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人間七七四年:
山名豊国と言えばこんな話が
大阪冬の陣の時の事、
茶臼山の家康は、いかにも教育好きの家康らしく、若い者達に老巧の考えを聞かせてやろうと、
老中に申しつけ老人を集め、若者との対談の会を催したことがあった。
家康はその模様を障子を隔てて聞いていると、上座の山名豊国が先ず、発言をした。
「この度の戦い、両御所様が仙波より出でて、備前島から大軍を持って一気に攻めかかれば、
大阪城は即座に落ちまする!」
と、そのように豊国流の大阪攻略戦術を述べたそうだ。
その後しばらくして家康、近習との四方山の話の中に
「えーっと、この間山名が言った戦略な、この中にまさか信じている人間はいないと思うが、
一応言っておくと、あれじゃどんな城でも落ちはせん。
山名の城攻めには、城の中に人間が籠っていると言う部分がすっぱり欠落しておる。」
そんな風に評したそうな。