セピアな思い出∫泣ける話

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3大人になった名無しさん
やはりオレたちが小3のころの事件だ。
当時『ドンパッチ』というお菓子が流行した。
名前は覚えて無くてもみんな一度は食べたことがあるだろう。
それは一応キャンディーということになっていたが、実際はパサパサ、ポロポロとした粉だった。
口に入れるとツバで溶けてパチパチはじける炭酸粉。
そのパチパチぶりは激しく、たくさん食べると痛みすら覚える。
はじめはその刺激を楽しんでいたオレたちだったが、そのうち物足りなくなった。
刺激を失った遊びは男の牙を失わせる。もっと刺激を。
マサがドンパッチを鼻に入れてみよう。と言い出した。
自分の鼻の穴にドンパッチをどんどんつめこむ。
右の鼻がいっぱいになったらしく、左の鼻にも入れた。
そうとう刺激に飢えていたらしい。
とたんにマサの様子がおかしくなった。痛い痛いともがいている。
オレたちは笑った。アホだこいつ。
マサの苦しみようがだんだん激しくなってくる。
水で洗ってくるというマサをオレたちは止めた。水に溶けて、もっとパチパチするからだ。
しかたなく指でドンパッチをほじるマサ。が、鼻から抜いた指は血で赤く染まっていた。
4大人になった名無しさん:04/02/09 18:49
ドンパッチの破壊力はすさまじかった。鼻をぶち破ってんじゃないかと思うほどだ。
鼻血で溶けてさらにパチパチするドンパッチ。
マサの痛がりようはもはや尋常ではない。どうしていいかわからないオレたちは、とりあえずマサを保健室につれていった。
『また、あんたたちか今日はどうし・・・』
両方の鼻の穴からパチパチと線香花火のように 血を吹き出すマサを見て保健の先生が凍りついた。
『なにしたの!あんたたち!』いつもは優しい先生が怒っている。シュンとなるオレたち。
『・・鼻にドンパッチをつめました・・』オレたちはまぬけな答えを真面目にかえした。マサは鼻うがいをしてる。
『だれがこんなひどいことしたの!』
『・・マサ君です・・』
誰に怒っていいか困る先生。マサがアホすぎたのだ。オレたちは悪くない。どうやら怒られないですみそうだ。
甘かった。オレたちは学校にオヤツを持ってきた悪い子として、放課後、反省文を書かされていた。
世の中の不条理を子供心に感じ、むかついた。
オレはマサの反省文をのぞいてみた。
『ボクがドンパッチを鼻につめたせいで、みんなに迷惑をかけました。保健の先生にも迷惑をかけました。
なんでも鼻につめるのは悪いことだとおもいました・・・』
オレにはマサがなにを反省しているのかわからなかった。
余談だが数年前ドンパッチは復活していたのだ。
だが、パチパチ度はひかえめになっていて物足りなかった。
そのうち見なくなった。残念。