>もちろんこの場合には、過度の物価上昇を抑制するためインフレターゲット政策を
>行うことも一案である。インフレ目標政策は、英国などでうまく行っているのである
(略)
>もう一つの大きな誤解は、政府紙幣が発行されても、日銀券が政府紙幣に
>置き換わるだけであり、経済に何の影響を与えないという意見である。
(略)
>●そのようなばかげたことを主張するため、わざわざスティグリッツ教授が来日し、
>●政府紙幣に関した発言を行うはずがない。当然、今日行われている経済政策に
>●プラスして、政府紙幣を発行による財政政策を行えと言っているのである。
>
>今日、日本には巨額のマネーサプライ残高が存在している。しかしその大半は凍り付いている。
>金が動かないのである。巨額のマネーサプライが存在するのに、人によっては金不足に
>なっている。経済がこのような状態になれば、政府が財政政策を行う他はない。
>●財政政策によって、所得の発生を伴うマネーサプライを増やすことが肝腎である。
>これこそが教授の言いたいことである。
>
>ところで政府紙幣を造幣し、それを日銀に入金し、それを財政政策に使うとなれば、
>先ほど述べたように、当然日銀券を増発することになる。場合によっては、
>日銀券の大増発である。たしかに以前ならこれは問題になった。しかし
>●平成10年4月から施行されている改正日銀法では、旧法で課されていた
>●日銀券発行に対する保証条件がすべて撤廃された。
>つまり日銀は、自由かつ無制限に日銀券を発行できるようになっている
(略)
>混乱している議論に対して、黒田東彦内閣官房参与(前財務省財務官)が
>●「日銀がもっと大量に国債を購入することが現実的」と発言している。これは
>●穏当な意見であり、筆者もこれに同感せざるを得ない。
(略)
>ただ日銀による国債購入には難点がある。
>日銀は国債購入の限度を日銀券の発行額と一応定めているのである。
>これがネックとなる可能性がある。
>●したがって日銀がどうしても限度額にたいして柔軟な姿勢を示せないなら、
>●最後の手段として政府貨幣(紙幣)のオプションは取って置くべきである。