252 :
名無しは無慈悲な夜の女王:
人間は、酸素がなくても死ぬが、酸素濃度が高すぎても生きてい
けない。宇宙船内の空気には、酸素濃度を適度にするために窒素
もしくは不活性気体が必要だ。
しかし人間は窒素を呼吸するわけではないので、密閉状態の宇宙
船内の窒素は減少することはない。(まあ、エアロックを開閉し
たりすればロスはあるけど、あの話では船外に出ることは想定さ
れていなかったろう。)
だから、わざわざ窒素のタンクを用意して船内空気の窒素を補充
する必要はない。酸素タンクと、二酸化炭素の除去フィルターさ
えあればいいわけだ。少なくとも、九十九はそう考えて、無駄な
窒素タンクを用意しなかったのだろう。
で、その状態で窓が破れて減圧した。タンクには酸素とヘリウム
しかない。ここで酸素だけを補充したら、危険なことになる。
というわけで、漏れが考えるあの場面の真相はこうだ。
非常用の予備の酸素タンクはちゃんとあって、非常事態に反応し
て自動的に酸素を放出していた。だが、キク8号はそのことをわ
かっておらず、あわててタンクを開いたら、それがヘリウムのタ
ンクだった。結果的に、そのおかげで、適度な酸素濃度が保たれ、
みっくすJUICEの4人は死なずにすんだのである。