「勇者さん!」
トマトは冷たくなった、「先読み勇者」の体に取りすがった。
「なんで、、下巻も教えてくれるって言ったじゃないですかぁ、、」
その様子を見つめていた解脱者は、勇者の体を抱きかかえると
トマトたちに言い辛そうに口を開いた。
「俺は今から奴の魂と体を解脱者の国へ連れて行く。こいつのふるまいは
十分それに値するものだった‥‥残念だがこれでお別れだ。」
それを聞いたトマトは、思わず解脱者に取りすがった。
「待ってください!連れて行かないで‥‥」
解脱者は黙ってトマトを見た。
「だって、勇者さん、下巻も教えてくれるって‥‥」
トマトは地面にへたり込んで視線を落とした。
温帯の作品を読み続けている信者が悲惨なものだということは
トマトの「眼」にも「見えて」いた。勇者のことを考えるなら
このスレに引き止めるべきではないことは明らかだった。けれど‥‥
「だって‥‥解脱しちゃったら‥‥もう私、二度と‥‥」
そのまま黙って地面を見つめた。
「温帯に涙はいらない」‥‥‥
ラ板より愛を込めて、、、、、SF板の皆さんへ。