>>162 <スコープ>特会借金 しぼむ財源 仕分け期待けん制 主張転換に批判も
菅直人首相は二十日の行政刷新会議で、特別会計(特会)を対象とした事業仕分け第三弾では、一部の特会が抱える借金の存在を
明らかにする方針を打ち出した。特会の透明性を高めるとの狙いからだ。ただ、その一方で、特会を見直しても、政策財源がそれほど
生み出されるとは限らないと、過度な期待をけん制する狙いもありそうだ。
特会の仕分けをめぐっては、民主党の玄葉光一郎政調会長が、二〇一一年度予算の特別枠上積みの財源として言及するなど、政府・
与党内に新たな財源への期待感がある。
半面、蓮舫行政刷新担当相は「期待感はなくしていただきたい」と慎重姿勢。「仕分けによる無駄の発見=財源ねん出」との単純な
構図が、今回の仕分けでは描けそうもないとの判断からだ。
特会の借金を明らかにするとの方針は、蓮舫氏らの意向に沿ったもの。埋蔵金だけでなく、多額の借金が浮き彫りになると計算して
のことだ。
実際、「交付税及び譲与税配付金特会」は三三・六兆円の借金を抱え、返済のメドは立っていない。仕分け人の一人は「(交付税を
受ける立場の)全国の知事の何割が、これほどの借金の存在を知っているだろうか」と指摘する。「国有林野事業特会」も、一・三兆円の
借金がある。
これらの特会を廃止して一般会計に移せば、そのまま借金は国民負担となる。二十七日からの特会仕分けでは、同会計を存続させた上で
借金返済の道筋をどうつけるかなど、具体的な処方せんまで示せるかが一つの焦点になりそうだ。