元々のエッセンスは、ナチスがひったクソみたいなネタの後片付けで
敵よりも味方殺すほうが多いリズちゃんだとか、拳銃以上に複雑な機械を身に付けても
ことごとく壊れるヘルボーイだとか、あからさまに「今死にますこれから死にます」的な
脇役のクセに妙に軽口が多い味方だとかが、ドラキュラだとかハーピーみたいなのと必殺技なんて
まったく使わずにどっかんどっかん殴り合いのケンカするっていうダークヒーロー物なのに、
今回の映画ではそんなのは全っ部ワキに置いといて、
とりあえずBPRD青春白書な展開で、どんな敵を目の前にしようがどんな状況だろうが
まず最初に恋の話略してコイバナで攻めてみたり、徹底的にコテコテのネタでハッスルしてみたり
つまり例えば、
相手の怪人を地下鉄まで追い詰めたんだが、地下鉄道に轢かれて這い上がろうとしたヘルボーイに
乗務員がタンクでアタック、タンクでアタック、「オイ!俺は味方だ!」って説明しても
「んなわけねーだろが!」ってタンクでアタック、
落ちるヘル、歓声を上げる乗客、ガッツポーズする乗務員のコンテや、
ごっさゴツイ、ダコン神みたいな化けモン目の前で地下鉄の乗客が
「うわー!」だとか「キャー」だとかパニックになってて、
ヘルボーイはヘルボーイでぶっ飛ばされてるけど、
『くそっやりゃーがったな、どーやって倒す?ああ、もーめんどーだ、
とりあえずぶん殴る』ってな感じなところで
「きゃータスケテー!!あたしの子猫ちゃんタスケテー!!!!!」
って、助けんなよヘルボーイ。お前に抱かれてるほうが激しくアブねーんだよ子猫、
自分で自分ピンチにしてどーすんだよって感じで、トロ監督、なんか各所で狙ってる。
でもあの群集内の戦闘シーンは仮名ライダーシリーズとかもっと勉強して見習わなあかんよ。
それはともかく、こんなネタ宝庫の映画はフィフスエレメント以来だ。