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39雷息子
サイゾー 2002年8月号 P84〜85 より

税金が美容ビジネスに費やされる!?
東大の医師が大手クリニックに勤務する謎

継続的にお伝えしている美容業界レポート第3弾。
美容業界は、いまやビジネス的側面が前面に出てきている。
昨今の整形ブームで、その傾向はさらに強まっているようだ。
そのオイシイ業界をめぐり、こんな話が浮上してきた−−。

大畠利恵|文
words by RIE OOBATAKE

 前回の美容外科業界のレポートに関連して取材を進めている最中にこんな情報を入手した。
東大病院と大手チェーンの美容外科クリニックが手を組んで、美容外科業界を牛耳ろうと
しているというのだ。「牛耳る」とは小説じみた話だが、詳細はこうだー。
 匿名を条件に取材に応じてくれた東大病院形成外科のある医師は「大塚美容形成外科(大塚)
と、神奈川美容外科クリニック(神奈クリ)、リッツ美容外科。この3つのクリニックに我々は
医師を送っている」と語っていた。
 現在、東大病院形成外科の医局では、美容外科を専門にしたいと考える医師が多いという。
 ところが、東大病院では美容外科の患者数は限られ、医者の手も足りているため、経験を
積むには外部の病院に行くしかない状況だというのだ。
「クリニック側にしても、我々が行くことで、形成外科のトレーニングを受けた医師を確保
できる。その医師が辞めても、次の人を送ってくれとこちらに頼めばいい。要は人材派遣み
たいなもの」(同)
 「医師を送る」とは、医師を派遣するという意味だ。しかし国立大病院の医局が、民間クリ
ニックに対する派遣会社状態になっているとは、違和感を覚えざるを得ない。さらに、なぜ
前出の大手チェーンと手を結んでいるのか、という問いに、同医師は「つちの医局の卒業生が
いるクリニックが選びやすい。それにまず、多くの患者がいること、そして経済力があること」
と回答する。つまり、待遇面を含め、より働きやすいクリニックを選別し、医師を派遣してい
るわけだ。

(サイゾー面白いよ、みなさんも買いましょう!)
40雷息子:02/07/27 00:57 ID:VkoBXVAj
 だが、大学病院が口利きをし、人を派遣することで高額の謝礼を研究費名目で受け取るという
構造は、医療業界で問題視されてきた。東大病院形成外科の医局でも、それが公然と行われて
いるということか。大手チェーン側から支払われた金は誰の懐に入るのか、東大人事係に問い
合わせると、「医師個人に渡るか、大学病院側に渡るか、具体的な事例を聞かなければわからな
い」と言葉を濁す。しかし、前出の東大医師は、「給与の一部を大学に納めることはない。単純
に労働に対する対価が支払われるだけ」と言う。
 国立大病院は2年後に独立行政法人になる。反対意見が多いなか、この論議の突破口になった
のは、東大病院の教授・助教授が「国家公務員からの離脱」を主張したからだという。公務員扱い
にならなければ、兼業も副業も自由になるからなのか。
 大手チェーンが儲け主義に走るのは、自由競争の面から考えると、仕方のないことではある。
しかし、国立大病院がそれに乗っかり利潤を追求するとなると、公共の福祉に貢献するという
立場を放棄することになる。
 ある大学の形成外科医は、「大学病院が大手チェーンに手を貸すのは、医療の本質に戻ること。
大手と組むことで倫理観や医療水準を上げると大学病院は言っているらしいが、雇う立場の方が
強いのだから、結局そこの走狗になるにすぎない」と指摘する。


 税金を使って美容整形を研究してもいい!?

 東大病院が美容外科を診療科として揚げていること自体、知らない人も多いだろう。国立
大学としては初めての試みで、4〜5年前に設立された。
 これに対して日本美容外科学会の理事長・大森喜太郎氏は、「東大病院は全て税金で成り
立っているので、一般の病院と立場が違う。脂肪吸引、二重や鼻を高くする手術といった
ものは、果たして東大で研究することなのか」と疑問を呈する。
 税金を使って美容外科を研修するにしろ、東大病院が技術・倫理面で業界の模範となるのなら、
まだ納得できる。しかし、前出の東大医師に、公的人間として派遣先の大手クリニックの医療
体制や経営体制なりに物申せるのかと尋ねると、「こちらは意見できる立場ではない。あくま
でも自分の勉強なので」と答えている。
41雷息子:02/07/27 00:58 ID:VkoBXVAj
 前号では、大塚に対する患者の不満の声を業界関係者が集めた「トラブル集」なるものが存在
することを伝えたが、神奈クリに対しても同じようなトラブル集があるという話を、取材の折に
耳にした。そのように比較的トラブルが多い大手と組むことの是非を前出の東大医師に問うと、
「我々が直接その現場を見たわけではない。我々の耳には、そういう報告は届かない」とさらりと
答える。彼らは「東大がこの業界を変える」と豪語するが、「見ざる・言わざる・聞かざる」の
状態で、何を変えられるのか、さっぱり見えてこない。
 さらに、信じがたいことだが、東大病院が大塚や神奈クリを、形成外科の研修医の教育施設に
しようという話もあると業界内では噂されている。この件について東大医師は、「今はそんな話
はない」と否定した。しかし、一方でこんな発言をしている。
「トラブルを起こされると困るので、クリニックに大学病院の研修医を派遣することはない。
専門医を取得した人だけだ。現在神奈クリにいるのも、ベテランの医師。神奈クリに行っている人が
同院の医療部長をコントロールできる立場になったら、『4,5年目の人を1人送るから、そこで
教育してほしい』と、研修医を送れるようになってもおかしくはない。うちの医師が権限を与えら
れて、派遣先クリニックをコントロールできるようになったら、将来的にはありえるだろう」
 微妙な発言だが、派遣先の大手で東大の医師が主導権を握れば、研修医を派遣して、そこで教育
してもらうことも可能になるといことだ。
 正式な教育施設となると、日本形成外科学会の認定を受けなければならないが、現在の東大形成
外科の教授は、学会で理事長など要職を務めた人物。認定してもらうのも、さほど難しいことでは
ないという見方もできる。さらに教育目的での派遣となれば、東大の医師は大手を振って兼業する
ことができるのだ。
42名無しさん@Before→After:02/07/27 00:58 ID:VkoBXVAj
 東大病院の医師は「大塚に指導に行く」という言い方をしているが、この「指導」とは何だろう?。
大塚に問い合わせると、「指導じゃない、治療だ」、東大人事係は「指導も兼業も同じもの」と、
それぞれ言うことが違うので実態が見えてこない。
 大学病院の管轄である文部科学省にいたっては、「指導なんて言い方、聞いたことがない。兼業
のことでは?」と言う。
 ここで留意したいのは、国立大病院の医師は教育公務員に当たるということだ。公務員の兼業は、
禁止されているのでは、と誰もが思い当たるだろう。ところが、教育公務員の場合、本業にさしつか
えない範囲なら、教育に関するほかの職を兼ねてもいいことになっている。
 文部科学省によると、「兼業についてこちらでチェックするのは、勤務時間や本業に影響するか
どうかということぐらい。医療を怠ってはいけないが、基本的に大学病院側に任せている。賃金
目的でもよい」とのこと。
 チェック機能なんてないに等しい、なんとも緩い体制であり、「賃金目的」でもいいと公言して
いるのである。公務員が給料の二重取りをすることを、認めているようなものだ。
 クリニックの広告でだまされるのは、本人にも責任がある。しかし、儲けるために手段を選ば
ないクリニックと国立大病院が手を組むことに対して、国が加担してもいいのだろうか。それが
国民の利益に繋がるとは思えない。


 来春に大きな動きが?

 東大病院のある教授は語る。
「業界の実力者である形成外科の教授が来年春に退官となる。その後、美容外科業界に残るのか
どうかで、この業界の流れは大きく変わる。それがいい方向に向かうかとうかは、10年ぐらい
たたないとわかりませんよ」
43雷息子:02/07/27 00:59 ID:VkoBXVAj
 業界内では、この東大形成外科の教授が、退官後、大塚や神奈クリの院長に天下るのではない
かという噂がある。
 大学病院が民間クリニックを実質上系列化し、大学病院の教授がその頂点に立つというピラミ
ッド構造は、今に始まった話ではなく、医療業界全体では、以前から見られた問題点でもある。
それによって教授の威光はますます強くなり、従わない者の立場が弱くなる。開業医にとっては、
厳しい状況になるということだ。美容外科業界にも、東大病院をトップとしたピラミッドが築か
れようとしているのだろうか。
 また、ほかの国立大病院も美容外科を導入したがっているという。
 昨今の整形ブームにより患者数は右肩上がり。さらに美容外科は、健康保険の適用が認められ
ていない。保険医療が行き詰まるなか、自費医療で患者を集められる美容外科という甘いケーキ
に、さまざまなアリが群がろうとしているようにも見える。そのケーキの奪い合いに、東大も参
加し、イニシアティブを取ろうと必死なのかもしれない。
 美容外科業界に大学病院が参入することによって、腕の確かな医師が治療に当たるのでトラブ
ルが減少する、という見方もある。これから起こることが、本当に患者のためになるのかどうか。
そこに、医療の本質から逸脱した動機があるのなら、答えは当然予想できるだろう。

(本文ここまで)

大塚美容外科の理事長の息子は、東大系列と言われている帝京大の形成外科医局にいるらしい。
これも今後の業界の流れに影響を及ぼすと、業界関係者の間で囁かれている。「そんなのは誤報だ」と
大塚は否定するが、これから先の業界の動きから目が離せない。
(上は東大の医師が派遣されているという3つの大手クリニックの広告と、東京大学の写真)