戦国ちょっと悪い話8

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160シベリアからのお手紙です
水野勝成が牢人し、西国でウロウロしていた頃、とある旅館で寝ていた時に、盗人に
刀と脇差を盗まれた事があった。

この盗人、旅館から走って逃げ、小川を渡ったところで、やれやれと思っていると、
後ろから「待てー!」の声、

振り向いて驚いた。刀の持ち主、勝成が追いかけてきた事に、ではない。
その勝成が、全裸であった事に、である。

盗人を油断させる策略なのか、ただ単に怒りのあまり服を着るのを忘れただけなのか、
何はともあれ全裸なのだ。

勝成、盗人の姿を確認すると、恐ろしい勢いで小川を渡り始めた。全裸で。

盗人、命の危険を感じ、盗んだ刀で勝成を攻撃しようとする。

ところが勝成、たちまち盗人に懐に飛び込み、その刀を奪い、逆に討って取った。全裸で。

想像してみよう。盗人を討ち果たし、その身に返り血を浴び、太刀と脇差を取り返したことに喜ぶ、
屈強な全裸の男を。

そんなカオスさも勝成だからしょうがない。そんな日向守様のお話。