中学、高校の時の恋の話

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520他スレから1
これ、いい↓

645 :大人になった名無しさん:2007/12/16(日) 12:06:08
中学3年生の秋、僕は夏休みにひと通りの復習を終えて、
高校受験に明るい展望を持っていました。
リレーでスターターを務めた体育祭も終わり、いよいよ
受験一色になりそうな時でした。
僕にはどうしても中学生の時にやっておかなければなら
ないことがあったのです。
それは小学校6年生の時から好きだったTTさんへの告白
でした。
ですが僕には勇気がありません。と言うよりはフラれた
時に対処する術を持っていなかったのです。つまらない
プライドだけは一人前でした。
時が過ぎてゆき、11月になりました。この月に中学校最
後の遠足があるのですが、一部には駆け込みのようにカ
ップルが誕生していました。
彼女は華やかではないものの、正統派の美人です。だか
ら数人の男子が狙っていましたし、実際に交際を申し込
んだ例も知っていました。ですが彼女はそれを断ってい
ました。誰が申し込んでもダメ、という感じでした。
クラスで遠足の時にバスの座席を男女並ぶようにしよう
という声が出ました。僕は1学期に級長を務めていまし
たが、この時は「無役」で生徒会のある委員会で委員長
をしているだけでしたが、クラスの議事については何故
か発言力があって、僕がひとこと「それでいこう」と言
ったため、男女で並んで座る案はあっさり可決されまし
た。
521他スレから2:2007/12/16(日) 23:19:20
646 :大人になった名無しさん:2007/12/16(日) 12:06:41
問題は誰と並ぶか、それをどう決めるかでした。僕は素
早く考えました。男子・女子をそれぞれ出席番号順に並
べると僕と彼女が隣同士になります。
そこで発言力のある僕は「色々議論してもなかなか決ま
らないから、出席番号順が一番わかりやすいよ」と意見
を出しました。これで決まりでした。
ところが女子で発言力のあるTKさんが「それでいいけど、
変更もありにしよう。個別交渉OKということで」と言い
出したのです。反対理由も見つからないので、僕の案を
基本に変更交渉は個別に行うということに決まりました。
早速基本の並びを全員で確認しました。TTさんがちらり
と僕を見ました。その時微かに微笑んだのがわかりまし
た。僕はドキッとしました。
元々僕と彼女は仲が良かったし、もしかして彼女も僕の
ことを、と思わずにはいられないような出来事もあった
のですが、彼女もシャイで自分から告白するようなタイ
プではありませんから、お互いに確かめようとすること
はあり得なかったのです。
もしかすると、という期待感が高まりました。
ところが、あろうことかTKさんがTTさんに「代わって」
と頼んでいるのです。たしかにTKさんも美形だったし、
僕とは話が合う女子でした。TTさんがいなければ、僕
はTKさんを選んでいたかもしれません。しかしTTさん
がいる以上、TKさんを選ぶ余地はありませんでした。
「断れ!」と念じました。しかしTKさんとTTさんは仲
がよい上に、TTさんは非常に優しい性格でした。
「うん。じゃあ行きだけ交代しようか」と言っている
ではありませんか。僕は顔色が変わらないように気を
遣いました。
実際に入れ替えがあったのはほんの数組で、それも仲
のよい人と前後の席になりたいという同性同士の関係
を理由にしたものばかりでしたが、僕の横に来たTKさ
んの真意は不明でした。
遠足の日にTKさんが窓側に、僕が通路側に座りました。
これから約1時間30分を過ごすことになりました。
彼女とも僕は趣味に共通点があったので、話は弾みま
した。一部には同性同士の関係を理由にした座席変更
ではなかった僕達の組み合わせについて、ひやかしの
声も上がりましたし、TKさんはその声にVサインで応え
たりするので、僕は困惑しました。
目的地が近づいた頃、TKさんが小さな声で「もうすぐ
卒業ね。思い出を作らなきゃ」と言うのです。僕はド
キッとしました。彼女が告白でもするのではないかと
思ったのです。「女の子は待ってるのよ。男から言わ
なきゃダメよ」という彼女の言葉の意味をはかりかね
ていると、「ヘンな距離感でただの仲良しで終わるよ
りも、当たって砕ける勇気がないのね」と続けて言う
のです。彼女は僕が彼女のことを好きだと勘違いして
いるのかと思いました。すると彼女がいきなり僕の手
を握ってきたのです。「帰りのバスでこうやって、好
きですって言うのよ」僕は驚きました。彼女は僕がTT
さんに告白することを求めていたのです。唖然として
しまう間もなく、彼女は「ね、お弁当も一緒に食べよ
うよ」と大きな声で僕に言うのです。周りは盛り上が
りました。
522他スレから3:2007/12/16(日) 23:20:05
647 :大人になった名無しさん:2007/12/16(日) 12:07:24
現地で僕とTKさんにTTさんとYTさん(女子)、それに
HS君をくわえた5人で弁当を食べました。
その5人で現地でも行動を共にし、いよいよ帰路につ
くことになりました。
バスが進むに従ってTTさんの口数が少なくなりました。
僅かな沈黙の後に彼女が「あのね」と僕に話しかけま
した。ですが後が続きません。「なに?」と僕は尋ね
ました。「あのね」「うん」彼女が突然僕の右手の甲
に彼女の左手を重ねました。「手、冷たいでしょう?」
僕はドキドキしていました。かろうじて赤面だけは避け
られたようです。彼女の左手はひんやりしていました。
僕は思い切って左手を彼女の左手の甲に重ねました。
「こうしたら温かいよ」と。声は上ずらずに済みました。
彼女の頬がポッと赤らみました。彼女は俯いています。
ですが僕には肝心の一言が言えませんでした。
重ねている手を振り払うようにして右手を自由にし、
サッとメモを書きました。「好き」と。
彼女に見せました。彼女がチラッと僕を見るとそのメ
モに「私も」と書いてくれました。そして「頂戴」と
そのメモを僕の手から奪いました。僕はそっと右手で
彼女の左手を握りました。中学校に着くまでの残り3
0分、僕と彼女はほとんど言葉を交わさないまま、そ
うしていました。
バスから降りて、点呼が終わり、解散となって、帰宅
しようとするときに彼女がさっと僕の横に来て、ごく
自然に手を繋ぎました。周囲は「おおーっ」とどよめ
きました。学年に誕生していた数組のカップルに手を
繋いでいるようなことはなかったのです。
僕は恥ずかしかったけど、彼女は意外にも堂々として
いました。帰り道、彼女が言うにはTKさんから何度も
僕のことを好きなのか尋ねられ、往路で私が彼に真意
を確かめるから席を替わってくれるように言われたそ
うです。昼食の前に「大丈夫よ」と彼女から言われた
ので、帰路はドキドキしていたけど、彼女から「あい
つ(=僕)は自分から告白できるタイプじゃないから、
手を握るなり、態度で示せば、好きだと言ってくれそ
うよ」という彼女の言葉に思い切って行動に出たとい
うのです。
二人ともTKさんに操られたというか、尻を押されたの
でした。
あまりHではないかもしれないけれど、二人で手を握
り合っていたバスの中の時間は自分にとっては一番H
な気分になった思い出です。

>>644 すみません、セックスの思い出ではなくて。
523他スレから4:2007/12/19(水) 23:41:38
665 :647:2007/12/18(火) 23:44:09
>>656
ありがとうございます。

TTさんとは一緒にクリスマスイブを過ごしたりしました。
と言ってもHなことをしたわけではなく、彼女の家に呼ば
れて食事を一緒にしたというだけです。
冬休みは受験前ということで、大晦日から元日にかけて
一緒に神社にお参りに行った程度です。
3学期も朝は交差点で待ち合わせて、そこからは周囲の
目も気にせずに手をつないで登校しました。帰りも同じ
でした。
僕と彼女は違う高校に進み、登校時間が異なったため、
朝一緒に歩くことはできませんでしたが、帰りによく
会って、二人で1時間くらい町をぶらついたり、公園
で喋ったりしました。土曜日には午後遅くからでした
が、ゆっくり一緒に過ごすことができました。
僕も男なのでセックスには興味がありましたが、彼女
はそういうことに積極的ではなく、僕から誘うと嫌わ
れそうな気がして、手を繋ぐ以上の段階にはなかなか
進みませんでした。
それでも高2の冬、終業式の日=クリスマスイブに初
めて抱き締めることができました。その日も公園で喋
っていて、「寒いね」という話になり、彼女が僕の肩
に頭をもたせ掛けてきたので、そのまま自然に抱き締
める姿勢に移行できたのです。
でもキスはしませんでした。
僕と彼女はどうみても可愛らしいつきあい方で、清く
正しい男女交際だったと思います。
こうして高3になり、僕の受験勉強が忙しくなり、あ
まり会えなくなりましたが、それでも僕の気持ちは彼
女から離れることはありませんでした。彼女も受験勉
強の合間に食べて、とケーキを焼いてくれたり、ずっ
と僕からは離れませんでした。
ですが大学は僕が郷里から遠方になり、郷里の短大に
進んだ彼女とは離れ離れになりました。
その喪失感は大きかったです。
電話と手紙が僕と彼女の接点でした。当時はパソコン
も携帯電話もありませんから、すぐに連絡ができたり、
メールをやりとりするようなこともできません。
524他スレから5:2007/12/19(水) 23:42:20
666 :647:2007/12/18(火) 23:45:00
でも、それが却ってよかったのかもしれません。お互
いに会いたくて、会いたくて仕方が無いという気持ち
が持続し、僕達は夏休みを迎えました。
そして遂にキスに至ったのです。ある夕陽の名所でし
た。免許取立ての彼女が自家用車であるサニーを運転
し、僕をそこへ連れて行ったのです。夏ですから夕陽
が沈むのも7時より後でした。平日でしたから、誰も
いない中、初めてのキスを迎え、僕は感動しました。
これまでお互いにずっと大切に想いあってくることが
できたことに。
夏休みはそれ以上には進むことはなく、秋には彼女が
僕のところまで遊びに来て、当然のように僕の部屋に
泊まりましたが、その時もキスだけ。彼女のご両親も
僕のところに泊まるのを知っていて、わざわざ事前に
電話で「よろしく」と言っていたくらいですから、ご
両親の信頼を裏切ることはできないと思ったのです。
冬休みになると僕はすぐに帰省し、一緒にクリスマス
イブを過ごしました。この時が初めてのセックスにな
りました。
お互いに初めてだったので、なかなかうまくいきませ
んでした。なぜ、イブにこうなってしまったかと言う
と、彼女のご両親は僕と彼女がもうそういう関係にあ
ると思っていたらしく、秋に彼女が僕のところから帰
るとお母さんが「避妊だけはちゃんとするのよ」と彼
女に言ったそうなのです。それで彼女が「ええっ?」
となってしまい、驚いたお母さんがお父さんに「まだ
らしい」というようなことを告げたそうです。この話
を僕はお父さんから電話で聞かされ、「君はいまどき
の男にしては珍しいな」とか「俺が若い頃はもっと・
・・」というような話になり、「恋人なんだから、そ
れくらいしないと」とまで言われてしまったのです。
しかもお父さんはそういう電話を僕にかけたことを彼
女にも伝えたため、僕と彼女は「そうした方がいいの
かな」みたいな感じになり、「じゃあ」というような
流れができてしまったのです。
さすがに一度そうなってしまうと、一時は会うたびに
セックスという時期がありましたが、その後は穏やか
な付き合いになり、今に至っています。
今、社会人2年目ですが、もうプロポーズは済んでい
ますので、来年の後半に式の日程を入れるように調整
しているところです。
全然ドラマチックでもエロチックでもなくてごめんな
さい。