戦国ちょっといい話8

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72人間七七四年
沖田畷の戦いでのこと。

大将、龍造寺隆信を討ち取られた龍造寺軍は壊乱する。
しかしこの時、龍造寺方の江利口藤七兵衛という者、味方の首を獲って、島津方の者の
ふりをし、薩摩陣中に入り込んだ。

そして島津軍の大将、島津家久(善)の傍まで来ると、馬上にあった家久に襲い掛かり、
右足の股の部分を斬りつけた。

この時家久(善)、とっさに左の方に馬から飛び降りようとした。が、斬りつけられて反対の方向に
逃げたと思われては薩摩武士の名折れと考え直し、右の方に飛び降り、藤七兵衛を斬りつけた。

そのうち家久(善)の家来達も集まり、藤七兵衛は討ち果たされた、とのことである。

薩摩武士はとっさの判断ですら、臆病と見られてはいけないのだ。そんなお話。