もうひとつ、無断翻訳が法的にOKになる可能性があるのは、アメリカなどで認められている
フェア・ユースの概念に当てはまってるとき。
ただこれもあくまで批評などに引用するための翻訳を想定しているので
全文翻訳は認められないと思う。それに日本の著作権法にはフェア・ユースの規定がない。
# もちろんクリエイティブ・コモンズライセンスで配布されてる作品(コリイ・ドクトロウとか)は
# 権利表記さえちゃんとすれば無断翻訳して問題ない。
# あと1970年以前に原書が出版されて、出版から10年以内にどこも翻訳権を取得しなかった
# 作品についても、無断翻訳しても問題ない。
>あと1970年以前に原書が出版されて、出版から10年以内にどこも翻訳権を取得しなかった
>作品についても、無断翻訳しても問題ない。
そうなの!? これは驚きだわ。しかし貴方詳しいですね。プロの方ですか?
>509
商業の文芸翻訳はやったことないけど産業翻訳なら少し。
あと自分でもちょっと海賊翻訳をサイト上に公開したりしているので調べたのです。
結論からいうと、今の状況でファンジン翻訳をやるには
作者か作者の契約しているエージェントに話を通さないと本来はアウト。
ただ無理ではない…と思う。
作者に理解があれば無償で訳せる可能性もある。
ラファティのファンサイトやってる方なんかは、自分でも翻訳した作品については
ウェブには公開しないで目録と紹介だけ。本編は同人誌かメールくれた人にのみ頒布、
って形でやってますね。
全訳がアウトならせめて三行ぐらいにまとめたネタバレスレとかでも…
うん、英語難民の自分が悪いのはわかってるんだ
でも一番悪いのは最後まで責任もって出版しない日本のry
去年だったかレムの翻訳を売ってた人を同人誌の即売会で見かけた
って友人が言ってたので、あわててネットで探したけどぜんぜん情報がない
翻訳同人をやってる人はいるんだろうけど、やっぱりその場かぎりで表に出ないように
してるんだろうね
版権切れとはっきりわかっているような作品だったら問題ないんだろうけど
あと、これなんだけど
>出版から10年以内にどこも翻訳権を取得しなかった
>作品についても、無断翻訳しても問題ない。
こんなの素人に分かるわけないよなあ
翻訳が出てなくても版権は取られてるってケースは十分ありえるし
その有無がはっきり判断できるのは当事者とエージェントだけだろう
514 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/03(木) 05:22:03
iPadとか金ドルとかで電子出版が普及すれば、出版のハードル
は一気に下がるだろう。
海外の作家側との交渉と翻訳を役割分担すれば、個人レベルで
も翻訳出版ができるんじゃね?(翻訳の品質の問題は残るが)
>514
Twitterで出版関係者がそのへんの話をしてるのをよく読むけれど
・電子出版の普及でロングテール的作品が売りやすくなるかというとまったくそんなこともない。
既に出版されている作品を電子化するコストはわずか数万円だが、
それすらペイできない作品がほとんどで商業化できないものばかり。
まして新規作品は、今の書籍形態での出版と同じくらい考えられない。
・出版関係者以外の電子出版ハードル下げ論は校正と編集の重要性を等閑視しすぎている。
・電子出版が普及しても、商業的には「ごくわずかのベストセラー」がますます
売れるようになるだけで、中堅以下の作品はますます商業での居場所を失っていく。
というのがたいていのひとの結論だった。
516 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/03(木) 10:08:29
亀レスだが、じゃあ関東海外SF研って今なにしてるわけ?
518 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/03(木) 19:47:48
>515
たしかに、分からなくはない話
>>Twitterで出版関係者がそのへんの話をしてるのをよく読むけれど
しかし、その出版関係者が考えるコスト計算って、結局現在のフル
タイム勤務の社員や役員の食い扶持、ビルの管理なんかを前提にし
ている訳だよね。
でも印刷・配本がいらないわけで、翻訳とか、海外との交渉とかだ
ったら、何人かが連携して、夜、休日のダブルジョブでも出来そう
な気がする。生活費は本業のほうで稼げばいいんだから、少しでも
儲かればしめたもの。
もちろん、既成出版社はたまらんかもしれんけど、今回のメディア
チェンジの本当の恐ろしさはそんなところにあるのかも・・・
素人翻訳は品質がなあ。自分で試してみると浅倉さんの化け物っぷりがわかるのさ
電子書籍化がすすんだことの表れとして、短編一作売りが増えてるな。
書籍は長編主体の英米SF界では、短編作家は前より売りやすくなってるかもしれない
あと雑誌には載ったが単行本未収録の短編を自分のホームページで公開してる作家が増えたような。
>518
ただそれだと校正の品質が大きく下がるから、よほど元の翻訳の質がよくないと
商業展開には堪えられないのがネックなんだよね。
結局、専業翻訳家というものが成り立たず、大学教授が片手間に訳していた時代に
戻ってしまうんじゃないかという危惧がある。
ただすくなくとも固定費は大きく削減できるわけだから、今みたいに東京一極集中の
出版社ではなく、地方を拠点にしたセミプロ小規模翻訳出版社、というのが
成り立つようになるかもしれない、というのが一抹の希望。
英語圏だと、最近質の高いファンタジー短編をたくさん送り出してる
「クラークスワールド」誌なんかは、もともとただの書店なんだよね。
今の出版社のひとは「どうせ3ヶ月経ったらどんな本でも売れなくなる」って考えてるからなあ…
電子書籍になっても「発売は3ヶ月限定!」とかにして煽って
その期間だけ売れるだけ売ってあとは絶版、とかやりかねん。
524 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/08(火) 20:45:36
小学校から英語漬けの世代が成長して、ばんばん翻訳してくれるのを
首を長くして待つしかないのかもしれんのう・・・
翻訳されるのをただ待つ時間と原書を買って無理して読む時間なら後者のが短い気がしてきた。
このまま待ってても絶対翻訳されないものとかあるだろうし。。
>>524 「翻訳?ペーパーバック買って読めばいいだけじゃね?」
とか言われたら悲しいような、嬉しいような。
みんなが頑張って英語を勉強して原書を読む
→読んだ奴がこの作品おもしろいよ! と国内に紹介する
→熱心なファンの間にで「これ読ませろ!」という声が広まる
→出版社が需要があると見て翻訳する
というわけでみんなが原書読めば翻訳も盛んになるんじゃないか。
まずは今年のヒューゴー候補のピーター・ワッツ"The Island"から始めよう。
みんなが原書で読めるなら翻訳する必要あるのかしら?
>528
どうせ「みんな」が原書読むわけじゃないから。
やはり海外SF紹介者の育成・実践から始めないと。
530 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/11(金) 05:31:57
>>527 もう一つ条件追加
→みんなが、年にプラス1冊翻訳本を買うこと
だな。
翻訳本に実際の需要が見えなけりゃ出版社の部長はOK出さんだろう
非英語圏作品についてはどうお考えなのかひと言どうぞ
特に
>>527氏
>531
おんなじでしょう。読める人が読んで国内に紹介する。
つーか今、一線でがんばってる1960年前後生まれ世代に続くSF翻訳家がどうにもいそうにないのが心配
まあ市場の需要からしてあの世代がこなせる量で十分ってことなんだろうが、さすがに後進が皆無ってのはどうだろう
それいったら、今後は専業の文芸翻訳家っていう職業じたいが消滅しそうだけど
もう既にいないんじゃないの
SFに限らず翻訳者のプロフィール見るとどっかの教授とかそんなのばっかりじゃん
大森望のSF翻訳講座で自分の下の世代のSF翻訳家が全然出てきていないって書いてあった気がする。
今は生活できないからおいそれと勧められない、と某翻訳家さんが言っていたな。
今の印税率と部数だと、長編1冊訳して20万円、なんてことが普通だそうだ。
文芸翻訳も今後は主婦とか大学教師の仕事になるんだろうね。
知り合いが去年芸術関係の一般書を訳したがギャラは5万円買取だと言ってた。
芸術とはいえ専門書じゃなくて一般向けの本だし、版元も大手じゃないが定評ある会社なんだが。
当人は、お金が出る方が最近はめずらしい、なんて話してたな。
専業しなきゃいいだけやん?
社会経験ナシがあたりまえなラノベ作家と間違えて内科医
539 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/12(土) 18:07:36
文芸は翻訳に限らず、適性のほかに経験と職人芸が必要だろ?
兼業だと一次訳の質が下がるのは避けられない。達者なラノベを読み
なれた読者は、ぎこちない直訳本は読まんだろう。
対応するには、訳者と編集者をサポートする素読ボランティアの輪とか
が必要かもね。
今は小学校から英語教えてるんだっけ?
20年後のSFファンは原書読めて当然、というより
翻訳が死滅してるからそうするしかない→自然とSFファンの語学力が上昇、という流れになるかもね
早川や創元は商売あがったりだろうけど
>540
> 早川や創元は商売あがったりだろうけど
いやそんなことはないよ。
熱心に原書を読むファンが増えるほど翻訳の市場も広がる。
いまの中国がいい例。
そして難なく原書で読める世代のコトバで書かれた訳書を、
英語が苦手な世代が眉をひそめながら読むわけですな
ええ、わかりますとも
543 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/13(日) 09:20:53
>>536 >今の印税率と部数だと、長編1冊訳して20万円、なんてことが普通だそうだ。
3ヶ月かかったとして月7万円弱。ワープア以下だな
それこそタダでもやりたいってやつはいっぱいいるからな
翻訳家も今後は劇団員みたいに、食えなくて当たり前みたいな感じになるかもしれん
働きながら趣味が翻訳ってすごい人達だな
こちとら辞書を片手に1時間読むと仕事終わった後のようにぐったりするのに
矢野さんも浅倉さんも最初は会社勤めしながらやってたし、そういう意味では昔に戻るわけだな
548 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/06/13(日) 12:43:37
そういう人がいるから儲かっている業界もあるようだな・・
>翻訳表現入門 30時間 3ヶ月 ¥116,000
>英訳の基本 20時間 2ヶ月 ¥77,700
>産業翻訳入門A 16時間 2ヶ月 ¥63,000
>548
プリーストやコナリーの翻訳をやってる古沢さんが言うには、
それでも数十年前と比べたら翻訳学習業界はすっかり衰退しているらしい。
当時、単独の訳書がまだ一冊もなかった古沢さんにも翻訳学校講師の口の
声がかかったんですと。
著作物関連だと、数十年前と今の日本じゃ、衰退してない領域を探す方が難しいだろうよ
CGなんてこの10年間でどれだけ単価下がったことか…
ハリポタが翻訳ファンタジーにバブルをもたらしたみたいにSFにもきっかけが必要だと思う
SWとかST並の一発がまた…来る日を想像できないな
ファンタジーでもバブルしているのはハリポタだけだよ。
とくに文庫系はSFよりも悪い。
ダレンとか少年魔法アドベンチャーものは結構数出てなかったけ
硬派なのはとんと話を聞かないけど
硬派つか、ハードカバーでビビッと来たのはテレメアぐらいかなー
文庫だと黒エルフ。そんなに王道FT嫌いか俺
555 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2010/07/18(日) 22:27:56
Motion sensor のことを動き感知器(Alienでの例)などと、科学技術用語を律儀に
日本語に意訳してしまうと大変読み難く、雰囲気が壊れる。科学技術のトレンド
にも興味がないような文科系の訳者に任してはいけない。
>555
だからってカタカナ語ばかりというのも日本語の小説として違和感がある。
そこらへんのさじ加減はやはりプロの仕事になる。
純粋に慣れの問題だろ
蒸気機関をスチームエンジンとかカタカナで書かれたら違和感ある