>◆「財政再建と増税」について 12月5日
>「財政再建のために増税を」という意見が結構ある。朝日のコラムから引用しよう。
> > 「経済理論が教えるのは、政府の債務がふくらんでも歳出の削減や増税ができなけ
> > れば、超インフレが起こる、ということだ」(朝日/夕刊/2面/コラム 2004-11-30)
>これは、いかにももっともらしい主張だが、デタラメである。
...
> この主張が間違っているということは、現実を見ればすぐにわかる。現実は、どうか?
>今、政府の債務がふくらんで、歳出の削減や増税ができない。
>で、超インフレが起こったか? 逆に、デフレが起こっている。
...
> ま、非常に長期を見れば、上記の主張は正しい。しかしケインズの言うとおり、
>「長期的にはわれわれはみんな死んでいる」のだから、非常に長期を考えたって、意味がない。
> たとえば、バブル期の前に、莫大な財政赤字が蓄積したことがあった。
>あのころも、「財政赤字が大変だ」と大騒ぎだった。
>で、そのあと、超インフレが起こったか?別に、起こらなかった。
>そのあと適当な時期に歳出削減などが進んだから、特に大きな問題は起こらなかった。
...
> 要するに、非常に長期を考えれば、「ずっと財政赤字」ということはなくて、いつかは
>解決の時期が来るのだから、短期的に財政赤字を大問題にする必要はさらさらない。
>「いつかは増税が必要だ」という主張は正しいが、「今すぐ増税が必要だ」という主張は
>まったく正しくない。(このことを小林は故意に書き落としている。
...
>では、正解は?
>上記の主張が成立するには、一つの条件がある。それは、次のことだ。
> 「国民が消費を増やせば」
>この条件が満たされれば、上記の主張は正しい。なぜなら、国民の消費と、民間の投資と、
>政府の支出とがぶつかりあって、需要の奪い合いが起こるからだ。当然、超インフレが起こる。
>
>一方、この条件が満たされなければ、上記の主張は正しくない。なぜなら、
>国民の消費と、民間の投資とが、ともに減るので、
>政府の支出とがぶつかりあわず、需要の奪い合いも起こらないからだ。
>当然、超インフレは起こらない。(むしろデフレが起こる。)