3つのキーワードでSFを書いていこう!!

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300名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/06(木) 10:29:13
誰かお願い載せて!
301名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/06(木) 23:18:02
1木星連邦
2地球帝国
3アース星人
地球の資源が枯渇
地球を独裁政権が制圧
民主主義者は宇宙へ逃走
数百年後木星連邦ができて木星周辺で人類が生活できるようになる
地球に住む人類は凶悪な宇宙の侵略者アース星人と呼ばれるようになる
木星の資源を狙って地球帝国が木星連邦に対して侵略を開始
地球は環境破壊と資源枯渇と乱開発で雲に覆われた暗闇の星になってて地獄みたいな惑星
地球帝国の独裁支配から地球を解放する戦いが始まる
地球にもアース星人のレジスタンスがいて独裁者に抵抗している
302名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/07(金) 08:22:34
常駐スレで連続投下中のがもうすぐ片付くので、こっちに戻ってくる予定。
303名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/11(火) 15:38:55
五番惑星のマリー1/2

肩こりが酷くなって医者を尋ねてみたが、いくら調べても原因はみつからない。
とうとう最後に「原因は心理的なもの」という、要するに「判りません」という結論が告げられた。
うすうすは予想していた結論だった。
痛むのは左肩。
「指きりげんまん、ウソついたら針千本飲ぉーます」
左利きのマリーと左手で交わした指切り。
決して置いて行かないと、一人では行かないと約束したのに、7年前の朝オレは一人で逃げ出した。
怖いものなんてない!などと散々うそぶいていたくせに、あいつ1人の幸せに責任もつのが怖かった。
(行こう。行って様子だけでも窺ってみよう。)
ロケットのチケットを手に入れようとチケットセンターに行ってみたら、私の持っている定期乗船券で行けるという。
マリーと私のあいだには、銀河の長さほどの距離があると思っていたのに、実際は毎日当たりまえに使っている定期券で行ける程度の距離しか無かった。
その事実を知ったとたんまた私の左肩がずんっと疼いた。

304名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/11(火) 15:46:01
五番惑星のマリー2/2

五番惑星に下り、マリーの住む町までの道のりは、まるで夢の世界のようだった。
自分の足が自分のものではない……、そんな感じのまま私は懐かしい家の戸口に立っていた。
呼び鈴を鳴らすとドアが開いて……………懐かしいマリーが立っていた。
マリーの顔が五年前と変わらぬ微笑みに耀くのを目にしたとたん、鉛のようだった左肩の痛みは一瞬で溶け失せてしまっていた。
だが、何を言えばいいのか、どうすれば許してもらえるのか、色々考えて来たはずなのに上手く舌が動いてくれない。
マリーの手を握ってしどろもどろの言い訳を連ねる私の口をそっと押さえて「彼女」が言った。
「言い訳なんてしなくったっていいの。こうして尋ねてくれただけでママは……。」
「!……マ、ママ?君はマリーじゃないのか!?」
「私はメアリー。アナタの探していたマリーは私のママよ。」
頭をハンマーで殴られたような衝撃とともに私は気がついた。私の暮らすスペースコロニーとマリーの住む五番惑星では流れる時間の速度が違うのだ。
私とマリーの間を隔てていたのは距離ではなかった。
……決して元へは戻せないもの……時間だったのだ。
呆然と涙を流す私の頬に、そっと口づけて「彼女」は言った。
「ママに代わってお礼を言うわ。ありがとうパパ。」

お し ま い

と、いうわけで次のお題は……
「亜熱帯」「キノコ」「ロボット」
305名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/31(月) 12:25:21
under the mushroom 1/3

気が遠くなるほど長い核の冬も終わりを告げ、
未だ多く残る放射能の中いち早く地上の覇権を取り戻したものがある。

ほとんど朽ちたビルの内部から顔を出す菌糸類・・・即ちキノコである。

亜熱帯の地、かつてニューオーリンズと呼ばれた街の町並みは軒並み菌床へと変わっている。
大量の降雨と夏の高温は彼らにとって非常に生育に向き、
嘗ての人間を思わせる太平を謳歌しているのだ。

操る主もいないのに未だ動き続けるトラムも例外なくシートにキノコをはやし、走るたびに胞子を撒き散らす。
306名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/31(月) 12:26:16
under the mushroom 2/3

その中に生きる数体のロボット。
彼らは主が帰るときを待ちわび、この街を保守・保全している。
嘗ては何体も何体もいたが、長いときの中で壊れ失われてしまったのだ。

今日もまた霧雨の中、一体のロボットが見回りをしている。
擦り切れて錆びが浮き、のろのろとしたモーターの音を響かせる彼は、
曇って精度の落ちたカメラで道路をはみ出したキノコを見つけ出しマニピュレーターで剪定する命令を与えられている。

その作業は最早最適化する余地もなく最適化され、
各所をめぐる順路に一切の無駄がなかった。
307名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/31(月) 12:27:07
under the mushroom 3/3

その腕は仕事を始める前に停止した。
その足も、首のジョイント部分も。
自己保全プログラムが起動するも、何かが詰まっているという返答しかない。
やがてそのプログラムを処理するリソースを確保することもできなくなった。
内なる命令に従ってモニターとデータの維持に全てのリソースをまわす。

しばらく彼は動かなかったが、その体が唐突に不随意運動を起こす。
関節が無様に曲がり、白いものがそこから這い出してきた。
彼らの関節にさされたオイルや、バッテリーの内部の硫酸をエサにするキノコに侵されたのだ。

バランスを崩してその場に転げた彼が最後に見たものは、
遠くの街に落ちた原爆の傘を思わせるような巨大なキノコであった。
308305:2006/07/31(月) 12:28:43
こんなもんですかね・・・・

次は「亀」「音楽」「死」
で。
309ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/08/25(金) 02:42:50
『道に死体のある風景』 その1

惑星《ゲンジャ》の大気は少し赤みを帯び、さらさらと細かい砂が混じった状態でゆるやかな風が吹いていた。
この赤は何か危険な予感を私たちヒトには感じさせるものがあった。
もし、今、実際に、この場に私たちヒトが立ったとしたら人体は、惑星大気内に漂う無数の有害な異星ウィルスの侵食にあい、たちまちのうちに命を奪われる事だろう。

5メートル65センチの強化戦闘体に《心移(しんい)》している私の本体(本心)は、遥か遠いこの星の衛星軌道上の戦闘衛星に居る。
私によって遠隔操作され動いている戦闘ロボットは、村の道をゆっくりと歩行していた。
この区画は、ほとんどが《地球民主生命軍》の支配域。
部下の3人と11体の人工意識戦闘体と共に生き残りの敵、異星生命を探していた。

肉眼で見る以上にリアルな感覚で認識できる高感度の人工眼から見える異星の村の道には、無残な格好で横たわるエイリアンの死体ばかりだった。
動くものと言えば、私たちが降下する前に投入された《戦闘亀》の這い回る姿だけ。
この亀は、極限にまで遺伝子を改変され、凶暴性を高めて知能アップも施されて有り、更には、補助装置無しで惑星《ゲンジャ》の大気の中でも生き続けられるように創られている。
《戦闘亀》の鋭い歯によってずたずたに引き裂かれ飛びだしている異星人の内臓を見ても戦意改変され精神強化されている私の心は何も感じていなかった。
310ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/08/25(金) 02:44:00
『道に死体のある風景』 その2

圧倒的戦力の差でこの戦争もまもなく終了するだろう。
だが勝ち戦であっても私たち兵士にとって結果は同じことなのだ…

意識徴兵されている私たちは、地球へは戻れない。
戦いが終結した時点で全員消去処分される。

たぶん自分の《死》の運命を知っていてもこんなにも冷静にいられるのは、戦争に道具として加工され、使われている私の心…

「つまりは、私はヒトではないのだろう。」

太古の昔から最前線の戦場で戦う兵士は、皆、私と同じような運命でゴミとなっていたのだろうか。
そういえば、私には名前がないことに気が付いた。
そもそも、認識タグでお互いを自動認識できるので名前など不要ないのだが。

その時、部下の一人《***》が生き残りのエイリアン兵士を見つけた。
そいつは、真っ白な皮膚で同じく真っ白な戦闘殻を身に付け、弱った体のまま最後の攻撃を行おうと戦闘態性をとった。
「来るぞ!皆、シールドを張れ!」と無言の声を通信した。

私は、一瞬だが防御壁を張る座標を一マス誤まった。
異星人《ゲンジャ》特有の攻撃を受けてしまう。
目の前に迫る無数の人間女性の全裸姿。あまりの美しさと耐えられない程の淫らなイメージに去勢されているはずの私の性的本能を撹乱させてゆく。
311ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/08/25(金) 02:45:00
『道に死体のある風景』 その3

強化戦闘服が持つ最終防護ラインで何とか対処出来、発狂を免れたとたん、第二波の精神攻撃が襲ってきた。
それは、幼い人間の子供の群れが戦闘服にしがみつき私の戦闘意欲を奪おうと試みるもの。
少しでも抵抗すると、とても幻惑とは思えないリアルさで、その子供の可愛く見つめる瞳のまま、肉体が破裂し、真っ赤な血を吐き出し、無残な肉片へと次々に変貌する。
この攻撃により、私の意識は、ブラックアウト状態になり回収された。

目覚めた時、戦争は終結していた。惑星《ゲンジャ》は、完全に人類の支配するものとなり母星《地球》へ勝利宣言が通達された。

この戦闘に参加した、たくさんのヒトは、私を含めこの勝利を喜んだ(喜ばされた)。
そして、数秒後、すべての兵士であるヒトに対し、処分作業が直ちに開始された。

私は、体も何も存在しない精神という塊のまま、何も感じない状態で処分ルートを進んだ。
前には仲の良かったずーっと一緒の隊で戦い続けていた《***》が居た。
《***》も私に気が付き振り向き話しかけてきた。

「おめでとう!」と一言。
私も、心の底から言葉をこう返した。

「おめでとう!人類は素晴らしい!」
312ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/08/25(金) 02:45:50
『道に死体のある風景』 その4(終)

長い長い一瞬の時の通路。
この死へのロードに入ってからずーっと聞こえている音楽があった。
とても心地よい曲で耳を澄ませながら、こんな私でもまだヒトらしい部分が残されていたのだと変な感心をしていた。

「思いだした!」
この曲は、確か、大昔、若くして死んだ有名な天才作曲家が作ったものであることを。


前方に見えてきた白い光の塊が大きくなってゆき私は消えた。
最後の刻が訪れたのだ。
そして一瞬…こう思った…

「ああ、もう一度、見てみたかった。朝、目覚めたすぐに窓から差し込む太陽を…」
313ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/08/25(金) 02:54:29
次のお題

天才  宝石  DNA

で…
314名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/28(木) 16:04:38
良作、期待!!
315名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/27(月) 22:23:13
保守!!
316名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/20(水) 11:04:43
だれかーーー
317名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/25(木) 17:11:09
給料日アゲ
318「天才」「宝石」「DNA」:2007/05/08(火) 19:18:07
その男は天才だった。
理論上不可能といわれたタイムマシンを、独力で開発したのである。もちろん秘密裏で。
研究室の中央に鎮座する銀色の卵形装置。彼はそれを眺めながら、はて、これから何をしよう、と考えた。
男にとって、もはや研究自体が目的となっていたのである。その研究も終了した今、つまり彼は目的を失っていたのだ。

彼の家は曾祖父の興した事業で裕福だった。しかしタイムマシンの開発に費用がかさみ、今ではずいぶんと銀行預金の残高も頼りない。
男は、ここは一つ、金儲けをしてみることにした。
家にあった地図を引っ張り出す。貴金属、宝石類の有名産地が書かれた世界地図を。
彼は自らの作ったタイムマシンに乗り、時代を”ジャンプ”した。

それからというもの、男のDNAには商才も刻まれていたのか、男の過去から持ってきた宝石は飛ぶように売れた。
希少な宝石とはいえ、過去、その過去、さらに過去、そしてまた過去の過去から運んでくるのだ。商品は尽きない。

ある日男が高級ベッドで目覚めると、下半身が半透明になっていた。
その時彼は思い出したのだ。曾祖父は、野垂れ死に寸前に何の採掘事業で成功したのかを。
男はわあと喚いて、消滅してゆく自分の身体を観察することしかできなかった。

次、「先輩」「昨日」「試験管」
319名無しは無慈悲な夜の女王:2007/05/09(水) 20:21:33
age
320「まつけんサンバ」1/3:2007/05/25(金) 08:44:10
おーれー♪まつけんサンバ!
おーれー♪おーれー♪……まつけんサンバ!!
薄暗い部屋のなか大勢の人が歌い踊り、中央のお立ち台では白塗りの男がおどけた仕草で扇子を振り回している……。
……憧れの先輩に手を引かれ、僕はとあるアングラバーに陣取っていた。
清純そうに見えた先輩が、こんな禁所に出入りしていたなんて…。
でもそんなことを考えていられたのは最初のうちだけだった。
白い粉末の入った試験管に何かの薬液を注ぎ込んだかと思うと、先輩は一気に喉へと流し込んだ。
「オーレイッ!」景気づけのように誰かが叫ぶと、「まっけんサンバッ!」とこれまた誰かが続ける。
そして喧騒の中、先輩のくいっと伸ばした白く細い首の内側を怪しい薬が流れ下り……顔を下ろしたとき、先輩は、僕のまったく知らない女性になっていた。
メガネを外して髪を縛ったゴムを解き、白い学生服の胸元を緩めて嫣然と微笑むと、さっきまで先輩だったその女性は、僕にすうっと顔を近寄せてきた。
今しがた飲みくだした薬のせいか、頬は上気してバラのように赤らみ、濡れて光る唇から微かにアルコールの匂いのする息が漏れ出す。
甘い………なんて甘い香りなんだ。
そんな呆けた思いに囚われた僕の唇に、冷たい何かがそっと触れた。
……いつの間にか、女性の手にはあの試験管が握られていた。
中にはあの白い粉薬。
「先輩」をオレの知らない「女性」に変えた、あの粉薬が入っていた。
321「まつけんサンバ」2/3:2007/05/25(金) 08:45:40
あいにく子供のころから僕は、粉薬というものが苦手だった。
(飲みたくない。)
僕は口をへの字に曲げた。
だが、女性は「だめよ」というように微笑みながら首を横に振ると、僕の方にさらに体を寄せ掛けてきた。
試験管から口を遠ざけようとして状態をのけぞらせたときだった。
…僕は見てしまった。
女性のはだけた学生服の襟元の、さらに奥でかすかに揺れた小さなサクランボウのようなそれを。
思わず息を呑んだ瞬間、何か熱いものが僕の喉を駆け下った。
同時にオーレー!という掛け声。
はっと気がつくと、女性が手にした試験管はもう空になっていた。
それから…………急に熱さがやって来た。
体が、ではない。僕の中にあるけれども肉体ではない何かが熱く熱く燃え上った、そんな感じなのだ。
熱い…熱い…僕が思わず力づくで学生服の前をはだけたとき、何かがカチッと音を立ててテーブルに落ちた。
学生服のボタンが、糸が千切れて落ちていた。
それを目にしたとたん、僕は急に怖くなってきた。
ボタンの千切れた学生服が、もう後戻りできない昨日までの僕とダブって見えたのだ。
激しい不安に襲われ、僕は慌てて辺りを見回したとき……。
322「まつけんサンバ」3/3:2007/05/25(金) 08:46:40
(…ん?)
踊り狂う客たちの中に紛れ、それまでは確かに見えていなかったはずの存在が飛び跳ねているのに気がついた。
小学生のような体つきでありながら、100歳を超えた老人以上に老いさらばえた顔。
その皺の中で、小さな目が濁った黄色い光を放っている!
淫猥にして邪悪なるもの。
あれは……あれは小人?!
それでは試験管の中で青白い炎を発したように見えたあの白い粉薬は!?
マッケン!マッケン!と連呼する声が、ぐるぐる輪を描きながら上りだす!
僕の中で分別臭い声が叫んだ!
(逃げろ!)
幸い出入り口はすぐそこだし、先輩は僕のことなど見ていない。
しゃにむに立ち上がろうとした僕だったが……次の瞬間、僕の膝関節が溶けた。
僕が溶けながら輩の上に覆いかぶさるように倒れかかると、僕の体の下で嬌声を上げながら先輩も溶けた。
オレと先輩は、夢にまで見た「一つになる瞬間」を、夢にも思わなかった方法で実現したのだった。

………そして禁断の法悦は、僕と先輩のものになった。
……アーサー・マッケンの法悦が……
マッケン・サンバの法悦が……
323「まつけんサンバ」3/3:2007/05/25(金) 08:48:56
…と、いうわけで、次「白樺」「バイオエタノール」「人工知能」
324ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/08/07(火) 21:56:52
「ようこそ」その1

制御システムはすべて正常値を示していた。
私たちに残されている時間は、まだたっぷりある。

人類の発生の星、地球から遠く離れたこの惑星「ボナス1(ワン)」

私たち 人工知能 の使命は、のちに、この地へ赴くであろうヒューマンの移住の地としての整備。

「ボナス1」の大気成分は理想的な状態でほとんどこのままでも十分に人類の生存に適したものだった。
全体的に、この惑星は植物が主体の星で、生息する動物は細菌、ウィルス、昆虫類の他はネズミによく似た小さな生き物のみ。
北半球の気候のもっとも安定した大陸の平原に着陸した我々は、ココにヒューマンを受け入れる都市を築くことにした。

製造ナノマシーンを開放し、この星の金属資源を採取し活用して、基礎プラント施設を建造させた。

バイオエタノール によるエネルギー供給をメインに組み上げることに決定している。
探査用ロボット移動体を500体稼動させた。
原料はすぐに見つかった。
バイオマスエタノールの原料は、炭水化物。生産効率の面から糖質あるいはデンプン質を多く含む植物資源が理想。
この星の生命の遺伝子配列は、十分応用の出来る範囲内のため問題はなかった。
325ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/08/07(火) 22:00:30
「ようこそ」その2

使える植物はすぐに見つかった。
この星には、地球に生える 白樺 という植物によく似た表皮構造の樹が無数に生えていた。

白樺とは、地球の温帯から亜寒帯地方に多く見られる植物、落葉樹の一種。
樹皮が白いことからこの名があり、落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布。アジア北東部・シベリア・ヨーロッパの広い範囲に分布する。

私たちはこの樹をバッカストレイスと名づけた。

明るい場所を好み、成長が早く、短期間で高さが20〜30mになる。
幹は、まっすぐに伸び、枝は多岐に別れて伸びて卵形の樹幹を形成。
外皮は薄く、黄色みを帯びた白色で光沢があり、花期の後は黄色く紅葉する。
花期は雌雄同株なので、5cmほどの雄花は長枝の先から尾状に垂れ下がる。
雌花は短枝に4cmほどの花穂をつける。通常は一代限りで消えていく。

風媒花であるためヒューマンには気管部分に問題を起こす可能性あり。アレルギー症防止の処置が必要かもしれない。

採取される表皮及び樹液をそのまま利用することが可能。
この部位は飲料や食品への利用もできることが成分分析で確認された。
また、樹液に含まれる成分にヒトの表皮の保湿を促進する効用があることから化粧品にも利用できそうである。
326ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/08/07(火) 22:01:50
「ようこそ」その3

バッカストレイスが分泌する特殊な香料はあらゆる物、外敵からこの樹を保護していることもわかった。
引き続きこの特殊な分泌香料の成分解析が重要なようだ。

この惑星のほとんどの地に生息するバッカストレイス樹木。
その資源の有効利用によりほとんどの殖民都市建設の問題は解決するだろう。
本格的なバッカストレイス樹木の伐採に着手を決定。
作業用ロボット移動体を20万体稼動させた。


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@@@*:$ЩΘ*#%&###%&##%@@@*:$ЩΘ*#

緊急事態が発生し私たちのシステムは崩壊寸前までダウンした。
「いったい何が起きたのか記録が消滅し原因も解明できず」
だが、すぐに私たちの機能は回復。

「わかった!了解した。問題は何もない」

私たちの思考回路はすべてを受け入れていた。
この星に存在していた知性とコンタクトしたのだった。
327ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/08/07(火) 22:03:21
「ようこそ」その4(終)

バッカストレイス知性樹は私たちの提案を受け入れ人類との共存に合意してくれた。
計画は順調に進む。

そして都市は完成した。

最後に残されたテストをはじめた。
合成させ、用意させた人体実験用の3体の人間を自然の状態に放ってみる。
人間は通常の動きを見せ呼吸も正常、空気中のウィルス、細菌類にも適応できていた。
一番近い位置にある、バッカストレイスの生息する森へ歩いてゆく3体の人間。
土着知性バッカストレイスの知性樹が放つ精神可変物質との融合はうまく行った。

人間が元来持つとされる特有の凶暴性が緩和され温和な状態で精神が安定してきた。
560時間で予定通り三つ目の視力機能が発生し後頭部に眼球が現れた。
すぐに2本の触覚も生えてくるだろう。
702時間で2本の足が、864時間目で4本の腕が新たに生えてきて正常に10本の手足の生物へと変化した。
言語機能も失われてきた。肌の色も、もうすぐ予定通り朱色に変化するだろう。
これで、準備は完了した。

時が経ちヒューマンの受け入れ態勢がすべて整った都市の上空に地球からの移住者350万人の乗った船の姿が現れた。

「ようこそ、我がヒューマン!お待ちしていました。楽園が出来上がりました。」
328ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/08/07(火) 22:07:33
次のお題「ぬいぐるみ」「ゲーム」「検索」
329名無しは無慈悲な夜の女王:2007/09/10(月) 00:29:29
誰か…合体させて…
330名無しは無慈悲な夜の女王:2007/11/15(木) 16:07:45
期待…
331名無しは無慈悲な夜の女王:2007/12/19(水) 12:39:39
今のお題「ぬいぐるみ」「ゲーム」「検索」 でです。
332名無しは無慈悲な夜の女王:2007/12/25(火) 14:54:04
ぬいぐるみゲーム、で検索したら、このレスがヒットした
333名無しは無慈悲な夜の女王:2008/02/29(金) 11:11:49
まだ期待…
334名無しは無慈悲な夜の女王:2008/04/12(土) 09:31:06
3つの
335伊藤伊織:2008/05/05(月) 12:05:13
5 1 3 4 5 6 8 7 0 1
0 2 0 4 3 1 3 8 3 1
2 2 5 8 3 0 1 7 0 6
7 6 8 2 2 4 6 8 7 0
5 0 0 6 0 7 0 6 2 6
336名無しは無慈悲な夜の女王:2008/06/24(火) 11:22:14
ぬいぐるみ ゲーム 検索

「まずはぬいぐるみだ」

 僕はパネルに必要なキーワードを打ち込み検索を開始した。
 彼女の好みは既に検索済みだ。必要な条件を満たした品物が0.5秒も懸からずに表示された。その中の一つを選び購入のボタンをクリックする。次のアイテムの取得に移る。

「今度はゲームか…」

 彼女はアクションが好きだ、だがガンシューティングは嫌いだ。他にも彼女の好みを細かく入力し検索する。今度は件数が少し多かったが、さらに二つ三つキーワードを入力すると、めぼしい商品に行き着くことができた。
 今はこの検索システムで殆どのものが手に入る。恐竜、宇宙船、古代遺跡。逆に手に入らないものを探す方が難しい。

「さてと…」

 最後の検索に取り掛かる。

「彼女最近は色白で身長が高いのが好みだったな。」
 馴れた手つきで僕は明日彼女に合うための体を検索した。
今は何でも手に入れることができる。友人、彼女、家族、自分。逆に手に入らない物を探す方が難しい。
システムは0.5秒もかからずに必要な条件を満たした品目を表示した。


次のお題 「インプラント」「仮説」「新種」
337名無しは無慈悲な夜の女王:2008/06/26(木) 16:20:03
「インプラント」「仮説」「新種」

「これはあくまで仮説なんだがね」
教授は机の上の化石を指し示しながら言った。
「私はこれはインプラントではないのではないかと思っているんだ。
つまり、新種ではないかとね」
「では、彼らは珪素生命へと進化したとお考えなのですか?」
「うむ。ただ、この器官の機能がわからないんだよ」
教授は化石の胴部、ガス交換器官の外側についている二つの珪素胞を調べ始めた。
謎に包まれた古代テラ文明、彼らの消滅の秘密を解くことができれば、
考古学の一大トピックだ。僕は興奮で思考索がよじれるのを感じた。

…オチは解説しなくていいよね?
次のお題「USB」「藪の中」「飛行体」
338名無しは無慈悲な夜の女王:2008/08/26(火) 15:36:59
誰か面白いの書いてください。
339名無しは無慈悲な夜の女王:2008/09/05(金) 12:02:47
「たまご」「街灯」「船」
340名無しは無慈悲な夜の女王:2008/09/21(日) 23:14:10
USB 藪の中 飛行体

 その日Aに近くの林の藪の中に呼びだされた。Aは酷く興奮したようすで訳の分からないことを呟いていた。
「たしかこのあたりのはずなんだけどなぁ…」
「何を探してるの」
「君もみたろ?昨日飛行体がこの藪の辺に落ちるのを」
「どうだったかなあ?」
「くそ!昨日のうちに来ればよかった!もうすっかり掃除されたあとだ」
「だから何もなかったんだって」
「例えばそこを見てみろよ」
「別に変わった所もなさそうだけど」
「そう、ちょっと見ただけじゃ分からないだろうね。でもよくみてごらん。綺麗すぎるんだ。不自然なほど自然なんだ、奴ら上手い具合に『修復』したのさ」
「考え過ぎだと思うけど」
「これを見てもまだそんなことが言えるかな?」
 そう言うとAはポケットからパソコンのUSBケーブルみたいなものを取り出した。
「USBみたいだけど」
「飛行体の残骸の一部さ」
 僕はとうとう悲しくなってきた。Aが宇宙人やUFOが好きなのは知っていたがまさかここまでとは。…
 そんな僕の考えを表情から悟ったのか、Aは声を荒げて食いかかってきた。
「本当なんだって!」
「分かった、分かったから、…まずは冷静になってこれでも飲みなよ」
そう言って僕はペットボトルをわたした。
「ああ、すまない」
 Aはそれを二口三口飲むと少しずつだが落ち着きを取り戻していった。今朝国から村民全員に配給されたこの飲み物は気分を和らげる効果があるようだ。
しばらくしてAは呟いた。
「…ところで…僕は何の話をしてたっけ?」
よかった。どうやら正気に戻ったようだ。僕は安心して返す。
「いや、大した話じゃないよ。それよりもう帰ろう。日も暮れそうだし」
「うん… そうだな…」
 Aはまだ何か言い足りないようだがそれが何か思い出せない様子で訝りながら、何度も立ち止まったり振り返りしながら僕とともにその場を後にした。

 Aの話は本当だったのか?しかし今となってはもうそれを知る術はない。正に真相は藪の中。…
341名無しは無慈悲な夜の女王:2008/09/22(月) 00:56:39
>>340書いたものですが次のお題は>>339のでお願いします。
342名無しは無慈悲な夜の女王:2009/02/13(金) 00:04:23
誰か面白いの書いてください。
343卵 街灯 船:2009/03/02(月) 23:00:48

卵焼きを作りながら鼻歌がこぼれる。
「やけにご機嫌じゃないか」
「そう?」
何でもないふりをしたが、本当は夫の言う通りだ。私は浮かれている。

昨日の出来事。奇跡のような出来事。仕事の帰り道、それは起こった。駅と家の中間の人通りのほとんどない寂しい通り。なかなか死にきれない街灯の弱々しい光。空き地の横を通り過ぎようとしたその時、突然眩しい光。目の前にはテレビでよく見る宇宙船のような巨大な物体。

訳が分からないまま私はそれにさらわれ、そして彼等は私の体に何かをした。朦朧とした意識のなかで何故かは分からないが私は自分に施された何かを直感した。腹の中に命を宿されたことを。

彼等にどういう意図があるか分からない。普通だったら不安と恐怖でおかしくなるだろう。だけど私は……子供が産めない私には。彼等が神様に思えた。


「君は悪くない」
「うん」
「子供なんていなくたって……君がいれば僕は幸せだ」
「私は……大丈夫」
「……そうか……」

出来上がった卵焼きを皿に移す。美味しい美味しいと笑顔で食べる夫。幸せだ。
だけど……それでも私は産みたい。たとえそれが人間じゃなくても。命を、私の子供を。産みたい。

344名無しは無慈悲な夜の女王:2009/03/02(月) 23:06:31
次は「波長」「プログラム」「バクテリア」
でお願いします。
345名無しは無慈悲な夜の女王:2009/03/03(火) 10:04:05
>>342
この続き読みたいですね。

このスレか↓のココにでもお願いします!是非!

おまいら短編SF書いてください Ver 4.0
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/sf/1235094304/l50
346名無しは無慈悲な夜の女王:2009/03/25(水) 15:08:42
引き続き「波長」「プログラム」「バクテリア」 でお願いしています。
347名無しは無慈悲な夜の女王:2009/06/30(火) 08:59:36
お願いします。
348名無しは無慈悲な夜の女王:2010/05/21(金) 13:52:27
age
349名無しは無慈悲な夜の女王
引き続き、お題は「波長」「プログラム」「バクテリア」 でお願いしています。