【国防】「徴兵制」「軍事大国」「若者が前線に」…分かりやすく目立つ言葉で釣る、煽動とセンセーショナリズムの手法[07/07]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1Hi everyone! ★@転載は禁止
ソース(Yahoo・個人、不破雷蔵氏、「グラフ化してみる」ジャーナブロガー 解説者)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fuwaraizo/20140706-00037125/
写真=大声で騒げは皆が注目する。言葉でもその手法を使うことが出来る
http://rpr.c.yimg.jp/im_siggNZuB0rrI2050yC7OVDAvTg---x585-n1/amd/20140706-00037125-roupeiro-000-4-view.jpg

■まずは一次ソースを当たるべし

 最近ちまた、特にインターネット界隈で「集団的自衛権」に関連する形にて、「徴兵制」「軍事大国」、召集令状に該当する「赤紙」、
挙句の果てには第二次大戦の軍事的独裁者「ヒトラー」の名前を持ち出し、さらには「若者が前線に」とまで断じ、大きな声を挙げて
ヒステリックに論調を展開するのが流行の気配を見せている。それらは概して注目を集め、読まれている感がある。

 しかしその内容については、多分にセンセーショナリズム的な手法によるもの、さらにいえば煽動主義、イエロージャーナリズム的
なものと評せざるを得ない。「集団的自衛権」そのものに関しては、(勝手解釈をしている自称識者のものでは無く)一次ソースにあたる
内閣官房の公式ページ中の「安全保障法制の整備について」の全文、さらには「「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない
安全保障法制の整備について」の一問一答」を読めば、常識レベルで読解力を持つ人ならば、一部で騒がれ、注目されている論調の
内容が、誤解、さらには意図的な誤認・誤解釈を含めた拡大解釈に過ぎないことが理解できる。中には「拡大解釈をするな」という論調
そのものが拡大解釈をしているのだから、支離滅裂ですらある。

■人は分かりやすくネガティブな情報に心奪われやすい

 ではなぜ、冷静に判断すればゴミ箱行き的な内容でしかない、これらの論調が注目を集めているのか。それは分かりやすく、目立ち、
そして危機感を覚える言葉で飾られているからに他ならない。広告論的な手法を悪用している、イエロージャーナリズム、雰囲気で
煽り立てる手法ともいえる。

 ネガティブな方向を持ち印象深い言葉を使い、該当する事象に目を向けさせ、さらに同意を得させたい。精査すれば論理的に破たん
している内容でも構わない。雰囲気的にそれとなく同意を得られれば良く、雰囲気的に同意できる人だけでも誘導できれば勝ちなの
だから。その観点ではある意味、「集団的自衛権」から一連の煽りを成して、軍事大国や徴兵制に飛躍する論理を展開している事例
では、その語り手は聞き手をも馬鹿にしてることになる。「どのみち論理的に破たんしてても、騒いで伝えれば信じ込んでしまうだろう」
という思惑が見えてくるからだ(本当に心底その内容を信じているのなら、読解力の鍛練と一次ソースの繰り返しての音読をお薦めする)。

 なぜネガティブなものを選ぶのか。人は生存本能の上で、ネガティブな情報にはより敏感に反応するからに他ならない。自分にとって
生死に関わりうる情報に敏感で無ければ、命を失いかねないからだ。いわば本能のようなものだろう。この辺りの感覚は、震災以降
多くの人が実体験して理解しているはずだ。

 事あるたびに用いられる言葉としても有名な「徴兵制」一つを挙げても、第二次大戦当時まで、あるいは一部新興国での戦いならば
ともかく、近代国家においては、それが無意味で、非論理的な仕組みでしかないことはすでに明らか、というよりは事実でしかない
(「私に説教するなんぞ〇〇年早いのでは?」 http://togetter.com/li/543379 )。軍事関連をかじった者ならば、現状で日本において
「徴兵制」を掲げることがいかに愚であるかはすぐに理解できる。

 軍事力拡大というイメージを肉付けし、恐怖感を煽るために「徴兵制」という言葉を持ち出す。その時点で、前世紀的な発想でしか
ないこと、あるいは精査をせずに語っている事実を露呈しているようなもの。またはそれこそ「ゲーム感覚」なのかもしれない。

>>2以降に続く)