山本弘 part3

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とんでも(2002/02/13)
昔のベストセラー『神々の指紋』批判あたりから、どうも勘違いしてきているのかなー、
せっかく『トンデモ本の世界』は面白かったのに……と思っていたのだが、どうも山本弘は
本気でおかしくなっているらしい。
最近作『トンデモ本の世界R』を立ち読みしてみたら、なんだか小林よしのりの『戦争論』を挙げていて、
「あれ?」と思ったのだ。そもそも、『トンデモ本の世界』シリーズって、別に正義だの科学的根拠だの
歴史事実だのを考証して批判を加える本じゃなくて、おかしなオモロ本を紹介して笑おうっていう
マターリお笑い本じゃなかったっけ? だから『神々の指紋』批判のヒステリックさあたりから
危惧していたのだが、どうも完全に路線が変わって「世の中の間違っている本を論破する正義の書」
と山本弘が勘違いしてしまっているようだ。
それ、つまらんって。
そもそも、小林よしのりの『戦争論』ってのは、右翼左翼の別なく、それに踏みいれた人間
みんなが泥沼に陥るような本で、いろんな人が語りまくっているし、改めて“と学会”が
発掘するような本でもないし、山本弘の批判文はこんなサイトが出てくるぐらい穴だらけ
だったりする。別に『戦争論』も『トンデモ本の世界』も所詮は“娯楽一般書籍”に過ぎないのだから、
穴だらけなのはいいけど、せっかく『トンデモ本』で取り上げるのに真新しい読み方が
まったくしていないあたり、完全に取り上げる必要がないように思える。つーか、つまんないよ(笑)
せっかくオモロイコンセプトの本なんだから、それを自ら汚すような真似するってのは、
第一オタク世代とも言うべきこの世代の通弊なんかねえ……。栗本薫といい、田中芳樹といい、彼といい、
なんでこうも自分を見失ってしまうんでしょうかはぁ……。似ている腐臭が……(笑)
それになぁ、シリーズの新刊を読むたびに思うのだが、この本で取り上げるトンデモ小説などより
田中芳樹の『創竜伝』のほうがトンデモ度は高く、取り上げればさぞかしネタ的に香ばしく焼きあがるだろうのに、
なんでそれをしないのかねぇ……。くす。
とりあえず、このシリーズは元の“変な本を愉快に笑い飛ばす”という感性を取り戻してくださいってばよ。
誰もと学会の面子で、社会批判を期待してないんだからよ(笑) 慣れない土俵に立つのはヤメトケ。