『ニューリーダー』 2010年7月号
http://www.newleader-magazine.com/ 菅新政権で日本は変われるのか
あえなく散った国家主権回復の芽
安保が日本を「ひよわな花」にした ニューヨーク市立大学教授 霍見芳浩
しかし、90年代のソ連崩壊後は、北朝鮮や中国による日本への核脅威は、米国には脅威でも
なんでもない。いまでは岸安保体制は、日本経済の成長と日本の世界での存在力向上には
むしろマイナスである。
すでに政権発足早々に、鳩山前首相は、毎年在日米国大使館が日本に手渡していた「年次
改革要望書」の受け取りを拒否している。この要望書は前記した「個別市場の対米分譲」――
日本のヒト、もの、カネ、技術、企業に対する米国からの要求リストに他ならない。「年次改革
要望書」の受け取り拒否は、日米関係の正常化の第一歩だった。