戦国ちょっと悪い話21

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284人間七七四年
天文9(1540)年、織田信秀の支配下にある尾張国津島神社で一騒動が起こる。
神主の紀広長が借金を重ねた末、たまりかねて退転してしまったのである。
当時の津島神社が貧窮していたとは思えないから、広長自身が何か問題を起こしたのかもしれない。
その上、広長は自分の屋敷と土地、つまり神主の財産を借金のカタに渡してしまった。
「徳政令があっても、子々孫々まで約束は守ります」という証文までつけて…

さすがに信秀が事態の収拾に乗り出した。
信秀は津島の村々に
「神慮のことからしてまずい」とか「彼の借金や質物は心得たので」とか自らバックアップを表明。
かなり必死な感じで、広長帰還を受け入れてくれるよう説得している。
結局、広長の復帰はかなったらしいが、津島神社の財産が差し押さえられるという異常事態は半年も続いた。

ちなみに、天文22年。
再び広長は借金をこしらえたらしく、部下の禰宜と前後して信長の世話になっている。
どうやら懲りなかったらしい。