毎日新聞 12月15日 10時20分配信
◇自民党、当選1回前職118人の105人が当選
「当選1回の議員の再選が最も難しい」というのが永田町の定説。過去には2005年の衆院選で誕生した自民党の「小泉チルドレン」、09年に誕生した民主党の「小沢チルドレン」の多くが次の選挙で苦杯をなめた。
ところが今回の衆院選では自民党の1年生議員が次々に「進級」。野党の選挙準備が遅れたこともあってジンクスを乗り越えた。
今回、自民党では当選1回の前職118人が立候補し、105人が当選した。小選挙区を勝ち抜いたのは65人、比例代表での復活当選は33人、比例単独は7人。
小選挙区組が半数以上を占めたのは、風頼みではない足腰の強い候補者が多かったことを物語る。
同党は比例代表で民主党のほぼ2倍の68議席を獲得し、セーフティーネットとしての「復活枠」も多かった。
ちなみに民主党から12年に当選した1年生議員は今回立候補した寺島義幸氏だけ。同氏は長野3区で敗れ、再選できなかった。
05年衆院選で自民党は新人83人が当選したが、09年に再選したのは10人(うち離党者1人を含む)にとどまった。
民主党も09年に初当選した143人のうち12年の再選は11人(うち離党者6人)しかいない。選挙ごとに自民、民主両党間で議席の振れ幅が大きかったのが原因だ。
しかし、12年と今回は自民党が連勝し、1年生議員の進級率が高くなった。
そのあおりで、政界入りを目指す新人にとっては狭き門になった。今回当選した新人は43人。自民党では立候補した58人のうち当選は15人だった。
小選挙区で当選した自民党の新人は、加藤紘一元幹事長の三女鮎子氏(山形3区)や古川康前佐賀県知事(佐賀2区)ら3人。6人が比例代表で復活した。
これに対し、落選した5人は民主党の野田佳彦前首相(千葉4区)や岡田克也元外相(三重3区)ら野党の大物が相手で、厚い壁に阻まれた。【高山祐】
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