784 :
学歴の低いユニークな人材:
膨大な志望者の中からある程度能力のある人材を選出しようと思えば、学歴というのは
有用な客観的目安のひとつになりうる。
高学歴者は、与えられた「受験」という課題に対して、いかに自分にとって最適な方法を
見つけ出し、それを実践するかという力をもっているが、企業に入っても同様に、
課題があってそれをいかに解決するかが問われてくる。
高学歴者は、少なくとも与えられた課題を消化する能力の基盤が優れているという
経験的な事実から、総合力が高い人間として採用の際に優遇されている。
実際に、高学歴者は、計算も速いし、ビジネス・コミュニケーションの能力も高い。
なにより、高所から物事を捉えるという行為をスムーズに行える。
もちろん、一流大卒の人にも無能な人間もいるが、その割合は、低学歴者にくらべて少なく、
人事課の期待通りの能力を持っている者の割合は高い。
また、昭和初期なら家庭の事情や社会情勢でやむを得ず高卒・中卒の人もいたが、
昭和末期・平成ではそのような者は少ないといった判断もあり、多くの組織の
採用担当はリスクを冒してまで「学歴の低いユニークな人材」の採用はしない場合が多い。