日当9000円――なぜ原発で働く人の賃金は安いのか
6月14日(火)11時28分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110614-00000017-zdn_mkt-soci 原発で働く下請け労働者の賃金は、高くない。震災前、ハローワークに出ていた求人票には「日当9000〜1万1000円」と書かれていた。被ばくの危険性が伴うのに、なぜ原発労働者の賃金は安いのだろうか。『週刊東洋経済』の現役記者が、その理由を明らかにした。
いまだ深刻な状態が続いている、東京電力の福島第1原発。放射線量の高い環境の中、電源復旧やがれき撤去などのために、東京電力の社員と下請け労働者による作業が続いている。
事故後、ハローワークのWebサイトに「福島第1原発でのバイト募集」が掲載され、このように書かれていた。「原子力発電所の清掃、修復工事の補助」「防護服や保護具などをつけて一日3時間ほどの作業」「賃金は時給1万円(3日3万円)」――。
では事故前にはどのくらいの賃金が支払われていたのだろうか。原発で働く労働者の取材を続ける『週刊東洋経済』の風間直樹記者が、何重にもわたる下請け構造を明らかにした。
※本記事は6月4日に開かれたシンポジウム「そこで働いているのは誰か――原発における被曝労働の実態」の講演内容をまとめたものです。
●下請け労働の構図
東京電力の福島第1原発で事故が起きる前、地元のハローワークにはこのような求人が出ていた。「福島原発 仕事内容は原子力発電所内の定期検査・機械・電気・鍛冶溶接及び足場作業」と。
日給は9000〜1万1000円。原発の労働はさまざまな問題を抱えているのにも関わらず、賃金は決して高くない。むしろ「安い」と言っていいだろう。
原発で働くにあたって、どういう条件が必要なのだろうか。求人欄を見てみると「学歴不問、年齢不問、応募資格不問、スキル経験不問」と、
すべて「不問」と書かれている。まさに「身体ひとつで原発に来い」といった感じの内容だ。また事故後、他の原発の求人を見ても、内容はほとんど変わっていない。
多くの関係者は「原発は下請け会社なしでは回らない」と語っている。原発において、電力会社の社員と下請け労働者の比率はどうなっているのだろう。
2009年度のデータ(原子力安全・保安院)によると、日本の商業用原発の労働者のうち電力会社の社員は1万人弱なのに対し、
下請け労働者は7万5000人。原発では、下請け労働者が圧倒的多数を占めている。福島第1原発でも、東電社員1100人ほどに対し、下請け労働者は9000人を超えていた。
●偽装請負が続いた理由
下請け労働の構図を見てみると、まず東電の下に元請会社がある。この元請会社をみると東証一部上場の大企業が並んでいる。
ただ実際に、原発に労働者を送り込んでいるのは、1次〜8次の下請けの会社。求人票に掲載されている会社を調べてみると、
ほとんどが社員数人の零細企業。原発で作業をする上で特殊な能力があるわけでなく、ごく普通の人たちが作業をしているのだ。
さらに取材を進めていくと「なるほどな」と思うことがあった。そもそも電力会社というのは公共的な色が強いため、コンプライアンスにはうるさい……はず。
なのに、東電の下には8次下請けまで存在していた。東電が行っていたことは偽装請負(契約上は業務請負であるのに、実際には人材派遣になっている状態)で、
限りなく違法行為に近いのだ。
なぜ東電は、こうした違法行為を行っていたのだろうか。地元には原発に人を送り込むだけの零細企業がたくさん存在している。こうした会社が、お互い仕事を投げ合い、
地元にお金を流すスキームをつくりあげていたのだ。
現在、公共事業の仕事が減っている。また、いわゆる“丸投げ”でお金を抜くことが難しくなっている。そうした環境の中で、電力会社は地元にお金を落としてくれる、
数少ない“お得意様”になっているのだ。
通常、原発作業の現場を取り仕切っているのは2次、3次下請けの正社員だ。2次下請けの正社員20代の男性に話を聞いたところ
「原発では4次、5次以下の下請け労働者たちと働いている。特に定期検査のときには20〜60代の労働者がたくさん来るが、
彼らがどこの会社に属しているのか分からない」などと語っていた。4次、5次以下の下請け労働者の賃金を聞くと、
ハローワークに書いてあった数字(9000〜1万1000円)とほぼ同じだった。
東電が行っていることは偽装請負に該当するわけだが、なぜこのことが問題視されなかったのだろうか。
その理由の1つに、行政が摘発できなかったことが挙げられる。関係者に聞いたところ「労働基準監督署(労基署)が現場作業をしているところに入る場合、
抜き打ち検査を行うのが当たり前だ」という。労基署の検査は厳しくて、突然やって来て、書類を確認し、労働者を集めて話を聞いたりする。
なぜ抜き打ちをするかというと、会社が都合の悪いものを隠してしまうから。
しかし原発の中は危険なので、予告監督せざるを得ない。管理者の指示に従いながら、検査しなければいけないのだ。
このように“手入れ”がしにくい職場なので、長年、不正が隠されてきたのだ。
●原発で働いていた証明書がない
現場で働く7次、8次下請けの労働者に話を聞くことができた。原発で働くに至った経緯を聞いたところ、ハローワークなどで申し込んだ人もいるが、
地元の先輩や知り合いからの紹介という人が多い。
ある男性は「地元の先輩から『誰でもできる即金の仕事だ』と紹介され、連れて行かれたのが原発だった」と話していた。
この男性の場合、採用面接や健康診断もなく、安全教育は初日に見せられたビデオだけ。雇用契約書もなければ、社会保険も未加入……。
考えてみれば、この男性は“原発で働いていた証明書がない”ことになるのだ。
原発では、“労災申請ができない力”が強く働いている。建設業ではよくある話であるが、そこで働いている労働者が労災申請をすれば、発注者から2度と仕事が回ってこなくなる。
ただ建設業であれば、数が多いので他の職場を当たることができる。
しかし電力業界では発注者は東電のみ。東電ににらまれれば、その地域で働くことができなくなるかもしれない不安がある。
なので他の産業に比べ、“労災申請ができない力”が強いのだ。原発ではずさんな管理が行われていたのにも関わらず、労災震災は2008年度までの32年間で48件しかない。
1988年、関西電力の高浜原発で少年3人が、労働者平均の約5倍の被ばく量となる危険な作業を行わされていた。
原発(管理区域内)では未成年者の労働が禁じられているが、少年は住民票を偽造され働かされていた。
その少年を斡旋したのは、京都府内の暴力団員。少年たちは4次下請けで働いていたが、暴力団に3割ほどピンハネされていた。
30年前と比べ、原発で働く労働者の賃金水準はあまり変わっていない。
報道写真家の樋口健二氏によると「15年前、東電は1人7万円の日当を出していたが、ピンハネ率は8割を超えていた」という。
なぜ賃金水準が変わらないかというと、下請け構造があるから。
下請けというのは各段階でお金を抜いていく。たくさんある下請けの構造を変えない限り、原発で働く労働者の賃金は変わらないだろう。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/07/news010.html 北朝鮮による拉致問題で、メディアの前にたびたび登場した蓮池透さん。
しかし彼が東京電力で、しかも福島第1原発で働いていたことを知っている人は少ないだろう。
今回の大惨事を、蓮池さんはどのように見ているのか。前後編でお送りする。
北朝鮮による拉致問題が注目されたとき、被害者家族として“時の人”となった蓮池透さん。
しかし彼が東京電力で、しかも福島第1原発で働いていたことを知っている人は少ないだろう。
蓮池さんは原発でどのような仕事をしてきたのだろうか。また今回の大惨事を、どのように見ているのだろうか。前後編でお送りする。
※本記事は6月4日に開かれたシンポジウム「そこで働いているのは誰か――原発における被曝労働の実態」の講演内容をまとめたものです。
■多くの人が原発で働き、被ばくしている
私は1977年から2009年まで、東京電力で働いていた。その間、原子力発電所や核燃料リサイクル業務を担当。
最初の赴任先は福島第1原発で、そこで3年半ほど計測制御装置の保守管理などを行っていた。例えば原子炉の水位や圧力、中性子などを計測していた。
その後、本店に配属され、再び福島第1原発に戻った。2年半ほどいたが、そのときには発電所全体の安全統括を担当。定期検査の結果を旧通産省に報告したりしていた。
もちろん原発の中で、いろんな労働者がいたことは知っている。下請けとして1次、2次、3次、4次……一体何次まであるのか分からないくらい、たくさんの人が原発で働き、
彼らが被ばくしている事実を知っている。原発は定期的に検査を行うが、そのとき東芝や日立などと作業契約を結ぶ。
しかし東芝や日立の人が契約書にサインするわけではなく、そこからいろんな会社に作業が流れていくのだ。
東電の人間が原子炉内で作業することはなく、あくまで「管理員」という立場。どういう作業が行われているのかを、最終的にチェックしている。
簡単に言えば自分たちがお願いした作業が、ちゃんとできているのかをチェックするのが主な仕事だ。
作業員名簿にはいろんな人たちの名前が掲載されている。しかしそれはリストがあるだけで、その人がどういう人なのか――ハッキリ言って分からない。
街中で電柱の作業をしている人を見かけることがあるが、そこでも東電の人間が直接手をくだすことはない。
電柱工事についても「管理員」という立場で、作業がちゃんとできているのかをチェックしているだけだ。
■私も、被ばくした
私は福島第1原発に、計7年ほどいた。そして、被ばくもした。通算で90〜100ミリシーベルトほど、あびている。
もう私の命もあまり長くはないかもしれない。
現場では放射線量をたくさんあびた人間は「女の子しか生まれない」という噂がある。私も子どもが3人いるが、全員女の子。
もちろん噂話のレベルだが、このほかこんな実話がある。作業員は放射線の異常を知らせるアラームメーターが鳴ると仕事ができなくなる。
なのでアラームメーターを外に置いて作業していた。昔は頻繁に、こうしたことが行われていた。
新入社員で原発に配属されると、先輩から「鍛えてやる」と言われた。そしてアラームメーターなどを持って、放射線量の高い場所に連れていかれるのだ。
私は福島第1原発1号機にある廃棄物処理建屋というところに連れていかれた。
配管をまたいだとたんに、アラームメーターから「ビーッ」という音が鳴った。このように新入社員は“みそぎ”のようなものを受けさされるわけだが、
今振り返ってみると「随分無駄な被ばくをしたなあ」と感じている。
私が入社したころはトラブルがあって、原発はほとんど動いていなかった。原子炉に直結している配管にヒビが入っていて、その配管を交換しなければいけなかったのだ。
その作業を誰かがしなければいけないのだが、そのとき米国のGEは、たくさんの黒人を連れてきた。
当時、黒人には放射線量をどのくらいまであびることができるのかといった制限がなかったので、彼らを連れて来たのだろう。
■「事故は起きない」という“神話”は崩壊した
福島第1原発で事故が起きたわけだが、いまでも周辺の放射線量は高い。私は主に3号機を担当していたが、今では見るも無残な姿。
個人的には残念で、かつ心配な気持ちが強い。
福島第1原発から海を見ると、波は穏やかなことが多いので、まさか、あれほど巨大な津波が襲ってくるなんて想像もできなかった。
1つの原子炉で炉心損傷が起きる確率は年間で10のマイナス6〜7乗、つまり100万年、1000万年に1回程度と説明されていた。
今振り返ってみると「なんだ、この数字は?」と思うのだが、当時は「炉心損傷なんで起こり得ない」と思っていた。しかし今回の事故で、その“神話”は崩壊した。
工学的に炉心損傷は起こりえないわけだが、さらに安全性を高めるために、東電はアクシデントマネジメントという方策をとった。10年ほど前のことだったと思う。
このアクシデントマネジメントというのは原子炉を冷却する電気系統が使えなくなったときに、消防用の消火水を原子炉の中に注入したり、
原子炉格納容器から蒸気を抜く「ベント」をしたりするもの。この対策をとることによって、原子炉での炉心損傷が起きる確率が10のマイナス6〜7乗から、
さらに20〜30%安全性が高くなると言われていた。
原子炉の安全設計というのは「多重防護」といって、何重もの対策をとっているのが特徴だ。徐々に事態が悪化していくというシナリオがあって、
第1の壁が破られれば、第2の壁が守る。それが破られれば第3の壁があり、それが破られれば第4の壁があるといった感じ。原子炉は多重に防護していて、
もちろん運転マニュアルもあった。何かトラブルが生じればこういう操作をする、悪化すればこういう操作をする、さらに悪化すればこういう操作をする――。
このような段階的なマニュアルがあったわけだが、今回の事故は何段階もあるバリアが全く機能しなかった。
通常運転から最悪の状態に一気にジャンプアップしてしまったことが、大きな問題だ。
炉心損傷は起こりえないはずだったが、より安心・安全のために行っていたアクシデントマネジメント。今回、事故が起きたとき、消防用の消火水を注入し、ベントをした。
ところが、水がなくなった。マニュアルには「原子炉に海水を注入する」などと書かれておらず、海水を注入するということは、東電の財産を捨てることを意味する。
「海水注入が55分間中断した、しない」という“すったもんだ”の話があったが、そもそも海水を注入するというマニュアルはなかったのだ。
ベントをすれば、格納容器の圧力は下がり、爆発する可能性は低かった。ところが1、3、4号機では原子炉建屋が水素爆発した。
原子炉建屋が水素爆発することを、東電は全く想定していなかったのではないだろうか。格納容器内の水素濃度が高くなったときには、
それを下げる術はある。ところが原子炉建屋が水素爆発するというシナリオは誰も考えていなかったはずだ。
東電は「なぜ建屋が水素爆発したのか?」という問いに答えていない。私は、このことがとても気になっている。また「格納容器をベントしなければいけなくなったときに、
なぜ格納容器の中の圧力が上がったのか」――このことも全く説明していない。今後、このことは明らかになっていくだろうが、どうも情報の出し方がスムーズでなく、
かつ一元化されていないことが問題だ。
民主党の細野首相補佐官をメインにして、東電、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、文部科学省が一緒になって会見している。最長5時間の会見もあった。
私は「情報の一元化をすべきだ」と訴えてきたが、あの会見は場所を一元化しただけで、情報は全く一元化されていない。
北朝鮮による拉致問題で、被害者家族として活動した蓮池透さん。かつて東京電力、しかも福島第1原発で働いた経験を持つ蓮池さんは、
今回の大惨事をどのように見ているのだろうか。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/08/news013.html 東京電力の福島第1原発はいまだ危険な状況が続いている。北朝鮮による拉致問題で被害者家族として活動した蓮池透さんは、
かつて東京電力、しかも福島第1原発で働いた経験を持つ。発電所全体の安全統括などを担当していた彼は、
今回の大惨事をどのように見ているのだろうか。前編(>>5-8)に続いて、お送りする。
■原子力政策は見直すべし
蓮池透さん 東京電力福島第1原発で事故が起き、2カ月が経過して、ようやく「メルトダウン」という言葉が出てきた。
もし事故が起きた3月11日に「メルトダウンした」と発表していたら、日本は大変なことになっていたはずだ。だから東電は「メルトダウン」という言葉を使わなかったのだろう。
毎日のように原発事故のニュースを見ていて、「もういいや」「もう飽きた」という人もいるのではないだろうか。
多くの人が原発事故のニュースに“鈍感”になってきたタイミングで、東電は「メルトダウンしていた」と説明したのだ。
工学的にメルトダウンが起きる確率は10のマイナス6〜7乗と言われてきたが、それが1度に3機も起きてしまった。これほど大規模な事故が起きてしまった以上、
今後の原子力政策はきちんと見直さなければいけない。
私が最も心配しているのは、菅首相がいつも思いつきでこの問題を語っているのではないか、ということ。
例えば菅首相は浜岡原発の運転停止を命令したわけだが、それを聞いて「なんなんだ!?」と思った。
「今後30年以内に巨大地震が発生する確率は87%。だから浜岡原発は危ない」という気持ちは分かるが、なぜ浜岡原発を停めて他の原発は停めないのだろうか。
菅首相は「国民が騒いでいるから、浜岡原発を停めておけ」といった思いつきで、語っている気がしてならないのだ。
今後、原発を増設することは難しいだろう。ただ一度に原発を停止してしまうと、日本のエネルギーの需給関係はめちゃくちゃになってしまう。
また日本経済はどうしようもなくなってしまうだろう。ドイツのように、日本の原発もフェイドアウトするしかない。何年後かに原発依存度を低くしていかざるを得ないわけだが、
フェイドアウトしていく分を他のエネルギーで賄わなければいけない。代わりのエネルギーは水力なのか、火力なのか。水力は開発しつくしているし、火力はCO2などの問題がある。
菅首相は「1000万戸の屋根にソーラーパネルを設置する」と、また思いついたことを言っている。原発をフェイドアウトしていくのであれば、
新エネルギーに対してもっと予算をつけなければいけない。もっと効率の良い太陽光パネルや風力発電所を作りながら、同時に原発を減らしていかなければいけない。
■原発に、将来はない
私は福島第1原発事故が起きる前から「今後、日本の原発はどうなるんだろう?」と思っていた。
今、青森県の六ヶ所村で再処理工場※(1)を動かそうとしている。その工場から出てくる「ガラス固化体」※(2)というゴミをどこに捨てるのか。このことは、まだ決まっていない。
※再処理工場:日本全国の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料を集め、その中から核燃料のウランとプルトニウムを取り出す工場。
※ガラス固化体:液体状の高レベル放射性廃棄物をガラス原料とともに高温で溶かして、ステンレス製の容器(キャニスタ)に入れて冷やし固めたもの。
青森県六ヶ所村に原発のゴミを貯蔵することはできるが、あくまで一時的なもの。
政府は「最終処分場を建設できる自治体は手を挙げてほしい」と公募していて、これに市町村が手を挙げれば、それだけで1億円くらいが入ってくる。
ただ今回の事故が起きる前に、手を挙げたところはなかった。事故が起きた今、「ウチの町に最終処分場を作ってください」という市町村は出てこないだろう。
原発のゴミを捨てる場所がなければ、下流からどんどんふんづまりになっていって、使った燃料を出せない状況になってしまう。
使った燃料を出せなくなれば、新しい燃料を入れることができなくなる。ということは“発電ができない”事態になってしまう。私の自論は「原発を増やしていくのはいいが、
そのためには最終処分場をきちんと作ってからやってくれ」だ。しかしこれはもう無理だ。
地元の人に“原子力文化”のようなものを根付かせるには、少なくとも10年はかかる。「邪魔なモノだけど仕方がない。地元住民の雇用にもなる」
「いろんな交付金も出る」といった理由を挙げ、地元の人に理解してもらうのには10年ほどかかる。なぜなら何もないところに、いきなり原発のゴミを持って来ることは不可能だからだ。
この最終処理の問題を解決しない限り、原発に将来はない。
■原発内での作業員が心配だ
原発内で作業員が被ばくしているが、とても心配だ。今回の事故で、被ばく線量限度の250ミリシーベルトを超えた作業員も出ている。
内部被ばくというのは、ものすごく恐ろしいもの。原発作業員は「タイベック」という白色のつなぎを着ていればアルファ線やベータ線を防ぐことはできるが、
内部被ばくをしてしまうとアルファ線、ベータ線、ガンマ線すべてをあびることになってしまう。
福島第1原発では現在、内部被ばくのチェックをしていないだろう。なぜなら内部被ばくを計測できるホールボディカウンターがある建物が、津波でやられていると思うから。
もし津波でやられていなくても、ホールボディカウンターという機械はとても敏感で、周囲の放射線量の数値が高ければうまく動かない。
今、原発周辺の放射線量はとても高いので、ホールボディカウンターは使えない状態になっているはずだ。
東電は、ホールボディカウンターで計測した数値を公表しようとしていない。原発で働いている作業員は、できるだけ早くホールボディカウンターで内部被ばくをチェックすべきだ。
東電に「内部被ばくの数値を公表せよ」と言っても「これは個人情報にひっかかるので……」といった話になるかもしれない。しかし、この数値は公表すべきだ。
12 :
「原発に未来? ない」――蓮池透が語る、原発労働の実態(後編)C:2011/06/17(金) 00:52:41.42 ID:11ElGGr2
■政府はけしからん
政府は、年間許容被ばく量を20ミリシーベルトに設定したが、これには「けしからん」と思った。
何を根拠にかというと、文部科学省は国際放射線防護委員会(ICRP)※の声明をもとにしたという。
最近になって「目標を1ミリシーベルトにする」と発表したが、大人、女性、子ども……みんなが20ミリシーベルトというのは、やはりおかしい。
※文科省はICRPの「非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1年間で1〜20ミリシーベルトの範囲で考えることも可能」とした声明をもとに、
暫定的な目安を発表した。
国や自治体による放射線量の発表は、信頼できない。自分で線量計を購入し、子どもたちが遊んでいる公園などを計測する人が増えてきているようだ。
福島市や飯舘村などに行った人に聞いたところ「国が発表している数値よりも、放射線量は3倍ほど高い」と言っていた。
赤ちゃん、子どもが心配だ。政府はできるだけ早く、避難を含めて検討すべきだろう。
東京電力福島第1原発の事故を受け、多くの人は「原発は怖い」と感じているだろう。しかし原発で働く労働者の実態はあまり知られていない。
“宇宙服”のような作業着を着て、マスクをする労働者たちは、一体どんな仕事をしているのだろうか。
38年間、原発を追い続けてきた報道写真家の樋口健二氏が、労働者の実態を語った。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/10/news038.html ■原発は公害
報道写真家の樋口健二氏 高度経済成長期、日本はものすごい勢いで成長していった。
しかしその一方で、公害問題が起きていた。海も、空も、あらゆるところを汚しまくっていた。
私は四日市などで公害問題を取材していたが、「もうこれでやめよう」と思っていた。ところが、日本中に公害があることが分かった。
そして公害問題を追いかけていくうちに、原発にたどりついたのだ。
私は、原発というのは「公害の扱いにしなければいけない」と思っている。なぜ公害の扱いにしなければいけないかというと、原発で働く労働者が救われないからだ。
1989年4月1日までは「原発労働者に1日1ミリシーベルト以上あびさせてはいけない」ということになっていた。また3カ月で30ミリシーベルト以下としていた。
しかし閣議で「年間被ばく線量の限度は50ミリシーベルト」と決まった。私は労働者を150人ほど取材してきたが、50ミリに達した人はほとんどいなかった。
それでも健康被害に苦しんでいる人はたくさんいるのだ。
■本当の悲劇が始まる
原発での労働形態はどのようになっているのかをご存じだろうか。まず原発があって、その下に元請け(財閥系)、下請け、孫請け、ひ孫請け、親方、日雇い労働者と続く。
東電の社員は基本的に原発の中で作業をしないが、事故後には入っている。なぜか?
それはマスコミが労働者の被ばくに注目したので、自分たちが入らざるを得なくなったのだろう。
また外にあった緊急用の発電機が壊れてしまったので、これを修理しなければいけない。
これが動かないと、冷却水が回らないので、東電の社員が原発で作業をしているのだ。
今、労働者はとんでもないところに突っ込まれている。緊急作業時ということで、被ばく線量の上限を250ミリシーベルに設定した。
私は、この環境で作業をしている人たちは5年〜10年後に全員死んでしまうと思っている。本当にそう思っている。
また東電は事故を収束させると言っているが、誰が作業するのだろうか。私は、事故を収束させるのには、東電の社員が入るしかないと思っている。
しかしそうなれば、東電の社員がいなくなるので、結局は下請け労働者が作業をしなければいけなくなるのだ。つまり、本当の悲劇はこれから始まるのだ。
下請け労働者たちはどのような仕事をしているのだろうか。私が取材したところ「放射能除染作業」が最も多く、その仕事内容は雑巾で床をふきまくるというもの。
このほか「ランドリー(洗濯)」「パイプ補修」「パイプ掃除」「スラッジ(ヘドロ)かい出し」「廃棄物処理・運搬」など300種類以上の仕事がある。
■原発に、黒人がいたのだ
原発の労働形態を見ると、東電の下に下請けや孫請け、ひ孫請けなどが作業をしているが、なぜマスコミは下請けのことを「協力企業」と呼ぶのだろうか。
また末端には日雇い労働者がいるが、ここには暴力団が食い込んでいる。なのにマスコミは「仲介業」という言葉を使っている。
原発というのは日本の底辺労働者を使い、彼らを“ぼろ雑巾”のように捨ててきた歴史があるのだ。
この底辺労働者というのは、農漁民、被差別部落民、元炭鉱労働者たちが多い。また最近では、大阪の寄せ場にいる人たちをだまし、原発に連れて行ったことが明らかになった。
原発で働いてきたのは日本人だけではない、実は黒人もいたのだ(関連記事)。1977年7月、私は敦賀原発を取材した。
早朝、原発に行ったところ、たまたま黒人と出会い、彼らの写真を撮影した。写真を撮ったので、電力会社側も認めざるを得なくなった。
担当者に「黒人は何人来ているんですか?」と聞いたところ、「60人」と答えた。多くの黒人たちは、米国のGEの下請けを通じて、観光ビザで2〜3週間ほど働いていたのだ。
その後、神奈川県出身で衆議院議員の故・草野威(くさの・たけし)さんの秘書から連絡が来た。「草野が国会質問をしたい。
そのために樋口さんに協力してほしい」と。そして草野さんと一緒に敦賀原発を回り、さらにGEの下請けが東京に拠点を構えていたので、
そこに行って「原発で黒人が働いている」という裏づけも得た。
草野さんは国会で「黒人が被ばくしているかもしれない。これはやがて国際問題にも発展するのではないか」などと質問した。
しかし旧通産省などの局長は「それは知りません」「来ているわけがない」などと答えたので、草野さんは黒人の写真を出さざるを得なくなった。
写真を提出したところ、共同通信を通じて、全国の地方紙に掲載された。私が撮影した黒人の写真を見て、局長たちも認めざるを得なくなったのだ。
私が撮影したのは「米国系の黒人」。埼玉大学の教授は「福島原発に250人、島根原発に100人の黒人が来ている」とも言っていた。
日本の電力を支えてきたのは底辺労働者と黒人たち。この事実を多くの人は知らない。私は「原発での被ばく労働者をなくさなければいけない」と思っている。
そのためには原発をなくすしかないのだ。
17 :
名刺は切らしておりまして:2011/06/17(金) 07:15:21.19 ID:OMYb+Qq6
被曝が見込まれる除染系の作業だと、元は日当で8万ほど出してます。
つまり原発作業はヤクザの収入源なのです。
18 :
名無しさん@3周年:2011/06/18(土) 16:17:50.44 ID:mgNv0SKt
>>17 自民党とヤクザの癒着の産物。
東電
↓
自民党に献金
↓
自民党は、非人道的な搾取のモミ消し
↓
ヤクザの非人道的搾取は検挙されず成立
↓
東電は鬼畜作業の安定的人員確保
19 :
名無しさん@3周年:2011/06/19(日) 10:32:28.28 ID:Ftdsbt6j
さっき、サンデー・フロントラインで先行き短いと思ってる老人が事故処理に志願する話が出ていた。
自民党として、この老人に来て欲しくない。
老人は、死を覚悟して、有意義な仕事をしたくて来ている。
だから、炉の復旧や炉の延命など、国民の為にならない作業命令なんか聞かないだろう。
老人は、国民の為に、廃炉作業こそやりたがるだろう。
被害を収拾したくない自民は、老人に来て欲しくない。
だから、自民は、サンデー・フロントラインに、「老人の決死作業は非人道的だ。」と言わせてる。
自民は、東電社員だけに作業をさせたい。
何故なら、東電社員は、再就職が難しく、復旧作業に従事するしかないから。
で、復旧が不可能と知りながら、自民は、復旧指示を出し続ける。
20 :
名無しさん@3周年:2011/06/19(日) 10:38:13.16 ID:2pBUrsve
>>1 その金額で生活保護を働かせて宮城福島以外の生活保護者をなくせばいいんだよ
21 :
名無しさん@3周年:2011/06/20(月) 07:45:21.86 ID:eAIedLfY
22 :
名無しさん@3周年:2011/06/20(月) 07:47:17.31 ID:eAIedLfY
>>20 生活保護は働けないから保護されてる人。
それより、7万→9千円にピンハネした奴を働かせるべきだろww
23 :
名無しさん@3周年:2011/06/20(月) 07:59:21.75 ID:eAIedLfY
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
@もともと日給7万円の仕事だが、下請けの多重構造にピンハネされて9千円
A原発労働は労災無し(労災申請するとその業者は二度と使ってもらえなくなるので自主的に労災申請をさせない力が働く。)
Bそこで働いた証明書が貰えない。
C被爆計測器を持って作業するのが原則だが、それを外に置かされて作業させられる事もあり。
D10年くらいで深刻な被爆症状(例:高卒就労開始で29歳で死亡)
Eなり手が無いので、日雇い立ちんぼうが騙されて連れてこられたり、GMが用意し海外から黒人が連れてこられる。
しかも黒人は、被爆値無制限な作業にあてられる。
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
■■■■■ 原発労働要点 ■■■■■
24 :
名無しさん@3周年:2011/07/01(金) 00:59:35.17 ID:RlcLyRoj
25 :
21:00:2011/07/25(月) 01:02:31.11 ID:fAeqmTht
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26 :
名無しさん@3周年:2011/07/25(月) 11:20:48.51 ID:k9H8lg8M
国会議員の日給をタダにして、原発労働者を年間2000万くらいにしないと釣りあわないな。
国民は基本的に「官僚は腐っている」という認識を持たなければならない。
28 :
名無しさん@3周年:2011/08/07(日) 00:32:58.65 ID:ijfBNsY5
脱原発と脱官僚支配、マスゴミ排除は同時に行う必要がある。
終戦直前、半田の中島飛行機工場を襲った大地震:
「地震の次は何をお見舞いしましょうか」とB29がビラ散布。
31 :
名無しさん@3周年:2011/08/17(水) 23:15:02.90 ID:qo7jyFj7
危険手当をピンはねするっていったいどういうことだ
ピンはねしてるやつらは危険を冒しているのか?違うだろう!
危険手当は実際に危険を冒している人だけがもらう権利のある金だ
ふざけんな!
32 :
名無しさん@3周年:2011/08/17(水) 23:26:02.54 ID:qo7jyFj7
原発労働者の派遣会社に暴力団関連会社があるってのはどういう料簡だ
原発は暴力団を潤すために存在しているのか
東京電力は暴力団を養っているのか
官民暴の癒着構造が隠れているんじゃないのか
福島の人々が苦しんでいるその陰で暴力団がうまい汁をすっているかと思うと
憤怒を覚える。俺たちになにか出来ることはないのか
33 :
名無しさん@3周年:
困った時の暴力団・・・
ポリも黙認なんよ
東電の実態