怪奇小説家 都筑道夫

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55名無しは無慈悲な夜の女王
ちくま文庫から怪奇小説選集が出るらしいね。
全3巻くらいで。
推理作家の都筑道夫(つづき・みちお、本名松岡巌=まつおか・いわお)氏が
11月27日午前10時42分、動脈硬化症による心臓発作のため
米ハワイ・ホノルルの病院で死去していたことが12日分かった。
74歳。東京都出身。
葬儀は近親者のみで営まれた。
喪主は長女篠原利奈(しのはら・りな)さん。
長年東京で暮らしていたが、昨年妻を亡くし
篠原さんがいるホノルルに移り住んでいた。
学生時代からミステリーに親しみ、
時代小説や推理小説を発表。
1956年に早川書房に入社し、
「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」
の編集長を務め、
多くの英米作家を日本に
紹介した。
59年、早川書房を退社。
本格的な作家活動を始め、
「なめくじ長屋」や
「キリオン・スレイ」のシリーズ、
「七十五羽の烏」などを
次々に発表。
一方で
長編評論「黄色い部屋はいかに改装されたか?」
を出版。
編集、創作、評論といった
さまざまな分野で戦後日本の推理小説界を支えてきた。
2001年には
「推理作家の出来るまで」
で日本推理作家協会賞を、
今年は日本ミステリー文学大賞を受賞した。
[1]『危ないことなら銭になる』62年 監督:中平康 主演:宍戸錠、浅丘ルリ子
[2]『怪盗X・首のない男』65年 監督:小杉勇 主演:宍戸錠、松原智恵子
[3]『100発100中』65年 監督:福田純 主演:宝田明、浜美枝
[4]『俺にさわると危ないぜ』66年 監督:長谷部安春 主演:小林旭、松原智恵子
[5]『殺人狂時代』67年 監督:岡本喜八 主演:仲代達矢、団令子
[6]『国際秘密警察・絶対絶命』67年 監督:谷口千吉 主演:三橋達也、水野久美
[7]『100発100中・黄金の眼』68年 監督:福田純 主演:宝田明、前田美波里


 この内、[2][3][6][7]は映画用に原案を書いたもの、[1]の原作は『紙の罠』、
[4] は『三重露出』、[5]は『なめくじに聞いてみろ』の映画化である。
[3][4][7]は都筑自身が脚本に参加している。

 例えばリスト内[2][6][7]は俺は未見であるが、[6]の「国際秘密警察」シリーズというのは当時のスパイ映画ブームに乗って東宝が何本か製作した三橋達也主演の「007亜流」物であり、
俺は『国際秘密警察・火薬の樽』という作品だけ見ている(まあまあだった)。
関係ないが、この「国際秘密警察」シリーズの内の『鍵の鍵』という作品を、ウディ・アレンが勝手に英語の台詞を付け替えて
(三橋達也が気の弱いユダヤ人で、世界一の卵サラダの調理法を巡るドタバタ劇にしてしまっているらしい)『ホワッツ・アップ・タイガー・リリー』という作品に
している事実は有名である(俺は途中まで見たことがあるが、字幕がないので面白さが全く理解出来なかった。『火薬の樽』のワンシーンも流用されている)。
)。[3]と[7]も同様で、俺が見た[3]は宝田明扮する日仏混血の「アンドリュー星野」という青年が
大活躍する「007亜流」物で、脚本が都筑の他、岡本喜八が書いているだけあってアイデアも工夫が凝らされており、
実に面白い映画である(但しラストシーンはその前の伏線の台詞がカットされてしまい妙に唐突な感じを観客に与えてしまうのが難点で、都筑も『推理作家が出来るまで』の中で不満を漏らしている)。
本家ボンド・ガールの浜美枝のセクシー・ダイナマイト振りも結構、何故かヒーローの宝田明ではなくコミック・リリーフの筈の有島一郎が
飛んでる飛行機に掴まって大アクションを展開するといういい意味でのツボの外し方もいい。
布施明のマヌケな主題歌も無駄に元気で笑える。続編の[7]も是非見たいものである。