戦国ちょっと悪い話8

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53人間七七四年
小栗又一さん、憤る。

大阪の陣で使番として、なんのかんのでちゃんと働いていた小栗又一。
ところがどうも、中間の若い連中が気に入らない。

「俺が使番として行く場所に、たどり着かないような奴がいるんだぜ。
全く中間の連中はふがいない。」と、憚りもせず言った。

それを聞いた中間の山木新五、当然怒った。
「又一殿!中間の面々にまとめて悪口をするとはどういう事ですか!しかも我々中間は、
あなたの悪口など言った事が無いと言うのに!」
「なにを!?」「なんですって!?」

そんなわけで口論になり、これは喧嘩になると周りが騒ぎ始めた所に、本多正信がやってきた。
満面の笑みで。

「いやはや、各々方はご奉公の大切さをよく分かっているがゆえに、互いに吟味を成して、
それぞれを高めあおうとしているのですな!実に結構。
ささ、どうぞ存分に争ってくだされ!」

こう言われて又一と新五、却って口を閉じ黙ってしまい、口論も終わったとのことである。

正信、してやったり。