>>207-208続報
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点呼失敗・トイレ汚れ…些細な事で暴行 広島少年院事件(1/2ページ)2009年6月11日17時1分
広島少年院(広島県東広島市)の法務教官4人が在院少年らに対する特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕された事件で、4教官が院内のルールには触れないささいなことをきっかけに暴力を振るっていたことが、複数の保護者や元在院者らの証言でわかった。
広島地検は暴行の経緯を調べ、院内で暴力が横行した理由の解明を進めている。
次男が在院中の母親は、同少年院側が5月18日に開いた暴行事案の説明会で、担当者から「息子さんが点呼を失敗したことで、教官から殴られたことがあった」と聞かされた。
同少年院では1日数回、少年を横一列に並ばせ「1」から順番に番号を言わせる点呼をしている。間髪を入れずに大声で数を言わなければならないが、次男はうまくできず、教官から殴られるなどしたという。
また、関係者によると、逮捕された教官の松本大輔容疑者(29)に紙おむつをはくよう強いられた少年は、その日トイレ掃除の当番だった。掃除後に松本容疑者が汚れを見つけ、少年に「お前はもうトイレを使うな」と言って紙おむつを渡したという。
かつて在院していた男性によると、院内の運動場で行進の練習をしていた際、足並みをそろえられなかった少年がいた。教官はその場では怒鳴るだけだったが、寮に戻ってからその少年を別室に連れ出して殴っていたという。
同少年院は院内の「順守事項」を定め、刑法に触れる行為などをした場合、独房に最長20日間収容することもある。ただ、点呼の失敗やトイレの汚れ、行進の足並みの乱れなどは、いずれも順守事項には当たらない。
そもそも、院内では肩をたたくなどの軽いスキンシップも含め、教官と少年との身体接触を禁止しているという。同少年院の岸元攻(おさむ)次長は「理由が何であれ、暴力を振るわないのは当たり前のこと」としている。
それなのに、ある保護者によると、「わけもわからず殴られた」と話す少年が複数いるという。(小俣勇貴、山下奈緒子)
アサヒ・コム