社会民主主義か?新自由主義か?

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菅直人公式サイト
http://www.n-kan.jp/2000/12/post-1650.php
自由主義と社会民主主義
2000年12月 9日 00:00 :
 自由主義と社会民主主義は間に保守主義を挟んで、遠い理念のように扱われてきた。
 しかしイギリスのブレア首相が提唱している「第三の道」は
 個人の自由と自由主義経済の「自由主義」に、
 セーフティーネットを重視する「社会民主主義」を統合した考えだ。
 我が国に置き換えてみると自民党は残念ながら「自由主義」政党とはいえない。
 自民党の本質は経済に政府が過剰に介入する「社会主義」型。
 つまり自民党は現状維持・守旧派の「保守主義政党」。
 民主党は自由主義と社会民主主義を統合・融合した理念を柱にすべきではなかろうか。
 こうした問題意識を持って明日からイギリス、イタリアなどヨーロッパに出かける。

菅直人公式サイト
http://www.n-kan.jp/2000/12/post-1653.php
究極の延命内閣
2000年12月 6日 00:00 :
 橋本元総理を引き込んで、必死に延命を図る究極の延命森内閣がスタート。
 この内閣が倒れる時を自民党政権崩壊の時にしたい。
 新しい政権を創るための基本政策の議論が民主党内では進んでいる。
 こうした具体的な政策と共に基本理念を明確にしたい。
 私はひとつは民主党の基本理念として「自由主義」と「社会民主主義」の融合、統合を考えている。
 つまり「個人の自由」と「自由主義経済」を柱とする自由主義と、
 「社会的セーフティネット」を柱とする社会民主主義は決して融合不可能ではない。
 これに対して自民党は「保守主義」である。つまり「国家主義的保守」、
 「リベラルな保守」、「利権保守」の集まりであるが、
 あえて一言でいえば「守旧派保守」が今の自民党の本質である。
 参議院選挙に間に合うように民主党に理念を私なりにまとめてみたい。
53:2009/06/02(火) 15:54:01 ID:TNTGnUEH
簡略版
政治改革と政界再編    菅 直人
http://www.eda-jp.com/books/sirius/kan-2.html

 こうした政界再編の動きにシリウスはどう対応するのか。
 私は従来「保守政党」対「社民政党」といったイギリスやドイツ型の二大政党構造をめざしてきた。
 しかし日本の社会党は、ヨーロッパ型の社会民主主義への転換があまりにも遅れ、
 冷戦構造が崩壊した今日「社民結集」はすでに目標とするに値しなくなっていると考える。
 そこで今日では、私はアメリカなどを参考にした保守政党対リベラル政党といった二大政党構造が望ましいと考えるに至った。

菅氏の発言 山口県連シンポジュームにて 2001年1月19日山口
http://www.n-kan.jp/kouen/2001/0119.html (リンク切れ)

 つまりは日本は思い切った経済の改革をやらなければいけない、
 その過程ではいろいろ苦しい面もありますがやはり今の日本はたて直らない、
 とこのように思っております。
 そういった意味で私は最近、ちょっと理屈っぽい言葉になりますが、
 個人の自由とか経済の自由という意味での自由主義と、
 それからセイフティネットあるいは今言ったトランポリンではありませんが、
 年金とか医療とか雇用の問題などでは生活がめちゃめちゃになることのないように、
 そういった意味では社会民主主義的な考え方、
 つまり「自由主義」と「社会民主主義」というものを合わせた考え方、
 もっと解りやすく言えば、
 サッチャーさんとブレアさんがやっていることを両方やるというのが今の民主党の基本的な柱だ。
63:2009/06/02(火) 15:55:41 ID:TNTGnUEH
菅さんの過去の発言を読めばわかる話だが、

  私は従来「保守」対「社民」といった英独型二大政党構造を目指してきた
  しかし冷戦構造が崩壊し社民結集はすでに目標とするに値しなくなった
  そこで保守対リベラルのアメリカ型二大政党構造が望ましいと考える

というわけで、昔から菅さんはアンチ社民主義なんだよ。
欧州型の保守vs社民の対立軸から、米国型の保守vsリベラルの対立軸への転換、
これが菅さんの持論。
73:2009/06/02(火) 16:07:58 ID:TNTGnUEH
あと、菅さんは巧妙に嘘を吐いている。

 自由主義と社会民主主義は間に保守主義を挟んで、遠い理念のように扱われてきた。
 しかしイギリスのブレア首相が提唱している「第三の道」は
 個人の自由と自由主義経済の「自由主義」に、
 セーフティーネットを重視する「社会民主主義」を統合した考えだ。
 我が国に置き換えてみると自民党は残念ながら「自由主義」政党とはいえない。
 自民党の本質は経済に政府が過剰に介入する「社会主義」型。
 つまり自民党は現状維持・守旧派の「保守主義政党」。
 民主党は自由主義と社会民主主義を統合・融合した理念を柱にすべきではなかろうか。

社会民主主義というのは、市場経済を容認しつつ、社会主義の理念を追求する立場。
計画経済・社会主義経済を基礎とする立場でない事は常識とは思いますが(それは共産主義ですので)。
そして、菅さんは

 自民党の本質は経済に政府が過剰に介入する「社会主義」型

と言っているが、
実はこの菅さんが社会主義型として排撃しているものこそ、社会民主主義だったりする。

では、社会民主主義を『経済に政府が過剰に介入する「社会主義」型』と否定なら、
菅さんが主張する『個人の自由と自由主義経済の「自由主義」』の自由主義経済ってなに?という話になる。

勘が鋭い人なら気づくと思いますが、つまり自由主義経済とは市場原理主義の事なんです。
市場原理を重んずる(あるいは崇拝する)市場(原理)主義者が、社会民主主義を批判する際、
菅さんと全く同じか酷似する批判を浴びせますから(社会民主主義は経済に政府が過剰に介入する統制経済etc...)。
83:2009/06/02(火) 16:44:14 ID:zaepfrYJ
菅直人公式サイト
http://www.n-kan.jp/2002/01/post-1421.php
ニューデモクラッツ
2002年1月11日 00:00 :
 今日から活動再開。朝は野党4党幹事長の朝食会。通常国会に向けて野党協力について話し合う。
 自由党と社民党の幹事長には「第三の道」をテーマにした勉強会を昨日提案し、今日改めてギデンズ氏の本を渡しておいた。
 効率のため市場万能主義をとる新自由主義と公正のため効率を軽んじた古い社民主義。
 これに対して効率と公正を積極的に両立させるのが第三の道。
 先日アメリカのクリントンを担ぎ出し「ニューデモクラッツ」を唱えてきた民主党のメンバーと会談したが、
 彼らも「第三の道(Third Way)」という言い方をしていた。
 小泉総理の構造改革はサッチャー的改革を求めながら政財官のトライアングルに妥協し、もはや期待はまったく出来ない。
 民主党を第三の道の改革を担える「ニューデモクラッツ」に脱皮させたい。

菅直人公式サイト
http://www.n-kan.jp/2001/08/post-1563.php
センターレフト
2001年8月 7日 00:00 :
 昨日、民主党の参院議員会長、幹事長選挙が行われた。
 密室の話し合いよりもオープンな選挙で決めたいという参院の若手の動きから始まったもので、
 その点はよかったと思っている。ただ2年前の代表選挙の時の私の選対責任者を務めてもらった江田さんが
 1票差で涙を飲むことになったのは残念。衆議院議員は基本的に手を出さなかったはず。
 また昨日の両院総会では活発な意見が出た。
 大橋巨泉さんから「民主党はセンターレフトの政党であることを鮮明にするべき」という意見が出された。
 私も基本的に賛成。ブレアイギリス首相の言う第三の道も基本的にセンターレフト。
93:2009/06/02(火) 16:51:24 ID:zaepfrYJ
あと、菅さんの発言の中にブレアの話が出てきますが、
支持者の人も、当時人気があったブレアにあやかり、菅さんは日本のブレアと持ち上げていましたね。
また同じ様に支持者の人は、菅さんと同じ様な主張をよくされていました。
自由主義の社会民主主義の融合が第三の道だ、菅さんは日本のブレアだ、と。
ところがその菅さんや支持者が持ち上げていたブレアというのは、
今ではただのネオリベだったと言われているんですね。

 ビル・エモットは、現在の英国では、誰もこの思想を話題にはしておらず、ブレア自身も政権の途中から
 この言葉を使わなくなった、理由はそんな思想など元々存在しなかったからだと主張している。
 彼によれば第三の道は左派政党が支持者に対して右派の政策を採択することにより左派を裏切ろうと
 しているのではないことを説得する方便にすぎないとする。ブレア政権は確かに福祉・教育予算を拡充し、
 サッチャー政権下で荒廃した病院や教育の立て直しを目指したが、成功していない。
 理念として提示した社会的公正の実現もさほど成功しなかった。
 政策実行上では有権者の強い支持を得られ政権運営の役に立ったが、
 保守政権の政策を基本的に踏襲した政策の実情はブッシュ政権の唱えた「思いやりのある保守主義」と呼ぶべきもので
 第三の道が新たな政治路線ではなく思いやりのある保守主義であることに有権者が気づいたことも、
 2度連続して総選挙に大勝したブレアが辞任に追い込まれた理由の一つとされる。
ソース
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E3%81%AE%E9%81%93
103:2009/06/02(火) 17:00:11 ID:zaepfrYJ
簡単に説明すると、こういうことです。

社会民主主義

・市場経済は消極的には容認するが、信用は一切しない
・市場に対して適切な規制を施し、国民生活と労働者を市場経済の弊害から守る
=反市場原理主義、反新自由主義が社会民主主義の立場

菅さんの唱える自由主義の立場(第三の道)

・市場経済を積極的に容認し、信用する
・規制は原則不要であり、不具合が生じたり、被害が出た場合に事後対応
=市場原理主義や新自由主義と呼ばれる立場

つまり、正確には、自由主義と社会民主主義の融合ではなく、
新自由主義(市場原理主義)に安全網を付け足しただけもの、なんですね。
だから菅さんの唱える立場は、別名を新自由主義左派、左派新自由主義と言います。

ちなみに最近亡くなられた韓国の盧武鉉元大統領は左派新自由主義でしたが、
言うまでもなくその路線は失敗に終わっています。
また、クリントン政権も第三の道路線でしたが、レーガン時代の傷跡の是正には
失敗したと結論されていますし、イギリスやドイツでも失敗しています。
現実の政治路線としての第三の道(新自由主義左派)は、成功した国がないんです。

新自由主義(市場原理主義)をベースにしたものが上手く行くはずがないので当然ですが。
113:2009/06/02(火) 17:17:07 ID:zaepfrYJ
「社民結集は目標に値しない」「英独型の保守vs社民から米国型の保守vs自由に変えるべき」と唱え、
社会民主主義にネガキャンをした上に社会主義とレッテルを貼った菅さんが社会民主主義である筈ないですが、
しかし、この発言が既に過去のものである事も事実なので、微妙といえば微妙なんですがね。

菅さんが現在も新自由主義左派の立場を維持されているかは、不明です。

ただし、菅さんが新自由主義者と全く同じ手法で社会民主主義を貶めてきたこと、
社会民主主義を、まるで市場経済を否定する立場であるかのように主張し、
市場原理主義的な立場を肯定し、正当化するような発言をしてきたこと、
こうした事実は踏まえておく必要があるでしょう。
12青鴉 ◆uiQljvJH0c :2009/06/02(火) 17:36:28 ID:ZN7u5jhB
>>7
>自民党の本質は経済に政府が過剰に介入する「社会主義」型 と言っているが、
>実はこの菅さんが社会主義型として排撃しているものこそ、社会民主主義だったりする。

「過剰」というのが何を基準にしてるのかによりますが、
ニューディール政策以降のリベラル派のアメリカ民主党の方針では、政府の介入を
積極的に認めてますね。社会保障制度の樹立、富裕税法としての税制改革、公共事業の拡充
労働保護立法(ワグナー法の制定)、全部、ニューディール政策起源ですから社会民主主義に近いです。

管が考えてるような『個人の自由と自由主義経済の「自由主義」』というのは
アメリカ・リベラル派以前の古典的リベラルと呼んで良いのですが、
お察しの通り、社会民主主義とは全く別ものです。

事実上は新自由主義と何も変わりませんし、リヴァタリアニズムといっても
いいかもしれません。経済学者で言うとハイエクの系統ですね。