戦国ちょっと悪い話7

このエントリーをはてなブックマークに追加
904人間七七四年
戦国の虚虚実実

徳川家康が浜松に居た頃の話である。

その頃徳川家中で、居城を浜松から見付にうつすべきではないか、との議論があった。
ところがその案を、甲斐の武田家が嫌がっている、との話が聞こえてきた。

家康がこれを家臣に質した所、酒井忠次は

「はい、私もその風聞は聞きました。
そこで密かに甲州に人をやり探りを入れました所、たしかに甲斐の者達、我らが見付に居城を移す事を
嫌がっている体でありました。

…が、殿?これを表面どおりに受け取るべきではないと、私は考えます。

信玄、あえてこのような情報を流し、我らを要害の地である浜松から見付に移させ、
これにより自分達の行動を自由にしたい、との心底であろうと、私は推察いたしました。」

家康も「これはそう言うことであろう」と同意した、とのことである。