>日銀券と政府紙幣の違いは、
> 日銀券が日銀の債務に計上されるのに対して、
> 政府紙幣は国の借金にならないことである。
>今日のコインにもいえることであるが、
> 額面からコインの製造経費を差引いた額が国の収入になる。
>(略)
>●政府は「30兆円枠」に見られるように、財政支出を削ろうと四苦八苦している。
>●しかしこれによってさらに日本のデフレは深刻になっている。そこで教授は、
>●国の借金を増やさなくとも良い政府紙幣を発行し、その
>●紙幣造幣益を使って、減税や公共投資を行えば良いと提案しているのである。
>
>幼稚な反論
>
>しかしこれらの政府貨幣(紙幣)発行への反対論があまりにも幼稚過ぎる。一つはお札が、
>日銀券と政府紙幣ということになれば、世の中が混乱するというものである。しかし
>政府が政府紙幣(貨幣)を作成し、それを日銀に持ってゆき、日銀にある国庫(政府
>預金口座)に入金してもらえば、政府貨幣発行となる(「通貨の単位及び貨幣の発行
>等に関する法律」(昭和62年法律第42条)第4条3項)。財政支出を行う時には日銀券
>を使うのである。この方法を用いれば、世間に流通するお札は日銀券だけで済む。
>また日銀には政府紙幣(貨幣)という資産が計上されることになる。
>
>しかしこれに対して、これは結果的に日銀券の増発に繋がるという批難が考えられる
>(略)まず日銀券の増発、つまり通貨の増発はインフレの原因になる。
>●しかしそこがまさにスティグリッツ教授が主張したいところである。今日の日本経済
>●のようにデフレに陥った場合には、通貨増発といったインフレ政策が必要なのである。
>
>●スティグリッツ教授も、無闇やたらに政府紙幣を発行しろとは言っていないはずである。
>●大きなデフレ・ギャップが存在する日本では、相当の額の政府紙幣を発行できると
>言っているだけだ。またこの政策によって、もし物価上昇率が限度額を越えるよう
>ならば、政府紙幣の発行をセーブすれば良いのである。もっとも経済がそのような状態
>になったことこそが、日本経済が相当上向いているを示す。つまり問題となっている
>デフレが克服されることを意味するのである。