天皇制廃止157

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天皇は元首か

元首の要件でとくに重要なものは、外国に対して国家を代表する権能(条約締結とか大使・公使の委任状を
発受する権能)であるが、天皇は外交関係では、七条五号・八号・九号の「承認」(一定の行為が正規の
手続きで成立したことを公に証明する行為)、「接受」(接見する事実上の行為)という形式的・儀礼的
行為しか憲法上は認められていない。したがって、伝統的な概念によれば、日本国の元首は内閣または
内閣総理大臣ということになる(多数説)。もっとも、右のような形式的・儀礼的行為を行う機関でも、
元首と呼んで差し支えないという説もある。(中略)わが国では、元首という概念それ自体が何らかの
実質的な権限を含むものと一般に考えられてきたので、天皇を元首と解すると、承認ないし接受の意味が
実質化し、拡大するおそれがあるところに、問題がある。
(「憲法 第三版」芦部喜信 47-18頁)

日本国憲法の下における日本国は伝統的・典型的な意味における君主制ではないことは
明らかである。しかし、日本国はまた同時に典型的な意味における共和制でもなく、
そこは君主的要素がなお残存している。その意味では、それは「独特な共和制」であると
いってもよいが、それはまた「独特な君主制」とよぶこともできるといえるであろう。
(佐藤功「日本国憲法概説」第3章 天皇 360頁)