823 :
人間七七四年:
安芸国佐東郡の百姓より、洪水により田畑が河に流され、郡の取れ高3千石のうち、5百石分が
石に覆われるか河となったため、2,3年は租税を5百石分の年貢を出すことは出来ないとの報告が、
奉行所に有った。
ところでその報告をしてきた村は城下に近かったため、ある時福島正則が天守からその方向を見て
「とても5百石まで河になってしまったようには見えない。」
と疑問を持ち、奉行に申し付けて検知をさせた所、河になったのは2百石ほどで、
残りの3百石は百姓たちが隠していたのである。
正則は「憎き奴らである!」と激怒し、佐東郡の村々の庄屋、組頭6人を捕らえ磔とし、
また彼らの妻子も残らず鼻を削いだ。
これによって佐東郡では、最近まで市などで、鼻の欠けた者が見られたそうである。
(福島太夫殿御事)