名文辞典@専門板

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784名無し専門学校
■2004/08/10/河北新報/
【地元経済界、メンツかけ1期生の就職支援。東北公益文科大学】

来春、初の卒業生を送り出す東北公益文科大学の学生の就職活動が本格化してきた。
地元が誘致した「悲願の4年制大学」だけに、1期生は地元経済界にとって特別な存在。
「何とか良い結果を残したい」と、総力を挙げて就職支援に乗り出しているが
地方の雇用情勢は依然厳しく、苦戦も予想される。(酒田支局・梅木勝)

<能力は二の次>
「初めての卒業生が来年、社会人になる。とにかく採用してほしい」
酒田市で今春開かれた公益大就職支援シンポジウムで、主催した同大後援会は約200人の地元企業関係者らを前にこう訴えた。
「(学生が)できる、できないは二の次。入れてから鍛え直せばいい」とまで言い、参加者が思わず苦笑する場面もあった。
東北公益文科大学は2001年4月に公設民営方式で開学した文系単科大学で、学生の約7割が山形県出身者で占められる。
4年生280人中、240人が就職を希望しており、うち70-80人が地元の庄内地方での就職を望んでいるという。
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同大によると、7月末現在の内定者は、就職希望者の約4割。
東北の他の大学が5割程度なのに比べると、やや劣る。
試験結果がまだ出ていない公務員志望者が多いという事情もあるが、出遅れ感は否定できない。
「20年越しで誘致した大学であり、卒業後も地域一丸で人材を育てていきたい。それが庄内地方の活性化につながる」
と酒田商工会議所の前会頭で同大後援会の新田嘉一会長。
「仮に半分しか就職できないとなったら、大学の存続問題にかかわる。就職もできないで、何が公益かということになる」と厳しく注文を付ける。

新田会長自身、率先垂範を実践。
役員を務める食肉加工の平田牧場(酒田市)では来春、4人を採用する予定という。
4年ぶりに新卒1人の採用を決めた酒田市内のある事業所の採用担当者は
「号令がなければ正直、来年も採用は見送るつもりだった。しかし、一期生は特別。公益大生の枠を設定せざるを得なかった」と明かす。
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<特別視できぬ>
しかし、同県内の雇用情勢は依然厳しく、新卒者の採用を手控える傾向が続いている。
「ここ数年、大卒の採用はしていない。厳しい時代に、公益大生という理由だけで特別視することはできない」
と、渋い表情の製造業者も少なくない。
公益大進路指導部長の高橋英彦教授は「OBがいない1期生は、学校側も企業訪問するなど全面支援しているが
来年度以降となると、現実は甘くない」と見ている。

新規の大学生の参入で、余波を受けそうなのが地元への就職を希望している高校生だ。
酒田市のある県立高校は「公益大生を採ったから高卒は要らないという企業もあり
どの程度食われるのか心配している」と、9月16日の解禁を控え危ぐしている。

<受け皿つくれ>
全国的には景気は回復傾向にあるが、庄内地方への波及は実感に乏しい。
雇用形態が多様化する中、新卒者より即戦力のUターン組を求める傾向も強いという。
酒田商工会議所の佐々木秀昭事務局長は「一期生の後にも後輩が控えており、限られたパイのままでは対応できなくなる。
景気の回復を期待するだけでなく、新規産業を創出するなど、新たな受け皿づくりが重要になってくる」と指摘している。