戦国ちょっといい話8

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95人間七七四年
鳥居強衛門の息子

関ヶ原の決戦が終わって間もなくの事。
奥平信昌の部隊は京において、安国寺恵瓊の潜伏先を発見。これを捕縛すべく急襲した。
が、一歩遅く、恵瓊はすでに乗り物に乗って潜伏先を脱出していた。

恵瓊を追跡する奥平隊は、傍に2,3人の若党を引き連れた乗り物を発見、
「待て!安国寺だな!」

すると乗り物より、「もはやこれまで」の声、これに傍の若党刀を抜き、最初からの
打ち合わせにあったのだろう、中の安国寺を刺そうとした。その時、

奥平隊の鳥居庄右衛門、この若党に斬りかかった。
そう、この男、長篠の勇者、鳥居強衛門の一子である。

庄右衛門、若党と切り結ぶ、が、躓き、仰向けに転んだ。若党、ここで拝み打ちに撃って来る。
そこに庄右衛門の従者が庄右衛門の体の上に覆いかぶさり、自らが盾になって若党の攻撃を防いだ。

そして庄右衛門立ち上がり、見事この若党を討ち、安国寺を生け捕りにした。
庄右衛門の従者も怪我を負ったものの、無事であった。

この時の庄右衛門の働き、そして従者の忠義は無類のものであると称えられた。
ちなみにこの従者、そしてその子孫も長く、鳥居強衛門家に仕えた。との事である。