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名無しさん@お腹いっぱい。:
フロイス『日本史』豊臣秀吉編 I 第16章(ペーパーバック版)
「彼(秀吉)は身長が低く、また醜悪な容貌の持主で、片手には六
本の指(seis dedos)があった。眼がとび出ており、シナ人のように
鬚(barba)が少なかった。男児にも女児にも恵まれず、抜け目なき
策略家であった」。
上記についての訳者の注。
「(5)秀吉に「指六本」という記述は信じ難く思われようが、フロイス
が根拠なく、あるいは感情に走って異常なことを記したのではない
ことは、前田利家の「国祖遺言」(写本)の次の記事により証明され
る。曰く、「大閤様は右之手おやゆひ一ツ多六御座候然時蒲生飛
生飛弾(ママ)殿肥前様金森法印御三人しゆらく(聚楽)にて大納言
様へ御出入ませす御居間のそは四畳半敷御かこいにて夜半迄御
咄候其時上様ほとの御人成か御若キ時六ツゆひを御きりすて候
ハん事にて候ヲ左なく事ニ候信長公大こう様ヲ異名に六ツめかな
とゝ御意候由御物語共候色々御物語然之事」(一八表−裏)。」
「日本史」は何度か再版されていますが、一番最初に出たハードカ
バーの初版では、上の注がなかった(6本指はウソだと思っていた)
と記憶しています。読者から指摘があって、その後出たペーパーバ
ックでこの注がつけられました。しかし、今出ている文庫本ではまた
注がなくなっているようです。