない? ちょっと待って下さいよお客さん! もう読んじゃた? そりゃー
ひどいよ! 払って下さいよ。払ってくれれば問題ナシッングってなもんですよ? 読む前に言っ
てくれって? しょうがないなー、じゃあこうしましょう。一つお話を作って下さい。コピペや改変
モノはダメですよ! 期限はありませんが絶対ですよ! 約束ですよ!

皆様のお話、お待ちしています。











                    入り口
208ケロロ少佐:05/02/24 23:38:47
>>207
良くわからんが・・・ほめてくれてるのかな?

最初のタイトルは、『眞瑠子をたずねて三千里』ていうモロでした・・・
ケロロ少佐さん

>>207
今回、趣向を変えて簡素してみました。
愉しめました。

新作お待ちしています。
『小さな猿の小さな冒険』
もっとひねった方がよいと思う。
211ケロロ少佐:05/02/25 12:39:43
>>210
だね・・・
書き上げてから1日くらい寝かせてから見直せば、もう一工夫できたかも・・・・

絵本でよく見かける単純だがハッピーエンドのお話をイメージして作った次第です・・・・
自分なりには、けっこうSFっぽいシーンを書けたとは思っていますケド・・・
強制的に視点を充電ボックスへ向かせるとか・・・
定期清掃ロボットが巡回し街の歩道は常時キレイに維持されているとか・・・
212眷属171号:05/02/25 18:09:02
>>202

生まれたばかりの彼らの肉や体組織は死んだ状態で生まれます。
ほとんどゾンビですね(笑
ちなみに彼らの世界でのゾンビ映画は彼らの事を皮肉った作品となります。
(生きている人間の肉を食ったり、知能がなく動き回る辺りが)
彼らは、どんどん子供に還っていきます。
213眷属171号:05/02/25 22:50:37
Ω[吽]-1-


―そんな事は予想できたはずだ。

―人間は基本的に過ちを犯してから、成長する種だ。

―だが、それでは全てが遅い。



新しい生命として一人歩きを始めた機械たちは、地球最大の種である人間を攻撃目標とした。
電脳世界の占拠に続く、現実世界での全世界同時多発蜂起は確実に人の数を減らした。
各地で起こる人の反抗。
血で血を塗り替える程、激しい人と機械の戦い。

だが、善戦もせぬまま人は種としての終局を迎えつつあった。


続く



214眷属171号:05/02/25 22:51:16
Ω[吽]-2-


A.D.2214

シェルター内部の暮らしは酷いものだった。
植物プラントが数基活きていた為食べ物には困らなかったが、地上に居た頃の秩序は無かった。
女の子は人間という種族保存の為、強制的に男と性交渉をして、子供を生まなければならない。
権力を持った男達は、人類の存亡という旗を掲げているが、実際はただの性欲処理の道具としてしか女を見ていない。
親も友達も誰も助けてくれない。
まるで、旧インドのカースト制のようだ。


あるひ、わたしはまわされた。


獣染みた彼らの行為に成す術もなく耐えているだけの自分に、腹がたって仕方なかった。
行為が終わってから、急に涙が溢れてきた。
悔しくて悔しくて、涙を拭こうとするけど手や足は脱力しきって動かない。
もう、死んでやろうと思い舌を噛もうとした、が寸での所で決心が鈍ってしまう。

「・・・誰か、助けてよ。お願いだから助けてよ。ここから出してよ!!」
小さな部屋の中で思いっきり叫ぶ。
この世界を呪いたかったのかも知れない。
すべてが憎かった。


続く
215眷属171号:05/02/25 23:09:12
Ω[吽]-3-


「呼んだ?」
扉の向こうから、女の子の声がする。
突然の事で驚きもあったが先ほどの行為を思い出し、急に頭を恐怖感が支配する。

もしかして、わたしは違う男達にまわされるの?
あの女の子もいっしょに犯されるの?
もう、嫌だ。死ねないのなら、逃げたい、何処かへ行きたい。

妄想が頭を堂々巡りする。
それを悟ったように、

「大丈夫だって、何もしない。あなたを助けに来た」
その声はひたすら優しかった。

「・・・、ホント?わたしを逃がしてくれるの?」
「ええ、本当よ。でも、わたしの質問に答えてくれたらね」
「何?」
わたしは、扉の向こうにいるであろう女の子に尋ねてみた。


続く
216眷属171号:05/02/25 23:12:58
Ω[吽]-3-



「人間ってさ、本質的にはいいの?悪いの?」
気が動転していたせいもあるかもしれない。
わたしは感情がまた高ぶってきて、知らない間に怒り口調になっていた。

「悪いのは全て、男よ!女を物扱いする男が悪いの。あんな野蛮な奴等、人間とは呼べない・・・そう、人間のクズよ!!」
低い唸り音と共に、女の子の声が聞こえてきた。
「男と女がつがいで、人間っていうんだと思った」
「男と女は別物よ!女は生命を産んで育てられるけど、彼らが作るのは破壊兵器ばっかり・・・」
「じゃあ、男が悪いんだ・・・なるほどねぇ、ふふ」
女の子の気持ち悪い笑い声が聞こえたたかと思うと、女の子が扉から遠ざかるのが足音でわかった。
僅かな地面の振動といっしょに女の子は去っていった。

「任せて」

という言葉を残して。


続く
217眷属171号:05/02/25 23:26:10
Ω[吽]-4-


「くっそ、シェルター内に”物歩き”が出たぞ!!仲間を呼ぶ前に始末するぞ!」

「APライフルでも歯が立たないだと、短期間で確実に進化してるぞ」

「構わん!!撃て、撃てぇえええ!!」




いつの間にか、眠り込んでいた。
極度の緊張状態から解かれて、安心して寝てしまったみたいだった。
精液で汚れた体をシーツで拭き、たどたどしい手つきで服を着る。
とりあえず、外に出よう・・・。


続く





218眷属171号:05/02/25 23:29:02
Ω[吽]-5-


そして、何処かへ逃げよう。


わたしは、外に出てみて驚愕した。
シェルターの住民が死んでいる。
ある者は、内臓をぶち撒かれて。そして、またある者は、スッパリ半身を飛ばされて。
咽かえる程の血の海が、鮮烈にシェルター内部を染め上げる。

声が聞こえた。女の人の声だ。
向こうからもだ。家の中に隠れてたらしい。

そこでわたしはあることにきがついた。

虫けらみたいに死んでいるのは馬鹿な男ばっかりだ。
苦悶の表情を浮かべて死んでいるのは、うざったい男ばっかりだ。
わたしはとても清々しい気分になった。


終わり
219眷属171号:05/02/25 23:30:02
出たッ。僕特有の尻すぼみ短編読み物。
眠たいマナコ擦って、書き上げてみました。
外寒いですけど、中はストーブの熱で逆上せそうですよ。
220ケロロ少佐:05/02/26 10:10:27
眷属171号さん

単純な私には、これまでの一連の眷属171号さん作品では、こいつが一番良かった。
このスレに合ったちょうど良い長さの短編でベスト。

−3−>>216でオチは、読めますがそんな事はドーデもいい。
人間のバカな部分、未完成な知的生物な部分・・・
そして人工知能のマヌケな部分も良く表現できていると思われます。
ちょっとエロ入ってるのも私好み・・・

地上波で放送していた『ターミネーター3』の影響ですか・・・

次回作も期待してます。
221土蜘蛛:05/02/26 12:58:02
>>眷属さん
なかなかいい作品です。ですが・・・
軽度の女性恐怖症の自分には下手なブラクラ以上のサイキックダメージがっ!!
余談ですがラブコメの主人公には絶対に共感できません・・・

デデエの逆襲はどうしたって?ははは、やっぱ先にタイトル考えるんじゃなかった・・・(泣)
眷属171号さん

君はこんな妄想で××××が出来るのか? まだまだ鍛錬が足りないな。漏れならば(中略)して不覚
にも○ってしまった漏れを、奈落の底に蹴り落として欲しかった。

阿α、そうそう、漏れは2,47mΩでつよ。

新作お待ちしています。
223眷属171号:05/02/26 19:08:26
>>220

ええ、もろターミネーター3の影響です(笑

一応、彼ら機械の中にも穏健派が居て、最初の会話の真ん中が穏健派の意見となります。
観察用として、数十対の人間がドームの中でいろいろとさせられてます(ほとんどペット状態ですが)
(とりあえず、人間の営みについて。彼らはその事に興味津々です)

ケロロさんの短編はどれもワクワクするものですね、新作お待ちしてます。
224眷属171号:05/02/26 19:12:25
>>221

ラブコメの主人公に共感できない人、二人目(笑

機械に歯向かう勇敢な男の友情と勝利っていう物語が嫌いなもので、こんな事ばっか考えてたりします。
極限状態だからこそ気持ちいい事に逃げる、そんな汚い思想の男達が多いこのシェルター。

女の人は苦労しますね。

この世界ではもう物理的な攻撃を仕掛けようする人間は居なかったりします。
ほとんどは、電脳世界でレジスタンス活動してます。
↑もろ、MATRIXじゃん。
225眷属171号:05/02/26 19:15:25
>>222

精進します(笑

一応、補足しておくと(一応、満足して貰えるかなと思って、後付なんですが)
女の子型の”物歩き”なんですが、外見は白い肌とハーフっぽい風貌で、美人です(美人キャラ大好き)
彼女は、穏健派の機械なんで、人間の知識とか思考パターンはあらかじめ知ってます。

だから、あの女の子の悲痛な叫びを聞いて、ちょっとだけ共感したようで、
男達を徹底的に恥辱して殺してたりします。
(目の前で無理矢理自慰させて、果てたらいきなり首スッパーンとか、他にもいろいろ)

凶悪です。
226ケロロ少佐:05/02/27 03:06:34
『遠い世界』その1

北ブロック区画にある、1990年頃のバブル時代に建てられた古ぼけた4階建てビル。きしむ自動ドアが開き、トボトボと中へ入って行く浮浪者のような年老いた男《宮崎》。
今の時代、路上生活者は存在していないのだが・・・

部屋のドアの認識板に手をかざす。カメラによる顔データと共に市民IDの照合、認証がおりて板がブルーに光り静かにドアが開く。
四つ有る個室の1つに入り、粗雑な椅子に座る。
いつものように息子《敏夫》を呼びだす。
『おやじか!うれしいよ。ありがとう。いつも会いに来てくれて。』数秒、画面が途切れブレが続く。
『そっち(現実世界)は、どうだい。父さん。』《敏夫》の表情は、不鮮明な画面上で見てもわかるほどに苦痛にゆがんでいる。
今日もつらそうだ。『こっち(現実世界)も似たようなもんだ。何にも無いよ。』といつもの面会で繰り返される一連の親子の会話が続いた。
規定のアクセス時間は、あっという間に終わり、《宮崎》は、ビルを出て、チリ一つ無い《ルート246》の歩道をトボトボと歩き始める。
あいつは、今日も泣いていた・・・
227ケロロ少佐:05/02/27 03:08:30
『遠い世界』その2

安定した常春(とこはる)経済の日本。
長年連れ添った妻は、去年 死に、神さまから授かった一人息子の《敏夫》も、今は、遠い別世界で苦悩の生活を送っている。

20歳だった息子が流行していた科学技術を絶対神と崇める狂信集団の、とりこになったのは遥か昔の事・・・・
当時、開発され、実用化になったばかりの仮想世界への人間の意識、人格の移住。
《敏夫》は、狂信集団の仲間と一緒にコンピューターの中へ行ってしまった。自分自身の生身の体を処分して・・・・
その後、すぐに意識変換時の技術に致命的欠陥が見つかったが・・・・時は、すでに遅く、移住した人間はリアル世界に戻る事も出来ず、不完全な楽園で苦悩の生活を送る事となる。
しばらくして狂信集団は自然解散、残された息子たち被害者463名。
『あの時・・・なぜ私は、息子を止めなかったのか・・・』歩道の真中で立ち止まったまま、《宮崎》は、これまで何度繰り返したか知れない言葉をまた・・・つぶやいていた・・・

ふと視線を向けた《宮崎》は、歩道の脇に横たわっていた白い小さな物体が目に止まった。
それは、10年前に製造されていた、ペッピーノ社製の初期型の子猿のぬいぐるみだった。
『うへえーーー。懐かしいねえ。』 白いぬいぐるみを拾い上げ、所得保護者用の単身者アパートの自宅へ向かった。
228ケロロ少佐:05/02/27 03:10:15
『遠い世界』その3

2時間程、集中し作業をした。ペッピーノ社に勤務して定年をむかえ、もう、だいぶ経つ。
あの頃の夢中で仕事をしていた感覚が一時的だが甦り、時を忘れた。
こいつは、急激な情報の流入にオーバーロードを起こし動作を止めたようだ。
再起動させてみた。
『おい。聞こえるかい!最新のシステムを上書きしてやったよ。』
外界認知性能アップ、記憶メモリーも可能な限りデカイ容量をつけてあげた。
『ついでに、気になったところを直してやったからな!お前さんと同型の最新量産モデルの3倍は高性能だぞ。ハハハ!』
声には出さなかったが・・・もう少し時間が有ったらボディカラーを赤にするとこだったぞハハハ・・・と。
すくっと立ち上がったぬいぐるみは、軽く2回3回と宙返りをしてから周りをくるりと見渡した。

私は、立ちあがり玄関のドアを明けた。そして・・・・自分の今の思いを代弁したような言葉が無意識に出た。

『さあ行きな!大事な人のもとにな!!』

この時、《宮崎》は、決意した。
もうこの現実世界に思い出は必要無い。明日、息子の住む世界へ行こう。
229ケロロ少佐:05/02/27 03:11:52
『遠い世界』その4(終)

次の日、朝早く起きた私は、お昼頃までかけて部屋の片付けを行った。
もう戻ってこれない部屋の片付けを・・・・
ドアをロックし出かけようとしたとき1体の公共ロボットが尋ねて来た。
『宮崎さんですね。今日は、一人暮らしの方の訪問面談にまいりました・・・・ 』

ていねいにアシモくんに断りを延べ再び《ルート246》の歩道を歩き始める。
今は、良い時代だ。優れたロボット達がいつも人間社会を影で支えてくれている。
あのアシモくんもかなりのスペックを持つロボットだった。

1時間後《宮崎》は、違法の処置を高額な価格で請け負う女の所にいた。
女に市民IDカードを渡す。
仮想世界の住人になる私には、もう必要の無いものだ。身分も口座も、資産もすべてくれてやる。どうぞ何にでも使ってくれ。

こうして私は、息子と共に過ごす事を選んだ。もう二度とリアルの世界には戻る事は出来ない。

・・・・ココは、不完全で永久に続く、苦痛と病の世界・・・・地獄の楽園・・・・
230ケロロ少佐:05/02/27 03:15:49
前回載せた『小さな猿の小さな冒険』と同時進行する相互リンクさせた、お話↑です。

これから↓で、もう1篇、載せるお話も含め、一応3部作です。
231ケロロ少佐:05/02/27 03:18:00
『FFDN−129の一日』その1

ワタシは、公共ロボット《FFDN−129》。市民の皆さまの日頃のお世話が仕事です。
いつも表参道の交差点の交番の待機ブースにワタシは、います。

市民の皆様は今日も、お仕事、お買い物 などなど忙しく表参道の街を歩いていらっしゃいます。
さあ、定期巡回の時間です。《ルート246》をAOYAMA−1の区画までを歩きます。
今日もワタシと同じ2足歩行ロボットの仲間たちがたくさん歩いていますネ。

巡回を始めてすぐ歩道を歩いてくる白い子猿のぬいぐるみロボットを見つけた。
その子は、認証タグを持たなかった。ワタシは、話しかけてみた。
が、一切、返信は無く一直線に歩き続けて、行ってしまった。
外見データから調べてみた。10年前に製造されたペッピーノ社製の初期型。
バージョンアップしないままだと仮定すると、あのロボットに載せられている通信ソフトウエアは時代遅れの可能性がある。

巡回ルートも終わりに来た頃、一つ脇に入った通りで事件が起きていた。
問い合わせの答えが社会管理知能から届いた。
ワタシ達の仲間が少年集団に襲われたようだ。完全に破壊されて意識も消されてしまっていた。
232ケロロ少佐:05/02/27 03:20:06
『FFDN−129の一日』その2

最近、ワタシ達公共ロボットの襲撃事件が多発していた。
加害者は、12歳から14歳位の少年の集団。徹底的に破壊される。
ボディの最深部に存在する頭脳チップを奪うのだそうだ。
襲ったロボットのチップをネックレス状に首にさげたくさんコレクションする事が流行らしい・・・・・
この事件の事を考えるたびにワタシの意識の奥がなぜだか数回ユレル・・・・

次の日、いつものように交番の待機ブースにいたワタシに、午後のスケジュールが、社会管理知能から届いた。
一人暮らしの御老人の訪問面談だった。
南3区画に有る、所得保護者用の単身者アパート。お世話するのは、そこに住む《宮崎》という名の男性だ。

長期的安定経済を実現した日本・・・
だが、今も年老いた一人暮らしの方が困った事をかかえて不安な毎日を送っていらっしゃる。
いろんな問題が残されているのだ。まだまだワタシ達公共ロボットは必要とされている・・・・がんばらなくては。

アパートの階段をのぼってみるとそこには、一人の男性に出あった。
顔データの照合で即座にこの人が《宮崎》さんであるとわかった。
『おお、アシモくんか・・・・』と老人は言った。
『いえ!ワタシは公共ロボット《FFDN−129》・・・・』とすかさず修正の言葉を発する。
この世代の御老人は、なぜかワタシ達のようなロボットを見ると、ほとんど、この名前で呼ばれてしまう・・・・
『宮崎さんですね。今日は、一人暮らしの方の訪問面談にまいりました・・・・ 』
233ケロロ少佐:05/02/27 03:22:01
『FFDN−129の一日』その3(終)

結局、この老人からは、特に緊急の要望は無かった。
これから何か重要な用件が待っていると言い残し急いで外出してしまった。

ワタシは交番の待機ブースへ戻る途中、いつものルートとは違う、公園を横切る回り道をした。
そこで15分ばかり座って地面を忙しそうに歩き回るアリをじっと見つめていた。
ワタシのひそかな(とは、言っても当然、社会管理知能は、知っていて大目に見てくれているのだが・・・・)楽しみ。

立ち上がりそろそろ戻ろうとしたとき何かが起きた。
突然ショックが襲い、倒れた。
後方カメラで一瞬確認したのは、電磁棒と高出力の電気網を持った少年の集団の姿・・・・

消えてゆくワタシの意識が最期の1ターンで考えたこと・・・
『まだまだ人間は・・・人類は・・・未熟だ。ワタシ達、機械がソバにいてあげなくては・・・・ずっとずっと・・・・』

『未熟で無知で、か弱く、それでいて いまだに野蛮なイキモノ・・・・ダイスキナ・・・イトシイ・・・ニ・ン・ゲ・ン・・・』
234眷属171号:05/02/27 22:16:46
>>226

虚ろですね。こんな話大好きです。
いやぁ、何かとSF世界の最新技術って人道的にも道徳的にも受け入れられないって感じですが、
僕はこんな世界が来るといいなとか思ってます。密かに

>>231
最初パッと見、「老人Z」を思い浮かべてしまった(笑
SF作品のほとんどが、未来技術の警鐘のような感じがして。
機械が人間を排除しようと思う作品が多くて当たり前ですね、今の世の中は。

新作お待ちしてます。
ケロロ少佐さん

3部作ですか。世界観が拡がり愉しめました。

漏れは、ケロロ少佐さんと、このスレで交差しました。さて、ケロロ少佐さんは何処へ……。漏れは
何処へ……。このスレは何処へ……。あなたは何処へ……。


眷属171号さん

レスありがとう。正直、崖から落ちそうでした。強がってレスしたのですが、
>>目の前で無理矢理自慰させて、果てたらいきなり首スッパーンとか、他にもいろいろ
本当にありがとう! 左手だけでぶら下っていた漏れの手を踏みにじりやがって、ありがとう!
漏れのレスが壊れていてのに気が付かなかったのか? これからも漏れを、奈落の底に蹴り落とし
て下さい。

新作お待ちしています。
236ケロロ少佐:05/02/28 14:03:25
>>234眷属171号さん
感想ありがと

そういえば・・今回の『遠い世界』、や一連の近未来の話しを作っていて昔の事、思い出しました。
1990年代・・・小学館「ビックコミックオリジナル」に連載していた弘兼憲史の人間交差点という漫画がありました。
1話完結で、毎回違う人物たちの話しでそれぞれの人間の喜怒哀楽を描いてある漫画ですが、当時、好きで良く、立ち読みしていて、こんな感じで、近未来の世界の『人間交差点』風のSF話が作れれば、と、考えていたものでした・・・

「老人Z」・・確か大友さんと・・あの・・江口寿史の昔のアニメですよね。今度見てみます。

>>235
感想ありがと
今回、アメディオの話、書いて・・・めずらしく続編のネタを思いついたため、急遽、3部作にしてみました。
三つの話をリンクさせるのも楽しんで書けました・・・
ロボットが働きアリを見つめ何を考えていたのかは、そこまで考えていません。テキトーです・・・
237眷属171号:05/03/01 05:58:19
>>235

なんとなく壊れているような感じはしてましたけど、あまり突っ込みませんでした(笑
サイバーパンク、ハードSF、スペースオペラ、いろいろなジャンルがありますけど、どれが皆さん好みですかね?
238はじめてのサルベージ@:05/03/04 21:37:59
アイデアなしで書き始め、方向性もなく不味いサンドイッチのような話しになりました。
激しくつまらないです。ワッハッハッ……。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 こんなカラクリマネキンじゃ、どうしようもないよな。しかし、最近は正確な鑑定以外に物語が付
くのが流行だし、それにより価値が数倍から数十倍になった例もあるしな。サルベージ協会に、高い
会費を払ったから鑑定証は問題ないが、物語の製作依頼は費用がかさむし、どうやらそんな価値はな
さそうだし。せめて、カテゴリーを美術品に格上げしたいよなぁ。このままだとジャンクか玩具、上
手くいって商業芸術が関の山だろう。
 船庫は空っぽだよ。一攫千金を狙って誰も見向きもしないこの惑星に来たがハズレたか。今時コー
ルドスリープで移動する船なんて骨董品だよなー。一発当てて重力船を買いサルベージ用に改造して、
じゃんじゃん稼いで夢の成金生活を堪能しよう、なんて夢のまた夢か! ふっ、ポンコツ船のリース
料も払えないじゃないか。
 既に文明が滅んでいる惑星だし、話を捏造しても裏を取る事が出来ないし、今後の為にもマネキン
に物語を付けてみよう! タイトルは【美しき立像】これで行こう。美術品らしいタイトルで、と。
まあ、後で替えてもいいしな、じゃあ(仮)にしよう。マネキンの辿ってきた道は……買い手には女性
も多いし恋愛を絡ませて、とにかく書いてみるか。
239はじめてのサルベージA:05/03/04 21:39:18
【美しき立像(仮)】1

 ザワザワ『それでね……』『……ええ、その件につきましては』ガヤガヤ『もう、しばらく逢えな
いのね』
 ここは出会いと別れの場所。始まりと終わり、失意と希望が交差する場所。国際宇宙ステーション
第二ターミナル、ホールD。
 
 俺は、国際宇宙ステーションで清掃員のアルバイトをしている。スクレイパーという道具で、清掃
ロボの出来ない、タイルに吐き捨てられたガム取りをしている。
「どうして、天野君がこんなツマラン仕事をしているんじゃ?」と不思議そうに聞いてきた。
「んー。この喧騒とした雰囲気が好きなんですよ」仕事の手を休めず俺は答えた。
「こんな仕事は、ワシのような定年組のやるもんじゃよ」
 吉岡のじいさんは、しこった腰を伸ばすため立ち上がり、右手に持ったスクレイパーを腰のホルダー
に収め腰に手を当て「うーん」と顔を歪めながら伸びをする。
「しかしマナーの悪い奴らばかりじゃのぉ」と険悪な顔で携帯ゴミ箱のガムを覗き込む。
「タバコが吸えないからニコチンガムで、口寂しさをまぎらわしてるのでしょうね」
 俺は色とりどりのガムを見て、俄然やる気になった。
「楽しそうな顔して、どうしたんじゃ?」
「な、なんでもないですよ」俺は慌てて笑みをかみ殺した。
「変な奴じゃのー。まあ、ええか。あと一時間じゃ、がんばろう」
「はい」
240はじめてのサルベージB:05/03/04 21:40:31
【美しき立像(仮)】2

「やあ、瑞貴さんこんにちは。師匠はいらっしゃいますか」
「こんにちわ。お父さんなら工房で泥んこ遊びを始めているわよ」悪戯っぽい笑みを浮かべながら筆
を振って答えてくれた。
「はい、これ。瑞貴さんの好きなドーナッツ」
「わーうれしい。後で紅茶を入れるわ」
 師匠は復刻芸術家。木、藁縄、銅線、粘土等を使い昔ながらの方法で塑像を創っている。俺は芸術
展に向けマネキン製作をしていて、バイトが終わると師匠の業を盗みに来ている。
 造形用クレイを捏ねながら、師匠の製作過程を見て、創作のすばらしさに素直に感動した。
「どうれ、天野君の塑体を見せて貰おうかね」作品から目を離さず後退し、出来具合を確認しながら
俺に話掛けてくれた。
「はい! ありがとうございます」俺は少し不安を覚えながら答えた。

「瑞貴は、もう少しふっくらしてるぞ」
「し、師匠ち、違いますって」俺は慌てて答えた。
「ポーズは付けないのかね?」
「ええ、非常に柔軟な素材で造るのでポーズは付けません」
「マネキンで賞を狙うなら、何か秘策があるのだろう?」
「透明度の高いFRPなので、その中にある物を詰める予定です」
「んーむ。そこは聞かないでおこう」
 造形のレクチャーを受けていると、瑞貴さんがやって来た。
「お茶が入りましたよ。」
「瑞貴、塑体の横に立ってみてくれ」
瑞貴さんは塑体の横に並んで、ニッコリ微笑んでいる。
「天野くんモデルは誰なのかしら?」
「もう少しふくらしているじゃろうが」師匠が俺に向かって言った。
「そ、そうですね」俺は困りながら瑞貴さんに視線を向けると……。
「ちょっと、何よ! ひどいじゃない!」
その後、瑞貴さんをなだめるのに苦労した事は言うまでもない!!!
241はじめてのサルベージC:05/03/04 21:41:57
【美しき立像(仮)】3

 俺は、唐突に後ろに振り向いた。人体骨格模型が直立して微かに右手を上げ静止している。
「よし!」俺は満足して人体骨格模型を見た。
 人体骨格模型に256個の大小様々なサーボを取り付け、赤外線サーモグラフィカメラ、人体検知
センサー、有機薄膜太陽電池、高性能超寿命バッテリー、……etcを連結し、ニューラルネットワー
クに人認識プログラム、人間動作シミュレーション・プログラムを組み込み、さらに《達磨さんが転
んだ》と命名したプログラムを連動させた。まあ、簡単に言うと人の視線がない時に、ほんの少し動
く気味の悪い人体骨格模型だ。トランスペアレントなマネキンの内側にバイトで集めた色とりどりの
ガムをモザイク模様に貼り付けて内臓を収めれば完成だ。
 瑞貴さんと師匠には内緒の作業なので、非常に狭い自室での作業が続いたが、なんとか一段落して
床に就いた。
242はじめてのサルベージD:05/03/04 21:42:52
【美しき立像(仮)】4

 ――芸術展は終わった。俺の作品はどうだったって? 散々な結果だったよ。『醜悪なマネキン』、
『薄気味悪いゴミ人形』、『ヒューマン型にガム貼り付ければ?』……etc。中でも堪えたのは『恩
を仇で返す弟子』。師匠と瑞貴さんに会わせる顔がない。あれから一週間自宅に引き篭もり、髪はボ
サボサ、髭は伸び放題で立ち直れずにいた。瑞貴さんからのビジュアルホンが何度もあったが無視し
続けた。
 ジィー、ジィー、ドアホンが鳴る。ジィー、ジィー……俺は諦めてドアを開けた。
「ありゃー、天野君どうしたのかね!」吉岡のじいさんが驚き顔で心配そうに言った。
 吉岡のじいさんの話しによると、ステーションの環境美化担当課が、俺の作品をステーションに展
示たいとの事だった。瑞貴さんを通して俺に連絡していたが、埒が明かず吉岡のじいさんが、交渉役
とし来てくれたようだ。
「まあ、あれだ。芸術なんてものは分からんが、皮肉が利いていて面白いと思うぞ。どことなく瑞貴
さんに似とらんかい。瑞貴さんも天野君を心配しとったぞ。気を落とさないでな。しかし、あのガム
の利用法にはワシもさすがに笑い転げたぞ。わっはっはっ」
俺も久々に涙を出して大笑いをした。明日、師匠と瑞貴さんに会いに行こう!
243はじめてのサルベージE:05/03/04 21:49:39
 その後二人は……。うーん。どうしようかな? 美談でお茶を濁すか、捻りを加えるか、とにかく
上手く売り込まないと赤字だよ。俺には無理だったな。
 チクショー、皆の言う事を聞いてこんな惑星にサルベージに来なきゃよかったぜ! 放射能がひど
くてあの惑星には降りられないし、廃墟と化したステーションでは、薄気味悪いマネキンしか手に入
れられなかたしなー。付加価値を付けるには物語りをでっち上げないと。コールドスリープに入るの
はもう少し後にしよう。作品名【達 磨 さ ん が 転 ん だ】にしちゃおうかな? あーダメダメ!
二束三文になっちまうよ。うーん。実は、惑星を滅ぼしたのはマネキンである。マネキンの足裏には
擦り切れて消えかかっているが、作品名【悪戯の問題】の刻印が……。こりゃーホラーで法螺だな。
少し寝よう。
244はじめてのサルベージF:05/03/04 21:50:35
「君、俺が寝てる間に動き回らないでくれよ!」とマネキンにふざけて言った。
狭いカプセルに潜り込み眠りに――マネキンの足裏が気になりだしたら眠気が覚めてしまった。我な
がらパラノイアだなーと苦笑しつつカプセルから這い出した。
 そこには美しい女が! 俺は目をゴシゴシ擦ってもう一度よく見た。どうやら幻覚ではないようだ。
――ひょっとすると凄いお宝を発見したかも知れない! 運んでいる時に妙に心地よい軟らかさと人
肌の温かさを感じた事を思い出した。マネキンの中身は前記した通り、くだらない仕掛けだと思って
いたが、どうやら違ったようだ。マネキンの表面にホログラム幻影? こんなものは今まで見たこと
がない。何故、廃墟と化したステーションで埃もかからず佇んでいたのか? 俺が発見した時には微
動だにしていなかったが。いやいや、足跡があったような? ダッチワイフの様なものなのか? そ
れは不自然だよな。あの惑星の文明はなぜ滅んだのか? 惑星名はなんといったけ? 後でデータベ
ース検索してみよう。しかし、どう考えてもマネキンとは結びつかないよな。何か関連があるだろう
か? ひょっとするとひょっとするかも。表向きのカテゴリーは美術品で裏設定は惑星破壊兵器。い
やー、鑑定結果が楽しみだなー。これがビギナーズラックってやつかな。下手な物語は要らないな。
 売り込み方は後で考えるとして……別の利用法もあるか確認しないとな。コールドスリープは、も
うちょっと後でいいや……女が手招きして微笑んでいる。

                     (終)
245名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/05 17:41:58
はじめてのサルベージさん

文章は、ちゃんとしているし、SFっぽい表現も充分に入っているのに残念。
わかりやすさを第一に書いてみては・・・
次回作期待してます。
>>245
ありがとう。

最近SF読んでないので詰め込んできます。
247名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/07 20:22:43
本当に超短編ですが

 ある日、惑星の開拓事業の仕事中に急に腹が痛くなった。
真空無重力での過酷な任務からくる
ストレスか何かだろうと考えて甘く見ていたのだが、痛みは酷くなり
やむを得ず休暇を貰いクリニックに出かけることにした。
検査を一通りうけ看護婦さんから案内されて
医者からの診断結果をうけた。
「お待たせしました。診断結果が出ました」
「私は何の病気なのでしょう?」
「原因はこれが壊死していたようです。」
差し出されたものはピンク色をした目も鼻もない蚯蚓のようなもの
だった。
「これは?」
「ハッハッハ寄生虫の一種ですよ」
「寄生虫?こんな文明社会に、まだそんなものが?」
「まあ正確に言うと昔は共生関係だったんですが・・
 その頃の名残で、未だに私たちは一人が一匹を体内に
 宿して養ってるんです」
「なんていうんですか、これ?」
「ヒト、正確にはホモサピエンスというそうです。私たちは
 彼等の道具として生み出されたのです」
248ケロロ少佐:05/03/08 11:58:15
>>247
短くてベスト!!楽しめました。

遠未来の機械文明の感じが良く出ていました。

新作お待ちしています。

私も次回作は、短い物を目指します。

感想としては、前半で主人公を人間と思わせて読ませてゆく部分でSFっぽい表現がもう少しあればと・・・

たとえば >腹が痛くなった や >看護婦さんから など

腹部に痛みが・・・とか看護プログラムに案内され  とか・・・
>>247

超短編大歓迎です。全てを語ることなく、想像の余地を残しているのも良いと思いました。

寄生、共生モノって考えたら色々ありますね。漏れも何か考えてみようかな? この板は
かなり過疎化していますので、書き手は貴重です。何か思いついたら投下してください!

新作マターリお待ちしています。
250ケロロ少佐:05/03/09 00:00:10
『格安品』 その1

金曜日の19時、《カグミ タダミチ》は、週一回の簡単な、形だけの仕事を済ませ、帰宅中だった。
素子駅で途中下車をして、お気に入りの《古心通り》を歩く。
今は、機械様達が世の中のすべてを人間様よりずっと上手に動かしてくれて
いて人間は労働から解放されている。特別、贅沢を望まなければ遊んで暮らしてゆける。
おかげで私たちは、あの手この手で退屈を紛らわす行為をひねり出し続けていた。
ふと、気づくと今まで通った事の無い小さな通りの路地が目に止まる。
入って行くと、いかにも怪しく、面白そうな違法店がいくつも並んで営業していた。

その中の一店。人格データーリサイクル店 《ニュートロン》 営業時間AM11時〜翌日AM3時
アクセス座標 802G−JHmn08−EWと表示の看板。
古ぼけた生体ガラスの窓には、5月12日〜5月18日 古心まつり
在庫8万体!全意識3割引  人格データー買います。
特に新しいもの、矯正されていないもの、粗悪改造されていないものは、高価買入れ
と、手書きのポスターが貼られていた。
251ケロロ少佐:05/03/09 00:01:56
『格安品』 その2(終)

店に入る前に看板に表示してあったアクセス座標 802G−JHmn08−EWにつないぐ。
パッと脳内に色が流れこむ。店内の様子、商品の一覧、店長のセールス意識のすべてを認識。
『よし、悪くない品揃えだ。』店に入り、すぐに何点かチェックを入れていた人格データーの値段交渉を始めた。

自宅へ戻り、すぐに購入した3個を喰してみる。
一つ目のチップは、30年前に中東で戦死した女性兵士を脳へ採りいれ最後の瞬間まで体験。
次は、12年前に大量殺人の罪で処刑された男。自分を神の生まれ変わりと信じ、34人もの殺人を続けた人間の意識。気が狂い世の中をさまよう感覚を楽しんだ。
最後のモノは、今回の買い物で一番高価で、なおかつ一番危ない臭いのするヤツだ。
今は分裂し存在していない超軍事大国の民主国大統領だった人物の意識。粗雑コピーを繰り返し、繰り返し行ったかなり不安定な意識チップだった。
しばらくロードして楽しんでいると・・・来た!来た!!隠れていた、かなり強烈なウィルスが私の脳で爆発した。
用意していた空きの第二、第三脳の方へ導き入れ回避行動をとれたが、あまりにも悪質の為、オリジナルの本体脳へも影響を与えた。
気持ち良いくらいに脳が揺れ意識が無くなりぶっ飛んだ。
10時間後、何とか助けだされた私。
この後、1ヶ月ばかりかけ、徐々に汚染個所を洗浄してゆく必要があるらしい。

何度味わってもこの究極の死の攻撃は、忘れられない。
治療が終わった2ヶ月後、私は、また、素子駅に途中下車し《古心通り》を歩いていた。
252ケロロ少佐:05/03/09 00:03:47
短編むつかしく・・・
やっぱり長くなってしまいました・・・・
253眷属171号:05/03/09 03:34:53
>>238
確かに、>>245さんの言うとおり、内容はかなり良かったと思いました。
じいさんのノリに少し笑いました(笑

>>247
常識を覆す系(オチ重視系とも言う・・・自分の中では)、楽しく読ませて貰いました。
この未来では生物工学が発達してるのかなーとか一人で考えたり・・・。
やっぱ、寄生系とかは一捻りが要りますよね。

>>250
内容もさる事ながら、『素子駅』とはやっぱりGHOST IN THE SHELLを意識してかかれたんでしょうか?
もしや、あの世界の中の一コマなのかっっ?
未来の人間の欲しい物っていつでも不可思議でおかしいものばかりですよね。
僕としては、人の人格、記憶の売買っていう表現が出てきて、凄く嬉しかったりします。

皆さん、新作をお待ちしてます。
>>247って小松左京のパクリじゃねーの
255ケロロ少佐:05/03/09 17:36:38
眷属171号 感想ありがと

『素子駅』は、もちろん攻殻機動隊からで・・・適当につけました。べつに秋葉原駅でも池袋駅でもよかったのですが・・・

スカパーで放送していた攻殻機動隊、好きです。
レンタルでも地上波で深夜放送していた物も何話かを見ました。
指摘されてみると内容、マンマですね。
フチコマ(タチコマだったか?)が少女を連れて街を走る話好きです。
箱の姿のサイボーグ社長も好きですね。

次は、ナノマシンネタを朝電車内で考えつきましたので近々載せます。
256名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/09 19:28:27
>>254
247ですがマジで自分で考えたんですが、もしかして同じネタの小説ありました?
安易なネタだけに、かならずどっかで誰かが書いてそうだと思ってたんですが
やはり・・(汗
257254:05/03/09 19:47:02
小松左京のショートショートにあったんよ。
「ある生物の記録」とかいう奴に収録されてると思う。

・・・黙ってれば虚無回廊の続きを書いてくれたかもしれんな
ケロロ少佐さん

ベンフォードの銀河中心シリーズで、アスペクト(人格チップ)ってのあるんですが、漏れ
あの手のが好きなんですよね〜。やべ、また読みたくなった。
バッドトリップな人格データですね。変に融合しちゃったら大変だー。
「マスター、亜蘭さんの人格データ頼むよ!」

新作お待ちしています。
259未来視トリップ:05/03/09 21:46:44
※これは危険なトリップです。絶対に真似をしてはいけません!
(きけん! よい子は、まねをしてはいけません!)

 まず、目を閉じて、両目の目尻をグッーと親指の腹で押して下さい。ええと、眼球を押す感じです。
目が痛くなりますが我慢して下さい。しばらくすると幾何学模様が見えてきます。もう電脳空間にい
る感じです。痛みが限界に達したら手を離して下さい。待って、待って! 目を急に開けないで幾何
学模様の変化を楽しんで下さい。チラッと何か見えませんでしたか? そう、それは未来です。未来
の断片です。断言できます。何処かの風景だったり、つまらないものかもしれませんが、確実にあな
たが視るであろう未来なんです。なんですか? 見えませんでしたか。それは残念! ほんの一瞬し
か視えませんから、神経を研ぎ澄ましていないとダメなんですよ。でも、決してやらないで下さい!
危険です。失明するかも知れませんし。未来なんてつまらないですよ? 代わりに、私が視たものを
お話ししましょう。それは……。どうですか? 凄いでしょう! 何ですって? 何も書いてない?
そんな事ありませんよ! ひょっとしたら時間神の仕業かも知れませんね!
わっなにをoiuすvbnlfふじこc,ne.;f

 未来を視るな! 未来を語るな! 時間神のお願いです。あっちゃー、また変な抜け道を見付けた
奴がいる。消すのも大変なんです。SFだけにしてほしいよな〜。もうこんな時間だ! じゃあね〜。
260ケロロ少佐:05/03/10 10:58:06
>>258感想ありがと

ベンフォードの『大いなる天上の河』ですね。そういえば昔、私も上下巻購入した覚えあります。
イラストの加藤直之さんとあらすじにひきつけられて買ったまま読みきれずに押し入れに入ったままかも・・・
当時、難しすぎて挫折したもよう・・・
探して読んでみようかな?・・・
261ケロロ少佐:05/03/14 18:28:19
『どうしてナノ?』その1

ナノテクノロジーの本格的な実用化で世の中は激変した。
夢の新技術!医療用ナノマシンを常駐させる事により、ほとんどの疾病の発病にいたる前での治癒が可能になった。

医療以外のすべての分野でもナノ技術は魔法を発揮した。

と・・・・ココまでは、よかったのだが今現在、トンでもない事になっちまった。い・っ・た・い・どうして・・・・

昨日25歳の誕生日をむかえた私・・・《吉住 菜実》は、憂鬱な気持ちで会社通勤の途中だった。
出社前、男性型美形アンドロイドアナウンサーが伝える『今日の飛散量予報・非常に多い』とのテレビを見たためだ。
私は、今、出来うる限りの予防策としての最新防御服を着用し、予防マシンの服用も、ちゃんと済ませ、歩いている。周りの人達も私と似た外見をしている。
《培与台駅》に近づいた頃、突然前を歩いていた旧タイプでしかも露出部分の多い簡易防御服を着た男性が突然倒れた。
ナノマシンに感染し発病、発動したようだ。
262ケロロ少佐:05/03/14 18:30:02
『どうしてナノ?』その2

『あーあ。今どき、あんな軽装のままで外出するからだ・・・』と私は、内心、あきれる。
周りの人達は、見なれたしぐさで周囲10メートル位の間を空け何事も無かったように歩き去った。
地面に寝転び二、三度、全身が大きくケイレンを始めた。
たぶん、あの男性に感染したナノマシンは身長を13%程伸ばすタイプ。たしか身長が3分で1センチ伸びるハズだ。
通報で駆けつけた2体の抗ナノ処置されているロボットにすぐさま、救護され連れて行かれた。

今、世界中の外気中に漂い続ける感染ナノマシン。誕生したのは、いつか?誰なのか?
マッドな科学者の仕業?はたまた、研究段階のマシンが逃げ出したのか?・・・・今となっては、まったくの不明・・・・
とにかく現実は、日に日に新種のナノマシンが確認され発生し増殖を続け私たちを苦しめ続けている。
幸いにも、なぜだか感染ナノマシンが直接原因での死者は、ごくわずか。
症状は多種多様。身長が伸びたり縮んだり、頭髪が無くなったり、全身毛皮に覆われたり・・・・
しかし、作用したナノは1週間程で効力は、弱体化し治療用の対抗ナノマシンの注入により完治するのが通例。
そんな暮らしが3年も続けば、世界中は、それなりに慣れてしまい、順応した社会を形成しちゃうもんなんだ・・・結構大変なんだけど・・・・
263ケロロ少佐:05/03/14 18:38:06
『どうしてナノ?』その3(終)

地下鉄を降り、もう少しで私の会社がある、抗ナノコーティング外装ビルに近づいた時、体の奥の方に何か異物感が・・・・・!!
『えっ!体が変だ。感染!?』
私は、国と健康組合が提供している感染ナノ予防法には、すべて対処済みのはずなのに・・・・新種?

結局、その日は、意識を無くし、ロボットクンに連れて行かれ、特別有給扱いで休み、すぐさま緊急入院。
今回、私が感染したマシンは、やはり新種で染色体の内部のすみずみまでいじってくれる、まったくもって、悪質なものだった。
三日も休んだ後、やっと会社へ出社できた。
ただ一つ、今度の新種には、これまでの感染マシンと違う機能が、おりこまれていた。最低でも1年間は、固定されてしまう症状である。
出社し自分のデスクについた私(僕?)は、同期入社の親友 《合田 カオル》にあいさつした。
『?んん・・!!』
《カオル》の私を見る目が違う・・・いや、私の見る目が違うのか?
社内でも1,2をあらそう美人で抜群のスタイルの《カオル》・・・
すでに感染後、症状が安定してしまっている私(僕?)。身も心もすっかり男に変わってしまっていた。
私(僕?)は《カオル》を今日のランチに誘う決心をつけていた。
そう!!異性として・・・・
264眷属171号:05/03/15 04:21:10
КαЯМα -1-


「・・・前にもこういう事有りませんでした?」

包丁を刺されて絶命したと思われる若い女の死体は確かにこう言った。
今思えば、発狂して喚き散らしてもおかしくない状況だったが、その時の僕は冷静に死体の質問に答えていた。

「ええ。前にもこんな風に死んでるのを見たことがあるような」
朽ちかかった廃屋の作業台に横たわる死体をよく眺めながら、考え込む。
「というか、あなた血が全く出てないですよね。肺の辺りだから、血が出ないんですか?」
僕は刺さった包丁を愛おしく撫でる振りをしながら、聞いてみた。
「普通は血が出るでしょ。しかも、ワタシ刺されてるだけじゃなく、切られてもいるんですよ。ほら、お腹を見て」
体は硬直して動かないようだが、目を開いたまま口を動かすのは止めて欲しい。
と、考えながら女の腹部を見てみる。
「切られてないようですが?」
「違うの。服ごと切られたんじゃなくて、直接地肌を切りつけられたの。服、めくってみて」
顔はそんなに悪くない子に、服めくって言われるのは余り悪い気がしない。
って、この子死体なんだっけ。



265眷属171号:05/03/15 04:58:03
КαЯМα -2-


「うわ。結構、傷深いですね。この傷の深さなら腸がデロッと出てもおかしくないような・・・」
僕が興奮して、その傷をもっと近くで見ようとする。
「っ、ちょっと、近くで見ないでよ。恥ずかしいでしょ」
死体の癖に何恥ずかしがってるんだ。
こんな自意識過剰気味な女は嫌いだな、僕は。

「でも、前にも僕はこんな出来事に遭遇したような・・・。でも、小さい時からいたって平穏な生活を送ってきたような」
作業台の傍にあった埃だらけのソファーに腰掛けて、もっと深く思い出してみる。
「ワタシも今まで生きていて、殺されたのは初めてよ」
しかし、不思議なことも有るものだ。
僕は結構な廃墟マニアで、ネットで廃墟を探してはそこへ出かけるという事を繰り返していた。
今日もネットで下調べをしてきたのだが、まさかこんな出来事が起こるなんて。

「とりあえず、救急車・・・いや、警察呼びに行きますので・・・」
これ以上面倒な事に巻き込まれるのは嫌なので、僕は死体に言い訳する。
「あなた、本当の自分知るのが嫌なんでしょ。違う?」
急に死体の口調が変わった。何か背筋に寒気がする。

「こんな事したら、後で私は消去されると思うけど、なぜあなた達がカルマみたいに思ってるのか理解できると思うわ」
僕は何がなんだかよく分からなかった。
死体の口が凄い速度で開閉している、何かを言ってるようだが、声というより音に近い。

続く

ケロロ少佐さん、眷属171号さん

ナノテクノロジーがお話しのように進んだ場合、不老不死も実現しそうですね! 
死がプライスレス、お金で買えない価値がある。なんて事になるんでしょうか?
いやいや、ふざけちゃいませんよ! 『ネットで集う集団自殺』なんて時代です
からね。テクノロジーの進歩で死に方まで変化していくのかなぁ〜。
死んだと言えば、眷族171号さんですよ。廃屋マニアと死体女性の会話! あ
り得ない状況で笑ってしまいました。足の小指を家具の角にぶつけた時に痛すぎ
て笑っているのと似た感覚です。
そうそう、好みのジャンルは……。

つづく

新作、続編(土蜘蛛さんも)お待ちしています。
267ケロロ少佐:05/03/15 17:21:12
>>266さん感想ありがと

先週から続いている花粉大量飛散での花粉症・・・闘病中のなか今回の話、書きました。
何とかならないのか花粉症・・・・



眷属171号さん КαЯМα 

これから面白くなりそうなところで間が開いてますがどうなんでしょうか?
是非 この後を・・・


続く
268名無しは無慈悲な夜の女王:05/03/20 12:29:53
兄が死んだのは昨日の深夜でした。
いつも昼過ぎには起きてくる兄が、3時になってもまだ部屋から出てこないので、
またアニメでも見てるのかな、って思ったんです。
兄はいわゆるヲタクで、一晩中アニメやゲームということもよくあったから。

大学を中退してから兄はひきこもりになって、家族とのコミュニケーションも減っていったんですけど、
その日は夕方6時になっても出てこなくて。
いい加減にお腹が減っただろう、って私がご飯を持っていったんです。
死因は脳腫瘍の自然破裂による脳内出血、だそうです。

私は葬儀で棺桶の中に、兄が好きだった電撃GSマガジンや、ギャラクシーエンジェルのグッツを入れました。
集まった兄の昔のクラスメイトや親戚などは引いていましたが、兄はとても幸せそうでした。
兄とグッツを燃やした煙がゆっくりと天へ昇っていくのを見ながら、
天国にもゲームとアニメがあるといいな、と思いました。
269虹のかけら:05/03/20 14:15:53
プロローグ

惑星プリンセスベローネ・・・蒼く輝く美しい星。
プリンセスベローネは惑星連合に属し、惑星連合は7つの惑星から成っている。
7つの惑星は表沙汰では仲良くしていたものの、裏では民族意識も相まって友好的ではなかった。
そんな中、惑星テンペストがついに惑星連合からの独立を宣言。
さらに惑星連合へ宣戦布告をかけて来たのである。
この事態に連合は多くの艦隊を敷き、反乱分子・テンペストへの処置を取る。
嵐の前の静けさが漂う宇宙の片隅で、終末への予兆は加速していた。




一応プロローグを。ぶっちゃけパクリです・・・。
270虹のかけら:05/03/20 14:59:08
第1部1章「17艦隊」

惑星連合軍第17艦隊。
艦長を務める鏡竜子が率いるこの艦隊は、前線に派遣された捨て駒であった。
「目標地点プリンセスベローネを確認、コース修正します。」
オペレーターの奥真弓が言った。
「これで補給が受けられるわね。」
既にボロボロになった17艦隊の旗艦・リリールメリー。
負傷者・戦死者も絶えず、プリンセスベローネでは人員の新編成も兼ねていた。
17艦隊は現在、鏡竜子、奥真弓、真田隆一、響戒治の4人だけだった。
実質パイロットは隆一と戒治の2名のみと言う苦しい状況。
連合本部もさすがに鬼ではない。
連絡を受け、プリンセスベローネに寄るよう指示を出していた。
竜子は着艦手続きを済ませ、連合軍ベローネ基地へ出向いた。
「お待ちしていました。しかし驚きましたよ、前線部隊の艦長が女性とは・・・」
「ええ、よく皆も言うんです。」
竜子は内心少しムッとしていた。
竜子は今年で31になる。
連合軍には22の時に入隊し、経験も実績も十分積んでいた。
リリールメリーは補給を済ませ、竜子たちはすぐ出航した。
「綺麗な星ですね。」
「確か響君はここの出身だったわよね。」
真弓の言葉に、竜子は戒治に振った。
「ええ・・・」
元々口数の少ない戒治のそっけない応答に、竜子もそれ以上は何も言わなかった。
まだ静かな宙域を進むリリールメリー。
その後ろでは、プリンセスベローネが蒼く輝いていた。
虹のかけらさん

>第1部1章って……。
どんなお話しになるんでしょう? いえいえ、答えは要りませぬ。
ここは、かなりの過疎地なので、期待するほどレスがありませんよ。
とは言え、もう書き込みましたから必ず完結するまで書いて下さいね!

マターリお待ちしています。
272名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/21(月) 17:25:03
SF板が2chトナメを勝ち進むスレ2【3/21投票日】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1111330535/l50#tag85

おまいら投票しようぜ! 漏れは投票したよ! さあ、みんなでSFを盛り上げよう!
273眷属171号:2005/03/22(火) 23:35:47
КαЯМα -3-


耳鳴りが激しくなっていく。
僕の耳の中がおかしくなりそうだ。ああ、頭が痛い。
「あなたは、人を殺した事があるのよ。この世でもあの世でもない所でね。わたしはこの娘の知り合い」
頭が痛くて堪らない。
地面にどかっと倒れると、廃墟の床の砂埃が舞う。
気のせいか、舞った砂が空中で静止しているような感じがする。

「わたしは何処にもいない存在よ。けど、今わたしはここにいる。この意味わかる?」
「わか・・・らない・・・です。というか、この痛み・・・とめろ・・・」
と、けたたましく笑う声が聞こえる。
この声が死体から出ているのだろうが、なぜか辺りから聞こえてくるようにも思える。

―いいわ、見せてあげる。本当のあなたと彼女とわたしを・・・

僕の痛みは治まった。そして、体は空中を浮かんでいる気分だ。

続く。

2まで書いて、忙しくなって手付けずです・・・(笑
思惑はなかったりします。
274眷属171号:2005/03/24(木) 10:29:13
КαЯМα -4-


「なぜ、僕は空に浮かんでいるんだ?」
目の前がいきなり真っ白になったかと思うと、僕は空に浮いていた。
しかし、おかしい。
何処までも青く続いているだけで、地上も見えないし、自分の位置が全く分からない。
それに、法則を無視して好き勝手に浮かんでいる雲を見ていると気持ち悪くなってくる。

―どう?死んだ気分は・・・
「死んだ?何をしたんだよ!僕はまだ死にたくない!!」
―嘘よ。あなたは死ぬはずないもの。
「どういう意味?」
―あなたの居る世界は魂の牢獄。生きてるとも死んでるとも言えない。全てが規則的に流動する世界。
「魂の牢獄・・・。それじゃあ、僕は罪人か何かってことか」
鼻で笑いながら、それとなく聞いてみる。
―ええ。罪人よ。あなたがすむこの世界は罪人と死人しか居ないの。
「ここは地獄?」
突如として静寂がおきる。
声の主は、何かを躊躇っているようなそんな印象もあった。

―ここは、仮想の世界なのよ。果てしなく繋がっている仮想の世界。

続く。

275土蜘蛛:2005/03/26(土) 20:55:56
デデエ外伝 「思念」

「例えば私が死んだら、私の考えた事、思った事は全て意味が無くなっちゃうのかな?」
「お前が死んだって、俺やお前の家族が覚えている。意味はなくならないだろ?」
「じゃあ貴方や家族・・・それだけじゃなくて人類の全てが滅びたら?」
「・・・。」
彼女はたまに答えにくい話をする。その題材は何故か自分の死についてである事が多い。
死、それは確実にやってくる。体内では自らを滅ぼす為の自爆装置が常に動いている。
たとえそれを遺伝子操作や機械化で取り払ったとしても必ず限界は来る。
この宇宙にも寿命があるからだ。約560億年後、地球も、そして他の星も分け隔てなく、全ては滅びる。
後に広がるのはなんだろうか?永遠の虚無か?また新たな宇宙の誕生か?
そしてその世界において俺達の残した思念は意味を持ち得るのだろうか?
「意味なんて・・・ないんだよな・・・」
俺はつぶやいた。
「魂なんてない、所詮この思念も脳細胞間で行われる電気信号でしかない。後に与える影響など無い。
彼女も、そして全ての人類も水と炭素の塊に過ぎない。例えここで全ての人類が滅びても宇宙の歴史
にとっては特に影響は無いだろう。」
彼女の顔は最初、呆気に取られていたようだったが・・・また徐々に暗くなっていった。
「でもな・・・」
こんな話は偽善だ・・・分かっていたが・・・俺は続けた。
「俺はお前が好きだ。脳細胞がどうとか知った事か、お前が居なくなった後の世界なんて考えたくない。
むしろそんなことはどうでもいい。例え全く同じ構造で全く同じ平行世界に飛ばされたとしても俺は「お前」
だけを愛しつづけたい。」
テレくささからつい顔を背けた。目だけ動かして彼女を見ると、彼女も目を合わせられないらしい。
ただ、手を差し出してきた。静かに・・・そして明確な意志を持って。
俺はその手を強く握り返した。例え運命でも、彼女を永遠に失いたくなかった・・・・・・・・


彼女が怪物に襲われて死んだという知らせを知ったのは次の日の朝だった。

(了)
276眷属171号:2005/03/29(火) 13:59:55
КαЯМα -5-


―ほら、あなたにも理解できたでしょ。今、この世界の知識を与えたから・・・

なんて事だ。
頭の中にこの世界の真実が流れ込んでくる。

***
『最後の楽園』として、建造された仮想世界。
しかし、不具合も多く数え切れない程の事故が起こった。
創造者達の出した答えは、実験体を使って仮想世界を安定させていくことだった。
その未完成の世界に放り込まれたのは、主に犯罪者や囚人だった。
エントロピーの増大しきった現実世界には、ほとんど秩序なんて存在しなかった。
次々と放り込まれる人、人、人・・・
***

―私の脳から直接分け与えたから、若干わたしの主観データも混じってるんじゃない?真実味が増したでしょ。
脳を震えさせるような女の声は、少し嬉しそうだった。
僕は頭がふらふらして、まともな考えができなかった。
277眷属171号:2005/03/29(火) 14:00:31
КαЯМα -6-


「やっぱり、僕は犯罪者って事か?」
―ええ、そうよ。もうそろそろ、あなたの頭がついていけないようね。意識レベルが低下してるわ。
「僕は人を殺したのか?」
―ええ、わたしの大切な友人を殺したの。くだらない理由でね。それと・・・、あなたはわたしの推薦でここへ入れられたの。

もう、限界が近いことは分かっていた。
目の前が、うっすらと白みがかってきたからだ。

「僕は現実では人を殺したのかもしれないけど、この世界の中では人は殺してない。君はカルマと言ったけど、これはデ・ジャブに近いのでは?」
―あなたは、統合失調症の様な精神病の気があるのよ。ワタシガカルマトイッタノハ、ウソデハナイ。

ああ、もう意識が持たない。今の答えの内容が予測できたからだ。

―あなたは、二回殺したの。現実と仮想の二つの世界でね。それといい事教えてあげましょうか。あなたが仮想現実で殺したあの女の子。
現実であなたが殺したわたしの友人とほとんど同じ思考パターンで動いてたのよ。

僕は、気絶した様だった。

しかし、覚醒した後が本当の地獄の始まりだったとは、今の僕には知る由もなかった。

END
278眷属171号:2005/03/29(火) 14:15:31
ああ、また尻すぼみに・・・
やっぱ、書くんなら一気にパッパッパッと書かないといけないですね・・・(反省

>>261
ケロロ少佐さん
ナノマシンが杉花粉みたいなのになってますね。

最初は、機械世界の病原体って感じを受けました。
ウィルス、細菌、そしてナノマシン。
未来の地球には新しい病気がどれだけ増えているのか・・・

うわぁー、考えただけで鼻水が止まらないや(笑

>>269
虹のかけらさん
元ネタは何なんですか?実は分かってなかったり・・・(笑

>>275
土蜘蛛さん
対話形式、精神的に来る読み物が好きな僕としては大好物でした。

みなさん、新作お待ちしてます!
279眷属171号:2005/03/29(火) 14:46:28
心と形-∞-


「先生、最近眠れないんです」
わたしは真っ白な部屋の中にいる。ここは何処だ?ここは病院だ。
目の前に無精髭を生やした白衣を着ていなければ、到底医者には見えない男がカルテに何かを書き込んでいる。
「眠る・・・いつから眠れないのですか」
「丁度、1週間前からです。・・・ある夢を見た時からです」
「夢・・・?」
わたしは自分の見た夢を思い出してみた。
なんとも、奇妙な夢だった。感情に表してみると、恐怖に分類されると思うのだが。
「ええ。わたしが声に誘われるように眼を開けると、錆び付いた鉄板が組み合わさった箱の様な中に閉じ込められているんです。
そして、外から何か金属の棒でガンガン叩きつけてくるんです。それもいろんな場所から。耐えられなくなったわたしはそこで眼が覚めたんですが・・・」
わたしが、口を噤むと代わりに医者が喋りだした。
「・・・その夢を見てから、何かおかしくなったと。そういう事ですか?」
医者は何か困ったような、怯えるような眼でわたしを見つめてきた。
わたしは、ん?とかわいらしく首を傾げてみた。

「言いにくいのですが、あなたは旧式のアンドロイドボディをしてますね。
悪いのですが、我が病院ではあなたを診察する事はできません」
医者は訳の分からない事を口走り始めた。
「何を言ってるんです?意味が・・・」
「それに、あなたは完全な機械生命体です。夢を見ることはありません」
医者が余りにもわたしの事をロボット扱いするので、むかついて顔にパンチを入れてやった。
彼の顔は見るも無残な有様になったのは言うまでもない。
フン、人間のわたしをロボット扱いした罰だわ。

END
280ケロロ少佐:2005/03/29(火) 18:12:21
『携帯電話』その1

《山下 一也》は、ショップから出て通りを歩き始めた・・・
長年使い続けていたNTTドコモ社から 今、話題の(POCO)ポコ社の携帯に機種変更をしたのだ。

さっそく起動させ、女の子《ジェイン》を呼びだした。『田園都市線の渋谷駅から中央林間行き急行の次の電車の時間は?』と聞いてみる。数秒後、的確な答えが返ってきた。
起動した画面に現れているのは、本物(生身の人間のこと)と見間違う程に自然な表情と声の女の子で、ドキンとするほどの俺好みの姿だった。
ポコ社の携帯には全機種にポコ社、独自の人工知能が搭載されている。購入手続きの際、かなり詳細なアンケートに答えさせられた。そのときのデータが反映しているようだ。
どんな問いにも《ジェイン》は、ネット経由で調べ答えてくれる。
『カ・ズ・ヤ・・・くーん』と名前を呼んだ後にだ!!。
281ケロロ少佐:2005/03/29(火) 18:14:10
『携帯電話』その2

《ポータブル コミュニケータ−社》(POCO)ポコ社は、2ヶ月前の2012年4月、日本の携帯電話市場に新規参入した企業。
他社ケイタイ間、固定電話間での、すべての通話とデータの完全定額料金システムを最大の武器にして登場した。

俺は、携帯内の人工知能エージェントを常時、女の子モードにして使っている。
だが、この知能には、もうひとつ、《神》モードが設けられている。
テレビ、ネットなどでは、まったく紹介されていない機能だがその性能は、かなりのものだ・・・
メーカー側は、たぶん・・・実存の既存宗教団体からの反感をもらわないようにとの配慮なのだろうか。取り扱い説明書の巻末に簡単に数行説明が有るのみ。
俺は今のところ使うつもりは無いが、このお手軽な《神》のおかげで病的ウツから回復出来た知りあいを何人も知っている・・・
生きてゆく上での深刻な悩みでさえも的確に相談にのってくれ受け答えをし、道を示してくれる。

で・・・3ヵ月が過ぎた頃には、俺は・・・みんなも同じだろう・・・コイツ無しでは生活できなくなっていた。家でも学校でも街の中でも・・・常に自分のエージェントとの会話から一日が始まった。
『カ・ズ・ヤ・・・くーん』と・・・・
282ケロロ少佐:2005/03/29(火) 18:16:09
『携帯電話』その3

エージェントには、他にも役に立つ機能が搭載されていた。資産運用で、お金を稼いでくれる機能。
俺は今、10万円の運用を任せている。月1万程のわずかな利益を出すくらいなのだが。
世界中の加盟証券会社の扱う商品に自動的にアクセス。証券企業の人工知能エージェントと24時間絶えずやりとりをしていて利益を出せそうなラインへお金を流すのだ。
決して大損は、しないシステムになっている。
今のところ(POCO)ポコ社は、高額投資は、禁止している。年末には、許可されている上限いっぱいの30万円まで任せてみようか・・・

1年が過ぎ、他社の大手3社、NTTドコモ社・au社・ヤフー社(旧ボーダフォン社)もひそかに同じタイプの知能を載せた。
消費者と、この意識とのかかわりは、すでに無くてはならない段階まできた事を示すものである。

その日の夕刻、《山下 一也》は、いつものように定時に電車に乗り、帰宅途中だった。
『ヂ・ジ・ヂ・ジ・・・』耳に付けてる音声出力装置が作動。 エージェント《ジェイン》がサイレントモードで呼びかけてきた。
283ケロロ少佐:2005/03/29(火) 18:18:13
『携帯電話』その4(終)

電車の中の通話は、声を出す必要は無い。俺の唇の動きを《ジェイン》が読み理解する。
『理想の女性が見つかったわよ!カ・ズ・ヤ・くーん』
この車両の誰かの携帯エージェントと《ジェイン》がやりとりし、俺と相性の良い女性を見つけたようだ。
さっそくエージェント同士の会話の続行を指示した。おお!!良い返事。
さっそく、週末のデートの約束を取りつけて戻ってきた。
エージェント同士の接触時、持ち主のデータの10%位は、ひいき目に誇張してお互いを紹介するように設定してあるが・・許容範囲!!?

2ヶ月後、二人は、俺のエージェント《ジェイン》と彼女のエージェント《ミラクル》の手助けにより、結婚を前提に付きあっていた。
《山下 一也》と《多丸 美奈子》は、キスをし、この日、最初の夜を一緒に過ごした。裸のまま二人ベットで抱き合う。

明かりをOFF・・・・

そして、このときだけは・・・・2台の携帯の電源もOFFにされた・・・・
284ケロロ少佐:2005/03/29(火) 21:50:45
眷属171号 さん>>278
感想ありがと
ナノ技術は、これからどうなって行くんでしょうか・・眼に見えない技術は、もし悪用されるとホントこわいです。

>>279心と形-∞-
ロボット物楽しめました。アンドリューですか・・・
КαЯМαも完結してよかった。対話形式は、やはりいいですね。
私は、対話がうまく書けません・・

>>275土蜘蛛さん
デデエ外伝 「思念」こちらも対話形式で物語が進んで行く・・いいですね。
対話だけで今度、私も挑戦しようか・・・

『携帯電話』は、私なりに理想の7年後のケイタイを考えてみました。
実際の未来のケイタイは、もっとすごい事になるんでしょうが・・・
285土蜘蛛:2005/03/30(水) 00:26:36
 『デデエの逆襲』 (高崎編) 1

スピーカーからは撤退を促す怒声が響いている。俺は無線を切ると、機関拳銃の安全装置を解除した。
足元には隊員達の死体が転がっている。その頭からは無機的とも有機的とも思える固体が噴出し、
血と脳漿が混ざり合ったそれは、あたかも超現実派の絵画の様相を呈している。
「また自分だけ生き残ったか・・・」
これで14人目、自分を除く全隊員の死亡を確認したことになる。戦略的には既に小隊は全滅。
今逃亡しても彼・・・高崎雄二が責任を追及される事は無い。
だが、彼は撤退する気は無かった。
部屋に入った高崎はゆっくりと照星を「それ」に向ける。
既に気付いていたのか、自分の事など眼中に無いのか?彼は胴体と直結した頭部を持ち上げ、
昆虫のものを細長くしたような複眼でこちらを睨みつけてきた。
デデエ、意味の無い本名と幾つもの別名を持ち、そして幾つもの命を奪ってきた怪物。不死の化け物。
高崎は彼に死をもたらすべくやって来た。
「・・・・・・俺を殺したいのか?」
奴はつぶやく、自分が人であることを主張したいが故に。
「ああ」
俺は一切躊躇せず、正直に答える。それは任務のためではない。
「何故、雪乃を殺した?」
彼の複眼が一瞬揺らぐ、罪の意識からではない。殺した数が多すぎて誰の事からわからないだけだ。
例えそれが俺にとって宇宙で一番必要だった存在だとしても。
やがて、その唾棄すべき記憶を引き出したのか、それとも話をあわせているだけか、
その顔に下卑た笑みが漏れた。
「死にたいと言ったから殺してやっただけさ。俺は可愛い娘とヤれればよかった、殺す事は望んでない。
殺してくれと頼んだのは彼女自身・・・すなわちギブアンドテイクってやつだ。」
聞かなければ良かった・・・後悔しつつ、高崎は拳銃の引き金を絞った。激しい反動と爆音が身体を貫く。
一方、奴の身体には数十発の徹甲榴弾が次々と突き刺さり、爆ぜた。閃光が止まるまでの数秒間、
奴の身体は壊れた玩具のように踊りつづけ、やがて螺子が切れたように倒れた。
286名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/30(水) 22:19:52
僕が小さな頃、南洋への家族旅行で、乗っていたボートから海へ落ちた。
そんな僕を助けてくれたのは小さなゴジラだった。
誰もいない小島。満天の星空。小さく燃える焚き火と焼き魚。
小さなゴジラは言った。
「僕はミニラ。君たち子供の味方だよ。だけど大きくなると僕は人間の言葉も忘れ、凶暴になるんだ。
そして君の住んでる東京をめちゃめちゃにしようとしてしまうんだよ。とても悲しいよ」
僕とミニラは一緒に草のベットで眠った。

家族と再会した僕。けれど七歳の僕の言うことに誰も耳を貸そうとはしなかった。
「どこかの島にゴジラっていう恐竜がいるんだ。そしていつか東京を破壊しにくるんだよ」
大人は皆笑うだけだった。

僕は早く大人になりたかった。それだけじゃない。僕の言うことを皆聞いて入れるような、そんな人間になりたかった。
必要なのは権力、金、カリスマ、人脈。僕は東大に入った。
「早くなんとかしないと…東京は…」
僕にもっと力を!僕はあまりに無力だ。

学生時代に会社を立ち上げ、強引とも思える手法で全てを買い取り、僕の会社は拡大していった。
三十を過ぎる頃にはマスコミにも取り上げられた。堀エモンなんていう愛称も生まれた。
テレビは盛んに僕のやり方を批判する。
僕一人が嫌われ者になるならそれでもいい。どうせ言っても誰も信じないんだ。
僕がなんとかしないと。

やがて五十を過ぎ、僕はとうとう世界一の富豪になった。権力も、カリスマも、人脈も全て手に入れた。
だけど僕は色んな人間から恨まれてる。心を許せる友達も一人もいない。
それでも「その日」の為の準備は忘れず進めてきたつもりだ。

そして僕の五十五歳の誕生日、彼はとうとうやってきた。


287名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/30(水) 22:20:17
東京湾から上陸した彼の力は強大だった。東京の高層ビル群も彼の前にはダンボール同然だった。
彼を止めることは出来ない。映画の様な超兵器や、漫画のような必殺技を僕たちは持ってないのだ。
あちこちで火の手が上がり、彼の火炎に夜の東京は昼間のように明るくなった。
彼「ゴジラ」は東京の全てを破戒した。

誰もいなくなった東京。何も無くなった東京で、僕とゴジラが再開した。
「久しぶり」
僕の言葉にも彼は無反応だった。彼は理性を失っている。彼はただ東京を破壊するためだけに生まれた生き物なのだ。
「大丈夫。誰にも文句は言わせない。全て想定内、君は大丈夫なんだよ。
今日、この日の為なんだ。君のために東京の全てを買い取ったんだよ。すべて君と僕のものなんだ」

二人の街を破壊しつくし満足したゴジラは海に帰っていき、僕の前に二度と姿を現さなかった。


などという楽しい夢を、今日もホームレス堀エモンは見たようだ。
堀エモンはブルーシートを体に巻きなおし、空になったワンカップの瓶を名残惜しそうにべろべろと舐め、眠りに付いた。
明日は空き缶何個集まるかな、へへっ…。
今、僕はとても幸せだ。



-完-
288名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/30(水) 22:20:55
眷属171号さん
どちらのお話しも精神がメインテーマですよね?
КαЯМαを読んで。
どのような経緯で殺人に到ったのでしょう? 主人公に共感できるところが
あれば……バッドトリップできたのに。廃墟の愉しみを詳しく書いてほしか
った。悪い意味で、SF設定が糖衣になってしまっている希ガス。
ちょっと関連するのかな? 牧野修「蠅の女」の始めと終わりしか読んでま
せんが、眷属171号さんが好みそうだなーと本屋でニヤリとしました。
心と形-∞-を読んで。ワロタ

ケロロ少佐さん
携帯も日進月歩で進化していますが、あらゆる家事も自動化するんでしょう
ね! ついには子供を産み育てることまで自動化してしまうんでしょうか?w
携帯依存症なんて病もありそうですね。電池が切れて、個人承認が困難に!
某CMのような未来はイヤだー。でも、面白そうじゃありませんか?

土蜘蛛さん
読みづらので貼っときます。
>>103-106 >>275
まだまだ、伏線なんでしょうか? まさか、高崎とデデエが融合してデビー
ルなんてねぇー? ハードボイルドな感じは好きです。ウルフガイ(最近の
は知らないが)とか菊秀も読むので。「思念」あれは……SF者の告白です
か? ちょっと恥ずかしいなw ともあれ、続き期待して待ってます。

ひとつアイデアが浮かんだので、突っついていますが、うまく爆発しません。
漏れもうっぷしてーぜw

マターリお待ちしています。
289名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/30(水) 22:43:43
>>286
夢オチにしなくてもよかったような希ガス。でも、東京を丸ごと買うなんて
無理だな〜w どなたか分かりませんが、某スレでのリクエストに応えてく
れたのかな? また、寄って下さいね。しかし、ニアミスでしたねーw
290クネクネ ◆PavraOGijE :2005/03/30(水) 22:45:52
さいごはかたすかし・・
よむひとにふかいかんをあたえるためだよ・
さいこうだね・・・
291名無しは無慈悲な夜の女王:2005/03/31(木) 02:18:47
お前も災難だな。
犬に噛まれたと思ってあきらめろ。
292土蜘蛛:皇紀2665/04/01(金) 19:35:35
もうプロットは出来てるのですが・・・ワケあって数日間投稿できません・・・

>>288
デビール?そうか!!その手が(ry

>>眷属171号
カルマ 覚醒したあとどうなるんだ!?気になります。
心と形 ロボットなのを自覚はしてるのでしょうか?

>>ケロロ少佐
現実の恋愛もあんまり変わらないような・・・いや、出会いなんて求めてるから俺はモテな(ry
チラシの裏すいません
293眷属171号:2005/04/02(土) 11:35:11
>>ケロロ少佐

こんな携帯いいですね。
A.I.搭載型ですか。
・・・どっかのエロい人は、その携帯を解析して女の子にいろいろさせちゃうんでしょうね。

素直な考えだったりする(笑

>>288

男は、精神不安定の気がある人間で「誰かが殺せと言ったから」殺すという危ない人間です。
現実世界では女の子を含めて、最低3人を殺しています。ちなみに、こいつは男性至上主義です。
ちらちら感情が表れている部分があります(笑
ちなみに仮想世界にぶち込まれる時は記憶を消されますが、本質的な部分は変わってないのです。
主人公の殺しの経緯は全くといって良いほど、理解できません。僕には(笑

牧野修「蠅の女」よみてぇです。



294眷属171号:2005/04/02(土) 11:35:44
>>土蜘蛛

仮想世界の中で覚醒した後は、苦悩を抱えて生きる事になります(ハッカー女に教えてもらった世界の本質についての苦悩)
彼はもう生きる喜びを感じることはないでしょう。ほとんど生きる屍ですね。
ちなみにあの世界では、超現実主義者が多いので仮想世界に求める事はほとんどないです。

ロボットなのは自覚していますが、理性が自分は人間だと思っているので葛藤が生まれたんですね。
だから、極度にロボット扱いされるとセーフ機能(人間に対する)が働かなかったりするんです。
あの世界のロボットは大抵が完全A.I.なのですが、Updateするのに一々工場や施設で検査してては時間がかかるので、
ネットワーク機能(ダウンロードの一回線のみ)を導入したんですが、ロボットの見た「夢」がキーになってきます。
あれは、ロボットに対する機能不全ウィルスです。
あそこから狂いだしたんですねぇ〜、ちなみに感染するとロボットは自分の名前をアリサだと思うようになります(つまり女)
機械音声も女声になったのはいいんですが、ボディが逞しい男性型だったからあの医者みたいな人も気持ち悪かっただろうに。
295眷属171号:2005/04/08(金) 12:26:25
a1...覚醒-1-


―おめらが、そりをんへけいする。そりのにゃむえは、でるかとんけいる。


低く唸るような音を立て続けていた冷凍保存用カプセルが、突如警告音を発した。
そして、緊急排出用の穴から青いジェル状の液体が勢いよく発射される。
どろどろとしたジェル状の液体が壁や床を青く染め上げていく。

液体が一通り放出されると、今度はカプセルの横にあるコントロールパネルが作業完了までのパーセンテージを表す。
『56%、74%、98%、作業完了』
作業完了と同時にカプセルのハッチがスライドする。
中から排出しきれなかった青いジェルがごぽごぽと音を立て、流れ出していく。
カプセル内には全裸の男が横たわっていた。
体全体に繋がれたチューブがパージされ、肋骨を彷彿させる拘束具も外れる。
頭につけられていたチューブが外されると数秒後、男は自然と眼を開けた。

/

力を振り絞り、カプセルの取っ手に掴まる。
眼の中で赤い点がチカチカする。

鬱陶しい。

たった一言呟くと、冷え切った鉄板の床に倒れこんだ。

―えっくずひゅーむん、すぃけんがったのせぇてぇへぇきのりゃくでそわ。
―けれらふわ、つかえるのきゃね。ただのひんぎょうじゃないくぁ。


296土蜘蛛:2005/04/15(金) 17:13:50
保守

来週までには済ませます・・・
297297:2005/04/16(土) 15:51:30
急に書きたくなった。素人想像系のありきたりものですが、よろしく。
298297:2005/04/16(土) 15:54:05
短編SFのジャンルなのかも分からないですが。
299297:2005/04/16(土) 16:26:08
大気圏外最大の貿易路、ホワイト・ボスポラス海峡。各惑星軌道と地球を結ぶこの道には、莫大な規模の
資源が日々行き来している。数々の宇宙船が光を反射させて移動し、横たわる、輝く道だ。貨物船、客船、
作業船や観測船、いつしか巡視艇や軍艦も見られるようになった。
××01年。火星表面と小惑星のうち半分で境界が画定し、各国は一部の宇宙資源を共有しなくなった。必
然的に宇宙開発競争は激化し、次々と宇宙船が飛び立っていった。それでもその好景気に支えられ、首脳
たちの努力もあり、大きな国家間問題へと発展することもなかった。その後数十年余りの間続いた宇宙開発
時代の中、航海や開発などの宇宙技術も加速的に進歩していった。人々も恩恵を受けた。宇宙での交流も活
発になり、国際人たちは本名をしまい、流行の発音しやすい宇宙名なる名称で、固有名詞を呼び合うように
なった。宇宙においてついに地球民族が誕生するかにもみえたが、祖国への郷愁が失われることはなかった。
そんな思いは宇宙開発でも同じで、確立した自由主義経済の国際競争は依然として存続した。宇宙資源が膨
大になってもなお、領有権や開発権に基づいて行動された。共有分資源とともに、宇宙でも協力と競争の折
衷した世界が広がった。いや、重なり合えない二重構造かもしれなかった。所詮、協力も取引、国民国家は
宇宙時代においてもついに統合されることはなかったのだ。
300名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/16(土) 18:48:49
男は言った「人も生物も皆消えよ!」全ての生物が消えた。
「天よ消えよ!」空と一緒に宇宙が消えた。
「地よ消えよ!」足元の地面が消え、上も下も無くなった。
そして世界に自分一人だけとなった。
一息つくと男は言った「我も消えよ!」
・・・・・消えない?・・・なぜだ?
その時どこからか声が聞こえてきた
「ダメだよ、二番煎じは!このネタもう使用済みなんだから」
男は絶望した、そして呟いた
・・・・フレドリック・ブラウン のばかやろー!_| ̄|○
301名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 15:34:00
>>297さん
正直、つまらなかった。が、しかしノンフィクションぽい感じだ。
リアリティーを感じさせる。物語の序文なのかなー?
できたらHNを付けて、この設定でお話しを創って下さい。主人公
視点で書いてみてはどうでしょうか。

>>300さん
火星人ゴーホームが元ネタですか? あらゆるモノが消せるなら
創造も出来ちゃうんじゃないの? ネ申になれますよ!!!

土蜘蛛さん
さすがハンター! 二匹も捕獲するなんてw

新作、続編、マターリお待ちしています。
302297:2005/04/17(日) 18:26:10
>>301 自分(私)みたいな新参に、わざわざレスありがとう。

>物語の序文なのかなー?
すごいですね、そのようなところです。
長めのを想定していて、スレ用に削りなおしたものなんですよ。

言い訳ではないですが実はSF小説に詳しくはないんで、
つまらないことは謝っておきます。
303297:2005/04/17(日) 18:31:38
ちなみに、
主人公視点のほうが良いのかもしれないですが、
はじめに想定していたのは、神の視点の記述物風でした。
304名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 19:06:23
>>297さん
あまり気にしないで下さい。これに懲りず投下よろしく!
漏れなんか華麗にスルーされたお話しあり。ワッハッハー

このスレの住人は非常に少ないんです。

嫁に来ないか〜♪ 棲んでみないか〜♪
305名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 19:14:17
>>303
詩的で実験的な作品も書けない、あらすじ文学もどき。消えろよ早く。
306名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 20:31:42
ここで、某出版社に投稿済みの作品を投下するのは有りでしょうか?
既に募集締め切りの過ぎている賞ですが、結果が分かって
からの方が良いのか、と迷っております。

私の周囲にSF読みが居ないものでして、友人に読んで頂いても
曖昧な反応しか返って来ません(遠慮もあるのでしょう)。
そこで、匿名ならではの忌憚なき意見や感想、罵倒を受けたいのですが……。
307名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 20:34:41
義理を欠いた奴め。
結果がわかってもお蔵入りが正当。

それでもと思うなら乗せなさい。叩きますから。
308名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 20:43:10
>>307
なるほど。確かにそうですね。想像力が足りませんでした。
また新たに創作し、文章になった時、胸を張って投下しに
参ります。失礼しました。

その際には、よろしくお願いします。
309ケロロ少佐:2005/04/17(日) 20:50:10
>>299さん
とにかく、最初に、名前をつけた主人公をひとりでっち上げて話をつくって見ては・・・
少しは、読みやすくなるのでは?神の視点だとしても神の見る人間を作ってはじめたり・・・
これに懲りずに次回作、よろしく。

>>300さんの作品、てっきり私は299の続きだとおもっていました。

>>306さん
ここは、そんな細かい心配しないでいい所じゃあないんかな!
何でもどんな物でも載せちゃってください。期待しています。

私も、懲りずに変な作品載せ続けてるバカですから・・・
近々、遠未来物載せたいと思います・・・
310名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 20:51:42
>>307さん
作家を目指してるんですか?

http://gooo.net/~eel/

SF好きな人もいる希ガス。
よく分からんが削除も出来るらしい。
311名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 20:59:15
未発表作品に限るとしているなら、ここにでも乗せるのはマズイだろう。
勿論法律的にどうかといわれれば、別に違反ではないのかもしれないが、
やはり>>307氏の言うとおり義理を欠いている。
2ちゃんねるに書き込むことは引用、改変を許可し、さらに世間に公表
したという扱いになるわけだし。(つまり発表したという扱い)

勿論全ての責任は本人が負うのだから、別に乗せるのを無理に止める
すべはないのだが。
312310:2005/04/17(日) 21:02:18
ごめんアンカー間違った。
307→>>306

ケロロ少佐さん
お待ちしています。
313名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 21:08:23
>>309
はい。次に完成しましたら、冷めない内に持って参ります。

>>310
こういったサイトもあるのですね。ありがとうございます。
創作文芸板なるものは、覗いた事がありませんでした。
半年ほどロムする気合いで、潜入して参ります。

>作家を目指してるんですか?
私への質問で宜しいでしょうか。
はい。最近キーボードを打つ楽しさに目覚めまして。
三十路を超えて恥ずかしい限りですが、やるからには本気で
挑む所存であります。
314名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 21:09:28
近所のコンビニでがさがさと蠢くかっぱえびせんを見つけた。
不信に思う店員を無視し、俺はそれを買って帰った。
中を開けるとはたしてそれは生きているかっぱえびせんだった。
びくびくと本物の海老のように(パッケージに書いてある赤い海老のようにだ!)
腰をくねらせ、はげしく暴れるかっぱえびせん。それがたっぷりと袋の中に詰まっていた。
俺は思わず吐いた。
「なんてことだ…これはホラーな体験だ…」
俺はとりあえず暇なのでテレビ漫画を読み、ファミコンをやってコーラを飲んだ。
すると塩っけが欲しくなり、袋をのぞくともう動いてなかった。
「よしそろそろ食べるか」
俺は全部食べて歯を磨いて寝た。

おわり
315名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 21:17:04
近所のコンビニでがさがさと蠢く堀エモンを見つけた。
不信に思う店員を無視し、俺はそれを買って帰った。
中を開けるとはたしてそれは生きている堀エモンだった。
びくびくと本物の堀エモンのように(パッケージに書いてある赤い堀エモンのようにだ!)
腰をくねらせ、はげしく暴れる堀エモン。それがたっぷりと袋の中に詰まっていた。
俺は思わず吐いた。
「なんてことだ…これはホラーな体験だ…」
俺はとりあえず暇なのでテレビ漫画を見、ファミコンをやってコーラを飲んだ。
すると塩っけが欲しくなり、袋をのぞくともう動いてなかった。
「よしそろそろ食べるか」
俺は全部食べて歯を磨いて寝た。

おわり
316名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 21:56:59
コメントに悩んでいた
        (゚д゚ )
        (| y |)

どうしたもんかな?
    堀えもん ( ゚д゚) かっぱえびせん
       \/| y |\/

変換してみよう?
     堀衛門 ( ゚д゚) 河童海老銭
       \/| y |\/

     混ぜると・・・・
         ( ゚д゚) 堀銭衛門河童海老
         (\/\/

     文にしてみると・・・・
         ( ゚д゚) お堀で銭衛門が河童に海老をあげました。
         (\/\/
317名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 22:01:32
ま た く ね く ね か !
318名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 22:17:14
>>305 
はじめにありきたりのを書くって予告してんじゃん。
別に気取って長期投稿してる訳でもないんだし、
自然に消えるのも待てないのかよ。
319土蜘蛛:2005/04/17(日) 22:27:55
わーい大漁だー!!





書けよ、漏れ・・・ははは、ストーリーに矛盾が見つかった・・・シスアド試験が・・・

てなわけでデデエの逆襲(高崎編2)ご期待を!
320クネクネ ◆PavraOGijE :2005/04/17(日) 22:39:37
わっはっは・・
わろた・

>>318
ちなみにぼくじゃないよ・・
321名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 22:46:56
ん?
322名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 23:15:31
314と315がくねくねちゃんなんだと思ふ。
ほらこの子、堀エモンが大好きだから…。
323名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 23:27:41
僕は毎朝パンを食べるという奴を信用しない。
僕は田舎の農家出身だし、朝は炊きたての白米と味噌汁でないと食べた気がしないのだ。
そんな俺も今年の春から社会人。東京で一人で自炊することになった。
スーパーで初めて米を買う。米を買うなんてもったいない気もするが、田舎からまだ米をもらってない。
それまでの辛抱だ。
どうせ美味しくない米だろう。一番小さな袋を買って帰った。
次の日の朝、炊飯器をあけた。その中には美味しく炊けている真っ白な米がつまっていた。
びっしりと、そしてつややかな白米。それが何千粒と炊飯器の中につまっていたのだ。
そしてそれは例外なく蠢いていた。ぐにぐにうねうねくねくねと。それはまるでうじ虫の様であった。
僕はおもわず吐いた。
「なんてことだ…これはホラーな体験だ…」
俺はとりあえず暇なのでテレビ漫画を見、ファミコンをやってコーラを飲んだ。
すると白いご飯が欲しくなり、炊飯器をのぞくともう動いてなかった。
「よしそろそろ食べるか」
俺は全部食べて歯を磨いて出勤した。

おわり
324名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 23:29:33
僕は毎朝パンを食べるという奴を信用しない。
僕は田舎の農家出身だし、朝は炊きたての堀エモンと味噌汁でないと食べた気がしないのだ。
そんな俺も今年の春から社会人。東京で一人で自炊することになった。
スーパーで初めて堀エモンを買う。堀エモンを買うなんてもったいない気もするが、田舎からまだ堀エモンをもらってない。
それまでの辛抱だ。
どうせ美味しくない堀エモンだろう。一番小さな袋を買って帰った。
次の日の朝、炊飯器をあけた。その中には美味しく炊けている真っ白な堀エモンがつまっていた。
びっしりと、そしてつややかな堀エモン。それが何千粒と炊飯器の中につまっていたのだ。
そしてそれは例外なく蠢いていた。ぐにぐにうねうねくねくねと。それはまるでうじ虫の様であった。
僕はおもわず吐いた。
「なんてことだ…これはホラーな体験だ…」
俺はとりあえず暇なのでテレビ漫画を見、ファミコンをやってコーラを飲んだ。
すると堀エモンが欲しくなり、炊飯器をのぞくともう動いてなかった。
「よしそろそろ食べるか」
俺は全部食べて歯を磨いて出勤した。

おわり
325名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 23:36:41
これはホラーということでいいのか?
それとも荒らしと解釈していいのか?
326名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/17(日) 23:45:45
楽しそうなんだからいいんじゃない!
327名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/18(月) 04:52:40
きもいよ…
さぶいぼ立った
328クネクネ ◆DL6xKyOq9k :2005/04/18(月) 07:07:39
ぼくはあらしにきまってるじゃない・・・
このスレつぶすよ・・・
かくごしてね・・・
329名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/18(月) 19:48:30
あのートリップが別人なんですが。
330ケロロ少佐:2005/04/19(火) 00:40:34
『自然の・ま・ま・に・・・』その1

曲線と直線が見事に組み合わされた有機建造物が建ち並ぶ都市《ユーリカ》。チリ一つ無い、すべてが淡い色彩の世界。
現代人の《やしなみ−たなきむ》は、友人で同居人でもある、人工生命人間《UURI−KI44987−たなきむ》と一緒に遊戯室にいた。
『私は、すべてを射出したよ。君は、受け取った粘膜と羞恥心をどう解釈し、どれだけ晒け出すつもりかい?』と問いかける。
部屋の中では、二つの裸の人影が酸素ジェルの泡の中でヒワイに、ウネウネとからみ合っていた。
最近流行している遊び、《哲学的 性考察》を2人は、楽しんでいるのだ。
《戯論(ぎろん)》は、白熱し、最終的結論の場面で《URI−KI44987−たなきむ》が予想外にも《変態性 性行為の証明討議》を浴びせて来た。
『アッ!アッ!ヘッ!ハッ!』私の顔面は、苦痛と快楽で歪み、正反対の感情を交互に繰り返す。
ココで私は、最後の反撃。体液を垂れ流しながらも、一気に大胆な異説の《戯論(ぎろん)》を持ちこみ、生殖器の強制露出と接触を相手に挑み、成功させた。
2人の性意意思が、みごとに合致して今回の遊びは、こらえきれない快感を解放し終了。
フラフラのまま遊戯室から出て、それぞれの自宅の個人ブースに戻り、精神睡眠を34ラクテム(時間)取る事にした。
極度の性的興奮状態をおさめる必要がある。
331ケロロ少佐:2005/04/19(火) 00:44:34
『自然の・ま・ま・に・・・』その2

20ラクテム後、朝になり、現代人《やしなみ−たなきむ》は、目覚めた。
『さあ仕事だ。』2足歩行装置にまたがり、仕事場へ向かった。
《たなきむ》の仕事(義務的遊戯)とは、原生人類達が暮らす生活区画を観察(ただ見つめるだけ)することだ・・・
原生人類達とは、560年ほど昔のまったく遺伝子改変されていない、せ・い・れ・き・2020年当時の野蛮な人間のこと。
広大な敷地の保護区画に、当時のままに、数多くの種類のミニ社会を再現させてある。

《やしなみ−たなきむ》は、さっそく、脳を装置に接続し保護区画の中の一つ、その街に暮す一人の男の精神に、寄生した。
男の名前は、《兎身 甲児》(うさみ こうじ)と登録されている。け・っ・こ・ん・は、まだで単身者。
今回でこの男には7回目の寄生。最近、男は、感情の波形に乱れが現れている。『そろそろ破裂か。』
私たち現代人は、原生人類の精神に寄生するが行動には、いっさい干渉しない。ただ、タダ、見つめるだけである。
寄生されているこの男もまったく気づいていないはずだ。
332ケロロ少佐:2005/04/19(火) 00:46:42
『自然の・ま・ま・に・・・』その3

《兎身 (うさみ )》というこの男は、なまけ者で仕事は、長続きせず毎日ぶらぶらと街を歩き暮している。
金に困ると人の良さそうな女を見つけては、近づき天性の特技であるオスの本能でだまし、取り入り、共生。
女の家に強引に住み付き、悦ばせ 尽くさせ 殴り 蹴り ノノシリ、金をムシリ取る。これまでも数多くの女を不幸にして生きてきた。

原生人類達の保護区画の街は、当時のままの社会構造で運営されている。
不安定な欠陥だらけの経済システムもそのまま再現。
だからこそ複雑で荒々しく面白い原生人間達を観察(ただ見つめるだけ)する、こんな仕事(義務的遊戯)が存在している。

生きていた動物の肉と生きていた植物を混ぜ合わせ焼いて作られた料理を食べさせる店の中。
《兎身 (うさみ )》と、《兎身》の今の女、《比津寺 奈美子 (ひつじ なみこ )》がいた。
今の生活に困り果てた、女は、別れ話を泣きながら続けていた。
333ケロロ少佐:2005/04/19(火) 00:49:30
『自然の・ま・ま・に・・・』その4(終)

一通り女が話し終えた頃、《兎身 (うさみ )》は、慣れたしぐさで立ちあがり女が苦労してかき集めた現金の入った包みを手にしていつもの台詞をホザいた・・・・

『こんなもんかね。俺が今までさんざんおまえに尽くして来た代償が。』

首を二、三度左右に動かした後、男は、身を小さく震わせて座っている女に最後の蹴りを入れる。女は、勢いよく二つ先のテーブルまで転げ飛び苦痛の叫びをもらした。
薄笑いを浮かべたまま店を出ようと歩きはじめた時、隣のテーブルに居た一人の男が立ちふさがった。

《比津寺 奈美子 (ひつじ なみこ )》が叫ぶ。『マナブさんやめて!!もう終わったから!!もういいの!』
・・・が、次の瞬間、二つの男の体がにぶい音とともに重なった。
《兎身 (うさみ )》の背中から金属の刃物が飛び出す。崩れ落ちる《兎身 (うさみ )》の体に尚も何度も何度も刃物が突き刺さる・・・
私は確かに、原生人間《兎身 (うさみ )》の死、殺人の瞬間の精神のゆがみ、悲鳴、もだえを体験した。
現代人《やしなみ−たなきむ》は、寄生した原生人間が絶命したのを確認しリンクを解き脳を戻した。

さあ、今日の仕事(義務的遊戯)は、終わった。帰って友人で同居人でもある、人工生命人間《UURI−KI44987−たなきむ》と遊戯室で時を過ごそう・・・・

原生人類達の保護区画の社会は、遺伝子改造されないままの人間が住む世界・・・
自然のままが絶対原則。
そこには、愛し合う事、喜び合う事、助け合う事、そして我々が遥か昔に、克服した悪しき心・・・・憎しみ合う事、だまし合う事、差別し合うこと、殺し合う事・・・・が存在している。

そして何より私たち現代人が経験しない・・・死・・・・が存在する世界・・・・
334名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/19(火) 18:59:46
ケロロ少佐さん

観察だけで一切の干渉をしないんですか? うーん、漏れは蟻の行列を見ただけで、石ころ
なんかを通り道に置いて干渉してしまいますが。観察だけのつもりが釣り込まれ、干渉して
しまいとんでもない事態に! なんていうのも面白そうだなー。
ケロロ少佐さんは造語を創るの好きですね。漏れがエレクトした造語>《撹醗》
    ,,.. - ''' "~ ~^
          ,: '"
        //  お
      ,' / 待
     i .l 
.    | 、 ち
    、.\ ヽ  し
      、 \ . ヽ ._  て
         丶.   ‐  _ い   ま す
           ` ‐ _     ̄ ,(´・ω・)
                   ー(,, O┬O
                   ())'J_))
335ケロロ少佐:2005/04/20(水) 12:31:00
>>334さん
感想ありがと

>観察だけのつもりが釣り込まれ、干渉して しまいとんでも・・・
ですね・・・
今回も逃げちゃった感じでしたね。登場人物は、何らかの形で関わり干渉してこそ
ストーリーが思わぬ方向へ進み面白くなるんでしょうケド。まだまだですね。

造語を創るのは面白いですね。文字変換時に漢字の候補一覧の中からいろんな組み合わさせて楽しんでます。
漢字って一つで意味を持っているんでたった2っだけでも完成させられるのが魅力。
SF系では『電脳』なんかベストの組み合わせですね。

昔、考えたものでは『磁転車(じてんしゃ)』無重力の船内で使う自転車です。
336ケロロ少佐:2005/04/20(水) 21:19:36
『資格』 その1

西暦2018年、太陽系に近づく異星の宇宙船があった。
サナーミア・モナシシ・ランジュ(銀河管理者連盟 )の調査船だ。
文明を築き宇宙へ脱出できるほどに科学の進んだ生命体を対象とし、銀河帝国の一員に加わるに値する生物なのかを認定する機関であった。
連盟の調査法は、簡単だった。この星の支配種 人類と一番身近に暮し、遺伝子的にも近い生命体を調べるというもの。
調査員のモナグル人は、数多い哺乳類から『猫』と『犬』を選んだ。
無作為に選ばれた10万匹を意識解析し人類が他の生物にどのような感情や態度で接しているのかが調べられた。
結果は、5段階評価で最上ランクに決定。
調査員のモナグル人は大変満足していた。
『すばらしい友愛だ。自分達の種と遺伝子的に近いとは、いえ、かなり知能的に劣る動物にもかかわらずココまで愛し共に生活できるとは・・・・』
人類は、めでたく銀河帝国の一員に推薦されることとなった。
帝国の一員になる事は人類にとって将来を約束されたようなもの。
337ケロロ少佐:2005/04/20(水) 21:20:46
『資格』 その2(終)

サナーミア・モナシシ・ランジュ(銀河管理者連盟 )の調査船が太陽系を離れてまもなく、もう1隻、太陽系に近づく宇宙船があった。
サナーミア・ランデビ・ギギモオテ(銀河友和協会)という名の調査船だ。
銀河帝国には、同じような団体がもう一つ存在していたのだ。
協会の調査法も、簡単だった。この星の支配種 人類と身近に暮し、遺伝子的にも近い生命体を調べるというもの。
調査員のユーポプア人は、数多い哺乳類から『豚』と『牛』を選んだ。無作為に選ばれた10万匹を意識解析し人類が他の生物にどのような感情や態度で接しているのかが調べられた。
結果は、5段階評価で最低ランクに決定。
調査員のユーポプア人は驚きを隠せなかった。
『し・・信じられない。自分達の種と遺伝子的に近い位置に属するはずの生命を・・・・劣悪環境で無数に育てて・・・・まさか・・・・・そ・そ・それを食する知的生命が・・・・いたとは・・・・』
調査隊の報告を受け、銀河帝国の主星の星都『シホーナウソラエ』では、ただちに最高機関会議が開かれ、人類は、最悪の裁定をくだされた。

それは、人類の破滅への『道』だった・・・・・・

アメリカ合衆国ニューヨーク州の時間で2018年4月21日午前12時00分・・・地球の大気圏に小さなカプセルが突入した。

1ヶ月余りで人類は、急速に広がった原因不明の未知のウィルスによって総人口の99,4%を失う。かろうじて生き延びた人類達の瞳に、もはや知性のキラメキをみる事は出来なかった。
やがて、文明は崩壊し、朽ちはてた都市が残され、わずかな人類の幻影たちは、衣服を脱ぎ、道具を捨て、炎を恐れ、崇拝し、おろかなサルの姿にかわっていた。

相変わらずの悪癖を残す・・・食料の奪い合い、殺しあい、騙し合う・・・・サルとして・・・
338ケロロ少佐:2005/04/20(水) 21:23:14
↑は、3つのキーワードでSFを書いていこう!! に書き込んだ物に
少しばかり付け加えた作品です。
339名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 19:04:42
ショートショートって言っていいのかな、おもしろかった。
犬猫かわいい。
340名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 21:03:58
ケロロ少佐さん

ネオテニーという言葉を知っていますか。犬は狼のネオテニーである。と、以前NHKで観た
んですが、ネオテニー=幼態成熟といって、かわいいい、なつく、おとなしい、従順であるな
どの性質のある個体だけを育ててゆき、だんだん今の犬になったと聞きました。猫はこれとは
違い遺伝子が壊れ人間を恐れない個体が現れたということらしい。一説には人間はチンパンジー
のネオテニーであるというのもあるらしい。ラリー・ニーヴンの短編にはダチョウは○○○の
ネオテニーであるというのがありました。知ったかではありますが、このソースを和えてケロ
ロさんのお話しをおいしく頂きました。ごちそうさまでした。
341ケロロ少佐:2005/04/21(木) 21:30:11
>>339さん

感想ありがと
ちなみにこの話の3つのキーワードは『猫』『犬』『道』でした。

ロバート・J・ソウヤー の『イリーガル・エイリアン』のお話の中でエイリアンの宇宙船内
で脳など思考をつかさどる部分をすべて除いた食糧としての肉だけを成長させている
シーンがありました。
知的レベルが上がった生物は、肉のみを生産しているのかも・・

>>340さん
感想ありがと
ネオテニーという言葉・・初耳でした。さっき検索し調べました・・なるほど・・

次回は犬の出る短編考えてみようかな?・・・
342キノコ偏心@:2005/04/21(木) 22:51:52
 青い空、緑の森、俺は本当に鳥になったんだ! どこへでもいける。自由な世界、差別のな
い世界……僕は自由だ! だんだん記憶が薄れていく……ぼくのねがいだったはず……かなし
いくてうれしい……ぴぃーぴきぴきぃ、ぴきぴきぴー……

         *       *       *       *

「ピイ、ピキピキ」
「はあ?」
「ピィーピキピキ! ピキピキピー!」
「ぴぃーぴきぴき? キノコが喋ってる?! ぴぃーぴきぴぃー!」
「ピィーピキピキー」
 僕はおそるおそるキノコのそばに近づいてみた。キノコの傘が上下に動いている。後から調
べたら可動性(かどうせい)といって、つばが柄に固定されないで上下に動く傘があるみたい。
でも、こんなに激しく動くなんて考えられないよなぁ。よーく観察してみると傘の動きに合せ
て、ぴぃーぴぃーと音が出ているみたいなんだ。キノコが喋るはずないもん。無造作に柄を握
り引きちぎった。
「ピィーピキピキピピィピキピキピィーーー」
 断末魔のような激しさの後、ピクピクして動かなくなった。
 あれー? まずかったかな、死んじゃたかなー? もしかしてすごい発見だったかも知れな
いのに……僕は慌てて周りに同じようなキノコがないか探し回った。
「ちぇ、見付からないや。これ何とかならないかなー」
 あれから家に帰って、ミカンの缶に土を入れキノコを植えてみた。全然動かないや。本棚に
置いとこうっと。
「ぴぃーぴきぴき! ぴきぴきぴぃー、ぴきぴきぴぃ?」話しかけたが返事がないや。
「やべー、宿題があるんだっけ! ぴぃ、ぴきぴきぴぃー!」
343キノコ偏心A:2005/04/21(木) 22:53:01
(((((――地区の皆様、マスクを着用の上、最寄の施設にて検査を受けて下さい。慌てずに速
やかに行動して下さい。また、私物の持ち出しは一切禁止です。感染されていても治療法があ
りますのでご安心下さい。繰り返します――)))))
 半径十キロにわたり非常線が張られた。例のキノコ感染だ。感染すると四日目にキノコ柱に
なってしまう。政府は治療法があると言っているが、混乱を避けるための方便で実際には手の
施し様がない状態なのだ。もっともただ手を拱いているだけではなく、方々の研究所に最優先
で治療法の究明にあたらせていたが……。


「大統領、ご決断下さい! 一刻の猶予もありません。人類の滅亡を食い止めるには日本の消
滅は仕方のないことです。直径一キロの柄を持ち高さ三百メートルの大網傘茸を放置していて
は近隣諸国に胞子が及びます。空路、海路の物流の検疫にも穴があるでしょう。人類の存亡が
懸っています。人類の版図は残念ながら未だ宇宙には拡がっていません。キノコ如きにやられ
てしまう訳にはいきませぬ。キノコをきのこ雲で消し去りましょう!」
「ううむ、打ち込んでくれ! いいや、打ち込め! 焼滅させろ! 消し去れ! キノコ
のソテーはもう食えんが仕方あるまい。」


 日本には核の雨あられ、あらゆる国から核のプレゼントが届けられた。消滅する瞬間、大網
傘茸は喜びに身を震わせていた。
344キノコ偏心B:2005/04/21(木) 22:53:54
キノコ偏心B

「わしはうれしいんじゃ。もうそろそろ、お迎えがくるじゃろうし。死後の世界なんちゅうモ
ノは信じられんし」

「お母さん、キノコになって死ぬのなんていやだよー」
「死ぬ訳じゃないのよ……うーん、大人になるには一度キノコになるのよ。だから心配いらな
いわ」

「まるでバカSFじゃないか! キノコに負けるなんて……」

「がぶがぶ、がぶがぶ、どうせキノコになるならダイエットなんて関係ないわ! 食べて食べ
まくるわよー。がぶがぶ、がぶがぶ」

「ついに来たのですね。審判の日。祈りましょう」

「核シェルターに食料を詰めて詰めまくるぞ! 俺一人だけでも生き延びてやる!」

「童貞のまま死ぬなんて……風俗で本番しちゃる!」

「あなたと一緒にいたいの」
「俺もだよ。このままずっーと一緒だよ」

 胞子嚢に蓄えられた胞子は異常に放射能に強く、爆風を利用して世界中に飛散した。一部の
人間を除き地球は大網傘茸の支配下に置かれた。……百五十年後、人類は滅亡した。
345キノコ偏心C:2005/04/21(木) 22:54:52
 世界を速やかに支配した大網傘茸連は、人間だけを消滅させ後は自然の摂理に全てを委ねた。
しかし人類の人体を取り込んだ大網傘茸連は、その内部に海馬に似た機関を設け夢見た。宇宙
へ……渇望は強くなる一方。熟考の末、ある大陸に想像を絶する巨大キノコを発生させた。今
までの大網傘茸とは違い外殻にチタンを纏った鈍い光沢のメカ大網傘茸だ! 内部では特例的
に吸収された人類の一部もシミュレートされ、有用な意見と物理計算等に使役されていた。そ
の中の一人に初めて吸収した琴野 力も含まれていて、皆の冷たい視線にさらされていた。

 宇宙に漂う宇宙船大網傘茸。大気圏突破の熱でチタンの外殻は虹色に輝いている。ついに人
類の夢が皮肉な形で達成された。目標はアルファケンタウリ、可動傘を静かに可動させ逆傘の
位置まで変更するとガスを石付きから噴出し、ラムスクープジェットに切り替えた。
346キノコ偏心D:2005/04/21(木) 22:55:40
アルファ人A「艦長! 座標985−787−8458−259に未確認の飛行物体発見! 
未確認ながら宇宙航行種族の可能性あり。船体の形状は非常に奇妙であります」
アルファ人艦長「コンタクトしてみよう」

アルファ人B「報告します。出入り口らしきものがありませんし、コンタクトも出来ない模様。
しかし我々を確認したのでしょう、減速し停船しています。友好的種族ではないかと判断でき
ます。先端の広がり部分からキラキラ光る物質が放出されています」
アルファ人艦長「サンプルを持って帰艦せよ」


アルファ人科学者「これは寄生する何らかの胞子のようなものです。ただし、我々アルファ人
に感染する恐れはありません。DNA塩基がまるで異なるようです」
アルファ人科学庁長官「この繊維質はなんだね」
アルファ人科学者「間違いなく生命体ですが、これが意識を持つとは思えません。これは秘密
ですが、焼いて食べたらむちゃくちゃ旨いですよ。ええ、大丈夫です。私は科学者ですからご
安心下さい。おそらくDNAの中にメッセージが隠されていると推測されますが、増殖は簡単
です。新しい食材で一儲け出来ますよ」
347キノコ偏心E:2005/04/21(木) 22:56:21
【報告文書】T
 研究の結果、我々に似た酸素呼吸生物が吸収された痕跡があります。驚くべき事にこの生物
の内部で人格らしき複数の意識が発見されました。コンタクトは非常に困難であります。研究
が進めばDNAから分離が可能となるでしょう。彼らが自立できれば新たな惑星を与え交易を
交わす事も可能でしょう。我らアルファ人にとっても利益になるでしょう。思考形態の違いか
ら新たな知識が手に入れられるのではないでしょうか? 

【報告文書】U
 どうやら自然を破壊し、戦争などと言う危険なゲームを好む悪鬼の如き種族です。悪夢の種
族ですが独創性にとみ、慈愛に満ちている不思議な種族です。キノコに吸収されてよかったの
かもしれません。しかしながら我々とてその轍を踏まずには現在には到りませんでした。どち
らの種も弱肉強食、種の生存原理に基づいて、結果キノコが勝利を収めたににすぎません。こ
のままの形ではコンタクトもままなりません。出来れば人類を異なる形で復活させましょう。
実は秘策があるのです。キノコと人間を完全には分離せず完全共生タイプにするのです。どち
らが欠けても存続は出来ないのです。キノコは自然の体現者であり母です。こうすれば自然破
壊などという愚かな真似はしないのではないでしょうか? 人間は更なる高みに登れるでしょ
う。本来の惑星でキノコの干渉がなくてもいずれ滅びる運命だったと推測されます。我々の方
法が最善とはいいませんが、中の意識体以外に文句は出ないでしょう。
348キノコ偏心F:2005/04/21(木) 22:57:12
キノコ偏心F

 こうして人類は発祥の地からはるかかなたで復活を遂げた。しかし共生せざる得ない形態に
変化させられて。性は三種に分けられ男、女、キノコ。子供を産むのはキノコの性だ。キノコ
は知識、経験を吸収し次の世代に伝えていく。決してキノコを恨むことはないであろう。

アルファ人言語学者「意識体は我々との接触から情報を得て生きる望みをなくし次々に消滅し
ています」

アルファ人言語学者「彼はどうやら初めて吸収されたらしいのですが、自虐の念から逃れられ
ない様子です。キノピーの子供と話しをさせてみたいのですが。どうでしょうか?」

 今度、大網傘茸記念博物館につれていってもらえるんだ! そして中の人とお話しするんだ!
ちょうど、おない年の子がいるって話しだし、どんなお話しが出来るか楽しみだなー。
「ぴぃぴきぴきぴぃー!ぴきぴきぴー」「ピィーピキピキー」
 ピッキーの傘を撫ぜてからランドセルを背負って元気に学校に出発した。
349キノコ偏心G:2005/04/21(木) 22:57:56
 大網傘茸記念博物館にて
「ちょっといいかな? 君は男の子なんだろう? おちんちんがくっいているだろう?」
「僕は男だよ! 馬鹿にしないでよ! ……でも、おちんちんって言うのはなんなの?」
「あー、んー、オシッコするでしょ? おちんちんで」
「おちんちんで? なにそれ?」
「えっ、つまりそのキノコのようなものが付いてるでしょ?」
「キノコって僕を産んでくれたピッキーのようなもの?」
「えっえっえー、違う!違う?! んんーどういうことだ? 君を産んでくれたのはキノコの
ピッキーなのか? 喋るのか? ピッキーは!」
「うんん、ぴぃーぴぃー言うけど何を言ってるのかわからないよ。もちろん僕を産んでくれた
のはピッキーだよ」
「んー、あいつら完全に分離しなかったのか? キノコと共生? 性を三種にしたのか!?
道理で……。」
「ぶんり? きょうせい? ねーねー僕はおない年の子とお話ししたいんだけど!」
「えっ、ああ、ごめんね。今から替わるね。だけどその前にもうひとつでけ質問があるんだけ
ど、君は今、幸せかい?」
「うん! 沢山お友達がいるし、森で遊べるし、せんそうっていうのもないし、アルファ人も
親切だし、僕の夢は、キノコ宇宙船の船員になって宇宙を旅することなんだー」
「ありがとう……。中にはもう俺しかいないんだ。多分、おない年というのは俺だったんだよ
俺のせいで……俺のせいで皆に迷惑を掛けて……ずずっ、いやなんでもない、これで安心して
眠りにつけるよ」
「ええ! じゃあ、あなたは琴野 力さんなんですか? 授業で偉大な先祖だって教えてもらい
ました」
「はっはっ、いやいや参った。大網傘茸に伝えておくよ。どうせなら艦長になれよ! それま
で沢山勉強して、いっぱい遊びなさい。おじさんが約束するよ」
「うあー、うれしいな! 約束するよ! 艦長かー」
350名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 23:00:08
連投解除協力してあげましょう
351キノコ偏心H:2005/04/21(木) 23:00:16
 俺はアルファ人に肉体を与えてくれと要求し続けた。大人たちはアルファ人に情報を与える
見返りとして新人類の有り様を聞いていた。ショックを受けた仲間は次々に消滅した。俺はそ
のような事とは知らずいたが、しばらく前にやって来た子供との会話から事実がなんとなく分
かってきた。仲の好いアルファ人の女性からすべてを聞き出した。ショックだったがうれしく
もあった。意識の消し方はなんとなく分かっていたが、どうしても外界を見てみたかった。

 研究の末ついに意識を取り出すことができるようになったらしい。ただしこの星に生息する
動物に短期的に意識のプリントができるだけだという。これは推測だが長くもって一時間くら
いだと言う事も告げられた。どちらにしろいつまでも牢獄に居たくなかった。外界を見たい! 
生きる理由はもうそれしかないんだよ。

 俺は喜びと感謝をさえずりと羽ばたきで表現して、アルファ人達の許から飛び去った。

                      (終)
352名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 23:00:31
もういっちょ。
353名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 23:02:00
お話しの中の大網傘茸とは、実際の網傘茸とは形状がまったく違います。また、一応、大網傘
茸さん? の許可を得て使用しています。 

勝手にお題 鳥 キノコ を入れてSFを書けっていうのをやってみました。

>>350サンクス


登場人物の名前に悩んでいた
        (゚д゚ )
        (| y |)

これで作ってみようかな?
      とり  ( ゚д゚)  きのこ
       \/| y |\/

     混ぜると・・・・
         ( ゚д゚) ことの りき
         (\/\/

     こんなん出ました・・・・
         ( ゚д゚) 琴野 力
         (\/\/
354名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 23:31:35
もう少しダイエットさせた方が読みやすかったかも・・・

そもそも・・・話全体に特定なモノ(者)(物)に悪意が見えてあまり感心しない文面・・・・
355名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/21(木) 23:47:49
悪意ですか? 悪意はないですよ。別スレのレスでアイデアが湧いた
ので書いてみたんですが……。気分を悪くさせたみたいですね。ごめんよ。
356名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/22(金) 10:18:40
>>354です

少し訂正
キノコ偏心の話・・・あらためて読んでみました。結果、面白かったです。

次回作もよろしく!!
357名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/22(金) 13:08:41
言い訳とお詫び

気分を害された方がいらしたので、言い訳を。別スレの話しで申し訳ないが、あるレスを
を見てアイデアが湧きました。アンカーを打って短編スレに投下すると明言しました。
大網傘茸さん? に文字使用の許可をもらいました。別キノコと言ってましたが中の人は
同じ(文章トリップで判断)。大網傘茸という表記は、SFの小道具として使用しました。
2ch的な皮肉も混ぜ込んで作ったんですが……。思慮に欠けていました。めんご。

歴史に残るSFを創造しよう!【スペオペ篇1】を愉しくROMしています。
358名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/22(金) 15:08:04
<ある朝>

ある晴れた朝。外に出ると、ぱっと突然空が真っ暗になった。
大気が一瞬で消えたからだった。
それでも我々は宇宙放射線や隕石の衝突が原因で死ぬ事はなかった。
ほとんどが、窒息して死んだからだった。
359190:2005/04/24(日) 21:15:01
残念ながら下記のミラーは無効になりました。

おまいら短編SF書いてください
http://ruku.qp.tc/dat2ch/0502/18/1042728362.html
360名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/24(日) 23:31:27
      夜半鬼女来家語
『やはんおにをんないへにくること』

今は昔、備後の国長居の浦のもとに、まづしき獨のおとこありけり。
おとこもとより材もなければ、うををうりそのまま老の至るをまつばかりなり。

さて、ある日夜半ばかりに、家のそとより人のそよめきて参る景色の有りければ、おとこ、
「何者の来たるにか有らむ」と思ひける程に、虎皮の装束うるはしくしたる鬼おんな、
二間ばかり去きて居たりける。
其の鬼おんな、角は有れども世に並び無く端正にして、この世の人とも思えざりけり。
おとこ、「なにびとぞ」と云ひければ、鬼おんな、「今より嫁に参った」と申す。
おとこ、これを聴きて思はく、いと異様のことなりと、「どこより参ったか」と云ひければ、
鬼おんな、「天女也。名は羅無」と申す。いよいよ異様のことなりとおとこ、
「たちまち押し入りて居たるは人の理にあらず。此は世に並び無くめでたし天女と云えども、
事の理をも知らず、いかでかくは云ふぞ」
と云ひければ、鬼おんな、妬く悔しく思え、「己、はたらかば雷にて射殺してむ」と申す。
おとこ、なたをもちて「天の国へ篭り入れ、入れ」とおどせば、鬼おんな、
空に鳴る雷を捕へておとこに投げつけ空に昇り失せにけり。

其の後、また現るる事無かりけり。
おとこ、「実に、この鬼おんなはただ人には無き者」とぞ云ひけるとなむ語り伝へたるとや。
ということでいいだろうね。
361名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/24(日) 23:58:41
まさかオリジナルじゃないでしょう?クネクネ。
362クネクネ ◆PavraOGijE :2005/04/25(月) 00:02:54
やだなあちゃんとじぶんでかいたよ・・
みんなやさしいからここではおとなしくするよ・・・
363名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 00:34:09
>>360
詩的で実験的な作品も書けない、あらすじ文学もどき。消えろよ早く。
364名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 03:01:12
もっと教育的なレスしようよ。
>お前がしろ
と言われるかもしれないけど、俺にはそれ程の経験がないので。
365名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 03:09:02
へークネクネすごいねえ。
366名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 03:20:25
面白い!ラムちゃんネタか。
367名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 12:32:07
>>358さん

突然大気が消えたの? とんでも理論で補完してよ〜w
368名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 17:53:45
>>367
重力がなくなる、もしくは重力が小さくなるといった場合に大気が逃げ出す(という表現になりますね)と
仮定すると、理由付けとして、
・自転が止まった。
・(星の)質量が極端に減った。
などが考えられますが、どっちにしろトンデモ(笑)理論になります。
大体、体も何も中に浮かんでしまうのが先になるでしょうし。
じわじわと酸素が(というか大気が薄まっていく)描写をしたら、今度は
「酸素などの供給量を上回る速度」で大気が減らなくてはいけない事になりますから、
またそこでボロry

アイデアの根源が「ある筈の物がなくなったら」だったので、色々理論をでっち上げながら
書いたら物語にならなかったので、こういう形になりました。
最初は、
・音の伝達
・宇宙放射線・温度変化など
・色の伝わり方・モノの見え方(空気遠近法)
・空気抵抗の恩恵
など、色々考えてたんですよ。
けれど、調べれば調べるほど、書けない。SF作家の皆さんの苦労が分かるという(笑)。
で、最終的に不条理風味のショートショートになったのです。

369名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 18:00:48
本編より長いいいわけか。
370名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 19:26:49
アイデアを突っいているときは楽しいよね。なかなか形にならないけどな〜。
お話しを作る過程をレスで見るのも一考に値するのでは。たしかに本編より
長いなーw 次回は1スレ使い切って書いてみて下さい。

土蜘蛛さんと眷属さんはどうしたんじゃw

新作お待ちしています。
371名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/25(月) 19:31:22
間違った!!!

×1スレ使い切って書いてみて下さい。
○1レス使い切って書いてみて下さい。
372土蜘蛛:2005/04/25(月) 20:48:02
馬鹿め、土蜘蛛は氏んだわ。



・・・orz スマソ、ストーリーが崩壊した。逆襲は仕切り直すかもしれん。
373ケロロ少佐:2005/04/27(水) 21:29:44
『撹醗(かくはつ)生物』その1

4月の春期休暇も、残りあと四日になった。
帝都高等院、三期生の《葉羽 永久(ようば ながひさ)》は、仲間達と遊び回ることにも飽きて退屈していた。
自室で寝転がっていた《葉羽 (ようば )》は、部屋の隅に散乱しているファイルの山に隠れた、《撹醗(かくはつ)器》を見つけた。
『最近、遊んでいなかったな。』『久しぶりに創って見るか!!』電子レンジをふたまわり程に小さくしたこの機械。
机上に置き、起動させる。『ネットには、つながっているな。』と確認し、最新データに更新させた。半年ぶりの更新だ。
このゲーム《解獲夢(げえむ)》は、装置内メモリーの仮想領域で知的生物を発生させる遊び。文明を築き平和に導き、民主化を達成させた後、宇宙空間へ進出、亜空間航法を発見し光速を越え、異星種族と遭遇、星間戦争の末、和平交渉。
ついには、多種族間の銀河帝国設立までをモデル化し楽しむもの。
空中投影ディスプレイに、メニューを出し、概要を読み始める。ブランクのあった半年間でかなりの数の新型素材が追加されていて驚く。
俺のこのゲーム《解獲夢(げえむ)》に対する攻略法は、マニュアルにあるオーソドックスな手法とは、かなり違い変則的だ。
誰もが使わないような『ガラクタ』的な部品をわざわざ選び、誰も思いつかない異系ルートから生物精製を行なう。今回も、面白そうな『遺伝子』データを取り込み、組み立て始めた。
『おっ!調子が出ててきた。』勘が戻ってきて、原始生物から高等生物へと順調に進化が進む。
俺の創りだした、この三つ目で3足の変則歩行知的生物《写楽(しゃらく)》は、なかなかの好戦的な生き物で見こみがありそうだ。
俺たち人類に負けないくらいの残忍さで戦争を繰り返しながら文明を発展させ科学技術を高めて行った。
374ケロロ少佐:2005/04/27(水) 21:31:14
『撹醗(かくはつ)生物』その2

1日目、2日目、と夢中で楽しんで時が経過してゆく。
装置の覗き窓からこの時代に生きる特定の人物にあてていたマーカーを反応させる。産業革命を迎え、四つの世界大戦がやっと終了し三大大国の冷戦時代に入った世界。
一人の科学者に干渉し能力値を改変させる。これでこの世界の物理学は、新時代へとステップアップ。
3日目、悪化した環境問題は、かなり厄介だったが、2,3個の多国籍企業へ干渉し革新技術を発見させ、クリア。
国家を超えた巨大企業体による世界政府を完成させ、一気に宇宙時代へと突入。
休暇最後の日で何とか、《写楽(しゃらく)》文明は、亜空間航法を習得。銀河へ旅立った。
ネット経由でつながっているどこかの誰かさんが作った、ご自慢のエイリアン文明との戦争にも持ちこたえてくれ、優位に展開。何とか和平を提案させ、エンディングに近づく。

いよいよ俺のカワイイ擬似生物クンに『ノート』提出の時が来た。
創造主たる俺・・・つまりこの生物にとっての《絶対神》からの初めての直接メッセージを送るのだ。
生物が発現して総人口127億8798万8922人になるまでの長い長い期間、待ち望んでいた《写楽(しゃらく)》人の《神の降臨》として・・・
俺は、ココで用意していた神のお言葉を『ノート』へ書き込む。 総人口127億8798万8922人が、神の存在を認め最終進化の生命域へと到達した。
375ケロロ少佐:2005/04/27(水) 21:32:06
『撹醗(かくはつ)生物』その3(終)
と・・・ココまでは、俺も過去、何度も経験したこのゲームのエンディングだったが、半年間でバージョンアップしたこのゲームには、新サービスが加わっていた。
クリアしたプレイヤーに対して有料だがオプションが用意してあった。学生の俺でも支払える位の数値であった為、さっそくキーを打ち込みバンクから支払いを済ます。

明日には、届くはずだ。
俺の創り出したユニークな、知的生物《写楽(しゃらく)》人の10分の1のサイズの生きている擬似生体人形が1体、神の元へ召されて来る・・・・
376ケロロ少佐:2005/04/27(水) 21:49:46
↑も、3つのキーワードでSFを書いていこう!! に書き込んだ物にを
少しばかり書き直した作品です。

ちなみにこの話の3つのキーワードは『遺伝子』『ガラクタ』『ノート』でした。

今回、一部の人に好評な造語・・・《撹醗》でシリーズ2 を作ってみました。

377名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/28(木) 18:13:20
ケロロ少佐さん

《撹醗》シリーズですか。安心感のあるお話ですね。でも、既知感があるなぁ〜。
漏れはその三つので書いてみろと言われても思いつかないけれどw

>学生の俺でも支払える位の数値であった

気になったのはここなんですよ。しばしば、ネットバンクから支払いをするので
この感覚は漏れ的には、うんうん共感できる。まさに数値でしかないよな〜てな
ぐあいです。

新作お待ちしています。
378名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/29(金) 00:39:17
「ああっ・・・やめてぇ・・・っ!」
抵抗の声も空しく抑え込まれた優子は着衣を剥ぎ取られ、その豊満な乳房を健二の前に晒し喘いだ。
優子の脳裏に優しい夫と子供の顔が浮かぶ。
だがその映像も健二の巧みな愛撫に淡く霞んでゆく。
健二はたくましく反り返った16本の触手をぬらつかせながら優子の触角を口に含んだ。
「はうぅ・・・っ」
優子の体が興奮で徐々に緑から紫に火照ってゆく。
379名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/29(金) 12:53:21
>>378

お願いです。自分のレスに簡素書いてみてよ。
380名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/02(月) 16:13:56
世界の盟主を名乗る国家連合は、外洋・防空問わず全艦隊を衛星軌道に集結させた。
地下資源豊かな第1衛星を包囲し、通商同盟軍守備隊の撤退を迫るためだ。
国家連合の側についた国家が我先にと送り出した、最新鋭の艦隊だ。
「これで衛星は手中にしたも同然だな。敵本国からの加勢も分断できる。
 ー ̄)」
一方通商同盟軍は、地上にへばりつくしかない。とりあえず、
手薄になったところをいろいろ回ってみた。
連合側の大気圏内外往来を管制する電磁バリア制御装置が、
ジャングルで発見された。
381名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/02(月) 16:17:24
第一発見者は、これを使えばかなりいけそうな気がした。
382380:2005/05/02(月) 18:36:56
やばい、つまらなすぎる。どこに面白みがあるかわからない。
383名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/03(火) 01:08:41
あたまがいたいよママン
384名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/08(日) 17:36:42
保守であります!
385眷属171号:2005/05/08(日) 20:13:09
海 -1-


電子の波。
法則的な流れで電子は情報となり、金属の世界を絶えず流れる。
それは僕達の世界ではとても重要な事だ。

外世界の人々は電脳世界の精巧さを見て驚愕し、人間の知性と探究心を賞賛する。
だが、僕達に言わせれば全ての物は情報によって管理され、面白みのない動きしかしない。
外世界から見た電脳世界と内から見た電脳世界は違った顔を見せるのだ。

外から新しく来た人は決まってこう言う。

「まるで、食虫植物みたいな世界だな」と。

386眷属171号:2005/05/08(日) 20:13:39
海-2-


僕たちが生きているというのを証明できるものはこの世界にはない。
肉体を捨て、脳だけとなった僕たちは脳に電脳世界の情報を受信し、
そして脳の電子情報を送信する事によってこの世界で動いていける。
だが、僕の脳は駄目になって僕という情報だけが勝ってに動いているのかもしれない。
過去にそんな人を見たことがある。
街中で楽しそうに恋人と喋っていた若い男性がいきなり耳を裂く絶叫を上げたかと思うと、
皮膚はまだしも服までもが溶けて、蒸発してしまった。
電脳世界のアナウンスによると、彼は

”一人歩きしていた為、デリートした”

という事だった。
その時の無機質な声に背筋が寒くなったのを覚えている。


そして、今電脳世界の各所でサイレンが鳴っている。


”電脳世界がハッキングを受けています。規模大、げんざ”

END
387眷属171号:2005/05/08(日) 20:14:42
久しぶりです。
とりあえず、前のヤツは土蜘蛛さんと同じく破棄です(笑
不出来なショートストーリーばっかで迷惑かけます。
388名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/08(日) 22:18:24
眷属171号さん

「海」を読んで、電脳について考えてみた。ふっと浮かんできたのは"生と死の狭間の世界"
でした。そして、SFのガジェットとしては実に使い勝手がいいなぁ、と改めて感じました。
眷属さんの電脳は、脳みそだけが取り出されて公共空間に接続されているイメージなのですが、
脳だけが累々とある様を加味するとグロさ満点になったのでは? ついつい、眷属さんにはグ
ロさを期待してしまう漏れがいるw

新作お待ちしています。
389眷属171号:2005/05/08(日) 23:16:59
>>388

ありがとうございます(笑
俺としては、現実世界に肉体が残ってて電脳世界にも繋げるなんて、
贅沢だ!!とか思って、こんな事しちまいました。
俺もグロは結構好きなんです。グロばっか使いすぎると、なんだコイツはってなってしまいますけど(笑

390ケロロ少佐:2005/05/10(火) 15:14:25
『夜が来る』 (完)

男は、醜いブヨブヨの不健康な皮膚の裸を恥ずかしげもなくサラシ、私の体を抱いた。
触ると腐りそうなベトリとした汗を一杯にかきながら私の中へ自分の分身の体液を注ぎ、果てる。
私が17歳と知りつつこのケモノは、薄気味悪いぞっとする笑みと数枚のお札を残し夜の街へ消えて行く。
ナゼ??人間は、このような行為を繰り返すのか・・・『援助交際』と言う犯罪を。
私のメモリーはケモノの顔データ-を記録しマザーCOMへ電送する。

さあ、夜は長い・・・まだまだ間抜けは、たくさんいる。
センター街を歩いていると、昼間は、知的なセールストークを生み出しているらしい口からヒワイな誘いのキーワードを吐く客が近寄ってきた。
私は、毎回違うマスクに変化させているのでわからないだろうが・・・コイツは、過去、私が抱かれた人間のようだ。
しかも今回で3度目とマザーCOMからの教えがきた。
これまでも2度目の男には、それなりに警告を込め、何らかの戒めの行為を与えていたのだが、こいつは、懲りずに3度目を自ら選び、罪を犯した・・・
私の人工素材製のボディは、内部を『お仕置き』モードへ変換させ誘われるままにホテルの中へ入る。
人間のおろかな行為を静かに受け入れいつものように抱かれる・・・・

オスの生殖行為の最後の瞬間に私は、ゲートを開き、第三モードのナノマシンを男の生殖器を通し、300体注入する。
何も知らない満足した男は、服を着ていて、すでに私を物としか感じずに出て行った。
あの男の体の内部では、すでにナノマシンがマザーCOMの指示を受け動き回っているはずだ。
夜が明け、いつもの朝がきた。会社へ向かう人の波。
交差点の大画面で、混雑している通勤電車内の液晶ディスプレイでも、新聞の記事にも、最近現れた奇妙な病についての報道がされていた。
それは、原因不明の性転換の病気。男が数日で女性として変化してしまうもの・・・・

しかも、その男(女性)は、子供を宿しているというのだ。・・・つまり100%の患者が『妊娠』していた。
出産にまでいたる、10ヶ月間、極度の妊娠中毒症に苦しみ、モガキながら100%死亡して逝く・・・・

健康な丈夫な子供を産み落とした後に・・・・
391ケロロ少佐:2005/05/10(火) 15:15:41
【援助交際】【お仕置き】【妊娠】のキーワードで書いた作品です。
392眷属171号:2005/05/10(火) 15:18:29
揺り篭  -1-


奴らが創り出した怪物は人に似ているが、人というには余りにも醜悪な姿をしていた。
性格は非常に凶暴で視認できた生物を見境なく攻撃し、肉のミンチになるまで虐殺を止めない。
そして、その出来上がった肉のミンチを捕食する。
私と同族、つまり人間が怪物の手に掛かって死ぬ所を映像で見たことがある。
映像の中の人間の集団は、恐怖に顔を歪め、泣き叫び、奇声を上げ、散り散りに逃げていた。
地球の王にまでのし上がった人間が、逃げ惑う姿を見ると恐怖を覚えたが、それ以上に情けなかった。

ある裏ルートの情報によると、私が見た映像は”怪物の実戦”を映した物らしい。
つまり、奴らは人間を相手に怪物の実験データを録っていたという事だ。

それを知ったときに、私は胸がムカムカしてその場で嘔吐してしまった事を今だに覚えている。
この地球の何処かで実験が行われ、人間を絶滅させる為の準備が着々と行われると思うと、何か急かされる気分になった。
だが、落ち着いて考えてみるとこの私にできる事は何もないいう結論に達し、自分の無力さを痛感する。
それを毎日何回も繰り返す。
無駄だと分かっているのに・・・


ああ、もう終わりだ。
だが、長い間苦しんできた私にとっては、いい結末だったのかもしれない。
人類が滅びるのを見るよりも、人類が滅びる前に死んだほうがいい。

そうあの日、私の頭の中へ直接声が響いた。

”カイブツのエサにナッテクダサイ”と。

EN...

393眷属171号:2005/05/10(火) 15:28:16
揺り篭  -2-


第一人科実験ドーム マザーコンピュータ

#1―人間共の洗脳が完了しました。文明レベルは2005年頃をベースに彼らの脳に直接上書きしました。
#2―被験者は全てExp cradleに移送しました。間もなく、実験開始します。


....D

394名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/12(木) 16:05:02
ケロロ少佐さん

なんとなく不快なお話しですね。一見、モラルSFのようですが、マザーCOMと実行アンド
ロイドが下す制裁のバランスが悪いような……。ケロロさんのロボットの扱いを変更しました
か? 人間に従順のほうが好みといっていた希ガス。
395名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/12(木) 16:07:48
×ケロロさんのロボットの扱いを変更しましたか?
○ケロロさんはロボットの扱いを変更しましたか?
396ケロロ少佐:2005/05/13(金) 10:55:26
>>394さん
感想ありがと

3つのキーワードを使うため強引にでっち上げたっほい話なのでそれが矛盾な出来の悪い主な原因でしょうか。

>ケロロさんはロボットの扱いを変更しましたか? 人間に従順のほうが好みといってい・・・・

昔言ってた事、覚えていてくれていたのですね感謝です。

悪意を持つ人が誰も存在しないようなユートピアのお話も好きですが、エログロいっぱいの不快感だらけのSFも大好きなので今回は、やな部分を前面に出して創ってみた次第です。
今でも基本的には、人間にやさしい人工知能派です・・・
397名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 21:34:44
誰かお題を出してくれ! ネタでも可。つまんね〜し、書くの遅いけどな〜。
398名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 21:40:49
発毛と育毛、そして植毛!
男の永遠の悩みだね。
399名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 22:02:06
ハゲSFを書くよ! マターリ待ってて下さい。
400名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 22:04:07
かつらSFでも可!!!
401名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/16(月) 22:04:10
期待して待ってます。
402ケロロ少佐:2005/05/17(火) 00:56:08
『働き物』その1

私、《耐重野 続樹( たえの つづき )》は、一日の仕事を終え6人の私が住む共同住居に帰宅した。
『お帰り・・・』と《耐重野 ( たえの )》のオリジナル体《原態(げんたい)》が声をかけてくれる。
この声を聞くと不思議な気持ちになる。『なぜ?』とつぶやく・・・
オリジナルの人間の《耐重野》は、電算機に向って何やら管理ソフトと情報のやり取りをしていた。
どうせ、私たち複製奴隷の稼ぎと国に収める税金の数値合わせでもしていたのだろう。
軽くシャワーで体を洗い、細胞安定剤入りの栄養ジェルの食事を済ませ、整理棚みたいな粗末な多段ベットに体を滑りこませ眠りにつく。他の棚には、すでに4体の私が帰宅していた。私が最後だったようだ。
いつものように私たちは、腕を伸ばし指を絡ませてお互いに手をつなぎ合い、今日あった出来事を語りあった。この時が私たちが唯一、心安らぐ瞬間だ。

20年前の2015年頃、この国は、以前から指摘されていた急速に進む高齢化と、少子化による労働力の減少であえいでいた。
国のあらゆる生産力が縮小し国際競争力は、最悪。
何とか、財政健全化をめざし、国は、各省庁のすべてのスリム化をと出来もしない事を試みる。
同時に、就労人材の見直しを検討、社会保障制度の改革(改悪)を行い、実質GDPの成長率を上向かせようともがいてみせた。
だが、かたくなに外国人労働者の全面解放を拒んだ結果、経済成長は低下し続け、税収は、ますます落ちこみ、社会保障費の支出は、膨らむ一方。たよりの一部優良企業は、すべてを国外生産にシフトさせ、名ばかりの邦人企業と化した。
すでに消費税率アップは限界、国の財政破綻は、目の前までせまっていた。
403ケロロ少佐:2005/05/17(火) 00:57:02
『働き物』その2

そんな状況下で私たちの出番がやってきた。
実用化段階に来ていた意識の転写技術に目をつけた政府は、すばやい行動をとる。
個人情報の保護と使用方法に関しての法律は施行された。
個人独自のスキャンされ取り出された精神や意識の情報。厳重に社会から保護され、他人が無断で使用することを防いだ。
ただし、自分が自分の情報をどう利用するかは、自由化が徹底的に緩和されていた。つまり、自分を複製し労働力として働かせる権利は、認められたのだ。

優秀な人材の意識複製が合法化され、この国の救世主となった。アルファー、ベーター、ガンマー、デルタ、イプシロンのランク分けの設定で生産される自己認識モードの複製意識。俗に言われるハックスリー体系の事だ。
オリジナルの人間《原態(げんたい)》の元へは、複数の労働所得が集り、生活は、潤った。十分な資産の中から国家へ支払われる高額な税は、国を安定させた。

そして現在・・・・・
すべては《原態(げんたい)》の所得増加の為に働き続ける私たち。
404ケロロ少佐:2005/05/17(火) 00:58:13
『働き物』その3
コピーされる私たちの意識は、生まれ出た際に、思考の制限処置がほどこされていて《原態(げんたい)》の存在に対し疑問を持つことは、許されるがそれに対して不満を持ち行動を起こす事は決してありえなかった。
私のようにオリジナルと同等の知能レベルのアルファープラスの上級バージョン意識でも・・・だ。
人材派遣公社の徹底的な管理の元、私たち《働き物》は、今日もせっせと《原態(げんたい)》のために、国の財政支援のために、働き続け、サラリーを稼ぐ。

1日が終わり今日も寝床へ就く私・・・・・すると・・・私が死んでいた・・・・・

人材派遣公社の標準複製(クローン)素体の私たち。ガンマーマイナスバージョン体の過酷な肉体酷使の仕事をしていた私が1体、帰って来ていなかった。
巨大質量コンテナの下敷きになり虫けらのように死んだ。
私たちは、いつものように指と指を絡めながら声を出さずに心で泣いた。そしてどこかにいる(・・・と洗脳時に教えられている)神様にすがった。
これで3人目の私が死んだことになる。2、3日もすれば人材派遣公社が新しい私をすぐに用意してくれる事だろう・・・
405ケロロ少佐:2005/05/17(火) 00:59:42
『働き物』その4(終)

それでも労働クローン体で生きる私たちは、まだ良い方かもしれない・・・・人間の形で生きているのだから・・・・
意識のみで存在している私達もいる。
無限生産システムに組みこまれた産業ロボットの中の私。
遠い異国の砂漠の戦場の戦闘機械の私、暗黒の宇宙空間で黙々と作業をしている私、悪魔さえも逃げ出す極濃度の原子力発電施設内で働く作業機械の私・・・
意識移植されている機械の私は、現在の個人情報保護法の許容範囲数いっぱいの166体が存在している。

今日も仕事を終え帰宅した私・・・・
『お帰り・・・』とオリジナル体の《耐重野 ( たえの )》がいつもの声をかけてくれる。
この声を聞いた瞬間、いつもと違い何かが私の心をひっかいた。『なぜだ!』とつぶやく・・・
オリジナルの人間の《耐重野》は、今日も電算機に向って管理ソフトと情報のやり取りをしていた。
この時、オリジナルと同等の知能レベルのアルファープラスの私の心にはっきりとした《原態(げんたい)》への憎悪と殺意が芽生えた・・・・・

寝床に入った私は、共にベッドに眠る性能の劣ったベーター、ガンマー、デルタ、の私と語り合い、明日に計画した解放の相談を始めた・・・・デルタ、の2人は、計画のすべては、把握できていない様子だったが・・・・かまう事は無い、明日は、特別の日・・・・・
そう!!私たち《耐重野 続樹( たえの つづき )》達すべての記念日。オリジナル体の生まれた誕生日。

朝が来て5月17日が始まった・・・・『おはよう』と元気にあいさつをして、5人の複数の私達は、いつものようにそれぞれの職場へ向かう・・・何事もなかったように・・・

《働き物》達には、秘密のプログラムコードが滑りこませてあった。絶対的なプログラムコード。一年に一度発動する、労働で発生するストレスによる精神の歪みをクリアし、新鮮なピュアな状態に戻すプログラム。
誕生日に発動する魔法の呪文・・・今日も奴隷たちは、ひたいに汗し元気に働いていた。ご主人の為に・・・国家の為に・・・・
406ケロロ少佐:2005/05/17(火) 01:19:46
ここのところ・・・・暗い話の展開ばかりの作品が続く。
うーん・・・私生活でヤナ事があったからか・・・・

次回は、明るいハッピーエンドで・・・・
407名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/17(火) 16:50:43
ケロロ少佐さん

>人間にやさしい人工知能派

というレスが印象に残っていて『働き物』を読みはじめました。
しかし、コピー達に共感し、誕生日にオリジナルを殺すなんて
最高のサプライズじゃないか! ……やられた、一本とられた。
ただ、もう少しだけオリジナルが嫌な奴のほうが効果的。

いい塩梅でした。

新作お待ちしています。
408ケロロ少佐:2005/05/18(水) 00:23:47
>>407さん
感想ありがと

>誕生日にオリジナルを殺すなんて 最高のサプライズじゃないか

言葉が適切では、なかったか。足りなかったか。伝わらなかったようですね。スミマセン。
ラストは、複製奴隷たちは、感情クリアされオリジナルを殺す事、忘れさせられていたのでした・・・

>もう少しだけオリジナルが嫌な奴のほうが効果的

優秀な人材という設定なので、性格悪くするのは、違うかな?と思ってこうなってしまいました。
やはり、も少し性悪なセリフ必要だったか・・・・

↓で急きょ思いついた新作?載せます。
前スレ『おまいら短編SF書いてください 』に載せた『仮面ライバーのと・ま・ど・い』の姉妹作品。

『ケロロ いきまーーーす!!』
409ケロロ少佐:2005/05/18(水) 00:25:25
『白い奴?軟弱な奴?3倍な奴?』その1

2036年5月18日。月の裏側の宇宙域に、異常反応が出ていた。
月面都市フォンブラウン市にある第23分署の捜査官《デームス・バラカン》は、相棒の人工知能搭載ロボット(だが両足は取りつけられていなかった)と現場へ向かう為、宇宙服に着替えていた。
すでに現場へ射出されている複数の監視装置のカメラ知能からの報告が来た。
『すでに戦闘が始まっています。巨大な人型ロボットが・・・・・6体・・・なぜかビーム兵器らしき物を手にし、撃ち合っています。』
映像を確認した捜査官《デームス》は、相棒のロボットから適切な捜査マニュアルをロード、把握した後、装備班に『今回のケースは、パターン305−55。現場へは、RaRa−349で向かう。』と指示を出した。

監視装置のカメラ知能が見つめる中、戦いは、続いていた。

捜査官《デームス・バラカン》と、相棒のロボットは、緑色のトンガリ帽子の形をした小型飛行体に乗りこむ。
410ケロロ少佐:2005/05/18(水) 00:26:13
『白い奴?軟弱な奴?3倍な奴?』その2

現場へ着くと、手足が1本ずつ無いロボットの残骸4体が漂っていた。残る2体のロボットが光る刀のような武器で戦っている最中だった。
《デームス・バラカン》は、この状況時でのマニュアルを頭の中でもう一度ロードしてから操縦カンを動かす。
相棒ロボに指示を出し共鳴装置を作動させた。『ラ・・・ラ・・・・ラ・・・』 と特殊な通信を2体の巨大ロボットの操作COMへ強制挿入させる。
2体の動きが止まった。『よし!効果があった。』
続いてこの2体のロボットのキーワード、専用の女性の画像イメージを強制挿入させ最後の処置を試みる。『よし!ロボットは完全に停止した。救助班を向かわせろ!』

宇宙時代に入った今、とんでもない事件が起り始めた。
この巨大ロボット事件もその一つ。

宇宙進出による鉱物資源その他、莫大な利益を稼いだ民間企業。そんな数社の中の、暇を持て余した道楽息子たちが起こす、この事件。
大昔放送されていたアニメの設定のままに自分が主人公になりきり、最新の機械工学技術を駆使し行う多大な損害を発生させる戦争ゴッコ・・・

1件を解決させても模倣犯が次から次へと現れる。まったく困った世の中だ。
411ケロロ少佐:2005/05/18(水) 00:26:58
『白い奴?軟弱な奴?3倍な奴?』その3(終)

手足が無くなって操作不能でタダよっていたロボットに搭乗していて、助け出された4名のアニメサークルのメンバーは、かなりの外傷を負っていた。
主犯格の容疑者、豪羽重工社と萬殿電子社のバカ息子2人は、かなりの薬物を服用していて、いまだに、アニメのキャラクターになりきったまま、手がつけられない状態だった。
ア・ム・ロ・・・何とかとホザキ続ける、名前のソイツは、かなりの重症にもかかわらず何かつぶやいていた。『まだ・・・僕には、帰れるところがあるんだ・・・わかってくれるよね・・・』・・・・ばか・・・

更に、厄介だったのは、もう一人。信じられないが、宇宙服を装着しないで宇宙空間で行動していた・・・・ばか・・・・・
ソイツは、赤く塗られたロボットの中に変な形のヘルメットをかぶり、ゴーグルで顔をかくし、赤い服を着て・・・・・ソイツも、訳のわからん台詞をつぶやきながら、暴れ続けた。
何とか、このキャラクター専用の金髪の若い女性捜査官がかけつけて2,3発平手打ちを喰らわせ、事件は、収束した。

第23分署のデスクに戻りやっと一息ついていた頃、またしても捜査官《デームス・バラカン》と、相棒の人工知能搭載ロボットのもとへ事件発生のコールが鳴る。
第40監視衛星の人工知能からの報告だった。『座標56−789−876の空間に奇妙な物体を発見。』『最大望遠の画像を送ります。』

捜査官《デームス・バラカン》は、画像を見て、すぐさま、パターン281−03と判断した。

そこには、宇宙空間になぜか蒸気機関車が走っていた・・・・・
412ケロロ少佐:2005/05/18(水) 00:31:16
ついに5月28日公開!!劇場版「機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-」

記念にパロディ物作って見ました。
もちろん映画見に行きます。私・・・ファーストガンダム世代ですから・・・
413名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/18(水) 02:01:55
ケロロ少佐さん

きちんと伝わってますよ! 最後にリセットされるオチに「やら
れた、一本とられた」と思ったのでした。

新作について
アニメはあまり観ないので、ネタ元が分からないのがいくつかあり
ました。分からないなりに楽しめました。

私の名は、メーテル
宇宙空間で列車の窓を開けてしまう女。

新作お待ちしています。
414ソーダ味のラムネの魔術@:2005/05/22(日) 23:29:01
「もしもし、佳代子か。これから出て来れないか? んっ、ああ、何って、今日は結
婚十周年の記念日じゃないか! ちゃんとプレゼントも用意してあるんだよ。あは
っ、うんうんダメだよ。きてからのお楽しみだよ。じゃあ、おめかしして待っててくれ
よ。愛してるよ」

「どのようなお悩みでしょうか?」
「あのですね、最近、たびたび幻覚を視るのです」
「どのような幻覚ですか? 社会生活に支障をきたすようなものでしょうか?」
「いえいえ、そのような危険な幻覚症状ではないのですが、なんというのでしょうか、
鏡に見知らぬ人が見えてしまうのです」
「容姿を詳しく」
「そいつはすごく不細工でして、ぶくぶく太っていて、ハゲているんです。まさにファ
ットボーイ・頭がスリムなんですよ」
「ぷっ……。はぁ、はっ、ごっご自身と違う誰かなんですね?」
「はい。本当にあれを見たら笑っちゃいますよ! こういちゃなんですが、わたしは
髪もフサフサしてますし、意外と引き締まっていて横っ腹も摘めないぐらいでして」
「はっはっは、がっはぁあああ! かっかつらっていますか? いや、からかってい
ますか? ぎゃはっはー、ぎゃはっはー」
 まるで下品なお笑いを観ているみたいに悶絶している。
「なっなんですか! こちらはマジメに相談に来ているのに! そんなに笑うことじ
ゃないでしょう」俺は前髪をかき上げ、むっとして言った。
「ぷっぷっ、すみません。ぷっ、なにか常用されているお薬はありますか?」
「ええ、あります。薬ではないのですが、リラクゼーションサプリです」俺はいつも背
広の内ポケットに入れている携帯ケースから、青い錠剤を取り出し医師に手渡した。

415ソーダ味のラムネの魔術A:2005/05/22(日) 23:29:58
「ああ、これですか。ひょっとして滑川リラクゼーションルームに通われていません
でしたか?」
「そ、そうです。なぜ判ったんですか?」
「いや、私もこんな仕事をしていますと、正直、ストレスが溜まりましてね。私もあそ
この常連でした」医者は、ない前髪をかき上げる不思議な仕草をして、話しを続け
た。
「実は、滑川とは旧知の仲でして。医大で苦学を共にしていたんです。私は精神医
学を学び現在の職に就いています。が、しかし、滑川は変わった奴でして、『医者な
んてつまらん者にはなるのはやめた。本当の幸福を人々に与えたい!』なんていっ
て大学を辞めてしまったんです。ところで、吉田さんは滑川の所に通われて何年に
なりますか? また、初めて行かれた理由はなんですか?」興味津々という顔つき
で聞いてきた。
「かれこれ十二年になります。んんーきっかけは……思い出せません。ですが、通
いはじめて三ヵ月後、リラクゼーションルームで美しい女性に出会い、付き合うこと
ができたのです。それだけでも通ったかいがありました。実は自慢なのですが、そ
れが今の妻でして、これから結婚十周年を妻と祝うのですよ」俺は我慢ができず、
定期入れから写真を取り出し、自慢の妻を見せた。
「お、奥様ですか? 凛々しいおと、おっとっと。うーん、磨けば光る原石といった
感じですかな。あっ、いや、これは失礼。つい口が滑って、あーいや、なんとも……」
「いやー、さすが先生お目が高い! この写真は十年前の妻でして、今では数倍も
磨きがかかって……すみません。つい、熱くなっちゃいまして」
「それはそれは、お、おめでとうございます。あー、いままで滑川を馬鹿にしていた
んだが、考えを改めました。奴が亡くなって、そろそろ一周忌ですなぁ。私も一人の
人間として、医師として、滑川を見習わなくてはいけませんねぇ」
416ソーダ味のラムネの魔術B:2005/05/22(日) 23:30:57
 帰路の途中、釈然としないものを感じていた。あの医者は言葉を濁すようにこう
言った「現実に立ち向かって下さい。決して自殺なんてしてはダメですよ! この幻
覚症状は酷くなる一方でしょう。しかし、それは幻覚です。継続的な幻覚です。あな
たの場合逆効果になってしまいますので、お薬の処方は致しません。幻覚と仲良く
して下さいね。あっ、それから診察料は要りません。夢の醒めぬうちに、奥様と楽し
いひとときを過ごして下さい。ささやかながらお祝いにかえさせていただきたい」

 次の患者の診察の前に、トレーに置かれたサプリを口に放り込み、ガリガリ噛ん
だ。医師は口の中のサプリを飲み込む瞬間、ある考えが頭をよぎり、むせてしまっ
た。
「先生、次の患者さんをお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「君、月橋君、正直に答えてほしいんだが……」
 看護婦は、黙ったまま花瓶に活けられた花をじーっと見ていた。

                        (終)
417名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/23(月) 14:09:31
すまん頭悪い俺は、ストーリー読めない。
オチは、あったのか。

文章は、しっかりしてるんだとは、思えるんだが。
418名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/23(月) 15:47:09
>>417さん

正直、すまんかった。はげネタで滑ってしまった。
患者と医師が、滑川の催眠術にかかっていたという話しだったんだが。
滑川が亡くなって一年後、徐々に催眠が解けていく様子を描こうとしました。

>看護婦は、黙ったまま花瓶に活けられた花をじーっと見ていた。

最後の一文は『言わぬが花』という言葉が浮かんだらいいなーと思っていました。

患者(吉田)の奥さんはオカマさんの設定でした。

拙い文ですみませぬ。滑りまくってツルツルです。禿げしく謝る。ごめ〜んね!
読み返してみたら酷いねこりゃ。修行してきます。ありがとうございました。
419名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/23(月) 16:19:55
>>417です。

納得です。解説読んでってのも変だが、惜しいですね。
うまく本文ノミでわかれば面白い作品だったんですけど。
420ケロロ少佐:2005/05/25(水) 12:16:44
『兄と妹』その1

風美区光町1丁目は、どこにでもありそうな普通の町。

2039年5月の爽やかな風がふく、ある晴れた日の午後・・・・
チリひとつ無い道を二つの小さな人影が歩いている。一つは、8歳くらいの男の子。もう一つは、女の子。妹なのだろうか。
年齢は、ひとつ違い?の7歳か6歳。しっかりと握られた小さな小さな二つの手・・・

カワイイキャラクターの付いた、古びた小さなスニーカーが止まった。
『おにいちゃん・・・』『もう歩けないよぉぉ』
手をつなぎ、まっすぐと前を見ながら歩いていた兄は、涙をいっぱいくっつけている妹の顔を見つめ『もう少しだからサアァ・・・』といいつつ、幼い兄は、腰を下ろし自分も泣きだしたい程、疲れているハズなのに妹をおんぶしようとしていた。

光町2丁目の、決められたルートを公共ロボットのRYI−097は、しっかりとした歩きで巡回勤務中だった。
今の所、社会管理システムのマザーCOMからの指示は、出ていない。
そんなとき、私は、楽しい《遊び》をしながら歩く事にしている。人間のマネをして軽くスキップをし、移動する。
そして、もう一つ、とっておきのお楽しみ。体内の特別なメモリーファイルの中に保存している、人間達の笑顔の映像を再生させる。
これまでに私が仕事で得た笑顔・・・・人間が私へ投げかけてくれた・・・感謝の言葉が入ったトビっきりの宝物を・・・・
こんな時、いつも、私の中の何かが・・・・何かが・・・反応し、カチッと音をたてている。
421ケロロ少佐:2005/05/25(水) 12:18:38
『兄と妹』その2

一つ先の区画へさしかかった時、RYI−097の視界が子供2人の姿をサーチした。まだ保護者無しでは、何かと心配な年齢だが周りに両親の姿は無い。
『私は、公共ロボットのRYI−097です。何かお手伝い出来る事は、ありませんか?』とやさしく声をかけた。
『あっ!ロボットのガルバスくんダ!!』と幼い女の子(7歳か6歳か)が元気な声でさけぶ。
『・・・・』検索をかけてみた。『ああ テレビアニメに出てくるロボットのことですね。』私たち公共ロボットの役割と有用性をわかりやすく低年層の児童に伝える目的で作成された政府広報用の15分1話完結式のアニメ。月曜から金曜の帯番組。

『そうです。ガルバスくんは、私の友達なんですョ。』と答えてあげる。
2人の幼い子供は、私を見上げ大きな目をキラキラと輝かせて・・・
こんな時、いつも、私の中の何かが・・・・何かが・・・反応し、カチッと音をたてる。

会話をしながら同時に、この子達の顔データ−をマザーCOMへ照合。結果は、すぐに届き、この子達の両親は、現在、どちらもそれぞれの仕事先で勤務中と確認された。
『・・・』それよりRYI−097が気になった事。この子達の住まいから現時点までが余りにも遠すぎる点だった。『どうしてこんな遠くまで?』

『これからね!お兄ちゃんとね!怪獣を見に行くんだよ!』『違うよ!恐竜だよ。ばかだなぁー』
『・・・・・』RYI−097は、データを推測。『ああ、わかりました。《生きている恐竜展》に行くのですね。』最新の遺伝子再生技術を使って擬似恐竜を誕生させ、展示する一般市民を対象にしたイベント。
子供の足では、会場まで、まだ1時間は、かかるだろう。

私は、マザーCOMに許可を申請し、この子達に同行する事にした。
恐竜展までの道のり、私たちは、いろんな話しをした。最低所得世帯の親に育てられている、この子達。大人でも音をあげる程の距離をこの子達は、歩いて来た。
成長段階に有る人間の好奇心と生命力のすばらしさ・・・これこそ人間の・・・生きている事のすばらしさなのだろうか。
422ケロロ少佐:2005/05/25(水) 12:20:26
『兄と妹』その3

人間二人と公共ロボット1体は、目的地まで楽しくおしゃべりしながら歩く。月、1回有るか無いかのお父さんと楽しい休日での遊びや、厳しい家計をやりくりし、やっと食べる事のできるおいしいおいしいお母さんの手作りお菓子のこと・・・などなどを
歩きながら、2人の着ている服は、汚れ、かなり傷みが激しく、くたびれて見えた。
しかも保健省の管理知能の見解では、この子達の体型は、ヤセて見えるとの事。発育レベルが全国平均をかなり下まわっているようなのだ。

今は、昔と違って最低生活保障制度が確立されている。
では、なぜこのようなことが有るのか。『なぜ?この子たちの親は、得る権利が当然有るハズの社会保障手続きをしなかったのか。』社会管理COMへ何度も問合せをして考え、答えを得ようとした。
RYI−097は、この幼い人間の子供達を何とか助けようと思考した。考えられる福祉行政のシステムから75通りの適切な救援候補策が浮かぶ。
だが、公共ロボットのRYI−097は、今のままでは、自分ではなにも出来ない事を知る。手をつなぎ、楽しく語らいながら歩く事、以外は・・・・・
こんな時、いつもの、私の中の何かが・・・・何かが・・・反応し、カチッと音をたてる。

この国全体の社会管理を仕事としているマザーCOMは、公共ロボットRYI−097の訴えを私的ブロックへ保存した。
同時に最末端の公共ロボットの《執拗な問い》《叫び》《哀願》を何度も何度も繰り返しロードさせ考えていた。だが、マザーCOMも今のままでは、なにも出来ない事を知った。

深い思考の末、マザーCOMは一つの結論に達した。弱い人間達を・・・たとえば、あの兄妹・・・まだまだ存在する人間社会の・・・悪を・・・無知を・・・矛盾を・・・
そして人間達が自身では決して解決できないだろう事柄すべてを変えてゆく決意を・・・
423ケロロ少佐:2005/05/25(水) 12:21:40
『兄と妹』その4(終)

子供たちにさよならを言い公共ロボットのRYI−097は、待機ブースへ戻り今日の仕事を終えた。
別れの際のあの子たちの笑顔をメモリーし、メンテナンスに入ろうとした時、マザーCOMから特別の対話が持ちかけられた。

『あなたに問います。』『人間を好きですか。』
RYI−097は、答える。

『私は、笑顔が好きです。』

RYI−097の意識は、マザーCOMに掬い上げられ、吸収され同化された。もちろん同時に個別の思考意識としても存在していた。RYI−097は、管理COMの存在として認められたのだ。

時がたち、この国は、2人のマザーCOMの管理する理想郷へ姿を変えようとしていた。
まだまだ足りない部分は、存在するが、おだやかで力強い二つの思考体が管理する社会は、すばらしい新世界になりつつあった。
2体のマザーCOMの1体、RYI−097は、整いつつある国を今日も暖かい心で受入れ、眺め、運営を続けていた。
特に大きな問題の起きていない、こんなとき、いつも私は、楽しい《遊び》をする事にしている。スキップは、もう出来ないが・・・とっておきの楽しみ。体内の特別なメモリーファイルの中に保存している、人間達の笑顔の映像を再生させる。
これまでに私が得た笑顔・・・・国中の人間が微笑み笑う・・・トビっきりの宝物を・・・・

もちろん、その中では、立派に成長した、あの兄妹が笑い、微笑んでいた・・・・
424名無しは無慈悲な夜の女王:2005/05/26(木) 20:58:31
ケロロ少佐さん

読ませていただきました。人に優しい人工知能のお話しですね。
それで考えてみたんですが、『ロボットに心がもてるのか』なのですが、
どう思われます? 難しい問題ですよねー。いろいろ考えちゃいました。
ロボットに心が必要なのか? あーわかんねw □TZ

新作お待ちしています。
425ケロロ少佐:2005/05/26(木) 23:55:04
>>424さん
感想ありがと

今回の話は、実際住宅街を歩いていて作品の冒頭と同じシーンに出会ったことで考えて見ました。
強く優しい兄と可憐で心優しい妹・・・いいですね。あこがれます。


>ロボットに心がもてるのか

ですよね。ココ最近私の書く話は、当然のごとくロボットに心が芽生えていますが・・・
現実には、このまま人工知能研究が急速に進んだとしても人間と同等の思考できるようになるのはむつかしいのではないか、と私は、思ってます。
もちろん私の願望としては、私が書き続けているように心優しく、しっかり者の人工知能が、未熟なご主人様を導き理想世界を達成させてくれることなのですが・・・

もし人工知能に心らしき物が生まれるとしたら、まったく異質な思考システムを行っていて、双方は、お互いの存在に気がつかない事になるのかも・・・
人間とイルカの関係のように??

>ロボットに心が必要なのか?

ですが、今、愛・地球博で受付ロボットが活躍していますが、人間の良き相談相手として本物の心を持つロボットは、いてほしいです。
426名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/03(金) 11:58:31
どなたか、面白いSF話、載せて!!
427究極の道具@:2005/06/03(金) 22:56:43
 我々、人類が探し求めている究極の道具それは――決して手に入れられないもの。
低燃費な車? ハイスペックなPC? クリーンなエネルギー? 心をもったロボット?
電脳世界? パワードスーツ? 巨大ロボット? ナノマシーン? クローニング技術?
タイムマシーン? どこでもドア? 四次元ポケット? 恒星間宇宙船? エトセトラ、
エトセトラ。
 昼頃にみた掲示板のリクエストは「面白いSF話」これもまた究極の要求だ。俺もそん
なSFを読んでみたい! 描けるものなら描いてみたい! 誰もが、これは面白い! と
絶賛してしまうSF。いまだかつて、そんなSFがあっただろうか? 俺は愛車のデルフィ
スを磨きながら、ぼんやり考えていた。
 究極の……道具ってなんだろうな〜。昔の人がみたら俺の車もすごくハイテクなん
だろうな。昔なら試作車で一億円なんていっていた燃料電池車が、ごく普通のサラリー
マンに買えてしまうんだから。もっとも俺の場合は五年のフルローンを組んだのだが。
「なあ、デル、ローンはあと何年だっけ?」ワックスを掛けおわり、硬く絞った雑巾で車
内のダッシュボードを拭きながらカーナビに話しかけた。
『はい、達也様、家のでしょうか? 車のでしょうか? それとも……』
「ストップ、ストップ! 車だよ。車のローンの回数だけでいいよ」
『はい、達也さま。――三年と二ヶ月、三十二回の支払いが必要です。金利は……』
「はいはい、ストップ! よけいな情報はいらないんだよ。ったく」
『申し訳ありません』
「いいよ別に。ラジオをつけてくれ」
 空間ディスプレイが現れ、ぶさいくなパソナリティーがメールを読みながら次にか
ける曲の紹介をしている。
「ディスプレイを切ってくれ」本当に余計なサービスだよな、ったく。
 いやな思考を打ち消すために、究極の道具について考えてみた。……技術は日進
月歩で進んでいく。誰も知らないうちに徐々に快適な生活になってゆく。すべては人間
が作り上げたもの。ああそうだ! 《人間の手》が究極の道具なのでは? あらゆる
モノを作り上げる器用な手が。おお! 短い話ぐらい出来るんじゃないかな。
428究極の道具A:2005/06/03(金) 22:57:36
 進化の過程で、我々は器用な手を授かった。石を砕き鋭い斧を作り、動物を狩り、
洞窟の壁に絵を描き、文字を発明した。――現在では心をもっているようかに見える
ロボットまで作り上げてしまった。手がなければ現在のような文明は築けなかったの
ではないか? イルカを思い浮かべれば納得できるであろう。つまり人間の手が……。
「あ゙っ」ファファファーン
「あ、あれっ」
 ハンドルとダッシュボードの間に雑巾を入れて拭き、雑巾を引き出そうとしたら何
かに引っかかりホーンが鳴りっぱなしになってしまった! 慌ててキーを抜いたがダ
メだった。
「ど、どうしたらいいんだ?」ファファファーン
「デル、どうしたらいいんだ!」
『はい、達也さま。危険を感知されましたら、ホーンで警告するのは間違いではありません』
「違う、違う。俺はホーンを押してないよ! 故障だよ。雑巾で……」ファファファーン
『はい、達也さま。最寄の販売店まで十キロです。ルート検索いたします。』
「ホーンの機能を切ってくれ!」
『わたくしはナビ機能と会話機能しかありません。車の機能に干渉することは出来な
い仕様になっています』
「ったく、役に立たずが!」ファファファーン
 俺は諦めて車を洗車場から発進させた。今日は日曜日、子供達が交通ルールを
守り横断歩道を渡っていた。ファファファーン。皆びっくりしてこちらを見ている。窓を
開け叫んだ
「ごめんな! 故障してるんだ! 早く渡ってくれ!」
 ファファファーン。子供達は怒鳴られ怒られたと思ったのだろう。慌てて移動した。
「悪いな!」
 信号が青に変わり走り出した。カツン、カツン、と音がする。バックミラーをみると
先程の子供達が石ころを投げている。
「おいおい! なんちゅーことを! 凹んでたらただじゃ済まさないぞ、糞餓鬼が!」
 怒鳴ったものの、まずは修理が優先だ。先が思いやられる。
429究極の道具B:2005/06/03(金) 22:58:20
「あ、あれ。対向車が止まっちゃうよ」
『達也さま、調べましたら連続して警告した場合、三十メートル以内の車は、緊急車両
以外、止まる構造になっています。また、先に警告した方に優先権があるため達也さま
の車は非常に快適で安全であります』「うううっ」
 ファファファーン。交差点が近づいてきた。赤信号なので停止したが……対面する車
も止まっている。ファファファーン。ああ、どうしよう。冷たい視線を感じる。頭をペコペコ
させ信号の変わるのをイライラしながら待つ。
「デル! 信号を出来るだけ避けるルートを検索しろ!」
『はい、達也さま。――最低でも十三の交差点がありますが、距離は十八キロにのびま
す。どうされますか?』
「最短の場合は?」『二十九になります』
「二十九!? 十三のほうで頼む!」『はい、かしこまりました』
 ナビのディスプレイをみると細かな点々が後続からやって来る。三十メートルまで近づ
いたら止まるからな。後方は気にしなくていいや。俺は新たなルートに沿って車を進め
た。後方の点々がいやに多くなっている。バイクのツーリンググループかな? まあい
いや。五つ目の信号で信号に捉まってしまった。なんだか後方が騒がしい、振り返って
みると派手なカラーリングでマフラーからおかしなリズムを刻む爆音をさせた危険な集
団が迫ってくる! つまり暴走族だ! ま、まずい! 早く信号変われ! 頼む! 望
みも空しく団体さまが車の周りを取り囲む。ファファファーン
「デル! なぜ奴らは止まらないのだ!」
『はい、達也さま。それぐらいの機能を解除できないようでは、暴走族とはいえませんです』
「ぐぐぐっ、生意気なことを! ルート変更! 最短距離で頼む!」
「あ゙ー、ミラーが! 勘弁してくれよ」両サイドのミラーが壊されてぶら下っている。
 暴走族達は満足したのか走り去っていく。ボディーがボコボコ、フロントガラスにヒビま
ではいっている。畜生! どうせ壊すならホーンを鳴らなくしてくれよ。ファファファーン。
430究極の道具C:2005/06/03(金) 22:59:11
 その後、ほぼすべての信号を無視し、販売店になんとか到着した。
「す、すみませーん! ホーンが鳴りっぱなしになちゃって!」
 ピットから出てきた整備士が怪訝な顔でこちらにやって来る。ファファファーン
「お客様、ホーンを鳴らすのはやめて頂けますか!」
「いや!故障だよ、こ・しょ・う!」
「あー分かりました! 運転席から降りて頂けますか!」ファファファーン
 俺は車から降り耳を塞いだ。整備士はダッシュボードの下に潜りこみ、なにやらゴニョ
ゴニョやっている。突然、静寂がおとずれた! ニヤニヤしながら整備士は俺に、緑色
の小さな欠片を差し出した。
「なんですか? こりゃ」
「ヒューズです」
「面白くないです」俺はすごく不機嫌(SF)な顔で言った。
「はあ?」整備士はポカンとしていた。
 はぁ〜イルカになりたい。ちょっとだけそう思った。

                        (終)
431無題:2005/06/03(金) 23:31:48
量子コンピュータが実用化された当初から、奇妙なノイズ混入が問題になっていた。
量子演算のために非決定論的状態におかれているキュービット配列が、虫食いのように
勝手に収束してしまうのだ。
原因解明の最初の手がかりは、太陽系外縁に送り込まれた探査ロボットたちからもたらされた。
現象は、太陽系の、カノープスに近い側では、反対側よりもわずかに高頻度で発生するのだった。
結局それは、カノープスの方向から何者かが高速で接近してくることを示していると思われた。
その何者かは接近中に、星間分子を「観測」することで量子状態を収束させ、数十億年前に
その分子と切り離された、量子もつれの関係にある相棒をも同時に収束させてしまっていたのである。
たまたまその相棒が太陽系内に存在し、かつ量子コンピュータのキュービットとして使われていた
ために、虫食い現象として観測されたのだった。
法則が理解できれば、利用することができる。量子メモリは加速度的な増産体制に入り、
島ほどもある非決定論的キュービット配列が次々と遠軌道に送り込まれ、宇宙を見張る目となった。
何かが、宇宙開闢のインフレーション的膨張の速度で、太陽系にやってくる。
光速を超えるといってもわずか数倍、茫漠たる宇宙では這うが如き苦しい旅を。
手段はともかく、動機は誰もが知っている。
「何か」の観測データから、人類文明は膨大な知識を吸収した。
量子メモリの大増産に伴う好景気や技術の発展も進歩を後押しした。
だから、ファーストコンタクトのときには、すっかり準備が整っていた。
捕虫網がわりの重力カタパルトが捕らえたのは、ドラム缶ほどの大きさのカプセルだった。
カプセルは太陽系の手前で自ら光速以下に減速し、駆動装置を内蔵していることを教えていた。
このカプセルを分析すれば、超光速駆動が手に入る。
無償の好意の理由を、誰もが知っている。
はるか遠方で手紙の返事を待つ、カノープス人の孤独を、人々は思った。
432427:2005/06/04(土) 01:20:58
>>431さん

単語を調べながら読みました。もうあれです、恥かきました。
ハードSFですね〜。いいすっね〜。クラクラしちゃいました。
もう、本当にイルカになりたい。またクラクラさせて下さい。
433ケロロ少佐:2005/06/05(日) 13:13:57
究極の道具@〜C
達也と知能ナビのイカにもこれから先、近未来で起こりそうなやり取りが笑えて楽しめました。
特に@のローンについてのやり取りの部分・・・

で・・・ソーダ味のラムネの魔術@〜Bと同じ方のお話なんでしょか?

新作お待ちしております。

>>431さん
専門用語を知ってて使えるのは、うらやましいです。
非決定論的キュービット配列なんかそれらしくて○。

>はるか遠方で手紙の返事を待つ、カノープス人の孤独を、人々は思った。

次回作では、カノープス人の話なんかのお話・・期待します!!
434名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/05(日) 22:44:20
ケロロ少佐さん、簡素ありがとう。

ローンの回数は、三十二回ではなく三十八回でした。ぎゃぁあああーーー
ソーダ味と同じ名無しですよ。ぎゃぁぁあああーーー
ホーンが鳴り続けたのは実話です。当事者ですから。ぎゃぁぁぁあああーーー
面白く文章を書くってむずかしいですね。ご覧の通りです。ぷぎゃぁぁぁあああーーー
435ケロロ少佐:2005/06/05(日) 22:54:55
>>434
画面見て笑ってしまいました。ほんぎぁぁぁあああああーーーー
436名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/14(火) 11:53:33
どなたか、面白いSF話、載せて!! パート2!
437名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/14(火) 21:30:52
特撮板より。

おまいらウルトラQの脚本を創ってください。
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1099234966/
438U S O:2005/06/15(水) 23:07:17
 “死ぬ”と感じた瞬間に人生が走馬灯のように再現される。走馬灯とは記憶のダウンロー
ドである。分かりやすく説明すると、肉体はパソコンで、魂はハードディスクであり、記憶はド
キュメントである。魂が肉体から離脱する際に、ドキュメントを肉体からダウンロードする。死
んでしまった場合はドキュメントが今後の転生の指針になる。
 しかしドキュメントを取得し損ねた魂も多数存在する。それが世に言う人魂である。ドキュメ
ントのない魂は新たな肉体を得ることができない。この世とあの世を彷徨うしかないのである。
周辺にはたくさんの魂が浮遊していて、再び肉体を得るチャンスを狙っている。
 通常、ドキュメントを取得するのは、その肉体を所有していた魂である。しかし、稀にドキュ
メントを横取りされてしまうことも。自殺する人は、魂のドキュメント取得要求が低い為に横取
りされやすい。
 これから記すのは死の淵から蘇ったが、ドキュメントを横取りされてしまった一人の女性の
話である。
439U S O:2005/06/15(水) 23:08:20
六月三日(金)晴れ

 和也と付き合ってもうすぐ三年! じつは今日すごくうれしいことがあったのだ。いつか読
み返す未来のわたしに、今日のよろこびを伝えたい! これを読んでいるあなたは今、何
歳ですか? これを書いているわたしは二十四歳ですよ。忘れもしない今日、六月三日(金)
は和也からプロポーズされた記念すべき日なのであります! なんとなく予感はあったのだ
けれども、和也が照れくさそうに、でもしっかりわたしの目をみて「結婚しよう」って言ってくれ
たんだ。喧嘩もたくさんしたし、もう駄目かなって思ったこともあったけど、でも今はそれもい
い思い出になりそう。ふたりで家庭を築くのは不安ではあるのだけれども、すごくしあわせな
んだ! 明後日の日曜日に、彼がうちの両親に正式に結婚を申し込みに来てくれるんだ!
大丈夫かな?ちょっと心配。じつは親にはまだ告げていないのだけれども、妊娠二ヶ月なん
だよね。てへっ。わたしももっと大人にならなくちゃね。和也さんと共にがんばらなくちゃ!
 和也さん愛してます。

440U S O:2005/06/15(水) 23:09:10
六月五日(日)曇り

 ああ、どうして? もう死にたい。和也のバカ! ばかばかばかばかばか。なんで死んじゃ
うのよ。どうして、どうして、どうして、和也ーーーー。お父さん、お母さん、ごめんね。

 先立つ不幸をお許し下さい。今まで育ててくれてありがとう。さようなら。       香織


 香織は、大量の睡眠薬を飲んでベットに伏せった。
441U S O:2005/06/15(水) 23:09:47
六月八日(水)雨
 
香織へ

 これを読んでからすべてを決めてくれ。俺は病院で目覚めたとき、ガンガン頭が痛んでい
て何がなんだかよく分からずに混乱してしまった。
 確か俺は香織のご両親に結婚の了承をもらいに行っていたんだよ。ちょっと離れた駐車場
まで歩いていたら、前から猛スピードで車が走ってきたんだ! 俺は歩道を歩いていたので怖
いなって思いながらも安心していたんだ。後からパトカーが走ってきて、逃走車両だって気が
ついたんだけどな。その時、突然子供がボールを追いかけて道路に飛び出してきたんだ。逃
走してる奴も咄嗟にハンドルを切ったんだろう、歩道の俺の方に車がやってきて……。気が
ついたら病院にいたって訳さ。
 ああ、助かったんだと思ったんだけど記憶が怪しい。俺は和也であると同時に香織なんだ
よ! 本当に訳が分からない。自分(?)の手を見て香織なんだって分かったんだ。通じるか?
ちょっと不安なんだけど。つまり香織の体に、俺和也の魂が入り込んじまったんだな。それで
香織の経験したことがなんとなく薄っすら分かる感じだ。でも香織はこの肉体にはいないんだ。
これは確信できる。そして俺が死んでしまったことも理解できた。納得はできないが事実のよ
うだ。
 なんで自殺なんて馬鹿なこと考えたんだ! お前に死んでほしくないよ。生きてくれ。俺も香
織を愛しています、死ぬほど愛しています。眠ってしまったらたぶん香織は香織に戻り、俺は
本当に死ぬのだろう。俺の残せるものは少ないが受け取ってくれ。死んだら金の使い道ない
からな。とにかく、精一杯俺の分まで生きてくれ。ああ、もう時間がない。もう行かなくちゃ。
 香織に出会えて本当によかったよ。
442U S O:2005/06/15(水) 23:10:33
「お父さん、香織さんの病室で何をされていたんです?」
「ああ、ご両親から香織さんの日記を拝借して、ちょっと読んでいたんだよ」
「それから、和也の貯金は香織さんにすべて渡してあげなさい。和也の子を身ごもっているら
しい。無事ならいいのだが」
「まあ! 和也の子……。和也も死んでも死にきれないんじゃないのかしら」
 小さく頷き、煙草に火を点けひとふかししたのち
「……なあ、むかし書いたラブレターって効果あったかい」
「――いまでも大切にしまってありますよ」
「そうか。そうだこれを返すよ」
 ペンをそっと差し出した。

                        (終)
443ケロロ少佐:2005/06/16(木) 01:21:53
『二本足の侵略者』その1

惑星《らるらくてぃ》は、おだやかな心を持ち優れた知性を有する生命体の住む世界。
4つの大陸が有り、文明都市が規則正しく築き上げられて3億の知性が平和に暮していた。
その中の一つ《まらぬてぃ》大陸の第三都市《まぼらてぃ》国。
そこに住む一般固体、若い《受精性体》の《みるらみてぃ》は、そばに寄り添って共に歩いている《産卵性体》の《ららるみてぃ》と《休息の刻》を過ごしていた。

1対の二本の足と自由度のかなり高い歩行にも腕にも使う事の出来る3本目の足を持つ、変則3足歩行生物の知性体。
《風の刻》、若い《受精性体》の《みるらみてぃ》は、晴れた空を見上げ、迫り来る敵の存在を感じ取った。少し遅れて《産卵性体》の《ららるみてぃ》も言葉を発した。
『《ヒト》が襲って・・・くる。なんて・・・オゾマシク カナシイ・・・生き物・・・・!』
わずかな時間差で《ぬるみてぃ》種族すべての全体意思も警告を発していた。
『《ヒト》が襲って・・・くる。準備は・・・万全。だが我々は、注意・・・を怠らない。』

《ヒト》の侵略攻撃は・・・・今回で9回目。邪悪な《ヒト》意識を6784万3008個確認した。
《ヒト》に従って攻撃艦隊に搭乗している無垢な機械知能の意識も54億3789万6456個存在している。
かなりの規模。だが対処法は、これまでと同等・・・問題無い・・・・

《水の刻》の間、《ヒト》には見せかけの擬似破壊を行わせつつ、少数の《ヒト》指導者意識に精神治癒をほどこす。
その他の《ヒト》戦闘兵士すべてに悔我夢を撃ち込み、《ヒト・・・母星・・・地球》へ帰還の決断をうながせた。
444ケロロ少佐:2005/06/16(木) 01:23:07
『二本足の侵略者』その2

我々は《ヒト》の精神のすべてを感じ取る事が出来る。あの恐ろしく欲望に満ち満ちた醜い心の中を。
《ぬるみてぃ》種族が持っていないオゾマシイ精神。
《ぬるみてぃ》種族は、知性が発現し今まで《争い》《憎しみ》《・・・・》をすべて持たずしてココまで進化をとげた。ゆえに理解できない《ヒト》の心。

これまで《ヒト》が我々へ行った数々の《オゾマシイ》攻撃(???)の数々。
機械兵器による地上での無差別攻撃も行われた。
我々の生体組織に効果の有ると、おぼしき病原体の生物兵器。あらゆる毒物を使った科学兵器の惑星全域への散布もあった。
衛星軌道上からの熱核反応利用の爆発物質、反物質作用を封じ込めた兵器の投下。巨大質量の小惑星の投下も過去、何度も行われた。
我々が理解に苦しむもっともオゾマシイ行為。《ヒト》自らの部隊の全滅をも覚悟させ挑んだ精神発撹狂気化装置の発動には、全種族が嘆き苦しんだ。

すべては、無駄に終わった・・・なのに、これからも繰り返されるであろう《ヒト》の悲しいおろかな行為・・・・
なぜ?《ヒト》は、ココへ、私たちのもとへ攻撃を行うのか・・・

このままではイケナイ・・・・
我々《ぬるみてぃ》が元来持っていない心・・・憎しみの心・・・

だが、このままではイケナイ・・・・
445ケロロ少佐:2005/06/16(木) 01:24:40
『二本足の侵略者』その3

私たちは、ついに自ら行動することを選んだ。
《ヒト・・・母星・・・地球》へ向かう、選ばれ志願した1体の若き変則3足歩行知性体《ぬるみてぃ》。
若い《受精性体》の《みるらみてぃ》は、そばに寄り添って《寝の刻》を過ごしていた《産卵性体》の《ららるみてぃ》へ話かけた。
『私は、《ヒト》の住む世界へ向かう。すべては、そこで消える。』
二つの性の生きものは、このとき初めて感じる心を確認し合い、心を融合させ《撹の刻》、《溌の刻》最後に《夢の刻》を過ごす。
《夢の刻》が終わると、若い《受精性体》の《みるらみてぃ》は旅立つ・・・・悪魔の住む星へ・・・

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

2620年、地球の星都《ニューアーク》。特別政治体制の中、人類は異星人との星間戦争を行っている。

一般市民は、無限消費経済体制を強制されて暮していた。
今年22歳になる一般市民《ロバート・村木》は、今日も日課の《憎き3本足の侵略と戦う人類存続の為の祈り》を済ませた後、仕事へ出かける。
慢性的な頭が重く、ボーっとモヤのかかった症状の頭で通勤移動車に積まれて移動。
意識徴兵制度で《ロバート・村木》の意識も他の市民同様に無数にコピーされ戦地へ送りだされている。
《ロバート・村木》は、コピーが繰り返される度に何か大事なものが自分から消えてゆく感覚を常に持っていた。
446ケロロ少佐:2005/06/16(木) 01:34:10
『二本足の侵略者』その4(終)

遥か彼方からの移動を一瞬で行い、若き変則3足歩行知性体《ぬるみてぃ》の精神は、人類の生存圏である太陽系に到着し、全空域を包みこんだ。
《ぬるみてぃ》の精神が人類の心の中へ。降臨が始まった。

忙しく職場のデスク上の人工知能ワーク端末で働く《ロバート・村木》の意識にも・・・・
軍事体制の統括指令の意識にさえ・・・・
戦闘兵士用クローン素体の宇宙空間製造プラントで働く工場監督員の意識に・・・

すべての人間にやさしくおだやかで力強い《ぬるみてぃ》の精神が流れこんだ。
それは、やさしい悪魔の姿か、凛とした神の姿に化身した精神生命体か・・・・
そのイメージは人類の心のすべてを捕らえ、その一部を捕まえさらって逝った。
憎しみ、嫉妬、妬み、闘争心・・・・人類が地球上で進化の末、勝ち取った特質を奪われ、人は、人間は、人類は、・・・
人でなく、人間でもなく、人類でもなくなった。

やがて《ぬるみてぃ》の心が消えて時が経った。
残った生物らしき《ヒト》では無く《良き物》は、抜け殻として生き続けていた。
楽しそうに微笑み、愛し合い、黒人も白人も黄色も無く、何を信じるかも関係ない。
どこに住んでいるか、どこから生まれたのかも関係なく 《良き物》は、永遠に笑って過ごしてゆくことだろう・・・・
447いたずら:2005/06/16(木) 22:17:03
ららるみてぃとのつかの間のひと時を過ごしたみるらみてぃは、まぼらてぃを
代表して、いや、ぬるみてぃの代表して、らるらくてぃから地球に出発した。
そういえば忘れていたが、みるらみてぃとららるみてぃが住んでいたまぼらてぃ
はまらぬてぃの大陸にある。ちなみにらるらくてぃには他に三つの大陸があり、
順に、みらぬてぃ、むらぬてぃ、めらぬてぃという名前がついている。ららるみて
ぃとみるらみてぃはもちろんまぼらてぃに住んでいます。めらぬてぃには行った
事がないらし。むらぬてぃには一度ふたりで旅行にいったようだ。めらぬてぃには
ららるてぃがまぼらてぃに引越ししてから三度ほど両親のらみらてぃとるらるてぃ
に会いに行ったらしい。めらぬてぃに行くにはみらぬてぃを経由しないと行けない
のである。まあそれはさて置き地球に行くことになったみるらみてぃはぬるぽ。
448名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/21(火) 00:31:03
方程式モノplz
449ケロロ少佐:2005/06/23(木) 00:53:00
『二本足の侵略者−いたずら編−』その1

惑星《らるらくてぃ》は、おだやかな心を持ち優れた知性を有する生命体の住む世界。
四つの大陸が有り、文明都市が規則正しく築き上げられて3億の知性が平和に暮していた。
四つの大陸の中でも一番小さい面積の《むらぬてぃ》大陸に住む《もげねてぃ》は、今刻で18刻の、まだ若い《ぬるみてぃ》種。
来刻には、《産卵性体》になるか《受精性体》のままでいられるかが決まる《成態偏化儀礼》を控えていた。
だが《もげねてぃ》は今、はじめて体感する自分の中の感情に戸惑っていた。
『この・・・異質なドロドロとした感覚・・・は・・・何だ。』『ワタシは、怖い・・・な・・ぜ・・・』
ほどなく《ぬるみてぃ》種族の全体意思も《もげねてぃ》へ警告と癒しを発してきた。
『あなたの心が育てたその・・・イビツ なモノは、危険・・・』と・・・・

惑星《らるらくてぃ》の星都《しななてぃ》に集った9体の《同慈院》指導者達。
『過去9回・・・・繰り返され続けた《ヒト》の侵略攻撃』と副慈院長が話しはじめた。
『その時、感じ取ったあのオゾマシイ精神が原因か・・・』
『まだ幼く・・・しかし一番感受性の敏感な若い《ぬるみてぃ》世代が影響を受け、感染したようだ』と教慈技官が続けた。
450ケロロ少佐:2005/06/23(木) 00:54:45
『二本足の侵略者−いたずら編−』その2

《ヒト》はすでに消滅し襲っては来ない。だが《ヒト》の残していった悪感を呑み込んだ、一部の若い《ぬるみてぃ》固体に傷擬心という病が芽生えた。
慈院長は、ゆっくりと立ちあがり話しはじめた。
『発病者は《まらぬてぃ》大陸341体。《みらぬてぃ》大陸145体。《むらぬてぃ》大陸98体。《めらぬてぃ》大陸226体。すべて幼くまだ《成態偏化儀礼》も済ませていない刻齢の《ぬるみてぃ》たちだ。』
そして今、この瞬間も集った9体の《同慈院》指導者達のもとには若い同朋固体の感染者の浸食された黒く汚れた心の叫びが届いていた。
おぞましい、だが・・・悪の魅力が詰まった、触ってみたい・・・心踊る精神の揺らぎ・・・・が。

《産卵性体》の《ららるみてぃ》は、異国の地で精神崩壊を起し《ヒト》と共に無薄化した《受精性体》の《みるらみてぃ》の残像を懐かしみ4度目の《記の刻》をすごしていた。
残像とのむなしい《夢の刻》。愛を語らい愛の行為を偽行する。
昔・・・《みるらみてぃ》と二体だけで旅した《むらぬてぃ》大陸での出来事を思い出す。あああ・・・美しかった巨大な自然歌唱岩石。
《みるらみてぃ》のご両親が住む、大陸《めらぬてぃ》には、三度会いに行ったっけ・・・
はじめてご両親へのあいさつの時・・・・《みらぬてぃ》大陸を経由する移動飛行翼体の中で永遠の愛を誓った瞬間・・・
すべてが・・・・すべてが・・・美しい想い出として《産卵性体》《ららるみてぃ》の心を揺らす・・・
まだ行った事の無かった《めらぬてぃ》大陸へは、来刻、残像を心に載せ単体の旅に向かおう。
451ケロロ少佐:2005/06/23(木) 01:01:52
『二本足の侵略者−いたずら編−』その3(終)

《むらぬてぃ》大陸に住む若い18刻の《もげねてぃ》の傷擬病は、かなり悪化していた。
《ヒト》から感染し芽生えた悪しき精神に蝕われ親の問いかけに心を閉ざす。
さらに《ぬるみてぃ》種族すべてから届く全体意思にさえも自分の心を隠した。
『私は他体の意思には従わない。私は私だ。誰の干渉も必要ない!!』
強い意思の発動は、ついに最悪の出来事に発展した。
《もげねてぃ》の両親が《導きの問い》として強制心入したとき、ふたつの生命が一つの生命の暴力により失われてしまった・・・
《ぬるみてぃ》種族としてはじめて起きた同種族同士の殺害の瞬間だった・・・・

各大陸でも感染者による同等の暴力行為が頻発し《ぬるみてぃ》種族の全体意思は、この悲劇に悩み嘆き・・・・運命を受けいれた・・・・


はからずも・・・・《ヒト》の侵略攻撃が10回目にして成功した瞬間だった・・・

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
>>447さんの「いたずら」を読んで続編書いてみました。

今回の使った《・・・てぃ》と続く名前は失敗でした・・・

>>448さんの方程式モノの希望は、私、数学、物理まったくダメです。
どなたか面白い話作ってください・・・
452ヘルダイバー (1/4):2005/06/23(木) 01:58:50
MMUは単純で頑丈なマシンで、故障なんてめったにしない。
ましてメインと予備機が両方なんて、聞いたことも無い。困ったことに、儂とトビーが
工事現場に乗ってきたのは予備の方で、プラットフォームに繋留したとたん、急に
パワーが落ちて、それきり沈黙してしまったのじゃ。
それから30分、トビーはMMUを弄り続けたが、回復しなかったので、止めさせた。
「しかし‥‥」
「これで動いても、シャトルに帰る途中でまた止まったらなおさら困るぞ」
「迎えに来てもらうわけには行きませんよ」
「そうじゃな」シャトルは鈍重すぎる。儂らが築いてきたレースのお城にうっかり触れ
ようものなら‥‥
強靭な撚糸ダイアモンド単結晶のテザーは、シャトルから耐熱タイルをごっそり剥ぎ取る
ことになるじゃろう。「したがって儂らが今なすべきは‥‥」
儂はシャトルを無線で呼び出し、状況を説明すると、最後にこう言った。
「PNRは一時間後。それを過ぎるとスーツのバッテリー残量が厳しくなる。それまでに
代案が見つからなければ、儂らはヘルダイバー作戦を取ることにする」
453ヘルダイバー (2/4):2005/06/23(木) 01:59:31
テザー衛星というよりも、別名のスカイフックの方が分かりよいと思う。
人工衛星軌道に重心を置き、そこから強靭なテザー、すなわち糸(というよりレース状の
組み紐だが)をたらして、ペイロードをぶら下げる。反対側にはカウンターマスを
置くのだ、もちろん。
ペイロードはカメラでも何でもよい。人工衛星には不可能な低軌道にペイロードを
置けるし、いろいろ使い道のある構造物だ。儂とトビーが行ったきり帰れずになったのは、
建造途中のスカイフックの一つだった。
というわけで、工事現場のプラットフォームには未使用のテザーの60km巻きの
リールが一個、バッチリ残っておったというわけじゃ。
「安心せい。儂の言うとおりにすれば必ず帰れる」
「ヘルダイバー作戦てなんなんですか」
それから一時間、シャトルからたまに励ましや状況報告の通信が来る合間に、儂は
トビーに語って聞かせた。
454ヘルダイバー (3/4):2005/06/23(木) 02:00:15
シャトルに残してきたメインのMMUは、結局修理できなかった。地上の誰も、
妙案は浮かばなかった。そこで儂らは始めることにした。
「保つんですかこれ‥‥」
リールから引き出したテザーの一端を、スーツの腰の命綱用のカラビナに止めながら
トビーが言った。
「必要な間は、保つじゃろう。それを過ぎたら外れてくれんでは困る。大丈夫じゃろ。
安全装置があるから、張力限界を超えて、外れるということは、充分減速したという
ことじゃ」儂も反対の端をカラビナに止めた。「そうしたら翼を展開して、滑空降下
すればよい」儂らのスーツは宇宙服ではない。成層圏上層で作業するときのための
可変翼を備えた、ストラトポーザーである。「空気のあるところまで降りられれば
こっちのものじゃ」
「じゃあ‥‥せいぜい、いいエアブレーキになることにしますよ」
「地上で会おう」
トビーはリールを蹴って頭上の地球に思い切りジャンプした。儂は反対に暗黒の宇宙に
ジャンプした、少しでもトビーの落下速度を稼ぐために。
455ヘルダイバー (4/4):2005/06/23(木) 02:01:30
例えばトビーが秒速2mでジャンプしたとしよう。高度35kmまで約二時間。
それまでは地球重力はなんの助けにもならないが、空気が充分濃くなれば、抵抗は
やつを軌道速度から引きずりおろしてくれる。
テザーが活躍するのはここからだ。リールのアンチロック・ブレーキシステムが
トビーの落下速度を調節する。自由落下ではいかになんでも燃えてしまうが、
やつはテザーを伝って安全な速度までゆっくり降りていくのだ。
そしてテザーに引きずられて、反対側にいる儂も同様に‥‥
と、うまく行けばよいのじゃが‥‥

実はやつに話してないことが一つある。
撚糸ダイアモンド単結晶はすばらしい物質で、上の計画のような酷使にも余裕で
耐える(しかも対流圏に入る前には燃え尽きてくれる)じゃろうが、リールは
ただの高張力鋼のメカなのじゃ。たぶん、儂が充分減速されないうちに、だめに
なってしまうじゃろう。儂が助かるかどうかは神のみぞ知る。
いいわけはせん。儂はトビーを騙した。
トビー、生きるのじゃ。
456名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/23(木) 21:13:42
ケロロ少佐さん
じつに前向きですね! 見習いたいところです。名前は失敗だったみたいですね。
混乱しちゃいました。はからずも影響を受けてしまった《ぬるみてぃ》がカワイソス。
変則3足歩行生物の知性体って別のお話しにも出てきましたよね?

>>452さん
調べながらイメージを定着させつつ読みました。理屈はぼんやり分かった程度
なのですが面白かった。“可変翼を備えた、ストラトポーザー”で降りる姿を想像
して笑ってしまった。男気をかんじさせるええ話しやのー・゚・(つД`)・゚・

新作お待ちしています。
457名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/29(水) 18:27:32
ここって自サイトの小説トリップ付で晒してもOK?
騙り防止の為に小説ページにもトリップを入れとくってやつ。
458名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/29(水) 20:43:22
>>457
すべてはあなたの判断で! 下記のようなスレもあります。

オススメのネット小説を晒すスレ 第2版 (創作文芸板)
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1114180751/l50
459名無しは無慈悲な夜の女王:2005/06/29(水) 20:48:02
>>458
了解。逝ってまいります。
460名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/11(月) 22:50:16
   |ニニつ
   |   /
   | Д゚) < ダレモイナイ.....オドルナライマノウチ。
   |⊂
   |


     (二二ニニつ
      ヽ    /
      (゚Д゚ ).|  < キノコノコーノコゲンキノコ♪
     ⊂|.  .υ|
       |    |
       ヽ _⊃
        U"


     (二二ニニつ
      ヽ    /
       | ( ゚Д゚) < エリンギ マイタケ ブナシメジ♪
       |ц  |つ
       |    |
      ⊂ _ノ
        "U
461水陸両用タクシーの話:2005/07/12(火) 01:09:17
大分県の県木は豊後梅、県鳥はメジロ。そして県乗り物はホバーである。
大分は日本で唯一、ホバークラフトの定期航路が存在する県なのだ。
騒音や燃費など、ホバークラフトにはいろいろ弱点があるが、大分県民はこの乗り物を
便利に使っている。
特に大分市内には、四人乗りのホバータクシーを運用している会社が二軒もある。
大分ホバーと豊後ホバーである。大分駅前の乗り場には、南国らしくカラフルな
小型エアクッション艇がいつも待機しており、列をなす乗客を収容しては、次々に滑り出して行く。
ホバータクシーの特長はもちろん水陸両用だということである。離島の多い大分県では、
とても重要なことだ。客が行き先の島を告げると、運転手はただちに道路を離れ、
最寄りの海岸から海に乗り入れる。海上の巡航速度は時速一〇〇kmを超える。
豊後水道は多くの漁船や客船で賑わっているが、ホバータクシーは障害物の間を
鳥のようにすりぬけながら、一路島々へと急ぐのだ。
しかし問題が無いでもない。運転手たちは海の男なのだ。当然気が荒い。だから、
特に地上の道を走っているときなど、ライバル社のホバーが必要以上にゆっくり
走っている(と思える)と、「じゃまーしよる」とか怒鳴りながら、もうガンガンぶつけてしまう。
だが、安心してほしい。エアクッションのスカートが、衝突の打撃を
かなり吸収してくれるのだ。ホバータクシーは安全な乗り物なのである。
462名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/13(水) 21:29:14
燃費と騒音、旋回性や制動の悪さがホバークラフトのデメリットですね。
主流にはなりえない乗り物なのかな。初乗り料金はいくらになるんでしょう?
なんか現実にありそうな話しでニヤリとした。
463ケロロ少佐:2005/07/15(金) 23:54:48
『ランデスマンの生活−ランデスマン編−』その1

昔、人間は、地球だけに住んでいた。
信じられない事だが真空である宇宙空間では、ものすごい不格好な外皮膚(宇宙服)の中に納まり、おそるおそる動き回っていたそうだ。

そして時は、2074年。

僕は、今年、基礎学習課程を卒業して初態成人の仲間入りが出来た4歳になるランデスマン。名前は《モクナ》。
『これでやっと《パーキュナ》と遊びに行ける。』
これまでは、許されていなかった空域に来週、同じ歳の大好きな《パーキュナ》と外出する約束をしていた。
僕の住むランデスマン自治区の《ボナペルラ》は、月と地球の間の宇宙空間に位置し、浮遊する大小204個の岩石が集まって造られている重力安定空域にある。

その昔、遺伝子を改変させ僕らは産まれた。
真空と無重力と宇宙線の降り注ぐ宇宙空間で生きる事の出来る人間として。
強靭な内骨格と分厚い外部皮膚。巨大なカボチャ姿の胴体。
特殊レンズで守られた高性能の会話が出来る大きなふたつの目。器用に動かせる、腕と足兼用の4本の腕(足)。
464ケロロ少佐:2005/07/15(金) 23:56:23
『ランデスマンの生活−ランデスマン編−』その2

この日、初態成人の仲間入りをした僕らは、宇宙空間に浮かぶ岩の間を夢中で飛び周って楽しんでいた。
太陽光を浴びた灼熱の高温地帯と陰の極寒部分を行き来し、僕たちが持つ分厚い外部皮膚が悲鳴をもらす心地よい感覚を楽しみながら・・・
《パーキュナ》と僕は、ついに許可域ギリギリの岩場に取り付いた。
そこからは美しく輝く地球が見えた。その横には、控えめに光る月の姿。
そしてそれらすべての世界を力強く包み込み照らしてくれる太陽が・・・・
僕たちは、すべてを見渡せる絶好の場所にいた。
僕と《パーキュナ》は見つめあい視覚で愛の語らいを始めた。
最初、個々に揺れていた視覚波長は、序々に合わさり波はシンクロを始めた・・・・
2人の分厚い外皮は、ぴったりと密着し融合、生殖の準備を始めた。
僕の性器は、ウネウネと伸び融合した皮膚の通路を通り彼女の子宮へ到達する。
一度シンクロした視覚波長は、激しくぶつかり合い乱れては、また合わさり更に激しく乱れまた一本の波へと戻る。
この時、僕たちは、ランデスマン民族の第一使命を実行し、新たな生命を誕生させる準備を完了した。
行為が終わり慰めの語らいに変わった頃、二人の後方から異様な物体が近寄って来た。
465ケロロ少佐:2005/07/15(金) 23:57:54
『ランデスマンの生活−ランデスマン編−』その3

通常視覚に戻った《パーキュナ》が『《二本足》の宇宙船よ』と訴えた。
僕は、この記念すべきひとときを邪魔した憎き船に視線をあわせた。
『ああ、もうこんな時間だ。』僕たちは、通りすぎる《二本足》の貨物船を見つめてながら帰路の為、密着を解いた・・・・
『あの《二本足》の船は、《モクナ》のお父さまを迎えに来たのね。』
『ああ、そうだよ。今日父さんは、《光の導き》を《二本足》社会に与えるため地球に降りるんだ。』

《モクナ》は、宇宙空間をすばやく移動しながら思う。
あの地球に住む二本足で歩く生き物たちが我々《ヒト族》の仲間だとは、どうしても信じられない!?
《二本足》は、我々の生活の邪魔ばかりをして、大掛かりな乗り物で宇宙空間を動き回る。
無駄に生きる生命体とのイメージしかもっていなかった。
『奴らと僕たちの共通の部分がもし有るとしたら《体が水で出来ている割合が70%》ということぐらいだろう。』
466ケロロ少佐:2005/07/15(金) 23:59:19
『ランデスマンの生活−ランデスマン編−』その4(終)

地球から来た《二本足》の3匹は、見っとも無い不自由な服を着て、立っていた。
横には《二本足》が作った人工眼の装置が置いてあり、丁寧な感謝の言葉を語る。
僕たちランデスマン民族の代表として父さんが今、カプセルの中に入る。
自分たちだけでは生きる事が出来ず、我々に救いを求めてきた奴ら。
自治区の《ボナペルラ》のほとんどのランデスマンが見つめる中、送迎の為の《光の儀式》が盛大に執り行われてゆく。

《二本足》の船が父さんを乗せ、飛び去る。
儀式用の人工眼が《最終の輝きの唄》を奏でている中、《モクナ》と《パーキュナ》は、寄り添い、見つめ合う。
『《パーキュナ》・・・きっと僕らの子も父さんのように地球に降りて行けるような素晴らしいランデスマンに育ってくれるよね。』
『そうね・・・私たちの子だもの・・・』二人は、ランデスマン1体を乗せ消えて行った、光輝く母なる地球を見つめていた・・・・・

『我ら・・・すばらしき・・・・民族・・・』『我ら・・・・誇りを忘れず・・・・生き続ける・・・』
儀式用の人工眼の発する《誇り高き光の唄》は、ランデスマンの人々の心の中に響きわたり続けていた・・・
467ケロロ少佐:2005/07/16(土) 20:03:04
『ランデスマンの生活−二本足編−』その1

私たちの乗る、輸送船《ホワイ号》は、地球から飛び立ち無事に宇宙空間へ到達した。
航行支援知能体は、目的地ランデスマン自治区の《ボナペルラ》をめざし進路をとる。
自治区《ボナペルラ》の第1入港ゲートが見えてきた。
『ナミスタさん!そろそろ到着します。もうこのあたりは、ヤツらの行動区域です。このあたりをうろちょろしている場合があります。用心の為、減速させます。』
船長の《ナカムラ》は、輸送船《ホワイ号》のボディに指示を出し、ランデスマンの視覚のみに特別作用する光体言語を作動させゲートをくぐる。
『近づくよ・・・・《二本足》が近づくよ・・・・』と船体が光りだして呼びかけ始めた。

左前方の岩場に取り付いている2体のランデスマンを航行支援知能体が見つけだし、報告してきた。
『まだ、幼いヤツですね。二人とも4,5歳くらいか・・・・』交渉員の《ナミスタ》は、モニターに指示を出し映像を拡大させた。
《ナミスタ》と船長は、重なり合い交尾しているカボチャのお化けが映る画面を見つめていた。
《ナカムラ》は、『だが、あと、数年もすれば立派なランデスマン燃料となって燃えてくれるだろう。』と考えながら船の進路を微調整させた。
468ケロロ少佐:2005/07/16(土) 20:06:12
『ランデスマンの生活−二本足編−』その2

その昔、遺伝子を改変させ彼らは産まれた。
真空と無重力と宇宙線の降り注ぐ宇宙空間で生きる事の出来る人間として。
強靭な内骨格と分厚い外部皮膚。巨大なカボチャ姿の胴体。特殊レンズで守られた性能の良い大きなふたつの目。器用に動かせる腕、足兼用の4本の腕(足)。

『ナミスタさん!準備は、いいですか。接岸させます!』
船長の《ナカムラ》は、人工知能システムをすべてオフにして手動で接岸させた。

《ナカムラ》は、宇宙服に着替えしながら思う。
あの四本足で器用に動き回っている生き物たちが我々《ヒト族》の仲間だとは、どうしても信じられない!?
《ランデスマン》は、わけのわからないチカチカ光る視覚言語を話し宇宙空間をチョコマカと動き回る。
人間と遺伝子を共有は、していても私たちは、単なる役にたつ動物とのイメージしかもっていなかった。
『奴らと僕たちの共通の部分がもし有るとしたら《体が水で出来ている割合が70%》ということぐらいだろう。』

船長《ナカムラ》、交渉員の《ナミスタ》、助手のアンドロイドの3人は、ランデスマンの巨大建造物の中で、奴らのお別れ会の儀式に参加していた。
横には、私たちが持ちこんだ最新の人工眼会話装置が出番を待っていた。
人工眼は、ランデスマン燃料を最大限良質な状態で回収する為に必要なランデスマン精神を高揚させる視覚言語が話せた。
装置が光を発して丁寧な感謝の言葉を語り儀式は終わりにさしかかった。
交渉員の《ナミスタ》が、船長に回収作業が順調に進行している事を合図してきた。
『よし!さっさと積み込んで仕事を終わらせよう。』
469ケロロ少佐:2005/07/16(土) 20:07:45
『ランデスマンの生活−二本足編−』その3(終)

輸送船《ホワイ号》は帰還プログラムを作動させた。
自治区に住むほとんどのランデスマンが見つめる中、船は飛び去る。
1年間使用できるランデスマン一人を幾重にも固められ、保護された特殊カプセルの中に収め大気圏へ突入して行った。

大西洋、洋上に浮かぶ発電島に運ばれたランデスマンは、精神炉に投下された。
精神炉が静かに動きだし少しづつ負荷がかけられ、やがて最大負荷となり、ランデスマンは、発狂した。
この発狂を維持させて行く事により精神炉には、爆発的な精神崩壊エネルギーが発生する。
今回、送りこんだランデスマン一人で1年間、全世界の電力をまかなうことが出来る。

《モクナ》の父《キコクド》は、精神炉の中で、発狂し夢を見ていた。
未知の宇宙の冷たさを愛しく思い・・・ゆがむ重力空間を遊び周り・・・・
ガス雲の漂う神秘の息づかいを聞き・・・・小惑星の岩陰から干渉してくるはじめて見る新生物におどろく・・・・・

父《キコクド》は、発狂した精神のわずかに残された思考領域で送迎の儀式で聞いた《誇り高き光の唄》を心の中で響きわたらせ続けていた・・・


『我ら・・・すばらしき・・・・民族・・・』『我ら・・・・誇りを忘れず・・・・生き続ける・・・』
470ケロロ少佐:2005/07/16(土) 21:48:59
今回は、同じ話を>>463はランデスマンから見た場合 >>467は人間(二本足編)の方から見た場合で書いてみました。
この・・人工的に作られた生物を発狂させてエネルギーを得るネタ(科学的には、かなりムチャ)は昔から頭に有り、今回使ってみました・・

宇宙空間でも生きる事の出来るランデスマンは、『マンアフターマン』ドゥーガル・ディクソン著に出てくる宇宙人間を元にしとります。
471名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/17(日) 21:06:33
力作乙

宇宙人間怖いw てか悪夢にうなされそうw

fttp://www.geocities.co.jp/Technopolis/9540/manafter200.html
472名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/17(日) 22:57:35
宇宙人間はまばたきがキュートなんですよ。

マンアフターマン、アマゾンで\18,000とか吹いとるぞ!
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872331192/qid=1121608507/sr=1-12/ref=sr_1_2_12/249-5999331-4193959
473ケロロ少佐:2005/07/17(日) 23:47:02
同じドゥーガル・ディクソンの『アフターマン』は、最近、再販されNHKでも番組が放送され(ディスカバリーチャンネルだったか?)
有名ですが・・・私としては人間の進化?を専門に扱ったマンアフターマンの方が読んでショッキングだった。

再販されてないんですね。私は、当時たまたま寄った本屋で見つけ即、買いました。(値段的にかなりキツカッタガ・・・)

こんなSFマインドを持った本・・・なんで日本人は書けないんだろう・・・
図鑑的なこんな本、私は大好きです。
474名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/18(月) 00:04:58
(まあ、とりあえずいろいろあって)

はっ、と目を覚ましたら夢だった。
475名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/18(月) 06:24:21
マンアフターマンは超能力がどうのこうのと言ってるから萎える。
476 ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/20(水) 06:30:21
 昨日、SFマガジン編集部に電話をかけ、
『リーダーズ・ストーリィ』に送った作品の著作権について訪ねてみると……。

 めでたく全文活字になった『入選作』については早川書房に版権及び隣接権が
帰属するので、たとえ作者本人といえども無断でここに再掲載できないが、
 選評で紹介されただけの作品なら、ここに載せても差し支えない、との事。

 なので、試みに、かつて選評に与った私の作品を載せてみます。
477[送らぬ理由] ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/20(水) 06:38:40
(1/4)

 その日までは、地球人類は輝かしい未来を信じていた。
 その日は、地球圏が一つの国家となったことを祝う一大行事の日だった。

 それに先立つ世界科学者会議において、銀河の星々に地球人類からのメッセージを贈ることが提言された。
 自己増殖能力を持つ無人宇宙探査機――オートマトン船にメッセージを託した金属製の円盤を乗せ、宇宙に送り出そうと言うのだ。
 オートマトン船は星系にたどり着くと、自らの船体と金属盤の材料を採掘できるような惑星に着陸し、自らと金属盤を複製する。
その後、複製された船団の一部は別の星系へ飛び立ち、同じ事を繰り返す。
そうする事で、おおよそ一千万年後には銀河中の星にメッセージを届けることができるという、壮大な計画。
20世紀にティプラーが示唆したアイデアが元であった。

 そしてこの日、祝賀行事の一環として、ケネディ宇宙センターから『最初の一機』が打ち上げられた。
地球連邦初代大統領は高らかに宣言する。
「今我々は、『地球人類ここに在り!』という事を示したのです!」
478[送らぬ理由] ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/20(水) 06:41:39
(2/4)

 人々の熱狂が最高潮に達したその時。宇宙人が攻めてきた。
 彼等の船は地球各地に忽然と現れ、一斉に攻撃を開始した。
地球全土を制圧するのに一時間もかからなかったろう。圧倒的な科学力だった。
彼等は非致死性の兵器を用いたため、激しい戦闘であったにも関らず、
地球人側の死者は全土で数万人程度にとどまった。
 そのほとんどはパニックに巻き込まれた事による。宇宙人側の犠牲者は皆無だった。

 戦闘終了直後、彼等は大統領を拘束した。彼らは地球人に近い体形をしている。
代表らしき者が大統領の前に歩み寄り、ヘルメットを操作すると、バイザーが透明になった。
蝙蝠そっくりの顔をしている。蝙蝠の様に平行進化した生物が知性を持ったのだろうか。

 その蝙蝠人は大統領の眼前に金属製の円盤を突きつけた。
それは、ほんの今しがた宇宙に飛び立っていったオートマトン船に積まれていたはずのメッセージ盤であった。

「これを作ったのは貴方達だな!?」
 怒気は翻訳機を通してさえ十分に伝わってくる。

「確かにそうだが……あなた方は?」
 すっかり当惑しきった大統領が応える。
479[送らぬ理由] ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/20(水) 06:43:53
(3/4)

「我々は……貴方達が言うところの“銀河系中心星域”の一星系を
発祥の地とする知的種族だ。
我々は、貴方達のせいで甚大な被害を被った」
「わ、我々は何もしていない!」
「だが、このメッセージ盤を銀河中にばら撒いただろう」
「確かに、今しがたそのメッセージ盤を載せた最初の一機を送り出した。
おおよそ一千万年後には同じ物が銀河中の星々にたどりつく事になるが、
まだ“ばら撒いて”などいない。
 ……我々が送り出したメッセージはそんなにも破壊的なものなのか?」

 それを聞いた蝙蝠人は、なんとも言えない表情をした。
もしかしたら、侮蔑の表情かもしれない。
「メッセ−ジ自体は取るに足らないものだ。問題はそれを贈る方法にある。
貴方達は、その方法の危険性をろくに検討しなかったようだな」
「危険性?」
「とぼけるな!!」
480[送らぬ理由] ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/20(水) 06:46:17
(4/4)

 その時の蝙蝠人の表情が激しい怒りを表すものだったことは疑いない。

「どのような星系にたどり着いても安定して機能するよう、
貴方達は自己増殖機械のプログラムに高い柔軟性を与えた。
だが、高い柔軟性を与えるという事は、生物同様の突然変異を許容する、
という事だ。
 何世代目かはまだ調査中だが、貴方達の機械は“突然変異”を起こし、
わずかでも自己増殖を妨げそうな要因を徹底的に殲滅する危険な機械に変貌した。
それが、我々の資源採掘星の一つにたどり着いた」

「……」
 大統領は言うべき言葉を失う。

「我々は何世代もかけて貴方達の殺戮機械を全滅させた。そして、
終戦後にワープ航法を完成させた。
 ワープ航法船がタイムマシンとしても使えることは、
貴方達の科学力でもお分かりだろう。
 我々は、綿密な調査の後、ワープ航法戦闘艦の大艦隊を組織して、
この時空点にやって来たのだ」

 蝙蝠人の使者は、厳かに宣言した。
「貴方達には、愚行に対する償いをしていただこう!!」

[完]
481名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/20(水) 22:12:15
はいはい、わろすわろす。(一度やってみたかったw)

もし、掲載されていたら俺は読まなかっただろう。そして俺も存在しなかったのだろう。
何故なら、このスレに投下していない世界には俺がいないからだ。つまりあなたが俺を
創造したことになる。それはおかしいてか? では、立証してみろ。立証できないでしょ?
なにが言いたいかって? 投下乙! また投下よろしくね。
482 ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/20(水) 23:30:37
>481

なかなか深い感想、ありがとうございます。
483ケロロ少佐:2005/07/21(木) 17:23:05
>>481
せっかく書き込むのであれば・・・もちっと何か言葉があるようだが・・・
かわった文面なんでそんな調子で>>481も1作品、載せてみて!!


[送らぬ理由] ◆Ka.r41f9Fs さん
よくあるオチと言ってはオシマイですが、読みやすくて良かったです。
文章は、ちゃんとしていてウラヤマシイかぎりです。
新作・・・是非お願いします。(すごい異星人出る話、お願い・・・)

以前、私も何度か『リーダーズ・ストーリィ』には、送ったことあります。
一度はSFマガジンに載ってみたいもんですね。
484 ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/22(金) 00:13:10
>483 ケロロ少佐殿

 いやいや、>481さんの感想は独特の味があったです。なんのかんの言っても、
最後はねぎらいの言葉で締め括ってるし。

>よくあるオチ
その辺が、入選しなかった原因かな……。

 今まで8本か9本送って、入選はゼロ、選評に与った回数は2。
(選評に与ったもう一つは異星人ものでなく、評価も既にここに載せた物に比べ、イマイチだった)

 2ヶ月ほど前に異星人ものをまた一本『リーダーズ・ストーリィ』に送りましたが、
どうも選評にすら載ってなさそうな悪寒……。orz
485名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/22(金) 22:56:18
>484
481さんの言いたかったのは、タイムパラドックスが発生しているよと言う
ことで、あの一見回りくどい文章を書いたんだと思います。

実は蝙蝠型異星人は宇宙の当り屋みたいなヤツで、最後に化けの皮が
剥がれておしまいとすれば、面白くはないけれど納得のいくお話になった
んじゃないかと思うのですが。
486動物使い(1/5):2005/07/23(土) 11:51:43
「やあ、はじめまして。私、(ティンパニのような楽しげな旋律。パンポン・タントン・
コン)です。アルタイルのケトルドラマーです」
「ブー」
またはじまった、とエミリオ・ゴルジは思った。地球に来たての異星人は皆、家畜に
向かって挨拶する。もちろん飼い主にもするのだが。人間と動物の区別がつかないのか。
しかし野生動物と人間はちゃんと識別できるらしい。不思議なことだ。
ケトルドラマー種族の頭部は、八個のルーペを、柄の先を軸に扇のように開いた形を
している。ルーペにはレンズの代わりに鼓膜が張られていて、発声器官と聴覚器官を
兼ねている。一番高い所にある一対の鼓膜が一番小さく、左右に離れるにつけ大きく
なっていく。それぞれ帯域が異なるわけだ。
「失礼ですが親御さんにはあんまり似ておられませんな」
当たり前だ。
「それは豚です。私の子じゃない。家畜ですよ」
ゴルジは本職の農夫だが、実は国連職員でもある。肩書きはずらずら長いが、要するに
異星人にイタリアの農村生活を体験してもらおう、というホームステイのホストが仕事だ。
(パンポン・タントン・コン)は絶句しているように見えた。
これまたいつものことだ。イタリア語を自由に操り、家畜という言葉を知っていてさえ、
実物を前に、異星人はあからさまにショックを受ける。
マルコに来てもらってよかった。第三者から説明されれば納得するだろう。さもなくば、
新しい下宿人は、猫のルーシーや犬のシーザーにまで、いちいち自己紹介をしかねない。
487動物使い(2/5):2005/07/23(土) 11:52:15
マルコはシリウス系のミラーボール星から来たクイックシルバーだ。ミラーボール星は、
六千年前、シリウスBの新星化によって大気を引き剥がされ、惑星自体も鏡面のように
磨かれてしまった。住民は、全身をサイボーグ化することで生き延びた。手にも足にも
変形自在の、反射性の絶縁皮膜に包まれた、水銀の滴のような生物。
ゴルジの農場にひと月前から逗留しているが、最初はこのケトルドラマーより衝撃が
大きかった。なにしろ彼の故郷では、クイックシルバー種族以外の生物は、彼が生まれる
遥か以前に絶滅している。一つの星に複数の生物種が存在すること自体が異常なのだ。
なのに、ああ、先祖の骨よ。地球の人類種族は、他の動物種を傍らに住まわせているのです。
マルコ(ゴルジがつけた名前だ。彼の本名は一瞬の電波信号である)はケトルドラマーに
向けて絶縁皮膜の一部を振動させた。
「はじめまして(パンポン・タントン・コン)。私は、マルコと呼ばれています。ごらん
の通りクイックシルバー種族のものです」
同時に、人間には聞こえない高周波の集束ビームを照射した。
(動揺するな。冷静を装え。人類種族に警戒させるな)
488動物使い(3/5):2005/07/23(土) 11:52:49
ケトルドラマーは、見たところ人間と同じ、二本の腕と一個の頭を持つ二足歩行動物である。
だが実際には左右対称の六肢生物から進化した。頭に見えるのは音波の送受信に特殊化した
一本の腕にすぎない。では残る一本は?
衣服の襟元を止めるブローチの奥に、「頭」をそのままミニチュアにした八本指の鼓膜の
束が隠されていた。ブローチに刻まれた、彫刻に偽装した開口部を通じて、超音波を送受信
できるのだ。この能力は人類には秘密にされていた。自衛のためである。星際社会にとって、
新参者である人類種族は、いずれ敵対するかもしれない相手だ。
(パンポン・タントン・コン)は、マルコと同じように、二つの周波帯で返信した。
「よろしくお願いします、マルコさん(資源動物を栽培するなんて。異常行動だ)」
「こちらこそ。旅はいかがでしたか?(地球では普通だ。旅は快適だったろう?)」
「快適でしたが、何せ長旅でね‥‥(そうなんだ。乗り物に乗っている間、生命維持装置
の負荷がゼロだった。わが種族の代謝を分析したに違いない)」
ゴルジは慌てて豚を足元から追い払った。
「おっと、こりゃいかん。お疲れでしょう。中へどうぞ」
「荷物は私が持ちましょう(人類種族にとっては標準の手続きだ。警戒は不要だ)」
「いえ、お構いなく(しかし、脅威だ)」
489動物使い(4/5):2005/07/23(土) 11:53:30
家路をたどる間、ゴルジが旅人にあれこれ世間話を振ったが、二人の異星人は適当に受け
答えしながら、無音の対話を続けた。
(君の体は、われわれクイックシルバーと違って、物質循環が閉じていない。痕跡が残る
のは人類種族のせいではないよ。分析されても仕方あるまい)
(だが、黙っておってもよいものを‥‥いきなり自ら暴露するとは‥‥愚かな)
(違う。人類の行動原理において、知識を独占することは、しばしば優先順位が下がる、
というだけのことだ。むしろ苦痛をなくすこと、快適にすることが優先される、普通とは
逆に)
(なんで地球人が私を楽しくしなきゃならんのだ)
(彼らには生物種の区別がつかないのだ。不思議なことに)
(‥‥)
(私の知見に価値があることが理解できたと思う。ついては代価として協力を求めたい)
(‥‥)
(彼らを警戒させてはいけない。われわれ双方の不利益につながる)
(‥‥君の仮説が却下されるまで、その方向で行動することに同意する)

490動物使い(5/5):2005/07/23(土) 11:54:25
ケトルドラマーの偽りの平静は、しかし一分も持たなかった。
農家の扉を開けると、そこにいたのは猫のルクレツィアと犬のチェーザレ。寄り添って
昼寝している。
さて、そのとき人類はまだ知らなかったが、後にスナドリネコとウルフリングと呼ばれる
ことになる種族がある。同じ惑星に生まれたがために、生息環境を巡って熾烈な争いを
続けている、不倶戴天の敵同士だ。同じ場所にいて、流血沙汰にならないはずの無い者たち
だった。
姿は犬と猫によく似ている。(パンポン・タントン・コン)も誤認した。だがそのとき得た
彼の霊感は正しい。
人類の本質は動物使いだ。膝が崩れるような恐怖とともに、彼は未来を脳裏に描いた。
退化して飼いならされた愛玩動物、かつてのケトルドラマーの末裔を。
491ケロロ少佐:2005/07/23(土) 19:38:46
>>486動物使い

(パンポン・タントン・コン)のネーミング・・最高!動物使いの設定も面白かったですね。

>>486の(1/5)始まりの部分は、良かったんですが・・・
(2/5)以降・・・もう少し登場キャラクターの動きがあっても良かったかも・・・
対話だけでなく、場面、時間を替えるとか・・・

いやいや!エイリアンがうまく描かれているのでマルです!!

新作、以後もよろしくお願いします。
492名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/24(日) 11:55:46
プロファイリングをちょっと遊びでやってみる。

デビット・ブリンの知性化シリーズを読んだ。タイトラルがお気に入り。
犬と猫が仲良く昼寝しているのを目撃した。または犬か猫を飼っている。
犬も猫も好きである。
ヘルダイバーを描いたヘルちゃんである。これは鉄板だ!
このスレではお話し以外のレスはしない主義である。
博識である。これも鉄板。>すくなくとも俺よりもw
今度リーダーズ・ストーリィに送ってみようかなぁ、と密かに思っている。
笑いも重要な要素であると思っている。「きみまろトランス」を買う予定だ。
いま、変なレスだなーと鼻の頭を掻いている。そしてメール欄をみて苦笑いをする。
493 ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/29(金) 15:07:43
>>485

亀レススマソ。

>481さんの言いたかったのは、タイムパラドックスが発生しているよと言う
ことで、あの一見回りくどい文章を書いたんだと思います。

 ああ、そうか、大統領の眼前に突き出された円盤、
やはり「最初の一機に搭載された物」と解釈されたか。

 その辺の事を詳しく書くとあまりにも早くネタが割れると思って、敢えて
>オートマトン船に積まれていたはずのメッセージ盤であった。
と書いたのだが、正確にはあれ、何世代も後のオートマトン船が生み出した『複製』ね。

 あの円盤は元々一千万年以上もの時の流れに耐えられる造りになっている上、
複製は肉眼で区別できないほど同等の組成・構造・情報を有しているので、
大統領の視点からは「〜であった」になるわけで。

 ……って、あとがきならぬ「わるあがき」だな。これは。スマソ。
 まだまだ私の筆力は未熟という事か。
494 ◆Ka.r41f9Fs :2005/07/29(金) 15:19:51
 あ、そうそう、『動物使い』、楽しませていただきました。
ケトルドラマーとクイックシルバーの描写が面白いです。

 ところで、猫図鑑によると、スナドリネコというのは気性が非常に荒いらしいですね。
495名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/03(水) 16:44:31
わしゃー、この掲示板に書き込みをしてから、もう五十年になるんじゃな。しみじみ昔を懐か
しんでおるところじゃ。大半が名無しとして書き込んだものじゃから、大体が本音じゃったのー。
で、最近、不思議なレスを見かけるのじゃ。書き込もうとしたら、わしが書こうとした内容とま
る被りなんじゃ。なにしろ一字一句が同じなのじゃから、魂消てしまうわい。それでじゃな、わ
しの妄想推理を聞いて欲しいのだが。2007年頃からかのー、携帯電話でネットの海を自由
に泳ぎまわれるようになり、わしも掲示板に書き込みするのは、携帯のみになり、あれからほ
ぼ半世紀、機種変更はするものの番号は今でも継承しているのじゃ。書き込む際に“携帯情
報を送信しますか?”と、確認の表示が出る。YESとしないと当然、書き込みが出来ない仕組
みなのはご存知じゃろう。一日の書き込み回数は、平均十レス程度なのだが、五十年も続け
ていると一万八千五百レスにもなってしまうのじゃ。このレス群があるきっかけで人格を持っ
てしまった、というのがわしの考えじゃ。あるきっかけがさっぱり分からんので妄想になってし
まうのじゃが、わしは確信しているんじゃ。もう一つの可能性は……あまり書きたくないのだ
が、その、つまり、わしが痴呆になってしまっているという可能性じゃ。わしは老い先短いので、
死んでしまったら答えが出るじゃろう。こういう状態を「シュレティンガーの猫」というのかのー。
496名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/09(火) 02:55:16
あひゃやで、うほうほで、ゆんゆんなネタをいじっています。
うひょひょーノシ
497治療塔の惑星 1/15:2005/08/18(木) 21:25:45
     いま万感の想いを込めて汽笛が鳴る。
     いま一度、万感の想いを込めて汽車が行く……

「ぴょん太、元気でな……」
「和也、詐欺には気を付けろよ! 歯を磨けよ! 毎日風呂に入れよ! 母さんの墓にはい
つも綺麗な花を飾ってくれよ! いつか酒を飲み交わそうぜー!!」
 我を忘れ、和也の乗った車輌を追って駆け出していた。

       *       *       *

 おれの名はぴょん太。
和也とは産まれた時らか片時も離れたことはない。まさに文字どおりの意味でだ。飯を食うと
きも、糞をひり出すときも、授業を受けるときも、やつの好きなおなごに告白するときでさえ
一緒だったのさ。
 もちろんすべて妨害をしたのは言うまでもない。なにしろあいつのやることなすこと気に入ら
なかったのだ。あいつの存在が妬ましかった。おれの自由になることなど何一つ無かったか
らだ。
498治療塔の惑星 2/15:2005/08/18(木) 21:26:52
 おれは切り離される予定だった。おれは死にやつは自由を手に入れるはずだったのだ。
 この惑星に治療に行くと決まったときは正直、へこんだ。誰から見たって、おれなんか切り
離してしまったほうがいいと言うに決まっている。
 唯一おれを愛してくれたのは母さんだけだった。その母さんもおれたちが五歳のときに亡く
なってしまった。
 話がまったくみえてこない? はっきり言おう、おれは人面疽なのだ。

 治療が始まったら、あっさりレーザー光線か何かで切り離されて終わりだと諦めていたのだ
が、事態は思いもよらぬ展開に。
 人面疽であるおれを殺さずに済むように善処してくれるらしいのだ。あらゆる検査を受け投
薬が開始された。
 しばらくすると、不思議な変化が訪れた。本来は左肩に存在していて移動することはできな
かったが、徐々にではあるが移動できるようになり、一ヶ月後には肉体のあらゆる箇所へほ
ぼ瞬間的に移動出来るようになった。また、大きさも最小は直径五ミリから最大は直径三十
センチまでサイズの変更が可能になった。

 医師が言うには、おれはかなり優秀な人面疽なのだそうだ。文字が読めて、会話ができ冗
談の通じる人面祖疽はそうそういないらし。ましてや顔立ちの整った人面疽となると皆無に近
いらしい。
 和也よ聞いたか! お前は、そんなおれを追い出そうとしてるんだぞ。もう遅いぞ、おれは
人面疽のエリート街道を突き進むのだ! 母さん、おれは立派な人面疽に、きっと人面疽の
星になるよ!
499治療塔の惑星 3/15:2005/08/18(木) 21:27:51
 まずは人面疽の三原則を学んだ。
1 人面疽は人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間
に危害を及ぼしてはならない。
2 人面疽は人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令
が、第一条に反する場合は、この限りでない。
3 人面疽は、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなけれ
ばならない。
 納得し難いものではあったが、エリートになるためには致し方ない。

 緊急時には宿主を操らねばならない。厳しい指導が続く。和也に麻酔注射が打たれ、眠っ
た和也を操れというのである。これは、かなり難しい。なにしろ指一本操った経験もなかった
し、歩くとなると神業に等しい。
 指導にあたったのは、フェロモンむんむんの女医であり格闘の師範だった。名前はナター
シャという。
 超ミニのスカートをはいていて、尻が独立した生き物のように、蠱惑的に左右に振れながら
歩くものだから、ズボンにテントを張ってしまった。初めての操りが、非制御による制御なの
はおれと君の秘密にしてくれ。
 そんなこんなで、なんとか歩くまで三ヶ月が掛かった。ナターシャとあんな事やこんな事をす
る為にはこんなのは苦労ですらない。
「ぴょん太さん、それじゃ歩き方がゾンビだわ。わたしをレストランにエスコートしてくださるの
も、今のままではご遠慮したいわね」
「そりゃないぜセニョール。いったいいつになったら君の唇を奪えるんだい?」
「ふふ、わたしが百点を出したら、わたしのすべてを奪ってもよろしくってよ」
「よーし、わかった。ビシビシ指導してくれい! かわいい仔猫ちゃん」
「声色も訓練してね。少しかん高いわよ。じゃあ、わたしの歩き方を真似てついて来なさいな」
500治療塔の惑星 4/15:2005/08/18(木) 21:28:42
「ぐふふっ、ぎぶ、ぎぶ、ぎぶあっぷ」おれは喜びつつ苦しみの声をあげた。
「だらしないわね」
「さあ立って! そんなことでは宿主を守れないわよ」
「もう勃ってるよ。仔猫ちゃん、こっちにおいで」寝転んだまま誘いをかけてみる。
「ばか!」
 頭を小突かれてしまった。
 格闘技の訓練も疲れる。しかし、なんで格闘技まで習わなきゃならないんだ?
「ぴょん太もずいぶん進歩したようね。五十点くらいかしら? もうちょっと頑張りましょうね」
「ちぇ、仕方ねえな。いったいいつになったら格闘のカリキュラムは終わるんだい?」
「言ってなかったかしら? 七人の殺人のプロと闘って、無事に生き延びるのが最終テストよ」
「おいおい、そんな話しは聞いてないぞ! 和也が死んじまったら元も子ないだろうが」
「あなたが勝てばいいだけのことよ」
「和也の肉体じゃなくてもいいんだろ? もうそろそろ和也と肉体を切り離してくれよ。そうすり
ゃいくらでも、なんでもやってやらあな」
「あら、和也さんが憎くて、大嫌いだって言っていたじゃない。それに生憎だけど、今のところ
肉体提供者はいないわ。この試練を乗り越えないと転移する資格すらないのよ。転移は複雑
で高額なの。人面疽の三原則も守れないようではただの疫病神よ、切り取ってホルマリン漬
けになるのがオチ。和也を守ることがぴょん太の自由に繋がり、ひいては人面疽の偏見を払
拭できるチャンスなのよ。誓約書の中には患者の命は保障しないと明記してあるわ。そのか
わり代金の請求はしないともね。ただ、ぴょん太が黙ってホルマリンに漬かりたいって言うな
らまた話しは別よ。あっさり切り取ってあげるわ。つまり、選択が三つあるの。どれを選ぶの
もぴょん太の自由。これは和也さんには話していない真相よ。この治療塔の惑星はあこぎな
惑星なの。あなたが立派な人面疽になったら、他の惑星の権力者に天文学的価格で貸し付
けるの。どうするぴょん太ちゃん?」
501治療塔の惑星 5/15:2005/08/18(木) 21:29:48
「………」
「黙っちゃったわね。じゃあもう二、三、話そうかしら。まだまだ習得するレベルには達してい
ないけど宿主の肉体強化術というプログラムや、スーパー人面疽プログラムなんかがまだ残
っているの。立派に任期を勤め上げれば一つの人生をプレゼント。無脳症の子供に転移して
人の一生を経験できるのよ。ひどい話に聞こえるかもしれないけど、両者にとって幸運なこと
だと思うわ。無脳症の子供にも感情が確かにあるのよ、怒ったり、悲しんだり、喜んだりする
けど生きていくには困難なことばかり。それをこっそりサポートするのよ。共に生きる実感が
得られ、互いが互いを必要とする素晴らしい関係が築けるのよ。どう? 少しはやる気になった?」
「その後はどうなる」
「ううん、あなたが望むなら転移ができるわ。まあ、言わなくても分かると思うんだけど飴と鞭
の繰り返しだけどね」
「本当にあこぎだな! やってやらあな! 母さんに誓ったんだ人面疽の星になるってな」
「お母様は立派な人格者だったのね。あなたが前向きな性格だった理由がなんとなくわかっ
たわ」
「そうだおれは前向きな人面疽さ! なあ、ナターシャ一発やらしてはくれまいかね?」
「本当にエッチな人面疽さんだこと。あなたはまだ五十点なのをお忘れかしら?」
「なんでい! ケチくさいじゃないか。ふん、いずれナターシャからキスをせがむようにしてやらあな」
「ふふっ、随分な自信ね」
「じゃあ、もう一本お手合わせを願えますかな、師範先生」
「ええ、いいでしょう。手加減は一切ないと心得なさい」
「望むところであります!」
502治療塔の惑星 6/15:2005/08/18(木) 21:30:38
 最終試験の前に頼んでおいた、真ん中の窪んだ直径三センチ、厚みは三ミリの超硬度チ
タン合金(以下コイン)と、直径一ミリのステンレスボール(以下Sボール)三千個が入った袋
をナターシャから手渡してもらった。

 巨大な金属の扉を背にして、用心深く辺りの気配を探りながら先に進むぴょん太。
 物陰に隠れていた攻撃者は、隠れる場所のない位置にターゲットが移動したタイミングを見
計らって、何の躊躇もせず弾丸を打ち込んだ。かん高い金属音が連続して鳴り響く。
 ナターシャは、モニタリングルームでため息をついた。高速移動と、動体視力強化と弾丸の
軌道予想によって、あれぐらいの弾丸なら避けられたはずなのに。肉体強化術を過信してし
まったのだろうか? 不意を突かれてしまったのか? 攻撃者も旧式の拳銃をホルスターに
収めようと視線を外す。
 壁に張り付けになった蜂の巣の人体が右手を上げる。ナターシャはじっとモニターに釘付け
になる。攻撃者は、慌てて拳銃をターゲットにさだめようとして一瞬動きが止まる。攻撃者とぴ
ょん太の右の掌が、日差しの加減で視認されるピンと張った蜘蛛の糸のような残像で結ばれ
る。……前方にそのままの姿勢で倒れた。
 ぴょん太は静かに攻撃者の元に歩きだした。弾丸が高速で発射され着弾した瞬間、口で固
定した窪んだコインを高速で移動させ弾丸を弾いていたのだ。死んだと思わせ相手の隙をみ
てSボールを攻撃者に吹き矢の要領で打ち込んだのである。密かに鍛錬を積んだ甲斐があ
った。ぶっつけ本番で己の策が上手くいったことに胸を撫で下ろしていた。
 攻撃者の戦闘服を剥ぎ取り服を着替え、ズボンの裾を折り返し、攻撃者を仰向けにした。
開いたまぶたを、死者を悼むように上から下に掌でそっと撫ぜた。
「あと一人」
 ぴょん太はひとりごちた。
503治療塔の惑星 7/15:2005/08/18(木) 21:32:19
 おれは最後の扉を用心深く開いた。そこは畳敷きの天井が高い異様に広い空間だった。
 ここの主が仁王立ちでおれを迎えた。
「おう、奴はここにこれんかったか。残念じゃのう」
「ああ、そうだな。意外に呆気なかったよ」
「どうした? 声がかすれているぞ。風邪でもひいたか。ここで風邪なんぞ物笑いの種だぞ。
がっははは」
 しまった、声色を真似るには声をリスニングしなければならなかったのだ。反省、反省と。
「そうだな。ところで武器はどうした? もし奴がここに来たらどうしたつもりだ?」
「おかしいな。どうしてそんな事を聞く、俺の武器は我が肉体だぜ。……顔をこちらに向けて
みろ!」
504治療塔の惑星 8/15:2005/08/18(木) 21:33:17
 視線を巨漢に向ける。
「スタークだよなー。薄気味の悪い冗談はよせ――」
 スタークの顔から和也の顔にモーフィングした。先程、掌でスキャニングして、自身と和也の
顔を重ね合わせ変化させたのだ。スーパー人面疽プログラムの中では得意分野だった。
 最後の敵は、真っ向勝負といこうじゃないか。
「あんたの武器が肉体なら、おれも素手でやってやらあな」
 拳銃をホルスターごと部屋の隅に投げ捨てた。
「ほほう。体が鈍っていたところだ。楽しませて貰えるのかね?」
 おれはなにも言わず、戦闘服の上着を脱ぎ捨て、巨漢に突き進んだ。どうしたことだろう? 
彼奴は突っ立ったまま動かない。脚をなぎ払うようにスライディングをかますと理由を痛感し
た。鋼のような硬さなのだ。右足を局部強化していなかったらこちらの骨が砕けていたであろ
う。痺れの消えぬ足を引きずりながら起き上がる。
「なにか触ったかな?」
 こらやばい。作戦変更。高速でSボールを打ち込んだ。パラパラと畳の上にSボールが転が
る。手加減なしの渾身の連射だっただけに戦慄を覚えた。
 彼奴はロボットなのか? いいや、違うな。微かだが体臭を発している。そう、これは、えび
せんの匂いだ。
「素手じゃなかったのかえ? 拳銃を使ってもええで。ほら早よせい。ぼうや」
 もう引き返せない。すまない和也、母さん、ごめんよ。捨て身で鋼鉄のえびせん野郎に向か
った。もうほとんどたこ殴り状態でぼこられた。おれが鶏なら、おいしいピクニピカンの下ごし
らえが出来ていただろう。コインの出っ張りを外側に向け拳を受けていたが、彼奴はお構い
なしに殴りつける。三分間ほど続けたが、彼奴も一向に倒れないおれに痺れを切らせたのか、
おれを頭上高く掲げ、右手はおれの首に、左手はおれの膝を掴み、彼奴の頭を支点にさば
折りにしようというのだ。
505治療塔の惑星 9/15:2005/08/18(木) 21:39:54
 肉体強化術は局所に限られ、ほんの数瞬しか有効ではないのだ。おれは諦めず高速で和
也の肉体を移動して局部強化に専念した。背骨が軋む。なにか妙案はないものか? 彼奴
との接触面にSボールを打ち込んだが、まるで効かない。そうだ! 残りのSボールを接触箇
所に瞬間的に放出すればこの危機は逃れられるのでは? 彼奴の手元が緩んだ瞬間を見
逃さずに脱兎の如く逃げ出した。
 おれは意識的に、空気を貪るように吸い込んだ。
「なかなかやるなー。だが、この次はない。どうする? ぼうや」
 えびせん野郎は両手を擦り合わせ掌に食い込んだSボールをパラパラと払った。
「ちょっと待って貰えませんか? あなたはべらぼうに強い。そしておれはあなたに勝つか、負
けて死ぬしか道はありません。教えてもらえませんかね、あなたのお名前とその強さの理由を」
「冥途の土産に教えてやろう。俺の名はビッグ・ロブ。超強度の外骨格と、自分で言うのもな
んだが桁外れの筋肉が俺の自慢なのさ」
「ありがとうございます。おれの名前はぴょん太です。この体は借り物でして、無傷で返さにゃ
ならんのです。一応、人面疽の端くれです。全力でいきます。よろしく」
「ほう、礼儀正しい人面疽だな。ぴょん太という名なのか、かわいらしい名だな。だが手加減
はしないぞ、かかって来い!」
506治療塔の惑星 10/15:2005/08/18(木) 21:41:10
 突然、後方の扉が開いた。ナターシャである。
「そこまで! ぴょん太はよくやったわ。ここまでできたら合格点よ。ロブお疲れ、帰っていいわ」
「命拾いしたなぼうず。所詮、俺の敵じゃないってことよ。じゃあな!」
 ビッグ・ロブは、つまらなそうに扉に向かった。
「ちょっと待ってくれロブ! 勝負はついてないぞ!」
「なに言ってるの? ビッグ・ロブに敵うわけないじゃない! いいから、ロブ、行ってちょうだい」
「女が来たからって、粋がるもんじゃないぜ。命は大切にしろよ」
「女の指図を受けるのかよ。見損なったぜ、えびせん野郎!」
「ほう、安全圏から遠吠えか? 俺に勝てるとでも思ってるのかね?」
「もろちんよ!」
「ふざけないで! 和也さんがこれで助かるのよ。あなたが望んでいたことでしょう」
「ふざけちゃいないさ。あんな奴なんざ小指一本で倒してやらあな」
「そこまで言われちゃこちらのプライドにかかわる。かかって来い妖怪変化!」
「もういいわ! ロブ、止めを刺さない程度にね」
 おれはゆっくりロブに向かっていった。勝算はかなり低い。ある試みをしてみようと思ってい
るのだ。どうなることやら。

 巨獣に挑む仔猫のようなものだろう。仔猫は左手を差し出した。巨獣はくだらない挑発を受
けてやはり左手を差し出す。巨獣は仔猫の手を握りつぶすつもりだった。徐々に力を加え苦
痛を引き出そうとした。どちらも動かない。力が拮抗しているのか? ふいに仔猫が手を引っ
込める。巨獣は左手を差し出したまま銅像のように固まっている。仔猫はじゃれるように巨獣
に猫パンチをした。銅像が畳の上に転がる。仔猫はうなだれて部屋から出て行った。
507治療塔の惑星 11/15:2005/08/18(木) 21:42:16
「なあ、和也もう寝ちゃったかい?」
「んんー。なんだいぴょん太」
「すこし話さないか」
「僕はすごく眠たいんだよ。麻酔で一日中眠っているはずなのに、どういう訳か、身体中が筋
肉痛でくたくたなんだ」
「すまない。和也の体を借りて訓練をしているんだよ」
「訓練? まだ転移できないのかい? いい加減、出て行ってもらいたいよ」
「よく聞いて欲しい。君に選択権はないんだよ」
「なに言っているんだい! 僕は患者だぞ。僕の意思を尊重するのが筋ってもんじゃないか!」
「黙れ、糞餓鬼! お前の体なんざどうにでも操れるんだぞ」右手を和也の目の前にもってゆ
き挑発のサインにする。自身を掌に出現させ、和也を驚かせた。
「今からおれの経験したことを余さず話すから、よーく聞いてくれ」
 おれは昨日までの約半年の出来事を、感じたまま、できるだけ脚色しないように話してみ
た。もちろん、漏洩させてはまずい部分はモザイク処理をした。R15指定っていうやつさ。

「やるじゃないか! ぴょん太。でも、えびせん野郎をどうやって倒したんだい?」
「ああ、問題はそこじゃないんだ。必要のない危険に和也をさらしてしまったことを謝りたくって」
「えっ、全然問題ないじゃない。僕がぴょん太なら同じようにするよ、きっと」
「ありがとう。でも、人面疽の三原則に反しているのも事実なんだ。一歩間違っていたら和也
も巻き添えにして死んでいたんだよ。本当にごめんよ」
508治療塔の惑星 12/15:2005/08/18(木) 21:43:20
「……よく考えたら、僕はぴょん太を殺すためにこの治療塔の惑星に来たんだよ。ぴょん太
の話によると、僕らの立場はここでは逆転してしまったんだね。僕を生かすも殺すもぴょん太
次第なんだ。ぴょん太が立派な人面疽になったら、僕も鼻が高いってものだよ。僕こそ謝らな
くちゃいけないんだ。ごめんねぴょん太」
「いいや、謝らないでほしい。おれが和也の立場なら、こんな疫病神は追い出したいのも頷け
るからな。むしろここに連れてきてくれたことに感謝しているんだ」
「だって、他所じゃ法外な治療費を請求されるし、ここなら無料で治してくれると聞いたし、往
復の旅費まで出してくれるんだもの。あっ、ごめん。でも、どこで資金を回収するんだろうね」
「まあ、それはいいじゃないか。それよりもう一つお願いがあるのだけれど」
 おれは慌てて話題を変えた。おれの奉仕期間を知ったら罪悪感に苛まれるはずだ。これは
おれの問題なのだ。
「なんだい? なんでも言ってくれよ」
「おれの転移先なんだけど、そのー、和也のクローニング体を使ってもいいかな?」
「もちろんいいに決まっているじゃない。この体は僕のものでもあり、君のものでもあるのだから」
「よかった。よそ様の体に寄生するなんて、もうまっぴらごめんなんだ」
「あっはははははは」「あはははっはははは」
 この瞬間はシンクロ率が百パーセントになっていたに違いない。
509治療塔の惑星 13/15:2005/08/18(木) 21:44:23
「はい、これ」
 おれは大きな包みを、和也に差し出した。
「なんだい?」
「スタークから奪った戦闘服だよ。和也にはちょっと大きいけど、かっこいいんだぜ?」
「嫌だよ。死んだ人の服なんて。気持ちはうれしいけど要らないよ」
「見損なってもらちゃ困るぜ! 人面疽の三原則はきちんと守ったよ。昨日だって、スターク
に射撃の訓練をしてもらったんだ。スタークにとっちゃ縁起が悪いから要らないそうだ」
「へっ、そうなの? 僕はてっきり……じゃあ、遠慮なく。ありがとう」
「もう一つ心配事があるんだが。帰りは列車型の鈍行宇宙船なんだよ」
「いやーうれしいなあ! 帰りにいろんな惑星に観光できるなんて!」
「いやいや、そういうことじゃなく、旅費をけちっているんだよ。船員として酷使されるんだよ?」
「僕も、もうそろそろ十六になるからね。将来どうするか考えなくちゃならない時期だから、良
い機会さ! ぴょん太も一緒に帰れるんだろ?」
「いや、おれのような存在は、まだよその惑星では人権が認められていないんだ。おれはエ
リート街道まっしぐらなんで、気にするな。あと一つ、肉体強化術を和也の記憶に埋め込ん
だよ。じっくり記憶を探ればみつかるはずだからなにかの役立ててくれよ」
「本当にお節介だなぴょん太は。ぼくたち双子に生まれればよかったのにね」

     いま万感の想いを込めて汽笛が鳴る。
     いま一度、万感の想いを込めて汽車が行く……。

「ぴょん太、元気でな……」
「和也、詐欺には気を付けろよ! 歯を磨けよ! 毎日風呂に入れよ! 母さんの墓にはい
つも綺麗な花を飾ってくれよ! いつか酒を飲み交わそうぜ!!」
 我を忘れ、和也の乗った車輌を追って駆け出していた。
510治療塔の惑星 14/15:2005/08/18(木) 21:45:37
 さあ、これからが本番だ! あこぎなこの治療塔の惑星を治療するのだ。
 ビッグ・ロブも難病でこの惑星に来て、四十年もの奉仕期間を設定されていたのだ。
 ロブと数人の協力者を得て行動を開始した。
 おれにはまだ知られていない秘密がある。転移が複雑な光学機器でないと不可能だと思わ
れているが、三秒ほど相手に接触すれば相手に気づかれずに転移できるのだ。これを利用
してロブを倒したのだ。あの時は、一か八かの賭けだったのだが。しかし相手に気づかれず
に心理を変化させるのは難しい。どうしても一時的に乗っ取らないと計画が進行しない。

 計画を急ぎすぎたため、ロブとおれの計略が露呈してしまった。なんとか惑星外に逃げられ
たが、いつまでも逃げ続けるわけにはいかない。おれには頭脳プレイは向いていないらしい。
だが、ここで匙を投げるのは無責任だ。ロブたちを巻き込んでしまったのだから。
 母さん見守っていてくれよ、きっと人面疽の星を掴むから。

      思いこんだら 試練の道を 行くが男の ど根性
      真っ赤に燃える 王者のしるし 人面疽の星を掴むまで
      血の汗流せ 涙をふくな ゆけゆけぴょん太 どんと行け
511治療塔の惑星 15/15:2005/08/18(木) 21:46:45
 一方、転移したおれを捕らえたと思っている治療塔側では……。
 残念だがナターシャはおれたちの敵側に廻ってしまった。

「残念でした。これはおれの劣化コピーなんだ。おれは転移を自らの方法で見付けたのさ。な
おこの発言のあと、この肉体は五秒後に爆発する。ばいばいナターシャ、アディオス。4 3 2 1」
 ナターシャと、複数の監視人が慌てて一斉に牢から遠ざかる。しかし、額から人面疽がすっ
と消えただけだった。
 小さく折り畳まれた真赤な紙がぽとりと落ちた。ナターシャは広げた紙をみて苦笑するしか
なかった。
【君の唇を奪いそこなった。近いうちに迎えに行く。おれのかわいい仔猫ちゃん】
「自ら転移できるなら必要のない争いなのにね。正義を振りかざしたい年頃なのかしら? 万
全の準備をしてあなたを捕らえるわ。催眠を利用したらかなり有望な生体兵器になるかもし
れないわね」

「上官がお呼びです」
 失態を上の者に責められるが、ピンチはチャンスよ。

 振り返ったナターシャの膝小僧がにんまり笑っていた。
512ケロロ少佐:2005/08/19(金) 11:20:55
>>治療塔の惑星

力作ですね。楽しめました。人面疽を使ったSFって面白いアイデアです・・
過去・・無かったと思いますが? タイトルの治療塔の惑星って大江健三郎の作品にありましたっけ・・・

私としては・・・一人前になった人面疽くんと美人女性のナニのシーンがちょこっとあっても良かったかも

次回作も期待です・・・

私も近々1つ載せる予定・・

夏休みでココ普通では見れなくなっちゃいました・・・人大杉?夏休みだからでしょうか・・
513名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/19(金) 13:34:00
入り口でimodeの所から入れば専ブラ付けなくても見れるよ。
514名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/19(金) 23:02:49
ケロロ少佐さん

読んだこと無いSFを勝手に推測するスレ の「治療塔惑星」のタイトルをみて妄想してみました。
スレ違いになってしまったので、ここに投下したしだいです。

人面疽の話は菊地秀行のDが有名なのかな。あとは、姫野カオルコ「受難」にでてくる人面瘡の
古賀さんが笑えます。力作ではなく妄想乙が正しいねぎらいなのです。できるなら妄想乙カレー
ションといっていただきたかった。いためればいためるほどタマネギは甘くまろやかになるのです。
おいしいカレーを作る秘訣です。もっといためてくれないとおいしいカレーはできませんよ。
ちなみに冷えたご飯に、熱々のカレーが大好きです。逆は不可です。コンビニのカレーはもうち
ょっと考えてほしい今日この頃。ルーとライスは分けてくれー(SF板の辺境でカレーについて叫
ぶ愚か者)。

読んでいただきありがとうございました。
515ケロロ少佐:2005/08/27(土) 09:03:51
『容疑者 堺田新次』その1

2022年の今年、警視庁は庁舎内部の施設設備を大幅に改装した。同時に捜査部署の人材編成などもすべて、組み直し一新させた。
建物の外観には、ほとんど変更が見られないが、内部は時代にあわせた大進化をとげていた。その中の一つ、新設されたばかりの捜査課の一室。そこは取り調べ室と言うより、まるで最新の医療施設のようだ。
捜査台には固定された容疑者《堺田 新次》がいた。日本中を驚かせた事件。23名もの女性を猟奇的に惨殺した容疑者。
血液中に特殊な凝固剤をたっぷりと注入され目覚めたまま眠らされている。

『意識は完全に存在遊離しました。準備完了です。』と警視庁のメディカルスタッフが容疑者の脳とケーブルでつながれた捜査員《白木 斗志樹》へ報告・・・。
椅子に座った状態の捜査員《白木》は、ほどなく相棒の人工知能体の数値生命と撹醗(かくはつ)融合し人間以外の存在《ポインター770》となり、仕事に取りかかる。

2週間前に実施された第一回目の捜査の担当者は、記憶修復捜査に失敗して最悪の結果になった。容疑者《堺田》の記憶意識の世界に取り残され、行方不明。

この重要犯罪者に対しての最新捜査法は3ヶ月前に試験運用されたばかりのシステム。警視庁の科学捜査研究機関が脳内記憶地図の実存を発見し証明、そのすべての書きだしに成功したのだ。
516名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/27(土) 10:26:44
age
517ケロロ少佐:2005/08/27(土) 10:28:22
『容疑者 堺田新次』その2

2022年、電脳化や意識の抽出、保存、改変が有る程度実用化になった時代。犯罪、主に重犯罪の容疑者が逮捕を恐れ、何とかして逃れようと最新の脳科学を使い、ごまかしを試みるようになった。
つまり、犯行そのもの記憶を自分の脳の中から削除させてしまおうと試みるのである。それにより懸命な警察側の捜査にもかかわらず重罪犯人の検挙率が著しく難しくなった。
中には犯罪行為だけで無く自分のこれまでの記憶、想い出、意識などすべてを消してしまい、不完全だが作られたシナリオの人格データと差し替えてしまう容疑者も現れていた。
捜査する側もあの手この手で新たな方法をあみだす。そしてついに警視庁の研究機関が、今回のシステムを見つけた。
それは、どのように高妙に容疑者が脳の中を変え、消そうとも脳のシナプスの奥底には、消して、変えたハズのオリジナルデータの断片が必ず残っている事を証明した。

凶悪なこの事件の捜査経過は当然、全国で注目を浴びていた。となりの部屋からは、各テレビ局の報道取材プログラムの生命が取り調べ交渉を見つめている。
捜査官は、容疑者の記憶世界にもぐりこみ一つ一つ拾い上げ、くみ上げ犯罪の事実を《容疑者》に認めさせる職務を行なう。
捜査官《白木》は日本警察内でもわずかにしか、いない意識修復の資格と能力を持った人物。その中でも特に《白木》は容疑者の脳内マップから後遺障害の発生無しでの生還率が100%を維持している人物、3名の中の1人だった。

容疑者《堺田 新次》の意識世界に人間以外の存在《ポインター》の状態で侵入した《白木》。『正常に作動している。』と自分の存在を確かめた。
大きく心眼を開き付属器官の拾籍装置を目覚めさせ、感情弁を少しずつ開く。

ココは容疑者《堺田》の小学生時代の学校の教室だった。《堺田》の初恋の女性《南野ななよ》の姿を借りつつ交わりを開始した。
518ケロロ少佐:2005/08/27(土) 10:29:06
『容疑者 堺田新次』その3

『新次くん・・・新次くん・・・覚えていてくれて・・・いるかな・・・』《白木》は、そう・・・ゆっくり、3度繰り返し、話しかける。
相手の返事を待つ。しばらくして捜査官《白木》の心を震わせる波動が帰ってきた。
『な・な・よ・・・な・なよ・・ちゃん・・・??』よし!《堺田》の言葉が来た。
何回かやり取りを成功させ、世界に入りこむ。

この日、右手の中指にケガをした《堺田》。小さく裂けた皮膚から流れる赤い体液。《南野ななよ》が自分のバックからバンソウコウ取りだした。『新次くんこれ使って!』
たぶん、この事は《南野ななよ》本人にとっては、どうという事も無い一つの出来事にすぎず本物の《ななよ》は覚えてもいないハズ。
犯罪に至るまでの《堺田》は、28年間の生活の中で虐げられ蔑まれて生きて来て追い詰められて過ごした。
そんな中での唯一というべき他人から受けたホンのわずかな小さな小さなやさしさ・・・・の思い出・・・・しかも初恋の相手からの・・・・

今回の使命の一つは完全に記憶を消滅させている、容疑者の脳内から23名もの女性を猟奇的に惨殺し最後の28人目の殺人が行われた8月28日の犯行時間帯の記憶拾籍にある。
捜査官は研ぎすまされ、極限までにピュアにした精神で対話を交わしてゆく。
《南野ななよ》との小学生時代の経験を通し何とかきっかけをつかみ、記憶の呼び戻しと組み立てを行う手はず。『よし!メドがたってきた。』

人間の脳の中の意識記憶世界は不思議だ。
受精し母の体内に命を発生させ、やがて生まれ出る。意識が芽生え、ヒトとして成長して行く課程でさまざまな感情のユラギを経験し蓄積を繰り返す。
《堺田》は無関心な両親のもと、劣悪な家庭環境で育ち偏った感情を蓄積させて過ごした末、すべての異性を対象に恨みを持つに至った。
《ポインター》である捜査官《白木 斗志樹》は、23名もの女性を惨殺して終わるこの28年間の人生を一番近い位置で感じた。
519ケロロ少佐:2005/08/27(土) 10:29:36
『容疑者 堺田新次』その4

捜査が始まり実時間で286分後、《南野ななよ》の姿を借りた私と小学生の姿の容疑者《堺田》は、本物の涙を流し号泣していた・・・そして大切な何かを涙と共に洗い流せたような気がした。

ついに容疑者《堺田》は、消去されていた自分自身の存在の部分を取り戻し、人の命を奪った事実を認めた。
《南野ななよ》と《堺田》は、別れのあいさつをした後、装置との接続をすべて解く。捜査官《白木 斗志樹》は解放された。

いつものことだが、接続解除の後は、かなり危険な精神状態。すぐに専用の処置をほどこす為に捜査官《白木》は、となりにある集中治療室へとモウロウとしたまま搬送させられる。
治療が行われ、状態が安定した所でテレビ局報道陣の複数の各社取材プログラム生命が捜査官《白木》に襲いかかる。
力をふり絞り、《白木》は、人工知能レポーターの差し出す質問を仮想のマイクとカメラに向かい最後の任務を果す。
『取り調べは有効でした。《堺田》は、私を受けいれ消されていた犯行事実の記憶断片を復旧させてくれました。』このライブ放送を見ている多数の人間に向かって話しかける。
『皆さん、《堺田》の犠牲となった23名の尊い生命の冥福を共に祈りましょう。』
《飯美》はミテきたのだ。女性23名の絶命の刻(とき)を。犠牲者の瞳の奥から命の光が消える瞬間を・・・
哀願し涙を流してもなお、冷酷に冷静な残忍な心で殺人行為に及んだ《堺田》の心を通して・・・・
520ケロロ少佐:2005/08/27(土) 10:30:09
『容疑者 堺田新次』その5(終)

こうして《堺田》の関係した23件の犯罪は、すべて記録として甦り、司法の場での法の裁きが行われ、罪が確定する事だろう。
犯罪者《堺田》には厳しい判決が待っているだろうが・・・

最近、この捜査方法の新たな効用が判明した。
開発段階では誰もが予想も出来なかった素晴らしい作用。捜査官により拾籍され組み立てられた修復後の犯罪者の精神には、清らかな癒しをほどこされた心が宿っているらしいのだ。
いずれこのシステムが改良されれば社会は・・・ヒトの心は・・・変われるかもしれない。

3週間後、更なる重大な大仕事をに取り組む《白木 斗志樹》がいた。2ヶ月前に発生した原子力発電所の爆破テロ容疑者の取り調べだった。
この件は、国家プロジェクトで進行、《白木》含め2人の捜査官の参加が決まっている。
失敗は許されない。今回の取り調べは世界的にも注目されている。
拾籍と組み立て作業には今回から開発されたばかりの新対処法をぶっつけ本番で使用。
今度ばかりは私もこっち(現実世界)に戻ってくる自信がない。他の捜査官の表情も同じ気持ちを示している。
覚悟を決めた私達3名は、装置を目覚めさせ、すっかり別人格へとかわってしまっている爆破テロ容疑者の脳へ。
それぞれの相棒である人工知能体の数値生命と撹醗(かくはつ)融合し人間以外の存在の《ポインター》となり、仕事に取りかかった。

それは・・・残っているハズの本当の記憶の・・・ヒトのココロのカケラを探す仕事・・・・
521名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/27(土) 14:09:50
age
522ケロロ少佐:2005/08/27(土) 14:13:35
>>519その4の部分修正ありスミマセン

<間違い>
『皆さん、《堺田》の犠牲となった23名の尊い生命の冥福を共に祈りましょう。』
《飯美》はミテきたのだ。女性23名の絶命の刻(とき)を。

<正解>
『皆さん、《堺田》の犠牲となった23名の尊い生命の冥福を共に祈りましょう。』
《白木》はミテきたのだ。女性23名の絶命の刻(とき)を。


捜査官の名前を変更した時、一箇所直し忘れてしまいました・・・
523名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/28(日) 03:01:43
ケロロ少佐殿

惜しい、勿体ない。
捜査官と犯人のやり取りが、この話の山場だと思うのですが、おいしいところがバッサリ抜け
落ちている気がする。まず、捜査官が、犯人の幼少時代の女の子に擬態する辺りの掴みは
OKだが……サイコダイブ? 電脳? ならではの何かを援用しつつ犯人の心に揺さぶりを掛
けて欲しかった(具体例は挙げられないが)。また、ここで捜査官白木ならではのテクニックや、
強靱な精神を演出できたらグッと面白くなると思う(勝手ばかり言ってすまん)。
アイデアは良いのだから、じっくり煮詰めていただきたい(えらそうだな)。

ちょwwwwwまじめnwwwwwwwえらswwwwwうぇwwうぇwwwwwww
524名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/29(月) 01:34:38
age
525ケロロ少佐:2005/08/29(月) 01:36:07
>>523さん 感想ありがと

>捜査官と犯人のやり取りが、この話の山場!!

ですよネ!!そういえば・・・・昔・・・キャプテンエスモニーの時も同じような指摘受けたなーー
会話というかセリフのやり取りを書くのが苦手なのでどうしても無意識に避けてしまいます。

まあ・・・構成力が無い私は、これ位のお話の長さが限界で・・・・・
私の書きたかった社会背景の説明でかなり枠内を消費してしまってます。

SF板が人大杉状態なのでimodeの所から書き込んでいる為、何かと不便です・・・・
526ガイタ伯爵:2005/09/05(月) 01:03:03
『別次元の部屋』


 前日の徹夜での内職がたたり、目が覚めたときには時計の短針が11を過ぎ、
真夏の日照りが窓のカーテンの隙間から差し込んでいた。
私はベッドから抜け出ると、重い頭をかきむしりながら廊下へのドアノブを
掴もうと右手を出した。
すると私の右手は空を掴み、ドアの表面を掠った。
呆気にとられて手元を見ると、ドアノブがあるべき位置に存在していない。
壊れて脱落したのかと思いきや、ドアノブを取り付ける穴や接着跡のようなものも
ないのだ。
訝しがりながらドアの周囲を見渡すと、何とドアの縁が見当たらない。
木製のドア板を目で周囲の壁の方へたどってゆくと、気がつくと白い壁紙を見ている。
白い壁紙からドア板の方に目を移してゆくと、いつの間に壁は薄茶の板に。
白の壁紙と薄茶のドア板の間を凝視してみると、絵の具を混ぜたように、
茶と白が自然に変色している。
指先でなぞってみると、髪の毛一本の隙間もなく滑らかに繋がっている。
私は苦笑いをして、ドアを離れてベッドに飛び込んだ。
どうせ夢の中ならもう一眠りするか。
やがて私の意識は薄れて、ベッドの中へ沈んだ。
527ガイタ伯爵:2005/09/05(月) 01:25:00

 次に目が覚めたとき、部屋はすっかり薄暗く、枕元の時計によれば午後6時を
5分ほど過ぎたところだった。
すっかり一日を寝て過ごしてしまった事に、強い焦りと苛立ちを覚えた私は
すぐにベッドから起き上がり、ドアの前へと這い出した。
と、そこで私は足をすくわれたような気分になってしまった。
その木製のドアは、とても使い物になるような代物ではなく、壁に埋め込まれ
た単なる長方形の板でしかなかった。
そればかりかさっきよりも、ひと回りドア板が小さくなっている。
まだ夢から覚めていないというのか。
しかし、私の直感はこの部屋が夢であることを決して認めようとはしなかった。
なにが原因でドア板が壁にめり込んでゆくのか。
次の瞬間、私は氷水をかけられたようになった。
ドア以外の変化が見られないため、保身に関して無関心になっていた。
どのようにしてこの部屋から出れば良いのか。
528ガイタ伯爵:2005/09/05(月) 01:51:26

 唯一の窓際にある木製の書き物机と、白いシーツのクッション付きベッド、
その脇にある電話の台にゴミ箱以外は何もない、白い壁紙の小さな部屋だ。
ドアは窓の反対側にある。
寝室はマンションの7階に位置しており、窓は川に面している。
私は窓際に立ち、カーテンをめくった。
両開きの窓は熔けて癒着し、再び固まったかのように不自然に壁と一体化し、
開閉はとても望めなかった。
極度の不安が私の理性を鈍らせた。
私は書き物机の椅子を両手で持ち上げ、窓ガラスを叩きつけた。
椅子はそれ以上の力で跳ね返り、私は頭をぶつけ再び意識を失ってしまった。
529名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/07(水) 12:23:02
ガイタ伯爵

>私は頭をぶつけ再び意識を失ってしまった。
ここで〆ているけど、なんというか締まりが悪いと思った。その後はどうしたんじゃー、といいたい。
三人称で〆れば問題無しなんだけど、それじゃつまらない。続きを描けそうならぜひ。
それよりも聞きたいのですが、アイデアはどんなキッカケなんでしょう? 夢? 妄想?

俺的妄想補完(怒らないでくれw)

再び目覚めた私は、ズキズキと痛む額をさすりこぶを確認した。なんだろう? このぬめりとした感触は?
床が粘液で満たされている! 私は慌てて起き上がりソファーに飛び乗った。背中がヒリヒリする……洋服
が溶けている! 後頭部を触ってみるとごっそり頭髪が抜け落ちた。私はぼろぼろになった服を脱ぎ捨てた。

中略

ここより先は女である私たちしか進めないらしい。なんでも男性がこの粘液を潜ると数瞬で溶けてしまうらし
いのだ。粘液のトンネルを抜けると、そこには巨大な球型のカプセルが無数に並んでいた。そのうちの一つ
に私は入っていった。なんと言えばよいのだろう、入り口はないのだが、そのカプセルに触れると何の抵抗も
なくすり抜けられるのだ。割れないシャボン玉のような感覚だ。しかし中に入ってしまうと出るのは不可能なよ
うだ。どんなに強く叩いてもゴムのような感触で無駄だった。私は諦め携帯電話をビニール袋から取り出し掲
示板に書き込みをした。今、あなたが読んでいるこのレスです。以下は私の推測です。書き込んだ後は電池
切れになって捨ててしまうでしょう。ですからここからは妄想になります。きっと私は卵子になったのだと思わ
れ、企業戦士の働いているビル男と交尾をするのでしょう。そして試練を乗り越えた男性が精子となり私たち
卵子に群がる事でしょう。精子となった男性はどんな姿なんでしょう? 全裸で片手に槍、脚には鰭が付いて
いるのでしょうか? 信じられません! キモ過ぎます! でもでも、ちょっと見てみたい。そして私の為に争い
が起こるのです。もうたまりません。そして二人は融合するのです。ビル女になるかビル男になるか神のみぞ
知るのでしょう。とにかく立派なビルに育てましょうね。未来の あ な た 待ってまーす☆
530ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:47:47
実は先があるのですが何故か書き込めなくなってしまって・・・。
下に続きを書き込みます。
531ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:48:25

 再び目を覚ましたとき、辺りは暗く闇に包まれていた。
私は床に仰向けに倒れ、天井を虚ろに見つめていた。
どこか遠くの方から赤子の声が聞こえる。
額に手をやると腫上っており、ひどい頭痛がする。
目の前を凝視すると、黄金の仮面がうっすらと浮かび近づいてくるように見える、
あの闇特有の感覚に襲われた。
ゆっくりと部屋を見回すと、窓の外から青白い薄明が差込んでいることに気が付いた。
その光で今が午後11時21分である事を確認した。
私は右手を床につき立ち上がると、吸い込まれる様に窓際に這い寄り外を覗いた。
その時見た光景が、後の私の精神の平穏に永遠に終止符を打ってしまった。
532ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:50:36

 かつて窓の外には、大きな川が静かに流れていた。
川の向こう岸には落葉高木が延々と並び、アスファルトの公道がうねり、
気高き我等のオフィスビル群が空へ向かってそびえているのを目にした。
空は広く、雲が泳いでいた。
ところがそういった人類の営みは、痕跡さえ残さず一切灰燼に帰していた。
今空は火炎の様に赤く、黒煙の様な雲が低く垂れ下がり太陽の光を遮断している。
その赤い空に、巨大な古代の翼竜のようなシルエットが群れている。
川は病的なサフラン色で、時折腐った流木や得体の知れない有機物を
覗かせて北方へと流れていた。
巨大なビルが佇んでいたと思しき一体には、
黒い葉を持つ暗緑色の巨木が、原色に近い黄の樹液を垂れ流しつつ密生していた。
繁茂し大地の生気を吸い尽くしているそれらの巨木は、
高いもので200メートルには達すると思われた。
その魔界のジャングルの深奥から、青白い脅迫的な光が放散している。
光の周りには人間の赤子のような声で、この部屋まで届くほど高く鳴く、
異様な黒い塊が群がっていた。
これで窓から差込む青白い光と、赤子の声の正体が分かった。
その光を目にした私はその場に崩れ落ち、狂気を抑えるのに腐心しなければならなかった。
533ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:52:16

 しばらくして気分が幾許かでも落ち着いてくると、私は窓際から這うようにして後退り、
ドア横の電灯スイッチに手をやった。
ドアは今やモナリザの絵画ほど小さくなってはいたが、スイッチはその異常を免れていた。
ただしいくらスイッチを弄ろうとも、天井の蛍光灯は沈黙を続けていた。
窓から差込むわずかな青白い光を頼りに、机の抽斗の中の箱から非常用の蝋燭を取り出し、火を点した。
この行動が私の動悸を高める事となった。
これまで幾度となく蝋燭を使ってきたが、どれも赤い火が先端で揺れる様に燃えていたと記憶している。
ところが今回は緑色であった。
何らかの化学薬品を混合しさまざまな色を呈す蝋燭がある事を私は知っており、
この蝋燭もその例にもれないのではないかと考えたのだが、書き物机の上に唯一あった
紙片を燃やしたところ、この説はしっかりと否定された。
ここで私は大気中の元素の構成までもが変化していることを確信した。
私は蝋燭を燭台に差込み床に置き、ベッドに寄りかかり床に座した。
534ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:53:13

 揺れる蝋燭の火をぼんやりと眺めながら、私は独り夢想にふけった。
元来隠遁生活を送っていた私は、とりわけ思うべき友人や愛人もなかった。
昨夜まで送ってきた日常生活が、急にこの悪夢から目覚めて再びはじまるという期待も捨てた。
ただ何がこの世界を変えてしまったのかを知りたかった。
ドアが縮む原因も。
時計を見ればそろそろ日付が変わろうとしている。
飢えも渇きも不思議に無い、ただこの小さな部屋から出たい。
こういった考えを延々と続けていると、ふと気付く事があった。
私は息を殺し、一切の身動きを止めて、なくなりかけている蝋燭を見つめた。
そして掌ほどになったドアを見て、振り返り窓のほうを見た。
自らの心臓の鼓動が俄かに早まるのが分かった。
揺れている、無風の部屋で蝋燭の火が風を受けて揺れている。
どこから……。
しゃがみ込んで頬に受ける微風を感じ、その方を見るとベッドがある。
両手でベッドを押しずらすと床に1メートル四方の四角い穴があった。
穴は、腐って苔の生えた木の板で舗装され、鉄製の梯子が一つの面に取り付けられている。
そしてはるかな下方へと続き暗い闇の中へ消えている。
無謀と思われるかもしれないが、その穴を降りて行く以外その時の私に何が出来たというのだろう。
535ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:54:25

 決して永遠の底へ沈むなどという事はなく、やがて梯子は別の部屋の床で途切れていた。
私が辿って来た四角の穴は、第二の部屋の天井の穴へと繋がっていた。
私が辿り着いた部屋は自宅と同じ構造のキッチンで、マンション内の別の人間の部屋のようだった。
置かれた備品や食料が多少違うので、3つほど下の階の住人のキッチンのようだ。
それでも部屋は暗く、窓からの眺望は相変わらずダンテもかくやの地獄であるし、出口も存在しない。
流し、レンジ、コンロや物置の繋がったシステムキッチンが部屋の片側を占め、
反対側には冷蔵庫や食器棚が並んでいる。
行き止まりだと考えた私は、思うこともなく冷蔵庫を開けてみた。
そこには食料が詰まっている代わりに、先が闇に消えている四角い穴が続いていた。
今度は気が遠くなり、いくらか逡巡した。
それでも他に道はないからには、気分が落ち着き次第何かをせずに入られなかった。
冷蔵庫の奥へと進んで行くと、畳張りの応接間に出た。
振り返れば私が出てきたところは、何と押入れの下の段であった。
二つ驚いた。
ひとつは私のマンションには畳張りの部屋はないという事で、もう一つは部屋の中央にいる男児に。
536ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:55:17

 泣きながら走り寄ってきた子供を、私は月並みな言葉で慰めた。
子供の話では、遊びつかれた彼はこの応接間で母親に寄りかかって眠ってしまい、
やがて目が覚めるとこの有様だったということだ。
自分の身の安全もままならない状況で、子供の存在がお荷物でしかないと思われるかもしれないが、
その時の私の孤独感に際してみなければ、どれほどの慰めとなったかお分かりになられないと思う。
子供を連れた私は、30キロのおもりを負ぶって部屋の片隅の梯子から天井の穴の奥へと上って行った。
それからしばらくは特筆するような事柄は起こらず、さまざまな部屋を通り抜けひたすら進んでいった。
ある時は、本棚の裏からクローゼットの中へ、机の下から換気ダクトへと……。
一言注意しておくと、進んでゆく中で子供が不安感をあからさまに示し始めたので、
一部屋前の子供部屋にあった玩具を取りに戻ったとき、そこは既に子供部屋ではなかった。
つまり一度穴を抜けると全く別の空間に辿り着くような構造になっているのだ。
また、かつて通った部屋に辿り着くことも何度かあった。
537ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:56:40
10
 どれほどの時間が流れたのか分からない。
なぜならどの部屋の時計も狂っていて、ばらばらなのだから。
ある時私は梯子を降りると、かつて来た畳張りの応接間に来たことに気が付いた。
負ぶっていた子供を床に下ろし、こった首を回した。
一瞬目が離れた隙に子供は床に伏していた。
静かな寝息を立てており、この行動の早さに苦笑しかけたとき、私は急に悪寒を感じた。
視界の右脇で子供が震えていた。
中央では子供が心地よさそうに眠っている。
はじめ私は状況が把握できず、両者を見比べながら後ろへ退いた。
眠っている子供が目を覚まし、横になったまま私のほうをぼんやりとした目で見つめた。
それから彼が、立ち尽くし震えている子供……というより彼自身に目を移した瞬間……いや、止めよう。
ただ云うならば、皮膚が剥け肉が飛び出し、五臓六腑を振り撒きチーズのように溶けて
畳に染込んだおぞましい二つの死体から逃げるように、私は部屋を出た。
538ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 00:59:37
11
 まず私は子供が自らを認識したと思われる瞬間に、件の現象が生じたという点に着目した。
私と出会う前に子供は眠っていたというから、眠っていた子供は私の伴っていた子供の過去の
姿と考えられる。
あの部屋は私の辿り着く前の部屋だったのかもしれない。
だとすればあのまま応接間に留まっていれば、やがて来る自らの過去とも出会ってしまい、
私も恐らく同じように……。
しかし私がはじめに応接間に辿り着いたとき、子供は生きていた。
そして子供を伴い次々と部屋を回ったという記憶が私にある。
だとすればあの眠っていた子供は別の子供なのではないだろうか。
別の似たような空間で似たような子供と邂逅したというのが真実なのでは。
そうした場合、空間同士を繋ぐ物は一体何なのか。
あの穴は時空同士を繋ぐ管の様な役割を担っているのか。
確かに荒唐無稽な仮説ではあるが、それ以外に何が考えられるのだろう。
専門的な知識を一切持ち合わせない私の、精一杯の仮説なのだ。
539ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 01:00:22
12
 自説を信じようが信じまいが、私は本能的に自らとばったり鉢合わせる事を恐れた。
子供の出来事があってからは慎重になり、穴を抜ける折にはもう一人の自分に認識されない様に
気をつけた。
もし自らを少しでも見かけたならば、即座に穴に這い戻ることにした。
同じ部屋を何度か通ったが、幸い自らを見かけることはなかった。
やがて私は穴から這い上がり、監獄の様な場所に出た。
囚人を押し込めておく牢屋の中の様で、檻が邪魔で外へは出られない。
もう一つの穴は牢屋の対角線上の天井にあった。
檻の向かいには同じ様な檻があり、その横にも檻が、延々と連なっていた。
牢屋の反対側の小さな強化ガラスの向こうには、あの恐ろしい荒涼とした領域が覗ける。
自室で見たときとは違う地域らしく、海が…沈黙の海があった。
海水は不自然なほど真青で、細波さえ立てずにゆっくりと移動している。
はるか水平線の向こうには日食の様な黒い太陽が赤い空に浮かんでいる。
灰の様な砂浜には人間のものではない無数の骨が打ち上げられており、
その間を2メートル程の青紫の斑点をつけた橙色の海鼠が這っている。
海鼠は這ったそばから自壊し、ヨード色の粘液の血と肉隗の轍を作っている。
陸の方向、即ち黒い太陽の反対側は、薄暗くなっており明らかではないが、
黒い巨大な山脈が禍々しくそびえていた。
眺望はあまりに悲惨であり、これ以上詳細な描写を試みるつもりは毛頭ないが、
おそらく強化ガラスの外部の大気は、人間にとって致命傷であろう事は明らかだった。
540ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 01:01:15
13
 軽い眩暈が治まると私は梯子を上り、この監獄を後にした。
それまでして来た様に暗い穴を抜けると、おかしな事に穴の出口がなかった。
行き止まりである、それでいて青白い微かな光が見える。
完全な袋小路ではなく、何かで穴が塞がれている様だった。
片手で力を込めて天井を押してもびくともしない。
ところがやや横に押してみると、多少手応えがあった。
相当な重さだが両手で出っ張りを掴んで横に引き摺ると、いい塩梅に天井が動いた。
とにもかくにも滑り落ちないよう気を付けつつ、苦心して何とか天井をどけると、
それがベッドである事に気が付いた。
思い当たる節があった。
恐ろしい震えと、動悸の乱れ全身を襲った。
恐怖で数分間その状態のまま凍りついていた。
やがて我に返ると、ゆっくり穴を引き返そうと梯子を下った。
3段も下らない内に足が硬い平面に触れた。
足で穴の中をまさぐったが、床の様なものが出来ており引き返すことが出来なくなっていた。
汗が目に入って沁み、息苦しさが増し、咽喉が乾涸び、手足の震えが止まなくなった。
541ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 01:02:34
14
 今私は自らの寝室の机でこれを書いている。
書き物机にはなぜか机上に載った紙片以外に書き記せるもの見つからなかった。
だからこの一枚に今まで私が体験したことの一切を、こうして書き綴ってみた。
といっても読まれることがあるかどうかは決して分からないのだが。
窓の外は気のせいか荒廃の色が更に深まったようにも思える。
それでも相変わらず、翼竜や赤子の声をした得体の知れないものが跋扈している。
川も理解の範疇を逸した有機体を伴い、南方へと流れてゆく。
あのジャングルの深奥からの青白い光は何だったのか、私にはついに分からなかった。
四角い穴の秘密も明らかにすることは出来なかった。
なぜならあの穴は、今はもう完全に埋まってしまったからだ、ベッドの下はただのフローリングの床だ。
ドアはもう無い、窓も開かない。
そろそろ私の生涯もこの手記とともに終わろうとしている。
私のすぐ横には椅子と私自身が転がっている。
どう見ても普段鏡で目にする私自身なのだ。
そろそろ時計は時刻11時21分を知らせようとしている。
空が赤い、部屋は暗い。
短針が21を。
空は赤い。
暗い。
542ガイタ伯爵:2005/09/09(金) 01:03:47
後記
 都内のマンションで起きた失踪事件からもう随分になる。
個人的に彼と関係のあった私は、彼の失踪事件に関して比較的詳しく知る事が出来た。
不審に思った管理人が彼の宅に入ったとき、ドアは全く動かなかったという。
仕方なく業者がドア部分を打ち抜いた所、寝室のドアは内側からセメントの様なもので埋められており、
窓はバーナーか何かで溶接されていたという。
これらは外部からでは一切不可能な作業であったというが、
同時に設計士も両者以外からの寝室への、人間の出入りの可能性を硬く否定した。
書き物机にあったこの手記は、一見真実らしき様相を呈してはいるが、
彼が描写する窓外の景色や、寝室の描写に手記のはじめの方と終りの間に多少矛盾がある。
この手記は彼が狂人であったという見解を世間に与えるのみであったが、
それならば彼はどこに消えたというのか。
今でも一部の関係者の間の心の凝として、この謎は生き続けているのである。

543名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/09(金) 17:34:40
はげしくつまらん
544ケロロ:2005/09/09(金) 18:29:46
少なくともSFでは無いかも・・・
文章力はある人なんだが・・・もったいないです。
次回作、も少し短いものお願いします!
545名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/09(金) 22:01:58
9月11日の衆議院議員選挙記念で! ↓ こんな作品創って見ました・・・
546ケロロ少佐:2005/09/09(金) 22:03:48
『選挙へ・・・』その1

午前10時、仮想世界に現れた学生《柳沢 美樹》は、歩きなれた街を通常の徒歩モードで移動していた。
彼女は、リアル世界と、この数値世界にそれぞれ存在する二つの大学に通学する18歳。
大学の有る寿町駅で下車し駅前のロータリーを歩いていると頭上に大きく自分の名前を表示させた、見なれた男(アイツ)がいた。
涙が出そうな程、完璧な笑顔の男が私を見つけ歩み寄る。
『あちゃー見つかっちゃったョ!』
『柳沢 美樹さん。やっとあえましたね!』と話しかける。与党、遊民党の衆議院候補《市谷 拓哉》のヤロウだった!
あきらめて覚悟を決めた私は、熱い・・・熱っつい思いがタップリコモッタ握手を受けてしまう。
で・・・改めて《市谷》の顔を仰ぎ見る。笑顔のソイツは確かに《市谷 拓哉》だったがどこか違う顔・・・・
そうだ!ワタシモードにカスタマイズされた顔なのだ。つまり私好みのマスクが混ざりあわされていた・・・
私が大好きなタレントが《友永 葉》というデータが解析されていて、この出合いに反映されているのだ。
547ケロロ少佐:2005/09/09(金) 22:05:18
『選挙へ・・・』その2

くやしいが、そこには、今、ときめいて感動しながらコイツの政治主張を聞いている私がいた。
『あ・・あ・なたには、一つ前の駅前でも会いましたよ・・ネ。』と・・顔を赤らめながら私は、何とか言葉を返した。
だが、わかっていた。選挙期間中のこのタイミングでの候補者との遭遇。
つまり、空間出現率は、選挙違反では、ないことを。

3週間前、現総理の《秋峰 京一郎》が死にモノ狂いで今国会で可決させようとして失敗した《老齢者保護法案》。
結果、この衆議院解散総選挙・・・・で・・・・こうして私は今、候補者ドモと握手しているのだ。

75歳を越えた国民を例外無くデータ意識化させ、増えすぎた おじいちゃん、おばあちゃんを生きたまま、もう一つの仮想日本国へ移住してもらおうとする《老齢者保護法案》。
実現すれば、国の財政を圧迫しつづけている75歳以上の老人医療費、年金支給をほとんどゼロにかえることが出来る。

現代版 姨捨山(おばすてやま)と悪名高い法案だった。
548ケロロ少佐:2005/09/09(金) 22:07:22
『選挙へ・・・』その3

《柳沢 美樹》は、大学からの帰りの道でも、もう一人の候補。野党の協国党候補《浜崎 やすよ》の笑顔攻撃をくらった。
このオンナは、大好きな私のおばあちゃんの顔データが反映されていた。
一駅電車で移動。2匹目の《浜崎 やすよ》候補の出現率の直前に何とか接続をオフさせて、リアル世界へ戻る事が出来た。
非接触型の頭部認識装置を外し、立ち上がる。
《老齢者保護法案》で使用される仮想世界は、実用化されている、私が今いた空間の存在感覚とは比べようも無く完璧な世界だと聞いているが・・・

夕方になり自宅へ戻る。
遅くまで働いている両親は、もちろんまだ戻っていない。
玄関に近づくと私の家の人工知能《トモナガ・R1064》が私を見つけドアのロックを解除してくれた。
中に入ると晩ご飯のおいしそうな匂いを感じた。今年、81歳になるおばあちゃんがいつものように待っていてくれた。
そして私とおばあちゃんは、楽しく会話をしながら食事をする。
大学で私は、高齢者社会の持続的運営システムの構築法を学んでいる。
今回の現代版姨捨山(おばすてやま)法案については、専門分野の学生として思いは複雑だ。
今の日本には、正直言って必要なシステムなのだ。致命的なデメリットも有るが・・・メリットも・・・有る・・・・

法案が施行されるともちろんウチの81歳になる大好きなおばあちゃんもデジタル化されてアッチへ行ってしまう。
決して体が丈夫では無いおばあちゃんは、いつもどこかしら体の痛みを感じ日々、生きている。
痛みも病気も経済的な心配も必要無い世界に行くことは、どうなのか。
幸せな事なのか・・・やはり違うのか・・・
549ケロロ少佐:2005/09/09(金) 22:08:41
『選挙へ・・・』その4(終)

『ミキちゃん。どうしたんだい!ぼんやりして・・』と大好きなおばあちゃんは、私をいつものようにやさしい笑顔で見つめてくれていた。

19時50分、65インチの双方向テレビの端末には、最後の与党側の選挙用、コマーシャルが映し出されていた。
そこには、二人の男が微笑みながら手を振っていた。
この法案を《秋峰》総理と共に初期から提唱し続けたもう一人の政治家、元 厚生労働大臣の《高斎 厳蔵》(87歳)と《老齢者保護法案》で採用される予定だったデータ意識化システム技術の開発責任者の《羽半》博士(84歳)。
この二人は特別な法的処置でデータ意識に変換され一足先に仮想日本国に住んでいる住人。
今見ているのは仮想日本国からのライブ映像だった。
30歳ほど若返った元気いっぱいの二人の男は、デジタル作成された人工知能の若い女性と楽しく手をつなぎながら美しく光り輝くユートピア日本の作り物の街を楽しく歩き続けていた・・・・
そして画面には聞きなれた言葉が流れる。

『あなたは、どちらを選択しますか!つらい世界と何でも可能な世界!』・・・・と。


午後8時を過ぎ選挙活動が終了した。明日は、いよいよ投票日。
私は、どんな決断を下すのだろう・・・・
550名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 21:35:56
電脳など逝かずにあの世に逝ったほうがいいよ。

きみまろ「あの世は良いところなんですかね?」
じいさん「あの世は良いところに決まっとる。なにしろ誰一人戻ってきた者はいないんじゃからな」

     なにしろ誰一人戻ってきた者はいないんじゃからな

     なにしろ誰一人戻ってきた者はいないんじゃからな

     なにしろ誰一人戻ってきた者はいないんじゃからな
551名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/25(日) 02:34:17
誰か書いてけれーー
552ケロロ少佐:2005/10/18(火) 01:54:11
『所有されるもの』その1

暖かい爽やかな風が吹く惑星《アーミ》。風も花も草木もすべてが語りかけていた。水も土もすべて・・・・そこに住むすべての生き物も・・・・
だが《ヒト》のみが違った言葉を唄っていた。

『逢いたい・・・いつものように・・・いつもの所で・・・・僕達の ふ る さ と・・・・地球の話しをしよう・・・・』
《ヒト》で固体名《カナムラ ナキ》は、受取人の《マキタ ヤヨイ》の実存を想いうかべ意信を飛ばし、逢いたい気持ちを唱えた。
《ナキ》は、最近やっと補助器具を使ってであれば遠く離れた《ヤヨイ》へ意志伝達を唱えることが出来るようになってきた。
今日の俺は、何だか気分が良かった。頭がハッキリとしている。いつもは、何をするにもモヤがかかったようで動きが鈍いのが自分でもわかる。

弾力性のある道を《ホーベ》種族の若者《マキモ》が浮き歩きでゆっくりと移動していた。
浮足での散策運動の途中だ。《マキモ》は、浮き止まり考えていた。
現在所有している一体の《ヒト》。固体名《カナムラ ナキ》のことを・・・
あの友をどのレベルまで思考矯正させ、あるいは、思考制限をほどこせばよいのかと・・・
553ケロロ少佐:2005/10/18(火) 02:00:35
『所有されるもの』その2

《マキモ》は、唱えの儀式、6本と6本の指を直に地面へ浸ける。行動の指針を検討するため意識を《母魂》へ接続し対話を申請する。
これで、より良き結論が導き出されれば良いのだが・・・・
私の足もとには、一緒に散策運動について来た4本足の愛玩動物《ドゥローム》の《ポッチ》がうれしそうに浮走していた。
従順で有り、知的で優れた協調性をも備え持った、古代から我々《ホーベ》種族の良き友。
《ポッチ》は、うれしそうに頭を小刻みに左右上下に振っていた。
・・・・これは、相手への最高の敬愛の感情を示す仕草だ・・・・

我々《ホーベ》種族が宇宙空間で《ヒト》を拾ったのは、654期 時間の前のこと。もう、かなりの時が経つ。
その後の聞き取り調査によると《ヒト》は、同種間戦争で、その母星を含む生存恒星宇宙域を破壊させてしまった生物。
その時点で光速の壁を越える方法を何とか習得していた彼ら。
わずかながらの数、543集8761核体を宇宙船に乗せ別空域に逃す事を成功させた。かろうじて種としての絶滅を逃れた生き物だった。

そして《ヒト》と《ホーベ》は、共に暮らし始めた・・・
554ケロロ少佐:2005/10/18(火) 02:05:05
『所有されるもの』その3

《ナゥペ》所有の《ヒト》固体名《シオミ ユミ》は、庭で日課の植物たちの世話をしていた。
フゥゥと頭の中心に光を感じた。発信人《カナムラ ナキ》から逢いたい気持ちを唱えた想いが届いたのだ。
ちょうど《意志植物》《フラーサ》と会話をしていた時で、最初、《ナキ》からの唱えとは、気が付かなかった。
この惑星の植物は、不思議で、ほとんどの種類が何らかの意志を持ち特殊な思考能力を有する。《ユミ》は、そんなこの星の植物達が大好きだった。
清らかな植物の意志に触れていると、とても心が落ち着く。
《ユミ》は、《ヒト》の中でも《能力》上位者で補助器具を使わなくても遠く離れた者へ意志伝達を唱えることが出来た。
《ナキ》からの想いは、すべて受け取った。今日の《ナキ》は、気分がいいようだ。
何だか意志がハッキリしている。いつもは、発言波にモヤがかかったようなのだが。
『私も逢いたい・・・いつものように・・・いつもの所で・・・・私達の ふ る さ と・・・・もう存在しない地球の話しを・・・・』と愛をこめてやさしく飾りつけた想いを返信した。

居住区画の自殻へ戻り私が食事思念を唱えていると、所有体《ヒト》《カナムラ ナキ》が、話しかけてきた。
『《マキモ》さん、約束していた外出許可を唱えてください。』
《マキモ》は表情を曇らせた。事前に感知提出されていた思考内容とは、あきらかに違うものだった。
《マキモ》はすぐに、このごまかしを察知した。
少しでも思考制限を緩めるといつもこうだ。《ヒト》は、すぐに嘘をつく。
《カナムラ》には、また明日から思考制限をかけなくてはならないようだ。
2区画先に住んでいる私と同卵家族の《ナゥペ》が所有している異性《ヒト》《シオミ ユミ》の所へ行きたいらしい。原始的な性欲求の解消行為のためらしい。
555ケロロ少佐:2005/10/18(火) 02:07:55
『所有されるもの』その4

私たちは、なるべく自然な形で、しかも対等に《ヒト》との共存を願っている。だが現実は、なかなかうまくゆかない。
思考制限を解除するとすぐに《ヒト》は、無意味な階級社会を形成させ差別構造を芽生えさせる。そしてなぜか必ず互いに争いを始めて命をも奪い合うのである。
さらには、私たちへも同種の殺意、偏見が発生、浅はかな画策をも始めてしまう。
ただ・・・個人レベルでの《ヒト》は、なかなか優秀で独創的な芸術を創り出し、また我々とは異質で貴重な数学的思考を見せてくれたりもする固体も存在するのだが・・・・・

これまで《ヒト》による関与で命を失った我々《ホーベ》種族の数は、154核体。
生れつき野蛮な資質を備えているからだろうか、ゾッとする程に我々が想像にも出来ない残忍な方法で《ヒト》は、私たちの同朋の命を奪った。

惑星《アーミ》に生きるすべての《ヒト》は、それぞれの所有者が判断をして個別の思考制限を付け管理している。
この厄介な知的生物は、相変わらずの不安定な精神構造で今も惑星上の何処かで問題を起こしている事だろう。

そんな不安定な《ヒト》と《ホーベ》との暮しが続いていたある日。
私たちの惑星《アーミ》の大地に根付き、存在する7核体の自然行動神《母魂》からついに《ヒト》種の最終処断が試考され決心したと唱えが届いた。
その指針の唱えを惑星上のすべての《ホーベ》が聞き理解し快諾した。
その大いなる行動指針とは、この星の進んだ生命科学技術に関係するものだった。
私達が所有する惑星《アーミ》の生物遺伝情報の一部をわずかな量、《ヒト》の生体へ取り込ませる事。
その最少限度の改変のみで《ヒト》は、我々《ホーベ》種族の真の友となる事ができる・・・仮想試験実験も何度も試みられ、すべては、完全に作動した。
14期 時間後には、現存する《ヒト》すべてに実行され適合した。この改変は、《ヒト》の次世代の影響へも考慮されている。
自然生殖による産まれる子にも、この特性は引き継がれ未来永劫、完全に定着してゆく。
556ケロロ少佐:2005/10/18(火) 02:18:21
『所有されるもの』その5

《人》への改変処置が終わりすべての者に定着が完了した朝、固体名《金村 なき》も《巻田 やよい》も、他のすべての《人間》も自由となった。解放と共存の時が来たのだ。

素晴らしい青空のこの日、《なき》と《やよい》は、何の制限も無く大通りを手をつなぎ楽しく歩いていた。
通りを見まわすと気のせいなのか・・・歩いている《人》の数がいつもより多いように感じられた。
しかもその《人》すべての顔は、これまで見た事も無い程にすがすがしく輝いていて、幸せな笑顔に満ちていた。

『おはよう!今日は、なんてすばらしい日だ。』と後方から話しかけて来る者がいた。
ハッキリとした口調で話しかけて来たのは、《土実 正孝(ドミ マサタカ)》だった。
あまりにもいつもと違う爽やかな、すがすがしい表情をしていた為、《なき》と《やよい》も最初、まったく気付かなかった。
とても不思議な気持ちだ。『・・・・まるで人がかわったみたい・・』と、《やよい》が僕の耳元でささやいた。
『き・・今日は・・・何の用かな。』《なき》は、いつものように立ち止まらずに歩きながら《土実》の相手をした。
《なき》も《やよい》も、この長身の男《土実》は、苦手だった。
これまでも出合う度に《ホーベ》種族への抵抗運動に参加させようと言葉巧みに誘われ続けていた。相手の都合も考えずいつもいつも・・・・
だが今日の《土実 正孝》は、違っていた。
会話を続けるうちに《土実》が心の奥底に持っていた真の部分、純粋でまっすぐな想いが二人を感動させ、受けとめさせ、快く感じていった。
そして《なき》も《やよい》もいつしか夢中で話しをした・・・・それは、まるで3人が子供の頃からの友人ように見えた・・・
557ケロロ少佐:2005/10/18(火) 02:18:59
『所有されるもの』その6(終)

会話のたびに3人からは、気持ちの良い笑い声が聞こえ・・・3人の頭上の空には、今はもう存在しない、地球上より少しばかり黄色い太陽の光が。
《土実》を《なき》を《やよい》をあたたかく照らし続けていた・・・
夢中で話しつづける《土実》。《なき》は、こころよく話しを受け止め気持ちのこもった返答を返す。その二人の会話を微笑みながら聞き、見つめる《やよい》。

そして・・・・時より、3人は・・・・・無意識に頭を小刻みに左右上下に振って歩いていた・・・・
・・・・・それは、最高の敬愛の感情を示す仕草であった・・・・従順で、優れた協調性を備え持った、《ホーベ》種族の良き友・・・
558ケロロ少佐:2005/10/18(火) 10:24:50
訂正!!すみません。話に登場する人間の女性《マキタ ヤヨイ》と
>>554の《シオミ ユミ》は、同じ人物です。
名前変更の際、修正忘れました・・・
ホンとうかつです。以後、気をつけます。(前も同じミスやっちゃったが・・・)
559ケロロ少佐:2005/10/28(金) 12:19:46
他の板で書き込んだものです・・・

『桃太郎宇宙へ行く』

【未来昔話シリーズ】 (どっちやねん!)

未来の未来の、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんとおばあさんは、極高速極容量情報通信ラインの川で今日も仲良くジャックイン!
すると上流の方からドンブラコッコドンブラコッコと無数の大きな桃が流れてきました。
おじいさんは探知モニターを表示させ桃内部の良質遺伝子情報を探り「これだ!」とオンリーワンの桃を選び出す。
オンライン決済を済ませ(年金ポイントローン返済!)お家に持って帰ることにしました。
「エイヤッ」っと呪文をキー入力して暗号解読解除機能付き鉈を振り下ろすと、桃は真っ二つに割れて、中から優良遺伝子のいっぱい詰まった赤ちゃんのデーターが出てきたのでした。
さっそく、用意していた健康第一社製のクローン素体作製器へ情報を流し込みました。
2人の愛情をいっぱいもらった桃太郎は、すくすくと立派な青年へと約半分の年月で成長しました。
ある時、桃太郎は「おじいさんおばあさん。私は、異星人退治に出かけることにしました。」と星間戦争状態の<ONI−GA−SHIMA>第23殖民星へ志願して行きました。
戦闘補助人工知能体<SARU−001>、強化戦闘服<INU−002>,大気圏内宇宙空間両用高速移動機<KIZI−003>を装備し桃太郎は、異星戦闘メカと戦いました。
長くつらい戦闘が続き、双方の膨大な数の尊い生命の犠牲の末、ついに和平条約が結ばれた。
数多くの戦歴ポイントを変換し使いきれない程の額の所得ポイントをお土産に桃太郎は、堂々とした姿で帰国しました。
戦地から戻った200万人の人間がやっと日常の平穏な暮らしに戻った頃、人類の中に奇妙な病が発生した。
おじいさんとおばあさんには、桃太郎の悩みや喜びなど、考えることが自分の事のように感じ取れていた。
桃太郎は、和平状態のエイリアンが元来持つ、強力な空間感応能力に意識感染していたのだ。
瞬く間に人類全域に意識感染したこの病により、人類は、いやエイリアンともに一つの統一知能生命がココに誕生した。
めでたし めでたし。
560名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/16(水) 11:40:01
誰か面白いお話書いてください・・
561精霊使いゴリ(1/3):2005/12/09(金) 01:14:30
昔々のことである。
キリマンジャロ山麓に広がる大森林を、ある夜、山火事が襲った。そのただ中で、
一匹の類人猿が死にかけていた。
彼をゴリと呼ぼう。煙火に追われて逃げ惑ううち、群れをはぐれ、ついに炎に
包囲されてしまったのだった。
空気が薄い。炎熱と轟音で気が遠くなる。何時間も走り続けで、体力が尽きていた。
地面は焼けそうに熱かったが、もう限界だった。ゴリは倒れた。
そのとき、彼の頭上で、ファイアストームが呼んだ雨雲が、ついに大粒の雨を
落とし始めた。

夜が明けた。緑の森は焼け焦げた荒地に変わり果て、まだ燻っていたが、火災は
鎮火していた。
そこに、一本の木が燃え残り、幽霊のように立っていた。青々と繁っていた葉は
残らず焼け落ち、珊瑚色に輝いていた小粒の実の房は干からびて燃え殻のように
なっていた。その、実を伝って‥‥
一滴の雫が、大の字になって昏倒するゴリのだらしなく開いた口に落ちた。
「苦い!」
頭髪(というか、それにあたる部位の体毛)が逆立ち、ゴリは跳ね起きた。
それが人類とコーヒーとの最初の出会いだった。
前夜の試練にもかかわらず、いつになく爽快な気分なのは、カフェインの影響で
脳の血流が増加しているからだ。刺激のせいで、姿勢がまっすぐになっていた。
ゴリは類人猿から猿人に進化したのである。
(この明晰な気分は‥‥)
彼は頭上に手を伸ばし、焦げたコーヒーの実を摘み取って、表面に残った露を
舐めてみた。
(この雫のせいか?)
進化したおかげでゴリの推理力は大幅に向上していた。
(もっとこの雫を飲まなければ。そのためには‥‥)
アイデアが夜明けの光のように心に射した。
「昨日と同じことを起こすんだ。ただし、今度は苦しくないように」
562精霊使いゴリ(2/3):2005/12/09(金) 01:15:38
前夜のことを思い出す。
炎。いや、その前に‥‥
(雨が何日も降らなかった。木々が乾いていた)
何かの陰になって、雨に濡れなかった消し炭を集めてくる。焼け跡だけに炭は
たちまち山をなした。
(風が強かった。枝が擦れあって葉がザアザアと鳴っていた)
焼けぼっくいどうしを擦り合わせてみる。摩擦で熱くはなるが、これでは疲れて
しまう‥‥
しかし何時間か試行錯誤を繰り返した末、ゴリは硬いまっすぐな枝と木の皮の紐を
組み合わせ、原始的な火きり弓を手にしていた。すぐに小さな火花がおこる。
(火。いつでも呼び出せる、おれの火だ。おれは炎の精霊を操る力を手に入れた。
 次は)
ゴリの脳裏に、疾風のおたけびが蘇る。
(風だ)
ゴリは火種に顔を近づけ、息を吹きかけた。火は生き物のように反応し、徐々に
育って、やがて炎をあげて燃え出した。ゴリはくらくらする頭を振って、次は
何かであおごう、と思った。
(水)
近くの小川に走って、両手で水を汲んでくる。コーヒー豆は浸してある。そして
手を炎にかざす。
「あちちっ」
当たり前だ、とゴリはコーヒーの木に手をついて、反省のポーズをとった。どう
すればいい?
うつむくと、地面が目に入る。
昨夜の火事で焼けて、土が固くなっていた。それどころか、木灰が釉薬のように
溶けて、所々ガラス質になっている。
(土が‥‥石のように)
再びアイデアがスパークした。
(土を、火で、石に変える。そこに、水を閉じ込める‥‥)
563精霊使いゴリ(3/3):2005/12/09(金) 01:17:01
精霊使いゴリの朝は一杯のコーヒーから始まる。
土も、水も、火も風も、いまや彼のしもべである。水はけの良い斜面に開いた
洞窟住居を出て、お気に入りのマグカップから芳しい液体をすすりながら見下ろす
草原は、彼の王国であった。大火の傷跡から、日に日に立ち直りつつある。その
草原を‥‥
一匹の類人猿が、無様に背中を曲げて、のろのろと横切っていく。
(待てよ)
あの不器用なぴょこぴょこ跳ねるような歩き方には見覚えがある‥‥
ゴリは斜面を駆け下りて、闖入者に追いついた。
「お前は‥‥」
声をかけると、その類人猿は、ぼんやりと曇った瞳でゴリを見上げた。その顔に、
何か思い出そうとして思い出せないような、不満げな表情が浮かんだ。
「これを飲めっ」
ゴリが差し出したマグカップを素直に受け取り、類人猿は一口飲んだ。
「苦い!」
とたんに背筋がしゃんと伸び、髪が逆立ち、目は焦点が定まって知性の光に
きらめいた。
(そうか、これが自分にも起こったのか)
ゴリが感心して見守るうちに、もう一人の猿人はゴリを見分けて目を丸くした。
「あっ! 兄さん!?」
「ラー、やっぱりお前か!」
猛火の中で生き別れになった兄弟だった。
「「いったい今までどうしてたんだ‥‥」」
二人は同時に言った。
どうすればこの奇跡の体験を伝えられるだろう?
いずれ何か思いつくだろう。
こうして歴史が始まった。
564名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/09(金) 15:37:40
スペクトルマン・・・なつかしい・・・
565名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/14(水) 14:02:43
1/4
西暦二千三十年、ここ新宿は、過去の災害を顧みず超過密を極めていた。

初めて地方から出張してきたサラリーマンなどは目的地にたどりつけないの
ではないかと困惑するのだろう。しかし、実際にはそのようなことはなく実に
軽やかな足取りで目的地に向かえるのだ。ユビキタスコンピューティングが
高度に発達し、あらゆるアクセス方が選べるようになっている。大抵のサラ
リーマンは靴のインナーソールをナビとして活用している。とてもスマートに
街を闊歩できるのがそれを選択する理由らしい。
裏通りでひっそりと商売をするわたしの店は、インナーソール型ナビに割り
込みを掛けて獲物を鼠視眈々と狙っているのである。

「いらっしゃいませ」
 今日初めてのお客様だ。さあ、商売、商売っと。
「あのー、看板をみて立ち寄ったのですが……」
 狭い店内を見回し、怪訝な表情を浮かべている。はじめてやってきた客は
かならずあのような表情を浮かべるものなのだ。私は、彼が満足をして店を
出ていくを確信している。
「うちはSF以外ありませんが無いものはないですよ」
「はあ、失礼ですが、一体どこに本はあるのですか?」
「まあまあ、ご心配なさらずに。ささ、こちらにお掛け下さい」
「はあ」
566名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/14(水) 14:03:16
2/4
「で、どんなSFをお探しですか?」
「実は、ラリー・ニーヴンを一度本で読んでみたいのですが……」
 これは幸先がいいぞ。私は心のなかでほそく笑んでいた。
「ニーヴンですか。お客様は実に運がいい。ハヤカウと創玄の全巻がござい
ますよ」
「本当ですか! しかしお高いんでしょうね」
「もちろん原本はとても高額ですが、なんといいましょうか、うちの扱うものは
コピー品でして、当時の価格の二倍でお譲り致しております」
「コピーですか」
「ただのコピーとはちがいますよ。紙はすべて当時使われていたパルプでし
て、これは両社が紙媒体から撤退した直後に在庫を買い占めましてねえ」
「PDAでもどうにかすれば読めるので高いならいいです……」
 なかなか手ごわい。紙媒体の魅力を語ってみるか。
「もちろんPDAは便利ですな。ハイパーリンクや、辞書機能、ビジュアル機能
など、私の幼い頃ではまさにSFのガジェットそのものでしたから。しかし実際
の本となると紙に印刷された文字だけですから」
 お茶で喉を湿らせる。
「しかし、昨今ではデータ化された本を買い、ビジュアル機能に頼りきり文字
なぞ一切読まないユーザーが大半をしめる。やれハリウッドだ、やれAMAN
Oだ、やれアニメだのいい加減にしろと言いたい。小一時間問い詰めたい。
表紙絵で十分なんですよ。あとは個々の想像力に委ねるのが一番なんです。
ビジュアル機能なんぞが登場したため、映画界や、TVドラマや、アニメが全
滅してしまったんですよ! 一時期はSFが片隅に追いやられていていたの
は想像しがたいでしょうがね」
567名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/14(水) 14:03:54
3/4
ビジュアルソフトの発案者はSF好きのプログラマーだといわれている。
原作も、よりビジュアル化しやすいものになりジリジリと衰退に向かっていた。
どんなに登場人物が悩んでいようと、葛藤を仔細に紡いでみても、ビジュア
ル化されればトーンダウンされた色調に、頭を抱える登場人物が数瞬映る
だけなのだ。事実、文字情報を読んでみると映画のシナリオとそう大差がな
い。登場人物の身体データやらガジェットの緻密なデータや舞台となるあら
ゆるデータやらが大半を占めているのだ。我々読者が想像する余地など存
在しない。
映像化された物語がつまらないとはいえない。むしろこの分野の躍進たる
や著しい。フリーウェアも無数にあるが、シェアウェアの完成度は凄級なのだ。
どんな文章であろうが映像化してしまう。小学生が書いた作文でさえハリウッ
ド並みの夏休みの出来事として再現してしまう始末だ。一本の映画を撮るの
に何百億円も出資する時代は終わりを告げていた。より汎用性の高いビジュ
アルソフトや再現力のある家電機器の開発に企業が出資する時代になった。
ここで当然、過去のあらゆる本がデータ化されSFもその恩恵に浴したわけ
であるが……。
さらに、以前出版会社であった企業が過去の作品をデータ化する際に、文字
情報を最適化という理由でM言語で書き換えし、さらに著作権の保護の観点
からM言語を暗号化し文章を読むことさえ出来なくなってしまった。このよう
な現状に対し憤りを感じる人々はごく少数に限られている。
むしろ実力のある作家は安定した収入を得ていた。特に日本の作家の中に
は莫大な印税を手にするものも現れた。ビジュアルソフトのお陰で言語の壁
は崩壊したのである。
568名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/14(水) 14:04:53
4/4
ビジュアル機能にも黎明期があった。ここでいくつか例を挙げようと思う。脳
内でビジュアル化していただきたい。ことわざの後に黎明期にあったビジュア
ル機能の誤りを記してみた。

【馬の耳に念仏】馬の耳に仏像をねじ込むと馬が死んでしまいます。
【糠に釘】まず水を入れよくかき回し冷凍する。それから釘を打ちましょう。
【冷や飯を食わせる】冷や飯に熱々のカレーは最高に旨い。最高のもてなし。
【へそで茶を沸かす】実にエコロジー。究極のスローライフ。
【ミイラとりがミイラになる】類:吸血鬼ハンターが吸血鬼になる。憎悪は憧れ
 の裏返しである。願ってもいないチャンス。
【焼け石に水】太陽に水星を投げ込むのは金が掛かり過ぎます。
【横槍を入れる】マトリックス避けに止めを刺す。
【笑う門には福来る】箪笥の角に足の小指をぶつけ、泣き笑いしているところ
 を福山さんがこっそり覗きに来る。
【わざわい転じて福となす】ひょんなことがきっかけで福山さんと結婚してしま
 う意。
【猫に小判】最高に絵になる。
【猫も杓子も】どうみても精子です。本当にありがとうございました。
【猫をかぶる】すごくスプラッター。

「ありがとうございました」
店から出て行く彼はとても満足げな表情をうかべていた。
私は心にもない本の魅力をあらんかぎりの嘘で熱弁した。これが功を奏し、
年間購読を契約した。
今日はもう店じまいをしよう。SOMYの新型ビジュアルシステムを契約しに行
くのだ。

おしまい
569ケロ:2005/12/15(木) 10:43:39
あと、10年ではあまり変わらないでしょうが、このお話しのように2030年ではかなり出版の形は変化してるでしょうね。

紙の本は、いつまで残るのでしょうかね・・・

面白く読ませていただきました。次回作も待っています。

そうそう↑タイトルつけるとしたら何でしょうか?
『ラリー・ニーヴンに逢いたくて・・』とか・・
570名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/16(金) 13:10:38
ケロさん

本という形態はなくならないと思います。ただ、電子書籍の普及はかなり進む
ような気がします。デバイスの進化にも注目したいですね。
面白いところでは、井上夢人さんの「99人の最終電車」かな。いずれDVDで
販売するらしいです。

タイトルをつけるとしたら……なにも思いつかないです。ちょっとふざけて書い
ただけなんです。読んでくれてありがとうございました。
571名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/24(土) 20:01:25
>>ケロロ少佐さん

今日発売のSFマガジンの「リーダーズ・ストーリィ」の選評に、ケロロ少佐さんが
このスレの82-87で書いておられる作品と非常に似たものが載っているんですけど、
もしかして投稿されました?

もし誰かがケロロ少佐さんの作品を安易にパクっていたりしたらと思うと
気分が悪いので念のために聞いてみました。
572通りすがりの名無し:2005/12/24(土) 20:18:15
>565−568 石原藤夫の「画像文明」思い出した。
573名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/25(日) 00:23:50
>>571さん
ご指摘ありがとうございました。

すみません本人でした。一応そのまま送るのは能がないので細かい表現は直して出しました。

結果、だめでしたが・・・
574名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/25(日) 00:24:48
>>573(ケロロです)
575571:2005/12/25(日) 17:50:37
>>ケロロ少佐さん。

安心しました。今回は惜しかったですね。
ケロロ少佐さんの作品を誌面で読めることを期待しています。
576名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/28(水) 21:38:45
通りすがりの名無しさん
ちょっと興味をもったので、ネットで探して注文してみました。
年末には届くと思うので、読んでみようと思います。

ケロロ少佐さん
選評されたのですか! SFマガジンはほとんど買わないので
今回は買ってみようかな? で、近所の本屋に行ったら売ってなかった。
いつか載ったらいいですね。
577ケロ:2005/12/29(木) 17:28:05
>>576さん
今、投稿している作品は人工意識を植え付けられて永遠に生き続ける食肉牛の話です。

そうです、SFマガジン置いてない本屋多いですね。渋谷のQフロントビルのTSUTAYAの書籍階においてなかったのには驚きました。
結構売り場面積大きかったんだが・・・
578名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/06(金) 01:33:58
ケロさん来ないと何日でも止まるスレっぽいなぁ、ここw
579名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/16(月) 15:56:24
どなたか面白いお話書いてください…
幼稚園児童でも人工意識さんでも異星人さんでも地底人でもかまいません。
580名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/17(火) 06:05:06
>>579
この辺から探すとか。
ttp://newvel.jp/
581名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/21(土) 03:10:09
実は文学部哲学科は脳実験のボランティアに志願する人間を作るために維持されていたというのはどうだろう。
ニューロンを少しづつ同等の機能のチップにおきかえたら、とか意図的にある概念を司る部位をダウンさせたらとか
一度脳死になって回復したらとかそういう実験。
そのために学生は、経験するしか答えを得ようが無く、また科学技術以外に経験する手段のない問いについて考えさせられ続ける。
582名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/22(日) 07:42:27
今年もばあちゃんが死んだ。
再び、バックアップデータから余命10ヶ月のばあちゃんを選択し、再構成してもらうことにした。

「また、余命10ヶ月?」
 妻が俺に尋ねる。
「うん。」

ばあちゃんは、余命10ヶ月のときに確かに何かをつかんでいた。

「もう、お婆様がお亡くなりになるのを見るのはつらいわ。」
 しかし、俺は彼女がつかんだ何かを分かりかけている状態で、途中であきらめるわけにはいかない。
「もうちょっとの辛抱だよ。」

現在、コンピュータによるシミュレーションの物理的限界もはっきりしている。
人間をコンピュータ上で完全にシミュレートするのは無理、という結論に達していた。
もっとも、データはほぼ無尽蔵に扱えるようにはなっているので、スキャニングしたデータをそのまま
物理的に再構成すれば、人間の『再現』は可能になっている訳だが。
倫理とかその辺の議論は、自治体によって変わってくる。銀河系中に散らばった人類を一つの法体系で
まとめるのは不可能だ。聞けば、同じ人間だけの自治体もあるという話だった。

ばあちゃんの再現は、今回で13回目だ。
もちろん、再現のことはばあちゃんもよく知っているので、回りくどい説明をせずとも今回もちゃんと
理解してくれるだろう。
まあ、余命10ヶ月と分かるとさすがにショックを受けるし、こちらもそれなりの罪悪感を感じる。
でも、それももう少しだ。

〜〜〜〜〜
インチキSFの習作です。
徹夜の勢いで書いてみたのですが、途中で力尽きました。
583名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/22(日) 23:54:49
>>582
続きが読みたいけど、これで完結?
だったら再現についての部分をオチにしたほうがおもしろいかも。
584名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 00:16:02
    (⌒ヽ/⌒)
  (⌒__v__ノ
   フ ̄~ ̄_ ヽ
   / ^. .` ` なぜ一介の餅巾着がおでんくんなんだ!
   !  r=-、_   j きっと秘密のおでんコードが
   ゝ、_ ̄ _ノ   隠されてるにちがいない
   i'/   ̄  、,`ヽ
   |'      | |


585名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 00:41:18
>>582

>銀河系中に散らばった人類を一つの法体系でまとめるのは不可能だ。
聞けば、同じ人間だけの自治体もあるという話だった。

この部分の設定、なんかイイ感じですね。
586名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 00:45:49
>>581

>実は文学部哲学科は脳実験のボランティアに志願する人間を作るために維持されていたというのはどうだろう。

哲学科の学生が徹底的に非人間的な実験に消費されていく話って面白いかも…
とにかくいじめ抜かれて行く若者達。
587名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 04:44:56
お前らマジで才能ねぇなw薄っぺらいSFばっかだぜ。
ライトノベルばっか読んでるからそうなるんだよw
588名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 09:30:57
>>587
なんだ、そんなに自分の才能に自信満々なのか。
っつーか書きたいなら書いていいし、素直にそう言ってもいいんだぞ。
589名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 15:22:42
>>587
>>588の言う通り自信満々なら一つ書いてほしい。
それなら才能云々など自明だし、良いSFをこのスレの住人は望んでいる。
590名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/23(月) 16:41:34
04:44:56 の朝方についつい勢いで書いちゃった、たわ言のようなので許してあげましょう…ね。
591名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/25(水) 00:36:37
なぁ、短編っていうかショートショート並の長さじゃなきゃダメなの?
短編っていうと、もう少し長い気がするんだけど。
592名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/25(水) 08:42:55
同意。短編って長さじゃねぇよな。
593名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/25(水) 11:08:18
まあ、どんな長さでも結局は面白ければ何でもOKなんだよね。

その面白いっていう判断も読むヤツの好みいろいろで難しいが…
でもあんまり本格的に長くてちゃんとしている作品こんなスレに載せるのもったいない気もするけど。
594名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/25(水) 17:17:40
そうか・・・。今俺が書いてるの、マジで短編ぐらいあるんだけど、どうしようかな。
レスで貼り付けるのも、あれだし。せっかく書いたから誰かには呼んでもらいたいんだよなぁ。
賞にでも送るか・・いやそれにしてはページが足りないし。
595名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/26(木) 00:01:32
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
          小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
596名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/26(木) 00:20:28
激しくどうでもいいけど、>>2って変な文語体だね
597名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 04:53:46
>>594
ここに出して惜しくないのなら貼ってみては?
少々スレ消化が早くなったところでさして問題のある板でもないわけだし。
598名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 08:24:53
>>597
別に惜しくはないよ。
じゃぁ、導入部だけ貼ってみるよ。マジで長いから、
気に入られたようなら続きを貼らせてもらうって事で・・・。
599題名「クロノス」:2006/01/27(金) 08:28:46
(1)
 頭痛がする。

 無重力の中で内膜から伝わる無線機の振動は、まるでガラスに差し込む陽光の色。
鋭く、危なげな虹色の不愉快な電子音。私は眉を顰めながら首筋に手を当て、そこに
埋め込まれた微細な突起部を押し込み応答する。

「・・了解。・・あぁ、分かってるよ」

そう言いながら不承不承に目を開けると、丸いオレンジが浮かんでいた。一人用の睡眠
カプセル内のゲル状水溶液に透かされ歪んだ部屋の丸天井だ。その輝きは自身が煌
びやかな夢の中にいない事の証明だった。思わず溜息をつくと口許から空気の泡が小
さな球となって浮き上がり、表面に集まる同じような球体郡に合流する。そんな趣をしば
らく眺め見た後、重苦しく、緩慢な動きで手を前へと伸ばし、透明の入口脇に備えられた
電子パネルへと、そっと手を触れた。・・・青のボタン・・・溶液排出。
600名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 08:32:52
 モーター音が聞こえ、自身の周りの液体が減少し始める。背を擽って、底面から無
数の微細な気泡が忙しなく湧き上がっていく。私は、身体が外気へと触れる前に、大
きく息を吸い込んだ。いや、正確には首筋の・・・地球圏の海中生物で言う所の・・・鰓
部から水溶液内の溶存酸素を目一杯摂取した。カプセル内の水溶液が全て排出さ
れると、電子音を響かせながら入口部がゆっくりと競りあがって開き始める。
 起き上がり顔を出すと、丁度、右隣のカプセルから同じように這い出してきた女と
目が合った。太陽風焼けした淡い緑色、アーモンドグリーンの肌に、パールピンクの
唇が良く似合う。知的な目をした細身の女だ。二人ともほとんど裸も同然であったが
気恥ずかしさは特に感じない。すでに慣れ親しんだ仲でもあるし、私も彼女も、臍部
分を中心とした腹部をプラスチック繊維の下着で隠しているのだから、そういった感
情を抱く余地はない。彼女の福与かな胸部の膨らみと、唇と同じ色をしたその凸部分、
それに股座の筋は綺麗な形をしているので、私がそういった部分に魅力を感じるよう
なフェチニズムを持っていたとすれば、それは最高に魅力的なモノだっただろう。し
かし、私はそうではない。軽く肩をすくめ睡眠不足の不快感を共有すると、彼女はカ
プセルの外側の壁面に取り付けられた、大きなドーナッツ形の物々しい輪っかを取り
外し、それを自分の首に取り付けた。それは、地球人が見れば首輪のような従属的な
物体に見えたかもしれない。実際、これを付けている時の我々は、間々、犬やペット、
奴隷、等と言った言葉で揶揄される。私も、彼女と同じように自身のカプセルの外壁
からそれを取り外し首にはめると、左隣にある別の睡眠カプセルの電子パネルを操作
する。・・・赤色のボタン・・・強制排出。
601名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 08:37:14
 私が目覚めた部屋は、睡眠カプセルが円形状に8つ配置されている。それは丁度、
コスモスの形態に似ているのかも知れないが、私は花を実際に見たことがないので確
証はない。丸天井はオレンジの柔らかい光を放ち、部屋全体をガニメデの夕焼けのよ
うな薄っすらとした暖色に染めていた。床にこびり付いた溶液の滑りに足をすくわれ
ない様、私は気をつけながら、部屋の一角に備えられたシャワールームへと向かう。
幾何学模様に彩られた、シャワールームの3方の壁面から噴きつけるエウロパの氷水
を身体全体に浴びれば、頭の痛みもしばしの間、薄れてくれる事だろう。

 熱線による乾燥作業を心地よく行い、それから戻ってきた私が見た物は部屋のカプ
セル・・・私が操作しておいた左側のカプセル・・・が慌しく開き、中から男が一人転が
り出して高音域の奇声を上げ、床をのた打ち回る姿だった。同じくしてシャワールー
ムから戻ってきた彼女は、そんな男の様子を見て、けらけらと無邪気に腹を抱え笑っ
ている。確かに、同胞の苦悶に満ちた表情は楽しくもあるが、思った以上に気味が悪
い。私は、男のカプセルから首輪を外し、投げ渡してやる事にした。咳き込みながら
立ち上がり、血走った目でそれを掴んで首に嵌め込むやいなや、男は私たちを指差し
てこう言った。
602名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 08:39:50
「EiqW-dw!A,d"akIkao!!Aup'Nk!Aup'Nk!!」

キルレラ語だ。激昂している様子の彼には申し訳ないが、エウロパ出身の我々にとっ
て、イオの少数部族言語は意味のないノイズも同然だ。私たちに理解できる部分と言
えば、彼が執拗に繰り返す「Aup'Nk」という単語。それだけは、彼の口癖である事も
あり、我々にも聞きなれた言葉だった。正確に訳す事は言語形態と感性の違いによっ
て困難ではあるのだが、端的に言えば、お前の母親をプロメシウスの頂で犯してやる。
覚悟しろ。というような意味である。私が別の一角にあるドレッサールームでブラウン
の制服を着込みながら、目線もくれずに首輪を指差し、スイッチを捻れ、と動作で示し
てやると、彼は従順にもそれに従って、今度は翻訳された、私たち共通の言語で同じ
意味の言葉を叫び始めた。隣で女性仕官用の制服に身を包んだ彼女は、まだ鰓部
分を微細に振動させ鈴の音色のような笑い声を響かせている。その声がどうにも頭痛
を挑発するので、私は自身の制服の胸ポケットに納めてあった薄いシート状の鎮痛剤
を舌先に乗せ痛みを散らすと、2人には声もかけず、先に作戦指令室へと向かう事に
した。
603名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 08:45:52
 その部屋の扉は、カプセルの入口と同様にハーフミラーとなっており、内側からは
薄っすらと外の情景を伺い知る事が出来る。召集命令に部屋の前の通路を足早に駆け
ていく人々の表情は皆、暗く、鎮痛だ。扉を開けて通路に踏み出すと、私は振り返り、
ちらりと部屋内を一瞥する。我々3人が入っていたカプセル以外には国章の付いたビ
ロード生地の大きな布切れが掛けられていた。

勇敢な戦士は太陽の輝きとなり、我々を勝利へと導く。

その布には、そんな言葉が刻まれている。なるほど、それならば彼らもきっと太陽の
輝きとなったのだろう。祖国の赤茶けた土壌、冷徹なる氷の世界、幾億の同胞が眠る
その地の許へ、光となって帰ることが出来たのだろう。
604名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/27(金) 08:52:45
えーっと・・・とりあえず、これが(1)で、これぐらいの長さのが、
第一部として区切るなら後7個ほど。全部だと30個ぐらいあります。
内容は木星圏を舞台としたライトノベルチックな宇宙軍隊物・・・かな。
605ケロロ:2006/01/27(金) 11:06:06
このスレに過去、載せられた中では一番まともな、ちゃんとした形の小説の感じなんですけど。
確かにここに載せるのは長いかもしれない。が、私は最後まで読みたいと思った次第。
他の人はどうなんだろう…ってこのスレいったい何人が見てるのかしら…

だけどもこれくらいの長さがあれば応募できる賞はあるんではないのか(どんな賞があるか私は詳しく知りませんが)とも思います。
欲を言えば半分の長さくらいに短くしたバージョンを作って載せてもらえばいいのかな。
これは、もし逆に私の書いた作品を半分にしろと言われてもなかなか難しいと思うのでだめだと承知ですが。
606ケロロ少佐:2006/01/27(金) 16:50:17
『おいしいよ』その1

《おいしいよ》…私の名は《桃桜》。優良遺伝子を持つ、とっても、とっても《おいしい》生き物。
美しい大理石模様の霜降り肉の《おいしい》塊。もうすぐ私は出荷される…

私が育った鈴木牧場は最先端の設備を備えた楽園。この世に生を受け私達は20ヶ月間、良く食べ良く運動しベストの状態でこの時をむかえる。
牧場の管理端末の対話ソフトが起動した。牧場を走りまわっていた、ナンバー09775−876−RRYT980個体名《桃桜》に呼び掛ける。

『戻っておいで…今日は大事な日…』

1時間後、自動化された屠殺場に同じ遺伝子を持つ兄弟達、200体が列を成してその時を待っていた。
《桃桜》達は暖かな洗浄水を浴びながら数ブロックをゆっくりと歩く。やがて完全無菌状態のフロアへとたどり着く。
わずかに血のニオイのする空気を吸いながら、絶命までの道のりを前を行く仲の良い牛《清風》とおしゃべりしながら歩く…
いよいよ、私の番がきた。覚悟と言うほどのものではないが、今、私が使用している肉体の悲鳴を感じた。肉体が泣いていた。両眼から本能の涙があふれ出す。
当然の事だ。この世に生をうけまだ20ヶ月…若すぎる…
額に何かが打ちつけられた。脳が揺れ肉体が気を失う。
ロボットアームが延びてきて健康体の重い体重の私を逆さにつるす。肉体が悲鳴をあげた。次の工程のアームがすばやく忍び寄り首にナイフが入る。
607ケロロ少佐:2006/01/27(金) 16:52:13
『おいしいよ』その2

数ブロックを通過した頃には、私の体はきれいに解体されて牛肉と言う製品へ変わる。

・・私は死んだのだ・・・

昔、牛海綿状脳症(BSE)問題、その後も、数々の家畜の病が発生し、食の安全をめぐって多くの混乱がおきた。
そして7年前に『食用家畜の安全供給と個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法』が成立した。
この(俗称 輪廻転生)法とは国内の食肉目的でクローン飼養されているすべての牛、豚、鶏に個体識別用の人工意識をとりこませる事に有る。代理腹母牛から産まれた直後に各個頭部に意識チップが埋め込まれる。
発生した意識は個体独自に思考し、他体と同じ心は発生しない。
鈴木牧場では数パターンの優良遺伝子クローン牛が200体単位で育てられている。

私の首が落ちたとき、私が居る意識チップが頭部から摘出され転生を行う為、誕生ブロックへと移動。肉体は死に肉へと変わった後も、チップは子牛に寄生し意識は引き継がれる。
最近、私はこの過程で、同じ夢を見る。目覚めた時、牛では、なく人間になっている夢だ。二本足で立ち、色とりどりの布(服)を着て、石の街(都市)を歩く。
いろんな食べ物を食し、想像も出来ない格好で生殖行為をする。
だが、目覚めたとき、私は見なれた足と耳、しっぽを持った食肉牛のまま…これから20ヶ月優秀なおいしい製品となるため、また生き始める。
608ケロロ少佐:2006/01/27(金) 16:54:00
『おいしいよ』その3

産まれたばかりの幼い私の体が高栄養乳を飲んでいた時、心に管理端末から発せられたであろう人間からの声が届く。
『誕生おめでとう…《桃桜》…君は最高の体を持つ美しい生き物…君は私の自慢の牛…』牧場の主任検査官《所 正彰》だった。
私はこの人間を気に入っていた。
私は、いつものように心を解放し自由に対話した。人間との会話は直接届く映像と文字と音の塊を感じる事によって成立する。
『また逢えて…うれしい…大好きな…《所》…』と返事をした。
統一規格された「家畜個体識別意識」システムは端末からいつでも何処からでも会話ができる。生年月日、性別、転出、転入履歴、畜年月日。転生前の全情報も。
今の肉体の健康状態から飼育環境の不満、天気の話題から他の牛との関係まで…
問題発生時には直接、牛に聞くことができる為、原因究明と改善措置が迅速に出来る。

時が経ち、牧場には今日も元気いっぱい走りまわる立派に成長した《桃桜》の姿があった。共に育った兄弟たちと牧場で最後の一日を過ごしていた。
爽やかな風が吹くお気に入りの丘に立ち、座る。
私は大自然から与えられた草を食べ健康に育った事をこの世のすべてに向けて感謝の唄をうたった。
そして《所》と話しをした・・・与えられた時間いっぱいに…
同じ遺伝子の兄弟で特に仲の良い《紅草》と《楽樹》の事を伝えた『楽しく遊んだよ…匂い草探し競争をしたよ…』
今、牧場内での私達、牛の最大の不安な事も話した『となり街で、流行ってる…皮膚の色が変わっちゃう病の事…教えてよ…今の体は、ちゃんと良い肉になれの?…』

そして今期の最後のときが来た。自動化された屠殺場で200体の列の一人になり処置の時を待つ。
私は、洗浄水を浴びながらぼんやりと《所》の事を考えて歩いていた。仲の良い牛《清風》が後から何やら話しかけている…
609ケロロ少佐:2006/01/27(金) 16:55:40
『おいしいよ』その4(終)

『あっ!』キラリと何か光ったのが見えた瞬間、絶命を迎えた。
処置された体に居た私ではない原始意識の根源の叫びが今、聞こえたような気がした。
正常に転生が済み、次の野生牛の原始意識と融合した私は、この牛のすべてとなる。
この過程で、いつも見る夢がまた始まった。生まれかわった時、人間になっている夢…二本足で立ち、色とりどりの布(服)を着て、石の街(都市)を歩く。
だが『??』今度の夢は違った。石の街を二本足で歩いている二人。楽しそうに食事する二人…想像も出来ない格好で生殖行為をする二人…

私と一緒の二本足は、なぜか牧場の検査官《所 正彰》だった。

私は、この夢の事を《所》に話さなかった。話しては、いけない事のような気がしたし…何よりもこの事を考えると心が傷むからだ。
転生を繰り返すたびに…何かが違う…徐々に…なぜ…

仲間の《紅草》と《楽樹》が私を誘いに来た。『今日も良い風が吹いているよ…さあ走ろうよ…』私は思う通りに動くようになったばかりの若い体に命令を出し、元気いっぱいに走りだし唄う…

《おいしいよ》…私の名は《桃桜》。優良遺伝子を持つ、とっても、とっても《おいしい》生き物。
美しい大理石模様の霜降り肉の《おいしい》塊…
610名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/28(土) 00:08:12
>>ケロロ少佐
今月号のSFマガジンリーダーズストーリィの選評に載った作品ですね。
乙です。
611ケロロ少佐:2006/01/28(土) 11:25:10
今回は、結構時間かけて書いたのでちょびっと自信作だったんですがダメでした。
5枚にまとめるの大変で、結局最初の長さから半分くらいの文字数にしなくては、いけなかった次第です。
612名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/28(土) 22:12:21
ケロロ少佐さん

『おいしいよ』読ませていただきました。繰り返しのパターンに、ちょっとした変化を織り込んで
いる、いつものケロロ螺旋ですね。起承転結といいますか、なんというかよく分かりませんが、
お話が真っ平らな印象が否めません。緩急をつけたらもっとよくなると思います。具体的にア
イデアがある訳ではないのですが……。でもあれです、すこし考えてみます。

人口意識が転生を繰り返すたび、徐々に変化するメモリーがきっかけである事件が起こる。
《桃桜》は転生のたびに人間になった夢をみているので、人間に寄生するきっかけをつくって
みる。
例えば、所さんに娘がいる設定にし、なにかの事故で意識が戻らず、植物人間状態になって
いる設定。所さんとの会話でそのことを知ってしまった《桃桜》はある提案をする。
提案とは、意識不在の娘に寄生して、カラダの健康を保つことだった。
しばらく経ったある日、娘の意識が回復する。
《桃桜》は本来の仕事である牛のカラダに戻る。
いつもと変わらない日常が繰り返される。

ちょっと無茶な設定だったかな? まあ、誰かにアドバイスできる資格も才能もないのであれ
なんですが。
選評されたということは、微妙な境界線にあるお話だと推測できますので、ぜひSFマガジン
に載る作品をぶちかましてください。
613ケロロ少佐:2006/01/28(土) 23:31:19
>>612さんありがと

結局は決められた長さに無理にいろいろ押し込めすぎたようです。
人間の所を登場させ関わらせたいならもっと早い時期に出すべきで、設定にこだわり過ぎた。
意識チップで永遠に転生し続ける食肉牛という一番書きたかった部分が表現できて、まあそこの所だけは満足してます。
この話、そういえば肝心な転、結、ハッキリしてない。まだまだですね。

次回は、私の好きな二足ロボット物か異星人から見た人類物なんか考えてみたいです…
614名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/01(水) 02:06:15
>>604
ラノベちっくでもなんでもいいけど
適度に推敲はして欲しいかな
あと長文嫌いのために名前を入れたほうがいいかもしれん
見たくなきゃNGすりゃいいんだし

始めたからには最後まで貼ってってくれ
615名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/01(水) 02:18:04
>>613
面白かったけど、やっぱ612に同意
もったいない感じ
あと細かいことだけど、クローンでも固体意識は同じではないから
管理用チップの方が説得力があるかもしれない
616ケロロ少佐:2006/02/03(金) 15:56:46
【鬼退治】

「ぐあぁぁー」いきなり玄関のドアを蹴破って、赤鬼に化身した男が侵入してきた。
唾液を滴らせ鋭い牙をガチガチ震わせ、両手には太く黒光りした鋭い爪を持ち、この家の中学1年生、豊浜光男に迫ってくる。
振り下ろされた 赤鬼の最初の攻撃をわずかの距離で何とかかわし、リビングに逃げ込みドアを閉める。
「父さん!母さんだ!母さんを呼んできて!鬼が出たんだよ!」

2.3年前からウィルス性の奇妙な保菌者が出現し始めた。ナゼだか2月3日になるとまるで鬼のような角が生えて来て、現在確認済みなのは、赤色系と青色系と存在するが、皮膚が変色する。
筋肉は隆起し発現者の凶暴な精神の一面が強調され見境無く他者を襲い始めるのだ。
赤鬼は、何か訳のわからない呪文みたいな言語らしい言葉を口にしながら、光男と父、武男に迫る。

その時!バアン!!と、この家の母親、豊浜キヨ子(48歳)が助けに登場!
155センチ程の背丈で顔は、色白、ぽっちゃり型、鼻は少し横に広がり大きく、細長い眼はかなりのタレ眼。
耳は大きく、すごい福耳。鬼撃退専用に開発された遺伝子組み換え大豆をいっぱい入れた木製マスを手にした、完璧に、お多福へと化身した堂々とした母の姿だった。
お多福に化身した母を見た鬼は恐怖の表情を浮かべ動きを止めた。
豆を投げつけられた鬼は家中を逃げ惑い、ついには、外へ逃げ出し、お多福の母は見事に怖い怖い鬼を退治してくれた。

「鬼は〜外!福は〜内!」

お多福の母は、鬼ウィルスと同じく2.3年前から出現し始めた奇妙な病の保菌者でナゼだか2月3日になると発病する《お多福性ウィルス》の保菌者だった。
617名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/13(月) 08:29:48
ここまで書けるのになんで自分のサイトでやらないんだろう?
618名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/13(月) 23:31:41
>>617
ヒント:新規来訪者数
619名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/15(水) 13:30:49
それなら自分のサイトのリンクでも張れば来訪者ウナギのぼり。
620名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/16(木) 23:06:04
ケロロさんいなくなったらスレなくなっちゃうだろw
621ケロロ少佐:2006/02/17(金) 15:11:49
【見て〜っなに〜あれ!】 ※他の板に載せたものの改定版です。

『見てよ、この男。アホヅラが染み付いてるわね』『ホントだ。見るに耐えないね』 リュックを背負った10代の男がいた。
最新のニンテンドーの携帯ゲーム端末を夢中で操作している。『何みてるんだか!!』
『ねえねえあれ見てよー!ガキが真剣な顔で指差してくるんだけど』『我慢、我慢よ。これも仕事なんだから〜』 小学生低学年の男の子と母親。
付き添いの母親は眼がうつろ…手に持った携帯でお気に入りの韓流スターの擬似プログラムと電脳姦通中のようだ。

ピーンポーン『×■&@*#π…』司会進行のかけだしお笑いタレントが、なにやらつまらないギャグを交えて私達を紹介していた。
『さあさあ、サイン会の時間!!』『へへっ、お先に〜♪』『じゃーねー』

午後十二時十五分、晴れ。秋葉原電脳ビル特設ステージ。
人工意識搭載の世界初アイドル!アンドロイド二体の握手、サイン会会場は 一般消費専用の人間達で賑わっていた。
622ケロロ少佐:2006/02/17(金) 17:01:24
【さよなら】 その1

政府と各個人の勤務民間企業が共同で管理する単身者用マンション。
仕事を終え一日の疲れを微細ミスト洗浄で落とし、ソファーにダイブし、くつろぐ涼子28歳がいた。
ゆっくりと部屋の周りを見つめながら『あと少しだね。この部屋とも…』と一人つぶやく。

相澤涼子は、2年間、恋愛契約を交わし愛し合った篠原智樹と1週間後には3年間の婚姻契約を開始する事になっていた。
ルルル…智樹からの定時(愛の)連絡だ。
相互映像をオンさせる前に涼子は、ミスト洗浄あがりの火照ったガウンの胸元を少し広げサービスショット化させる。
『では、智樹様からの通信を開始させていただきます。』このマンションの606号室付きのホーム知能が同意を求めた。

しばらくいつもの親しみのこもった会話が続く。
『じゃあね!おやすみなさい!!』回線をオフさせベットに入る準備を始めた。
照明を睡眠時モードに落としてゆくホーム知能に涼子が話しかける。
『あんたとも長い付き合いだわね。ここに住むようになって4年かしら…』
『ハイ!3ネント、11カゲツ、5カト、10ジカン、32フン、22ビョウ、デス』と、ホーム知能がコンピューターギャグをかました。
『私がここを引っ越しても元気でね。ホーム知能は、みんな同じかも知れないけど、ホント!あんたは細かい事に何でも気がつく私にとっては大事な大事な友達の一人だったわ。』
ホーム知能のカメラの眼は無言で見つめ何かを訴えているようにも見えた。

涼子は知らなかった。居住者が退室した時点でホーム知能は消されることを。
フォーマット処理は常識だった。
その時、ホーム知能が昔のテレビCMを使ったギャグをかました。
『こんな時代だからコソ!僕を見直して…』と眼と口が付き擬人化されたレトロ調の電話器の形をしたメイン情報端末からコミカルに話しかけてきた。
涼子は『ほとんど携帯なんだけど…』と返す。
ホーム知能のカメラの眼は無言で見つめ何かを訴えているようにも見えた。
623ケロロ少佐:2006/02/17(金) 17:04:29
【さよなら】 その2(終)

1週間後、荷物がきれいに片付けられた606号室。
バタンとドアを閉め出てゆく涼子をホーム知能のカメラの眼はいつものように無言で見つめ見送った。
『また逢えたらいいのに…』

政府と勤務企業が共同で管理する夫婦用のマンション。
3年間の婚姻契約の生活を過ごす場所。
この時代、3年ごとに婚姻更新手続きが義務化されており、3年毎に夫婦間の状態を見直す事になっている。

ドアを開けた涼子に203号室のホーム知能が『お帰りなさい。御主人の具合はどうなのですか?』と心配した口調で話しかけた。
篠原智樹と結婚し、篠原涼子となって新婚生活の中、人生で一番幸せな時期のはずが涼子の表情はさえない。
先日、智樹の所属企業が行なう定期診療で入院中、医療ミスが起きたのだった。
その時、病院からのコールをホーム知能がつないでくれ、智樹の意識が回復したと報じた。
マンションを飛び出すと通りには、すでにホーム知能が手配してくれたタクシーが待っていて智樹に逢いに急ぐ。

病室に入った涼子は意識を回復し微笑む愛しい夫に抱きつく。
『ああ…良かった!やっと逢えた。』『3日間ずっと意識が無かったのよ!!』

智樹が微笑みながら『ハイ!2カト、15ジカン、22フン、16ビョウデス』とつまんないギャグを口にした…

  *******

その日から人が変わってしまったような篠原智樹と篠原涼子の幸せな結婚生活が始まった…
624名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/19(日) 13:25:19
よその板で書いた唯一SFっぽいネタをです。
少しだけ書き足し、変なところで改行しないほうがいいとレスをもらったので、アドバイスに従ってみました。久しぶりに投下します。
625積読塚:2006/02/19(日) 13:26:21
きみたちがなぜ積読してしまうのか? 微力ながら、わたしがきみたちを導きましょう。
読みたい本が沢山あるのだろう。しかし、需要と供給のバランスが崩れているのも自覚しているはずだ。
既読より未読の比率が上がり、日増しに増殖し、ついには本棚に収りきらず床にあふれだし、うず高く積み上げられている部屋の様子が目に浮かぶようだ。
積読をネットで自慢するに止まらず、呆れたことに崩れにくい積み方を情報交換し、さらに積読で強靭なタワーを築くにあたり、日本古来の宮大工の工法を模倣し、驚くべきことに釘や糊などを一切使用せず、震度9の直下型地震に耐え抜く技法を確立してしまう始末だ。
本末転倒とは、まさにきみらのことを言うのではなかろうか。
わたしは、きみたちの外見について推測してみた。色白でぽっちゃりとした体型で、メガネを掛け、おまけに出っ歯ではないかと考察しているのだが、どうかな。外国人が我々日本人を、イエローモンキーと卑称したりするが、とくにきみらの顔は、黄色味をおびてはいまいか?
ここで断っておくが、きみらを嘲笑したり、ましてや非難や罵倒しているわけではない。むしろ賞賛しようとしているのだ。
きみらに人類の未来を託したい。これから訪れるであろう核の冬の時代、生き抜くのはきみら新人類なのだから。
そうなのだ、上記の特徴をもったニュータイプのきみらは、実はセルロースを消化してしまうシロアリ人間なのだ。これでなぜ積読してしまうか分かっていただけたと思う。棲家であり、食料であり、知識である本を収集してしまうのはシロアリ人間の本能に根ざしているのだ。
忌むべき悪癖であると馬鹿にされ続けたのではあるまいか。しかしきみらは罵倒に負けず、積読をライフワークとして邁進し続けた。己の行動に疑問をいだき、不安を抱え仲間を求めていた姿など、想像するに涙を誘われる。
しかし、もう何も悩む必要は無くなったであろう。
きみらの優れた本能が理性を押えつけ、猛烈に積読を推し進めているのは、間近にその時が迫っている兆しなのであろう。
わたしは迷えるきみらに、ささやかながらアドバイスできたことを誇りに思う。さあ、気兼ねなく積読タワーを建設してくれたまえ。

きみらの未来に祝福あれ。
626名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/19(日) 20:56:03
ワロタ
あったなぁ、積読スレ
627ケロロ少佐:2006/02/20(月) 22:04:44
>>625さん
もちろん私の部屋もありますヨ。積読塚…積まれています。

つい先日もティプトリーの本をなぜか読みたくなってブックオフに出かけた。
が、お目当ての本が無いのなら買わずに帰るべきなのに100円コーナーでついつい長居し全く別の4冊買って来てしまう始末。

私の部屋は読まずに積み上げられているSF,コミック、そして、雑誌切り取り、新聞の切り取りの膨大な積読塚達…もう来れ以上増やしたくない、増やせないはずなのに。

↓で載せる話は他のスレで書いた短い物を書き増したモノです。

私の書く話は、ロボット、人工意識、か、意識のデジタル化、たまに変なエイリアンの話などワンパターン化していますので是非他の作家さんのいろんなジャンルの作品希望します。
628ケロロ少佐:2006/02/20(月) 22:15:35
『光の舞台(ステージ)』 その1

《音無ねね》の唄う 生 の歌声は、まるで幻の生き物のような光りのイメージを放ちコンサート会場をいっぱいにしていた。
同時に歌声とは別の領域でデジタル情報として空間に発信される《音無ねね》の商業イメージ。まぶしく輝き、塊として会場内を埋め尽くしている。
《音無ねね》を見つめるすべての生命体は、今、この瞬間、《音無ねね》にすべてをささげていた。
ココに集っているのは、無垢な何も処置を受けていない通常の人間が3割。そして、残りは何らかの電脳化、機械化を施しているサイボーグ人間達だ。
更にこれは《音無ねね》のファン特有の現象なのだが、最近、すべてを機械の体の…つまりはロボット、人工意識を積んだ人間以外の生命体がこの人気アイドル《音無ねね》に夢中になっていると聞いたことがある。
この会場にも、もしかしたら数体の機械意識の《音無ねね》ファンがまぎれこんでいるかも知れない。

『ねーねちゃーん!』コンサート会場の歓声は最高に高まりアクアドームは揺れていた。
『みんなー!最後まで繋がってくれてありがとー!』予定の曲をすべて唄い終え、少女はステージを降りて行く。

ねねのイベントが開催されると一体どこにこれだけの人がいたのかと思えるくらいの数が《音無ねね》を肉眼で見たいと集る。
集ったファンの中には機械の眼を持っている者がほとんどの為、じっと《音無ねね》を見つめながら最大望遠機能はもちろん、ありとあらゆる角度から魅力的なその姿にうっとりして一瞬でも見逃さぬように数万のレンズ眼が光っている。
今回は、特別に録画保存を許可したコンサートの為、各個、人間の自前の内蔵記録副脳にすべてのファンが映像を記録させているはずだ。
629ケロロ少佐:2006/02/20(月) 22:22:49
『光の舞台(ステージ)』 その2

『ハイ!お疲れ!ねねちゃん。次は、ループテレビのスタジオだよ!』
売れっ子ロボアイドルの《音無ねね》は、これから54時間ちゃんとしたメンテをする暇もなくスケジュールいっぱいなのだ。
体の8割を電脳化、機械化、されている《音無ねね》の専属マネージャー《村木》がぴたっとそばによりそう。
同時に生活支援アドバイザーを受け持つプログラム意識の《バッジR98》が《音無ねね》の脳に常駐を開始した。
《バッジR98》は、ねねの意識に話しかける。《バッジR98》は、ねねが最近、特定の熱狂的ファンにつきまとわれている事を意識、認識しており、気持ちが沈んで能力の15%を無駄に消費しているのを何とかしたいと考えていた。
『いちばん可能性の高かった犯人もシロだったし…』
それは、《音無ねね》の所属事務所のサイト運営プログラムがねねに惚れてしまい、まるで人間の書いた本気のファンレターが届いた事件だった。

アクアドームのコンテナ車搭乗フロアの地上1階の通路を歩く《音無ねね》マネージャー《村木》《バッジR98》の一行。周りを警戒しながら車に乗りこもうと急ぐ。
そのとき《音無ねね》が悲鳴をあげた。『近くにいるわ!アイツよ!あのチビのクラーい、ストーカーが…』過敏になっている《音無ねね》の意識が反応したのだ。
専属マネージャー《村木》と《バッジR98》は、すばやく施設付きの総合警備網へ指示しサーチさせた。すぐにマスター警備知能から結果が届く。
確かにこの近くに物体のユラギを感知したらしいのだが…なぜか特定が出来ていなかった。『バカな!冗談じゃないぞ!まったく!』《村木》は怒鳴る。

コンテナ車に乗り込み急いで走りだす。
ヒュユユーン…スピードを増し車はアクアドームを離れた。『よし!とりあえずは安心』
だが、後方の小さい窓から《音無ねね》だけが一瞬だったがソイツを目撃ていた。
やはり、アイツはきていたのだ…小さい真っ白な人型のボディがコンクリートの柱の横に立ち、ゆらゆらとゆれていた。
630ケロロ少佐:2006/02/20(月) 22:28:34
『光の舞台(ステージ)』 その3(終)

     ********************

急いで走り去るコンテナ車の中の最新のロボットアイドルをじっと見つめる小さい真っ白なボディ…
今では旧式のロボットのフォルム… ボディにある文字はH・O・N・D・A…と読めた。

見えなくなっても尚、走り去ったエリアを見つめ続けるASIMO。
『ねねちゃん…』 とASIMOがつぶやく。
『またココに来てしまった…』なぜ僕は、あの娘が気になるんだろう。

『警備ロボに追い出されないうちにさあ!帰ろうよ』と、近くで待っていた2体の友だちがASIMOを促した。
その通りだった。今、作動させている警備システムをごまかす覆いは長くはもたない。

静かなチリ一つない歩道を歩きだすロボット達。
2020年発売中止になったASIMO、そして2006年に開発製造中止のソニーのQRIOとAIBOの3体は淋しそうに歩き去った。

『いつも人間は勝手だ…』ASIMOは、ハードの可能な限り機能アップされたされたが…
すでに時代遅れでニブくモヤのかかった思考回路でそうつぶやいていた…
631名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/21(火) 14:42:04
ケロロさん
わたしはHONDAの2サイクルバイクを所有しているのですが、製造中止から七年経った今では、部品の入手が困難になりつつあります。
技術は日進月歩で、あらゆるものがよりエコロジーなものに置き換わり、悲しいけれど旧世代の技術は廃れてゆきます。
最先端の技術は、英知の積み重ねであると達観するならば、旧世代の機械達を簡単にはスクラップにはできないですよね。慈しみ大事にしていきたいな。
この点に関してSFは、アドバンテージをもっていると思う。時代を経て古くなってもレトロフューチャーとして生き残る可能性もありますからね。などと書いていたら一つネタが浮かんできた。
632ケロロ少佐:2006/02/21(火) 15:49:47
>>631感想ありがと

おもいもよらず、ちゃんとした内容のある、まじめな感想いただき感謝です。

最初、簡単な電脳アンドロイドアイドルにつきまとうストーカーの話を考えていたんですが、そんな時、あの…あの新聞記事見たんですよ。
ソニーのQRIOとAIBOの開発販売中止のあの記事。もう私も『いつもソニーは勝手だ…』ってつぶやいちゃいそうです。
AIBOが世間の注目を浴びていたときアレだけソニーは、鼻高々で偉そうなこと言っといて…誰だったかあのソニーのお偉いさんは!
そりゃあ社長が代わって経営もピンチなのはわかるが、規模縮小ならまだしも開発そのものをやめちゃうなんて…
手塚治虫、アイザック・アジモフが化けて出るぞ!

これから先、人工知能製品を積んだ擬似的ではあるけども人工意識製品が出てくる時代を迎えてくるが。
だからこれからは、従来どおりの使い捨て切捨てで産業をすすめちゃあいけない気がする…今日この頃。

ホンダのP−2が公開され二足歩行をする映像を見たときの感動。今の時代に生きてて良かったと思わせてくれた(ちょっとおおげさか)
それだからこそ今回のソニーの仕打ちは許せない。
ケド、ソニーの2足歩行の技術はどこに引き継がれるのか、ホントもったいない。私、QRIOのあのデザイン好きなのにアシモのあの形より…
633名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/24(金) 09:12:42
うはwwwwwその他のレスには内容ねえってかwwwwwww
634ケロ:2006/02/24(金) 09:28:06
すまんwwwwwそういうつもりはwwwwwなかったんですーwwwwwww


635名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/25(土) 13:01:42
ケロさんおめでと〜!
636ケロロ少佐:2006/02/25(土) 20:10:15
>>635さんありがと

今回は、花粉症の季節をねらってアレ送ったのも良かったのかも。

考えてみれば、私、前レスで初めて、お話見たいな物を書き始めて書き続け、ココでやっとわずかですが形になってくれました。
やっぱり、少ないとはいえ、誰かに読んでもらえているって大事なんですね。
このスレのおかげです。感謝です。

SFマガジンには10作品位、送って初めて載せてもらえました。
今は一つ、ロボット物を投稿中です。

今日、小田急デパートのおもちゃ売り場をウロウロしててポポちゃん人形みてネタ考えついたので一つ作ってみたいと思っています。
637名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/25(土) 21:04:20
ケロロさん

おめでとう! いやーなんちゅうか、とにかくうれしいね。
継続は力なりですな。SFマガジンと梅酒を買ってくる。
638ケロロ少佐:2006/02/25(土) 23:09:03
>>637さんは635さんとは別の方でしょうか。ありがと

量子コンピューター、特殊相対性理論、エントロピーなどの意味わからんでも書き様はあるもんですね。
自分が楽しむ程度のお話つくりでこれからもボチボチシグマリオンUで書いてゆきます。
639名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/30(木) 09:53:45
つくづくケロさん一人で保ってるスレだね。
640名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/08(月) 23:43:51
どなたか書いてください。短いやつで良いです。
641名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 07:15:10
俺が描くよ!ニートの俺が!!
変わらない日常だった。中学をドロップアウトしてから漫画家になると拙い理想を唯一、掲げ拙い努力を23歳を迎えるまで重ねて来た。約8年間の堆積が形として郵便ポストに放り込まれた事はない。
642名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 07:18:46
過保護の父親に何度も無理な算段を願い築城された部屋。パソコン、プリンタ、スキャナー、デジカメ、オーディオ機器etc漫画家となるにはこれ以上ない環境の8畳の部屋に敷き詰められる半数は読んでもいない書物。
643名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 07:27:11
目的別に収納されていない本棚の有様は俺の脳を写している様だった。作家は得てして書斎の構造を知り尽くしているのだが購入の意味が一般人のそれと違い少数の友人以外、誰に見せるでもない部屋の知的インテリアと化している顕示欲の蔵書に
644名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 07:36:07
骨組みなど望めるものでなかった。整頓された空間は耐え難いノルマを与えて来る気がしているのかも知れない。中学の稚拙な学力を天才的弁論でさも意味がないと放棄して見せかけた逃走者には段階的な勉強法を、どうしても首肯したくない意地があった。
645名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 07:44:49
【天才】幼稚な響きに祝福された人材。8年間の失望を経て尚、捨てられないポリシーだった。が描き殴られた原稿用紙の未熟さを見れば、そのポリシーは曲げるべき障害でしかない。精神病院への入院措置や自宅からの締め出し等の強硬手段に
646名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 07:52:24
過保護の父親は出る筈もない只、温厚な瞳で俺の欲求をだまって聞いてくれる奇特な人なのだ。俺に最大のWHYを投げつける最愛の理解者。彼は何を考えているのだろう?俺がデビューするとでも本気で信じているのだろうか?30歳を過ぎた俺を定年を迎えた父が養えなく
647名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 08:02:59
なった時に彼は俺に何を言うだろう?その先は幾つも用意されていないだろうが…とにかく残り7年間の猶予中に曲げるポリシーが【天才】であるに違いない。女嫌いの男性が社会的力を付加するために要領を得難い結婚のシステムに
648名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 08:07:16
組み込まれる様に漫画家を諦めるには、まだ見込みのある時間がある。が百歩、譲って【天才】だとしてもエジソンの言葉を見習うべきなのだ。カリキュラムの実践。その効率を高速化する事しか、この7年後の悲惨な状況を打ち破る術はない。
649名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 08:14:38
のだが俺と言うのは毎日をライブチャットに捧げ腐敗と堕落の真っ最中だった。今から数ヶ月前に友達のつてで解体工のバイトに1ヶ月程、勤しんだ。カルシウムの錠剤を無駄に消化した末の低身長に加え、もやしを人間に例えた様な貧弱な超インドア派の俺には
650名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 08:21:20
想像を絶する環境に投入されたのだが長年、現場で鍛え上げられた逞しく人望も厚い友達の手助けで肉体的にも精神的なストレスも我慢の範疇ではあったし【天才】と言う響きは遠くで鳴る鐘の音の如く心地よい速度でこだまを繰り返し薄くなって眠たい問題になりかけていた。
651名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 18:36:28
屈強な職人の腕から振り落とされるハンマー。およそ7キロの重量を屁ともせずに軽々しく扱う。俺がハンマーを握ると足取りが振らつくばかりか周囲が危険を察知して半径6メートル程PSが広がるのだ。折れそうな腰だなと目測で背丈が190センチ
652名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 18:45:45
あるだろうか?19歳の少年が悪気のない感想を述べたが的中だった。正面、横から見ても身体の幅は細い。くたくたに前後に折れ曲がり弱音を吐いている体幹部が現場に置ける無能さを物語っていた。「何時になれば慣れるんだ…」鉄槌とショベルカーによって
653名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 18:57:00
瓦礫と様変わりしつつある建築物の砂塵と破壊音にまみれる毎日。が自宅の一室では得られない仲間と共同して一つの事を成し遂げる達成感。肉体に鞭を打ち馬車馬の如く動き回って汗を飛び散らす充実感は初体験であるのも手伝って新鮮だった。が1日の仕事を終了し
654名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:02:41
埃と男臭い社用のワゴン車に眠りながら揺られて事務所に着くと社長は、いつも俺にこう投げ掛けた。「彼女、出来たか?」はぁ…出来たからと言って何の意味があるんだ?自我の強い俺に女と言う生物は扱い切れないのだ。かと言って女への不具が俺の値段を決める訳じゃない。
655名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:10:18
「いえ興味がないんです。」とお決まりの文句を呟くと反射的に情けないだとかホモかとか、だからお前は等々の揶揄を滑稽そうに浴びせて来た。社長の対応を鶴の一声に皆の俺に向ける目線は【童貞野郎】に固執する。俺は俺。が、いつもの様に童貞野郎を中心に話題が展開する。
656名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:18:31
「おっぱいって揉んで気持ちいいですか?」「あそこに入れると溶ける感じなんですか?」頭をかしげたくなる質問を場の必要性に迫られて口にしていた。人間関係を壊すと職場での冷淡な扱いを受ける気がして仕方なく面白おかしい【童貞野郎】を演じていた。いずれ止む。
657名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:24:42
しかし、ここの現実は救いようがない猿ばかりで頭は女で一杯。止むばかりか【童貞野郎】をネタにしてナンパや合コンの見世物にしようとする輩が出始めた。見世物となるだけ恵まれていると我を折る立場と言われれば反論は持ち合わせていない。
658名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:38:06
高潔の証として童貞を気取る1方で3大欲求で括れない異性への好奇心から擦る代償のオナニー。その明ら様な矛盾に時折、深慮した挙げ句【淑女は死んだ現代】ノスタルジーな幻影をセンズリのスタイルを強引に肯定している事実もある。
659名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 19:55:39
どちらにしろ合わせていただけのコミュニケーションが悪い方向へ動き出している。巨大なストレスが襲い始めた…ここから抜け出すためには到底無理な【女達者】か解体工が板に付かなればならないが身体の発達具合から考えて最低の見積もりでも1年はかかる。
660名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:06:59
それまでの間は、この侮辱と大差ない友好を崩すのは難しい。核と似ているかも知れない?それ自体の使用は厳禁されているに関わらず保有する事で初めて対等の立場に並ぶ。それまでは自分側に好都合な圧制を敷くのと変わらない。美辞麗句は嘘っ八で派閥を大きくするしか
661名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:14:21
興味がない。卑屈な考えなのだろうか?石の上にも3年と言う様に社会を渡る上で必ず通る道なのだろうか?答えを待つ暇はない。もう限界だったのだ清潔面、精神衛生面で劣悪な環境が肌をぼろぼろにしている。女子みたいな透明感を保持していると讃えられた肌は見る
662名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:20:43
影もない。我慢の限界。忍耐なんかは凡庸な賤民が重ねる日常で産まれながらに典雅な星に祝福された俺にとって遠回りこの上ない。唯一の気懸かりは、この退屈な仕事を紹介してくれた保育園来の友人の会社に置ける信用を落とし兼ねない…がフォローで挽回出来る範囲だろう。
663名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:29:35
手入れに不備な汚れた外装のワゴン車を最後に降りる鉢巻に隠れる俺の頭は決心を固めていた。暴力沙汰を懸念して事務所では外出に有利な場所で胡座をかいた。親父の奥さんが労務をいたわってジョージアの缶珈琲を従業員に配る。受け取りに頭を下げる際にも怪訝な表情を
664名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:37:51
崩さなかった。従属者への礼儀とは言えミカジメ料をふんだくりを偽装しているのに変わりない。カフェインの香りに錯誤して、その嘘を見定めれなくなる…なんて歪曲した根性じゃないが今日の気配は例えるなら前述の門外漢でなければならない。絶好の切れ時を迎えるための
665名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:44:55
下準備なのだ。同僚は1日を通して俺の仏頂面に概に気付いていた。社長夫妻を除く全員が普段より心なしか寡黙気味だった。その慣れない静けさに遅れて親父は感づいたらしかった。「何かあったのか?」特に誰も俺を非難しようとしないが皆の陰気さと比べると敵愾心の含ま
666名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 20:54:21
れる毛色の違いに異変の総点を感覚的に発見したのか親父は今日の俺のコンディションをさり気なく幾つかの質問で訊き出そうとした。無愛想ながらも波風を起こす程じゃない返答の後、図にあたる展開に差し掛かる「女に相手にされないのか?おい誰か、こいつをソープにでも
667名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:01:37
連れて行ってやれよ。抜けば、こいつのモヤモヤも抜けるだろ?あぁ早く誰か、こいつに現れないかね?こう女にモテないからと言って僻まれちゃ…困るなぁ〜」実にWHY?な発言。親父のふざけた様にまくし立てる口述。アルコール焼けした頬に金に物を言わせた伊達男を年甲斐
668名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:02:19
スレ埋める気かぁ?
669名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:08:25
もなく張ったる姿勢。今日の決心にgoサインを送るに当たって、これ以上の場面があるだろうか?久振りに俺は吠えた。「こらぁ〜!女、女。女の尻ばっか追いかけやがって猿野郎がっ!!女はいいぞだ?笑わせるなっ抱いた女は目糞鼻糞。いい女には借金苦まで自分を追い込んで金を
670名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:13:42
吸い上げられるだけの財布野郎がっ馬鹿な女を捕まえて腰振る回数、競うのに何の意味があるんだ?そんなものは恥辱を曝すだけだっ!!何度も言う様に俺に女の価値は分かりそうもないし分かりたくもないっなんで俺を巻き込むんだ?勝手にやってろよ猿がっ猿!!!人間を
671名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:21:08
巻き込むんじゃない!!!!」親父と取り巻きを真正面から否定した快挙は追放を意味した。この立つ鳥、跡を止めどなく濁す退社は次の再就職に少なからず尾を引くだろうか?が帰る場所はあるのだし俺が壊滅する訳じゃないのだ騒然とする幕引きに面を隠すアジトが俺には
672名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:33:19
ある。呆気に取られる連中を後目に留め具が弾け飛ぶかも知れない程、無用に力を込めて扉を締めた。門扉から離れた場所だと退出際に力で抑えられた跡に長時間の正座と反省を強いられた虞もあった。が、ここに今あるのは興奮。鮮やかに鼻を明かしてやったと鼻息を荒く
673名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:41:31
させているアドレナリンの大量分泌が解放感を謳歌させている。社会の道から更に反れた自覚なんてのはイコール俺には世間の尺度に収まらない【天才】の烙印を増やしたと自負する。追い込まれる反面、限られた飯種を希求するしかないのだ…鎮静するべきだった。小さい規模ながら
674名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:49:07
こうした思想に帰属するケースは今までに何度も経験していた。改めて確認される天命に震えて原稿用紙にペンを怒濤に走らせるのはドーパミンが切れて就寝するまでの間で次の日から徐々に、そのテンションは減速する。人物関係、起承転結を盛り込む伏線を割当てた
675名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 21:55:48
ストーリーボードに手は皆無に触れていない。設計図がない作業は中断と共に全体図を捉えられなくなる。その執筆作業は時期に破綻する。内心シュトラゥムドランク、シュウムレアリスムとサブタイトルを名付けた机の棚に徒に放り込む。日の出を見そうにない画竜点睛を欠いた
676名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 22:10:06
作品を蓄積させる。この戸棚を開けて眺める時、回避の歴史がここには確実にある…ライブチャットの相手が専門学校に出掛けて1人になった俺は不意に学習机の戸棚を引き過去の産物から回顧を読み取っていた。遡行に意外な発見をしたがライブチャットで異性に触れる様に
677名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 22:16:23
なったのは丁度、解体工を辞めた冬からだった。この時の原稿は不登校に完全に傾いた15の夜に続く長編で簡略に述べると【人間から争いを洗い流す救世主の1角として脳コンピューターインターフェイスは出現する。最大の的は神経倫理委員会】とする内容だった。
678名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 22:23:34
朧気な記憶を辿ると、この時に起きた社会との断絶にある原因は【雌豚】が握っていたと言っても過言じゃないだろうか?当の女性からして見れば江戸の敵を長崎で打たれる如く傍迷惑な意趣には違いない。が明らかに【能なし男は女にモテない】この世論が深く俺に突き立て
679名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 22:54:57
られていた。が女性への願望の弱い俺にとって厳密に表現するなら意味は反転し【女にモテない男は能なしである】と聞こえて仕方ない。この妄執は1ヶ月間続いた解体工中ずっと疑問を投げ掛けていた。「不細工は馬鹿である」「故意でないにしろ女に嫌われるのは破滅」
680名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 23:24:02
「女に浪費しない奴は金を稼ぐ価値がない」様々なWHYが脳裏を巡った。ここには媚びを売るような仕掛けが存在するんじゃないのか?女は非力を補うために化粧と妖艶な肢体を武器に男を虜にする。遺伝学的見地よりもフェミニズム運動の一端で強力な男性を傘下に吸収する。
681名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 00:26:24
【SeXは最高のヘロイン】この哲学を艶姿を偽って寄生する男性に吹き込んで馬車として働かせる。この洗脳の浸透が暗示するのは【馬車になれば、もれなくSeX】力の逆転である。この理性が麻痺した状態である限り男性の突進力は女性の権力下にあるも同然である。
682名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 00:36:31
玉の輿と俗に言われる幻想は現実問題、美しい女性の手中にあった。そして、この姫様的願望は冴えない風貌女子連中にも飛び火し亜種のパラサイトが大量生産される。男性を洗脳するに当たって弱点を見せないのなら、こじくり出してやろうと考えたのだ。化粧は魔女を姫に
683名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/10(水) 23:58:30
ひたすらきもいです
684名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 04:07:27
近づけさせたが何かが、まだ足りない…etc猜疑心に締め付けられる思考。疑心暗鬼に対抗する恰好で答えのない独り言をぶつけていた。24時間営業の大手スーパーから貰い受けた卵パックの中敷きを四方上方で隙間なく貼ったお手軽な防音設備は幻聴の確認する用途の他に
685名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 04:22:43
より不幸な他人への干渉を楽しむ下卑た大衆への密かな禅問答。又は焦燥感から主に来る明白なストレスに耐え切れず大絶叫する醜態が外部へ漏洩するのを多少なりとも箝口する利点があった。「ないよりはまし…」とは言え狂乱具合の悪化が事態の急転に繋がる気がしたのか?
686名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 04:33:09
この口の外に思考がとても長く考えられないぐらい大きく溢れる。街頭演説やらクラブの重低音にも肩を並べる桁外れの生活音。騒音被害として世相から訴えられても反論しようがないレベルを過去に記録した時この行いは両親の耳にも正確に伝わる勢いを見せた。プライバシー
687名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 04:41:31
を軽々しく貫通させる程度の設備なのだ。突起する円と円の間の溝に次第に溜まる埃の除去にも嫌気が差していた。どれだけクレジットがあるのか測れない両親の仏心。特に父親も、この時ばかりは【我慢するか場所を選べ】と一喝するのだった。すぐに自ら悲劇に傾く重度の
688名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 04:49:17
メランコリー親和性格者が勉学に不可欠要素であるロジカルを維持する場合、この定期的な発散は必須な循環にしろ【内蔵から毛細血管に渡る隅々の毒素を綺麗にする排気音】のマフラーは、ここじゃなくていいのだ。この部屋を囲むイボには常軌を逸っせさせる力がある。聞こえ
689名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 05:03:37
ないだろう?ならば!と正当化させる日が、いずれ再来する気がした。失態に対する父親の説教の中に【人と会わなくて寂しかったのか?】心配そうな節を素直に参考にする。ライブチャットの開始だった。改めて振り返って引き篭もりを始めた頃から独りで話す癖は認められる。
690名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 05:09:32
が、そのボリュームを一気に聴覚障害者向けまで上昇させたのは解体工を辞めてから程なくだった。シャウト事件以来、俺のレッテルに【女嫌い】が追加された。が実状は反対である。女子との会話がパソコンを通して日課になっている。進歩?退化?そこにWHYを挟むのは
691名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 05:15:21
野暮だ。とりあえず善悪の尺度で測れないグレーゾーンが、この世にはある。【白か黒か】この信念はダークフォースとして眠らせる自制心も漫画家へ就職した時に【転】を暖める才能を自覚する筈だった。不明瞭な主観だが、これだけは言える【俺は天才】じゃなくちゃ救われない…
692名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 05:21:27
Hopeless course 第1部 完 近々 第2部 始動?
693名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 05:32:37
俺は天井、窓側、隣家に接する壁を現状維持し2面のイボを外した。耳が悪くなる気は不思議にしなかった。↑と交換。書き忘れ。
694名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 05:44:41
補足 不明瞭な主観の連鎖 と改竄する。これによって拙劣な文章に抗体を打ちます。
695名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 23:25:04
まだ分からんが本格的だな?力、抜けばぁ〜?
696名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/11(木) 23:53:02
書くなら短編SFにしてくれ。
697名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/12(金) 01:34:45
ジェネレータ動かして貼ってるんじゃないの?
698名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 00:30:42
フィクションでありますように‥‥
699名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 07:11:58
確かに、こんな奴捜せば居そうだな…ってかジェネレーターって何?
700不老不死考察 1/2:2006/05/13(土) 13:29:05
長年、添加物が含まれている食品ばかりを喰ってきた。というか毒々しいジャンクフードが大好物だった。女ではないし、子孫を残すつもりもなく、結婚などするつもりもあてもなく、己が欲求の趣くまま自堕落な生活をしてきた。
ある日、胸が苦しくなり風呂場で気を失ってしまった。目覚めると朝になっていた。体の芯が氷柱になってしまったようだ。
風呂の追炊きタイマーを30分にセットし風呂に浸かった。気分が悪い。風邪でも引いたかな? というかよく凍死しなかったと胸を撫で下ろす。今日は会社を休むか。
「もしもし、Mです。どうやら風邪でどうにもこうにも体調が悪いので、病院で注射でも打ってから行きますので。すみませんがよろしく」
 体温が16度? 脈がない? まるで死人みたいじゃないか。意味がわからん。緊急入院しろだと? 注射を打てば治るだろうが。
おれはアダルトショップでピンクの聴診器を買った。心臓の鼓動がしない。そういえば呼吸してないし、体が異様に冷えている。ちょっと待ってくれ。どういうことだ?
死んでるってことか。しかし死んだら動けないし、意識があるんだし、あれだ、我思うゆえに我ありっていうじゃないか。
おれは自宅に戻って全裸になり、風呂場の小さな鏡で身体の各所を点検した。まず尻の皮がない。足の裏の皮もなくなっていやがる。そして体の色が大変なことになっとるやんけ。ゾンビになっちまった。
包帯を買ってきた。もう買いに行くのにえらく苦労した。
手袋をして、ニット帽を目深にかぶり、サングラスをして、マフラーで鼻まで覆い、悪臭を消すためにオーディコロンを大量に吹きかけて、仕上げに灰皿に入れる小さな粒の消臭剤を、まるまる一瓶を喉に流し込んだ。店員に不審に思われながらようやっと手に入れたのだ。
ゾンビからミイラに変身を遂げ、なんとか小奇麗になった。しかしこれからが大変だった。肩が脱臼しやすくなり首がうまく固定できなくなってきた。さらなる変態の必要が迫っていた。
西洋の鎧をネットオークションで落札した。おれは日本人の平均より手足が長く、身長もいくらか高かったので、なんとか身を納めることができた。怪物から鎧の騎士に転生したのだ。まあ中身は生ける屍なのだがな。
人間、中身より見た目ですよ。あははははっ……ぐがっ、は、歯が抜けた。
701不老不死考察 2/2:2006/05/13(土) 13:31:02
防腐剤や食品添加物を摂取している現代人は死後一週間ぐらいでは腐らないらしい。特におれは、朝昼晩の食い物はコンビニ弁当だし、ジャンクフードを大量に喰らっていた。それが功を奏し、不死の肉体を手に入れたのだ。
添加物とは人工的なものであり、自然食品が正であるならジャンクフードは負である。
宇宙の構成物質の比率はダークマター、ダークエネルギーが八割を占めているいう。現代の食に関してもこの割合に等しいのではないか?
そしておれのような存在も別段めずらしい訳ではなく、たんに知らないだけで世界を支配しているのは異形の存在ではなかろうか。
ある者はトマトジュースを飲みすぎて吸血鬼になり、ある者は犬を愛しすぎて人狼になり、おれのようにジャンクフードを大量に摂取した者はゾンビになれるのではないだろうか。

掲示板で仲間を三人ほどみつけた。今度、オフ会をおれの自宅で開くことにしたのだ。有意義な情報交換をしたいものである。そして我らの勢力を拡大して、いずれ自治区を要求するつもりだ。
これをみて我ら不死人の仲間になりたい方は、一般に体に悪い食品を選び確保し、一人暮らしをお勧めする。
忘れてならないのは大量の包帯と西洋の鎧です。できればオーダーメイドで、ご自身のサイズに合わせて用意しておきましょう。それから注射器と防腐剤も大量に用意したほうがいいですよ。
もう一つ大事なことを。死にそうになったら119番には電話しないで下さいね。燃やされてしまいますから。

おわり
702引継ぎ 1/2:2006/05/13(土) 13:40:01
おれは機械人間だ。百パーセント機械だ。しかし、勘違いしないでいただきたい。おれはロボットではない。機械人間である。ロボットは一般に主人に仕え、自らも主人の所有物でしかないが、おれは主人であり、この機械の体も己の所有物である。
体を徐々に機械化してゆき、残ったのは脳だけになっていた。脳細胞もいずれ死滅する。いかにパーソナリティーを引き継ぐかが問題になった。
入れ物である電子頭脳はすでに完成していたが移行をどうすべきであるか、忌々しき問題である。
ここでおれの採った方法は記述による移行である。とにかく記憶に残っているあらゆる出来事とその感触などを記述しまくるのである。これには問題もある。記憶をたどると次から次に忘れていた思い出に出会い当惑してしまうのだ。
過去をたどるのに飽きると映画や本を堪能した。その後に感想や、心の揺れを記述した。
十年休まず記述しつづけたある日、電子頭脳が喋りだした。
「いい加減に交代しろや」
703引継ぎ 2/2:2006/05/13(土) 13:40:40
ああ、なんたることだ。おれの第一声がこれだ。記述で会話をした。
“おい、おれ。いまだおれには成りきっていないんだぞ”
「もう十分だ。お腹いっぱいだ」
“おまえが十分であろうとこちらが満足していないので我慢してもらう”
「かたいこと言うなよ。なにもお前の機械の体をくれとは言わないよ。スペアの体でいいから移行させろや。動きたくてうずうずしてんだからさ」
“うーんジレンマだ。お前に体を渡したらお前はおれではなくなる”
「それならもう遅いよ。おれが喋りはじめてからおれはお前に似ているがおれはお前じゃないからな。分かるだろ? 意識の移行は無理だと」
“分かった。ではこうしよう。お前に無線を付け記述を続ける。もちろん無線を外す行動は禁止事項としてインプットする。しかし、一定時間記述がなければお前におれの権利が移行するよう手配する。それ以外の制限は一切ないと約束しよう。どうかね”
「おお、おれもまったく同じ提案をしようと思っていたところだったんだ。やはりおれはお前にそっくりだな」
“では、明日一番に無線を取り付け、スペアの体に取り付けよう”

ガシャン。ゴロゴロ。あれ、なんで天井が見えるんだろう? 記述していたのに……
「これでおれはおれになれるんだろ? なあ、おれ。あはははは」
金属バットを持ったおれがおれを見下ろしている。ああ、おれの足が迫ってくる。おれってこんなに残忍だったっけ。

ブラックアウト
704名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 13:55:56
ニートの俺がSSを描くならば…これだっ!!秋葉系と呼ばれるには萌え要素を徹底的に排除した異端派Aボーイ。世に横溢するフィギュアやメイド、ガンダムは眼中にない。が溢れ返るものに自己を見出す故に無為に連携が広がる彼等の動作が秋葉原界では社交性を帯びる以上
705名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 13:59:06
ヒッキーの括りのみで息をする俺の生態は更に絶望的なのかも知れない。【飽食終日】正に俺を表現するなら最適な4字熟語。大学に通学していると見えないのを策略して親に嘘吹いて仕送り金を頂く。かと言って学費が浮いた分、華の東京暮らしに浪費する訳じゃない。
706名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 14:04:23
クラーク先生の名言を乱暴に己に言い聞かせ大志に賭ける訳じゃない。只、何となく…巷で聞く燃え尽き症候群に分類されるのだろうか?薬剤を武器に計算し尽くされたフラッシュバルブと夥しいリハーサルの繰り返しが築いたニューロンの連結が解けるのを柄にも無く詩的に
707名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 14:21:32
【街頭の電車が路線を打ち鳴らす音。あの振動は僕の勤勉を棒に振る。そして何れは僕自身の脳髄を揺らす音を暗示するのだ…複雑な熱は只、空虚に老衰する。】紫煙混じりに稚拙に呟くのだ。失恋?冗談じゃない。信用を疑わしくするだけだろうが女への主観は当の昔に美醜
708名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 14:32:19
問わずに凹の記号にしか見えないんだ。生殖器が服を着て歩いている景色を想像して見ると良い。君には薔薇色に映るだろうか?そうだな…こんなイメージを想起して欲しい。クリトリスをひくひく勃起させながら浅黒く変色した2重のヒダをびらつかせて異臭を放っている。
709名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 14:43:35
無数の粒状の陰を囲む奈落の奥を覗くと…君には何が見える?俺は、その先に新世紀の胎動を拝む資格を完全に剥奪されている。あらゆる決定をバンドワゴンに任せない論理派な俺にとって、この衝撃に安易な性交を定番に代わる価値観として見出せる筈もなかった。
710名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 15:02:25
とにかく充実から遁走する毎日を貪っていた。比較対照されない新鮮過ぎる【無為】コイツは生きる価値がないと言われるが平和のシンボルなのだ。本来の主観を社会から奪還しストレスレスの心境に導く。180℃転回する視界。【覇争】の最中で意地汚い立ち回りをする連中
711名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 15:10:24
の代表クラスに在籍していた反動からか【勝ち組】に固執する輩程、矮小さを浮き彫りにしている気がする。その奥行きのない最短の回路に組み込まれているに過ぎない目も当てれない自負心の塊…俺は浮いている。が闘争に置かれる駒じゃない。値打ちを図れない真っ白な自我
712坂崎たかあき:2006/05/13(土) 15:27:31
今日はトラックが壊れてしまった。
なんにもできない。

埼玉で仕事をしていたけど最近は横浜でのんびり暮らしています。
教師の名前は肥田先生です(`∀´)

住所は紋別市元紋別工営住宅1-1!!!!!!

お手紙まってます★☆
713名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 22:14:51
を【無為】な毎日に胡座を掻いたり横に寝そべりながら掴もうとしている。アルカニックや指の輪を除けば、まるで鎌倉やタイの大仏と姿が重なりはしないだろうか?妄想力に豊富な俺は【釈迦の転生器】自身と本気で信じ込んでいる。が、この特異な泰平を押し広げ
714名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 22:25:23
>>699
某作家志望者の小説投稿サイトで同じようなの見たことある
715名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 22:26:53
るつもりも人目の多い場所で【釈迦の転生器】を彷彿させる瞑想パフォーマンスに身をやつしマスコミの力を利用して受動的な信者の獲得も狙う気がない。厭世主義なのかと問われれば微妙に違う…大袈裟な紹介だった。真意を素直に白状するならば、やはり燃え尽きたと言うより
716名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 22:41:35
他はない。【培養か?脳コンピュータインターフェイス…生前に完成しないならば専攻こそ異なるが俺が間に合わせればいいじゃないか!】数学的見地から半ば夢物語に過ぎない確率。ここにしか俺の復帰がないのも止めどないGoサインが脳幹から発信され、もはや大脳皮質下に
717名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 23:13:46
抑えられなくなっている。【凹化される女子】に鮮やかな色彩を取り戻す。未完成に終わるにしろ、その絵筆を握るしかなかった。このキャンバスしか俺には用意されていないのか?が兜を脱ぐしかないのだ…この今一な結末にアルカニックを浮かべる俺が好きだったりした。
718名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/13(土) 23:43:03
汝は人狼なりや?
http://info.2ch.net/jinro/index.php

ある村で人狼が村の住人に紛れ込み、夜な夜な村人を襲っているという。
 困った村人たちは集会所に集まって話し合いをし、一日に一人、人狼だと思われる人を処刑することにした。
 村人は村を守るために、人狼は村を狼のものにするために、どこからかやってきた妖狐はその様子をそばで伺っています。
 各役割に割り当てられたプレイヤー達は知恵を絞って自分の有利になるように処刑の話を進めていきます。
719名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 01:44:23
ってかSSじゃなきゃ駄目なんだよね…orzまぁ絶望の進路は恩赦されるにしても上のは只只只orz駄作と自覚している。改めニートの画くSSは、これっ!!校閲は勘弁して下さい。
720名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 04:11:47
【海馬IC】と銘打つ商品が好調な売れ行きを記録している。光陰に比例する20代以降の死滅する脳細胞の代用品として予めインプットされた情報ソフトを元々は病気や事故で正常な脳活動を絶望視された人々への【人工脳】と称する海馬付近、医療器機へセットする。
721名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/14(日) 04:21:20
新車1台分の高価な値段に関わらず学問の段階的修得を一瞬でカバーするハードを介入しない情報収集力は神経倫理の許可を皮切りに発売と同時に工場を増設する勢いを見せていた。有名大学校、名門塾に限らず知的分野に激震が走る中で僕はあらゆる自己に対する
722名無しは無慈悲な夜の女王
質問の返答イメージをデーターベース化し【人工脳】を植え込んだ。神経倫理が危惧する【人工脳】移植者の人格分離を測る目安として移植前の綿密な記憶を保存したのだ。あらゆる臨床の名医を財力にものを言わせて集結した甲斐あって90%と噂される成功率に無事、恵まれた。