24 :
( ○´ー` ○)はカワイイ ◆2.r4M.pJ.RBR :
大日本帝国憲法(明治憲法)の特色
1 万世一系の天皇による支配
明治憲法は、天皇による支配統治を基本原理とする。(中略)したがって、明治憲法の下における天皇の支配は、
憲法をはじめとする国法によって完全に規制され尽くしうるものではなかった。それは、むしろ、先祖を崇拝し、
民族の宗家たる天皇家を奉戴するという「人倫忠孝の精神」によって基礎づけられたので、そのため、法外の
「人倫の道」が社会秩序および国家秩序形成の原理となった。したがって、明治国家は、西欧の立憲君主国家を
モデルとしながらも、西欧諸国に比して、道徳的・倫理的色彩の濃厚な国家であったといえる。
(「憲法1」第三章 国民主権と象徴天皇制 高橋和之執筆 47頁より)
2 天皇大権中心の統治体系
天皇は、憲法上、統治権を総覧する地位にあり(四条)、帝国議会の協賛の下に立法を行い(五条)、国務大臣
の輔弼を受けて行政権を行使するものとされた(五五条)。司法権もまた、天皇の名において裁判所がこれを
行うものとされた(五七条)。
(「憲法1」第三章 国民主権と象徴天皇制 高橋和之執筆 47頁より)
天皇が象徴たることの意味
第一条が天皇を日本国の象徴・日本国民統合の象徴であるとしているのは、天皇が日本国及び日本国民統合を
具現的に人々に感得せしめるために最も適当なものとして選ばれたということを意味する。
第一条につては、「日本国の象徴」と「日本国民統合の象徴」とを特に区別して規定している理由が問題となる。
この点については、国民の統合したものは国家にほかならないのであるから「日本国の象徴」と「日本国民統合の象徴」
とは同一のことを示したものである、と解するのでは不十分である。天皇が「日本国の象徴」であるというのは、
国家としての日本国を天皇が象徴することを意味し、主としては対外的・外国との関係における天皇の象徴機能を
現すものであり、天皇が「日本国民統合の象徴」であるというのは、日本国民の統合体を象徴することであり、
主としては対内的・国民との関係において日本国民の一体性を具現化するという機能を意味するといえよう。
(佐藤功「日本国憲法概説」第五版 339頁)