「必殺仕置人 明治疾風怒涛編」(仮題)
第一話「地獄を見た男」
1 小屋
炎に包まれる主水、意識が遠のいて行く。(オーバーラップする画面)
2 地獄風景
(このシークエンスは、BGM無し、夢とも現実とも区別がつかないシュールな
感じの映像で)
血の池地獄に沈んでいく亡者たち、池の横で磔になり息絶えている罪人たち…
背景は針の山、そこに倒れ込む亡者たち、
血の池地獄の横に倒れていた主水が目を覚ます。
以下の主水の台詞は全て内心の独白。
主水「…ここは…ここはどこでぇ…」
主水が周囲を見回し、磔になった罪人の屍に気付く。
一瞬、主水の顔に恐怖と驚愕の表情が浮かぶが、すぐにあきらめきったような醒めた表情に変る。
「八丁堀」、と主水の背後から呼びかける声、驚いて振り向く主水。
念仏の鉄(初期のスキンヘッド)が、針の山を背景に、
薄っすらと笑みを浮べながら立っている。
主水「鉄…おめぇ、とっくに死んだじゃなかったのか…」
鉄は、無言で笑みを浮べて主水を見ているのみ。
主水「そうか…おめぇがいるってことは、ここは…」
キャメラがズームになり、地獄風景を背景にして、向き合う主水と鉄を写す。
鉄「八丁堀、あんたは、まだここに来るには、少々早過ぎるみたいだぜ」
(鉄の唇は動いておらず、相変わらず笑みを浮べたままである)
主水「なんだと、いったいこりゃあ…」
大音響と共に地獄風景が反転する。亡者たちの悲鳴が響く中、再び気を失う主水。
つづく