http://yanagi.web.infoseek.co.jp/het05/lecnote2005.htm ■貨幣数量説批判
>(略)交換方程式の中で蓄蔵貨幣は明示されていない。流通している貨幣と保蔵されて
>いる貨幣との合計が【貨幣ストック】となっているからである。もし、【貨幣ストック】
>が一定のままで蓄蔵貨幣が増加したとすれば、流通速度の低下となる。
>スチュアートは【貨幣の流通必要量を維持するのが為政者の役割】であると
>(略)
>「為政者は、勤労の生産物と国民の手中にあってその購入に向けられる流通
>等価物〔貨幣〕の量との間の適切な割合を維持しなければならない。着実で賢明な
>政策によって、浪費や有害な奢侈を抑制することも、あるいは勤労と国内消費とを
>拡張する能力をいつでも為政者は持っていなければならない。...
>富者の消費性向、貧者の勤労意欲、および前者と後者とに対する流通貨幣の比率の
>三つの事柄から自国の状態を検討しなければならない。」
>
>貨幣が十分にあっても生活が簡素で消費意欲が低い場合には勤労意欲が発揮されない。
>そうした場合には、為政者は貸付利子を引き下げるべきだとスチュアートは指摘する。
>利子率が下がれば、消費意欲の低い貨幣退蔵者から、消費欲望があっても
>貨幣を保持していない人たちへと貨幣が(略)
>【問題視したケースは、貨幣が不足するケース】である。
>⇒蓄蔵貨幣の流通化によっても貨幣が不足する場合には、
>⇒為政者は【象徴貨幣】を導入しなければならない。
>「一国の鋳貨を保蔵から引き出すことによって...できない場合...
>【鋳貨不足を補うために象徴貨幣の導入】を促進しなければならない。」
>
>スチュアートが【象徴貨幣】と呼ぶのは、普通に【信用】と呼ばれているもので、
>●銀行券、手形、債務証書、土地譲渡書などである。これら既存の【信用】
>に加えて、スチュアートは独自の紙券(paper currency)の発行を提案している。
>
>スチュアートは土地という不動産を担保にして発券を行う【土地銀行】を提案した。
>(略)発券を銀行としての土地銀行を中心とした金融システムを構想したのである。
>正貨のような動産だけではなく、土地という不動産をも担保にすることで
>大規模な【信用の供給】が可能になるとスチュアートは考えた