戦国ちょっといい話8

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387人間七七四年
織田信長が浅井長政と木造にて対陣していたときの事。

長政の陣、俄かに慌しく、信長は物見に猪子兵助を、その後さらに金松弥五左衛門を送り出した。

間もなく猪子が、馬に泡を吐かせて大慌てで帰ってきた
「敵は撤退しております!」
間髪を入れず金松も帰って来た
「敵、わが軍に押し寄せてまいりますぞ!」そう言い捨て槍をあわせるため先陣に走っていった。

信長「どっちだよ!?」

結局、浅井は押し寄せたが、本格的な戦闘にはならずに浅井はすぐに引き上げた。

この後、信長は猪子、金松の二人を呼び「お前達はそれぞれ何を見てきたのだ?」と聞いた。
猪子は
「敵は、荷をつけた馬を遠くへと引きのけておりましたので、これは撤退であると見て取りました。」
この判断には信長も納得。しかし金松は

「私が見たのも猪子殿と全く一緒です。さりながら、われらと決戦をしたがっている浅井長政が
何もせず空しく引き上げるようなことをするでしょうか?あれは押し寄せて戦うための準備だと
推察いたしました。」

信長、これを大いに褒めたそうである。そんな、判断のいい話。