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人間七七四年:
上杉謙信の所にいたとある人質の者が、家来一人を密かに城外に出す企みをした。
この時、この者の別の家来二人が口論を装い、そして刺し違えて死んだ。
そして検使を乞うて死骸二つを見せ、「今夜、番所から出します」と決めた。
その上で死体の一つを密かに埋めて隠し、外に出す家来を死体のように包んで、
本物の死体と共に、その夜、番所から出した。
だが、この時番兵が、「今日の一件の事は見聞きしておりますので、疑う事はありませんが、
作法ですので、今一度死体を確認させてください。」と言う。
死体を出す者達は一瞬戸惑ったものの、遺品などを色々見せ、番兵を納得させた。
そうしていよいよ城外に出す事となった。
この時、番兵が一言、
「ではこれも城から出す前の作法ですので、死体を槍で上から二回づつ突きます。」
この後どうなったかは、記録に無い。