エルフってうんこするの?

このエントリーをはてなブックマークに追加
790平中96世
エルフはもちろんうんこします。この目と鼻で確かめたんだから間違いないです。
わたしはあるとき黄金の森に迷い込んで、ふと見かけた美しい奥方様に一目ぼ
れしてしまいました。とはいえ限りある命の人間とエルフの貴婦人とでは明らか
に身分違い、だいいち相手は人妻です。そこでわたしはこの恋をなんとかあき
らめようと、とある方法を考えました。
黄金の森のエルフたちは木の上の館に住んでいます。樹上に水洗トイレを設置する
わけには当然いかないので、用を足すときにはいちいち縄梯子を伝って上り下りをし
なくてはなりません。ところで、奥方様のような身分の高いかたがたが住まう館はこと
に高いところにありますので、いちいち上り下りをするのは面倒、ということで、用を足
すときには部屋のすみにおいた「おまる」を使います。夕方になると侍女たちがそれを
つるべをつかって樹上から降ろし、中身をマルローン樹の根元に埋めてやるのです。
「いくら美しいエルフの奥方のものでも、う*こはう*このはず。その臭いでもかいだら
きっと幻滅して、諦めもつくだろう。」そうわたしは考えたのです。
791平中96世:03/07/20 16:20
790続き

侍女たちのすきを狙うのは苦労しましたけれど、何日も樹の下でねばったのち、ついにおまる
強奪に成功しました。それは白い瑪瑙でできていて、蓋には流麗なルーン文字で「G」と彫りこ
みがされておりました。奥方様に属するものは、なにもかも典雅で優美なのでした。
さて、おもいきって蓋をあけてみると、さすがは丸一日分のおまる、黄色い液体の中に、黄黒い
親指大の塊がたっぷりと浮かんでいます。さて、これの臭いさえかげば、この切ない、苦しい恋も
すっぱりあきらめがつきましょう。わたしはおまるに顔をつっこむと、思いっきり息を吸い込みました。

ぷんっ!! と鼻を突いた臭いは、しかしクローブの香りではありませんか。黄金の液体をなめて
みると、味までクローブの汁そのものです。黄黒い固形物のほうも、これまたなんともよい香り。
口に含めば、山芋のすったものと練り香をまぜてあまずらの汁で煮込んだような味わいです…。

「ガラドリエルよ!ガラドリエル!あなたの泉の水は馥郁と香り、あなたの白の器の中身は
甘くて苦い。ドウィモルデーネに、ロリエンに、木の葉と土地は汚れず、損われず、生命短い
人間の思いをこえて美しい。」
ああ黄金の森の奥方様。恋はつのるいっぽうです、もう耐えられません、逝きます、おさらばです。