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強制わいせつ罪の被告に無罪 福岡地裁判決2009年5月19日22時9分
帰宅途中の女性にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの罪に問われた無職の男性(40)に、福岡地裁は19日、無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。林秀文裁判長は「捜査に適正さを欠く点があり、犯人とするには合理的な疑いが残る」と理由を述べた。
男性は06年11月4日午後6時ごろ、福岡市西区石丸1丁目のアパート1階の郵便受け前で、帰宅途中だった20代の女性の胸をさわるなどのわいせつな行為をしたとして、起訴された。男性は公判で起訴事実を否認し、無罪を主張していた。
判決はまず、被害者の供述の信用性を検討。被害者が「犯人は髪を真ん中で分けていた」と説明していたのに対し、事件直前に近くのスーパーの防犯カメラに映った男性の髪形は「リーゼント」だったと指摘。
「髪形は瞬間的に特徴をつかみやすく、被害者の誤認は考えにくいが、犯行時は日没後で暗く、観察条件も良くなかった」と述べた。
さらに、被害者に、男性の顔を見て犯人かどうか確認する「面通し」をさせた捜査側の手法にも言及複数の男性から選ばせるのではなく、
この男性のみを単独で判断させたことについて「被害者に『男性が犯人だ』との先入観を抱かせるもので、証拠価値は重視できない」と判断。「被害者証言は、男性が犯人に類似しているとの限度でしか信用できない」と結論付けた。
判決後、男性は「おおむね不満はない」と話した。男性の弁護人、黒木聖士弁護士は「適正な捜査がなされていれば、本来起訴されなかった事件。被告側の主張を認めた判決」と評価した。
一方、福岡地検の吉浦正明次席検事は「判決文をよく検討して、上級庁と協議のうえ、適切に対応したい」との談話を出した。
アサヒ・コム